JP2000106511A - パワーアンプic - Google Patents

パワーアンプic

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JP2000106511A
JP2000106511A JP10274525A JP27452598A JP2000106511A JP 2000106511 A JP2000106511 A JP 2000106511A JP 10274525 A JP10274525 A JP 10274525A JP 27452598 A JP27452598 A JP 27452598A JP 2000106511 A JP2000106511 A JP 2000106511A
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JP
Japan
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circuit
clip
output
voltage
power amplifier
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Application number
JP10274525A
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English (en)
Inventor
Masatoshi Maeda
正利 前田
Ritsuji Takeshita
律司 竹下
Daisuke Iijima
大輔 飯島
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Hitachi Ltd
Renesas Eastern Japan Semiconductor Inc
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Tohbu Semiconductor Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Hitachi Tohbu Semiconductor Ltd filed Critical Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリップによる音質悪化を効果的に抑制しつ
つ、オーディオ再生システムにおいてもっとも重要な音
の強弱コントラスト演出性能を確保して、臨場感溢れる
音響再生を可能にする。 【解決手段】 パワー増幅回路の出力がクリップ状態に
なったときだけ検出出力を生成するクリップ検出回路
と、このクリップ検出回路の検出出力を所定の時定数で
直流電圧に変換する直流化回路と、上記パワー増幅回路
の入力信号伝達経路に介在することによりその入力信号
の伝達利得を可変制御する可変利得回路とを有し、上記
直流化回路の出力を上記可変利得回路に制御信号として
与えることにより、上記クリップ検出回路がクリップを
検出したときだけ、その検出出力に応じて上記伝達利得
の抑制を行わせるような選択性利得制御ループを形成す
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パワーアンプIC
(半導体集積回路装置)、さらにはオーディオ用パワー
アンプICに適用して有効な技術に関するものであっ
て、たとえば自動車に搭載して使用するカーオーディオ
システムに利用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カーオーディオシステムに使用するパワ
ーアンプICは、その動作電源を車載バッテリから取る
ため、たとえばDC12Vといった低電源電圧下でも高
出力が得られるような工夫が必要となる。
【0003】負荷条件すなわちスピーカのインピーダン
スが同じである場合、アンプの出力信号電圧振幅が大き
いほど高出力が得られる。しかし、そのアンプの出力信
号電圧振幅は電源電圧などによって制限される。アンプ
の出力信号電圧が電源電圧などによる制限を越えて振幅
しようとすると、その出力信号電圧波形の尖塔部分がカ
ットされて、いわゆるクリップが生じる。このクリップ
は耳障りな雑音となって聴取される。
