JP6682463B2 - D級アンプ - Google Patents

D級アンプ Download PDF

Info

Publication number
JP6682463B2
JP6682463B2 JP2017030043A JP2017030043A JP6682463B2 JP 6682463 B2 JP6682463 B2 JP 6682463B2 JP 2017030043 A JP2017030043 A JP 2017030043A JP 2017030043 A JP2017030043 A JP 2017030043A JP 6682463 B2 JP6682463 B2 JP 6682463B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
output
transistor
transistors
pwm
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017030043A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018137576A (ja
Inventor
貴文 清野
貴文 清野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Electronic Devices and Storage Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Electronic Devices and Storage Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Electronic Devices and Storage Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2017030043A priority Critical patent/JP6682463B2/ja
Priority to CN201710710403.9A priority patent/CN108462472A/zh
Priority to US15/691,867 priority patent/US10298188B2/en
Publication of JP2018137576A publication Critical patent/JP2018137576A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6682463B2 publication Critical patent/JP6682463B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F1/00Details of amplifiers with only discharge tubes, only semiconductor devices or only unspecified devices as amplifying elements
    • H03F1/02Modifications of amplifiers to raise the efficiency, e.g. gliding Class A stages, use of an auxiliary oscillation
    • H03F1/0205Modifications of amplifiers to raise the efficiency, e.g. gliding Class A stages, use of an auxiliary oscillation in transistor amplifiers
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F3/00Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements
    • H03F3/20Power amplifiers, e.g. Class B amplifiers, Class C amplifiers
    • H03F3/21Power amplifiers, e.g. Class B amplifiers, Class C amplifiers with semiconductor devices only
    • H03F3/217Class D power amplifiers; Switching amplifiers
    • H03F3/2173Class D power amplifiers; Switching amplifiers of the bridge type
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F1/00Details of amplifiers with only discharge tubes, only semiconductor devices or only unspecified devices as amplifying elements
    • H03F1/30Modifications of amplifiers to reduce influence of variations of temperature or supply voltage or other physical parameters
    • H03F1/301Modifications of amplifiers to reduce influence of variations of temperature or supply voltage or other physical parameters in MOSFET amplifiers
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F3/00Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements
    • H03F3/181Low frequency amplifiers, e.g. audio preamplifiers
    • H03F3/183Low frequency amplifiers, e.g. audio preamplifiers with semiconductor devices only
    • H03F3/185Low frequency amplifiers, e.g. audio preamplifiers with semiconductor devices only with field-effect devices
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F3/00Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements
    • H03F3/181Low frequency amplifiers, e.g. audio preamplifiers
    • H03F3/183Low frequency amplifiers, e.g. audio preamplifiers with semiconductor devices only
    • H03F3/187Low frequency amplifiers, e.g. audio preamplifiers with semiconductor devices only in integrated circuits
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F3/00Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements
    • H03F3/20Power amplifiers, e.g. Class B amplifiers, Class C amplifiers
    • H03F3/21Power amplifiers, e.g. Class B amplifiers, Class C amplifiers with semiconductor devices only
    • H03F3/217Class D power amplifiers; Switching amplifiers
    • H03F3/2171Class D power amplifiers; Switching amplifiers with field-effect devices
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F3/00Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements
    • H03F3/45Differential amplifiers
    • H03F3/45071Differential amplifiers with semiconductor devices only
    • H03F3/45076Differential amplifiers with semiconductor devices only characterised by the way of implementation of the active amplifying circuit in the differential amplifier
    • H03F3/45475Differential amplifiers with semiconductor devices only characterised by the way of implementation of the active amplifying circuit in the differential amplifier using IC blocks as the active amplifying circuit
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F2200/00Indexing scheme relating to amplifiers
    • H03F2200/03Indexing scheme relating to amplifiers the amplifier being designed for audio applications
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F2200/00Indexing scheme relating to amplifiers
    • H03F2200/66Clipping circuitry being present in an amplifier, i.e. the shape of the signal being modified

