JP4274204B2 - D級増幅器 - Google Patents

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Description

本発明は、D級増幅器のオフセット電圧を補正する回路技術に関するものである。
従来、音楽信号などのアナログ信号をパルス信号に変換して電力増幅するD級増幅器が知られている。
図8に、従来のD級増幅器の一例を示す。この例では、入力端子INP,INMには、外部の信号源から互いに逆極性のアナログ入力信号AIN(+),AIN(−)が印加され、このアナログ入力信号AIN(+),AIN(−)はコンデンサCin1,Cin2を介してD級増幅器の入力端子T11,T12に入力される。D級増幅器に入力された信号は、入力段増幅回路100に入力されて増幅され、その後積分回路110に入力される。パルス幅変調(PWM;Pulse Width Modulation)回路120は、積分回路110の出力信号をパルス幅変調する。
出力バッファ1300は、パルス幅変調回路120の出力信号に基づき相補的なパルス信号OUTP,OUTMを出力する。このパルス信号OUTP,OUTMは、帰還抵抗R41,R42を介して積分回路110を構成する差動演算増幅器114の入力側に帰還され、これによりパルス信号の波形歪みを補正する。また、パルス信号OUTP,OUTMは、出力端子T21,T22を介して外部に出力され、インダクタL1,L2及びコンデンサCからなるローパスフィルタを通ってスピーカSPを駆動するアナログ信号となる。
ところで、一般にオーディオ用の増幅器では、回路のオフセット電圧によるポップ音の発生が起こる。上述のD級増幅器においても同様に、差動演算増幅器101,114を構成するトランジスタが製造プロセスのばらつき等に起因するオフセット電圧を有するため、無信号入力時であっても出力パルス信号OUTPの電圧の平均値とOUTMの電圧の平均値とは異なった値となってしまう。即ち、オフセット電圧が出力される。
この場合、そのオフセット電圧がスピーカに常時印加される事になるので、ミュート時や電源切断時にスピーカからポップ音が発生する。
そこで、上述した様な差動演算増幅器のオフセット電圧を補正する従来技術として、差動演算増幅器を構成する差動対のトランジスタの片側に電流を注入する事によってオフセット電圧を補正するオフセット電圧補正回路が知られている(特許文献1参照)。
この従来技術では、差動対を構成するMOSトランジスタの片側に電流iosを流し込む事によって、その電流量に応じた入力換算オフセット電圧が得られる。従って差動演算増幅器がオフセット電圧を有している場合であっても、電流iosを調整することにより、そのオフセット電圧を補正することが可能になる。
特開平8−256025号公報
ところで、図8に示したD級増幅器(ただし、差動演算増幅器101,114は、前述の従来技術に係るオフセット補正回路は含まない)において、出力バッファ1300の電源電圧は、積分回路110及び入力段増幅回路100の電源電圧とは異なる場合がある。例えば、前者が15Vであり、後者が3.3Vの場合を考える。
この場合、無信号入力時における出力パルス信号OUTP,OUTMは、それぞれデューティ比50%の矩形波が相補的に出力される。出力バッファ1300の電源電圧が15Vであるので、差動演算増幅器101,114にオフセット電圧が存在せず、積分器110の入力抵抗の正相側(R31)と逆相側(R32)との抵抗値が等しく、帰還抵抗の正相側(R41)と逆相側(R42)との抵抗値も等しい理想的な条件では出力パルス信号OUTP,OUTMの平均電圧は両者共に7.5Vである。従って、スピーカSPの入力端子間に印加される電圧差は0Vであり、音が発生しない。
一方、電源電圧が3.3Vである差動演算増幅器101の出力信号SA,SBのそれぞれの平均電圧は、電源電圧の二分の一である基準電圧に一致する様に同相帰還がなされているため1.65Vである。従って、出力パルス信号OUTP,OUTMの平均値と出力信号SA,SBの平均値との電圧差である5.85Vが、帰還抵抗R41と積分器110の入力抵抗R31及び帰還抵抗R42と積分器110の入力抵抗R32にそれぞれ印加される。その結果、帰還抵抗R41と入力抵抗R31の抵抗値の和及び帰還抵抗R42と入力抵抗R32の抵抗値の和に応じた電流が、出力バッファ1300の出力部から差動演算増幅器101の出力部に流れる。
ここで、帰還抵抗R41とR42にばらつき等に起因する抵抗値の差があった場合を考える。差動演算増幅器114の2つの入力部の電圧は、帰還がなされているために等しい。入力抵抗R31の両端に印加される電圧と、入力抵抗R32の両端に印加される電圧が等しくなるように差動演算増幅器114が機能するので、それぞれの抵抗に流れる電流は等しくなる。
そして、上記の値の等しい電流は、それぞれ帰還抵抗R41,R42を流れるので、出力バッファ1300の出力部には入力抵抗R31,R32の値が等しい場合であっても帰還抵抗R41,R42の電圧降下の差が生じる。従って、帰還抵抗R41とR42の抵抗値の差に応じたオフセット電圧が出力パルス信号OUTP,OUTMに生じる。
また、差動演算増幅器101によって信号SA,SBに生じたオフセット電圧(差電位)は、入力抵抗R31,R32と、帰還抵抗R41,R42と、積分器110と、パルス幅変調回路120と、出力バッファ1300とによって形成される負帰還増幅器の増幅率(R41/R31)倍されて出力端子T21,T22に現れる。例えば抵抗値R31:R41が1:20の場合、信号SA,SBに生じたオフセット電圧は20倍されて出力される。帰還抵抗R41,R42の抵抗値に差がある場合、この増幅率も正相側と逆相側とで異なり、オフセット電圧はさらに大きくなる。
また、オフセット電圧は、入力抵抗R31とR32との抵抗値に差が存在する場合にも発生する。
つまり、D級増幅器を構成する上記負帰還増幅器の正相側の増幅率(R41/R31)と逆相側の増幅率(R42/R32)が抵抗値のばらつき等によって異なると、出力のオフセット電圧となって現れ、そのオフセット電圧によってスピーカSPが駆動されて電源切断時やミュート時にポップ音が発生する一因となる。
しかしながら、以上のオフセット電圧を解消するために前述の従来技術に係るオフセット電圧補正回路を用いても、差動演算増幅器自体のオフセット電圧は補正できるが、D級増幅器の入力抵抗値または帰還抵抗値が正相側と逆相側とで異なった場合に発生するオフセット電圧を補正できないという問題があった。
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、D級増幅器を構成する抵抗値の差に起因するオフセット電圧を補正する事のできるD級増幅器を提供する事である。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、本発明に係るD級増幅器は、入力信号を入力する入力手段(入力段増幅器100)と、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器(111)からなり、前記入力手段を介して入力された入力信号を積分する積分手段(積分回路110)と、前記積分手段の積分結果をパルス幅変調して前記積分結果がパルス幅に反映されたパルス信号を生成する変調手段(パルス幅変調回路120)と、前記パルス信号を出力する出力手段(駆動回路130)と、前記出力手段の出力信号を前記入力信号に重畳させて前記積分手段に帰還させる帰還手段(例えば帰還抵抗R41,R42)と、前記入力手段を無信号入力状態に設定する入力制御手段(例えばスイッチSWOS1,SWOS2)と、前記無信号入力状態時に前記帰還手段によって帰還されるべき電圧に前記出力手段の出力信号の電圧を設定する出力制御手段(例えばスイッチSWOUT1,SWOUT2、オフセット電圧補正用直流電圧源160、出力バッファ131,132の備える出力インピーダンス制御手段)とを備える。
上記D級増幅器において、前記出力制御手段が、前記出力手段の出力インピーダンスをハイインピーダンス状態に制御する出力インピーダンス制御手段と、前記帰還手段によって帰還されるべき電圧を印加する電圧印加手段と、前記出力手段の出力と前記帰還手段の一端との接続を開放し、該帰還手段の一端を前記電圧印加手段に接続する信号経路制御手段とを備えた事を特徴とする。