【0004】さらに、アンプの出力素子にバイポーラト
ランジスタを用いた場合は、上記クリップ波形のほか
に、クリップ時におけるバイポーラトランジスタの過飽
和動作による異常波形が加わって、音質がさらに悪化す
るという問題が生じる。
【0005】オーディオ用パワーアンプでは再生音の聴
感が重視されるが、この聴感とくに音楽再生での聴感は
アンプ出力に依存するところが大きい。高出力のアンプ
ほど音の強弱コントラスト演出が可能になって、いわゆ
るメリハリの効いた臨場感が得やすいからである。
【0006】しかし、高出力を得るためにはアンプの出
力信号電圧振幅を大きくする必要があるが、その出力信
号電圧振幅を大きくするとクリップが生じやすくなって
聴感を損なう、という背反が生じる。
【0007】上述した背反を克服するために、従来にお
いては、(1)アンプの出力信号電圧振幅を平均化する
ようなAGC(自動利得制御)をかける、(2)出力素
子にバイポーラトランジスタを用いた場合は、そのバイ
ポーラトランジスタのベース入力信号を負帰還制御する
ことにより、そのバイポーラトランジスタの過飽和動作
を抑制する、といった技術が提供されている。
【0008】(1)の技術は、アンプ出力信号電圧の時
間平均値を検出し、この検出値が一定となるようにアン
プの利得をフィードバック制御することにより、そのア
ンプの平均出力値を一定に維持しつつ、そのアンプ出力
信号電圧の尖塔値をクリップレベル以下に抑えるように
したもので、たとえば自動レベル調整機能(ALC)付
の磁気テープ録音用アンプなどに採用されている。
【0009】(2)の技術は、クリップの発生そのもの
を抑えることが目的ではないが、出力クリップ時にバイ
ポーラトランジスタが飽和することにより生じる異常波
形を抑える効果、つまりクリップに伴う音質悪化を緩和
させる効果はある(特開昭49−77557号公報参
照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た技術には、次のような問題のあることが本発明者らに
よってあきらかとされた。
【0011】すなわち、上述した(1)の技術では、ア
ンプの出力信号電圧波形が不自然に圧縮され、小振幅信
号の信号ほど振幅伸張されて出力される一方、大振幅の
信号ほど振幅圧縮されて出力される。この結果、耳障り
なクリップは少なくできるものの、音の強弱コントラス
トいわゆるメリハリが失われて、臨場感(ダイナミック
感)のある音響再生ができなくなってしまうという問題
か生じる。この音の強弱コントラストは、音楽再生を主
とするオーディオ用パワーアンプではもっとも重視され
る性能であって、アンプの高出力化もそのためと言って
よい。
【0012】また、上述した(2)の技術では、クリッ
プに伴う音質悪化の緩和には効果があるが、クリップそ
のものを効果的に抑制することはできないという問題が
あった。
【0013】本発明の目的は、たとえば12Vといった
低電圧電源下でも、クリップによる音質悪化を効果的に
抑制しつつ、オーディオ再生システムにおいてもっとも
重要な音の強弱コントラスト演出性能を確保して、臨場
感溢れる音響再生を可能にする、という技術を提供する
ことにある。
【0014】本発明の前記ならびにそのほかの目的と特
徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかにな
るであろう。
【0015】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0016】すなわち、第1の手段は、オーディオ信号
をパワー増幅するパワー増幅回路を内蔵するとともに、
上記パワー増幅回路の入力信号を外部から取り入れるた
めの入力端子と、上記パワー増幅回路の出力信号を外部
へ取り出すための出力端子とを備えたオーディオ用パワ
ーアンプICにあって、上記パワー増幅回路の出力がク
リップ状態になったときだけ検出出力を生成するクリッ
プ検出回路と、このクリップ検出回路の検出出力を所定
の時定数で直流電圧に変換する直流化回路と、上記パワ
ー増幅回路の入力信号伝達経路に介在することによりそ
の入力信号の伝達利得を可変制御する可変利得回路とを
有し、上記直流化回路の出力を上記可変利得回路に制御
