JP5069323B2 - ポップ音防止回路およびポップ音防止方法 - Google Patents

ポップ音防止回路およびポップ音防止方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポップ音防止回路およびポップ音防止方法に関し、特にオーディオアンプの出力オフセットに起因するポップ音の発生を防止することのできるポップ音防止回路およびポップ音防止方法に関する。
携帯音楽プレーヤや携帯電話機、ゲーム等の電子機器で、電源を投入した時や切断した時、またミュート状態からミュート解除等を行ったときに発生する電圧変動が、スピーカやヘッドホンからポップ音として聞こえることがある。
このような、ポップ音が出力されるのを防止するためのポップ音防止回路として、例えば特許文献1の音声出力装置および音声出力方法がある。このポップ音防止回路においては、パワーオン時に、まず、基準電圧を抵抗およびキャパシタの時定数により決定される50ms程度の時間で緩やかに立ち上げる。次に、スピーカの両端子間をショートした状態で、一方のドライバの出力をグランドレベルから40ms程度かけて動作点まで緩やかに立ち上げる。最後に、他方のドライバの出力を緩やかに立ち上げる。また、パワーダウン時には、スピーカに接続される一方の端子をグランドに接続し、他方の端子をハイインピーダンスにする。
上述したような手順によって、スピーカとオーディオアンプとを接続する際に、基準電圧やドライバを立ち上げるタイミングを調整し、スピーカやヘッドホンに出力される電圧変動を緩やかにして可聴帯域の信号成分をなくすことで、パワーオンおよびパワーダウン時に発生するポップ音を防止していた。
特開2009−94635号公報
しかしながら、上述したポップ音防止回路では、スピーカとオーディオアンプとを接続した際に、アンプの出力オフセットによりスピーカの接続端子間の差電圧が変化することによって、スピーカからポップ音が出力される場合があった。
また、上述したポップ音防止回路は、基準電圧やドライバを立ち上げるために時間を要するため、パワーオンおよびパワーダウン時に時間を多く要した。
さらに、上述したポップ音防止回路では、パワーダウン時にスピーカの接続端子をグランドに接続するため、スピーカの接続端子が電源等にショートすると、接続の抵抗値にもよるが過電流が流れることによる発熱の可能性もあった。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑み、パワーオンに時間を要さずに、オーディオアンプの出力オフセットに起因するポップ音を防止することのできるポップ音防止回路およびポップ音防止方法を提供することを目的とする。
本発明に係るポップ音防止回路およびポップ音防止方法は、上記の目的を達成するために、次のように構成される。
本発明に係る第1のポップ音防止回路は、自回路に接続される負荷からポップ音が出力されるのを防止するポップ音防止回路であって、入力信号と基準電圧との差電圧を増幅する差動入力用アンプと、前記差動入力用アンプの出力オフセットを補正する出力オフセット補正手段と、前記出力オフセット補正手段によって前記出力オフセットが補正された前記差動入力用アンプから出力される電圧を増幅する出力用アンプと、前記差動入力用アンプと前記出力用アンプとの間の電気的接続状態を切り替えるための第1のスイッチング手段と、前記出力用アンプと前記負荷との間の電気的接続状態を切り替えるための第2のスイッチング手段と、を2組備え、さらに、2組の前記第1および第2のスイッチング手段の電気的接続状態をオン状態とオフ状態とのいずれかにそれぞれ設定することにより、最初に前記出力オフセット補正手段によって前記差動入力用アンプの出力オフセットを補正する出力オフセット補正フェーズが実行され、次に前記出力用アンプによって前記差動入力用アンプから出力される電圧を入力として、前記負荷を所定の通常駆動力よりも弱い駆動力であるダミー駆動力でダミー駆動するダミー駆動フェーズが実行され、次に前記出力用アンプによって前記差動入力用アンプから出力される電圧を入力として、前記負荷を前記通常駆動力で通常駆動する通常駆動フェーズが実行されるように制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
上記のポップ音防止回路によれば、負荷を通常駆動させる際、オフセットキャリブレーションフェーズ、ダミー駆動フェーズ、通常駆動フェーズの一連の順番で負荷を駆動させる。まず、負荷とアンプとが接続される前に、オフセットキャリブレーション処理を行い、差動入力用アンプの出力オフセットを最小にしておくことで、後段に接続される負荷に入力されるDC電圧の変位量を最小にしておく。これにより、負荷を接続したときに、アンプの出力オフセットにより負荷からポップ音が出力されるのを防止することが可能となる。さらに、オフセットキャリブレーション処理の後に、アンプと負荷とをすぐに接続するのではなく、負荷の片側端子のみをハイインピーダンス状態で、負荷を通常駆動力よりも弱い駆動力であるダミー駆動力で駆動させ、その後に負荷を通常駆動力で駆動させる。このとき、負荷の片側端子のみがハイインピーダンスであるので、負荷の両端子を同電位で保ちながらドライバと同じスピードで動作点まで立ち上げる。このため、基準電圧やスピーカ接続端子を安定動作点まで立ち上げるために多くの時間を必要としない。よって、待ち時間は回路が安定するだけの時間で良く、パワーオンに必要な時間を大幅に短縮することが可能となる。
