JP3478359B2 - オーディオ信号増幅回路およびこの回路を用いたオーディオ装置 - Google Patents

オーディオ信号増幅回路およびこの回路を用いたオーディオ装置

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JP3478359B2 JP18086595A JP18086595A JP3478359B2 JP 3478359 B2 JP3478359 B2 JP 3478359B2 JP 18086595 A JP18086595 A JP 18086595A JP 18086595 A JP18086595 A JP 18086595A JP 3478359 B2 JP3478359 B2 JP 3478359B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、オーディオ信号増幅
回路およびこの回路を用いたオーディオ装置に関し、詳
しくは、乾電池1本乃至2本で駆動されるようなポータ
ブル磁気テーププレーヤやポータブルCDプレーヤなど
におけるオーディオ出力アンプにおいて、消費電力を低
減し、電池の使用寿命を延ばすことができるような携帯
用の音響機器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のヘッドホーンステレオやDCC、
DATなどのポータブル磁気テーププレーヤ、MD、C
Dなどのポータブルディスクプレーヤでは、乾電池で駆
動され、その本数は、1本から2本程度である。従っ
て、オーディオ回路の電源電圧は、1.2Vあるいは
2.4V程度でしかない。しかも、多くの場合ステレオ
機能を備えていて、その出力段の回路は、2系統になっ
ている。このようなポータブル形の音響機器では、駆動
電源を電池1本とするような要請が強く、長時間演奏を
実現する要請が多い。さらに、最近の回路では、低域ブ
ーストアンプを備えていて、消費電力が増加する傾向に
ある。
【0003】この種の回路あるいは装置で電力消費が大
きいのは、オーディオ出力回路とモータ駆動回路であ
る。前者のオーディオ出力回路の動作電流を低減して消
費電力を抑制するものとしては、特開平4-111506号,特
願平7-50637号等を挙げることができる。前者は、入力
信号を信号増幅系とは別の電源系に加えて入力信号を全
波整流して、全波整流した信号によりオーディオ出力回
路の動作電流を制御することにより入力信号の振幅に応
じた電力をオーディオ出力回路に供給するようにしてい
る。後者は、ステレオ信号を増幅する際に仮想接地のセ
ンターアンプ部分をスイッチングレギュレータに置き換
えることで仮想接地レベルの電圧を発生して電力消費の
低減を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前者の全波整流するも
のにあっては、入力信号を検波しているために、例え
ば、音量調節により出力を絞ったときにも、これとは無
関係に動作電流が制御され、実際上は、無駄な電力消費
が発生し易い。特に、出力にミュートをかけたときなど
には、それが顕著である。この種のオーディオ装置は、
先に説明したように、低音部の増強が行われるが、さら
に最近では高音質化の傾向にある。一方、後者のスイッ
チングレギュレータを用いるものにあっては、スイッチ
ング制御のために高い周波数が必要となる関係で、これ
がオーディオ出力回路に対するノイズとなり、 S/N比を
低下させる危険性が高い。この発明の目的は、このよう
な従来技術の問題点を解決するものであって、消費電力
を低減し、電池の使用寿命を延ばすことができ定電圧駆
動に適したオーディオ信号増幅回路およびこの回路を用
いたオーディオ装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るためのこの発明のオーディオ信号増幅回路およびオー
ディオ装置の特徴は、入力信号を電圧増幅した出力を発