信号として与えることにより、上記クリップ検出回路が
クリップを検出したときだけ、その検出出力に応じて上
記伝達利得の抑制を行わせるような選択性利得制御ルー
プを形成するというものである(第1発明)。
【0017】第2の手段は、上記第1の手段において、
可変利得回路の制御信号を外部から取り入れるための制
御端子と、パワー増幅回路の入力信号を上記可変利得回
路を通さずに外部から取り入れるための第2の入力端子
とを備えるというものである(第2発明)。
【0018】第3の手段は、上記第1または第2の手段
において、パワー増幅回路の出力信号電圧が所定範囲を
越えたか否かを検出する電圧検出手段によってクリップ
検出回路を構成するというものである(第3発明)。
【0019】第4の発明は、上記第1から第3のいずれ
かの手段において、正相入力と逆相入力間を同電位に仮
想短絡するような電圧負帰還がかけられている差動入力
形式のパワー増幅回路を使用するとともに、上記正相入
力と逆相入力間が同電位に仮想短絡されているか否かを
検出する電圧検出手段によってクリップ検出回路を構成
するというものである(第4発明)。
【0020】第5の発明は、上記第1から第4のいずれ
かの手段において、入力信号電圧を利得0dBで同相伝
達するように負帰還がかけられたパワー増幅回路を使用
するとともに、このパワー増幅回路の入力信号電圧と出
力信号電圧間の電圧差を検出する電圧検出手段によって
クリップ検出回路を構成するというものである(第5発
明)。
【0021】第6の発明は、上記第1から第5のいずれ
かの手段において、パワー増幅回路の出力がクリップ状
態になったときだけ能動レベルとなる2値検出出力を生
成するクリップ検出回路とともに、上記2値検出出力が
能動レベルとなったときに容量素子を急速充電し、かつ
上記2値検出レベルが非能動レベルに戻ったときに上記
容量素子を緩速放電させることにより、その容量素子か
ら上記クリップ状態に応じて変化する直流電圧を得るよ
うにした直流化回路を備えるというものである(第6発
明)。
【0022】上述した手段によれば、クリップレベル以
下の出力波形を不自然に圧縮することなく、クリップの
発生だけを効果的に抑制することができる。
【0023】これにより、たとえば12Vといった低電
圧電源下でも、クリップによる音質悪化を効果的に抑制
しつつ、オーディオ再生システムにおいてもっとも重要
な音の強弱コントラスト演出性能を確保して、臨場感溢
れる音響再生を可能にする、という目的が達成される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施態様を
図面を参照しながら説明する。
【0025】なお、図において、同一符号は同一あるい
は相当部分を示すものとする。
【0026】図1は本発明の技術が適用されたパワーア
ンプICの一実施態様を示す。
【0027】同図に示すパワーアンプIC100は単一
のシリコン半導体チップにオーディオ用パワーアンプを
集積形成(モノリシックIC化)したものであって、パ
ワー増幅回路1、クリップ検出回路2、直流化回路3、
VCA(電圧制御可変利得増幅器)4などが集積形成
(オンチップ形成)されている。
【0028】また、外部端子として、電源端子(Vc
c,GND)101,102、オーディオ入力端子(V
in)103、オーディオ出力端子(Vout)10
4、外づけ端子105などが設けられている。入力端子
103には、たとえばCD再生デッキやラジオチューナ
などのオーディオ信号源が接続される。出力端子104
には負荷であるスピーカSPが接続される。
【0029】パワー増幅回路1は、出力素子としてバイ
ポーラトランジスタQ1,Q2を用いたプッシュプル出
力段11、位相分割およびバイアス回路を含む前段駆動
回路12、入力部を形成する差動増幅回路13などによ
り構成されている。このパワー増幅回路1は、出力信号
Voutを差動増幅回路13の反転入力(−)側に電圧
負帰還させる帰還回路(抵抗等)Zfにより、入力信号
Vinを電圧利得0dBで同相伝達するように動作させ
られる。
【0030】クリップ検出回路2は、パワー増幅回路1
の出力(Vout)がクリップ状態になったときだけ検
出出力Dpを生成する。この検出出力Dpは2値パルス
信号であって、上記クリップ状態のときだけハイレベル
