JP2007124625A - D級増幅器 - Google Patents

D級増幅器 Download PDF

Info

Publication number
JP2007124625A
JP2007124625A JP2006226272A JP2006226272A JP2007124625A JP 2007124625 A JP2007124625 A JP 2007124625A JP 2006226272 A JP2006226272 A JP 2006226272A JP 2006226272 A JP2006226272 A JP 2006226272A JP 2007124625 A JP2007124625 A JP 2007124625A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
level
class
output
amplifier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006226272A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4853176B2 (ja
Inventor
Masayuki Iwamatsu
正幸 岩松
Toshio Maejima
利夫 前島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP2006226272A priority Critical patent/JP4853176B2/ja
Priority to EP08007400A priority patent/EP1962419B1/en
Priority to EP06020327A priority patent/EP1770855B1/en
Priority to AT06020327T priority patent/ATE521133T1/de
Priority to KR1020060094886A priority patent/KR100805437B1/ko
Priority to CN2010101475743A priority patent/CN101807889B/zh
Priority to CN2006101415036A priority patent/CN1941613B/zh
Priority to CN2010101475584A priority patent/CN101807887B/zh
Priority to CN201010147571XA priority patent/CN101807888B/zh
Priority to US11/541,999 priority patent/US7482870B2/en
Publication of JP2007124625A publication Critical patent/JP2007124625A/ja
Priority to US12/317,613 priority patent/US8054129B2/en
Priority to US13/114,464 priority patent/US8299853B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4853176B2 publication Critical patent/JP4853176B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 入力信号のダイナミックレンジの全域に亙って、歪の少ない状態で入力信号を増幅し、かつ、適切なレベルの出力信号を得ることができるD級増幅器を提供する。
【解決手段】 アンプ部100は、入力アナログ信号に応じてパルス幅変調されたデジタル信号VOpおよびVOnを出力する。このアンプ部100の入力部には、減衰手段たるスイッチ130が設けられている。このスイッチ130とクリップ防止制御部200は、デジタル信号VOpまたはVOnがクリップまたはそれに近い状態になったとき、デジタル信号VOpまたはVOnが示す波形のピークレベルが一定レベルを維持するように、入力信号VIpおよびVInのレベルの増加に応じてアンプ部100の全体の利得を低下させる利得制御手段としての役割を果たす。
【選択図】図1