生するオーディオ出力回路と、このオーディオ出力回路
の電圧出力信号が抵抗を介して入力されこの信号を全波
整流して前記の抵抗に出力するバッファ回路と、オーデ
ィオ出力回路の動作電流を決定する電流源と、前記バッ
ファ回路の全波整流値の増減に応じた制御信号を生成し
てこれにより電流源の電流値を増減する動作電流制御回
路とを、を備えていて、 オーディオ出力回路とバッファ
回路とを電源ラインに並列に配置したものである。
【0006】
【作用】このように、オーディオ出力回路で出力される
増幅された電圧信号を受けてこれを抵抗を介してバッフ
ァ回路で全波整流した信号を発生させ、動作電流制御回
路で制御信号を発生するようにしているので、オーディ
オ出力回路とこれの動作電流を制御する制御信号発生系
とを前記抵抗とバッファ回路とにより分離することがで
き、現実に出力される電圧信号のレベルに応じた動作電
流を生成することができる。また、出力信号をバッファ
回路が受けて動作電流を制御する制御信号を発生させて
いるので、出力回路とバッファ回路とを電源ラインに並
列に配置することができ、低電圧駆動に適する回路にな
る。その結果、入力信号を信号増幅系とは別の電源系に
加えて制御した場合に発生する無駄な電力の消費が抑制
され、さらに、オーディオ増幅系で同様な制御をした場
合であってもミュートをかけたときなどに出力を減衰さ
せたり、あるいは停止させたりするときに発生する無駄
な動作電流が直接出力信号を受けてこれにに応じて動作
電流を制御することで回避される。特に、オーディオ出
力回路を負帰還回路とし、バッファアンプを増幅率1あ
るいはこれより小さいアンプとすれば、オーディオ信号
増幅出力系回路と動作電流制御系回路との動作の分離が
確実になる。
【0007】
【実施例】図1は、この発明のオーディオ信号増幅回路
を適用した一実施例の電池駆動のオーディオ出力回路を
中心としたブロック図、図2は、入力信号の正負の半サ
イクルに応じて独立に動作電流を発生する一実施例の具
体的な回路のブロック図、図3は、さらに他の実施例の
ブロック図、図4は、前段回路の動作電流まで制御を行
う実施例の説明図である。図1において、1は、Rチャ
ネルのヘッドホーンアンプのオーディオ信号出力回路で
ある。Lチャネルも同様な回路になるので、片側のチャ
ネルのみ示す。2は、オーディオ出力回路であって、3
がその動作電流をグランドGND側でシンクさせる電流
源である。4は、全波整流アンプ、5は、動作電流制御
回路である。
【0008】全波整流アンプ4は、出力電圧検出用のプ
シュプルの全帰還形の電圧バッファアンプであって、出
力インピーダンスが低く、例えば、その入力段の差動ア
ンプに負荷として挿入されたダイオード接続のP形トラ
ンジスタQ1からその動作電流が全波整流電流値として
取り出される。全波整流アンプ4は、入力段が差動アン
プで構成され、その+位相入力側が基準電圧VREF(=
Vcc/2)に接続され、その−位相入力側がその出力点
Dに直接接続され全帰還されている。動作電流制御回路
5は、全波整流電流検出用のP形トランジスタQ2と、
これに接続されたカレントミラー回路5aとからなる。
トランジスタQ2は、電源ラインVccにエミッタ側が接
続され前記トランジスタQ1を一方のカレントミラーの
入力側トランジスタとしてカレントミラー回路を構成
し、トランジスタQ1に流れる電流と同一の電流を流出
する。カレントミラー回路5aは、エミッタ側がグラン
ドGNDに接続され、コレクタ側がトランジスタQ2の
コレクタに接続されたその流出電流を受けるダイオード
接続のN形トランジスタQ3と、同様にエミッタ側がグ
ランドGNDに接続されコレクタ側が電流源3の入力点
P側との間に接続されトランジスタQ3とカレントミラ
ー接続された電流制御用のN形トランジスタQ4とから
なる。
【0009】抵抗RDは、出力回路2の出力端子16の
手前の点Cと全波整流アンプ4の出力点Dとの間に接続
された回路分離用の抵抗であって、比較的高い抵抗値の
