JP2007125483A - キレート剤含有水のフッ素・リン処理方法および装置 - Google Patents

キレート剤含有水のフッ素・リン処理方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】キレート剤含有水をフッ素・リン処理をオゾン処理を併用して行い、カルシウム化合物の形成を安定して行えるようにすることで、発生汚泥量が少なく、より高い水質の処理水が得られる処理方法および装置を提供する。
【解決手段】キレート剤を含有するフッ酸および/またはリンを含む原水に、カルシウム化合物を作用させて不溶化物を形成する不溶化物形成工程と、形成した不溶化物を固液分離して処理水を得る固液分離工程とを有する方法であって、不溶化物形成工程以前に、原水にオゾンを溶解させるオゾン溶解工程を設けたことを特徴とする、キレート剤含有水のフッ素・リン処理方法および装置。
【選択図】図5

Description

本発明は、キレート剤含有水中に含まれるフッ素・リンの処理方法および装置に関し、特に、オゾン処理とカルシウム化合物を添加する処理を組み合わせた、キレート剤含有水のフッ素・リン処理方法および装置に関する。
エレクトロニクス産業廃水等から排出されるフッ素含有水の排出基準値が2001年7月に15mg/Lから8mg/Lに強化され、より高度な処理水が求められるようになった。また、一般に産業排水にはリンも含有される場合が多く、閉鎖性水域における富栄養化防止の観点などからリン除去を行う必要があり、多くの地域ではリンは上乗せ規制の対象になっている。
このフッ素やリンの除去には、被処理水(原水)にカルシウム塩を添加してフッ化カルシウムやリン酸カルシウムの不溶化物を生成させる方法が一般に広く用いられており、フッ素・リンを確実に処理するには、カルシウム化合物を安定的に形成させることが重要である。
カルシウム化合物を用いた処理法としては、カルシウム化合物を添加した後、アルミニウムまたは鉄系の無機凝集剤、および高分子凝集剤で凝集させて、固液分離する凝集沈殿法が多く採用されている(例えば、特許文献1、2)。この処理法では、例えば図1に示すように、キレート剤含有フッ素・リン排水1に、Ca反応槽2でCa塩が添加されて不溶化物が形成され、無機反応槽3でAl塩等の無機塩が無機凝集剤として添加されるとともにpH調整剤が添加され、さらに凝集槽4で高分子凝集剤が添加されて上記不溶化物が凝集され、沈殿槽5で固液分離されて処理水6が得られるようになっている。
また、フッ化カルシウムなどの晶析物を流動状態で保持した反応槽にフッ素・リンを含有する排水とカルシウム塩を供給し、カルシウム化合物を晶析物の表面に析出させる晶析法と呼ばれる方法もある。この処理法は、例えば図2に示すように、キレート剤含有フッ素・リン排水1をポンプ11を介して晶析反応塔12に送り、ここに種晶を充填しCa塩を添加して晶析反応を起こさせ、必要に応じて中間槽13、ポンプ14を介して被処理水を循環させて、処理水6を得るようにしたものである。この処理法では、カルシウムとの反応により生じたカルシウム化合物の粒子は含水率が低く、純度が高いため、フッ素・リンを回収再利用できることや、汚泥発生量が少ないなどの利点が挙げられている。
特開平5−293474号公報 特開2001−9468号公報
しかし、特にエレクトロニクス産業排水においては、主に半導体基盤の洗浄工程において洗浄剤として一般に「キレート剤」と呼ばれる物質が使用されることが多く、これらが排水中に含まれることがある。これらキレート剤は、金属イオンと反応して水溶性の金属キレート化合物を生成する作用を持つために、添加したカルシウムと結合し、カルシウム化合物を形成する。そのため、キレート剤が原水中に大量に混入した場合にはカルシウムを消費し、フッ素・リンとカルシウムとの処理における処理水質を悪化させることがある。さらに、本発明者らの研究によれば、キレート剤によるカルシウム化合物形成阻害作用はごく少量の含有量でも顕著であり、例えばクエン酸の場合、TOCとして10mg/L程度の混入でも大幅に処理水質を悪化させることが明らかとなった。