Description

本発明の実施形態は、D級アンプに関する。
近年、車載用等のオーディオアンプとしては、PWM変調器を採用したD級アンプが普及している。PWM変調器は、音声信号を鋸波(片側エッジ)又は三角波(両側エッジ)のキャリアと比較することで、音声信号をパルス幅変調する。PWM変調器は、パルス幅変調の結果として2値のスイッチング波形であるPWMパルスを得る。D級アンプは、PWM変調器からのPWMパルスによって出力トランジスタ(スイッチングトランジスタ)を駆動することで、電力増幅を行う。電力増幅されたスイッチング出力をローパスフィルタを用いて復調してスピーカを駆動する。
ところで、オーディオアンプの性能を決める1つの要素として最大出力電力がある。機器の熱設計においては、この最大出力電力時の電力損失を考慮する必要がある。
しかしながら、最大出力電力を考慮して回路を設計すると、最大出力電力よりも十分に小さい電力しか消費されない通常使用時において、出力トランジスタの損失が増大して発熱の悪影響があるという問題があった。
特許第5266830号公報
実施形態は、電力損失を低減して熱特性を向上させることができるD級アンプを提供することを目的とする。
実施形態のD級アンプは、入力信号とキャリアとを比較する比較器を有し、前記入力信号に基づくPWMパルスを出力するPWM変調器と、相補的に動作する2つの第1出力トランジスタによって構成され、前記2つの第1出力トランジスタ同士の接続点を出力端とする第1出力トランジスタ群と、相補的に動作する2つの第2出力トランジスタによって構成され、前記2つの第2出力トランジスタ同士の接続点が前記第1出力トランジスタ同士の接続点に接続される第2出力トランジスタ群と、前記PWM変調器からの前記PWMパルスに基づいて、前記第1及び第2出力トランジスタ群の前記第1出力トランジスタ及び第2出力トランジスタを駆動可能なドライバ回路と、前記第1出力トランジスタ群及び前記第2出力トランジスタ群の少なくとも一方を動作させるための制御信号であって、前記入力信号のレベル又は前記出力端に現れる信号レベルが過変調状態に対応したレベルに到達しているか否かに基づく前記制御信号を発生する制御回路とを具備する。
本発明の第1の実施の形態に係るD級アンプを示す回路図。 関連技術に係るD級アンプを示す回路図。 図3は入力される音声信号及び三角波と正相のPWM出力PWM+及び逆相のPWM出力PWM−との関係を示すグラフである。 横軸に出力電力をとり縦軸に電力損失をとってトランジスタサイズと損失との関係を示すグラフ。 横軸に出力電力をとり縦軸に効率をとってトランジスタサイズと効率との関係を示すグラフ。 図1の制御回路20の一例を示すブロック図。 過変調状態における音声入力及びPWM出力PWM+,PWM−と制御信号との関係を示す説明図。 横軸に出力電力をとり縦軸に電力損失をとってトランジスタサイズと損失との関係について図4と同一の特性を示すグラフ。 横軸に出力電力をとり縦軸に効率をとってトランジスタサイズと効率との関係について図5と同一の特性を示すグラフ。 本発明の第2の実施の形態を示す回路図である。 第2の実施の形態において採用される制御回路20の具体的な構成の一例を示すブロック図。 第2の実施の形態において採用される制御回路20の他の具体的な構成例を示すブロック図。 横軸に出力電力をとり縦軸に電力損失をとってトランジスタサイズと損失との関係を示すグラフ。 横軸に出力電力をとり縦軸に効率をとってトランジスタサイズと効率との関係を示すグラフ。 図13の特性を示すと共に、本実施の形態の特性を太線にて示したグラフ。 図14の特性を示すと共に、本実施の形態の特性を太線にて示したグラフ。 本発明の第3の実施の形態を示す回路図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係るD級アンプを示す回路図である。また、図2は関連技術に係るD級アンプを示す回路図である。
本実施の形態はD級アンプの電力増幅に用いる出力トランジスタ(スイッチングトランジスタ)のトランジスタサイズを動的に変更可能にすることで、実使用時において入出力レベルに拘わらず損失を低減するものである。
先ず、図2乃至図5を参照して、D級アンプの入力レベル(出力レベル)に応じた出力トランジスタのトランジスタサイズと損失との関係について説明する。図3は入力される音声信号及び三角波と正相のPWM出力PWM+及び逆相のPWM出力PWM−との関係を示すグラフである。図4は横軸に出力電力をとり縦軸に電力損失をとってトランジスタサイズと損失との関係を示すグラフであり、図5は横軸に出力電力をとり縦軸に効率をとってトランジスタサイズと効率との関係を示すグラフである。
図2のD級アンプは、反転回路11、キャリア発生回路12及び2つの比較器13p,13nによって構成されるPWM変調器を有する。音声入力(INPUT+)は、反転回路11及び比較器13pの非反転(正相)入力端に与えられる。反転回路11は音声入力を反転させて反転音声入力(INPUT-)を比較器13nの非反転(正相)入力端に与える。キャリア発生回路12は、所定周波数の三角波をキャリアとして発生する。キャリア発生回路12からのキャリアは、比較器13p,13nの反転(逆相)入力端に与えられる。
比較器13pは非反転(正相)入力端に入力された音声入力と反転(逆相)入力端に入力されたキャリアとを比較して、比較結果である正相のPWMパルスを出力する。また、比較器13nは非反転(正相)入力端に入力された反転音声入力と反転(逆相)入力端に入力されたキャリアとを比較して、比較結果である逆相のPWMパルスを出力する。これらの正相及び逆相のPWMパルスは、音声入力に応じたデューティ比のパルスとなる。
比較器13pからの正相のPWMパルス及び比較器13nからの逆相のPWMパルスは、それぞれハイサイドとローサイドに分岐されて電力増幅される。比較器13pからの正相のPWMパルスはデッドタイム生成回路14pに供給され、比較器13nからの逆相のPWMパルスはデッドタイム生成回路14nに供給される。
デッドタイム生成回路14pは、後述する出力トランジスタM3,M4が同時にオンとなって貫通電流が流れることを防止するために、正相のPWMパルスにデッドタイムを設けて、OUT_H端子から正相のハイサイドPWMパルスを出力し、OUT_L端子から正相のローサイドPWMパルスを出力するようになっている。同様に、デッドタイム生成回路14nは、後述する出力トランジスタM1,M2が同時にオンとなって貫通電流が流れることを防止するために、逆相のPWMパルスにデッドタイムを設けて、OUT_H端子から逆相のハイサイドPWMパルスを出力し、OUT_L端子から逆相のローサイドPWMパルスを出力するようになっている。
デッドタイム生成回路14pからのローサイドPWMパルスは、ゲートドライバ16pLを介してトランジスタM3のゲートに供給される。また、デッドタイム生成回路14nからのローサイドPWMパルスは、ゲートドライバ16nLを介してトランジスタM1のゲートに供給される。
また、デッドタイム生成回路14pからのハイサイドPWMパルスは、レベルシフト回路15pに供給される。レベルシフト回路15pは、ハイサイドPWMパルスを所定のレベルまでレベルシフトした後、ゲートドライバ16pHを介してトランジスタM4のゲートに供給する。また、デッドタイム生成回路14nからのハイサイドPWMパルスは、レベルシフト回路15nに供給される。レベルシフト回路15nは、ハイサイドPWMパルスを所定のレベルまでレベルシフトした後、ゲートドライバ16nHを介してトランジスタM2のゲートに供給する。
電源と基準電位点との間には、出力トランジスタM4のドレイン・ソース路及び出力トランジスタM3のドレイン・ソース路が直列接続されている。また、電源と基準電位点との間には、出力トランジスタM2のドレイン・ソース路及び出力トランジスタM1のドレイン・ソース路が直列接続されている。トランジスタM1〜M4はそれぞれゲートドライバ16nL,16nH,16pL,16pHによって駆動される。トランジスタM4のソースとトランジスタM3のドレインとの接続点には、正相のPWMパルスが増幅された正相のPWM出力PWM+が現れ、トランジスタM2のソースとトランジスタM1のドレインとの接続点には、逆相のPWMパルスが増幅された逆相のPWM出力PWM−が現れる。
デッドタイム生成回路14p,14n以降のトランジスタM4〜M1迄の回路部分によって電力増幅部が構成され、PWM変調器及び電力増幅部によって、D級アンプ部が構成される。トランジスタM4のソースとトランジスタM3のドレインとの接続点はD級アンプ部の正相出力端であり、トランジスタM2のソースとトランジスタM1のドレインとの接続点はD級アンプ部の逆相出力端である。なお、D級アンプ部はIC化されることが多い。
図3に示すように、音声入力(INPUT+)のレベルがキャリアである三角波の先端に近い状態では音声出力レベルが高くなり、中心付近では音声出力レベルが低くなるPWM出力PWM+が正相出力端に現れる。また、反転音声入力(INPUT-)のレベルが三角波の先端に近い状態では音声出力レベルが高くなり、中心付近では音声出力レベルが低くなるPWM出力PWM−が逆相出力端に現れる。
正相出力端はローパスフィルタを構成するコイルLp及びコンデンサCpを介して基準電位点に接続される。また、逆相出力端はローパスフィルタを構成するコイルLn及びコンデンサCnを介して基準電位点に接続される。これらのローパスフィルタにより、正相出力端に現れるPWM出力PWM+及び逆相出力端に現れるPWM出力PWM−からキャリア成分が除去されて音声信号が復元される。
コイルLpとコンデンサCpとの接続点(D級アンプの正相出力端)とコイルLnとコンデンサCnとの接続点(D級アンプの逆相出力端)との間には、コンデンサCoutが接続される。正相出力端と逆相出力端との間に負荷であるスピーカ17が接続される。
正相のPWMパルスが所定のレベル以上である場合には、トランジスタM4,M1がオンとなって、正相出力端からスピーカ17を介して逆相出力端に電流が流れる。また、正相のPWMパルスが所定のレベルよりも小さい場合には、トランジスタM2,M3がオンとなって、逆相出力端からスピーカ17を介して正相出力端に電流が流れる。こうして、正相出力端に現れるPWM出力PWM+と逆相出力端に現れるPWM出力PWM−とに基づく音声信号がコンデンサCoutの両端に現れ、この音声信号によってスピーカ17が駆動される。スピーカ17は音声入力信号に基づく音声信号を出力する。
ところで、機器の熱設計では、出力トランジスタの損失を考慮する必要がある。即ち、出力トランジスタM1〜M4においては、オン抵抗に起因する損失(導通損失)と、寄生容量に起因する損失(ゲート駆動損失)とを考慮する必要がある。正相出力端及び逆相出力端に流れる出力電流をIOUT_RMSとし、トランジスタM1,M2,M3,M4のオン抵抗をRDSとすると、導通損失PCONDは、下記(1)式によって示すことができる。
PCOND = IOUT_RMS2×RDS ・・・(1)
一方、トランジスタM1〜M4のゲート電荷容量をQgとすると、ゲート駆動損失PGATEは、下記(2)式によって示すことができる。なお、VDRIVEはゲートドライバの駆動電圧であり、FSWは出力トランジスタのスイッチング周波数である。
PGATE = 2×Qg×VDRIVE×FSW ・・・(2)
トランジスタのオン抵抗は、トランジスタサイズ(ゲート幅)を大きくすることで低下させることができる。従って、上記(1)式の導通損失PCONDを低減させるためにはトランジスタM1〜M4のトランジスタサイズを大きくすればよい。しかしながら、トランジスタサイズを大きくすると、ゲート電荷容量Qgが大きくなって、上記(2)式のゲート駆動損失PGATEが増大するという二律背反の関係がある。