Description

この発明は、オーディオ機器のパワーアンプなどに好適なD級増幅器に関する。
D級増幅器は、入力信号に応じてパルス幅やパルスの時間密度が変調されたパルス列を生成し、このパルス列により、負荷を駆動するアンプである。このD級増幅器は、オーディオ機器等においてスピーカを駆動するパワーアンプとして用いられる場合が多い。この種のパワーアンプでは、入力信号のレベルが適正範囲を越える場合に、出力信号波形にクリップが生じる。このようなクリップは、そのまま負荷であるスピーカに与えられると、スピーカから耳障りな音となって出力されるため、その発生を防止する必要がある。
特許第3130919号
特許文献1に開示の技術では、D級増幅器のPWM(Pulse Width Modulation)変調器の前段に、可変利得増幅手段を配置し、クリップを発生させそうな入力信号がPWM変調器に与えられた場合に、PWM変調器の後段のスイッチング増幅段の電源電圧を高電圧に切り換える一方、PWM変調器の前段の可変利得増幅手段の利得を低下させることによりクリップの防止を図っている。しかしながら、この特許文献1に開示の技術では、クリップを防止するために、スイッチング増幅段の電源電圧を制御する手段が必要であり、回路が大規模なものになるという問題があった。また、特許文献1の技術は、クリップが発生しそうになると、スイッチング増幅段の電源電圧を高電圧に切り換えるので、D級増幅器の出力信号のピークレベルが不要に高くなる場合があり、適切な音量で、かつ、歪の少ない状態でオーディオ再生を行いたいという要求に充分に応えるものではなかった。
この発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、入力信号のダイナミックレンジの全域に亙って、歪の少ない状態で入力信号を増幅し、かつ、適切なレベルの出力信号を得ることができるD級増幅器を提供することを目的とする。
この発明は、入力信号から、負荷を駆動するデジタル信号を生成する増幅手段と、前記デジタル信号がクリップまたはそれに近い状態になったとき、前記デジタル信号が示す波形のピークレベルが一定レベルを維持するように、前記入力信号のレベルの増加に応じて前記増幅手段の利得を低下させる利得制御手段とを具備することを特徴とするD級増幅器を提供する。
かかる発明によれば、デジタル信号がクリップまたはそれに近い状態になったとき、利得制御手段は、デジタル信号が示す波形のピークレベルが一定レベルを維持するように、入力信号のレベルの増加に応じて増幅手段の利得を低下させる。従って、入力信号のダイナミックレンジの全域に亙って、歪の少ない状態で入力信号を増幅し、かつ、適切なレベルの出力信号を得ることができる。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態を説明する。
<第1実施形態>
図1は、この発明の第1実施形態であるD級増幅器の構成を示す回路図である。このD級増幅器は、大別してアンプ部100と、クリップ防止制御部200と、三角波発生器300とにより構成されている。ここで、三角波発生器300は、0V〜+VBまでの電圧範囲内において直線状のスロープを描いて変化する一定周期の三角波信号TRを発生し、アンプ部100とクリップ防止制御部200に供給する回路である。アンプ部100は、入力アナログ信号から、負荷を駆動するデジタル信号を生成する装置である。さらに詳述すると、アンプ部100は、入力端101pおよび101nに与えられる正逆2相のアナログ入力信号VIpおよびVInのレベルに応じてパルス幅変調された正逆2相のデジタル信号VOpおよびVOnを生成し、出力端102pおよび102nから各々出力する回路である。また、クリップ防止制御部200は、アンプ部100内の所定のノードから取り出される信号を監視し、この信号のレベルが所定の範囲から外れた場合に出力デジタル信号VOpまたはVOnがクリップ状態またはそれに近い状態になったとみなし、入力アナログ信号を断続的に減衰させることを指令する減衰指令信号SWを発生し、アンプ部100に供給する回路である。三角波信号TRは、アンプ部100およびクリップ防止制御部200において、デジタル信号VOpおよびVOnの発生タイミングと減衰指令信号SWの発生タイミングを決定する同期信号として用いられる。以下、アンプ部100およびクリップ防止制御部200の構成を順に説明する。
アンプ部100において、入力端101pと出力端102nとの間には、抵抗R1、R3およびR5が直列に介挿されており、入力端101nと出力端102pとの間には、抵抗R2、R4およびR6が直列に介挿されている。ここで、抵抗R3およびR5の共通接続点は誤差積分器110の正相入力端111pに接続されており、抵抗R4およびR6の共通接続点は誤差積分器110の逆相入力端111nに接続されている。また、抵抗R1およびR3の共通接続点と抵抗R2およびR4の共通接続点との間には、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor構造の電界効果トランジスタ)などによるスイッチ130が介挿されている。このスイッチ130は、クリップ防止制御部200から与えられる減衰指令信号SWにより入力アナログ信号を断続的に減衰させる減衰手段として機能する。そして、このスイッチ130とクリップ防止制御部200は、デジタル信号VOpまたはVOnがクリップまたはそれに近い状態になったとき、デジタル信号VOpまたはVOnが示す波形のピークレベルが一定レベルを維持するように、入力信号VIpおよびVInのレベルの増加に応じて増幅手段たるアンプ部100の全体の利得を低下させる利得制御手段としての役割を果たす。
誤差積分器110は、抵抗R1およびR3を介して正相の入力アナログ信号VIpが正相入力端111pに与えられるとともに、抵抗R2およびR4を介して逆相の入力アナログ信号VInが逆相入力端111nに与えられる。また、誤差積分器110の正相入力端111pには、抵抗R5を介して逆相デジタル信号VOnが帰還され、誤差積分器110の逆相入力端111nには、抵抗R6を介して正相デジタル信号VOpが帰還される。そして、誤差積分器110は、このようにして与えられる入力アナログ信号VIpおよびVInと、デジタル信号VOpおよびVOnとの誤差を積分して、積分結果を示す正逆2相の信号VDpおよびVDnを正相出力端112pおよび逆相出力端112nから各々出力する回路である。誤差積分器110としては各種のものが考えられるが、図示の例では、差動増幅器113と、4個のキャパシタC1〜C4と2個の抵抗R11およびR12により構成された2次の誤差積分器110が用いられている。ここで、差動増幅器113の正相入力端(+入力端)および逆相入力端(−入力端)は、各々誤差積分器110の正相入力端111pおよび逆相入力端111nとなっており、差動増幅器113の正相出力端(+出力端)と逆相出力端(−出力端)は、各々誤差積分器110の正相出力端112pおよび逆相出力端112nとなっている。そして、差動増幅器113の正相入力端と逆相出力端との間には、誤差を積分するためのキャパシタC1およびC2が直列に介挿されており、これらのキャパシタの共通接続点は抵抗R11を介して接地されている。また、差動増幅器113の逆相入力端と正相出力端との間にも、誤差を積分するためのキャパシタC3およびC4が直列に介挿されており、これらのキャパシタの共通接続点は抵抗R12を介して接地されている。
パルス幅変調器120の正相入力端121pおよび逆相入力端121nは、誤差積分器110の正相出力端112pおよび逆相出力端112nに接続されている。また、パルス幅変調器120の三角波入力端122には、三角波発生器300から出力される三角波信号TRが与えられる。そして、パルス幅変調器120の正相出力端123pおよび逆相出力端123nは、アンプ部100の出力端102pおよび102nとなっている。パルス幅変調器120は、三角波入力端122に与えられる三角波信号TRを用いて、誤差積分器110の出力信号VDpおよびVDnのレベルに応じたパルス幅の正逆2相のデジタル信号VOpおよびVOnを生成し、正相出力端123pおよび逆相出力端123nから各々出力する回路である。このパルス幅変調器120も各種の構成のものが考えられるが、図示の例では、三角波信号TRが各々正相入力端に与えられ、誤差積分器110の正相出力信号VDpおよび逆相出力信号VDnが各々の逆相入力端に与えられるコンパレータ124pおよび124nと、コンパレータ124pおよび124nの出力信号VEpおよびVEnのレベルを各々反転して出力するインバータ125pおよび125nと、コンパレータ124nの出力信号VEnとインバータ125pの出力信号が入力されるNANDゲート126pと、コンパレータ124pの出力信号VEpとインバータ125nの出力信号が入力されるNANDゲート126nと、NANDゲート126pおよび126nの出力信号のレベルを各々反転して、正相出力端123pおよび逆相出力端123nから信号VOpおよびVOnとして各々出力するインバータ127pおよび127nにより構成されている。
以上がアンプ部100の構成の詳細である。
次にクリップ防止制御部200の構成を説明する。電流出力コンパレータ201は、誤差積分器110の出力信号VDpおよびVDnのレベルを基準レベルVLEVと比較し、出力信号VDpまたはVDnの少なくとも一方が基準レベルVLEVを越えている場合に、キャパシタC21および抵抗R21の並列回路に対して定電流を出力する回路である。ここで、通常は出力デジタル信号VOpおよびVOnにクリップを発生させないように、基準レベルVLEVは、三角波信号TRの上側のピーク電圧と同じか、それより僅かに低い電圧に設定されている。本実施形態におけるクリップ防止制御部200は、出力信号VDp(またはVDn)の上側のピーク電圧と基準レベルVLEVとを比較し、その比較結果に基づいてクリップ防止のための減衰指令信号SWを発生する構成となっているため、基準レベルVLEVはこのように設定される。しかし、クリップ防止制御部200は、出力信号VDp(またはVDn)の下側のピーク電圧と基準レベルVLEVとを比較し、その比較結果に基づいてクリップ防止のための減衰指令信号SWを発生する構成としてもよい。この場合、基準レベルVLEVは、三角波信号TRの下側のピーク電圧と同じか、それより僅かに高い電圧に設定する。また、基準レベルVLEVは、要求される出力デジタル信号VOpおよびVOnのパルス幅変調度の変化範囲に合わせて設定すればよい。出力デジタル信号VOpおよびVOnのパルス幅変調度の変化範囲を極力大きくする必要がある場合には、基準レベルVLEVをVBまたは0Vに極力近づける必要がある。しかし、そうでない場合には基準レベルVLEVをVBまたは0Vから離れたレベルにしてもよい。クリップ防止の機能を働かせるためには、基準レベルVLEVは、VB/2<VLEV<VBまたは0V<VELV<VBの範囲内において任意に設定可能である。