そこで本発明者らは、未だ出願未公開の段階にあるが、特願2004-364951号において、排水に含まれるキレート剤の影響によりカルシウム化合物の形成反応が妨害されるような排水でも、カルシウム反応前、もしくは同時に鉄塩を添加することで、反応性を改善できることを提案している。この方法は、前述の図1に示した凝集沈殿法に対しては、例えば図3に示すように、Ca反応槽2の前段に、鉄塩を添加するキレート反応槽21を設けて予めキレート剤を反応させキレート剤による影響を低減させておくことで実施可能である。鉄塩としては塩化第二鉄やポリ硫酸第二鉄などが用いられ、反応pHは7以下、好ましくは2程度に維持される。また、前述の図2に示した晶析法に対しては、例えば図4に示すように、晶析反応塔12の前段に、鉄塩を添加するキレート反応槽31を設けて予めキレート剤を反応させキレート剤による影響を低減させておくことで実施可能である。
このような鉄塩を添加する方法では、鉄イオン、特に第二鉄イオン(Fe3+)は様々なキレート剤と比較的安定して金属キレート化合物を生成しやすい性質をもつことから、予め、または同時にこれらを作用させることで、カルシウムキレート化合物の生成を防止して、結果的にフッ素・リンとカルシウムとの反応不良を解消することができる。
ところが、このような方法には、次のような問題が残されている。すなわち、数mg/L〜数十mg/L程度のキレート剤の影響を無くすために、鉄として数百mg/Lもの多大な添加量を必要とするので、凝集沈殿法においては発生汚泥量が大幅に増加してしまう。また、晶析法においては、添加した鉄イオンが晶析反応に対する阻害物質となって、処理水が白濁したり、種晶の純度が低下するなどの問題が生じるおそれがある。
そこで本発明の課題は、上述の如き実情に鑑み、キレート剤含有水をフッ素・リン処理をオゾン処理を併用して行い、カルシウム化合物の形成を安定して行えるようにすることで、発生汚泥量が少なく、より高い水質の処理水が得られる処理方法および装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るキレート剤含有水のフッ素・リン処理方法は、キレート剤を含有するフッ酸および/またはリンを含む原水に、カルシウム化合物を作用させて不溶化物を形成する不溶化物形成工程と、形成した不溶化物を固液分離して処理水を得る固液分離工程とを有する方法であって、前記不溶化物形成工程以前に、原水にオゾンを溶解させるオゾン溶解工程を設けたことを特徴とする方法からなる。
ここで言うキレート剤とは、金属とキレート化合物を形成し、金属イオンの働きを封鎖してその働きを阻止する物質であれば特に限定するものではないが、例えば、有機アミノカルボン酸系キレート剤や有機カルボン酸系キレート剤等が挙げられる。有機アミノカルボン酸系キレート剤としては、EDTA、NTA、DTPA、GLDA、HEDTA,GEDTA、TTHA、HIDA、DHEG等が挙げられる。また、有機カルボン酸系キレート剤としては、グルコン酸、クエン酸、シュウ酸、ギ酸、酒石酸、フィチン酸、コハク酸、乳酸、及び、その塩類等が挙げられる。
上記方法において、上記不溶化物形成工程としては、凝集沈殿工程、晶析工程のいずれも採用可能である。
また、上記方法においては、さらに、pH調整を行いながらオゾンを溶解させるためのpH調整工程を有することが好ましい。このpH調整工程には、例えば消石灰を用いることができる。
また、本発明に係るキレート剤含有水のフッ素・リン処理装置は、キレート剤を含有するフッ酸および/またはリンを含む原水にオゾンを溶解させるオゾン溶解手段と、原水にカルシウム化合物を作用させて不溶化物を形成する不溶化物形成手段と、形成した不溶化物を固液分離して処理水を得る固液分離手段と、を有することを特徴とするものからなる。