上記D級増幅器において、前記入力制御手段が、前記入力手段の入力抵抗(R11,R12)と差動演算増幅器(101)の入力部との間に接続されたスイッチである事を特徴とする。
上記D級増幅器において、前記入力信号をパルス幅変調して該入力信号の信号レベルに応じてデューティ比が相補的に変化する第1及び第2パルス信号を生成して出力するように構成された事を特徴とする。
上記D級増幅器において、前記入力信号の信号レベルに応じて第1および第2の出力端子(T21,T22)の一方から所定レベルの信号を出力すると共に、前記第1および第2の出力端子の他方から、パルス幅変調された前記パルス信号を出力するように構成された事を特徴とする。
本発明によれば、帰還経路を開放して帰還抵抗の一端にオフセット電圧補正用電圧を与える様にしたので、帰還抵抗又は入力抵抗の正相側と逆相側との抵抗値の差によるオフセット電圧が差動演算増幅器の出力に現れる。従って、該差動演算増幅器のオフセット電圧を調整する事によって、D級増幅器を構成する抵抗値の差に起因するオフセット電圧と差動演算増幅器の有するオフセット電圧とを同時に補正する事のできるD級増幅器が提供できる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態に係るD級増幅器の一例を示す。同図に示すD級増幅器は、外部の信号源SIGからのアナログ入力信号AINをパルス幅変調して該アナログ入力信号AINの信号レベルに応じてデューティ比が相補的に変化するパルス信号OUTP,OUTMを生成して出力するように構成され、前述の図8に示す従来のD級増幅器の構成に対し、オフセット電圧補正回路を更に備えて構成される。
即ち、図1に示す本実施形態に係るD級増幅器は、入力端子T11,T12、帰還抵抗R41,R42、入力段増幅器100、積分回路110、パルス幅変調回路120、駆動回路130、コンパレータ140、制御回路141、オフセット電圧補正用直流電圧源160、スイッチSWOUT1,SWOUT2、出力端子T21,T22から構成され、入力端子T11,T12には、信号源SIGより互いに逆極性のアナログ入力信号AIN(+),AIN(−)がコンデンサCin1,Cin2を介して入力される。
ここで、入力段増幅器100(入力手段)は、差動演算増幅器101と、入力抵抗R11,R12と、帰還抵抗R21,R22と、スイッチSWOS1,SWOS2(入力制御手段)とから構成される。スイッチSWOS1の一端は上記差動演算増幅器101の反転入力部に接続され、スイッチSWOS1の他端は入力抵抗R11の一端に接続される。入力抵抗R11の他端は上記入力端子T11に接続される。また、スイッチSWOS2の一端は上記差動演算増幅器101の非反転入力部に接続され、スイッチSWOS2の他端は入力抵抗R12の一端に接続される。入力抵抗R12の他端は上記入力端子T12に接続される。また、差動演算増幅器101の反転入力部と非反転出力部との間には帰還抵抗R21が接続されると共に、非反転入力部と反転出力部との間には帰還抵抗R22が接続される。
積分回路110(積分手段)は、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111と、コンデンサ112,113と、入力抵抗R31,R32とから構成される。オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の反転入力部と上記差動演算増幅器101の非反転出力部との間には入力抵抗R31が接続されると共に、上記オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の非反転入力部と上記差動増幅器101の反転出力部との間には入力抵抗R32が接続される。また、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の反転入力部と非反転出力部との間にはコンデンサ112が接続されると共に、非反転入力部と反転出力部との間にはコンデンサ113が接続される。
なお、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111は、オフセット電圧補正が可能な差動演算増幅器であって、条件設定を行う事によってその補正量を変更する事ができる増幅器である。
パルス幅変調回路120(変調手段)の一方の入力部は上記オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の非反転出力部に接続され、他方の入力部は上記オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の反転出力部に接続される。
駆動回路130(出力手段)は、出力バッファ131,132から構成される。出力バッファ131の入力部は上記パルス幅変調回路120の一方の出力部に接続され、この出力バッファ131の出力部は出力端子T21に接続されると共にスイッチSWOUT1(信号経路制御手段)の端子B1に接続される。スイッチSWOUT1の入力端子は、帰還抵抗R41(帰還手段)を介して上記オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の反転入力部に接続される。また、出力バッファ132の入力部は上記パルス幅変調回路120の他方の出力部に接続され、この出力バッファ132の出力部は出力端子T22に接続されると共にスイッチSWOUT2(信号経路制御手段)の端子B2に接続される。スイッチSWOUT2の入力端子は、帰還抵抗R42(帰還手段)を介して上記オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の非反転入力部に接続される。
なお、出力バッファ131,132は、オフセット電圧補正時に出力インピーダンスをハイインピーダンスに変更する事が出来る出力インピーダンス制御手段を備えている。
スイッチSWOUT1,SWOUT2の端子A1,A2は、オフセット電圧補正用直流電圧源160(電圧印加手段)の一端に共通接続される。オフセット電圧補正用直流電圧源160の他端は接地される。
コンパレータ140の2つの入力端子は、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の2つの出力端子にそれぞれ接続される。コンパレータ140の出力端子は、制御回路141の入力端子に接続され、制御回路141の出力端子は、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の制御端子に接続される。
上述してきた構成要素の内、スイッチSWOS1,SWOS2,SWOUT1,SWOUT2と、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111と、オフセット電圧補正用直流電圧源160と、コンパレータ140と、制御回路141と、出力バッファ131,132の備える出力インピーダンス制御手段とによって、オフセット電圧補正回路を構成する。
また、一方の出力端子T21には、インダクタL1の一端が接続され、このインダクタL1の他端はスピーカSPの一方の入力端子に接続される。他方の出力端子T22には、インダクタL2の一端が接続され、このインダクタL2の他端はスピーカSPの他方の入力端子に接続される。インダクタL1の他端とインダクタL2の他端との間にはコンデンサCが接続される。これらインダクタL1,L2及びコンデンサCは、本D級増幅器の出力信号からパルス幅変調におけるキャリア周波数成分を除去するためのローパスフィルタを構成する。
なお、本実施形態では、出力バッファ131,132の電源電圧を15Vとし、差動演算増幅器101及びオフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の電源電圧は3.3Vであるものとする。
次に、本実施形態に係るD級増幅器の動作を増幅動作、オフセット電圧発生動作、オフセット電圧補正動作に分類して説明する。
(1)増幅動作
先ず、図2の波形図を参照して、増幅動作(電力増幅動作)を説明する。