図4は実線によってトランジスタサイズが比較的小さい(Small)場合の電力損失の特性を示し、破線によってトランジスタサイズが比較的大きい(Large)場合の電力損失の特性を示している。出力電力が比較的小さい実使用域では、上記(2)式のゲート駆動損失PGATEの影響が大きいので、トランジスタサイズを小さくした方が電力損失を小さくすることができ、発熱対策として有効である。
しかしながら、出力電力が大きくなると、(1)式の導通損失PCONDは、電流の2乗に比例することから、トランジスタサイズが小さい程電力損失が大きくなる。回路設計時には、最大出力電力を考慮する必要があることから、トランジスタM1〜M4としては十分に大きなトランジスタサイズのものを採用して回路が構成される。即ち、図2の関連技術では、最大出力電力を考慮すると、実使用領域における損失を十分に低減することができず、発熱等の点から不利であるという問題がある。
図5は実線によってトランジスタサイズが比較的小さい(Small)場合の電力効率を示し、破線によってトランジスタサイズが比較的大きい(Large)場合の電力効率を示している。最大出力電力を考慮して、トランジスタサイズが大きいトランジスタM1〜M4を採用して回路を構成すると、出力電力が比較的小さい実使用領域では、ゲート駆動損失PGATEによる影響で、効率悪化を招いていることが分かる。
このように、出力トランジスタM1〜M4としては、最大出力電力時の導通損失を抑制するために比較的大きなトランジスタサイズで設計されていることから、実使用時に過大なサイズの出力素子を駆動し過剰なゲート駆動損失PGATEが生じていることになる。また、トランジスタM1〜M4のスイッチング周波数FSWが高くなると、上記(2)式に示した通り、ゲート駆動損失PGATEが増大することから、実使用領域における電力損失が一層増加する。特に、近年オーディオのハイレゾリューション化の要求から、サンプリング周波数が高くなり、出力トランジスタのスイッチング周波数も高くする傾向にあり、ゲート駆動損失PGATEの増大による効率悪化が一層顕著な問題となる。
そこで、本実施の形態においては、入出力レベルに拘わらず電力損失を抑制するために、入出力レベルが比較的小さい場合にはトランジスタサイズを比較的小さくし、入出力レベルが比較的大きい場合にはトランジスタサイズを比較的大きくするようにトランジスタサイズを動的に変化させることで、電力損失を低減し効率を向上させるようになっている。
図1において、図2の関連技術と同一の構成には同一符号を付してある。図1の例は、図2のブリッジ構成の各トランジスタM1〜M4をそれぞれ並列接続した2つの出力トランジスタM1A,M1B〜M4A,M4Bによって構成し、制御信号に基づいて、並列接続した2つのトランジスタM1A,M1B〜M4A,M4Bの一方を動作させるか両方を動作させるかを切換えるものである。
例えば、トランジスタM1〜M4のトランジスタサイズ(ゲート幅)が図4のLargeに対応するものであるものとすると、トランジスタM1A〜M4A(以下、これらを第1トランジスタ群MAともいう)のトランジスタサイズ(ゲート幅)を図4のSmallに対応するものに設定する。また、トランジスタM1A,M1Bのゲート幅の和、トランジスタM2A,M2Bのゲート幅の和、トランジスタM3A,M3Bのゲート幅の和及びトランジスタM4A,M4Bのゲート幅の和がトランジスタM1〜M4のゲート幅にそれぞれ一致したトランジスタをトランジスタM1B〜M4B(以下、これらを第2トランジスタ群MBともいう)として採用する。これにより、第1トランジスタ群MAのみを動作させた場合には、図4のSmallに示す特性を得ることができ、第1トランジスタ群MA及び第2トランジスタ群MBの全てを動作させた場合には図4のLargeに示す特性を得ることができる。
図1の反転回路11、キャリア発生回路12、比較器13p,13n、デッドタイム生成回路14p,14nの構成は、それぞれ図2の反転回路11、キャリア発生回路12、比較器13p,13n、デッドタイム生成回路14p,14nの構成と同様である。比較器13pは、音声入力に基づく正相のPWMパルスをデッドタイム生成回路14pに出力し、比較器13nは、音声入力に基づく逆相のPWMパルスをデッドタイム生成回路14nに出力する。
デッドタイム生成回路14pは、正相のPWMパルスにデッドタイムを設けて、OUT_H端子から正相のハイサイドPWMパルスを出力し、OUT_L端子から正相のローサイドPWMパルスを出力する。同様に、デッドタイム生成回路14nは、逆相のPWMパルスにデッドタイムを設けて、OUT_H端子から逆相のハイサイドPWMパルスを出力し、OUT_L端子から逆相のローサイドPWMパルスを出力するようになっている。
本実施の形態においては、デッドタイム生成回路14pからのローサイドPWMパルスは、ゲートドライバ16pLAを介してトランジスタM3Aのゲートに供給されると共に、セレクタ19pLのIN2端子に供給される。また、デッドタイム生成回路14nからのローサイドPWMパルスは、ゲートドライバ16nLAを介してトランジスタM1Aのゲートに供給されると共に、セレクタ19nLのIN2端子に供給される。
セレクタ19pL,19nLのIN1端子には、制御回路20からの制御信号も供給されるようになっている。制御回路20は、第1トランジスタ群MAのみを動作させる動作モード(以下、スモールモードという)を設定するか又は第1及び第2トランジスタ群MA,MBの全てを動作させる動作モード(以下、ラージモードという)を設定する。制御回路20は、スモールモードを設定する場合には、例えばローレベル(以下、Lレベルという)の制御信号を出力し、ラージモードを設定する場合には、例えばハイレベル(以下、Hレベル)の制御信号を出力する。
セレクタ19pL,19nLは、IN1端子にHレベルの制御信号が入力された場合にのみ、IN2端子に入力されたPWMパルスをOUT端子からゲートドライバ16pLB又は16nLBにそれぞれ出力するようになっている。従って、ローサイドについては、制御信号がLレベルの場合には、ゲートドライバ16pLA,16nLAのみが動作し、制御信号がHレベルの場合には、ゲートドライバ16pLA,16pLB,16nLA,16nLBの全てが動作する。ゲートドライバ16pLA,16pLB,16nLA,16nLBは、それぞれ入力されたPWMパルスに基づく信号をトランジスタM3A,M3B,M1A,M1Bのゲートに印加する。
こうして、ゲートドライバ16pLAは、常時、正相のPWMパルスに基づいてトランジスタM3Aを駆動し、ゲートドライバ16nLAは、常時、逆相のPWMパルスに基づいてトランジスタM1Aを駆動する。一方、ゲートドライバ16pLBは、制御信号がHレベルの場合にのみ、正相のPWMパルスに基づいてトランジスタM3Bを駆動し、ゲートドライバ16nLBは、制御信号がHレベルの場合にのみ、逆相のPWMパルスに基づいてトランジスタM1Bを駆動する。
ハイサイドについてもローサイドと同様に、制御信号に基づいて、PWMパルスを供給するゲートドライバ16pHA,16pHB,16nHA,16nHBを制御する。ハイサイドについては、正相出力端の正相のPWM出力PWM+を基準にハイサイド側の各素子を駆動する必要があることから、PWMパルスだけでなく制御信号についても、レベルシフトを行う。
即ち、レベルシフト回路18pは、IN_A端子に、デッドタイム生成回路14pからの正相のハイサイドPWMパルスが供給され、IN_B端子に、制御回路20からの制御信号が供給される。レベルシフト回路18pは、正相のハイサイドPWMパルスを所定のレベルまでレベルシフトした後、OUT_A端子からゲートドライバ16pHAを介してトランジスタM4Aのゲートに供給すると共に、セレクタ19pHのIN2端子に供給する。また、レベルシフト回路18pは、制御信号を所定のレベルまでレベルシフトした後、OUT_B端子からセレクタ19pHのIN1端子に供給する。
また、レベルシフト回路18nは、IN_A端子に、デッドタイム生成回路14nからの逆相のハイサイドPWMパルスが供給され、IN_B端子に、制御回路20からの制御信号が供給される。レベルシフト回路18nは、逆相のハイサイドPWMパルスを所定のレベルまでレベルシフトした後、OUT_A端子からゲートドライバ16nHAを介してトランジスタM2Aのゲートに供給すると共に、セレクタ19nHのIN2端子に供給する。また、レベルシフト回路18nは、制御信号を所定のレベルまでレベルシフトした後、OUT_B端子からセレクタ19nHのIN1端子に供給する。
セレクタ19pH,19nHは、IN1端子にHレベルの制御信号が入力された場合にのみ、IN2端子に入力されたPWMパルスをOUT端子からゲートドライバ16pHB又は16nHBにそれぞれ出力するようになっている。従って、ハイサイドについては、制御信号がLレベルの場合には、ゲートドライバ16pHA,16nHAのみが動作し、制御信号がHレベルの場合には、ゲートドライバ16pHA,16pHB,16nHA,16nHBの全てが動作する。なお、レベルシフト回路18pをセレクタ19pHの後段に配置してもよく、レベルシフト回路18nをセレクタ19nHの後段に配置してもよい。
ゲートドライバ16pHA,16pHB,16nHA,16nHBは、それぞれ入力されたPWMパルスに基づく信号をトランジスタM4A,M4B,M2A,M2Bのゲートに印加する。こうして、ゲートドライバ16pHAは、常時、正相のPWMパルスに基づいてトランジスタM4Aを駆動し、ゲートドライバ16nHAは、常時、逆相のPWMパルスに基づいてトランジスタM2Aを駆動する。一方、ゲートドライバ16pHBは、制御信号がHレベルの場合にのみ、正相のPWMパルスに基づいてトランジスタM4Bを駆動し、ゲートドライバ16nHBは、制御信号がHレベルの場合にのみ、逆相のPWMパルスに基づいてトランジスタM2Bを駆動する。
電源と基準電位点との間には、直列接続されたトランジスタM4Aのドレイン・ソース路及びトランジスタM3Aのドレイン・ソース路と、直列接続されたトランジスタM4Bのドレイン・ソース路及びトランジスタM3Bのドレイン・ソース路とが並列接続されている。トランジスタM4AのソースとトランジスタM3Aのドレインとの接続点と、トランジスタM4BのソースとトランジスタM3Bのドレインとの接続点とは相互に接続されている。
また、電源と基準電位点との間には、直列接続されたトランジスタM2Aのドレイン・ソース路及びトランジスタM1Aのドレイン・ソース路と、直列接続されたトランジスタM2Bのドレイン・ソース路及びトランジスタM1Bのドレイン・ソース路とが並列接続されている。トランジスタM2AのソースとトランジスタM1Aのドレインとの接続点と、トランジスタM2BのソースとトランジスタM1Bのドレインとの接続点とは相互に接続されている。
デッドタイム生成回路14p,14n以降のトランジスタM1A〜M4A,M1B〜M4B迄の回路部分によって電力増幅部が構成され、PWM変調器及び電力増幅部によって、D級アンプ部が構成される。トランジスタM4A,M4BのソースとトランジスタM3A,M3Bのドレインとの接続点はD級アンプ部の正相出力端であり、トランジスタM2A,M2BのソースとトランジスタM1A,M1Bのドレインとの接続点はD級アンプ部の逆相出力端である。
正相出力端と逆相出力端に接続されるローパスフィルタを構成するコイルLp及びコンデンサCp、コイルLn及びコンデンサCn、コンデンサCout及びスピーカ17の構成は図2と同様である。なお、D級アンプ部はIC化されることが多く、この場合には、コイルLp,Ln及びコンデンサCp,Cn,Ooutは外付け部品として接続される。