(能動レベル)となる。
【0031】直流化回路3は、ダイオードD1、容量素
子C1、抵抗R1により構成され、2値クリップ検出出
力Dpを所定の時定数で直流電圧に変換する。すなわ
ち、直流化クリップ検出電圧Vpに変換する。
【0032】つまり、クリップ検出回路2の検出出力D
pがハイレベル(能動レベル)となると、このハイレベ
ルの能動出力がダイオードD1の順方向を通して容量素
子C1に印加されることにより、その容量素子C1が急
速充電される。他方、上記検出出力Dpがハイレベル
(能動レベル)からロウレベル(非能動レベル)に戻る
と、容量素子C1は、充電電流の供給が遮断されるとと
もに、抵抗R1を通してゆっくりと放電(緩速放電)さ
れる。これにより、その容量素子C1からは、上記クリ
ップ状態に応じて変化する直流化クリップ検出電圧Vp
が得られる。
【0033】この場合、ダイオードD1は、容量素子C
1の充電電荷がクリップ検出回路2側へ逆流して放電さ
れるのを阻止する。抵抗R1は容量素子C1と並列に接
続され、クリップ検出回路2の検出出力Dpがロウレベ
ルになったときの容量素子C1の放電時定数を定める。
容量素子C1と抵抗R1は端子105を介して外づけさ
れている。
【0034】VCA4は、パワー増幅回路1の入力信号
伝達経路に介在することにより、その入力信号の伝達利
得を可変制御する可変利得回路を構成する。このVCA
4は、クリップ検出回路2がクリップ状態を検出しない
非検出状態が続く定常状態において0dBの伝達利得
(増幅率1)を保持する一方、クリップ検出回路2がク
リップ状態を検出した検出状態のときに、直流化回路3
の検出電圧Vpにより伝達利得が0dB以下に可変制御
されるように構成されている。
【0035】このように、直流化回路3の出力信号電圧
VpをVCA4に利得制御信号として与えることによ
り、クリップ検出回路2がクリップを検出したときだ
け、その検出出力Dpに応じてVCA4の伝達利得の抑
制を行わせる選択性利得制御ループが形成されるように
なっている。
【0036】図2は、図1に示したパワーアンプICの
要部における動作波形チャートを示す。
【0037】図1および図2において、入力端子103
から与えられる入力信号Vinの電圧振幅がパワー増幅
回路1のダイナミックレンジを越えると、パワー増幅回
路1の出力信号Voutは、電源電圧(Vcc−GN
D)などにより決められる一定レベル(Eo1−Eo
2)のところで電圧の振幅が制限されることにより、尖
塔部分がカットされたクリップ波形を呈するようにな
る。つまり、出力クリップ状態が生じる。
【0038】この出力クリップ状態が生じると、そのク
リップの程度に応じたパルス幅を有するクリップ検出出
力電流Ipが、クリップ検出回路3からダイオードD1
を介して容量素子C1に充電されるようになる。
【0039】これにより、直流化回路4からは、上記ク
リップの程度に応じた直流電圧すなわち直流化クリップ
検出電圧Vpが出力されるようになり、これがVCA4
に利得制御信号として与えられるようになる。
【0040】直流化クリップ検出電圧Vpが与えられる
ようになったVCA4は、その検出電圧Vpに応じて伝
達利得が負方向(<0dB)に低減され、上記クリップ
検出電流Ipのパルス幅が限りなくゼロに近づいたとこ
ろで安定するようになる。つまり、パワー増幅回路1の
出力信号波形のピーク値(尖塔値)をクリップレベル
(Eo1−Eo2)まで引き下げるようなフィードバッ
ク制御が行われる。この場合、そのフィードバック制御
動作の立ち上がりと立ち下がりは、直流化回路3をなす
容量素子C1の充電時定数と放電時定数によって、それ
ぞれに設定することができる。
【0041】入力信号Vinの電圧振幅がパワー増幅回
路1のダイナミックレンジ内に収まるようになると、ク
リップ検出回路2が非検出状態となることにより、上記
フィードバック制御は動作しなくなる。これにより、入
力信号Vinの電圧振幅が上記ダイナミックレンジ内に
ある間は、VCA4は一定の伝達利得(0dB)を保ち
続け、入力信号Vinはそのままパワー増幅回路1に入
力される。つまり、VCA4による利得抑制がなくても
出力クリップが生じない場合、入力信号Vinは、利得
制御による振幅圧縮や振幅伸張を受けることなくパワー