図1に示す入力端子T11には、信号源SIGからアナログ入力信号AIN(+)が印加され、他方の入力端子T12には、上記アナログ入力信号AIN(+)の逆極性信号であるアナログ入力信号(−)が印加される。これらアナログ入力信号AIN(+),AIN(−)はコンデンサCin1,Cin2を介して入力段差動増幅器100に入力される。
なお、増幅動作時には、スイッチSWOS1,SWOS2は閉じられており、スイッチSWOUT1,SWOUT2は、それぞれ端子B1側と端子B2側に接続されて帰還経路が形成されている。
入力段差動増幅回路100は、アナログ信号AIN(+)とアナログ入力信号AIN(−)との差分を増幅し、増幅された信号の正相信号(非反転出力部からの出力信号)SAを非反転出力部より出力すると共に、その増幅された信号の逆相信号(反転出力部からの出力信号)SBを反転出力部より出力する。これら正相信号SA及び逆相信号SBは積分回路110に入力される。
積分回路110は、入力段増幅回路100によって増幅された信号SA,SBの差分を積分し、その差分の正相信号(非反転出力部からの出力信号)SCを非反転出力部より出力すると共に、その差分の逆相信号(反転出力部からの出力信号)SDを反転出力部より出力する。これら正相信号SC及び逆相信号SDはパルス幅変調回路120に入力される。
パルス幅変調回路120は、積分回路110から出力される正相信号SC及び逆相信号SDと図示しない三角波発生回路から出力される三角波信号とを比較することにより、パルス幅変調されたパルス信号P,Mを出力する。これらパルス信号P,Mは、積分結果がパルス幅に反映される様に生成される。また、これらパルス信号P,Mは、駆動回路130から出力パルス信号OUTP,OUTMとして出力端子T21,T22を介して出力されると共に、これら出力パルス信号OUTP,OUTMは、帰還抵抗R41,R42を介して積分回路110のオフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111に帰還されて積分回路の入力信号に重畳されることにより出力波形歪みの低減が図られている。
無信号入力状態では、正相信号SAと逆相信号SBとの差分はゼロである。従って、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の反転入力部の入力信号と非反転入力部の入力信号との差分はゼロであるから、正相信号SCの波形と逆相信号SDとの波形が一致し、即ち、正相信号SCと逆相信号SDとの差分がゼロとなる。また、無信号入力状態では、パルス信号P,M及び出力パルス信号OUTP,OUTMの各デューティ比が50パーセントになるように、三角波信号と正相信号SA及び逆相信号SBとの関係が設定されている。
ここで、パルス信号P,Mのハイレベルの期間(パルス幅)は正相信号SA及び逆相信号SBの信号レベルに依存し、これら正相信号SA及び逆相信号SBの信号レベルはアナログ入力信号AIN(+),AIN(−)の信号レベルに依存する。従って、パルス信号P,Mのパルス幅はアナログ入力信号AIN(+),AIN(−)の信号レベルに依存したものとなり、これによりパルス幅変調が実現されている。
無信号入力状態では、図2(a)に示す様に出力パルス信号OUTPのデューティ比は50パーセントであるから、この出力パルス信号OUTPの信号レベルの平均値は7.5Vとなる。また、出力パルス信号OUTMのデューティ比も50パーセントであるから、その平均値も7.5Vとなる。従って、無信号入力状態では、スピーカの両方の入力端子に7.5Vが印加され、その差電圧は0Vとなるので、スピーカSPは駆動されず音が出ない。
上述の無信号入力状態から、アナログ入力信号AIN(+)の信号レベルが上昇し、その逆極性のアナログ入力信号AIN(−)の信号レベルが低下すると、出力パルス信号OUTPのハイレベルの期間が増加すると共に、出力パルス信号OUTMのローレベルの期間が増加する。即ち、出力パルス信号OUTPのデューティ比が増加し、出力パルス信号OUTMのデューティ比が減少する。
この場合、図2(b)に示す様に出力パルス信号OUTPの平均値は無信号入力時の7.5Vよりも高い例えば9.5Vになり、一方、出力パルス信号OUTMの平均値は無信号入力時の7.5Vよりも低い例えば5.5Vになる。従って、スピーカSPの入力端子間の差電圧が例えば4V(=9.5V−5.5V)となり、スピーカSPのコーン紙が例えば前方に駆動される。
逆に、上述の無信号入力状態から、アナログ入力信号AIN(+)の信号レベルが低下し、アナログ入力信号AIN(−)が上昇すると、上述とは逆に、図2(c)に示す様に出力パルス信号OUTPのデューティ比が減少する一方、出力パルス信号OUTMのデューティ比が増加する。これにより、スピーカSPの入力端子間の差電圧が例えば−4V(=5.5V−9.5V)となり、スピーカSPのコーン紙が例えば後方に駆動される。
上述のように、通常の増幅動作では、アナログ入力信号AINの信号レベルに応じて出力パルス信号OUTP及び出力パルス信号OUTMの各デューティ比を相補的に制御することにより、スピーカSPの両端子間に差電圧を発生させてスピーカSPを駆動している。
(2)オフセット電圧発生動作
次に、オフセット電圧発生動作について説明する。ここでは、無信号入力状態におけるオフセット電圧発生動作について、まず複数のオフセット電圧発生源がそれぞれ独立に存在するものとして考え、最後にそれらをすべて加算してD級増幅器全体のオフセット電圧とする。
まず、差動演算増幅器101の有するオフセット電圧によって、信号SA,SBのそれぞれの平均電圧は、同相帰還回路によって設定される基準電圧(電源電圧の二分の一)の1.65Vから異なった値となる。このオフセット電圧は、帰還抵抗R41,R42と積分器110とパルス幅変調回路120と出力バッファ130とによって形成される負帰還増幅器の増幅率(R41/R31)倍されて出力端子T21,T22の差電位(オフセット電圧)として現れる。
また、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の有するオフセット電圧によって、信号SC,SDのそれぞれの平均電圧は、同相帰還回路によって設定される基準電圧の1.65Vから異なった値となる。
さらに、帰還抵抗R41とR42との抵抗値の差、又は入力抵抗R31とR32との抵抗値の差によって、出力パルス信号OUTP,OUTMがオフセット電圧を有し、それぞれの平均電圧が7.5Vから異なった値となる。その理由を以下に説明する。
図2(a)に示した様に、無信号入力時における出力パルス信号OUTP,OUTMは、それぞれデューティ比50%の矩形波が相補的に出力される。出力バッファ130の電源電圧が15Vであるので、差動演算増幅器にオフセット電圧が存在せず、正相側と逆相側との抵抗値もすべて等しい理想的な条件では出力パルス信号OUTP,OUTMの平均電圧は前述した様に両者共に7.5Vである。
一方、電源電圧が3.3Vである差動演算増幅器101の出力信号SA,SBのそれぞれの平均電圧は、電源電圧の二分の一である基準電圧に一致する様に同相帰還がなされているため1.65Vである。従って、出力パルス信号OUTP,OUTMの平均値と出力信号SA,SBの平均値との電圧差である5.85Vが、帰還抵抗R41と積分器110の入力抵抗R31及び帰還抵抗R42と積分器110の入力抵抗R32にそれぞれ印加される。その結果、帰還抵抗R41と入力抵抗R31の抵抗値の和に応じた電流が、出力バッファ130の出力部から帰還抵抗R41と入力抵抗R31とを介して差動演算増幅器101の正相出力部に流れる。同様に、帰還抵抗R42と入力抵抗R32の抵抗値の和に応じた電流が、出力バッファ130の出力部から帰還抵抗R42と入力抵抗R32とを介して差動演算増幅器101の逆相出力部に流れる。
ここで、帰還抵抗R41とR42の抵抗値に差があった場合を考える。オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の2つの入力部の電圧は、帰還がなされているために等しい。従って、入力抵抗R31の両端に印加される電圧と、入力抵抗R32の両端に印加される電圧とは等しいので、それぞれの抵抗に流れる電流は等しくなる。