制御回路20は、例えば、音声出力を停止させるミュート状態か否かによって、スモールモードとラージモードとを切換えるための制御信号を発生することができる。また、制御回路20は、例えば、音声入力、正相出力端に現れるPWM出力PWM+又は逆相出力端に現れるPWM出力PWM−に基づいてスモールモードとラージモードとを切換えるための制御信号を発生することができる。制御回路20は、例えば音声入力が与えられて、図示しないメモリに記憶された閾値と比較することで、音声入力のレベルが閾値よりも小さい場合には、スモールモードを設定し、大きい場合にはラージモードを設定するようになっていてもよい。また、制御回路20は、正相又は逆相のPWM出力を図示しないメモリに記憶された閾値と比較することで、PWM出力レベルが閾値よりも小さい場合には、スモールモードを設定し、大きい場合にはラージモードを設定するようになっていてもよい。例えば、音声入力又はPWM出力の閾値として実使用域の上限値を設定することで、制御回路20は、実使用域ではスモールモードを設定し、閾値で定めた実使用域を超える出力レベルの範囲ではラージモードを設定するようになっていてもよい。
なお、制御回路20は、理想的には、図4の実線の特性と破線の特性との交点の電力(以下、損失一致電力という)以下の出力電力の範囲ではスモールモードを設定し、損失一致電力を超える出力電力範囲ではラージモードを設定するように制御すればよい。設計時において図4の特性を求めることで、損失一致電力を把握することができ、この損失一致電力が得られる入力又は出力レベルについてもある程度推定することが可能であり、閾値として推定した値を設定するようにしてもよい。
図6は図1の制御回路20の一例を示すブロック図である。実際の使用時において、損失一致電力に対応した入出力レベルを求めることができない場合もある。そこで、図6の例はスモールモードとラージモードとの切換えを後述するクリップ期間であるか否かによって行う例である。図6において、クリップ検出回路31p,31n及びオア回路32によって、図1の制御回路20が構成される。図6中のD級アンプ部30は、図1のD級アンプ部から反転回路11、スピーカ17及び制御回路20を除いた回路部分に相当する。また、図6では正相及び逆相出力端に接続されるローパスフィルタ及びコンデンサは図示を省略している。
クリップ検出回路31pには、音声入力及びD級アンプ部30の正相出力端に現れる信号が与えられる。また、クリップ検出回路31nには、反転音声入力及びD級アンプ部30の逆相出力端に現れる信号が与えられる。
図7は過変調状態における音声入力及びPWM出力PWM+,PWM−と制御信号との関係を示す説明図である。実使用域では、図3に示すように、キャリアである三角波のレベルに対して音声入力のレベルが小さくなるように設計されている。これにより、比較器13p,13nからのPWMパルスは、デューティ比は変化しても周波数は一定となる。ところが、三角波のレベルに対して音声入力のレベルが大きくなる過変調状態になることがある。そうすると、PWMパルスは所定のハイレベル又はローレベルに固定され、出力トランジスタM1A〜M4A,M1B〜M4Bはスイッチングしない状態となる。この場合には、図7に示すように、PWM出力PWM+,PWM−は、電源又はグラウンドレベル(以下、これらをクリップレベルという)に固定されてしまう。
音声入力がsin波形であるものとすると、過変調状態では、PWM出力はクリップレベルに固定されるが、出力電力は出力波形が方形波となるまで増加する。図2における出力トランジスタM1〜M4として比較的小さいトランジスタサイズを用いた場合には、過変調状態では上記(2)式のゲート駆動損失PGATEに比べて上記(1)式の導通損失PCONDが大きく、図4に示すように、電力損失は、出力電力の増加と共に増加する。これに対し、出力トランジスタM1〜M4として比較的大きいトランジスタサイズを用いた場合には、過変調状態では、上記(1)式の導通損失PCONDに比べて上記(2)式のゲート駆動損失PGATEが大きくなる。過変調状態では、出力トランジスタM1〜M4がスイッチングしないので、電力損失は出力電力の増加と共に減少する。即ち、トランジスタサイズが大きい場合には、出力レベルがクリップレベルに固定されるタイミング以降は、電力損失はピーク値から減少する。
従って、過変調状態となってPWM出力がクリップレベルに固定される期間(以下、クリップ期間という)は、図4の破線に示す特性が極大となる電力以上の出力電力が得られる期間であり、出力トランジスタとしてトランジスタサイズをより大きくした方が損失を低減させることができる。
クリップ検出回路31p,31nは、音声入力が過変調状態となる入力レベル以上である場合にのみクリップ期間であることを示すHレベルのクリップ検出信号を出力するようになっている。また、クリップ検出回路31p,31nは、PWM出力がクリップしていること、即ち、スイッチングされていないことを検出した場合にのみクリップ期間であることを示すHレベルのクリップ検出信号を出力するようになっていてもよい。クリップ検出回路31p,31nからのクリップ検出信号はオア回路32に与えられてオア演算され、制御信号として出力される。図7に示すように、オア回路32は、過変調状態の場合にHレベル、それ以外の場合にLレベルとなるクリップ検出信号を制御信号として出力する。
なお、クリップ検出回路31p,31nは、所定期間連続してクリップレベルを維持した場合に、Hレベルのクリップ検出信号を出力するようになっていてもよい。
次に、このように構成された実施の形態の動作について図8及び図9を参照して説明する。図8は横軸に出力電力をとり縦軸に電力損失をとってトランジスタサイズと損失との関係について図4と同一の特性を示すグラフであり、図9は横軸に出力電力をとり縦軸に効率をとってトランジスタサイズと効率との関係について図5と同一の特性を示すグラフである。
制御回路20として図6のクリップ検出回路31p,31nを採用した場合の例について説明する。いま、音声入力が過変調状態ではないものとする。この場合には、クリップ検出回路31p,31nは、音声入力の入力レベルやPWM出力がクリップされていないこと等を検出して、Lレベルのクリップ検出信号を出力する。オア回路32は、Lレベルのクリップ検出信号を制御信号として出力する。
音声入力は比較器13pに与えると共に、反転回路11によって反転された後比較器13nに与えられる。比較器13p,13nは、三角波キャリアと入力された音声信号との比較によって、それぞれ正相のPWMパルスと逆相のPWMパルスとを出力する。
デッドタイム生成回路14pは、正相のPWMパルスにデッドタイムを付加し、ローサイド及びハイサイドのPWMパルスを出力する。また、デッドタイム生成回路14nは、逆相のPWMパルスにデッドタイムを付加し、ローサイド及びハイサイドのPWMパルスを出力する。
デッドタイム生成回路14pからの正相のローサイドPWMパルスは、ゲートドライバ16pLA及びセレクタ19pLのIN2端子に供給される。また、デッドタイム生成回路14pからの正相のハイサイドPWMパルスは、レベルシフト回路18pによって所定のレベルにレベルシフトされた後、ゲートドライバ16pHA及びセレクタ19pHのIN2端子に供給される。
デッドタイム生成回路14nからの逆相のローサイドPWMパルスは、ゲートドライバ16nLA及びセレクタ19nLのIN2端子に供給される。また、デッドタイム生成回路14nからの逆相のハイサイドPWMパルスは、レベルシフト回路18nによって所定のレベルにレベルシフトされた後、ゲートドライバ16nHA及びセレクタ19nHのIN2端子に供給される。
過変調状態でない場合には、制御信号がLレベルであるので、セレクタ19pH,19pL,19nH,19nLは、いずれもIN2端子の入力を出力しない。従って、この場合には、ゲートドライバ16pHA,16pLA,16nHA,16nLAのみが動作して、トランジスタM4Aを正相のハイサイドPWMパルスで駆動し、トランジスタM3Aを正相のローサイドPWMパルスで駆動し、トランジスタM2Aを逆相のハイサイドPWMパルスで駆動し、トランジスタM1Aを逆相のローサイドPWMパルスで駆動する。これにより、正相出力端には、正相のPWMパルスが増幅されてPWM出力PWM+が現れ、逆相出力端には、逆相のPWMパルスが増幅されてPWM出力PWM−が現れる。
正相のPWMパルスが所定のレベル以上である場合には、トランジスタM4A,M1Aがオンとなって、正相出力端からスピーカ17を介して逆相出力端に電流が流れる。また、正相のPWMパルスが所定のレベルよりも小さい場合には、トランジスタM2A,M3Aがオンとなって、逆相出力端からスピーカ17を介して正相出力端に電流が流れる。正相のPWM出力PWM+と逆相のPWM出力PWM−からローパスフィルタによってキャリア成分が除去され、コンデンサCoutの両端に現れる音声信号によってスピーカ17が駆動される。スピーカ17は音声入力信号に基づく音声信号を出力する。。
過変調状態でない場合には、第1トランジスタ群MAのみが動作するので、トランジスタM1A〜M4Aを図4の実線に対応するトランジスタサイズで構成した場合には、図4の実線に示す特性が得られる。図8ではこの特性を太線にて示してある。
次に、音声入力のレベルが大きくなって、過変調状態になるものとする。そうすると、比較器13p,13nからのPWMパルスは所定レベルにクリップされ、その結果、第1トランジスタ群MAのスイッチングが停止する。これにより、PWM出力がクリップレベルとなるクリップ期間となる。
クリップ検出回路31p,31nは、音声入力の入力レベルやPWM出力がクリップされている等を検出して、Hレベルのクリップ検出信号を出力する。オア回路32は、Hレベルのクリップ検出信号を制御信号として出力する。そうすると、セレクタ19pH,19pL,19nH,19nLは、それぞれIN2端子の入力をOUT端子からゲートドライバ16pHB,16pLB,16nHB,16nLBに出力する。従って、この場合には、ゲートドライバ16pHA,16pLA,16nHA,16nLAだけでなく、ゲートドライバ16pHB,16pLB,16nHB,16nLBも動作する。
即ち、この場合には、トランジスタM4A,M4Bが正相のハイサイドPWMパルスで駆動され、トランジスタM3A,M3Bが正相のローサイドPWMパルスで駆動され、トランジスタM2A,M2Bが逆相のハイサイドPWMパルスで駆動され、トランジスタM1A,M1Bが逆相のローサイドPWMパルスで駆動される。これにより、正相出力端には、ハイサイド用のトランジスタM4A,M4B及びローサイド用のトランジスタM3A,M3Bによって、正相のPWMパルスが増幅されてPWM出力PWM+が現れる。また、逆相出力端には、ハイサイド用のトランジスタM2A,M2B及びローサイド用のトランジスタM1A,M1Bによって、逆相のPWMパルスが増幅されてPWM出力PWM−が現れる。
トランジスタM4A,M4B〜トランジスタM1A,M1Bは、それぞれ並列接続されて動作しており、トランジスタM4A,M4Bのゲート幅の和のトランジスタ、トランジスタM3A,M3Bのゲート幅の和のトランジスタ、トランジスタM2A,M2Bのゲート幅の和のトランジスタ、トランジスタM1A,M1Bのゲート幅の和のトランジスタによって、PWM出力が得られていることと等価である。従って、トランジスタM4A,M4B〜トランジスタM1A,M1Bの組み合わせによるトランジスタを図4の破線に対応するトランジスタサイズで構成した場合には、クリップ期間には、図4の破線に示す特性が得られる。図8ではこの特性を太線にて示してある。
図8の太線に示すように、殆どの実使用領域及びクリップ期間において、本実施の形態におけるD級アンプは、比較的小さい損失で動作している。また、図9の太線に示すように、殆どの実使用領域及びクリップ期間において、本実施の形態におけるD級アンプは、比較的高い効率で動作している。