図2は電流出力コンパレータ201の構成例を示す回路図である。図2において、NチャネルFET221は、ソースが接地されており、ドレインおよびゲートが定電流源220に接続されている。NチャネルFET222〜224は、ソースが各々接地され、各々のゲートにはNチャネルFET221と同じゲート電圧が与えられている。すなわち、NチャネルFET221〜224は、カレントミラーを構成しており、NチャネルFET222〜224には、定電流源220からNチャネルFET221に流れるドレイン電流に比例したドレイン電流が各々流れるようになっている。
NチャネルFET231および232は、各々のドレインが電圧+VBの電源に接続され、各々のゲートには誤差積分器110の出力信号VDpおよびVDnが各々与えられ、各々のソースはNチャネルFET222のドレインに共通接続されている。すなわち、NチャネルFET231および232は、NチャネルFET222を共通の負荷とするソースフォロワを各々構成しており、NチャネルFET222のドレインには、NチャネルFET231および232の各ゲート電圧VDpおよびVDnのうち大きい方よりも所定量(NチャネルFETの閾値相当の電圧)だけ低い電圧が発生する。NチャネルFET233は、ドレインが電圧+VBの電源に接続され、ゲートには基準レベルVLEVが与えられ、ソースはNチャネルFET224のドレインに接続されている。このNチャネルFET233は、NチャネルFET224を負荷とするソースフォロワを構成しており、NチャネルFET224のドレインにはゲート電圧VLEVよりも所定量だけ低い電圧が発生する。
NチャネルFET241および242は、NチャネルFET223とともに差増増幅器を構成するFETペアである。ここで、NチャネルFET241は、ドレインがPチャネルFET243を介して電圧+VBの電源に接続され、ゲートにはNチャネルFET222のドレイン電圧が与えられる。一方、NチャネルFET242は、ドレインが電圧+VBの電源に直接接続されており、ゲートにはNチャネルFET224のドレイン電圧が与えられる。そして、NチャネルFET241および242のソースは、NチャネルFET223のドレインに共通接続されている。
PチャネルFET243は、ソースが電圧+VBの電源に直接接続されており、ドレインおよびゲートがNチャネルFET241のドレインに接続されている。PチャネルFET250は、ゲートにPチャネルFET243と同じゲート電圧が与えられ、ソースが電圧+VBの電源に直接接続されており、ドレインと接地線との間にはキャパシタC21および抵抗R21の並列回路が介挿されている。すなわち、PチャネルFET243および250はカラントミラーを構成しており、PチャネルFET243のドレイン電流に比例したドレイン電流がPチャネルFET250に流れるようになっている。
このような構成において、誤差積分器110の出力信号VDpおよびVDnの両方が基準レベルVLEVに満たない場合には、NチャネルFET242に対するゲートバイアスがNチャネルFET241に対するゲートバイアスに勝り、NチャネルFET242がON、NチャネルFET241がOFFとなる。このため、PチャネルFET243がOFFとなり、PチャネルFET250もOFFとなる。これに対し、誤差積分器110の出力信号VDpおよびVDnの少なくとも一方が基準レベルVLEVを越える場合には、NチャネルFET241に対するゲートバイアスがNチャネルFET242に対するゲートバイアスに勝り、NチャネルFET241がON、NチャネルFET242がOFFとなる。このため、PチャネルFET243がONとなり、PチャネルFET250もONとなる。ここで、PチャネルFET250に流れるドレイン電流は、PチャネルFET243およびNチャネルFET223に流れるドレイン電流に比例したもの、すなわち、定電流源220の出力電流に比例した電流となる。
図1において、以上説明した電流出力コンパレータ201からコンパレータ204および205の前段までの部分は、誤差積分器110の出力信号が基準レベルVLEVを越えたときに三角波信号TRと交差するレベルの比較用電圧を発生する比較用電圧発生手段を構成している。さらに詳述すると、まず、キャパシタC21および抵抗R21からなる並列回路は、電流出力コンパレータ201から出力される電流を積分する積分器21を構成している。オペアンプ202は、その出力端と逆相入力端とが短絡されており、積分器21の出力電圧VC1を第1の比較用電圧として後段に伝えるボルテージフォロワバッファを構成している。このボルテージフォロワバッファから出力される第1の比較用電圧VC1は、抵抗R22を介してオペアンプ203の逆相入力端に与えられる。このオペアンプ203の逆相入力端と出力端との間には抵抗R22と同じ抵抗値の抵抗R23が介挿されており、オペアンプ203の正相入力端には基準レベル+VB/2が与えられる。ここで、オペアンプ203の出力電圧をVC2とすると、次式が成立する。
(VC1+VC2)/2=VB/2 ……(1)
これをVC2について解くと次のようになる。
VC2=VB−VC1 ……(2)
すなわち、抵抗R22およびR23とオペアンプ203からなる回路は、オペアンプ202から第1の比較用電圧VC1が出力される場合に、電圧VBよりも電圧VC1だけ低い第2の比較用電圧VC2を出力する反転増幅器として働く。
コンパレータ204は、第1の比較用電圧VC1と三角波信号TRとを比較し、後者が前者よりも高い場合にHレベルの信号を、そうでない場合にはLレベルの信号を出力する。また、コンパレータ205は、第2の比較用電圧VC2と三角波信号TRとを比較し、前者が後者よりも高い場合にHレベルの信号を、そうでない場合にはLレベルの信号を出力する。ロウアクティブORゲート206は、コンパレータ204または205の各出力信号の少なくとも一方がLレベルであるときにHレベル(アクティブレベル)となる減衰指令信号SWを出力する。
以上が本実施形態によるD級増幅器の構成の詳細である。
次に本実施形態の動作を説明する。図3はアンプ部100の各部の信号波形を示す波形図である。誤差積分器110は、アンプ部100における入力アナログ信号と出力デジタル信号との誤差を積分するため、その出力信号VDpおよびVDnの波形は、入力アナログ信号VIpおよびVInの波形に対して、出力デジタル信号に相当するリップルが重畳したような波形となる。パルス幅変調器120では、この誤差積分器110の出力信号VDpおよびVDnと三角波信号TRとの比較が行われる。そして、VDp>VDnである期間は、図3の左側に示すように、三角波信号TRのレベルが信号VDnのレベルを越えてから信号VDpのレベルに至るまでの期間および三角波信号TRのレベルが信号VDpのレベルを下回ってから信号VDnのレベルに至るまでの期間、デジタル信号VOpがHレベルとなり、デジタル信号VOnは継続的にLレベルとされる。また、VDn>VDpである期間は、図3の右側に示すように、三角波信号TRのレベルが信号VDpのレベルを越えてから信号VDnのレベルに至るまでの期間および三角波信号TRのレベルが信号VDnのレベルを下回ってから信号VDpのレベルに至るまでの期間、デジタル信号VOnがHレベルとなり、デジタル信号VOpは継続的にLレベルとされる。このようにして、パルス幅変調器120では、誤差積分器110の2相の出力信号VDpおよびVDnのレベル差に比例したパルス幅を有するデジタル信号VOpおよびVOnが発生される。
本実施形態において、三角波信号TRは0V〜+VBの範囲内で変化する。従って、クリップを生じさせずに出力デジタル信号VOpおよびVOnをパルス列として得るためには、誤差積分器110の出力信号VDpおよびVDnの両方が三角波信号TRと交差する範囲内に収まっている必要がある。ここで、入力アナログ信号VIpおよびVInの振幅がある適正範囲内にある場合には、誤差積分器110の出力信号VDpおよびVDnは三角波信号TRの振幅の範囲内に収まる。しかし、そのような適正範囲から外れる大きな振幅の入力アナログ信号VIpおよびVInがこのD級増幅器に与えられる場合には、何ら策を講じないと、誤差積分器110の出力信号VDpまたはVDnが三角波信号TRの振幅の範囲外に出て、出力デジタル信号VOpまたはVOnが連続的にHレベルとなるクリップ状態となる。しかしながら、本実施形態では、クリップ防止制御部200によりこのようなクリップの発生が防止される。以下、図4(a)および(b)を参照し、この動作について説明する。なお、本説明において、入力アナログ信号VIpおよびVInの振幅の適正範囲とは、出力デジタル信号VOpおよびVOnにクリップを発生させない範囲であり、D級増幅器の出力部(例えば図1のインバータ127pおよび127n)の電源電圧の1/2をD級増幅器の増幅率で除した値より小さな範囲である。
まず、図4(a)に示すように、入力アナログ信号VIpおよびVInの振幅が適正範囲内にあり、誤差積分器110の出力信号VDpおよびVDnの最高値が基準レベルVLEVに満たない場合には、電流出力コンパレータ201の出力電流は0となり、第1の比較用電圧VC1は0V、第2の比較用電圧VC2は+VBとなる。このため、三角波信号TRは、比較用電圧VC1およびVC2と交差せず、減衰指令信号SWは継続的に非アクティブレベルであるLレベルとなる。従って、スイッチ130は継続的にOFFとなり、このスイッチ130の両端におけるアナログ信号VIp’およびVIn’の波形は、図示のように、入力アナログ信号VIpおよびVInに対して相似形の波形となる。
これに対し、図4(b)に示すように、入力アナログ信号VIpおよびVInの振幅が大きくなり、誤差積分器110の出力信号VDpおよびVDnの少なくとも一方が基準レベルVLEVを越えると、この信号VDpまたはVDnが基準レベルVLEVを越えている間、電流出力コンパレータ201から定電流が出力され、この電流によりキャパシタC21が充電される。この電流出力コンパレータ201による定電流の出力およびキャパシタC21の充電は、信号VDpまたはVDnが基準レベルを越える度に行われる。このため、第1の比較用電圧VC1は、信号VDpまたはVDnが基準レベルを越えたときに上昇し、それ以後、次に信号VDpまたはVDnが基準レベルを越えるまでの間、キャパシタC21の蓄積電荷が抵抗R21を介して放電されるのに従って低下する、という脈動を繰り返す。また、第1の比較用電圧VC1がこのような挙動を示すのに伴い、第2の比較用電圧VC2(=+VB−VC1)は、電圧+VBから低下し、電圧VC1と同様の脈動を繰り返す。このため、三角波信号TRが比較用電圧VC1およびVC2と交差し、三角波信号TRが電圧VC1よりも低い期間および三角波信号TRが電圧VC2よりも高い期間にHレベル(アクティブレベル)となる減衰指令信号SWがロウアクティブORゲート206から出力される。