そして、上記の値の等しい電流は、それぞれ帰還抵抗R41,R42を流れるので、出力バッファ1300の出力部には入力抵抗R31,R32の値が等しい場合であっても帰還抵抗R41,R42の電圧降下の差が生じる。従って、帰還抵抗R41とR42の抵抗値の差に応じたオフセット電圧が出力パルス信号OUTP,OUTMに生じる。
これらと同様に、入力抵抗R31とR32の抵抗値に差があった場合は、抵抗値の差に応じた電流が帰還抵抗R41,R42に流れ、それに起因したオフセット電圧が出力パルス信号OUTP,OUTMに生じて、出力端子T21,T22に現れる。
つまり、D級増幅器を構成する上記負帰還増幅器の正相側の増幅率(R41/R31)と逆相側の増幅率(R42/R32)とが抵抗値のばらつき等によって異なると、出力のオフセット電圧となって現れる。
上述した代表的な3点のオフセット電圧発生源以外にもオフセット電圧発生源は存在するが、ここでは説明は省略する。
これらのオフセット電圧は、すべてが複合されて出力端子T21,T22に現れ、そのオフセット電圧によってスピーカSPが駆動されて電源切断時やミュート時にポップ音が発生する原因となる。
本発明では、次に説明するオフセット電圧補正動作によって上記オフセット電圧を補正する。
(3)オフセット電圧補正動作
本発明では、無信号入力状態時に帰還抵抗(帰還手段)によって帰還されるべき電圧に出力バッファ(出力手段)の出力信号の電圧を設定する事により、抵抗値の差によるオフセット電圧を差動演算増幅器の入力部に発生させて補正する事を基本原理としている。その一実施形態について、以下に図3を参照して説明する。
図3は、オフセット電圧補正方法を示したフローチャートである。
まず、図示しない制御回路が、出力バッファ131,132の出力インピーダンス制御手段によってそれらの出力インピーダンスをハイインピーダンス状態に制御する(ステップS1)。
次に、図示しない制御回路が、差動演算増幅器101の入力に接続されたスイッチSWOS1,SWOS2をオフにして、外部からの入力信号を遮断して無信号入力状態に設定する(ステップS2)。これにより、入力端子T11,T12に入力信号が入力されている場合であってもその状態のままオフセット電圧補正が行える。
次に、図示しない制御回路が、スイッチSWOUT1を端子A1側に、スイッチSWOUT2を端子A2側に接続して、帰還経路を開放する(ステップS3)。これにより、出力バッファ131の出力と帰還抵抗R41との接続及び出力バッファ132の出力と帰還抵抗R42との接続が開放され、帰還抵抗R41,R42の一端はオフセット電圧補正用直流電圧源160に共通接続される。
これらのステップS1〜S3により、帰還経路が開放されて帰還抵抗R41,R42の一端にオフセット電圧補正用直流電圧源160による直流電圧が印加される。この電圧値は、通常動作における無信号入力時の出力パルス信号OUTP,OUTMの平均値(帰還されるべき電圧)と同一電圧(本実施形態では電源電圧15Vの二分の一である7.5V)に設定される。
従って、帰還抵抗R41,R42の一端は帰還経路が形成された実際の無信号入力時と同様のバイアス条件に設定され、前述した様に抵抗値に差がある場合には正相側と逆相側とで抵抗に流れる電流値に差が生じ、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の反転入力部と非反転入力部との間にオフセット電圧が発生する。
具体的には、7.5−1.65=5.85[V]の電圧が帰還抵抗R41と入力抵抗R31に印加されるため、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の逆相入力部には1.65+5.85×R31/(R31+R41)[V]の電圧が印加される。同様に、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の正相入力部には1.65+5.85×R32/(R32+R42)[V]の電圧が印加される。両式から分かるように、入力抵抗R31,R32及び帰還抵抗R41,R42の抵抗値のばらつきに応じた電圧差(つまりオフセット電圧)が、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の入力部に発生する。このオフセット電圧量は、帰還経路が形成されている通常動作における無信号入力時に発生するオフセット電圧量と等しい。
それに加えて、差動演算増幅器101が有するオフセット電圧が、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の入力部に発生する。
また、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111自体が有するオフセット電圧は、入力換算オフセット電圧としてその入力部に発生する。
その結果、前述したすべての要因によるオフセット電圧がオフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の入力部に集約されて現れ、そのオフセット電圧は、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の増幅率だけ増幅されて出力信号SCとSDに出力される。
従って、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111によってオフセット電圧補正を行う事で、上述のすべてのオフセット電圧が同時に補正される。
なお、オフセット電圧補正用電圧源160の電圧は、上記の電圧のみに限定されず任意に設定しても良い。
次に、制御回路141は、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111のオフセット電圧補正条件を変更する(ステップS4)。これにより、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111はオフセット電圧補正条件によって決定される所定の電圧のオフセット電圧を発生する。
ここで、上記D級増幅器が発生するオフセット電圧と極性が逆で大きさが等しいオフセット電圧がオフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111によって発生されると出力信号SC,SDの電圧差が無くなるので、これらの電圧差を検出すれば最適なオフセット電圧補正が可能となる。
次に、制御回路141は、コンパレータ140の出力信号Compの信号レベルが初期状態から反転したか否かを判定し、反転しなかった場合はオフセット電圧量と極性が適当でないため、再度ステップS4に戻りオフセット電圧補正条件を変更する(ステップS5;No)。コンパレータ140の出力信号Compの信号レベルが反転した場合は、そのオフセット電圧補正条件でオフセット電圧が十分に小さくなった事を意味するので、ステップS6へ進む(ステップS5;Yes)。
なお、コンパレータ140を用いずに、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の一方の出力信号(例えば信号SC)の信号レベルが反転したか否かを判定しても良い。
次に、制御回路141は、オフセット電圧補正条件をレジスタに記憶する(ステップS6)。このレジスタに記憶されたオフセット電圧補正条件を用いて、通常の増幅動作時においてオフセット電圧を補正する。
次に、図示しない制御回路が、スイッチSWOS1,SWOS2をオンする(ステップS7)。
次に、図示しない制御回路が、スイッチSWOUT1をB1側に、スイッチSWOUT2をB2側に接続する(ステップS8)。
最後に、図示しない制御回路が、出力バッファの出力インピーダンスのハイインピーダンス状態を解除して通常状態に変更する(ステップS9)。これらのステップS7〜S9によって、D級増幅器は通常の増幅動作が行える様になる。