増幅されて出力される。したがって、音の強弱コントラ
ストいわゆるメリハリは失われず、クリップの発生だけ
が選択的に抑制されることになる。
【0042】以上のようにして、クリップレベル以下の
出力波形を不自然に圧縮することなく、クリップの発生
だけを効果的に抑制することができる。これにより、た
とえば12Vといった低電圧電源下でも、クリップによ
る音質悪化を効果的に抑制しつつ、オーディオ再生シス
テムにおいてもっとも重要な音の強弱コントラスト演出
性能を確保して、臨場感溢れる音響再生を可能にする、
という目的が達成される。
【0043】図3は、本発明と従来のパワーアンプの入
出力信号波形例を示す。
【0044】同図に示すように、従来のAGCアンプで
は、一定の制限レベル(Ei1−Ei2)以上の振幅部
分を含む入力信号波形に対し、出力信号電圧の平均値を
定常的にフィードバックすることにより出力波形のクリ
ップを抑制している。このため、出力波形のダイナミッ
クレンジが無差別に縮小されて、音の強弱コントラスい
わゆるメリハリがかなり失われている。
【0045】他方、本発明に係るアンプでは、クリップ
が生じる部分だけにて選択的に利得制御を行わせること
により、その出力波形には音の強弱コントラスいわゆる
メリハリが多く残されている。
【0046】図4は、クリップ検出回路の具体的な実施
態様を示す。
【0047】同図に示すクリップ検出回路2は、電圧比
較回路21,22、OR論理回路23、バッファ回路2
4、および分圧抵抗R2,R3により構成され、パワー
増幅回路1の出力信号電圧が所定範囲を越えたか否かを
レベル比較により検出する。
【0048】電圧比較回路21は比較基準電圧Vr1に
より、出力信号電圧(Vout)が上限のクリップレベ
ルを越えたか否かを検出する。今一つの電圧比較回路2
2は比較基準電圧Vr2により、出力信号電圧(Vou
t)が下限のクリップレベルを越えたか否かを検出す
る。
【0049】この場合、出力信号電圧(Vout)は、
電源電位Vccと基準電位(GND=0V)の中間電位
Vs(=Vcc/2)を基準にして振幅する。クリップ
検出回路2は、その中間電位Vsを基準とする電圧振幅
が所定のクリップレベルを越えたか否かをレベル比較す
ることによりクリップ検出を行う。電圧比較回路21,
22は、その比較入力レンジ内にてレベル比較を行うた
めに、抵抗R2,R3によって分圧された出力信号電圧
に対してレベル比較を行う。抵抗R2,R3は、出力信
号電圧(Vout)の振幅を上記中間電位Vsを基準に
して比例縮小させる。
【0050】図5は、クリップ検出回路の第2の実施態
様を示す。
【0051】同図に示すクリップ検出回路2は、パワー
増幅回路1の正相入力(+)と逆相入力(−)間が同電
位に仮想短絡されているか否かを検出する電圧検出回路
25と、この電圧検出回路25の出力を直流化回路3へ
出力するバッファ回路24とにより構成されている。
【0052】電圧検出回路25は、若干の検出しきい値
(不感幅)をもたせられた電圧比較回路251,252
と、両電圧比較回路251,252の出力論理和をとる
OR論理回路253とにより構成されている。
【0053】ここで、パワー増幅回路1はその入力部が
差動増幅回路13で構成された差動入力形式であって、
正相入力(+)と逆相入力(−)間を同電位に仮想短絡
するような電圧負帰還がかけられている。この仮想短絡
状態は負帰還動作により維持されるが、出力クリップが
生じると、そのときだけ仮想短絡が形成されなくなっ
て、正相入力(+)と逆相入力(−)間になにがしかの
電圧差が生じる。この電圧差の発生を上記電圧検出回路
25で検出することにより、クリップ検出を行うことが
できる。
【0054】なお、電圧検出回路25による電圧差の検
出は、パワー増幅回路1のオープン利得(負帰還をかけ
ない場合の利得)よりも小さな利得で検出する必要があ
る。そうでないと、正常な仮想短絡で生じる微少電圧差
が誤検出されてしまう。このため、電圧検出回路25
は、一定以下の微少電圧差は検出しないような検出しき
い値(不感幅)を持つように構成されている。
【0055】図6は、クリップ検出回路の第3の実施態
様を示す。
【0056】同図に示すクリップ検出回路2は、パワー
増幅回路1の入力信号電圧(Vi)と出力信号電圧(V