ここで、スイッチ130は、この減衰指令信号SWがLレベルの期間はOFF、Hレベルの期間はONとなる。このため、スイッチ130の両端におけるアナログ信号VIp’およびVIn’は、減衰指令信号SWがLレベルの期間は、元の入力アナログ信号VIpおよびVInに対応した信号値、減衰指令信号SWがHレベルの期間は0Vとなり、図示のように、一定時間間隔で間引きを行った波形となる。従って、誤差積分器110に対して実質的に入力されるアナログ信号が減衰し、誤差積分器110の出力信号のレベルが適正範囲である0V〜+VBの範囲内に戻され、出力デジタル信号VOpおよびVOnにおけるクリップの発生が防止される。
さらに詳述すると、入力アナログ信号VIpおよびVInの振幅が大きく、このような間引きが行われる状況では、入力アナログ信号VIpおよびVInの振幅が大きくなり、誤差積分器110の出力信号VDpおよびVDnの振幅が大きくなろうとすると、間引き率を高めて、D級増幅器全体としての利得を低下させる、いわば負帰還制御が行われる。このような負帰還制御が働く結果、歪を発生させることなく入力アナログ信号VIpおよびVInの増幅が行われ、かつ、入力アナログ信号VIpおよびVInがピークレベルに達したときに、出力デジタル信号VOpまたはVOnのパルス幅変調度が一定の上限値に達するように、D級増幅器全体としての利得が最適値に調整される。従って、本実施形態において、入力アナログ信号VIpおよびVInの振幅が大きくて適正範囲を外れる領域では、入力アナログ信号VIpおよびVInの振幅が増加したとしても、負荷に与えられる出力信号波形(出力デジタル信号VOpおよびVOnを積分した波形となる)は歪まず、かつ、その出力信号波形のピークレベルは一定値を維持する。
出力デジタル信号VOpまたはVOnのパルス幅変調度の上限値は、基準レベルVLEVに依存する。何故ならば、本実施形態によるD級増幅器では、誤差積分器110の出力信号VDpおよびVDnのレベルに応じて出力デジタル信号VOpおよびVOnのパルス幅変調度が決定される一方、この誤差積分器110の出力信号VDpおよびVDnが基準レベルVLEVを越えたときに三角波信号TRと交差するレベルの比較用電圧が発生して間引きのための減衰指令信号SWが発生し、誤差積分器110の出力信号VDpおよびVDnのレベルの増加並びにこれに伴うパルス幅変調度の増加が抑えられるからである。
本実施形態においてクリップに対する応答特性は、キャパシタC21の容量値および抵抗R21の抵抗値を調整により調整可能である。クリップの発生に対し、短い時間で減衰指令信号SWを発生させる必要があるときは、キャパシタC21の容量値を小さくすればよい。また、クリップ状態でなくなった後、減衰指令信号SWが停止されるまでの時間を長くする必要があるときは、抵抗R21の抵抗値を大きくすればよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、D級増幅器に対する入力アナログ信号の振幅が大きくなり、適正範囲外となる場合に、誤差積分器110に入力されるアナログ信号を時間軸上において断続的に間引く動作が行われ、クリップの発生が防止される。この場合、誤差積分器110に入力されるアナログ信号は、断続的に間引かれるだけであり、実質的な波形の変化はない。従って、本実施形態によれば、非線形歪を生じさせることなくクリップの発生を防止することができる。
また、本実施形態では、入力アナログ信号の振幅が大きくて適正範囲外となる領域において上述した間引きによる負帰還制御が行われるため、理想的には、入力アナログ信号VIpおよびVInの振幅が無限大になっても出力信号波形をクリップさせないように入力アナログ信号VIpおよびVInを増幅することができる。現実には、D級増幅器を半導体集積回路として実現する場合に入力信号を電源電圧の範囲内に制限する入力保護回路が設けられる。従って、外部から与えられる入力アナログ信号VIpおよびVInの振幅が電源電圧の範囲を越えている場合には、入力保護回路を通過する際に、入力アナログ信号VIpおよびVInにクリップが生じる。この場合、D級増幅器は、このクリップの生じた入力アナログ信号VIpおよびVInを増幅することとなるが、その際にD級増幅器は上述した間引きによる負帰還制御を機能させて増幅を行うため、D級増幅器自体が入力アナログ信号VIpおよびVInにさらなる歪を与えることはない。
<第2実施形態>
図5はこの発明の第2実施形態であるD級増幅器の構成を示す回路図である。上記第1実施形態(図1)では、電流出力コンパレータ201の出力電流を利用して、高電圧側および低電圧側において三角波信号TRと交差する2つの比較用電圧VC1およびVC2を生成し、第1の比較用電圧VC1と三角波信号TRとをコンパレータ204に与え、第2の比較用電圧VC2と三角波信号TRとをコンパレータ205に与えることにより、パルス列である減衰指令信号SWを発生した。
これに対し、本実施形態では、上記第1実施形態における三角波発生器300が、正逆2相の三角波信号TRpおよびTRnを出力する三角波発生器300Aに置き換えられ、これに伴い、上記第1実施形態におけるパルス幅変調器120が、正逆2相の三角波信号TRpおよびTRnを用いてパルス幅変調を行うパルス幅変調器120Aに置き換えられている。このパルス幅変調器120Aにおいて、コンパレータ141pは、三角波信号TRpの瞬時値が誤差積分器110の出力信号VDpの瞬時値よりも低いときHレベルの信号を出力する。また、コンパレータ142pは、三角波信号TRpの瞬時値が誤差積分器110の出力信号VDnの瞬時値よりも高いときHレベルの信号を出力する。そして、ANDゲート143pは、コンパレータ141pおよび142pの各出力信号がいずれもHレベルである期間、すなわち、VDp>VDnである場合において、三角波信号TRpの瞬時値が信号VDnを越えてから信号VDpに到達するまでの期間と、三角波信号TRpの瞬時値が信号VDpを下回ってから信号VDnに到達するまでの期間、デジタル信号VOpをHレベルとする。コンパレータ141nは、三角波信号TRnの瞬時値が誤差積分器110の出力信号VDnの瞬時値よりも低いときHレベルの信号を出力する。また、コンパレータ142nは、三角波信号TRnの瞬時値が誤差積分器110の出力信号VDpの瞬時値よりも高いときHレベルの信号を出力する。そして、ANDゲート143nは、コンパレータ141nおよび142nの各出力信号がいずれもHレベルである期間、すなわち、VDn>VDpである場合において、三角波信号TRnの瞬時値が信号VDpを越えてから信号VDnに到達するまでの期間と、三角波信号TRnの瞬時値が信号VDnを下回ってから信号VDpに到達するまでの期間、デジタル信号VOnをHレベルとする。すなわち、パルス幅変調器120Aでは、上記第1実施形態におけるパルス幅変調器120と同様、誤差積分器110の2相の出力信号VDpおよびVDnのレベル差に比例したパルス幅を有するデジタル信号VOpおよびVOnが発生される。
また、本実施形態では、正逆2相の三角波信号TRpおよびTRnを出力する三角波発生器300Aが採用されたことにより、上記第1実施形態におけるクリップ防止制御部200が、これよりも簡素な構成のクリップ防止制御部200Aに置き換えられている。そして、本実施形態において、コンパレータ204および205の両方の逆相入力端には、電流出力コンパレータ201の出力電圧VCが与えられる。また、コンパレータ204の正相入力端には逆相の三角波信号TRnが与えられ、コンパレータ205の正相入力端には正相の三角波信号TRpが与えられる。
以上の構成によれば、誤差積分器110の出力信号VDpまたはVDnが基準レベルVLEVを越え、電流出力コンパレータ201の出力電圧VCが上昇すると、三角波信号TRpのレベルが電圧VCよりも低い期間、コンパレータ204の出力信号がLレベルとなって減衰指令信号SWがHレベルとなり、三角波信号TRnのレベルが電圧VCよりも低い期間、コンパレータ205の出力信号がLレベルとなって減衰指令信号SWがHレベルとなる。従って、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態では、上記第1実施形態において2つの比較用電圧VC1およびVC2を得るために必要であったオペアンプ202、抵抗R22およびR23、オペアンプ203が不要になり、その分だけ回路規模を小さくすることができるという利点がある。
<第3実施形態>
図6はこの発明の第3実施形態であるD級増幅器の構成を示すブロック図である。本実施形態では、上記第1実施形態におけるクリップ防止制御部200がクリップ防止制御部200Bに置き換えられている。また、本実施形態では、三角波信号TRが正のピークとなるタイミングおよび負のピークとなるタイミングにおいて、パルス状のタイミング信号Sが三角波発生器300からクリップ防止制御部200Bに供給されるようになっている。
クリップが発生していない場合には、前掲図3から明らかなように、三角波信号TRが正のピークとなるタイミングおよび負のピークとなるタイミングにおける出力デジタル信号VOpおよびVOnはいずれもLレベルとなる。これに対し、クリップが発生すると、三角波信号TRが正のピークとなるタイミングおよび負のピークとなるタイミングにおいて、出力デジタル信号VOpまたはVOnがHレベルとなる。本実施形態におけるクリップ防止制御部200Bは、このことを利用し、出力デジタル信号VOpおよびVOnに基づいてクリップの有無を検知し、クリップが検知された場合にはクリップのない状態に戻す減衰指令信号SWを発生する。
図7(a)および(b)は本実施形態の動作を示す波形図である。図7(a)に示す例では、タイミング信号Sの発生時、出力デジタル信号VOpおよびVOnはLレベルとなっている。このため、クリップ防止制御部200Bは、クリップが発生していないと判断し、減衰指令信号SWをLレベルとする。これに対し、図7(b)に示す例では、タイミング信号Sの発生時、出力デジタル信号VOpまたはVOnの一方がHレベルとなっている。このため、クリップ防止制御部200Bは、クリップが発生していると判断し、三角波信号TRに同期したパルス列を減衰指令信号SWとして出力する。これにより、上記第1実施形態と同様、アンプ部100に対する入力アナログ信号が時間軸上において断続的に間引かれ、クリップの発生が防止される。
この第3実施形態には次のような変形が考えられる。すなわち、三角波信号TRが正のピークとなるタイミングの僅かに前のタイミングおよび負のピークとなるタイミングの僅かに前のタイミングにタイミング信号Sの発生タイミングをずらすのである。このようにすると、出力デジタル信号VOpおよびVOnにクリップが発生する前に、アンプ部100に対する入力アナログ信号を時間軸上において断続的に間引く動作が行われるため、クリップの発生を確実に防止することができる。
<第4実施形態>