ものである。なお、出力端子16とグランドGND間に
は、結合コンデンサCoを介してヘッドホーン等のスピ
ーカ負荷RLが接続されている。オーディオ出力回路2
は、差動アンプを入力段に持つアンプであって、その+
位相入力側は、前段のプリアンプ11からボリュームV
R,結合コンデンサCinを介してオーディオ信号が入力
される。なお、Rfは、その出力(点Cの電圧)を−位
相入力側に帰還させる帰還抵抗、Rsは、その帰還率を
決める基準抵抗であって、−位相入力とグランドGND
との間に挿入されている。そして、出力回路2の出力の
基準レベルは、基準電圧VREF(=Vcc/2)と等しい
値に設定されている。
【0010】ここで、電流源3の電流値I1は、+位相
入力の信号入力に対して電圧出力として所定の増幅率で
増幅するための最低限の動作電流値であって、例えば、
10μA〜25μA程度のものである。また、出力回路
2は、帰還抵抗Rfと基準抵抗Rsによって帰還がかけら
れ、全波整流アンプ4側の動作とは独立し、動作電流の
増減による増幅率の変動はほとんどない。全波整流アン
プ4の出力点Dも点Cから抵抗RDを介して点Dに出力
されるが、コンデンサCoと負荷RLとを共通の回路とす
るだけであって、その動作も出力回路2とは独立してい
る。すなわち、点Cと点Dは、それぞれのアンプの電流
流出あるいは流入の際の共通ノードとなっているだけで
ある。
【0011】その全体的な動作を説明すると、出力回路
2も全波整流アンプ4も低出力インピーダンスアンプに
なっていて、かつ、全波整流アンプ4の出力点Dと出力
点Cとは、入力信号がない状態ではそれぞれ等しく、こ
こでは、その値が電圧振幅の基準電圧であり、Vcc/2
である。このときには、抵抗RDの両端に電位差がな
く、全波整流アンプ4の動作電流は、最小限のアイドリ
ング電流であって、負荷トランジスタQ1に流れる電流
もほぼ“0”に近い。その結果、動作電流制御回路5の
トランジスタQ4に流れる電流もほぼ“0”に近い値に
なり、出力回路2は、動作電流I1に近い電流値で動作
状態にある。
【0012】出力回路2の+入力に所定の正側(上側半
サイクル)のレベル入力信号があると、その入力信号の
振幅が所定の増幅率で電圧増幅されて点Cの電圧がそれ
に応じて所定量上昇する。これにより点Cと点Dに電位
差が発生して点Cから点Dに向かって抵抗RDに電流が
流れ、それが全波整流アンプ4の−入力に加えられる。
そこで、この入力電圧が上昇して出力点Cから出力点D
に流れる電流の一部が全波整流アンプ4の出力である点
Dでシンクされる。この動作に応じた動作電流が負荷ト
ランジスタQ1に現れる。その結果、動作電流制御回路
5が負荷トランジスタQ1に流れる電流に対応する電流
Idを制御電流として発生してトランジスタQ4に流す。
これにより出力回路2の動作電流をI1+Idに増加させ
て、出力電圧に対応する動作電流を出力回路2に発生さ
せる。
【0013】一方、出力回路2の+入力に所定の負側
(下側半サイクル)のレベル入力信号があると、その入
力信号の振幅が所定の増幅率で増幅されて点Cの電圧が
それに応じて所定量降下する。これにより点Cと点Dに
電位差が発生して今度は点Dから点Cに向かって抵抗R
Dに電流が流れ、全波整流アンプ4の−入力の電圧が低
下して全波整流アンプ4の出力から電流が流出する。こ
の動作に応じた動作電流が負荷トランジスタQ1に現
れ、前記と同様に動作電流制御回路5が動作して負荷ト
ランジスタQ1に流れる電流に対応してトランジスタQ4
に電流Idが流れて出力回路2の動作電流がI1+Idに
増加する。これにより、出力電圧に対応する動作電流が
出力回路2に発生する。
【0014】図2は、入力信号の正負の位相に応じて独
立に動作電流を発生する全波整流アンプを用いた具体例
であって、全波整流アンプ4aは、電源ラインVccとグ
ランドGNDとの間において、上流側に設けられたNP
NトランジスタQ5とその下流に設けられたPNPトラ