以上のオフセット電圧補正方法を実行する事により、入力抵抗R31,R32及び帰還抵抗R41,R42の抵抗値の差に起因するオフセット電圧に加えて、差動演算増幅器101及びオフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の有するオフセット電圧も含んだオフセット電圧補正が行える。つまり、本構成を用いる事によって、D級増幅器全体のオフセット電圧補正が一度のオフセット電圧補正動作によって同時に行える。又、オフセット電圧補正は、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器が1つで実行できるため、回路構成が複雑化せず、面積の増加も少なくできる。
次に、本実施形態に係るD級増幅器に用いるオフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の一例について説明する。
図4は、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器の回路図である。
同図において、1100、1101は、本オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器の差動トランジスタ対を構成するNMOSトランジスタ、1102、1103は、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器の負荷トランジスタ対を構成するPMOSトランジスタ、1104、1105は、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器の出力段を構成するPMOSトランジスタ、1106、1107は、同相帰還用抵抗、1108、1109は、同相帰還増幅器の差動対を構成するNMOSトランジスタ、1110、1111は、同相帰還増幅器の負荷を構成するPMOSトランジスタである。
また、1122は、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器のバイアス電流源、1123、1124は、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器の出力段のバイアス電流源、1125は、同相帰還増幅器のバイアス電流源、SWCTR1、SWCTR2は、スイッチ、401〜404は、電流源切り替えスイッチ、405〜408は、電流源、409は、制御回路である。同図に示した構成要素によって、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器が構成される。
ここで、オフセット電圧補正用の抵抗RosAの一端が、PMOSトランジスタ1102のソースに接続され、他端は電源(VDD)に接続されている。同様に、オフセット電圧補正用の抵抗RosBの一端が、PMOSトランジスタ1103のソースに接続され、他端は電源(VDD)に接続されている。
スイッチSWCTR1は、一端が抵抗RosAとPMOSトランジスタ1102のソースとの接続点に接続され、他端がスイッチSWCTR2の一端に接続されると共に、電流源切り替えスイッチ401〜404のそれぞれの一端に共通接続されている。スイッチSWCTR2の他端は、抵抗RosBとPMOSトランジスタ1103のソースとの接続点に接続されている。
電流源切り替えスイッチ401〜404の他端は、それぞれが電流源405〜408の一端に接続されている。また、電流源405〜408の他端は接地されている。
また、制御回路409は、電流源切り替えスイッチ401〜404に接続されている。図示した回路例では、制御回路409が4ビットのバイナリコードによって電流源切り替えスイッチ401〜404のオン状態、オフ状態を制御する。バイナリコードのMSBは電流源切り替えスイッチ401を制御し、LSBは電流源切り替えスイッチ404を制御し、その間のビットは順番に電流源切り替えスイッチ402、403を制御する。
次に、本オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器によるオフセット電圧補正動作を説明する。
まず、差動増幅器を構成する各MOSトランジスタの電気的特性が本差動増幅器のオフセット電圧をもたらすことのない理想的な状態であり、差動増幅器の入力端子AINP、AINNに印加される電圧が等しい定常状態を考える。また、差動増幅器のバイアス電流1122の電流値はItとする。
先ず、スイッチSWCTR1及びSWCTR2がオフである時、抵抗RosAを流れる電流値はバイアス電流1122の電流値Itの半分であるIt/2となる。従って、抵抗RosAによる電圧降下VRosAは、
VRosA=RosA・It/2・・・(1)
と表せる。
次に、上記の状態からスイッチSWCTR1のみが閉じ、且つ電流源切り替えスイッチ404が閉じた場合、電流源Ipdによる電流が上記の定電流It/2に加算されて抵抗RosAに流れる。その結果、抵抗RosAによる電圧降下VRosA´は、
VRosA´=RosA・Ipd+RosA・It/2・・・(2)
と表せる。
従って、加算された電流Ipdに起因する抵抗RosAによる電圧降下の変化分vosAは、式(1)と式(2)との差から、
vosA=RosA・Ipd・・・(3)
と表せる。
よって、この電圧降下の変化分vosAだけPMOSトランジスタ1102のゲート−ソース間電圧が減少し、その結果としてPMOS1102を流れる電流値が減少する。その電流値の変化分iosは、PMOS1102の相互コンダクタンスをgmpとして、
ios=vosA・gmp・・・(4)
と表せる。
従って、式(4)で示される電流値の変化分iosを生じるNMOSトランジスタ1100の入力換算オフセット電圧vosiは、NMOSトランジスタ1100の相互コンダクタンスをgmnとして、
vosi=ios/gmn・・・(5)
と表せる。
式(5)は、式(4)を代入すると、
vosi=vosA・gmp/gmn・・・(6)
と変形される。
従って、本回路を用いる事により、式(6)で示される入力換算オフセット電圧vosiを得る事ができる。換言すれば、上記抵抗および電流を調整することにより、オフセット電圧補正量として入力換算オフセット電圧vosiを得ることができる。
次に、入力換算オフセット電圧vosiとして50[μV]が必要な場合の各素子値と電流値を式(6)に基づいて具体的に求めた一例を示す。
式(6)におけるgmp/gmnは、増幅器の設計に依存するものであって一般的に1前後の値である。そこで、gmp/gmn=1と仮定すると、式(6)からvosA=vosi・gmn/gmp=50[μV]である。ここで、式(3)からvosA=Ipd・RosAであるから、例えばIpd=1[μA]の条件とすると、RosA=50μ/1μ=50[Ω]となる。
このことは、差動増幅器が入力換算オフセット電圧50[μV]を有した場合に、本オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器は、抵抗RosAとオフセット電圧補正用電流とにより、それを補正して等価的にオフセット電圧が無いものとする事ができることを意味している。さらに、抵抗RosA又は電流Ipdを変化させれば、オフセット電圧補正量(入力換算オフセット電圧の大きさ)を自由に変化させる事ができる。
上述してきた説明においては、抵抗RosA側にオフセット電圧補正用電流を発生させる例を示したが、SWCTR1をオフにし、SWCTR2をオンにして抵抗RosB側にオフセット電圧補正用電流を発生させれば、極性が逆の入力換算オフセット電圧が得られる。
本オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器では、オフセット電圧補正用電流源Ipd及び抵抗RosAがPMOSトランジスタ1102のソース電圧を制御する事でオフセット電流iosを得ている。そのゲート−ソース間電圧は、抵抗RosAと電流Ipdにより決定された電圧vosAにより制御され、その結果オフセット電流iosは、式(4)で示したios=vosA・gmpで決定される。
即ち、入力換算オフセット電圧vosiは、式(6)で示したvosi=vosA・gmp/gmnで決定されるため、オフセット電流iosを電流源によって直接的に与えるよりも感度が低く制御できる。