図8はこの発明の第4実施形態であるD級増幅器の構成を示す回路図である。上記第2実施形態(図5)と同様、本実施形態においても、2相の三角波信号TRpおよびTRnを発生する三角波発生器300Aが用いられる。この三角波発生器300Aとアンプ部100におけるパルス幅変調器120Aとの接続関係は上記第2実施形態と同様である。本実施形態では、上記第2実施形態におけるクリップ防止制御部200Aがクリップ防止制御部200Cに置き換えられている。このクリップ防止制御部200Cでは、クリップ防止制御部200A(図5)における電流出力コンパレータ201が、定電流源261と、スイッチ262と、フリップフロップ263および264と、ORゲート265とからなる回路に置き換えられており、定電流源261からスイッチ262を介して供給される電流によりキャパシタC21の充電が行われるようになっている。
フリップフロップ263および264の各クロック端子には、クロックCKが供給される。このクロックCKは、三角波発生器300A内において三角波信号TRpおよびTRnのタイミング制御に用いられる信号であり、クロックCKの立ち上がりにおいて三角波信号TRp(TRn)は正のピーク(負のピーク)、クロックCKの立ち下がりにおいて三角波信号TRp(TRn)は負のピーク(正のピーク)となる。フリップフロップ263は、クロックCKの立ち上がりにおいてパルス幅変調器120A内のコンパレータ141pの出力信号VEpaを取り込んで保持し、フリップフロップ264は、クロックCKの立ち下がりにおいてパルス幅変調器120A内のコンパレータ141nの出力信号VEnaを取り込んで保持する。ORゲート265は、フリップフロップ263および264に保持された各信号の少なくとも一方がHレベルであるときにスイッチ261をON状態とする。
図9は本実施形態の動作を示す波形図である。パルス幅変調器120Aでは、三角波信号TRpが信号VDnのレベルを越えている期間、コンパレータ142pの出力信号VEpbがHレベルとなり、三角波信号TRpが信号VDpのレベルを越えている期間、コンパレータ141pの出力信号VEpaがLレベルとなる。また、パルス幅変調器120Aでは、三角波信号TRnが信号VDpのレベルを越えている期間、コンパレータ142nの出力信号VEnbがHレベルとなり、三角波信号TRnが信号VDnのレベルを越えている期間、コンパレータ141nの出力信号VEnaがLレベルとなる。
従って、誤差積分器110の出力信号VDpおよびVDnのレベルが適正範囲内にあり、かつ、VDp>VDnである場合、パルス幅変調器120Aでは、三角波信号TRpが信号VDnを越えてから信号VDpに到達するまでの期間と、三角波信号TRpが信号VDpを下回ってから信号VDnに到達するまでの期間、ANDゲート143pによってデジタル信号VOpがHレベルとされる。また、誤差積分器110の出力信号VDpおよびVDnのレベルが適正範囲内にあり、かつ、VDn>VDpである場合、パルス幅変調器120Aでは、三角波信号TRnが信号VDpを越えてから信号VDnに到達するまでの期間と、三角波信号TRnが信号VDnを下回ってから信号VDpに到達するまでの期間、ANDゲート143nによってデジタル信号VOnがHレベルとされる。
これらの場合、常にクロックCKの立ち上がりにおいてLレベルの信号VEpaがフリップフロップ263に保持され、クロックCKの立ち下がりにおいてLレベルの信号VEnaがフリップフロップ264に保持されるため、スイッチ262はOFF状態となり、キャパシタC21の充電電圧VCは0Vとなる。このため、減衰指令信号SWは出力されない。
しかし、図9の左側に示すように、誤差積分器110の出力信号VDpのレベルが三角波信号TRpの正のピークに近いレベルVDp’となると、信号VEpaは、図示の信号VEpa’のようにパルス幅が狭くなってゆく。そして、アンプ部100がクリップ状態またはこれに近い状態となり、クロックCKの立ち上がりにおいて信号VEpaがHレベルになると、フリップフロップ263からHレベルの信号が出力される。これにより、スイッチ262がON状態となり、キャパシタC21の充電電圧VCが図示のように上昇し、パルス状の減衰指令信号SWが出力され、クリップが防止される。
また、図9の右側に示すように、誤差積分器110の出力信号VDnのレベルが三角波信号TRnの正のピークに近いレベルVDn’となると、信号VEnaは、図示の信号VEna’のようにパルス幅が狭くなってゆく。そして、アンプ部100がクリップ状態またはこれに近い状態となり、クロックCKの立ち下がりにおいて信号VEnaがHレベルになると、フリップフロップ264からHレベルの信号が出力される。これにより、スイッチ262がON状態となり、キャパシタC21の充電電圧VCが図示のように上昇し、パルス状の減衰指令信号SWが出力され、クリップが防止される。
本実施形態においても、上記各実施形態と同様な効果が得られる。なお、本実施形態には次のような変形例が考えられる。すなわち、フリップフロップ263および264に与えるクロックCKの立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミングを、三角波信号TRpまたはTRnがピークとなるタイミングよりもやや遅らせるのである。このようにすることで、クリップが発生する一歩手前の状態、すなわち、信号VEnaおよびVEpaとして三角波信号TRpおよびTRnのピークのタイミングに同期した負のパルスが発生しているがそのパルス幅が極めて狭くなったときに減衰指令信号SWを発生させ、クリップを未然に回避することが可能となる。この場合も、上記各実施形態と同様な負帰還制御が働く結果、歪を発生させることなく入力アナログ信号VIpおよびVInの増幅が行われ、かつ、入力アナログ信号VIpおよびVInがピークレベルに達したときに、出力デジタル信号VOpまたはVOnのパルス幅変調度が100%よりやや低い上限値(クリップが発生する一歩手前の状態)に達するように、D級増幅器全体としての利得が最適値に調整される。
<第5実施形態>
図10はこの発明の第5実施形態であるD級増幅器の構成を示す回路図である。また、図11は、同実施形態の動作を示す波形図である。上記各実施形態では、正逆2相の入力アナログ信号VIpおよびVInがD級増幅器に与えられた。これに対し、本実施形態では、図11に示すように、各々1ビットのデジタル信号である正逆2相のビットストリームが入力信号VIpおよびVInとしてD級増幅器に与えられる。そして、本実施形態では、このようなビットストリームVIpおよびVInの処理を適切に行うため、図10に示すように、三角波発生器300が出力する三角波信号TRの位相をビットストリームVIpおよびVInに同期化させる同期化回路310が、上記第1実施形態のD級増幅器に追加されている。
本実施形態のように、入力信号がビットストリームである場合においても、誤差積分器110では、上記第1実施形態と同様、出力信号VOpおよびVOnと入力信号VIpおよびVInとの各誤差の積分が行われ、パルス幅変調器120では、その積分結果を示す信号VDpおよびVDnに基づいてパルス幅変調されたデジタル信号VOpおよびVOnが生成される。従って、本実施形態においても、ビットストリームVIpおよびVInが示すアナログ信号波形と同様な波形の信号を図示しない負荷に与えることができる。そして、ビットストリームVIpおよびVInが示す信号波形のピークが高くなり、クリップが発生しそうな状況では、上記第1実施形態と同様、第1の比較用電圧VC1および第2の比較用電圧VC2が脈動を繰り返し、減衰指令信号SWが断続的に発生される。これにより、誤差積分器110に与えられる入力信号VIp’およびVIn’は、ビットストリームVIpおよびVInを断続的に間引いたものとなり、クリップが防止される。なお、図示の例では、第1実施形態のD級増幅器に変形を加えて本実施形態によるD級増幅器を構成したが、他の実施形態に同様な変形を加えて本実施形態によるD級増幅器を構成してもよい。
<第6実施形態>
図12はこの発明の第6実施形態であるD級増幅器の構成を示す回路図である。このD級増幅器は、デジタル信号処理により、入力信号に応じてパルス幅変調されたデジタル信号を発生するDSP(Digital Signal Processor;デジタル信号処理装置)400と、DSP400から出力されるデジタル信号によってスイッチングされ、電源+VBからの電力に基づき、フィルタおよびスピーカ等からなる負荷420を駆動するスイッチング増幅段410とを有している。入力信号としては、オーディオソースから得られるアナログオーディオ信号をA/D変換器に与え、このA/D変換器から得られるデジタル信号をDSP400に与えてもよいし、外部の装置から受信されるデジタルオーディオ信号をそのまま与えてもよい。
DSP400は、パルス幅変調されたデジタル信号を得るための処理として、利得制御手段たる可変利得増幅処理401およびDRC(Dynamic Range Compression;ダイナミックレンジ圧縮)処理と、パルス発生手段たるPWM処理403を実行する。これらの各処理は、所定ビット数(例えばmビットとする)のデジタル信号を取り扱う信号処理である。
図13は、DSP400に対し、入力信号として各種のピークレベルを持った正弦波信号A1〜A6を与えた場合に、可変利得増幅処理401により出力される圧縮対象信号B1〜B6の波形、DRC処理402により出力される変調信号C1〜C6の波形が示されている。なお、図13では、DSP400の各処理を通過するデジタル信号に等価なアナログ信号が表わされており、図示が煩雑になるのを防ぐため、各信号の波形が半周期分だけ示されている。以下、図13を参照し、DSP400が実行する各処理の内容を説明する。
可変利得増幅処理401では、入力信号を可変の利得で増幅し、圧縮対象信号としてDRC処理402に引き渡す。この可変利得増幅処理401における利得は、ボリューム摘み等の操作子の操作に応じて発生される音量調整信号に従って設定される。可変利得増幅処理401により得られる圧縮対象信号は、mビットのデジタル信号であり、この信号が表現可能な値には上限がある。可変利得増幅処理401において、入力信号から歪のない圧縮対象信号を得るためには、入力信号を増幅した結果がmビットのデジタル信号により表現可能な最大値(例えばmビットがオール“1”のデジタル信号により表現される瞬時値)を越えないように、入力信号のピークレベルと入力信号を増幅する際の利得とが適切な関係を持たなければならない。入力信号のピークレベルが音量調整信号に従って設定された利得での増幅に適した適正範囲に収まっている場合には、入力信号は歪むことなく増幅され、入力信号と相似な波形の圧縮対象信号が得られる(図示の例では、入力信号A1〜A4に対する圧縮対象信号B1〜B4)。しかし、入力信号のピークレベルがこの適正範囲を越えると、可変利得増幅処理401により得られる圧縮対象信号は、mビットのデジタル信号により表現可能な最大値において飽和し、クリップしたものとなる(図示の例では、入力信号A5およびA6に対する圧縮対象信号B5およびB6)。