ンジスタQ6と、これらトランジスタのベースをバイア
スするために同様に電源ラインVccとグランドGNDと
の間において、順次接続されたダイオード接続のトラン
ジスタQ7,Q8とからなる。そして、動作電流制御回路
5のダイオード接続のトランジスタQ1がトランジスタ
Q5の負荷として電源ラインVccとそのコレクタとの間
に挿入されている。この回路が負側の位相の入力信号
(下側半サイクル)に対して制御電流を発生させる回路
になっている。ここで、トランジスタQ7,トランジス
タQ8のエミッタ側は、共通に基準バイアスVcc/2の
固定バイアスになっているので、トランジスタQ5,ト
ランジスタQ6のベース側の電圧は、固定されている。
その結果、トランジスタQ5,トランジスタQ6は、エミ
ッタ側入力でベース接地のバッファアンプを構成してい
る。
【0015】正側の位相の入力信号(上側半サイクル)
に対して制御電流を発生する回路として動作電流制御回
路5にはさらにダイオード接続のトランジスタQ9が設
けられている。このトランジスタQ9は、トランジスタ
Q6の負荷としてグランドGNDとトランジスタQ6のコ
レクタとの間に挿入されている。そして、このトランジ
スタQ9のベースが出力回路2aの電流源となるトラン
ジスタQ10のベースに接続されてこれとカレントミラー
を構成している。また、入力段の電流源であるトランジ
スタQ10の電流入力点P側とグランドGNDとの間には
動作電流制御回路5のトランジスタQ4aが接続されてい
る。出力回路2aは、出力回路2の具体例であって、そ
の差動アンプ6の定電流源であるトランジスタQ10に対
して、さらに前記の動作電流制御回路5のトランジスタ
Q4aがトランジスタQ10に対してパラレルな電流源とし
て設けられ、このトランジスタ4aが図1の動作電流制
御回路5のトランジスタQ3とカレントミラー接続され
たトランジスタQ4にも対応している。
【0016】差動アンプ6は、差動トランジスタQ11,
Q12を備えていて、カレントミラー接続のアクティブ負
荷(トランジスタQ13,Q14)7を有している。出力回
路2aは、さらに、負荷トランジスタQ13側にベースが
接続され電源ラインVccにエミッタが接続され、出力端
子(点c)にコレクタが接続された出力段トランジスタ
Q15、そしてこの下流に位置し、ベースが動作電流制御
回路5のトランジスタQ3とカレントミラー接続され、
出力端子(点c)にコレクタが接続されエミッタがグラ
ンドGNDに接続されたシンク側の電流源トランジスタ
Q16とからなる。ここでは、これらアンプで構成される
出力回路2aは、A級増幅器になっている。なお、抵抗
Rsに直列にグランド側に接続されたC1は、バイパスコ
ンデンサである。
【0017】全波整流アンプ4aのバイアス回路である
トランジスタQ7,Q8には電源ラインVccからグランド
GNDに向かってI1/2の電流が流されている。これ
らエミッタの接続点には、基準バイアスとしてVcc/2
の電圧が与えられているので、入力信号がない、無信号
状態では、トランジスタQ5,Q6には、前記と同じ量の
電流I1/2が電源ラインVccからグランドGNDに向
かって流れている。その結果、トランジスタQ1,Q9に
もそれぞれI1/2の電流が流れ、差動アンプ6の電流
源のトランジスタQ10,Q4aにそれぞれI1/2の電流
が流れてトータルとして図1の実施例と同様にI1の動
作電流が差動アンプ6の動作電流として設定されてい
る。
【0018】その動作としては、基準レベルVcc/2に
対して正側の半サイクルの入力信号が出力回路2aに入
力されたときには、前記と同様に、点Cの電圧が入力信
号の振幅に応じて上昇する。これにより点Cと点Dに電
位差が発生して点Cから点Dに向かって抵抗RDに電流
が流れ、この電流がトランジスタQ6を介してトランジ
スタQ9に流れ、トランジスタQ10の電流値を増加させ
てI1/2+Id+αの電流を発生させる。一方、抵抗R
Dからの流入電流によりトランジスタQ5側のエミッタ電