この装置においても、不溶化物形成手段としては、凝集沈殿手段、晶析手段のいずれも採用可能である。
また、上記装置においては、さらに、pH調整を行いながらオゾンを溶解させるためのpH調整手段を有することが好ましい。このpH調整手段には、例えば消石灰を用いることができる。
本発明に係るキレート剤含有水のフッ素・リン処理方法および装置によれば、キレート剤含有水にオゾンを溶解させ溶解オゾンと反応させて有機物を極力酸化分解させるとともに、カルシウム化合物とも反応させフッ素・リンのカルシウム塩を形成させて原水中から除去するようにしたので、添加するカルシウム化合物を無駄に消費することなく不溶化物としてのカルシウム化合物を安定して形成することができ、汚泥の発生量を少なく抑えて、効率のよい処理を行うことができるとともに、より高い水質の処理水を得ることが可能になる。
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに、図面を参照して詳細に説明する。
本発明では、原水にオゾンとカルシウムを作用させる。このとき、原水へのオゾンの溶解効率が低いと有機物の酸化分解反応が効率よく行われないため、溶解効率を上げることが好ましい。オゾンの溶解効率を上げるためには、例えば特開平10-85770号公報に示されているように、排水のpHを調整してアルカリ条件下でオゾンと反応させることが好適である。pH調整には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の一般的なアルカリを使用することができる。オゾンを原水に溶解させる方法は特に問わないが、溶解効率の点から、ラインミキサーなどのように気体と液体を攪拌しながら混合する気液攪拌混合手段がより有効である。
フッ素・リンの処理方法としては、前述のように凝集沈殿法、晶析法などが用いられる。凝集沈殿法においては、図5、図6に示すように、上記オゾン溶解手段としてのオゾン供給装置41およびオゾン混合(溶解)装置42が設けられ、好ましくはオゾン混合装置42の前段でpH調整剤としてアルカリ剤が添加される。pH調整のために添加するアルカリ剤として消石灰を用いることで、アルカリ剤の添加量を削減することができる。pH調整のために添加した消石灰のみでカルシウムが十分量確保できる場合は後段でカルシウム剤を添加する必要はないが、添加する場合は図5のように、オゾンを排水に添加し混合する工程と同時に行ってもよいし、図6に示すように後段でカルシウム剤を作用させるためのCa反応槽2を設けても構わない。
上記オゾン溶解処理の後、あるいはオゾン溶解とカルシウム剤添加を同じ工程で行った後、原水は、カルシウム剤と反応させてフッ素・リン処理工程に流入する。図1を用いて前述したように、カルシウム塩を添加してフッ化カルシウムやリン酸カルシウムを形成した後、固液分離を容易にし、かつ、フッ素・リンの除去率を向上させるために、アルミニウム塩を併用することが有効である。具体的には、カルシウム化合物反応後の被処理水にPAC(ポリ塩化アルミニウム)や硫酸バンドなどのアルミニウム系無機凝集剤を反応させることで、凝集性を高めるとともに、アルミニウムの吸着能力を利用して、処理水質を向上・安定させることができる。Ca反応槽2では、カルシウム源として、消石灰や塩化カルシウム等のカルシウム化合物を添加し、反応pHは3〜12、好ましくは4〜11に維持される。無機反応槽3では、アルミニウム系凝集剤として一般にPAC(ポリ塩化アルミニウム)や硫酸バンド等が用いられ、反応pHは5〜8.5、好ましくは6〜7.5に維持される。場合により、塩化第二鉄やポリ鉄などの鉄系凝集剤が用いられることもある(pH4〜11)。