DRC処理402では、前段の可変利得増幅処理401により得られる圧縮対象信号にダイナミックレンジ圧縮を施して、パルス発生手段たるPWM処理403に変調信号として出力する。変調信号は、mビットのデジタル信号であり、このmビットの変調信号により0〜100%の範囲の変調度を表現可能である。PWM処理403では、変調信号が示す変調度でパルス幅変調されたパルスを発生し、デジタル信号としてスイッチング増幅段410に出力する。
図13には、DRC処理402に与えられる圧縮対象信号のピークレベルとDRC処理402により得られる変調信号のピークレベルとの関係である入出力特性が示されている。図示のようにDRC処理402の入出力特性は、リニア領域と飽和領域とに分かれる。リニア領域は、圧縮対象信号のピークレベルがある閾値thよりも低い領域である。このリニア領域では、圧縮対象信号を所定の利得で増幅し、圧縮対象信号のピークレベルに比例したピークレベルを持った変調信号を生成する(図示の例では、圧縮対象信号B1およびB2に対する変調信号C1およびC2)。そして、本実施形態において、リニア領域における利得は、閾値thに相当するピークレベルを持った圧縮対象信号が与えられたとき、変調度100%を示すピークレベルを持った変調信号が得られるように定められている。飽和領域は、圧縮対象信号のピークレベルが閾値th以上である領域である。この飽和領域において、変調信号のピークレベルは変調度100%を示す値に達しており、DRC処理402では、圧縮対象信号を増幅して得られる変調信号のピークレベルがこの変調度100%を示す値を維持するように、圧縮対象信号のピークレベルの増加に応じて圧縮対象信号の増幅の際の利得を低下させる(図示の例では、圧縮対象信号B3〜B6に対する変調信号C3〜C6)。具体的には、変調度100%を示す変調信号の値を圧縮対象信号のピークレベルによって除算した値を、圧縮対象信号を増幅する際の利得とする。
図13に示す例では、変調信号C5およびC6は波形にクリップが生じているが、このクリップはDRC処理402において生じたものではなく、DRC処理402に与えられた圧縮対象信号B5およびB6が元々有していたものである。DRC処理402は、入力される圧縮対象信号のピークレベルに合わせて適切な利得で圧縮対象信号の増幅を行い、圧縮対象信号と相似な波形の変調信号を発生するものであり、DRC処理402において歪が発生することはない。
本実施形態において、可変利得増幅処理401は音量調整のための手段として設けられたものである。通常のパワーアンプでは、この種の音量調整手段は、パワーアンプの最終段(D級増幅器の場合はPWM変調器の後段のスイッチング増幅段)に設けられるが、本実施形態では、音量調整手段たる可変利得増幅処理401がDRC処理402の前段に置かれる。この点に本実施形態の1つの特徴がある。本実施形態では、このDRC処理402の前段の可変利得増幅処理401の利得を調整することにより、次のような各種の動作をD級増幅器に行わせることができる。
(1)リニア領域と飽和領域を利用した増幅動作が行われるように可変利得処理401の利得を調整する。このように利得を調整することにより、入力信号の音量が比較的小さいときには、リニア領域でのDRC処理402が実行され、音量の強弱コントラストが反映された音がスピーカから再生され、入力信号の音量が比較的大きいときには、飽和領域でのDRC処理402が実行され、クリップがなく、かつ、心地よい一定音量の音がスピーカから再生される。
(2)複数のソースからのオーディオ信号を選択してD級増幅器により再生する場合に、再生対象のソースの切り換え時に、可変利得増幅処理401の利得を増減し、再生開始時には飽和領域でのDRC処理402が行われるようにする。このようにすることで、どのソースのオーディオ信号が再生対象となる場合でも、D級増幅器の出力信号のピークレベルは一定となり、各ソース間の音量レベル差を吸収することができる。
(3)ある程度の歪発生という犠牲を払ってでもD級増幅器の最大出力を高める必要がある場合には、利得を高くして、可変利得増幅処理401において許容範囲内の歪を発生させ、リニア領域と飽和領域を利用した増幅動作をD級増幅器に行わせる。この場合、PWM処理403に与えられる変調信号の波形にクリップが生じ、D級増幅器から最終的に出力される信号の波形にもクリップが生じるが、このときのD級増幅器の出力信号は、クリップのない状態の信号よりも高いエネルギーを持っている。従って、クリップを発生させない場合よりもD級増幅器の最大出力を高めることができる。
上記第1〜第5実施形態によるD級増幅器でも、入力信号のピークレベルが電源電圧の範囲を越えると、出力信号波形にクリップが生じる。従って、上記第1〜第5実施形態においても、許容範囲内の歪発生という犠牲を払って、D級増幅器の最大出力を高めることが可能である。
(4)EIAJ(日本電子機械工業会)では、測定周波数1kHz、任意の負荷抵抗値で歪率が10%になるときのアンプの出力を実用最大出力として示すことが定められている。このEIAJに定められた条件でD級増幅器の最大出力を求めるための測定を行う。すなわち、D級増幅器に入力信号として1kHzの正弦波を与え、圧縮対象信号の歪率が10%となるように可変利得増幅処理401の利得を調整し、このときのD級増幅器の出力を測定する。このように本実施形態によれば、EIAJに定められた条件でD級増幅器の最大出力を測定し、その表示を行うことができ、ユーザに対し、D級増幅器の最大出力に関して、客観的であり、説得力のある情報を提供することができる。
<他の実施形態>
以上、この発明の第1〜第6実施形態を説明したが、この発明には、他にも各種の実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
(1)上記第1〜第4実施形態では、入力アナログ信号に応じてパルス幅変調されたデジタル信号を出力するD級増幅器に本発明を提供したが、本発明は、入力アナログ信号に対してΔΣ変調を施し、入力アナログ信号のレベルに応じた時間密度でパルスを発生するD級増幅器にも適用可能である。
(2)上記各実施形態では、この発明を差動構成のD級増幅器に適用した例を挙げたが、この発明は差動構成でないD級増幅器にも勿論適用可能である。
(3)上記第1実施形態では、電流出力コンパレータ201の電源電圧を+VBとし(図2参照)、オペアンプ203の正相入力端には基準レベル+VB/2を与えた(図1参照)。しかし、同実施形態によるD級増幅器では、少なくとも三角波信号TRの中心電位とオペアンプ203の正相入力端に与えられる電位が等しければよく、電流出力コンパレータ201の電源電圧とオペアンプ203の正相入力端に与えられる電位はそれぞれ任意の値でよい。
(4)上記第5実施形態では、1チャネルの正相および逆相のビットストリームを入力端子101pおよび101nに与えたが、複数チャネルの正相のビットストリームを入力端子101pに与え、複数チャネルの逆相のビットストリームを入力端子101nに与えるようにしてもよい。このようにすることで、ミキシング機能を持ったD級増幅器を構成することができる。この場合、入力端子101pおよび101nの各前段に複数チャネル分の可変抵抗器を各々配置し、各チャネルのビットストリームが各チャネルに対応した可変抵抗器を介して入力端子101pまたは101nに与えられるようにし、各可変抵抗器の抵抗値の調整により、ミキシングの際の各チャネルの重み付けを行えばよい。
(5)上記第5実施形態では、1ビットの正相および逆相のビットストリームを入力端子101pおよび101nに与えたが、複数ビットの正相のビットストリームを入力端子101pに与え、複数ビットの逆相のビットストリームを入力端子101nに与えるようにしてもよい。この場合、入力端子101pおよび101nの各前段に複数ビット分の重み付け抵抗を各々配置し、各ビットのビットストリームが各々に対応した重み付け抵抗を介して入力端子101pまたは101nに与えられるようにすればよい。
(6)上記第1〜第5実施形態において、D級増幅器の入力部に設けられたスイッチ130による入力アナログ信号VIpおよびVInの間引きの程度の制御は、どのような態様であってもよい。上記各実施形態では、入力アナログ信号VIpおよびVInの振幅が大きくなり、誤差積分器の出力信号のレベルが増加しようとすると間引き率を増加させるという負帰還制御を行ったが、間引き率の制御は負帰還制御以外の態様で行ってもよい。例えば、各種のピークレベルの入力信号VIpおよびVInについて、クリップを生じさせないようにするための間引き率を予め求めておき、D級増幅器の動作時には、入力信号VIpおよびVInのピークレベルを検出し、そのピークレベルにおいてクリップを生じさせない適切な間引き率を選択し、入力信号VIpおよびVInの間引きを行うという態様でもよい。
(7)上記第6実施形態において、DSP400にPWM処理403を実行させたが、変調信号のレベルに応じた時間密度を持ったパルスを発生するPDM(Pulse Density Modulation;パルス密度変調)処理を実行させてもよい。
(8)上記第6実施形態では、DSP400に可変利得増幅処理401、DRC処理402、PWM処理403を実行させるようにしたが、DSP400を設ける代わりに、可変利得増幅処理401、DRC処理402、PWM処理403を各々実行するデジタル回路またはアナログ回路をスイッチング増幅段410の前段に配置してもよい。
この発明の第1実施形態であるD級増幅器の構成を示す回路図である。 同実施形態における電流出力コンパレータの構成例を示す回路図である。 同実施形態の動作を示す波形図である。 同実施形態の動作を示す波形図である。 この発明の第2実施形態であるD級増幅器の構成を示す回路図である。 この発明の第3実施形態であるD級増幅器の構成を示すブロック図である。 同実施形態の動作を示す波形図である。 この発明の第4実施形態であるD級増幅器の構成を示すブロック図である。 同実施形態の動作を示す波形図である。 この発明の第5実施形態であるD級増幅器の構成を示すブロック図である。 同実施形態の動作を示す波形図である。 この発明の第6実施形態であるD級増幅器の構成を示すブロック図である。 同実施形態の動作を示す波形図である。
符号の説明
100……アンプ部、110……誤差積分器、120,120A……パルス幅変調器、130……スイッチ、200,200A,200B,200C……クリップ防止制御部、300,300A……三角波発生器、310……同期化回路、400……DSP、410……スイッチング増幅段、420……負荷、401……可変利得増幅処理、402……DRC処理、403……PWM処理。