圧が上昇してこれによりトランジスタQ5の電流値がI1
/2−αになり、トランジスタQ1,Q2,Q3の電流値
がI1/2−αになって、トランジスタQ4aの電流値が
I1/2−αになる。その結果、トータルとしての差動
アンプ6の動作電流はI1+Idになる。なお、この場
合、ベース接地回路であるので、入力インピーダンスが
低いために、前記のαは小さい値であり、無視してされ
てもよい。次に説明するαも同じである。
【0019】基準レベルVcc/2に対して負側の半サイ
クルの入力信号が出力回路2aに入力されたときには、
点Cの電圧が入力信号の振幅に応じて低下する。これに
より点Cと点Dに電位差が発生して点Dから点Cに向か
って抵抗RDに電流が流れ、この電流がトランジスタQ5
を介してトランジスタQ1に流れ、トランジスタQ2,ト
ランジスタQ3、そしてトランジスタQ4aの電流値を増
加させてI1/2+Id+αの電流を発生させる。一方、
抵抗RDに流れる流出電流によりトランジスタQ6側のエ
ミッタ電圧が降下してこれによりトランジスタQ6の電
流値がI1/2−αになり、トランジスタQ9の電流値が
I1/2−αになって、トランジスタQ10の電流値がI1
/2−αになって、トータルとして差動アンプ6の動作
電流がI1+Idになる。さらに、負側の半サイクルにお
いては、出力段トランジスタQ15のベースにカレントミ
ラー接続されているトランジスタQ3の電流値が増加す
ることで下流のトランジスタQ16がシンクする電流値を
増加させる。これにより負の半サイクルにおける動作電
流の増加が行われる。
【0020】図3の出力回路20は、図2の出力回路2
aの構成において、入力段の差動アンプ6から180度
位相が異なる2つの信号を出力として取り出して正相と
逆相により出力段アンプを駆動するようにした実施例で
ある。これに応じて全波整流アンプ40も全波整流アン
プ4に対してそれぞれを正相と逆相とに応じて独立に動
作する。6aは、差動アンプ6に対応するものであっ
て、差動アンプ6との相違点は、負荷トランジスタQ1
3,Q14がカレントミラー負荷ではなく、独立な負荷ト
ランジスタとされ、これら負荷からそれぞれ180度位
相が相違する信号が出力される点と、さらに、電流源の
動作電流の制御に加えて、これら負荷トランジスタQ1
3,Q14がカレントミラー接続されたトランジスタQ20
により電流源のトランジスタQ10と同様に動作電流の制
御をトランジスタQ21を介して受ける。
【0021】取り出されたそれぞれの出力は、カレント
ミラー回路8,9を経てカレントミラードライブ回路1
0に伝送されて、カレントミラードライブ回路10の出
力側トランジスタQ23により出力段トランジスタQ15が
駆動される。また、電流シンク側の電流源トランジスタ
Q16も独立にトランジスタQ22により動作電流が制御さ
れる。一方、全波整流アンプ40は、図2のトランジス
タQ5,Q6の回路に対応する全波整流回路部41と、図
2のダイオード接続のトランジスタQ7,Q8の回路に対
応するバイアス回路42、そして、動作電流制御回路5
に対応する動作電流制御回路43とから構成されてい
る。全波整流回路部41において、トランジスタQ5に対
応して正側半サイクルに応じて動作するのがアンプ41
aとそのカレントミラー負荷41bであり、トランジス
タQ6に対応して負側半サイクルに応じて動作するのが
アンプ41cとそのカレントミラー負荷41dである。
【0022】さらに、この出力回路20にあっては、動
作電流補正回路30が追加されている。この回路は、動
作電流を低減し、動作時に増加させることによる信号歪
みを改善するために、全波整流時にのみ差動アンプ6a
の動作電流を一定量増加させる。動作電流補正回路30
は、差動アンプ6aの電流源のトランジスタQ10に並列
にトランジスタQ26を設けて、このトランジスタを駆動
する定電流源30aをさらに設けたものである。カレン
トミラー負荷41bあるいはカレントミラー負荷41d