オフセット電圧補正用電流値の一例を求めると、本オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器では50[μV]の入力換算オフセット電圧を得るために必要なオフセット電圧補正用電流は、前述の通り抵抗RosA=50[Ω]の場合でIpd=1[μA]であり、従来技術よりも精度良く得る事ができる。さらに、抵抗RosA=5[Ω]とすれば、必要な電流はIpd=10[μA]であり、より精度良く得られる。つまり、設計者は抵抗RosAとオフセット電圧補正用電流Ipdの組み合わせをvosA=50[μV]となる様に自由に決める事ができるので、オフセット電圧補正用電流を自由に設定できる。
即ち、本オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器においては、同じ大きさの入力換算オフセット電圧を得るために従来技術よりも大きなオフセット電圧補正用電流を用いる事ができる。その様な大きな電流値は、小さな電流値と比較して高精度に得る事ができるため、オフセット電圧補正量(入力換算オフセット電圧)をより精度良く制御する事ができる。
また、本オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器においては、従来技術よりも大きいオフセット電圧補正用電流を用いて小さい入力換算オフセット電圧を得る事もできるので、入力換算オフセット電圧の最少分解能を小さくする事が可能となり差動増幅器のオフセット電圧補正量を高精度に設定することができる。
これらに加えて、本オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器では入力換算オフセット電圧のプロセス変動に対する感度が低くなるので、特性変動が抑制され、プロセス変動に対して特性が安定化される。その理由は、プロセス変動が生じた際にNMOSとPMOSの相互コンダクタンスgmが、それぞれ同じ様に変動する傾向を有するので、数式(6)から理解されるように、それらの比である「gmp/gmn」は約一定となり、変動分を互いに打ち消しあうためである。例えばゲート酸化膜容量Coxが変化した場合、PMOSもNMOSも同じ割合で同じ方向に相互コンダクタンスgmが変化すると考えられる。従って、式(6)においてgmp/gmnの値は大きく変動しないので、オフセット電圧補正量に相当する入力換算オフセット電圧vosiは大きく変化せず、その変動が抑制される。
この様に、本オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器によれば、オフセット電圧補正量が環境変化に影響を受けにくく、差動増幅器のオフセット電圧を精度良く補正する事ができる。
次に、本オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器のオフセット電圧値設定動作を説明する。
本回路は、制御回路409から出力される4ビットのバイナリコードの各ビットに応じて電流源切り替えスイッチ401〜404を切り替える事で抵抗RosA、RosBに流す電流値を変化させ、最適な入力換算オフセット電圧値を設定できる。
例えば、制御回路409から出力されるバイナリコードが0000の場合、電流源切り替えスイッチ401〜404はすべてオフであり、バイナリコードが1001の場合、電流源切り替えスイッチ401はオン、402、403はオフ、404はオンとなる。4ビットのバイナリコードを用いたのは一例であり、この例に限定されるものではない。
また、電流源405〜408は、電流値に重み付けがなされており、この例では、電流源408は、電流値ipd、電流源407は、電流値2ipd、電流源406は、電流値4ipd、電流源405は、電流値8ipdである。このような電流値とする事により、4ビットのバイナリコードを順次切り替える事で、電流値ipdを最小単位として最小0から最大15ipdの範囲で任意の電流値に設定する事が可能となる。
また、スイッチSWCTR1がオン、SWCTR2がオフの時には抵抗RosAに電流が流れるのに対して、スイッチSWCTR1がオフ、SWCTR2がオンの時には抵抗RosBに電流が流れるため、極性の異なるオフセット電圧を付加する事ができる。
制御回路409は、電流源切り替えスイッチ401〜404のオン、オフを制御する。
次に、上述してきたオフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器を用いてオフセット電圧を補正する方法を示す。
図5は、オフセット電圧補正方法を示したフローチャートである。
以下に説明するオフセット電圧補正方法は、前出の図3を用いて説明したD級増幅器のオフセット電圧補正方法におけるステップS4〜S6に相当するものである。
まず、制御回路409は、スイッチSWCTR1をオンし、SWCTR2をオフする(ステップS51)。
次に、制御回路409は、電流源切り替えスイッチ401〜404をすべてオンする(ステップS52)。即ち、図4に示した回路例では、バイナリコードが1111に設定される。
次に、制御回路409は、電流源切り替えスイッチをバイナリコードで1オフする(ステップS53)。例えば、バイナリコードが1111であった場合には1110に設定され、電流源切り替えスイッチ404のみがオフする。
次に、制御回路409は、本オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器の出力信号AOUTP,AOUTNに接続され、それらの大きさを比較するコンパレータ140(図1に記載)の出力信号Compの信号レベルが反転したか否かを判定する(ステップS54)。出力信号Compの信号レベルが反転すると、オフセット電圧の極性が反転した事を意味するので、その条件が適当なオフセット電圧補正条件となる。
出力信号Compの信号レベルが反転した場合(ステップS54;Yes)、制御回路409は、バイナリコードをレジスタに記憶して(ステップS59)、処理を終了する。出力信号Compの信号レベルが反転しなかった場合(ステップS54;No)、ステップS55へ移行する。
次に、制御回路409は、電流源切り替えスイッチがすべてオフであるか否かを判定する(ステップS55)。すべてオフであった場合(Yes)、ステップS56へ移行する。すべてオフではなかった場合(No)、ステップS53へ戻る。
次に、制御回路409は、スイッチSWCTR1をオフし、SWCTR2をオンする(ステップS56)。これにより、逆極性のオフセット電圧が付加できる。
次に、制御回路409は、電流源切り替えスイッチをバイナリコードで1オンする(ステップS57)。例えば、図4に示した4ビット構成の場合にバイナリコードが0000であった場合には0001になり、電流源切り替えスイッチ404のみがオンする。
次に、制御回路409は、コンパレータ140の出力信号Compの信号レベルが反転したか否かを判定する(ステップS58)。出力信号Compの信号レベルが反転した場合(ステップS58;Yes)、制御回路409は、バイナリコードをレジスタに記憶して(ステップS60)、処理を終了する。出力信号Compの信号レベルが反転しなかった場合(ステップS58;No)、ステップS59へ移行する。
次に、制御回路409は、電流源切り替えスイッチがすべてオンであるか否かを判定する(ステップS59)。すべてオンであった場合(Yes)、制御回路409は、バイナリコードをレジスタに記憶して(ステップS60)、処理を終了する。すべてオンではなかった場合(No)、ステップS57へ戻る。
上述したようなオフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器を用いる事により、本実施形態に係るD級増幅器が実現出来る。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態とは異なる構成のD級増幅器においてオフセット電圧を補正する例について説明する。具体的には、パルス幅変調回路120として別の回路を用いたD級増幅器の例を示す。
図6は、本発明の第2実施形態に係るD級増幅器に用いられるパルス幅変調回路の回路図である。