out)間の電圧差を2値検出する電圧検出回路26、
この電圧検出回路26の出力を直流化回路3へ出力する
バッファ回路24、分圧用抵抗R2〜R5などにより構
成されている。
【0057】電圧検出回路26は、若干の検出しきい値
(不感幅)をもたせられた電圧比較回路261,262
と、両電圧比較回路261,262の出力論理和をとる
OR論理回路263とにより構成されている。
【0058】ここで、パワー増幅回路1は、入力信号電
圧(Vi)を利得0dBで同相伝達するように負帰還が
かけられている。その入力信号電圧(Vi)と出力信号
電圧(Vout)は、パワー増幅回路1が正常動作して
いれば一致する。しかし、出力クリップが生じると、そ
のクリップのときだけ不一致が生じる。上記電圧検出回
路26はその入出力間電圧の不一致を検出する。これに
より、その電圧検出回路26からクリップ検出出力を得
ることができる。
【0059】抵抗R2〜R5は、電圧検出回路26によ
る検出動作が電圧比較回路261,262の比較入力レ
ンジ内で確実に行われるようにするために設けられてい
る。各抵抗R2〜R5の値は、入力信号電圧(Vi)と
出力信号電圧(Vout)と互いに同一比で分圧するよ
うに設定されている。
【0060】図7は、VCA4の構成例を示す。
【0061】同図に示すVCA4は、npn型バイポー
ラトランジスタQ41〜Q46、抵抗R1〜R43、定
電流源I41,I42、基準電圧源Vr4などにより構
成されている。
【0062】同図において、Q41とQ42、Q43と
Q44はそれぞれ、エミッタ同士が共通接続された差動
対を形成する。Q45は、Q41とQ42の共通エミッ
タと定電流源I41の間に直列に介在する。Q46は、
Q43とQ44の共通エミッタと定電流源I42の間に
直列に介在する。Q45とQ46のエミッタ同士は抵抗
R43を介して接続されている。
【0063】2つの差動対の各一方のトランジスタQ4
1,Q44は、各コレクタがそれぞれ負荷抵抗R41,
R42を介して電源電位Vccに接続されているととも
に、各ベースにそれぞれに制御電圧(Vp)が印加され
るようになっている。また、2つの差動対の各他方のト
ランジスタQ42,Q43は、各コレクタがそれぞれ電
源電位Vccに直接接続されているとともに、各ベース
にそれぞれ基準電圧Vr4が印加されている。そして、
Q5とQ6は、各エミッタが抵抗R43を介して相互に
接続されているとともに、一方のベースと他方のベース
間にオーディオ入力信号Vinが印加されるようになっ
ている。
【0064】ここで、制御電圧(Vp)が基準電圧Vr
4よりも低い場合、トランジスタQ42,Q43はカッ
トオフ状態となる。このとき、入力信号Vinは、トラ
ンジスタQ41,Q45とQ44,Q46により一定利
得で伝達されてQ41,Q42のコレクタ間から出力さ
れる。
【0065】他方、制御電圧(Vp)が基準電位Vr4
に対して高くなると、Q42,Q43が導通を開始する
と同時に、Q41,Q44を流れる電流が減少する。こ
れにより、Q41,Q42のコレクタ負荷抵抗R41,
R42に現れる出力が減少する。つまり、信号伝達利得
が低下させられる。
【0066】以上のようにして、制御電圧(Vp)が一
定以下(Vp<Vr4)のときは一定の伝達利得を保持
し、制御電圧Vpが一定以上(Vp>Vr4)ににる
と、それに応じて伝達利得が減少するような利得制御を
行わせることができる。
【0067】図8は、本発明の好適な適用例を示す。
【0068】同図に示すパワーアンプIC100では、
外部端子として、VCA4の制御信号Vp1,Vp2を
外部から取り入れるための制御端子106と、パワー増
幅回路1の入力信号ViをVCA4を通さずに直接外部
から取り入れるための第2の入力端子107が別途設け
られている。
【0069】これにより、VCA4は、クリップ検出回
路2から直流化回路3を介して与えられる第1の制御信
号Vp1のほかに、外部から制御端子106を介して与
えられる第2の制御信号Vp2によっても、伝達利得低
減の制御を受けるようになっている。
【0070】パワー増幅回路1は、第1の入力端子10
3からVCA4を介して与えられる第1の入力信号Vi
n1と、第2の入力端子107から加算回路5を介して
直接与えられる第2の入力信号Vin2をパワー増幅す