において整流時に発生する電圧をトランジスタQ23,Q
24で取り出して、この電圧が所定レベル以上(入力信号
があることを検出する程度のレベル)になったときに動
作電流補正回路30のトランジスタQ25をONさせるこ
とで定電流源30aの電流値I2をトランジスタQ26に
流すものである。このトランジスタQ26は、差動アンプ
6aの電流源トランジスタQ10に並列に挿入されている
ので、入力信号のレベルに関係なく、入力信号が所定値
以上のときには、全波整流出力が前記の所定値以上の出
力を発生し、常に、一定の動作電流電流I2が動作電流
I1に加算される。その結果、差動アンプ6aのトータ
ルの動作電流がI1+I2+Idになる。このように定電
流I2を加えることにより、動作電流I1をさらに少ない
ものにでき、かつ、動作状態では、動作電流が増加する
ことから信号歪みを改善することができる。
【0023】図4は、全波整流回路4から取り出される
電流値に応じて動作電流制御回路5が生成する制御電流
をオーディオ増幅装置の各増幅段の回路あるいは制御回
路に加えて制御する実施例である。図4では、全波整流
アンプ4と動作電流制御回路5とからなる回路がオーデ
ィオの電力出力回路としてヘッドホーンアンプ14の出
力に抵抗RDを介して結合されていて、動作電流制御回
路5は、その動作制御用のトランジスタQ4を複数有し
ている。そのそれぞれのトランジスタQ4は、オート出
力レベルコントロール12、トーンコントロール回路1
3のそれぞれの電流源12a,13aに並列にこれらの
動作電流制御用のトランジスタとして設けられている。
これらトランジスタQ4,Q4,Q4,…は、それぞれ図
1のトランジスタQ3にカレントミラー接続されてい
る。また、これと同様な動作電流制御回路5と全波整流
アンプ4とからなる回路がプリアンプ11の出力にも設
けられていて、プリアンプ11の電流源11aにパラレ
ルに動作電流制御回路5の動作電流制御用のトランジス
タQ4が設けられている。さらに、14は、曲間検出回
路(AMS)であって、その電流源14aにパラレルに
トランジスタQ4が設けられ、基準電圧発生回路15の
電流源15a,15bにも同様にトランジスタQ4が設
けられている。
【0024】以上説明してきたが、図2,図3の実施例
から理解できるように、出力回路のアンプの構成は、入
力段と出力段と分けて各種の回路で構成することがで
き、動作電流の制御は、オーディオ出力回路の入力段に
対して行ってもよいし、その出力段に対して行ってもよ
い。また、実施例に示すように入力段と出力段との両者
に適用すれば、それだけ動作電流の低減が図れ、消費電
力は低下して電池の使用寿命を延ばすことができる。な
お、動作電流の低下によるS/N比を改善するためには、
入力段の動作電流を制御することなく、出力段の動作電
流を制御するか、あるいは、図3の動作電流補正回路3
0のように、入力信号があったときに入力段の動作電流
を所定量増加させることで、電池の寿命とともに音質も
向上させることができる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したきたように、この発明にあ
っては、オーディオ出力回路で出力される増幅された電
圧信号を受けてこれを抵抗を介してバッファ回路で全波
整流した信号を発生させ、動作電流制御回路で制御信号
を発生するようにしているので、オーディオ出力回路と
これの動作電流を制御する制御信号発生系とを前記抵抗
とバッファ回路とにより分離することができ、現実に出
力される電圧信号のレベルに応じた動作電流を生成する
ことができる。また、出力信号をバッファ回路が受けて
動作電流を制御する制御信号を発生させているので、出
力回路とバッファ回路とを電源ラインに並列に配置する
ことができ、低電圧駆動に適する回路になる。その結
果、無駄な動作電流が直接出力信号を受けてこれにに応
じて動作電流を制御することで回避され、携帯用の電池
駆動のオーディオ装置等にあっては、電池の使用寿命を