このように、Ca剤添加とともに、あるいはCa剤添加の前段でオゾン溶解処理を行い、有機物を分解することでCa剤の消費量を抑え、Ca反応に与える阻害を小さくし、良好な処理水が得られる。また、キレート剤を十分に酸化分解するために多量のオゾンが必要になる場合など、オゾン法単独での分解が事実上困難な場合には、オゾン法の後段で生物処理を行うことが望ましい。オゾン法によりキレート剤の一部が分解され、生物分解性が向上していることが多く、オゾン法単独で分解するよりも経済的な場合が多いからである。
さらに、本発明者らは、特願2004-117905号において、アルミニウムを含む汚泥の全部または一部を引き抜き、アルカリまたは酸を加えて処理する汚泥再生処理を施した後、反応槽へ返送させる方法を提案しているが、本発明においても、オゾン溶解処理後の排水に汚泥再生法を適用することで、より良好な処理水を得ることができる。例えば図7に示すように、汚泥再生槽43を設け、ここでアルカリまたは酸を加えて再生処理を行い、Ca反応槽2または無機反応槽3に返送するようにすればよい。Ca反応槽2や無機反応槽3の後段処理としては高分子凝集剤を併用するのが好適である。これは不溶化物の凝集性を高め、固液分離性を向上させるためである。
使用するカルシウム化合物、高分子凝集剤は、特に限定するものではないが、カルシウム化合物としては、一般的にカルシウム凝集沈殿法で用いられる塩化カルシウム、消石灰、炭酸カルシウム等が挙げられる。高分子凝集剤としては、カチオン系、アニオン系、ノニオン系のいずれでも良く、凝集効果の高いものを適宜採用すればよい。
固液分離方法については、沈殿分離、加圧浮上分離、膜分離等が挙げられるが、特に限定するものではない。
また、pH調整に用いる酸、アルカリについても、種類は特に限定されるものではないが、硫酸、塩酸、硝酸、水酸化ナトリウム水溶液、消石灰スラリー等を用いることができる。
一方、晶析法を用いる場合は、例えば図8に示すように、晶析反応塔12の前段にオゾン溶解手段としてのオゾン供給装置41およびオゾン混合装置42が設けられる。オゾン溶解処理しオゾンと反応させたた原水を晶析反応塔12に供給し、同時にCa塩を添加して、フッ素・リンのCa化合物を形成させる。形成した化合物は、処理水出口とは別に設けられた排出口より抜き出される。晶析反応塔12としては、例えば、原水および晶析塔出口水(循環水)を上向流で通水する流動床式が用いられる。塔上部から流出する処理水は、原水を希釈するための循環水として塔内に再循環されるが、希釈の必要がない場合は再循環しなくてもよい。その場合には、中間槽13を省略することが可能である。オゾン反応時に使用されるアルカリ剤としては、あらかじめオゾン反応槽でCa化合物が形成すると晶析塔内で析出せずに処理水に流出するため、Ca塩ではなくNaOHなどが用いるのがよい。
次に、本発明による効果を確認するために、以下のような、従来法と本発明法との比較試験を行った。
まず、本発明におけるオゾン処理−凝集沈殿法について試験した。試験装置は図3に示した装置(従来法)および図6に示した装置(本発明法−I)と図7に示した装置(本発明法−II)を用い、原水は、NaF溶液(F=100mg/L)にキレート剤としてクエン酸C6H8O7を混合して調整した。通水条件は、原水流入量:100L/h、各反応槽:25Lとし、汚泥再生槽を使用する場合にはその容量を5L、汚泥循環率を10%(原水基準)として、無機反応槽に返送した。
従来法としては、図3のフローを想定した試験(試験番号1−0、1−1、1−2)とし、本発明法としては、図6のフローを想定した試験(試験番号2−1および2−2)、図7の汚泥再生法実施の場合のフローを想定した試験(試験番号3−1)とした。結果を表1に示す。
試験条件は以下の通りである。
<従来法>
・キレート反応槽(pH2):ポリ鉄:200mg-Fe/L添加
・Ca反応槽(pH7):消石灰:500mg-Ca/L添加
・無機反応槽(pH7):PAC:300mg/L添加