本発明に係る第2のポップ音防止回路は、前記制御手段は、前記出力オフセット補正フェーズにおいて、2組の前記第1のスイッチング手段の電気的接続状態をオフ状態にそれぞれ設定するとともに、2組の前記第2のスイッチング手段の電気的接続状態をオフ状態にそれぞれ設定することにより、前記負荷の両端子の差電圧が零に保たれ、前記ダミー駆動フェーズにおいて、2組の前記第1のスイッチング手段の電気的接続状態をオン状態にそれぞれ設定するとともに、2組の前記第2のスイッチング手段のうち一方のスイッチング手段の電気的接続状態をオン状態に設定することにより、前記出力用アンプによって前記ダミー駆動力で出力された電圧が前記負荷の一方の端子のみに出力され、前記通常駆動フェーズにおいて、2組の前記第2のスイッチング手段のうち他方のスイッチング手段の電気的接続状態をオン状態に設定することにより、前記出力用アンプによって前記通常駆動力で出力された電圧が前記負荷の両端子に出力されるように制御することを特徴とする。
上記のポップ音防止回路によれば、オフセットキャリブレーションフェーズでは、負荷の両端子間の電圧をパワーダウン時と同じく零(0)に保ち、負荷を駆動させない。また、ダミー駆動フェーズでは、負荷の一方の端子のみに、出力用アンプの出力を接続して、負荷の片側端子のみをハイインピーダンスにする。これにより、負荷の両端子を同電位のまま、ドライバと同じスピードで動作点まで立ち上げる。最後に、通常駆動フェーズでは、負荷の両端子間に、出力用アンプによって通常駆動力で信号が出力され、負荷を通常駆動状態で駆動させることが可能となる。
本発明に係る第3のポップ音防止回路は、前記制御手段は、2組の前記第2のスイッチング手段の電気的接続状態をオフ状態にそれぞれ設定することにより、前記通常駆動フェーズが終了するように制御することを特徴とする。
上記のポップ音防止回路によれば、パワーダウン時には、負荷の両端子間をハイインピーダンス状態にしてパワーダウンさせる。このため、負荷の両端子間に差電圧が発生しない。よって、負荷からポップ音が出力されるのを防止することが可能となる。
本発明に係る第4のポップ音防止回路は、前記ダミー駆動フェーズにおいて、前記負荷をダミー駆動する前記出力用アンプと前記負荷との間に接続される抵抗素子を備えることを特徴とする。
上記のポップ音防止回路によれば、ダミー駆動フェーズの最初と、通常駆動フェーズの終了時とに、負荷の両端子間に1μ秒程度の電圧が瞬間的に発生する。この電圧は、瞬間的なものであるため可聴音とはならないが、この電圧を抵抗素子によってより小さく抑えることが可能となる。
本発明に係るポップ音防止方法は、負荷からポップ音が出力されるのを防止するポップ音防止方法であって、出力オフセット補正フェーズにおいて、前記負荷の両端子の電圧を零の状態で差動入力用アンプの出力オフセットを補正する出力オフセット補正処理と、ダミー駆動フェーズにおいて、前記出力オフセットが補正された前記差動入力用アンプから出力される電圧を、出力用アンプによって所定の通常駆動力よりも弱い駆動力であるダミー駆動力で出力し、当該出力した電圧を前記負荷の一方の端子のみに出力して前記負荷を駆動するダミー駆動処理と、前記通常駆動フェーズにおいて、前記出力オフセットが補正された前記差動入力用アンプから出力される電圧を、前記出力用アンプによって前記通常駆動力で出力し、当該出力した電圧を前記負荷の両端子に出力して前記負荷を駆動する通常駆動処理と、前記負荷の両端子をハイインピーダンスにして前記負荷の駆動を停止する駆動停止処理と、を有することを特徴とする。
上記のポップ音防止方法によれば、上記第1のポップ音防止回路と同様の作用を得ることが可能となる。
本発明によれば、負荷を通常駆動させる際、オフセットキャリブレーションフェーズ、ダミー駆動フェーズ、通常駆動フェーズの一連の順番で負荷を駆動させる。まず、負荷とアンプとを接続する前に、オフセットキャリブレーション処理を行うことで、負荷を接続したときに負荷に入力されるDC電圧の変位量を最小にしておく。これにより、アンプの出力オフセットによって負荷からポップ音が出力されるのを防止することができる。
さらに、本発明によれば、オフセットキャリブレーション処理の後に、アンプと負荷をすぐに接続して負荷の両端子に接続される2つのドライバを立ち上げるのではなく、2つのドライバをダミー駆動させた後に通常駆動させるように段階的に立ち上げる。負荷の一方の端子のみをハイイピーダンスにすることで、負荷の両端子間の電圧を同電位で、ドライバと同じスピードで立ち上げる。このため、従来技術で説明したように基準電圧やスピーカ接続端子から出力する信号を立ち上げるために多くの時間を必要としない。よって、待ち時間は回路が安定するまでの時間だけで良く、パワーオンに要する時間を大幅に短縮することができる。
また、本発明によれば、パワーダウン時には、負荷の両端子間をハイインピーダンスにしてパワーダウンさせる。このため、負荷の両端子間に差電圧が発生することがなく、スピーカからポップ音が出力されるのを防止することができる。
本発明に係るポップ音防止回路10の構成を示す回路図である。 制御部11の構成を示すブロック図である。 本発明に係るポップ音防止回路10のオフセットキャリブレーションフェーズにおける等価回路図である。 差動入力用アンプA2a,A2bの内部のキャリブレーション回路30の構成を示す回路図である。 差動入力用アンプA2a,A2bに出力される調整用電圧Vcal2と、差動入力用アンプA2a,A2bから出力される比較結果CMPとの関係を示すグラフである。 本発明に係るポップ音防止回路10のダミー駆動フェーズにおける等価回路図である。 本発明に係るポップ音防止回路10の通常駆動フェーズにおける等価回路図である。 本発明に係るポップ音防止回路10の各フェーズにおける信号波形を示すタイムチャートである。
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において参照する各図では、他の図と同等の構成要素は同一符号によって示す。
(ポップ音防止回路10の構成)
まず、図1を参照して、本発明に係るポップ音防止回路10の構成を説明する。図1は、本発明に係るポップ音防止回路10の構成を示す回路図である。
図1に示すポップ音防止回路10は、制御部11、シングル−ディファレンシャル回路12、入力用抵抗R1a,R1b、基準電圧生成用アンプA1、差動入力用アンプA2a,A2b、ダミー出力用アンプA3a,A3b、通常出力用アンプA4a,A4b、スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW7a,SW7b、調整用電圧出力回路13a,13b、比較結果出力用アンプA5a,A5b、ダミー駆動用帰還抵抗R2a,R2b、通常駆動用帰還抵抗R3a,R3bおよび出力用抵抗R4を備えて構成される。
制御部11は、外部からパワーオン信号PWRを入力し、スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW7a,SW7bの電気的接続状態を切り替えるための制御信号φ1〜φ4を出力し、ポップ音防止回路10の全体を統括して制御するものである。
シングル−ディファレンシャル回路12は、オーディオ信号を入力信号として入力し、この入力信号を、シングル信号からディファレンシャル信号に変換する回路である。そして、このシングル−ディファレンシャル回路12から、2つの入力信号FDP,FDNが出力される。
入力用抵抗R1a,R1bは、シングル−ディファレンシャル回路12と差動入力用アンプA2a,A2bの反転入力端子との間に接続され、シングル−ディファレンシャル回路12から出力される信号がVCP−VCN間に出力されるまでのゲインを決定するためのものである。通常R3a/R1a=R2a/R1a、R3b/R1b=R2b/R1bに設定する。
基準電圧生成用アンプA1は、コモンモード電圧Vcmsを所定のゲインで増幅し、基準電圧Vcms_bを生成するためのアンプである。
差動入力用アンプA2a,A2bは、コモンモード電圧Vcmsを所定のゲインで増幅して生成された基準電圧Vcms_bを基準電圧とし、入力信号FDP,FDNのコモンモードのオフセット電圧や差動入力用アンプA2a,A2b自体の入力換算オフセット電圧等のオフセットを除去することで出力オフセットが除去された信号を出力するアンプである。
また、差動入力用アンプA2a,A2bは、基準電圧Vcms_bを入力信号FDP,FDNの基準電圧とし、差動入力用アンプA2a,A2bの出力オフセットを除去するためのオフセットキャリブレーション時に、後述する調整用電圧Vcal1,Vcal2によって変化する2つの差動出力電流を比較する比較器になる、そして、差動入力用アンプA2a,A2bは、2つの電流値が等しくなって上述した出力オフセットの極性が反転した時点で、比較結果CMPをLレベルからHレベルまたはHレベルからLレベルに反転して出力する。
ダミー出力用アンプA3a,A3bは、差動入力用アンプA2a,A2bから出力される出力オフセットが除去された入力信号を、通常駆動状態における駆動力である通常駆動力よりも弱い駆動力であるダミー駆動力で出力するアンプである。つまり、ダミー出力用アンプA3a,A3bは、スピーカSPを通常駆動状態で駆動させるためのものではなく、ポップ音防止回路10と共にスピーカSPの出力端子VCP、VCNを安定動作点まで立ち上げる(ダミー駆動状態で駆動させる)ためのものである。
通常出力用アンプA4a,A4bは、差動入力用アンプA2a,A2bから出力される出力オフセットが除去された入力信号を、スピーカSPを通常駆動時の駆動力で出力するアンプである。なお、上述したダミー出力用アンプA3a,A3bはポップ音防止回路10を安定動作点まで立ち上げると共に、スピーカSPの出力端子VCP,VCNを安定動作点まで立ち上げるためのものである。このため、ダミー出力用アンプA3a,A3bはスピーカSPに電流を供給する必要がないため、ダミー出力用アンプA3a,A3bの駆動力は通常出力用アンプA4a,A4bの駆動力よりも弱くてもよい。
スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW7a,SW7bは、制御部11からの制御信号φ1〜φ4に基づいて、電気的接続状態をオン状態とオフ状態とのいずれかに設定することによって、入力信号FDP,FDNの出力オフセットをなくすオフセットキャリブレーション処理を行うためのオフセットキャリブレーション回路、ポップ音防止回路10と共にスピーカSPの出力端子VCP,VCNを安定動作点まで立ち上げるためのダミー駆動用回路、およびスピーカSPを通常駆動させるための通常駆動用回路を形成するための素子である。
調整用電圧出力回路13a,13bは、差動入力用アンプA2a,A2bに対して、オフセットキャリブレーション処理を行うために調整用電圧Vcal1,Vcal2を出力するための回路である。
比較結果出力用アンプA5a,A5bは、差動入力用アンプA2a,A2bから出力される比較結果CMPを増幅して、比較出力が電源またはグランドまでスイングできるようにするための回路である。
ダミー駆動用帰還抵抗R2a,R2bは、ダミー出力用アンプA3a,A3bから出力された信号を差動入力用アンプA2a,A2bの反転入力端子側に帰還させるための帰還回路の途中に接続される帰還抵抗である。
通常駆動用帰還抵抗R3a,R3bは、通常出力用アンプA4a,A4bから出力された信号を差動入力用アンプA2a,A2bの反転入力端子側に帰還させるための帰還回路の途中に接続される帰還抵抗である。
出力用抵抗R4は、ダミー出力用アンプA3aの出力端子および通常出力用アンプA4aの出力端子とスピーカ接続端子VCPとの間に接続され、スイッチ切り替え時にダミー出力用アンプA3aから出力される電圧の過渡的な変化を抑えるための抵抗素子である。
本実施形態に係るポップ音防止回路10は、差動入力用アンプA2a,A2bの差動入力ステージと、ダミー出力用アンプA3a,A3bおよび通常出力用アンプA4a,A4bの出力ステージとからなる2ステージで構成されている。なお、ポップ音防止回路10を構成するステージ数は2ステージに限定されず、負荷の容量や用途等に合わせて任意のステージ数で構成すれば良い。
また、ポップ音防止回路10の後段には、スピーカ接続端子VCP,VCNを介して負荷としてスピーカSPが接続される。従って、ポップ音防止回路10は、スピーカ接続端子VCPを介してスピーカSPと接続される上ステージ側のドライブと、スピーカ接続端子VCNを介してスピーカSPと接続される下ステージ側のドライブとの2つのドライブを有する。なお、本実施形態において、ポップ音防止回路10の後段に接続されるスピーカSPは、8Ω程度のインピーダンスを有するものとして説明する。
(制御部11の構成)
続いて、図2を参照して、制御部11の構成を説明する。図2は、制御部11の構成を示すブロック図である。
図2に示す制御部11は、クロック信号生成部11a、制御信号生成部11bおよびOR回路11cを備えて構成される。
クロック信号生成部11aは、所定の周波数のクロック信号φ0を生成し、制御信号生成部11bに出力するための回路である。
制御信号生成部11bは、パワーオン信号PWRをLレベルからHレベルで入力すると、クロック信号φ0に合わせて、スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW7a,SW7bの電気的接続状態を切り替えるための制御信号φ1,φ3,φ4を生成する。
OR回路11cは、制御信号φ1と制御信号φ3とを入力し、そのOR値を制御信号φ2として出力するための回路である。
(ポップ音防止回路10のオフセットキャリブレーションフェーズにおける動作)
続いて、本発明に係るポップ音防止回路10の各フェーズにおける動作を説明する。
まず、図3〜図5を参照して、本発明に係るポップ音防止回路10のオフセットキャリブレーションフェーズにおける動作を説明する。図3は本発明に係るポップ音防止回路10のオフセットキャリブレーションフェーズにおける等価回路図であり、図4は差動入力用アンプA2a,A2bの内部のキャリブレーション回路30の構成を示す回路図であり、図5は差動入力用アンプA2a,A2bに出力される調整用電圧Vcal2と、差動入力用アンプA2a,A2bから出力される比較結果CMPとの関係を示すグラフである。
まず、図3に示すように、スイッチング素子SW1a,SW1b,SW2a,SW2bの電気的接続状態がオン状態になり、スイッチング素子SW3a,SW3b〜SW7a,SW7bの電気的接続状態がオフ状態になることで、オフセットキャリブレーション回路が形成される。このオフセットキャリブレーション回路によって、基準電圧Vcms_bを入力信号FDP,FDNの基準電圧とし、差動入力用アンプA2a,A2bの出力オフセットを除去するオフセットキャリブレーションフェーズが実行される。
ここで、差動入力ステージの差動入力用アンプA2a,A2bのゲインをG1、差動入力用アンプA2a,A2bの入力換算オフセットをVoff1、出力ステージの通常出力用アンプA4a,A4bの入力換算オフセットをVoff2とする。すると、差動入力用アンプA2a,A2bと通常出力用アンプA4a,A4bとから負帰還を構成する2ステージアンプの出力Voutは、
Vout=Vcms_b−Voff1−(1/G1)Voff2 ……式(1)
のように表すことができる。
通常、後ステージの通常出力用アンプA4a,A4bの入力換算オフセットVoff2は、前ステージの差動入力用アンプA2a,A2bのゲインG1によって抑えることができる。このため、差動入力用アンプA2a,A2bの入力換算オフセットVoff1を抑えることによって、2ステージアンプの出力Voutを期待値である基準電圧Vcms_bにすることができる。要するに、本実施形態でいうキャリブレーション処理とは、主に差動入力用アンプA2a,A2bの入力換算オフセットVoff1を抑えるための処理のことである。
差動入力用アンプA2a,A2bの非反転入力端子には、Vcms_b電位が入力される。また、差動入力用アンプA2a,A2bの反転入力端子には、シングル−ディファレンシャル回路12から出力される入力信号FDP,FDNが入力される。ただし、入力信号FDP,FDNには、ダミー駆動用帰還抵抗R2a,R2bを介して、Vcms_b電位が加えられている。また、入力信号FDP,FDNに含まれるオフセット電圧Voff1を考慮すると、R2a=R1a、R2b=R1bとした場合、差動入力用アンプA2a,A2bの反転入力端子には、Vcms_b+(1/2)Voff1電位が入力されることになる。
また、図4に示すように、差動入力用アンプA2a,A2bの内部のキャリブレーション回路30は、P型MOSトランジタ31〜33およびN型MOSトランジタ34,35によって構成される。なお、このキャリブレーション回路30はオフセットキャリブレーションが可能なように構成された差動入力用アンプの一例であり、オフセットキャリブレーションが可能な回路であればこの構成に限らない。
そして、キャリブレーション回路30の入力端子PINには、差動入力用アンプA2a,A2bの非反転入力端子から入力された基準電圧Vcms_bが入力される。また、入力端子NINには、差動入力用アンプA2a,A2bの反転入力端子から入力されたVcms_b+(1/2)Voff1が入力される。
また、入力端子PBULKには、調整用電圧出力回路13a,13bから出力される調整用電圧Vcal1=(Vdd−Vcal_min)/2+Vcal_minが入力される。また、入力端子NBULKには、調整用電圧出力回路13a,13bから出力される調整用電圧Vcal2=Vcal_min〜Vddが入力される。
入力端子NBULKに入力されるVcal_min〜Vddの電圧は、調整用電圧出力回路13a,13bから出力することが可能な電圧の範囲である。つまり、Vcal_min〜Vddの電圧は、調整用電圧出力回路13a,13bによって電圧を調整することが可能な範囲である。また、入力端子PBULKに入力される(Vdd−Vcal_min)/2+Vcal_minは、調整用電圧出力回路13a,13bが出力可能な電圧の範囲における中間の値である。
図5に示すように、まず入力端子NBULKには調整用電圧出力回路13a,13bから例えば初期値としてVcal_minが入力される。このとき、図5中に矢印で示す箇所の電流I1,I2の関係は、I1>I2またはI1<I2のいずれかである。このため、I1=I2の状態になるように、調整用電圧出力回路13a,13bは、I1>I2ならば調整用電圧Vcal2をVcal_minからVddまで徐々に増加させていく。また、調整用電圧出力回路13a,13bは、I1<I2ならば、調整用電圧Vcal2をVddからVcal_minまで徐々に減少させていけばよい。
なお、調整用電圧Vcal2を変化させる方法は、どのような方法であっても良い。例えば、調整用電圧Vcal2を1/2、1/2±1/4、1/2±1/4±1/8、……と変化させていき、電流I1と電流I2とを逐次比較していく。また、8ビット程度の逐次比較レジスタ等に逐次比較結果を保持することができるようにしておく。まず、逐次比較結果の上位の4ビットで、大まかに出力オフセットを除去しておく。さらに、逐次比較結果の下位4ビットで、精度良く出力オフセットを除去すると良い。
そして、図5中に矢印で示すI1=I2の状態になったとき、出力端子OUTから出力される比較結果CMPは、LレベルとHレベルとが反転して出力される。このとき、電流I1と電流I2とのずれが最も少なく、差動入力用アンプA2a,A2bの出力オフセットが最も少ない状態である。また、調整用電圧出力回路13a,13bは、このときの調整用電圧Vcal2を保持し、調整用電圧Vcal2を出力し続ける。そして、オフセットキャリブレーションフェーズを終了する。
なお、オフセットキャリブレーションフェーズの動作中は、差動入力用アンプA2a,A2bはパワーオン状態であるが、ダミー出力用アンプA3a,A3bおよび通常出力用アンプA4a,A4bはパワーオフ状態のままである。従って、スピーカSPの両端子とポップ音防止回路10とは切断状態にある。このため、スピーカ接続端子VCP,VCNの端子間電圧は0Vである。つまり、スピーカ接続端子VCP,VCNは、HiZ状態(以下、休止状態という)である。
上述したように、スピーカSPとアンプとが接続される前の段階で、差動入力用アンプA2a,A2bの出力オフセットを除去するオフセットキャリブレーション処理を行うことで、スピーカSPを接続したときにスピーカSPに出力されるDC電圧の変位量を最小にして可聴帯域の信号成分を最小にすることできる。これにより、スピーカSPを接続したときに必然的に発生するスピーカの端子間電圧の変移はおおよそ1mV以下に抑えることができるため、アンプの出力オフセットによってスピーカSPからポップ音が出力されるのを防止することができる。
(ポップ音防止回路10のダミー駆動フェーズにおける動作)
続いて、図6を参照して、本発明に係るポップ音防止回路10のダミー駆動フェーズにおける動作を説明する。図6は、本発明に係るポップ音防止回路10のダミー駆動フェーズにおける等価回路図である。
オフセットキャリブレーションフェーズが終了すると、図6に示すように、スイッチング素子SW3a,SW3b,SW4a,SW4bの電気的接続状態がオン状態になり、スイッチング素子SW1a,SW1b,SW2a,SW2b,SW5a,SW5b〜SW7a,SW7の電気的接続状態がオフ状態になることで、ダミー駆動回路が形成される。そして、ダミー駆動回路によって、スピーカSPをダミー出力用アンプA3a,A3bで駆動するダミー駆動フェーズが実行される。
ダミー駆動フェーズにおいては、スイッチング素子SW1a,SW1bの電気的接続状態が切断状態となり、比較結果出力用アンプA5a,A5bから調整用電圧出力回路13a,13bに比較結果CMPは出力されていない。ただし、上述したように調整用電圧出力回路13a,13bは、オフセットキャリブレーションフェーズで決定した調整用電圧Vcal2を出力し続けている。これにより、差動入力用アンプA2a,A2bからは、基準電圧Vcms_bを基準とし、差動入力用アンプA2a,A2bの出力オフセットを除去した電圧が出力される。
また、このダミー駆動フェーズにおいては、通常出力用アンプA4a,A4bがパワーオフ状態であるが、ダミー出力用アンプA3a,A3bがパワーオン状態となる。また、ダミー駆動用帰還抵抗R2a、R2bにより負帰還が形成され、ポップ音防止回路10をダミー駆動回路として安定動作点まで立ち上げる。そして、ダミー出力用アンプA3a,A3bからは、差動入力用アンプA2a,A2bの出力オフセットが除去された電圧が出力される。ただし、ダミー出力用アンプA3a,A3bは、スピーカSPに電流を供給する必要がないため、その駆動力は、通常出力用アンプA4a,A4bの駆動力と比べて小さい。従って、ダミー出力用アンプA3a,A3bの出力は、Vcms_b電位となる。
そして、スピーカSPの出力端子VCPにはダミー出力用アンプA3aの出力が出力用抵抗R4を介して出力されるため、スピーカSPの出力端子VCPはVcms_b電位となる。しかしながら、ダミー出力用アンプA3bの出力は、スピーカSPの出力端子VCNに接続されないため、オフセットキャリブレーションフェーズのときと同様に、休止状態のままである。つまり、ダミー駆動フェーズにおいては、スピーカSPの一方の端子のみが電気的に接続されていない状態であるハイインピーダンス状態になる。
このため、スピーカ接続端子VCNの電圧は、スピーカ接続端子VCPの電圧と同じVcms_b電位となる。そして、スピーカ接続端子VCNとスピーカ接続端子VCPは同電位の状態のまま、スピーカ接続端子VCP側のドライバと同じスピードで動作点まで安定して立ち上がる。
これにより、従来技術で説明したように基準電圧やスピーカ接続端子から出力する信号をゆっくり立ち上げる必要がない。また、待ち時間はオフセットキャリブレーションに要する時間とドライバの動作が安定するまでの時間だけで良いので、オフセットキャリブレーションの精度にもよるが、待ち時間を2ms程度にすることができる。このように、ドライバのパワーオンに要する時間を大幅に短縮することができる。
そして、スピーカSPが安定動作点に立ち上がるまでダミー駆動フェーズを継続し、スピーカSPが安定動作点まで立ち上がったら、ダミー駆動フェーズが終了する。
(ポップ音防止回路10の通常駆動フェーズにおける動作)
続いて、図7を参照して、本発明に係るポップ音防止回路10の通常駆動フェーズにおける動作を説明する。図7は、本発明に係るポップ音防止回路10の通常駆動フェーズにおける等価回路図である。
ドライバがダミー駆動状態で安定して動作すると、図7に示すように、スイッチング素子SW3a,SW3b,SW5a,SW5b〜SW7a,SW7bの電気的接続状態がオン状態になり、スイッチング素子SW1a,SW1b,SW2a,SW2b,SW4a,SW4bの電気的接続状態がオフ状態になることで、通常駆動回路が形成される。そして、通常駆動回路によって、スピーカSPを通常駆動状態で駆動する通常駆動フェーズが実行される。
通常出力用アンプA4a,A4bは、ダミー駆動フェーズではパワーオフ状態であったが、この通常駆動フェーズではパワーオン状態となる。また、通常駆動フェーズであるので、ダミー出力用アンプA3a,A3bはパワーオフ状態にしても良いが、ダミー出力用アンプA3a,A3bをパワーオフ状態にせずそのままパワーオン状態にしておくことで、ダミー出力用アンプA3a,A3bは、スピーカSPを通常駆動状態で駆動するためのアンプとして、通常出力用アンプA4a,A4bと兼用することができる。これにより、ポップ音防止回路10は、通常駆動用ドライバとして機能する。
通常駆動状態では、出力用抵抗R4がバイパスされるように回路が形成されるため、スピーカSPのスピーカ接続端子VCPは、ダミー出力用アンプA3aおよび通常出力用アンプA4aが出力するスピーカ駆動信号の電圧になる。また、スピーカSPのスピーカ接続端子VCNも、休止状態からダミー出力用アンプA3bおよび通常出力用アンプA4bが出力するスピーカ駆動信号の電位になる。
このように、スピーカSPは、オフセットキャリブレーションフェーズ、ダミー駆動フェーズ、ダミー駆動フェーズの順番でパワーオンされる。なお、スピーカSPをパワーダウンさせる時には、スピーカ接続端子VCP,VCNの端子間に差電圧が発生することがないように、スピーカSPのスピーカ接続端子VCP,VCNをハイインピーダンスにして、スピーカSPをパワーダウンさせる。スピーカ接続端子VCP,VCNの端子間に差電圧が発生することがないため、ポップ音が出力されるのを防止することができる。
なお、パワーダウン時にスピーカ接続端子をグランドに接続することがないため、スピーカ接続端子が電源等にショートしてもパワーダウン時に過電流が発生することがない。また、スピーカ接続端子が電源等にショートした状態でパワーオンすると、当然のことながら過電流が発生してしまうが、過電流保護回路等を用いて回路を保護すれば良い。
(ポップ音防止回路10の動作の流れ)
次に、図8を参照して、本発明に係るポップ音防止回路10の一連の動作の流れを説明する。図8は、本発明に係るポップ音防止回路10の各フェーズにおける電圧波形を示すタイムチャートである。
図8に示すように、制御部11は、外部からパワーオン信号PWRがLレベルからHレベルで入力すると、パワーオン処理を開始し、まず基準電圧Vcms_bを0Vから立ち上げる。
オフセットキャリブレーションフェーズになると、制御信号φ1がHレベルとなると、スイッチング素子SW1a,SW1b,SW2a,SW2bの電気的接続状態がオン状態になる。また、制御信号φ2〜φ4がLレベルであるので、スイッチング素子SW3a,SW3b〜SW7a,SW7bの電気的接続状態がオフ状態のままである。これにより、図3に示したようなオフセットキャリブレーション回路が形成される。
このオフセットキャリブレーション回路により実行されるオフセットキャリブレーション処理では、上述したように基準電圧Vcms_bを入力信号FDP,FDNの基準電圧とし、差動入力用アンプA2a,A2bの出力オフセットを除去する。このため、差動入力用アンプA2a,A2bの出力は、徐々に基準電圧Vcms_bに近づいていく。そして、差動入力用アンプA2a,A2bの出力が基準電圧Vcms_bに安定すると、オフセットキャリブレーション処理が終了する。このとき、ポップ音防止回路10とスピーカSPとは切断状態にある。このため、スピーカSPの出力端子VCP,VCNは休止状態であり、スピーカ接続端子VCP,VCNの端子間電圧は0Vである。
続いて、オフセットキャリブレーションからダミー駆動フェーズになると、制御信号φ2がHレベルとなり、スイッチング素子SW3a,SW3bの電気的接続状態がオン状態になる。また、制御信号φ3がHレベルとなり、スイッチング素子SW4a,SW4bの電気的接続状態がオン状態になる。制御信号φ4はLレベルのままで、制御信号φ1がLレベルとなり、スイッチング素子SW1a,SW1b,SW2a,SW2b,SW5a,SW5b〜SW7a,SW7bの電気的接続状態がオフ状態になる。これにより、図6に示したようなダミー駆動回路が形成される。
このダミー駆動回路によって実行されるダミー駆動状態では、上述したようにポップ音防止回路10をダミー駆動用回路として、差動入力用アンプA2a,A2b、ダミー出力用アンプA3a,A3bが安定動作点まで立ち上がる。このとき、ポップ音防止回路10とスピーカSPの出力端子VCPとが接続され、スピーカSPの出力端子VCNは休止状態のままである。このため、スピーカ接続端子VCP,VCNの端子電圧は、それぞれ基準電圧Vcms_bとなる。このため、スピーカSPのスピーカ接続端子VCP,VCNは同電位のまま、ポップ音防止回路10と同じスピードで安定して立ち上がる。そして、スピーカ接続端子VCP,VCNの端子電圧がそれぞれ基準電圧Vcms_bに安定すると、ダミー駆動フェーズが終了する。
なお、ポップ音防止回路10とスピーカSPの出力端子VCPとが接続される際(図8中に矢印Aで示すタイミング)に、スピーカ接続端子VCP,VCNの端子間に電圧が発生するが、1μ秒程度の瞬間的に発生する電圧であるため、可聴音とならない。また、この電圧は、出力用抵抗R4が接続されていない場合には10mV程度であるが、出力用抵抗R4が接続されていることにより1mV程度に抑えることができる。
続いて、ダミー駆動フェーズから通常駆動フェーズになると、制御信号φ2はHレベルのままであるので、スイッチング素子SW3a,SW3bの電気的接続状態はオン状態のままであり、制御信号φ4はHレベルとなり、スイッチング素子SW5a,SW5b〜SW7a,SW7bの電気的接続状態がオン状態となる。また、制御信号φ1はLレベルのままで,制御信号φ3がLレベルとなり、スイッチング素子SW1a,SW1b,SW2a,SW2b,SW4a,SW4bの電気的接続状態がオフ状態になる。これにより、図7に示したような通常駆動回路が形成される。
この通常駆動回路で実行される通常駆動状態では、上述したようにスピーカSPを通常に駆動させるので、差動入力用アンプA2a,A2bの出力が、ダミー出力用アンプA3a,A3bと通常出力用アンプA4a,A4bとで増幅されて出力される。このとき、ポップ音防止回路10とスピーカSPの出力端子VCPのみならずスピーカSPの出力端子VCNも接続され、スピーカ接続端子VCP,VCNの端子間電圧は、通常のスピーカ駆動信号の電圧となる。
そして、制御部11は、外部からパワーオン信号PWRをHレベルからLレベルで入力すると、スピーカ接続端子VCP,VCNの両端子をハイインピーダンスにしてパワーダウンさせる。
なお、ポップ音防止回路10とスピーカSPの出力端子VCP,VCNとが切断される際(図8中に矢印Bで示すタイミング)にも電圧が発生するが、この電圧も1μ秒程度の瞬間的に発生する1mV程度の電圧であるため、可聴音となることはない。
(まとめ)
上述したように、スピーカSPを駆動させる際に、オフセットキャリブレーションフェーズ、ダミー駆動フェーズ、通常駆動フェーズの一連の順番でスピーカSPを駆動させる。まず、スピーカSPとアンプとが接続される前に、オフセットキャリブレーション処理を行うことで、スピーカSPを接続した際にスピーカSPに入力されるDC電圧の変位量を最小にしておく。これにより、アンプの出力オフセットによりスピーカSPからポップ音が出力されるのを防止することができる。
さらに、オフセットキャリブレーション処理の後に、アンプとスピーカSPをすぐに接続するのではなく、スピーカSPの一方の端子が接続されていない状態で、スピーカSPの両端子と接続される2つのドライバを安定動作点まで立ち上げた後に通常駆動するように段階的に立ち上げる。このとき、一方のドライバのみがハイインピーダンス状態であるので、スピーカSPのスピーカ接続端子VCP,VCNの両端子は同電位のまま、ドライバと同じスピードで立ち上がる。このため、従来技術で説明したように基準電圧やスピーカ接続端子から出力する電位をゆっくり立ち上げる必要がない。よって、待ち時間はオフセットキャリブレーションに要する時間と回路が安定するだけの時間で良く、パワーオンに要する時間を大幅に短縮することができる。
また、パワーダウン時には、スピーカSPの両端子間をハイインピーダンスにしてパワーダウンさせる。このため、スピーカSPの両端子間には差電圧が発生しない。よって、スピーカSPに入力されるDC電圧の変位量がほとんどないため、スピーカSPからポップ音が出力されるのを防止することができる。
特に、携帯音楽プレーヤや携帯電話機、ゲーム等のオーディオアンプを内蔵した電子機器向けのポップ音防止回路およびポップ音防止方法として利用される。
10 ポップ音防止回路
11 制御部
12 シングル−ディファレンシャル回路
13a,13b 調整用電圧出力回路
R1a,R1b 入力用抵抗
R2a,R2b ダミー駆動用帰還抵抗
R3a,R3b 通常駆動用帰還抵抗
R4 出力用抵抗
A1 基準電圧生成用アンプ
A2a,A2b 差動入力用アンプ
A3a,A3b ダミー出力用アンプ
A4a,A4b 通常出力用アンプ
SW1a,SW1b〜SW7a,SW7b スイッチング素子
A5a,A5b 比較結果出力用アンプ

Claims (5)

  1. 自回路に接続される負荷からポップ音が出力されるのを防止するポップ音防止回路であって、
    入力信号と基準電圧との差電圧を増幅する差動入力用アンプと、
    前記差動入力用アンプの出力オフセットを補正する出力オフセット補正手段と、
    前記出力オフセット補正手段によって前記出力オフセットが補正された前記差動入力用アンプから出力される電圧を増幅する出力用アンプと、
    前記差動入力用アンプと前記出力用アンプとの間の電気的接続状態を切り替えるための第1のスイッチング手段と、
    前記出力用アンプと前記負荷との間の電気的接続状態を切り替えるための第2のスイッチング手段と、
    を2組備え、
    さらに、2組の前記第1および第2のスイッチング手段の電気的接続状態をオン状態とオフ状態とのいずれかにそれぞれ設定することにより、最初に前記出力オフセット補正手段によって前記差動入力用アンプの出力オフセットを補正する出力オフセット補正フェーズが実行され、
    次に前記出力用アンプによって前記差動入力用アンプから出力される電圧を入力として、前記負荷を所定の通常駆動力よりも弱い駆動力であるダミー駆動力でダミー駆動するダミー駆動フェーズが実行され、
    次に前記出力用アンプによって前記差動入力用アンプから出力される電圧を入力として、前記負荷を前記通常駆動力で通常駆動する通常駆動フェーズが実行されるように制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とするポップ音防止回路。
  2. 前記制御手段は、
    前記出力オフセット補正フェーズにおいて、2組の前記第1のスイッチング手段の電気的接続状態をオフ状態にそれぞれ設定するとともに、2組の前記第2のスイッチング手段の電気的接続状態をオフ状態にそれぞれ設定することにより、前記負荷の両端子の差電圧が零に保たれ、
    前記ダミー駆動フェーズにおいて、2組の前記第1のスイッチング手段の電気的接続状態をオン状態にそれぞれ設定するとともに、2組の前記第2のスイッチング手段のうち一方のスイッチング手段の電気的接続状態をオン状態に設定することにより、前記出力用アンプによって前記ダミー駆動力で出力された電圧が前記負荷の一方の端子のみに出力され、
    前記通常駆動フェーズにおいて、2組の前記第2のスイッチング手段のうち他方のスイッチング手段の電気的接続状態をオン状態に設定することにより、前記出力用アンプによって前記通常駆動力で出力された電圧が前記負荷の両端子に出力されるように制御することを特徴とする請求項1記載のポップ音防止回路。
  3. 前記制御手段は、
    2組の前記第2のスイッチング手段の電気的接続状態をオフ状態にそれぞれ設定することにより、前記通常駆動フェーズが終了するように制御することを特徴とする請求項2記載のポップ音防止回路。
  4. 前記ダミー駆動フェーズにおいて、前記負荷をダミー駆動する前記出力用アンプと前記負荷との間に接続される抵抗素子を備えることを特徴とする請求項2または3記載のポップ音防止回路。
  5. 負荷からポップ音が出力されるのを防止するポップ音防止方法であって、
    出力オフセット補正フェーズにおいて、前記負荷の両端子の電圧を零の状態で差動入力用アンプの出力オフセットを補正する出力オフセット補正処理と、
    ダミー駆動フェーズにおいて、前記出力オフセットが補正された前記差動入力用アンプから出力される電圧を、出力用アンプによって所定の通常駆動力よりも弱い駆動力であるダミー駆動力で出力し、当該出力した電圧を前記負荷の一方の端子のみに出力して前記負荷を駆動するダミー駆動処理と、
    前記通常駆動フェーズにおいて、前記出力オフセットが補正された前記差動入力用アンプから出力される電圧を、前記出力用アンプによって前記通常駆動力で出力し、当該出力した電圧を前記負荷の両端子に出力して前記負荷を駆動する通常駆動処理と、
    前記負荷の両端子をハイインピーダンスにして前記負荷の駆動を停止する駆動停止処理と、
    を有することを特徴とするポップ音防止方法。
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