延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明のオーディオ信号増幅回路を
適用した一実施例の電池駆動のオーディオ出力回路を中
心としたブロック図である。
【図2】図2は、入力信号の正負の半サイクルに応じて
独立に動作電流を発生する一実施例の具体的な回路のブ
ロック図である。
【図3】図3は、さらに他の実施例のブロック図であ
る。
【図4】図4は、前段回路の動作電流まで制御を行う実
施例の説明図である。
【符号の説明】
1…オーディオ信号出力回路、2,2a,20…オーデ
ィオ出力回路、3…電流源、4,40…全波整流アン
プ、5…動作電流制御回路、6…差動アンプ、7…アク
ティブ負荷、8,9…カレントミラー回路、10…カレ
ントミラードライブ回路、11…プリアンプ、12…オ
ート出力レベルコントロール、13…トーンコントロー
ル回路、14…曲間検出回路(AMS)、15…基準電
圧発生回路、16…出力端子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−188640(JP,A) 特開 平2−149110(JP,A) 特開 平6−244661(JP,A) 特開 昭61−100013(JP,A) 特開 昭57−44312(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03F 1/02 H03F 3/181 H03G 3/30

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力信号を電圧増幅した出力を発生するオ
    ーディオ出力回路と、このオーディオ出力回路の電圧出
    力信号が抵抗を介して入力されこの信号を全波整流し
    前記抵抗に出力するバッファ回路と、前記オーディオ出
    力回路の動作電流を決定する電流源と、前記バッファ回
    路の前記全波整流値の増減に応じた制御信号を生成して
    これにより前記電流源の電流値を増減する動作電流制御
    回路と、を備え、 前記オーディオ出力回路と前記バッファ回路とを電源ラ
    インに並列に配置したことを特徴とする オーディオ信号
    増幅回路。
  2. 【請求項2】前記バッファ回路は、前記オーディオ出力
    回路の出力オーディオ信号の電圧振幅基準レベルに対応
    する基準電圧信号を受けてこれを基準として前記全波整
    流した出力を発生するものであり、前記オーディオ出力
    回路は負帰還増幅器であり、前記電流源は、前記オーデ
    ィオ出力回路の入力段および出力段のいずれかの電流源
    である請求項1記載のオーディオ信号増幅回路。
  3. 【請求項3】前記電流源は、前記入力段および前記出力
    段のそれぞれの電流源である請求項2記載のオーディオ
    信号増幅回路。
  4. 【請求項4】前記オーディオ出力回路は負帰還増幅器で
    あって、所定以上の前記全波整流値が発生したときに動
    作する定電流源が前記電流源に並列に設けられた請求項
    1記載のオーディオ信号増幅回路。
  5. 【請求項5】動作電流を決定する第1の電流源を有する
    オーディオアンプと、入力段あるいは出力段の動作電流
    を決定する第2の電流源を有し前記オーディオアンプか
    らの出力信号を受けて電圧増幅した出力を発生するオー
    ディオ出力回路と、このオーディオ出力回路の電圧出力
    信号を抵抗を介して受けこの信号を全波整流した出力を
    発生するバッファ回路と、前記バッファ回路の前記全波
    整流値の増減に応じた制御信号を生成してこれにより前
    記第1及び第2の電流源の電流値を増減させて 前記オー
    ディオアンプの動作電流を変更する動作電流制御回路と
    を備えるオーディオ装置。
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