る。加算回路5は2つの信号(Vin1,Vin2)を
ミキシング合成する回路であって、結線だけのワイヤー
ド回路により構成することができる。
【0071】次に、上述したパワーアンプIC100を
使用したシステムについて説明する。
【0072】同図において、第1の入力端子103に
は、CD再生デッキやラジオチューナなどのオーディオ
信号源200が接続される。制御端子106と第2の入
力端子107には、カーナビゲーションなどのデジタル
システム300が接続される。
【0073】デジタルシステム300は、ビープ音や音
声ガイダンスなどのメッセージ信号(Vin2)を利得
制御信号Vp2とともに出力する。利得制御信号はVC
A4の伝達利得が低減制御する。
【0074】これにより、パワーアンプIC100は、
デジタルシステム300からメッセージ信号(Vin
2)が入力されたときに、自動的に第1の入力信号Vi
n1の再生音を低減(ミューティンク)して、そのメッ
セージ信号(Vin2)を聞きやすく音響再生させるこ
とができる。
【0075】以上、本発明者によってなされた発明を実
施態様にもとづき具体的に説明したが、本発明は上記実
施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しな
い範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例
えば、クリップ検出は、出力信号波形の最大ピークと最
小ピークのいずれか一方だけで行わせるようにしてもよ
い。
【0076】以上の説明では主として、本発明者によっ
てなされた発明をその背景となった利用分野であるカー
オーディオシステム用のパワーアンプICに適用した場
合について説明したが、それに限定されるものではな
く、たとえば携帯用あるいは据置型のラジオ受信機やテ
レビ受像器などにも適用できる。
【0077】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものの効果を簡単に説明すれば、下記のとおりで
ある。
【0078】すなわち、本願の発明は、例えば12Vと
いった低電圧電源下でも、クリップによる音質悪化を効
果的に抑制しつつ、オーディオ再生システムにおいても
っとも重要な音の強弱コントラストの演出性能を確保し
て、臨場感溢れる音響再生を可能にするという効果を奏
する。また、ビープ音や音声ガイダンスなどのメッセー
ジ信号を聞きやすく音響再生させることができるという
効果を奏する。さらに、クリップ検出を簡単かつ確実に
行うことができるとともに、その検出出力の直流電圧変
換を簡単かつ確実に行うことができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の技術が適用されたパワーアンプICの
一実施態様を示す回路図
【図2】図1に示したパワーアンプICの要部における
動作波形チャート
【図3】本発明と従来のパワーアンプの入出力信号波形
例を示す図
【図4】クリップ検出回路の具体的な実施態様を示す回
路図
【図5】クリップ検出回路の第2の実施態様を示す回路
【図6】クリップ検出回路の第3の実施態様を示す回路
【図7】VCA4の構成例を示す回路図
【図8】本発明の好適な適用例を示すシステム図
【符号の説明】
100 パワーアンプIC(半導体集積回路装置) 1 パワー増幅回路 11 出力段 12 前段駆動回路 13 差動増幅回路(入力部) 2 クリップ検出回路 3 直流化回路 D1 ダイオード C1 容量素子 R1 抵抗 4 VCA(可変利得回路) Zf 帰還回路 SP スピーカ(負荷) Vout 出力信号 Vin,Vin1,Vin2 入力信号 Dp 2値クリップ検出出力 Ip クリップ検出出力電流 Vp 直流化クリップ検出電圧 Vcc 電源電位 GND 電源基準電位 101 電源端子(Vcc) 102 電源端子(GND) 103 オーディオ入力端子(Vin) 104 オーディオ出力端子(Vout) 105 外づけ端子 106 外部制御端子 107 第2の入力端子 200 オーディオ信号源 300 デジタルシステム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹下 律司 