このように本実施の形態においては、出力電力が比較的低い実使用領域では、比較的小さいトランジスタサイズの出力トランジスタにより損失が小さい増幅が可能であると共に、過変調状態等のように出力電力が比較的高い領域では、比較的大きいトランジスタサイズの出力トランジスタにより損失の増加を抑制した増幅が可能である。即ち、本実施の形態においては、音声入力のレベルが実使用域から最大出力電圧に対応する使用域までの各領域において、出力トランジスタの導通損失及びゲート駆動損失を抑制して、低損失、高効率での駆動が可能である。これにより、出力トランジスタのスイッチング周波数が比較的高い場合でも、ゲート駆動損失の増大を抑制して、高効率での駆動が可能となる。
なお、上記実施の形態においては、各2つの第1トランジスタ群MA及び第2トランジスタ群MBの一方をスモールモードにおいて駆動し、ラージモードにおいて両方を駆動することで、トランジスタサイズを切換えた。更に、第1トランジスタ群MAの各トランジスタをスモールモード用のトランジスタサイズで構成し、第2トランジスタ群MBの各トランジスタをラージモード用のトランジスタサイズで構成して、スモールモードとラージモードとでトランジスタ群を切換えて駆動するようにしてもよい。
(第2の実施の形態)
図10は本発明の第2の実施の形態を示す回路図である。図10においては図面の簡略化のために、図1の反転回路11、キャリア発生回路12及び2つの比較器13p,13nをPWM変調器50によって示し、PWM変調器50の後段については、正相側の構成のみを示している。なお、デッドタイム生成回路14n以降の逆相側の構成は、デッドタイム生成回路14p以降の正相側の構成と同様であり、図示及び説明を省略する。
第1の実施の形態においては、正相のハイサイド及びローサイド用、逆相のハイサイド及びローサイド用の4つの出力トランジスタを、それぞれ2つのトランジスタを並列に用いることでトランジスタサイズを2通りに変化させた場合と同様の特性を得た。これに対し、本実施の形態においては、正相のハイサイド及びローサイド用、逆相のハイサイド及びローサイド用の4つの出力トランジスタを、それぞれ3つのトランジスタを並列に用いることでトランジスタサイズを3通りに変化させた場合と同様の特性を得るものである。
電源と基準電位点との間には、直列接続されたトランジスタM4Aのドレイン・ソース路及びトランジスタM3Aのドレイン・ソース路と、直列接続されたトランジスタM4Bのドレイン・ソース路及びトランジスタM3Bのドレイン・ソース路と、直列接続されたトランジスタM4Cのドレイン・ソース路及びトランジスタM3Cのドレイン・ソース路とが並列接続されている。トランジスタM4AのソースとトランジスタM3Aのドレインとの接続点と、トランジスタM4BのソースとトランジスタM3Bのドレインとの接続点と、トランジスタM4CのソースとトランジスタM3Cのドレインとの接続点とは相互に接続されている。この接続点がD級アンプ部の正相出力端となる。
なお、図10では図示しないが、逆相側においても出力トランジスタM4A〜M4C,M3A〜M3Cと同一構成の出力トランジスタM2A〜M2C,M1A〜M1Cが設けられている。逆相側においては、トランジスタM2AのソースとトランジスタM1Aのドレインとの接続点と、トランジスタM2BのソースとトランジスタM1Bのドレインとの接続点と、トランジスタM2CのソースとトランジスタM1Cのドレインとの接続点とは相互に接続されており、この接続点がD級アンプ部の逆相出力端となる。
デッドタイム生成回路14pは、正相のPWMパルスにデッドタイムを設けて、正相のハイサイドPWMパルス及びローサイドPWMパルスを出力する。デッドタイム生成回路14pからのローサイドPWMパルスは、ゲートドライバ42pLAを介してトランジスタM3Aのゲートに供給されると共に、セレクタ41pLのIN2端子に供給される。セレクタ41pLのIN1端子には、制御回路20からの制御信号が供給されるようになっている。
また、デッドタイム生成回路14pは、正相のPWMパルスにデッドタイムを設けて、正相のハイサイドPWMパルスをレベルシフト回路40pのIN_A端子に供給する。レベルシフト回路40pのIN_B端子には、制御回路20からの制御信号が供給される。
レベルシフト回路40pは、正相のハイサイドPWMパルスを所定のレベルまでレベルシフトした後、OUT_A端子からゲートドライバ42pHAを介してトランジスタM4Aのゲートに供給すると共に、セレクタ41pHのIN2端子に供給する。また、レベルシフト回路40pは、制御信号を所定のレベルまでレベルシフトした後、OUT_B端子からセレクタ41pHのIN1端子に供給する。
制御回路20は、トランジスタM1A〜M4A(以下、第1トランジスタ群MAという)のみを動作させる動作モード(以下、最小モードという)を設定するか、第1トランジスタ群MAとトランジスタM1B〜M4B(以下、第2トランジスタ群MBという)とを動作させる動作モード(以下、中間モードという)を設定するか、又は、第1トランジスタ群MA、第2トランジスタ群MB及びトランジスタM1C〜M4C(以下、第3トランジスタ群MCという)を動作させる動作モード(以下、最大モードという)を設定する。制御回路20は、最小モード、中間モード又は最大モードを設定するための制御信号を出力する。
セレクタ41pH,41pLは、IN1端子に最小モードを指定する制御信号が入力された場合にはOUT1端子及びOUT2端子からPWMパルスを出力せず、IN1端子に中間モードを指定する制御信号が入力された場合にはIN2端子に入力されたPWMパルスをOUT1端子から出力し、IN1端子に最大モードを指定する制御信号が入力された場合にはIN2端子に入力されたPWMパルスをOUT1端子及びOUT2端子から出力する。セレクタ41pHのOUT1端子からのPWMパルスはゲートドライバ42pHBに与えられ、OUT2端子からのPWMパルスはゲートドライバ42pHCに与えられる。セレクタ41pLのOUT1端子からのPWMパルスはゲートドライバ42pLBに与えられ、OUT2端子からのPWMパルスはゲートドライバ42pLCに与えられる。
従って、正相側については、制御信号が最小モードを指定する場合には、ゲートドライバ42pHA,42pLAのみが動作し、制御信号が中間モードを指定する場合には、ゲートドライバ42pHA,42pHB,42pLA,42pLBが動作し、制御信号が最大モードを指定する場合には、ゲートドライバ42pHA,42pHB,42pHC,42pLA,42pLB,42pLCの全てが動作する。ゲートドライバ42pHA〜42pHC,42pLA〜42pLCは、それぞれ入力されたPWMパルスに基づく信号をトランジスタM4A〜M4C,M3A〜M3Cのゲートに印加する。
逆相側の構成は、正相側と同様である。
次に、このように構成された実施の形態の動作について図11乃至図14を参照して説明する。図11は第2の実施の形態において採用される制御回路20の具体的な構成の一例を示すブロック図である。なお、逆相側の動作については、正相側と同様であるので説明を省略する。
(無入力時に対応)
本実施の形態における制御回路20は、最小モード、中間モード及び最大モードを指定するための例えば2ビットの制御信号を発生する。例えば、制御回路20として、図6のクリップ検出回路31p,31nを採用すると共に図11に示すデジタルゼロ検出回路46を採用するものとする。この場合には、中間モード及び最大モードが第1の実施の形態におけるスモールモード及びラージモードに対応し、最小モードが無入力時に対応する。
図11において、デジタル音声信号は、デジタルアナログ変換器(DAC)45に入力される。DAC45は入力されたデジタル音声信号をアナログ信号に変換して、比較器13p及び反転回路11(図1参照)に出力する。DAC45の出力はデジタルゼロ検出回路46にも与えられる。デジタルゼロ検出回路46は、DAC45の出力から無入力状態を検出する。例えば、デジタルゼロ検出回路46は、DAC45の出力が所定期間連続的に0データである場合に無入力状態であるものと判定してゼロ入力検出信号を出力する。
図6のオア回路32からのクリップ検出信号及びデジタルゼロ検出回路46からのゼロ入力検出信号は、制御信号としてレベルシフト回路40p及びセレクタ41pH,41pLに与えられる。なお、この場合には、無入力状態を示すゼロ入力検出信号によって最小モードが設定され、無入力状態でなく過変調状態でもない音声入力を示すクリップ検出信号によって中間モードが設定され、過変調状態の音声入力を示すクリップ検出信号によって最大モードが設定される。
この例では、第1トランジスタ群MA及び第2トランジスタ群MBを動作させた場合に図4の実線の特性が得られ、第1トランジスタ群MA、第2トランジスタ群MB及び第3トランジスタ群MCを動作させた場合に図4の破線の特性が得られるように、第1トランジスタ群MA、第2トランジスタ群MB及び第3トランジスタ群MCの各トランジスタサイズ(ゲート幅)が設定されているものとする。
この例では、無入力状態でなければ、第1の実施の形態と同様の動作が行われる。即ち、クリップ期間を除く期間に対応する音声入力では、ゼロ入力検出信号及びクリップ検出信号によって、セレクタ41pH,41pLは、入力されたPWMパルスをOUT1端子からゲートドライバ42pHB,42pLBにそれぞれ出力する。これにより、第1トランジスタ群MA及び第2トランジスタ群MBが動作して、図4の実線の特性が得られる。
また、クリップ期間に対応する音声入力では、ゼロ入力検出信号及びクリップ検出信号によって、セレクタ41pH,41pLは、入力されたPWMパルスをOUT1端子からゲートドライバ42pHB,42pLBにそれぞれ出力すると共に、入力されたPWMパルスをOUT2端子からゲートドライバ42pHC,42pLCにそれぞれ出力する。これにより、第1トランジスタ群MA、第2トランジスタ群MB及び第3トランジスタ群MCが動作して、図4の破線の特性が得られる。
ここで、音声入力が入力されない無入力状態になるものとする。デジタルゼロ検出回路46は、DAC45の出力から無入力状態を検出すると、無入力状態であることを示すゼロ入力検出信号を出力する。これにより、セレクタ41pH,41pLは、入力されたPWMパルスを出力しない。これにより、第1トランジスタ群MAのみが動作する。従って、無入力時における損失を一層低減することが可能である。
(最適化した場合)
次に、制御信号を最適化した例について図12乃至図16を参照して説明する。図12は第2の実施の形態において採用される制御回路20の他の具体的な構成例を示すブロック図である。図13は横軸に出力電力をとり縦軸に電力損失をとってトランジスタサイズと損失との関係を示すグラフであり、図14は横軸に出力電力をとり縦軸に効率をとってトランジスタサイズと効率との関係を示すグラフである。図13及び図14は、実線によって図4の実線と同一の特性を示し、破線によって図4の破線と同一の特性を示し、一点鎖線によって図4の実線の特性が得られるトランジスタサイズよりも小さいトランジスタサイズの出力トランジスタを採用した場合の特性を示している。また、図15及び図16はそれぞれ図13及び図14の特性を示すと共に、本実施の形態の特性を太線にて示したグラフである。
本実施の形態においては、第1トランジスタ群MAの各トランジスタサイズ(ゲート幅)は十分に小さく、第1トランジスタ群MAのみを動作させた場合に図13及び図14の一点鎖線の特性が得られるものとする。また、第1トランジスタ群MA及び第2トランジスタ群MBを動作させた場合には、図13及び図14の実線の特性が得られるものとし、第1トランジスタ群MA、第2トランジスタ群MB及び第3トランジスタ群MCを動作させた場合には、図13及び図14の破線の特性が得られるものとする。なお、図13の一点鎖線の特性と実線の特性との交点の電力を第1損失一致電力とし、図13の実線の特性と破線の特性との交点の電力を第2損失一致電力とする。