・高分子反応槽:オルガノ(株)製高分子凝集剤”オルフロック”OA-23:2mg/L添加
<本発明法−I>
・アルカリ剤:水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調整
・オゾン添加法:ラインミキサー(密閉容器内に高速で回転する回転翼が取り付けられているもの)
・Ca塩:消石灰:500mg-Ca/L添加
・無機反応槽(pH7):PAC:300mg/L添加
・高分子反応槽:オルガノ(株)製高分子凝集剤”オルフロック”OA-23:2mg/L添加
<本発明法−II>
・アルカリ剤:水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調整
・オゾン添加法:・・・ ラインミキサー(密閉容器内に高速で回転する回転翼が取り付けられているもの)
・Ca塩:消石灰:500mg-Ca/L添加
・無機反応槽(pH7):PAC:300mg/L添加
・高分子反応槽:オルガノ(株)製高分子凝集剤”オルフロック”OA-23:2mg/L添加
・汚泥再生槽(pH10):消石灰をpH10になるまで添加
Figure 2007125483
表1に示すように、従来法においては、
試験番号1-0:基本データとなる。キレート成分が存在すると、Caとフッ素の反応性が悪化し、処理水質は悪い。
試験番号1-1: Ca反応前にFe反応実施したもの。処理水質は良好になるが、汚泥発生量が多大になる。
試験番号1-2: Feの添加量を減らしたもの。 Feの添加量を減らすと、キレートの影響を低減できずに処理水悪化。
これらに対し、本発明法−Iにおいては、
試験番号2-1:キレート剤含有排水に対してオゾン処理実施したもの。キレート成分が分解され、処理水良好。汚泥発生量も少ない。
試験番号2-2:クエン酸増加したもの。オゾン処理が良好に働けば、処理水良好。
本発明法−IIにおいては、
試験番号3-1:試験番号2-1の方法に加え、汚泥再生処理実施したもの。処理水質はさらに良好となる。
次に、本発明におけるオゾン処理−晶析法について、図9に示すフロー(従来法)と図10に示すフロー(本発明法)により試験した。従来法としては、予備試験として原水をそのまま晶析塔へ通水した試験(試験番号4−1)、下記条件(1)にて通水した試験(試験番号5−1および5−2)、本発明法としては、下記条件(2)にて通水した試験(試験番号6−1および6−2)を実施した。
・条件(1):原水にポリ鉄添加後、pH2で反応させて晶析反応塔へ通水した。
・条件(2):原水にNaOHを添加してpH10〜11にした後、オゾンをラインミキサーを用いて原水中に溶解して晶析反応塔へ通水した。結果を表2に示す。
試験条件は以下の通りである。
・原水:NaF溶液(F=100mg/L)、クエン酸C6H8O7添加
・Ca剤:塩化カルシウム10%溶液、500mg-Ca/L注入
・pH調整剤:水酸化ナトリウム溶液、塩酸
・種晶(シード材):蛍石(フッ化カルシウム)
・反応カラム(晶析反応塔):内径20mmφ、高さ2.5m、アクリル製
・反応pH:反応塔出口処理水pHが4〜5になるように循環pHを調整
・通水量:フッ素負荷=3kg-F/m2/h、LV=40m/hになるように処理水を循環
Figure 2007125483
表2に示すように、従来法においては、
試験番号4-1:キレート剤として原水にクエン酸が混入したもの。Caとフッ素の反応性は悪い。
試験番号5-1: Ca反応前にキレート封鎖のためのFe反応を実施したもの。処理水質は悪く、種晶の純度も激減する。
試験番号5-2:キレート封鎖のために添加する鉄塩の量を減らすと、キレート封鎖しきれずに処理水悪化。
これらに対し、本発明法においては、
試験番号6-1:キレート剤含有排水に対してアルカリ条件下でオゾン処理実施。キレート成分が分解され、処理水良好。種晶純度も高い。