同図に示すパルス幅変調回路を用いて構成されたD級増幅器(図1に示したD級増幅器の構成と同一)は、外部の信号源SIGからのアナログ入力信号AINの信号レベルに応じて2つの出力端子の一方から所定レベルの信号を出力すると共に、他方から、三角波信号と前記信号レベルとを比較することにより上記アナログ入力信号をパルス幅変調して得られたパルス信号OUTP,OUTMを生成して出力するように構成された所謂フィルタレス型のD級増幅器である。
次に、本実施形態に係るD級増幅器に用いられるパルス幅変調回路の構成を詳細に説明する。パルス幅変調回路120は、パルス幅変調部1200と、三角波発生回路1400と、信号変換部1510とから構成される。
パルス幅変調部1200は、コンパレータ121,122から構成される。このうち、コンパレータ121の非反転入力部は上記オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の非反転出力部に接続され、コンパレータ122の非反転入力部は上記オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111の反転出力部に接続される。これらコンパレータ121,122の各反転入力部には、三角波発生回路1400から三角波信号(周期および波高値が一定の三角波信号)が共通に入力される。
信号変換部1510は、インバータ151A,151B,151F,151G、遅延部151E、否定的論理積ゲート151C,151Hから構成される。
ここで、インバータ151Aの入力部には、上述のパルス幅変調部1200からパルス信号SEが与えられ、このインバータ151Aの出力部はインバータ151Bの入力部に接続される。インバータ151Bの出力部は否定的論理積ゲート151Cの一方の入力部に接続される。
また、遅延部151Eの入力部には、上述のパルス幅変調部1200からパルス信号SFが与えられ、この遅延部151Eの出力部はインバータ151Fの入力部に接続され、このインバータ151Fの出力部はインバータ151Gの入力部に接続される。インバータ151Gの出力部は否定的論理積ゲート151Hの一方の入力部に接続される。否定的論理積ゲート151Cの他方の入力部はインバータ151Fの出力部に接続され、否定的論理積ゲート151Hの他方の入力部はインバータ151Aの出力部に接続される。
次に、本実施形態に係るD級増幅器の動作を説明する。
(1)無信号入力状態
アナログ入力信号AINの信号レベルが0Vの場合、即ち無信号入力状態では、正相信号SCの波形と逆相信号SDの波形とが一致し、且つ、パルス信号SE,SFのデューティ比が50パーセントになるように三角波信号と正相信号SC及び逆相信号SDとの関係が設定されている。
まず、増幅動作を説明する。
パルス幅変調回路以外の動作は、第1実施形態で説明した動作と同一であるため説明は省略する。
パルス幅変調部1200のコンパレータ121,122は、積分回路110から出力される正相信号SC及び逆相信号SDと、三角波発生回路1400から出力される三角波信号とを比較することにより、パルス幅変調されたパルス信号SE,SFを信号変換部1510に出力する。
ここで、パルス信号SE,SFのハイレベルの期間(パルス幅)は正相信号SA及び逆相信号SBの信号レベルに依存し、これら正相信号SA及び逆相信号SBの信号レベルはアナログ入力信号AIN(+),AIN(−)の信号レベルに依存する。従って、パルス信号SE,SFのパルス幅はアナログ入力信号AIN(+),AIN(−)の信号レベルに依存したものとなり、これによりパルス幅変調が実現されている。
続いて、信号変換部1510の動作を説明する。概略的には、信号変換部1510は、上記パルス信号SE,SFを、アナログ入力信号AINの信号レベルに応じて相補的にローレベル(所定レベル)となるパルス信号P,Mに変換する。パルス信号SEは、インバータ151A,151Bを介して否定的論理積ゲート151Cの一方の入力部に与えられる。パルス信号SFは、遅延部151Eで一定時間だけ遅延された後、パルス信号Sdとして遅延部151Eから出力される。このパルス信号Sdはインバータ151Fにより反転されて上記否定的論理積ゲート151Cの他方の入力部に与えられると共に、インバータ151F,151Gを介して、否定的論理積ゲート151Hの他方の入力部に与えられる。
否定的論理積ゲート151Cは、パルス信号SEがハイレベルであり且つパルス信号Sdがローレベルである第1入力条件が満足されると、ローレベルを出力バッファ131に出力する。一方、否定的論理積ゲート151Hは、パルス信号SEがローレベルであり且つパルス信号Sdがハイレベルである第2入力条件(即ち第1入力条件とは相補的な入力条件)が満足されると、ローレベルを出力バッファ132に出力する。
ここで、本実施形態では、上記第1入力条件は、アナログ入力信号AIN(+)の信号レベルの極性が正の場合においてパルス幅変調されたパルス信号SE及びパルス信号Sdの各信号レベルの特定の組み合わせとして設定され、上記第2入力条件は、アナログ入力信号AIN(+)の信号レベルの極性が負の場合においてパルス幅変調されたパルス信号SE及びパルス信号Sdの各信号レベルの特定の組み合わせとして設定されている。
このように互いに相補的な関係にある第1及び第2入力条件を設定することにより、パルス幅変調されたパルス信号SE,SFを、相補的にローレベルに固定される信号P,Mに変換することを可能としている。ただし、この例に限らず、パルス幅変調によるパルス信号SEとパルス信号Sdの各パルス幅の変化分に対応した各信号レベルの組み合わせであれば、任意に設定可能である。
ここで、無信号入力状態では、上記第1入力条件が満足される期間は、パルス信号SEがハイレベルに遷移してからパルス信号Sdがハイレベルに遷移するまでの一定期間であり、この期間は遅延部151Eでの遅延時間tDに相当する。また、上記第2入力条件が満足される期間は、パルス信号SEがローレベルに遷移してからパルス信号Sdがローレベルに遷移するまでの一定期間であり、この期間もまた遅延部151Eでの遅延時間tDに相当する。結局、無信号入力時には、信号変換部1510は、パルス信号SC,SDを遅延時間tDに相当する短いパルス幅(例えばデューティ比が10パーセント)のパルス信号に変換し、これを上記三角波信号の周期で間欠的に出力する。
つまり、前述の否定的論理積ゲート151Cから出力されたパルス信号Pと否定的論理積ゲート151Hから出力されたパルス信号Mとが、出力バッファ131,132にそれぞれ入力され、図7(a)に示す様に反転されて出力パルス信号OUTP,OUTMとして出力され、スピーカを駆動する。
(2)信号入力状態
次に、アナログ入力信号の信号レベルAIN(+)が低下し、その逆極性のアナログ入力信号の信号レベルAIN(−)が上昇した状態では、積分回路110から出力される正相信号SCの信号レベルが上昇すると共に逆相信号SDの信号レベルが低下し、正相信号SCの信号レベルが逆相信号SDの信号レベルを上回る。なお、上述の遅延部151Eの遅延時間を無視している。
この結果、パルス信号SEのデューティ比が増加すると共に、パルス信号SFのデューティ比が減少する。従って、前述の第2入力条件が満足されることがなくなるので、図7(b)に示す様に出力パルス信号OUTMがローレベルに固定される。また、出力パルス信号OUTPのパルス幅は、アナログ入力信号AINの信号レベルに応じてパルス幅変調されたものとなる。
一方、アナログ入力信号の信号レベルAIN(+)が上昇し、その逆極性のアナログ入力信号の信号レベルAIN(−)が低下した状態では、積分回路110から出力される正相信号SCの信号レベルが低下すると共に逆相信号SDの信号レベルが上昇し、逆相信号SDの信号レベルが正相信号SCの信号レベルを上回る。なお、上述の遅延部151Eの遅延時間を無視している。
この結果、パルス幅変調部1200から出力されるパルス信号SEのデューティ比が減少すると共に、パルス信号SFのデューティ比が増加する。従って、前述の第1入力条件が満足されることがなくなるので、図7(c)に示す様に出力パルス信号OUTPがローレベルに固定される。また、出力パルス信号OUTMのパルス幅は、アナログ入力信号AINの信号レベルに応じてパルス幅変調されたものとなる。