制御回路20として、図12に示す閾値レベル判定回路47を採用する。図12において、アナログの音声入力は、閾値レベル判定回路47に与えられる。閾値レベル判定回路47は、第1及び第2損失一致電力に対応した入力レベルの第1閾値及び第2閾値を記憶する図示しないメモリを備えている。閾値レベル判定回路47は、入力された音声入力と第1及び第2閾値とを比較して、音声入力レベルが第1閾値以下であるか、第1閾値よりも大きく第2閾値以下であるか、第2閾値を超えたかを示す2ビットの制御信号を出力する。
この制御信号がレベルシフト回路40p及びセレクタ41pH,41pLに与えられる。なお、この場合には、第1損失一致電力に対応した第1閾値以下の音声入力を示す制御信号によって最小モードが設定され、第1損失一致電力に対応した第1閾値よりも大きく第2損失一致電力に対応した第2閾値以下の音声入力を示す制御信号によって中間モードが設定され、第2損失一致電力に対応した第2閾値を超える音声入力を示す制御信号によって最大モードが設定される。
いま、第1損失一致電力に対応した第1閾値以下の音声入力が入力されるものとする。この場合には、閾値レベル判定回路47は、音声入力の入力レベルが第1閾値以下であることを検出して、最小モードを指定するための制御信号を出力する。この制御信号は、レベルシフト回路40p及びセレクタ41pH,41pLに与えられる。セレクタ41pH,41pLは、最小モードが指定されたので、IN2端子の入力を出力しない。従って、この場合には、ゲートドライバ42pHA,42pLAのみが動作して、トランジスタM4Aを正相のハイサイドPWMパルスで駆動し、トランジスタM3Aを正相のローサイドPWMパルスで駆動し、図示を省略している逆相のトランジスタM2Aを逆相のハイサイドPWMパルスで駆動し、トランジスタM1Aを逆相のローサイドPWMパルスで駆動する。
従って、この場合には、第1トランジスタ群MAのみが動作するので、図13の一点鎖線に示す特性が得られる。図15ではこの特性を太線にて示してある。
次に、音声入力のレベルが大きくなって、第1損失一致電力に対応した第1閾値よりも大きく第2損失一致電力に対応した第2閾値以下の音声入力が入力されるものとする。そうすると、閾値レベル判定回路47は、音声入力の入力レベルが第1閾値を超え第2閾値以下であることを検出して、中間モードを指定するための制御信号を出力する。これにより、セレクタ41pH,41pLは、IN2端子に入力されたPWMパルスをゲートドライバ42pHB,42pLBにそれぞれ出力する。従って、この場合には、ゲートドライバ42pHA,42pLAだけでなく、ゲートドライバ42pHB,42pLBも動作する。これにより、トランジスタM4A,M4Bは正相のハイサイドPWMパルスで駆動され、トランジスタM3A,M3Bは正相のローサイドPWMパルスで駆動され、図示を省略している逆相のトランジスタM2A,M2Bは逆相のハイサイドPWMパルスで駆動され、トランジスタM1A,M1Bは逆相のローサイドPWMパルスで駆動される。
従って、この場合には、第1トランジスタ群MA及び第2トランジスタ群MBが動作するので、図13の実線に示す特性が得られる。図15ではこの特性を太線にて示してある。
次に、音声入力のレベルが更に大きくなって、第2損失一致電力に対応した第2閾値よりも大きい音声入力が入力されるものとする。そうすると、閾値レベル判定回路47は、音声入力の入力レベルが第2閾値を超えたことを検出して、最大モードを指定するための制御信号を出力する。これにより、セレクタ41pH,41pLは、IN2端子に入力されたPWMパルスをゲートドライバ42pHB,42pLB,42pHC,42pLCにそれぞれ出力する。従って、この場合には、全てのゲートドライバ42pHA,42pLA〜42pHC,42pLCが動作する。これにより、トランジスタM4A,M4B,M4Cは正相のハイサイドPWMパルスで駆動され、トランジスタM3A,M3B,M3Cは正相のローサイドPWMパルスで駆動され、図示を省略している逆相のトランジスタM2A,M2B,M2Cは逆相のハイサイドPWMパルスで駆動され、トランジスタM1A,M1B,M1Cは逆相のローサイドPWMパルスで駆動される。
従って、この場合には、全てのトランジスタM1A〜M4A〜トランジスタM1C〜M4Cが動作するので、図13の破線に示す特性が得られる。図15ではこの特性を太線にて示してある。
図15の太線に示すように、実使用領域及びクリップ期間を含む全期間において、本実施の形態におけるD級アンプは、比較的小さい損失で動作している。また、図16の太線に示すように、実使用領域及びクリップ期間を含む全期間において、本実施の形態におけるD級アンプは、比較的高い効率で動作している。
このように本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様の効果が得られると共に、出力トランジスタのトランジスタサイズを3通りに変化させることができるので、より確実に損失を抑制して高効率での駆動を可能にすることができる。
(第3の実施の形態)
図17は本発明の第3の実施の形態を示す回路図である。図17は図面の簡略化のために、図10のデッドタイム生成回路14p、レベルシフト回路40p及びセレクタ41pH,41pLと同様の構成をドライバ回路52によって示したものである。セレクタ41pH,41pLがOUT1,OUT2端子からPWMパルスを出力したのに対し、ドライバ回路52は、m系統の出力端子からPWMパルスを出力可能である。
第2の実施の形態においては、各出力トランジスタを並列接続された3個のトランジスタによって構成し、駆動するトランジスタの並列接続数を制御することで、トランジスタのゲート幅を変更可能にした。これに対し、本実施の形態においては、各出力トランジスタを並列接続されたm個のトランジスタによって構成して、駆動するトランジスタの並列接続数を制御することで、トランジスタサイズを細かく制御して、確実な損失の抑制を可能にするものである。
電源と基準電位点との間には、出力トランジスタM41のドレイン・ソース路及びトランジスタM31のドレイン・ソース路が直列接続されている。出力トランジスタM41のドレイン・ソース路には、(m−1)個の出力トランジスタM42〜M4mのドレイン・ソース路が並列接続されており、出力トランジスタM31のドレイン・ソース路には、(m−1)個の出力トランジスタM32〜M3mのドレイン・ソース路が並列接続されている。トランジスタM41〜M4mのソースとトランジスタM31〜M3mのドレインとは共通接続されて、正相出力端を構成する。
電源と基準電位点との間には、出力トランジスタM21のドレイン・ソース路及びトランジスタM11のドレイン・ソース路が直列接続されている。出力トランジスタM21のドレイン・ソース路には、(m−1)個の出力トランジスタM22〜M2mのドレイン・ソース路が並列接続されており、出力トランジスタM11のドレイン・ソース路には、(m−1)個の出力トランジスタM12〜M1mのドレイン・ソース路が並列接続されている。トランジスタM21〜M2mのソースとトランジスタM11〜M1mのドレインとは共通接続されて、逆相出力端を構成する。
本実施の形態においては、トランジスタM4s〜M1s(s=1〜m)によるトランジスタ群をトランジスタ群MMsというものとする。トランジスタ群MMsの各出力トランジスタのゲート幅を適宜設定し、駆動するトランジスタ群MMsを適宜変更することにより、トランジスタサイズを細かく制御することが可能である。
本実施の形態においては、図10の制御回路20に代えて、電流センス回路54及び出力端子選択回路51が採用される。電流センス回路54は、正相出力端と逆相出力端に流れる電流を検出して、検出結果(出力電流情報)を出力端子選択回路51に供給するようになっている。出力端子選択回路51は、電流センス回路54が検出した電流によって出力電力を算出し、図示しないメモリに記憶された第1〜第(m−1)損失一致電力に対応した第1〜第(m−1)閾値と比較することで、電力損失が最も小さくなるトランジスタサイズとなるように、トランジスタ群MM1〜トランジスタ群MMmの駆動をそれぞれ制御するためのm個の制御信号を発生するようになっている。出力端子選択回路51は、m個の制御信号をそれぞれDrive_1〜Drive_m端子からドライバ回路52に出力するようになっている。
ドライバ回路52は、Drive_1〜Drive_m端子から出力されたm個の制御信号に基づいて、それぞれゲートドライバ53nL1,53nH1,53pL1,53pH1〜ゲートドライバ53nLm,53nHm,53pLm,53pHmを駆動する。ゲートドライバ53nL1,53nH1,53pL1,53pH1〜ゲートドライバ53nLm,53nHm,53pLm,53pHmは、入力されたPWMパルスをそれぞれトランジスタM11,M21,M31,M41〜ゲートドライバM1m,M2m,M3m,M4mのゲートに与えて駆動する。
このように構成された実施の形態においては、電流センス回路54は、正相出力端及び逆相出力端に流れる出力電流を検出する。出力端子選択回路51は、この検出結果によって出力電力を算出する。上述したように、出力トランジスタのトランジスタサイズの相違によって、出力電力と電力損失との特性は変化する。その結果、トランジスタサイズが異なる2つの特性は、図4に示すように、損失が一致する損失一致電力で特性曲線が交差し、トランジスタサイズがm個に変化する場合には、図13に示すように、隣接するトランジスタサイズ同士で損失が一致する(m−1)個の損失一致電力を有する。
出力端子選択回路51は、図示しないメモリに格納された第1乃至第(m−1)損失一致電力に対応した第1〜第(m−1)閾値と算出した出力電力とを比較することで、駆動するトランジスタ群を決定する制御信号を発生する。出力端子選択回路51は、第2の実施の形態と同様に、電力損失が最も小さくなるように、制御信号を発生する。
ドライバ回路52は、制御信号に基づいて、ゲートドライバ53nL1,53nH1,53pL1,53pH1〜ゲートドライバ53nLm,53nHm,53pLm,53pHmを駆動して、入力されたPWMパルスをトランジスタM11,M21,M31,M41〜ゲートドライバM1m,M2m,M3m,M4mのゲートに与える。これにより、損失が最も小さくなるようにトランジスタ群MM1〜MMmが選択的に駆動される。
このように本実施の形態においては、第1及び第2の実施の形態と同様の効果が得られると共に、出力トランジスタのトランジスタサイズをきめ細かに制御することで、電力損失を細かく制御することができる。
なお、上記各実施の形態においては、複数のトランジスタ群のうち駆動するトランジスタ群を増加又は減少させることで損失特性を変更する例を示したが、複数のトランジスタ群のうち駆動するトランジスタ群を切換えて損失特性を変更するようにしてもよい。この場合には、例えば、3つのトランジスタ群により出力トランジスタを構成した場合には、全てのトランジスタ群を駆動しない状態を含めると、最大で8通りのトランジスタサイズの切換えが可能である。
また、上記各実施の形態においては、D級アンプを差動回路によって構成した例を示したが、シングルエンド型でも同様に構成することができることは明らかである。
また、上記各実施の形態においては、D級アンプのハイサイドのトランジスタをNチャネル型で構成した例を示したが、Pチャネル型でも同様に構成することができることは明らかである。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
11…反転回路、12…キャリア発生回路、13p,13n…比較器、14p,14n…デッドタイム生成回路、18p,18n…レベルシフト回路、19pH,19pL,19nH,19nL…セレクタ、16pHB,16pHA,16pLB,16pLA,16nHB,16nHA,16nLB,16nLA…ゲートドライバ、M4A〜M1A,M4B〜M1B…出力トランジスタ,Lp,Ln…コイル、Cp,Cn,Cout…コンデンサ、17…スピーカ。