試験番号6-2:クエン酸増加したもの。オゾン処理が良好に働けば、処理水良好。
このように、凝集沈殿法、晶析法のいずれに対しても、本発明によりオゾン処理を組み合わせて実施することで、良好な結果が得られた。
本発明は、あらゆるキレート剤含有水中に含まれるフッ素・リンの処理に適用可能であり、とくにエレクトロニクス産業廃水等から排出されるフッ素含有水の処理に好適なものである。
凝集沈殿法を適用した従来のキレート剤含有フッ素・リン排水処理装置の概略機器系統図である。 晶析法を適用した従来のキレート剤含有フッ素・リン排水処理装置の概略機器系統図である。 凝集沈殿法を適用した場合の、本出願人が先に提案したキレート剤含有フッ素・リン排水処理装置の概略機器系統図である。 晶析法を適用した場合の、本出願人が先に提案したキレート剤含有フッ素・リン排水処理装置の概略機器系統図である。 凝集沈殿法を適用した本発明の一実施態様に係るキレート剤含有フッ素・リン排水処理装置の概略機器系統図である。 凝集沈殿法を適用した本発明の別の実施態様に係るキレート剤含有フッ素・リン排水処理装置の概略機器系統図である。 凝集沈殿法を適用した本発明のさらに別の実施態様に係るキレート剤含有フッ素・リン排水処理装置の概略機器系統図である。 晶析法を適用した本発明の一実施態様に係るキレート剤含有フッ素・リン排水処理装置の概略機器系統図である。 晶析法を適用した従来法に係る試験装置の概略機器系統図である。 晶析法を適用した本発明法に係る試験装置の概略機器系統図である。
符号の説明
1 キレート剤含有フッ素・リン排水(原水)
2 Ca反応槽
3 無機反応槽
4 凝集槽
5 沈殿槽
6 処理水
11 ポンプ
12 晶析反応塔
13 中間槽
14 ポンプ
21 キレート反応槽
31 キレート反応槽
41 オゾン供給装置
42 オゾン混合装置
43 汚泥再生槽

Claims (10)

  1. キレート剤を含有するフッ酸および/またはリンを含む原水に、カルシウム化合物を作用させて不溶化物を形成する不溶化物形成工程と、形成した不溶化物を固液分離して処理水を得る固液分離工程とを有する方法であって、前記不溶化物形成工程以前に、原水にオゾンを溶解させるオゾン溶解工程を設けたことを特徴とする、キレート剤含有水のフッ素・リン処理方法。
  2. 前記不溶化物形成工程が凝集沈殿工程である、請求項1に記載のキレート剤含有水のフッ素・リン処理方法。
  3. 前記不溶化物形成工程が晶析工程である、請求項1に記載のキレート剤含有水のフッ素・リン処理方法。
  4. pH調整を行いながらオゾンを溶解させるためのpH調整工程を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のキレート剤含有水のフッ素・リン処理方法。
  5. 前記pH調整工程に消石灰を用いる、請求項4に記載のキレート剤含有水のフッ素・リン処理方法。
  6. キレート剤を含有するフッ酸および/またはリンを含む原水にオゾンを溶解させるオゾン溶解手段と、原水にカルシウム化合物を作用させて不溶化物を形成する不溶化物形成手段と、形成した不溶化物を固液分離して処理水を得る固液分離手段と、を有することを特徴とするキレート剤含有水のフッ素・リン処理装置。
  7. 前記不溶化物形成手段が凝集沈殿手段である、請求項6に記載のキレート剤含有水のフッ素・リン処理装置。
  8. 前記不溶化物形成手段が晶析手段である、請求項6に記載のキレート剤含有水のフッ素・リン処理装置。
  9. pH調整を行いながらオゾンを溶解させるためのpH調整手段を有する、請求項6〜8のいずれかに記載のキレート剤含有水のフッ素・リン処理装置。
  10. 前記pH調整手段に消石灰を用いる、請求項9に記載のキレート剤含有水のフッ素・リン処理装置。
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