Claims (11)

  1. 入力信号から、負荷を駆動するデジタル信号を生成する増幅手段と、
    前記デジタル信号がクリップまたはそれに近い状態になったとき、前記デジタル信号が示す波形のピークレベルが一定レベルを維持するように、前記入力信号のレベルの増加に応じて前記増幅手段の利得を低下させる利得制御手段と
    を具備することを特徴とするD級増幅器。
  2. 前記利得制御手段は、前記増幅手段の入力部に設けられ、減衰指令信号に応じて前記入力信号を減衰させる減衰手段と、前記増幅手段における所定のノードの信号を監視することにより前記デジタル信号がクリップまたはそれに近い状態になったことを検知し、前記減衰指令信号を出力するクリップ防止制御部とを具備することを特徴とする請求項1に記載のD級増幅器。
  3. 前記増幅手段は、周期的な同期信号に応じて、前記入力信号に応じたパルス幅のデジタル信号を出力するものであり、
    前記クリップ防止制御部は、前記同期信号に応じて前記減衰指令信号を出力することを特徴とする請求項2に記載のD級増幅器。
  4. 前記同期信号として、周期的な三角波信号を出力する三角波発生器を有し、
    前記増幅手段は、前記入力信号と前記デジタル信号との誤差を積分して出力する誤差積分器と、前記誤差積分器の出力信号と前記三角波信号とを比較することにより、前記誤差積分器の出力信号のレベルに応じてパルス幅変調されたデジタル信号を出力するパルス幅変調器とを有し、
    前記クリップ防止制御部は、前記誤差積分器の出力信号が基準レベルを越えたときに、前記デジタル信号がクリップまたはそれに近い状態になったとみなし、前記減衰指令信号を出力することを特徴とする請求項3に記載のD級増幅器。
  5. 前記クリップ防止制御部は、前記誤差積分器の出力信号が基準レベルを越えたときに前記三角波信号と交差するレベルの比較用電圧を発生する比較用電圧発生手段と、この比較用電圧と前記三角波信号とを比較することにより前記減衰指令信号を出力する比較手段とを具備することを特徴とする請求項4に記載のD級増幅器。
  6. 前記クリップ防止制御部は、前記三角波信号がピークとなるタイミングまたはその直前のタイミングにおける前記デジタル信号のレベルに基づき前記デジタル信号がクリップまたはそれに近い状態になったことを検知することを特徴とする請求項4に記載のD級増幅器。
  7. 前記クリップ防止制御部は、前記三角波信号がピークとなるタイミングまたはその直後のタイミングにおいて、前記パルス幅変調器における前記誤差積分器の出力信号と前記三角波信号との比較結果を示す信号を保持し、この保持した信号に基づき前記デジタル信号がクリップまたはそれに近い状態になったことを検知することを特徴とする請求項4に記載のD級増幅器。
  8. 前記増幅手段は、変調信号によりパルス幅またはパルス密度が変調されたパルスを前記デジタル信号として出力するパルス発生手段を具備し、
    前記利得制御手段は、前記増幅手段の一部をなすものであり、前記利得制御手段は、前段から与えられる圧縮対象信号にダイナミックレンジ圧縮を施して前記パルス発生手段に前記変調信号として出力する手段であって、前記圧縮対象信号のピークレベルが所定の閾値よりも低いリニア領域では、前記圧縮対象信号を所定の利得で増幅し、前記圧縮対象信号のピークレベルが前記閾値以上である飽和領域では、前記パルス発生手段に出力される変調信号のピークレベルが所定レベルを維持するように、前記圧縮対象信号のピークレベルの増加に応じて前記圧縮対象信号を増幅する際の利得を低下させるダイナミックレンジ圧縮手段を具備することを特徴とする請求項1に記載のD級増幅器。
  9. 前記利得制御手段は、前記ダイナミックレンジ圧縮手段の前段に配置され、外部から与えられる音量調整信号に応じた利得で前記入力信号を増幅し、前記圧縮対象信号として前記ダイナミックレンジ圧縮手段に出力する可変利得増幅手段を具備することを特徴とする請求項8に記載のD級増幅器。
  10. 前記入力信号がアナログ信号であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1の請求項に記載のD級増幅器。
  11. 前記入力信号がデジタル信号であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1の請求項に記載のD級増幅器。
JP2006226272A 2005-09-28 2006-08-23 D級増幅器 Expired - Fee Related JP4853176B2 (ja)