Claims (3)

  1. 入力信号とキャリアとを比較する比較器を有し、前記入力信号に基づくPWMパルスを出力するPWM変調器と、
    相補的に動作する2つの第1出力トランジスタによって構成され、前記2つの第1出力トランジスタ同士の接続点を出力端とする第1出力トランジスタ群と、
    相補的に動作する2つの第2出力トランジスタによって構成され、前記2つの第2出力トランジスタ同士の接続点が前記第1出力トランジスタ同士の接続点に接続される第2出力トランジスタ群と、
    前記PWM変調器からの前記PWMパルスに基づいて、前記第1及び第2出力トランジスタ群の前記第1出力トランジスタ及び第2出力トランジスタを駆動可能なドライバ回路と、
    前記第1出力トランジスタ群及び前記第2出力トランジスタ群の少なくとも一方を動作させるための制御信号であって、前記入力信号のレベル又は前記出力端に現れる信号レベルが過変調状態に対応したレベルに到達しているか否かに基づく前記制御信号を発生する制御回路とを具備するD級アンプ。
  2. 入力信号とキャリアとを比較する比較器を有し、前記入力信号に基づくPWMパルスを出力するPWM変調器と、
    相補的に動作する2つの第1出力トランジスタによって構成され、前記2つの第1出力トランジスタ同士の接続点を出力端とする第1出力トランジスタ群と、
    相補的に動作する2つの第2出力トランジスタによって構成され、前記2つの第2出力トランジスタ同士の接続点が前記第1出力トランジスタ同士の接続点に接続される第2出力トランジスタ群と、
    前記PWM変調器からの前記PWMパルスに基づいて、前記第1及び第2出力トランジスタ群の前記第1出力トランジスタ及び第2出力トランジスタを駆動可能なドライバ回路と、
    前記第1出力トランジスタ群及び前記第2出力トランジスタ群の少なくとも一方を動作させるための制御信号であって、前記出力端に現れる信号のレベルが固定されているか否かに基づく前記制御信号を発生する制御回路とを具備するD級アンプ。
  3. 相補的に動作する2つの出力トランジスタを有する複数の出力トランジスタ群であって、各出力トランジスタ群の2つの出力トランジスタ同士の接続点が前記第1出力トランジスタ同士の接続点に接続される複数の出力トランジスタ群を具備し、
    前記制御回路は、前記第1出力トランジスタ群、前記第2出力トランジスタ群及び前記複数の出力トランジスタ群のうちの少なくとも1つを動作させるための制御信号を発生する請求項1又は2に記載のD級アンプ。
JP2017030043A 2017-02-21 2017-02-21 D級アンプ Active JP6682463B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017030043A JP6682463B2 (ja) 2017-02-21 2017-02-21 D級アンプ
CN201710710403.9A CN108462472A (zh) 2017-02-21 2017-08-18 D级放大器
US15/691,867 US10298188B2 (en) 2017-02-21 2017-08-31 Class-D amplifier

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017030043A JP6682463B2 (ja) 2017-02-21 2017-02-21 D級アンプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018137576A JP2018137576A (ja) 2018-08-30
JP6682463B2 true JP6682463B2 (ja) 2020-04-15

Family

ID=63168138

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017030043A Active JP6682463B2 (ja) 2017-02-21 2017-02-21 D級アンプ

Country Status (3)

Country Link
US (1) US10298188B2 (ja)
JP (1) JP6682463B2 (ja)
CN (1) CN108462472A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11683017B2 (en) 2020-09-18 2023-06-20 Kabushiki Kaisha Toshiba Class-D amplifier

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10879857B2 (en) * 2016-09-27 2020-12-29 Huawei Technologies Co., Ltd. Power amplifier, radio remote unit, and base station
JP7210343B2 (ja) * 2019-03-18 2023-01-23 株式会社東芝 D級アンプ及び音響再生システム
JP7332557B2 (ja) 2020-09-11 2023-08-23 株式会社東芝 クリップ検出回路
WO2022165345A1 (en) * 2021-01-29 2022-08-04 Cirrus Logic International Semiconductor Ltd. Common mode output voltage biasing in class-d audio amplifiers having selectable differential or dual single-ended operation and class-d zero-crossing management
CN113411072B (zh) * 2021-07-13 2023-03-14 上海艾为电子技术股份有限公司 脉宽调制模块、音频功放电路及电子设备

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6452366B1 (en) * 2000-02-11 2002-09-17 Champion Microelectronic Corp. Low power mode and feedback arrangement for a switching power converter
JP4538783B2 (ja) * 2004-03-04 2010-09-08 日本ビクター株式会社 Dクラスアンプ
JP4618017B2 (ja) 2004-07-02 2011-01-26 ヤマハ株式会社 パルス幅変調増幅器のクリップ抑止回路
US7315202B2 (en) 2004-07-02 2008-01-01 Yamaha Corporation Pulse-width modulation amplifier and suppression of clipping therefor
JP2006033499A (ja) * 2004-07-16 2006-02-02 Sony Corp D級増幅器
JP2006166391A (ja) * 2004-11-09 2006-06-22 Sony Corp スイッチングアンプ及びスイッチングアンプの駆動方法
JP4853176B2 (ja) 2005-09-28 2012-01-11 ヤマハ株式会社 D級増幅器
EP1770855B1 (en) 2005-09-28 2011-08-17 Yamaha Corporation Class D amplifier
JP5266830B2 (ja) 2008-03-26 2013-08-21 ヤマハ株式会社 自励式d級増幅器
CN201312285Y (zh) * 2008-09-02 2009-09-16 比亚迪股份有限公司 D类音频功率放大器
EP2458732B1 (en) * 2010-11-26 2013-10-02 Nxp B.V. Amplifier and amplifier control method
JP5799899B2 (ja) * 2012-06-27 2015-10-28 株式会社デンソー 電力変換装置
CN108449057A (zh) * 2013-09-12 2018-08-24 意法半导体研发(深圳)有限公司 音频设备中去除pop噪声的方法与电路
JP2015198371A (ja) * 2014-04-01 2015-11-09 ローム株式会社 オーディオ出力回路およびそれを用いた電子機器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11683017B2 (en) 2020-09-18 2023-06-20 Kabushiki Kaisha Toshiba Class-D amplifier

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018137576A (ja) 2018-08-30
US20180241363A1 (en) 2018-08-23
CN108462472A (zh) 2018-08-28
US10298188B2 (en) 2019-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6682463B2 (ja) D級アンプ
US9602070B2 (en) Power amplifying device
US10396779B2 (en) Ground switching for speaker current sense
JP2016119700A (ja) 半導体装置
JP2007096731A (ja) ミュート回路
US7786795B2 (en) Class-D amplifier circuit
US10034085B2 (en) Class-D amplifier, audio processing apparatus and method of driving class-D amplifier
US7542262B2 (en) Apparatus for driving an electromagnetic load
JP4461842B2 (ja) スイッチングレギュレータ及びスイッチングレギュレータの制御方法
US8786370B2 (en) Power supply control circuit
JP7204440B2 (ja) 電力増幅装置
KR101113521B1 (ko) 코일 부하 구동 회로 및 광 디스크 장치
US10256779B2 (en) Multi-level class D amplifier
JP2008048305A (ja) ハーフスイングパルス幅変調を備えたd級音響増幅器
JP3988555B2 (ja) D級増幅器
KR100453708B1 (ko) 고효율 스위칭 증폭기
JP4654047B2 (ja) D級増幅器
JP2012114610A (ja) 電子回路
JP2013157847A (ja) 三角波発生回路およびd級増幅器
US11683017B2 (en) Class-D amplifier
JP7437227B2 (ja) D級増幅器
US10911010B2 (en) Class-D amplifier and sound system
JP4533707B2 (ja) アンプ装置、アンプ用電源回路およびオーディオ信号再生装置
JP2020124092A (ja) スイッチング回路
JP2010193564A (ja) 半導体スイッチ回路

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20170922

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20170925

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190724

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190806

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191003

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20191007

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200325

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6682463

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150