以上のように、通常の増幅動作では、アナログ入力信号に応じて出力パルス信号OUTP,OUTMのうちの一方がローレベルに固定され、他方がパルス幅変調されたパルスを含んだものとなる。このような出力パルス信号OUTP,OUTMがスピーカに供給されると、スピーカの入力端子間に差電圧が発生し、スピーカが駆動される。
このように、本実施形態に係るD級増幅器は、D級増幅器の出力端子T21,T22に接続されるローパスフィルタを使用することなく、スピーカを駆動することができる所謂フィルタレス型の増幅器として機能することができる。
次に、オフセット電圧発生動作を説明する。
本実施形態に係るD級増幅器においても、オフセット電圧は第1実施形態と同じ原理で発生する。本実施形態における無信号入力時の出力パルス信号OUTP,OUTMの平均値は、パルス幅に依存するものであって、例えば約1Vである。一方、信号SA,SBの平均電圧は、それぞれ1.65Vであるから、入力抵抗R31,R32及び帰還抵抗R41,R42にその電位差に応じた電流が流れる。従って、正相側と逆相側の抵抗値に差が存在する場合には、出力にオフセット電圧が発生する。
本実施形態においても、オフセット電圧補正動作は第1実施形態で説明した動作と同一であり、図3に示したフローに沿って行われる。その結果、正相側と逆相側との抵抗値の差に起因するオフセット電圧に加え、差動演算増幅器の有するオフセット電圧も同時に補正する事が出来る。
以下に、第1実施形態及び第2実施形態の効果をまとめる。
これまでに説明してきた実施形態によれば、この種の増幅器における入力抵抗と帰還抵抗の正相側と逆相側とで抵抗値に差が存在する場合に生じるオフセット電圧を、極めて簡単な構成(スイッチSWOS1,SWOS2,SWOUT1,SWOUT2、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器111、出力バッファ131,132の備える出力インピーダンス制御手段、コンパレータ140、制御回路141、オフセット電圧補正用直流電圧源160)を追加するだけで効果的に補正することが可能になる。
また、上記オフセット電圧に加えて、差動演算増幅器のオフセット電圧も含めて一度のオフセット電圧補正動作によって同時に補正する事が可能である。
また、スイッチSWOS1,SWOS2をオフするため、入力信号が入力されている状態であってもオフセット電圧補正を行う事が可能である。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、具体的な構成は本実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器はいかなる構成の回路でも良く、図4に示した回路に限定されるものではない。また、D級増幅器の構成もいかなる構成でも良い。また、オフセット電圧補正用直流電圧源の電圧は、無信号入力時の出力パルス信号の平均電圧に限られず、例えば0V(グランド電圧)又は任意の電圧でも良い。
本発明の第1実施形態に係るD級増幅器の回路図である。 同上のD級増幅器の波形図である。 同上のD級増幅器のオフセット電圧補正方法を示したフローチャートである。 同上のD級増幅器に用いられるオフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器の回路図である。 同上のD級増幅器に用いられるオフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器のオフセット電圧補正方法を示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るD級増幅器に用いられるパルス幅変調回路の回路図である。 同上のD級増幅器の波形図である。 従来技術に係るD級増幅器の回路図である。
符号の説明
R11,R12;入力抵抗、R21,R22;帰還抵抗、SWOUT1,SWOUT2;スイッチ、100;入力段増幅回路、110;積分回路、120;パルス幅変調回路、130;駆動回路、140;コンパレータ、141;制御回路、160;オフセット電圧補正用直流電圧源、1200;パルス幅変調部、1400;三角波発生回路、1510;信号変換部。

Claims (6)

  1. 入力信号を入力する入力手段と、
    オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器からなり、前記入力手段を介して入力された入力信号を積分する積分手段と、
    前記積分手段の積分結果をパルス幅変調して前記積分結果がパルス幅に反映されたパルス信号を生成する変調手段と、
    前記パルス信号を出力する出力手段と、
    前記出力手段の出力信号を前記入力信号に重畳させて前記積分手段に帰還させる帰還手段と、
    前記入力手段を無信号入力状態に設定する入力制御手段と、
    前記無信号入力状態時に前記帰還手段によって帰還されるべき電圧に前記出力手段の出力信号の電圧を設定する出力制御手段と
    を備え
    前記出力制御手段が、
    前記出力手段の出力インピーダンスをハイインピーダンス状態に制御する出力インピーダンス制御手段と、
    前記帰還手段によって帰還されるべき電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記出力手段の出力と前記帰還手段の一端との接続を開放し、該帰還手段の一端を前記電圧印加手段に接続する信号経路制御手段と
    を備えた事を特徴とするD級増幅器。
  2. 前記入力制御手段が、
    前記入力手段の入力抵抗と差動演算増幅器の入力部との間に接続されたスイッチである事を特徴とする請求項1に記載のD級増幅器。
  3. 入力信号を入力する入力手段と、
    オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器からなり、前記入力手段を介して入力された入力信号を積分する積分手段と、
    前記積分手段の積分結果をパルス幅変調して前記積分結果がパルス幅に反映されたパルス信号を生成する変調手段と、
    前記パルス信号を出力する出力手段と、
    前記出力手段の出力信号を前記入力信号に重畳させて前記積分手段に帰還させる帰還手段と、
    前記入力手段を無信号入力状態に設定する入力制御手段と、
    前記無信号入力状態時に前記帰還手段によって帰還されるべき電圧に前記出力手段の出力信号の電圧を設定する出力制御手段と
    を備え
    前記入力制御手段が、
    前記入力手段の入力抵抗と差動演算増幅器の入力部との間に接続されたスイッチである事を特徴とするD級増幅器。
  4. 前記入力信号をパルス幅変調して該入力信号の信号レベルに応じてデューティ比が相補的に変化する第1及び第2パルス信号を生成して出力するように構成された事を特徴とする請求項1ないし3の何れか1項記載のD級増幅器。
  5. 前記入力信号の信号レベルに応じて第1および第2の出力端子の一方から所定レベルの信号を出力すると共に、前記第1および第2の出力端子の他方から、パルス幅変調された前記パルス信号を出力するように構成された事を特徴とする請求項1ないし3の何れか1項記載のD級増幅器。
  6. 入力信号を入力する入力手段と、
    オフセット電圧補正機能を備えた差動演算増幅器からなり、前記入力手段を介して入力された入力信号を積分する積分手段と、
    前記積分手段の積分結果をパルス幅変調して前記積分結果がパルス幅に反映されたパルス信号を生成する変調手段と、
    前記パルス信号を出力する出力手段と、
    前記出力手段の出力信号を前記入力信号に重畳させて前記積分手段に帰還させる帰還手段と、
    前記入力手段を無信号入力状態に設定する入力制御手段と、
    前記無信号入力状態時に前記帰還手段によって帰還されるべき電圧に前記出力手段の出力信号の電圧を設定する出力制御手段と
    を備え
    前記入力信号をパルス幅変調して該入力信号の信号レベルに応じてデューティ比が相補的に変化する第1及び第2パルス信号を生成して出力するように構成された事を特徴とするD級増幅器。
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