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業本部内 (72)発明者 飯島 大輔 埼玉県入間郡毛呂山町大字旭台15番地 日 立東部セミコンダクタ株式会社内 Fターム(参考) 5J090 AA01 AA41 CA21 CA41 FA17 GN01 GN05 HA02 HA19 HA25 HA29 HN01 HN06 HN07 KA00 KA02 KA03 KA05 KA17 KA25 KA31 KA33 KA62 MA13 MA21 SA05 SA07 TA06 5J091 AA01 AA41 CA21 CA41 FA17 HA02 HA19 HA25 HA29 KA00 KA02 KA03 KA05 KA17 KA25 KA31 KA33 KA62 MA13 MA21 SA05 SA07 TA01 TA06 5J100 JA01 KA05 LA00 LA09 QA01 SA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オーディオ信号をパワー増幅するパワー
    増幅回路を内蔵するとともに、上記パワー増幅回路の入
    力信号を外部から取り入れるための入力端子と、上記パ
    ワー増幅回路の出力信号を外部へ取り出すための出力端
    子とを備えたオーディオ用パワーアンプICであって、
    上記パワー増幅回路の出力がクリップ状態になったとき
    だけ検出出力を生成するクリップ検出回路と、このクリ
    ップ検出回路の検出出力を所定の時定数で直流電圧に変
    換する直流化回路と、上記パワー増幅回路の入力信号伝
    達経路に介在することによりその入力信号の伝達利得を
    可変制御する可変利得回路とを有し、上記直流化回路の
    出力を上記可変利得回路に制御信号として与えることに
    より、上記クリップ検出回路がクリップを検出したとき
    だけ、その検出出力に応じて上記伝達利得の抑制を行わ
    せるような選択性利得制御ループを形成したことを特徴
    とするパワーアンプIC。
  2. 【請求項2】 可変利得回路の制御信号を外部から取り
    入れるための制御端子と、パワー増幅回路の入力信号を
    上記可変利得回路を通さずに外部から取り入れるための
    第2の入力端子とを備えたことを特徴とする請求項1に
    記載のパワーアンプIC。
  3. 【請求項3】 パワー増幅回路の出力信号電圧が所定範
    囲を越えたか否かを検出する電圧検出手段によってクリ
    ップ検出回路を構成したことを特徴とする請求項1また
    は2に記載のパワーアンプIC。
  4. 【請求項4】 正相入力と逆相入力間を同電位に仮想短
    絡するような電圧負帰還がかけられている差動入力形式
    のパワー増幅回路を使用するとともに、上記正相入力と
    逆相入力間が同電位に仮想短絡されているか否かを検出
    する電圧検出手段によってクリップ検出回路を構成した
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のパ
    ワーアンプIC。
  5. 【請求項5】 入力信号電圧を利得0dBで同相伝達す
    るように負帰還がかけられたパワー増幅回路を使用する
    とともに、このパワー増幅回路の入力信号電圧と出力信
    号電圧間の電圧差を検出する電圧検出手段によってクリ
    ップ検出回路を構成したことを特徴とする請求項1から
    4のいずれかに記載のパワーアンプIC。
  6. 【請求項6】 パワー増幅回路の出力がクリップ状態に
    なったときだけ能動レベルとなる2値検出出力を生成す
    るクリップ検出回路とともに、上記2値検出出力が能動
    レベルとなったときに容量素子を急速充電し、かつ上記
    2値検出レベルが非能動レベルに戻ったときに上記容量
    素子を緩速放電させることにより、その容量素子から上
    記クリップ状態に応じて変化する直流電圧を得るように
    した直流化回路を備えたことを特徴とする請求項1から
    5のいずれかに記載のパワーアンプIC。
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