Priority Applications (12)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006226272A JP4853176B2 (ja) 2005-09-28 2006-08-23 D級増幅器
EP06020327A EP1770855B1 (en) 2005-09-28 2006-09-27 Class D amplifier
AT06020327T ATE521133T1 (de) 2005-09-28 2006-09-27 Klasse d verstärker
EP08007400A EP1962419B1 (en) 2005-09-28 2006-09-27 Class D amplifier
CN2010101475743A CN101807889B (zh) 2005-09-28 2006-09-28 D类放大器
CN2006101415036A CN1941613B (zh) 2005-09-28 2006-09-28 D类放大器
KR1020060094886A KR100805437B1 (ko) 2005-09-28 2006-09-28 D급 증폭기
CN2010101475584A CN101807887B (zh) 2005-09-28 2006-09-28 D类放大器
CN201010147571XA CN101807888B (zh) 2005-09-28 2006-09-28 D类放大器
US11/541,999 US7482870B2 (en) 2005-09-28 2006-09-28 Class D amplifier
US12/317,613 US8054129B2 (en) 2005-09-28 2008-12-23 Class D amplifier
US13/114,464 US8299853B2 (en) 2005-09-28 2011-05-24 Class D amplifier

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005282128 2005-09-28
JP2005282128 2005-09-28
JP2006226272A JP4853176B2 (ja) 2005-09-28 2006-08-23 D級増幅器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007124625A true JP2007124625A (ja) 2007-05-17
JP4853176B2 JP4853176B2 (ja) 2012-01-11

Family

ID=38147900

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006226272A Expired - Fee Related JP4853176B2 (ja) 2005-09-28 2006-08-23 D級増幅器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4853176B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009278508A (ja) * 2008-05-16 2009-11-26 Sharp Corp 音声出力装置及び音声出力方法
JP2011066558A (ja) * 2009-09-15 2011-03-31 Yamaha Corp D級増幅器
JP2011066559A (ja) * 2009-09-15 2011-03-31 Yamaha Corp D級増幅器
US8040184B2 (en) 2009-02-27 2011-10-18 Yamaha Corporation Class-D amplifier
US8169260B2 (en) 2009-03-27 2012-05-01 Yamaha Corporation Amplifier circuit utilizing characteristic correction and smooth curvilinear correction
KR101274541B1 (ko) 2011-01-19 2013-06-13 야마하 가부시키가이샤 다이내믹 레인지 압축 회로 및 d급 증폭기

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6682463B2 (ja) 2017-02-21 2020-04-15 株式会社東芝 D級アンプ

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6178211A (ja) * 1984-08-21 1986-04-21 ピ−ビ− エレクトロニクス コ−ポレ−シヨン デジタル・オ−デイオ・アンプ
JPH1065455A (ja) * 1996-06-27 1998-03-06 Harris Corp サイレントスタートd級増幅器
JP2000106511A (ja) * 1998-09-29 2000-04-11 Hitachi Ltd パワーアンプic
JP2004214793A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Yamaha Corp 増幅回路
JP2005509306A (ja) * 2001-03-26 2005-04-07 ハーマン インターナショナル インダストリーズ インコーポレイテッド デジタル信号プロセッサによって強化されたパルス幅変調増幅器

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6178211A (ja) * 1984-08-21 1986-04-21 ピ−ビ− エレクトロニクス コ−ポレ−シヨン デジタル・オ−デイオ・アンプ
JPH1065455A (ja) * 1996-06-27 1998-03-06 Harris Corp サイレントスタートd級増幅器
JP2000106511A (ja) * 1998-09-29 2000-04-11 Hitachi Ltd パワーアンプic
JP2005509306A (ja) * 2001-03-26 2005-04-07 ハーマン インターナショナル インダストリーズ インコーポレイテッド デジタル信号プロセッサによって強化されたパルス幅変調増幅器
JP2004214793A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Yamaha Corp 増幅回路

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009278508A (ja) * 2008-05-16 2009-11-26 Sharp Corp 音声出力装置及び音声出力方法
US8040184B2 (en) 2009-02-27 2011-10-18 Yamaha Corporation Class-D amplifier
US8169260B2 (en) 2009-03-27 2012-05-01 Yamaha Corporation Amplifier circuit utilizing characteristic correction and smooth curvilinear correction
JP2011066558A (ja) * 2009-09-15 2011-03-31 Yamaha Corp D級増幅器
JP2011066559A (ja) * 2009-09-15 2011-03-31 Yamaha Corp D級増幅器
KR101274541B1 (ko) 2011-01-19 2013-06-13 야마하 가부시키가이샤 다이내믹 레인지 압축 회로 및 d급 증폭기

Also Published As

Publication number Publication date
JP4853176B2 (ja) 2012-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100805437B1 (ko) D급 증폭기
JP5157959B2 (ja) D級増幅器
US7242248B1 (en) Class D amplifier
JP4853176B2 (ja) D級増幅器
US20070058711A1 (en) Recovery from clipping events in a class d amplifier
JP5442636B2 (ja) D級電力増幅器
US20050270093A1 (en) Class D amplifier
JP2011066558A (ja) D級増幅器
JP5664265B2 (ja) ダイナミックレンジ圧縮回路
JP4274204B2 (ja) D級増幅器
JP4529958B2 (ja) D級増幅器
US6734725B2 (en) Power amplifier
JP4978714B2 (ja) D級増幅器
JP5343782B2 (ja) D級増幅器
US7501886B2 (en) Low distortion class-D amplifier
US8896376B2 (en) Digital amplifier
JP4623286B2 (ja) デューティ調整回路
JP2009089289A (ja) D級増幅器
JP5157960B2 (ja) D級増幅器
JP2011211389A (ja) 増幅回路、増幅回路のクリップ検出方法
JP4335234B2 (ja) アナログ/デジタル変換回路
JP2006254515A5 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090622

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100506

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110927

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111010

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141104

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4853176

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees