JP2007123071A - 荷電粒子ビーム走査照射方法、荷電粒子ビーム装置、試料観察方法、及び、試料加工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】荷電粒子ビーム装置のコンピュータ13は、マスク8の観察または加工を行うスキャン領域の設定後、このスキャン領域の外周に沿って走査ラインを設定し、この走査ラインの内側にこの走査ラインに沿った走査ラインを求め、求めた走査ラインからさらに内側に該求めた走査ラインに沿った走査ラインを求めることを繰り返してスキャン領域内の複数の走査ラインを決定する。走査ラインを決定すると、コンピュータ13は、走査回路12を制御して、走査ラインの間引きやピクセルの間引きを行いながら、走査ライン上にイオンビーム2を照射する。
【選択図】図1
Description
図8は、ラスタースキャンを用いた間引きスキャンの走査順序を示す図である。ここでは、左から右への方向をX方向、上から下への方向をY方向として説明する。また、ピクセルの中に記載された数字は、ビーム照射順序を示す。ピクセルとは、ビームの照射を1回行う単位となる領域であり、ビームの照射を行う最小単位の振り幅に相当する間隔毎に、X(横)方向及びY(縦)方向に分割した領域の1つがピクセルとなる。同図に示すようにラスタースキャンを用いた間引きスキャンは、スキャン領域をピクセルに分割し、ある列について、X方向に所定数のピクセル間隔を空けながら、ピクセルの中心位置に荷電粒子ビームを照射する。一つの列についてビーム照射が終了すると、Y方向に決められたライン(ピクセル)数を空けた列について、再び、X方向に所定数のピクセル間隔を空けながらビーム照射することを繰り返す。
また、図9のフローに示すように、ラスタースキャンでは、ある列にビーム照射位置を決めてからビーム照射をオンにし、一列照射が終わると、一旦、ビーム照射をオフし、次にスキャンする列にビーム照射位置を決めた後に、再びビーム照射をオンにして、ビーム照射を行うことを繰り返して、加工が終了するまでスキャン領域にビームを照射していた。ここで、ビーム照射をオフにするとは、試料に到達する前にビームをブランキングすることで、試料にビームを到達させないことをいう。またビーム照射をオンにするとはブランキングを行わないで、ビームを試料に照射することをいう。
また、試料にガス銃によって化合物ガスを吹き付け、化合物が付着した試料表面上にイオンビームを集束照射し、試料表面上にパターン膜形成を行うに際して、イオンビーム照射光学系にイオンビームをデジタル走査する手段を設け、このデジタル走査手段によって、イオンビームを2ピッチ以上離間して走査することで、パターン膜形成効率を向上させる方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
図1は、本発明の一実施の形態による荷電粒子ビーム装置の全体構成図を示す。1はイオン源であってイオンビーム2を発する。3は走査電極であってX及びY電極からなり、イオンビーム2の試料であるマスク8上への照射スポットをXY平面内で所定範囲にわたり走査するものである。4は対物レンズであってイオンビーム2のスポットを被照射物であるマスク8の表面に結像させる。5はガス銃であってマスク8の白色欠陥部位を修正す場合はデポジションガスである加工用ガス6を吹き付け、同時にイオンビーム2を走査しながら照射し、遮光性の膜をつけ白色欠陥を修正する。
制御手段21は、CPU(central processing unit)及び各種メモリから構成され、各部の制御や、データの一時的な格納や、データの転送等を行う。画像形成手段22は、検出器10により検出された二次荷電粒子7の強度を基に、マスク8の試料パターンの画像を形成する。出力手段23は、CRT14に画像を表示させる。入力手段24は、キーボードやマウスなどであり、操作者が入力した情報を取得するための機能を有する。走査ライン決定手段25は、マスク8の加工あるいは観察対象の領域であるスキャン領域の設定後、スキャン領域内の走査ラインを決定する。照射制御手段26は、イオンビーム2の照射のオン/オフを制御する。走査制御手段27は、走査回路12を制御する。
コンピュータ13の走査ライン決定手段25は、スキャン領域が設定されると、スキャン領域の外周に沿って走査ラインを設定し、さらに、この走査ラインの内側にこの走査ラインに沿った走査ラインを求め、求めた走査ラインからさらに内側に当該求めた走査ラインに沿った走査ラインを求めることを繰り返してスキャン領域における複数の走査ラインを決定する。
走査ラインを決定した後、照射制御手段26は、最も外側の走査ライン、すなわち、スキャン領域の外周に沿った走査ラインについて、u方向に、所定ピクセル分の間隔を空けながらマスク8へイオンビーム2を照射する。当該列の走査ラインの走査を1周終えると、所定のライン間隔を空けた次の走査ラインについて、再び、u方向に所定のピクセル分の間隔を空けながら荷電粒子ビームを照射する。これにより、ピクセル内の数字の順に、ピクセルの中心位置にイオンビーム2が照射されることになる。
加工対象のマスク8にイオンビーム2を照射すると、検出器10はマスク8から放出された二次荷電粒子7の強度を検出する。コンピュータ13の画像形成手段22は、検出器10が検出した二次荷電粒子7の強度をA/D変換器11から取得して試料パターンの画像を形成し、出力手段23は、この形成された画像を拡大してCRT14に表示させる。操作者が、マウスなどの入力手段24を用い、CRT14が表示している試料パターン上における欠陥領域を設定する。あるいは、予め正しい加工パターンのデータをコンピュータ13内に保持しておき、当該加工パターンを、構成した画像の試料パターンに重ねあわせ、その差分から欠陥領域を設定してもよい。走査ライン決定手段25は、設定した欠陥領域をスキャン領域として、このスキャン領域内の走査ラインを決定する。
加工終了の欠陥領域の修正を継続する旨の指示の入力があった場合は(ステップS130:YES)、照射制御手段26は、ビーム照射をオフにする(ステップS140)。
同図において、スキャン領域50が示されており、コンピュータ13の走査ライン決定手段25は、このスキャン領域50の外周に沿って走査ラインL1を設定する。この外周に沿った方向をu方向とする。なお、走査ラインL1の走査開始位置は任意である。続いて、走査ライン決定手段25は、走査ラインL1からスキャン領域50の中心方向であるv方向へ1ピクセル分削ることによって、走査ラインL2を求める。さらに、この走査ラインL2からv方向へ向かって1ピクセル分削ることにより、その次の走査ラインL3を決定する。走査ライン決定手段25は、スキャン領域50の中心に到達するまでこれを繰り返し、全ての走査ラインL1〜Ln(同図においては、n=8)を決定する。走査ラインLk(k=1〜n)を構成するピクセルをPk1〜Pkmkとする。すなわち、走査ラインLkは、mk個のピクセルからなる。ピクセルPk1は、走査ラインLkの走査開始位置である。以下、走査ラインL1〜Lnのうち任意のものを示す場合、「走査ラインL」と記載する。
スキャン領域へのビーム照射には、u方向(ピクセル)及びv方向(走査ライン)とも間引きを行わない「間引きなし」、u方向への間引きを行う「u間引き」、v方向への間引きを行う「v間引き」、u方向及びv方向への間引きを行う「uv間引き」などの間引きパターンがある。また、1つの走査ライン上の全ピクセルへビーム照射が終了すると次の走査ラインへ移る「ライン型」と、1つの走査ラインへのビーム照射が1周終了すると次の走査ラインへ移る「フレーム型」がある。以下、具体的に、型と間引きパターンの組み合わせ別に照射順序を説明する。なお、u方向への間引きを行う場合、次にビーム照射を行うピクセルはu方向へsピクセル先、v方向への間引を行う場合、次の走査ラインはv方向へtライン先であるとする。
ライン型、または、フレーム型の間引きなしの場合、最初に、走査ラインL1について、ピクセルP11、P12、P13、…、P1m1の順にビーム照射を行い、次に、走査ラインL2について、P21、P22、P23、…、P2m2の順にビーム照射を行う。このように、走査ラインLkのピクセルPk1、Pk2、Pk3、…、Pkmkへのビーム照射が終了すると、次に、走査ラインL(k+1)のピクセルP(k+1)1、P(k+1)2、P(k+1)3、…、P(k+1)m(K+1)へビーム照射を行う。最後に走査ラインLnについて、Pn1、Pn2、Pn3、…、Pnmnの順にビーム照射を行い、スキャン領域の全てのピクセルへのビーム照射が終了する。
ライン型、または、フレーム型のv間引きの場合、最初に、走査ラインL1について、ピクセルP11からピクセルP1m1まで順にビーム照射を行い、次に、tライン内側の走査ラインL(1+t)について、ピクセルP(1+t)1からピクセルP(1+t)m(1+t)まで順にビーム照射を行う。さらにtライン内側の走査ラインについて開始ピクセルから順にビーム照射を行うことを繰り返し、tライン空けた走査ラインがなくなった場合には、走査ラインL2に戻り、ピクセルP21から順にビーム照射を行う。このように、走査ラインLkのピクセルPk1からピクセルP1mkまで順にビーム照射が終了すると、tライン内側の走査ラインL(k+t)がある場合には、その走査ラインL(k+t)へ移ってピクセルP(k+t)1から順にビーム照射を行い、tライン内側の走査ラインがない場合には外側の走査ラインに移って同様の処理を行う。これを、全ての走査ラインへビーム照射が終了するまで繰り返す。
このように、走査ラインLkについて、ピクセルPk1からsピクセル毎に1周ビーム照射が終了すると、続けて同じ走査ラインLkについてまだビーム照射をしていないピクセルへsピクセル毎にビーム照射することを繰り返す。走査ラインLkの全てのピクセルへのビーム照射が終了すると、tライン内側の走査ラインL(k+t)があれば、その走査ラインL(k+t)へ移って、tライン内側の走査ラインがない場合には外側の走査ラインに移って、同様の手順によりビーム照射を行う。これを、全ての走査ラインへのビーム照射が終了するまで繰り返す。
そして、全ての走査ラインL1〜Lnについて、sピクセル毎に1周ビーム照射が終了すると、再び、走査ラインL1に戻り、まだビーム照射を行っていないピクセルについてsピクセル毎に1周ビーム照射を行い、次に、tライン内側の走査ラインL(1+t)について、まだビーム照射を行っていないピクセルについてsピクセル毎に1周ビーム照射を行うことを繰り返す。
このように、走査ラインLkについて、ビーム未照射のピクセルへsピクセル毎に1周ビーム照射が終了すると、tライン内側の走査ラインL(k+t)があれば、その走査ラインL(k+t)へ移って、tライン内側の走査ラインがない場合には外側の走査ラインへ移って、ビーム未照射のピクセルへsピクセル毎に1周ビーム照射を行うことを繰り返し、スキャン領域の全てのピクセルへのビーム照射を行う。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
Claims (8)
- 荷電粒子ビームの照射により試料の観察または加工を行う荷電粒子ビーム装置を用いた荷電粒子ビーム走査照射方法であって、
観察または加工領域を設定した後、前記観察または加工領域の外周に沿って走査ラインを設定し、この走査ラインの内側にこの走査ラインに沿った走査ラインを求め、求めた走査ラインからさらに内側に該求めた走査ラインに沿った走査ラインを求めることを繰り返して前記加工または観察領域における複数の走査ラインを決定しておき、
決定された走査ライン上に荷電粒子ビームを照射する、
ことを特徴とする荷電粒子ビーム走査照射方法。 - 走査ライン上に荷電粒子ビームを照射する照射方法は、1つの走査ライン上を、所定のピクセル間隔を空けて荷電粒子ビームを照射し、最後までいったら当該走査ラインの最初に戻って荷電粒子ビーム未照射のピクセルに前記所定のピクセル間隔を空けて荷電粒子ビームを照射することを繰り返し、当該走査ライン上の全てのピクセルに荷電粒子ビームを照射した後、次の走査ラインに移り、加工領域の全ピクセルに荷電粒子ビームを照射することを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビーム走査照射方法。
- 走査ライン上に荷電粒子ビームを照射する照射方法は、各走査ライン上に所定のピクセル間隔を空けて荷電粒子ビームを照射し、最後の走査ラインまでいったら、最初の走査ラインに戻り、各走査ライン上の荷電粒子ビーム未照射のピクセルへ該所定のピクセル間隔を空けて荷電粒子ビームを照射することを繰り返して加工領域の全ピクセルに荷電粒子ビームを照射することを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビーム走査照射方法。
- 走査ライン上に荷電粒子ビームを照射する照射方法は、1つの走査ラインに荷電粒子ビームを照射し、
次に、前記走査ラインの内側方向に並ぶ走査ラインのうち、所定の走査ラインは荷電粒子ビーム照射しないで次の走査ラインに荷電粒子ビームを照射し、
次に、荷電粒子ビーム照射しなかった前記所定の走査ラインに荷電粒子ビームを照射することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の荷電粒子ビーム走査照射方法。 - 走査ライン上に荷電粒子ビームを照射する照射方法は、走査ラインの走査開始位置と当該走査ラインに隣接する走査ラインの走査開始位置との間に間隔を空けることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の荷電粒子ビーム走査照射方法。
- 荷電粒子ビームの照射により試料の観察または加工を行う荷電粒子ビーム装置において、
観察または加工領域の設定後、前記観察または加工領域の外周に沿って走査ラインを設定し、この走査ラインの内側にこの走査ラインに沿った走査ラインを求め、求めた走査ラインからさらに内側に該求めた走査ラインに沿った走査ラインを求めることを繰り返して前記加工または観察領域における複数の走査ラインを決定する走査ライン決定手段と、
前記走査ライン決定手段により決定された走査ライン上に荷電粒子ビームを照射するよう制御する走査制御手段と、
を備えることを特徴とする荷電粒子ビーム装置。 - 請求項1から5記載の荷電粒子ビーム走査照射方法を用いた荷電粒子ビームの照射によって試料から放出された二次荷電粒子の検出強度を基に、試料パターンの画像を形成することを特徴とする試料観察方法。
- 請求項1から5記載の荷電粒子ビーム走査照射方法を用いた荷電粒子ビームの照射により、試料を加工することを特徴とする試料加工方法。
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