JP2020085837A - 電子ビーム画像取得装置および電子ビーム画像取得方法 - Google Patents

電子ビーム画像取得装置および電子ビーム画像取得方法 Download PDF

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昌孝 白土
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Tsutomu Ogawa
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Abstract

【課題】帯電の影響を受けた電子線画像を簡易に補正することが可能な電子ビーム画像取得装置を提供する。【解決手段】電子ビーム画像取得装置は、基板のストライプ領域毎に、電子ビームを用いてy方向のスキャンラインのスキャン動作を繰り返しながら、ストライプ領域の長手方向となるx方向にスキャン動作を進めることによりストライプ領域の電子光学画像データを取得する画像取得機構と、既にスキャン動作が実施された直近のkブロック領域目から注目ブロック領域で取得される電子光学画像データの輝度を変化させる輝度変化量を直近のkブロック領域目から複数のブロック領域のブロック領域毎に演算するブロック単位輝度変化量演算部42と、直近のkブロック領域目から注目ブロック領域から複数のブロック領域のブロック領域毎に演算された輝度変化量を用いて、注目ブロック領域の電子光学画像データの輝度を補正する補正部46と、を備えた。【選択図】図7

Description

本発明は、電子ビーム画像取得装置および電子ビーム画像取得方法に関する。例えば、電子線を照射して放出されるパターンの2次電子画像を用いて画像を取得する装置に関する。
近年、大規模集積回路(LSI)の高集積化及び大容量化に伴い、半導体素子に要求される回路線幅はますます狭くなってきている。そして、多大な製造コストのかかるLSIの製造にとって、歩留まりの向上は欠かせない。しかし、1ギガビット級のDRAM(ランダムアクセスメモリ)に代表されるように、LSIを構成するパターンは、サブミクロンからナノメータのオーダーになっている。近年、半導体ウェハ上に形成されるLSIパターン寸法の微細化に伴って、パターン欠陥として検出しなければならない寸法も極めて小さいものとなっている。よって、半導体ウェハ上に転写された超微細パターンの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要とされている。その他、歩留まりを低下させる大きな要因の一つとして、半導体ウェハ上に超微細パターンをフォトリソグラフィ技術で露光、転写する際に使用されるマスクのパターン欠陥があげられる。そのため、LSI製造に使用される転写用マスクの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要とされている。
検査手法としては、半導体ウェハやリソグラフィマスク等の基板上に形成されているパターンを撮像した測定画像と、設計データ、あるいは基板上の同一パターンを撮像した測定画像と比較することにより検査を行う方法が知られている。例えば、パターン検査方法として、同一基板上の異なる場所の同一パターンを撮像した測定画像データ同士を比較する「die to die(ダイ−ダイ)検査」や、パターン設計された設計データをベースに設計画像データ(参照画像)を生成して、それとパターンを撮像した測定データとなる測定画像とを比較する「die to database(ダイ−データベース)検査」がある。撮像された画像は測定データとして比較回路へ送られる。比較回路では、画像同士の位置合わせの後、測定データと参照データとを適切なアルゴリズムに従って比較し、一致しない場合には、パターン欠陥有りと判定する。
上述したパターン検査装置には、レーザ光を検査対象基板に照射して、その透過像或いは反射像を撮像する装置の他、検査対象基板上を電子ビームで走査(スキャン)して、電子ビームの照射に伴い検査対象基板から放出される2次電子を検出して、パターン像を取得する検査装置の開発も進んでいる。電子ビームを用いた検査装置では、さらに、マルチビームを用いた装置の開発も進んでいる。ここで、電子線画像を取得する場合に、電子ビームの照射によって検査対象基板表面が帯電してしまう。そのため、かかる帯電の影響により電子線が偏向してしまうため取得される画像に誤差が生じてしまうといった問題があった。
ここで、電子線照射時に形成される帯電の時定数を抽出して、時定数に基づいて電子線で走査する走査順序を決定することで、かかる帯電の影響を受けないようにするといった手法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−123716号公報
帯電は時間の経過により減衰していくので、帯電減衰曲線に従って過去の各ビーム照射個所での帯電が及ぼす影響量をすべて演算して、これらを合計して、これから照射する照射位置での輝度を補正することも想定される。しかしながら、帯電の影響を受けた電子線画像の補正に用いる画像データの範囲が大きい場合、補正のための計算量が膨大となってしまう。
そこで、本発明の一態様は、帯電の影響を受けた電子線画像を簡易に補正することが可能な装置および方法を提供する。
本発明の一態様の電子ビーム画像取得装置は、
複数の図形パターンが形成された基板を載置するステージと、
基板の検査領域が第1の方向に第1の幅で分割された複数のストライプ領域に対して、ストライプ領域毎に、ステージの移動に伴って、電子ビームを用いて第1の方向のスキャンラインのスキャン動作を繰り返しながら、第1の方向に直交するストライプ領域の長手方向となる第2の方向にスキャン動作を進めることによりストライプ領域の電子光学画像データを取得する画像取得機構と、
ストライプ領域が、第2の方向に、第1の方向のスキャンラインの第2の方向の第2の幅より大きい第3の幅で分割された複数のブロック領域のうち、第1の方向のスキャン動作を行っている注目ブロック領域に先立って既にスキャン動作が実施された予め設定された数の直近のkブロック領域目(kは1以上の整数)から前記注目ブロック領域から離れる方法に並ぶ複数のブロック領域の帯電に起因して注目ブロック領域で取得される電子光学画像データの輝度を変化させる輝度変化量を直近の複数のkブロック領域目から前記注目ブロック領域から離れる方法に並ぶブロック領域のブロック領域毎に演算するブロック単位輝度変化量演算部と、
直近のkブロック領域目から前記注目ブロック領域から離れる方法に並ぶ複数のブロック領域のブロック領域毎に演算された輝度変化量を用いて、注目ブロック領域の電子光学画像データの輝度を補正する輝度補正部と、
を備えたことを特徴とする。
また、本発明の他の態様の電子ビーム画像取得装置は、
複数の図形パターンが形成された基板を載置するステージと、
前記基板の検査領域が第1の方向に第1の幅で分割された複数のストライプ領域に対して、ストライプ領域毎に、前記ステージの移動に伴って、電子ビームを用いて前記第1の方向のスキャンラインのスキャン動作を繰り返しながら、前記第1の方向に直交する前記ストライプ領域の長手方向となる第2の方向に前記スキャン動作を進めることにより前記ストライプ領域の電子光学画像データを取得する画像取得機構と、
前記ストライプ領域が、前記第2の方向に、前記第1の方向のスキャンラインの前記第2の方向の第2の幅より大きい第3の幅で分割された複数のブロック領域のうち、前記第1の方向のスキャン動作を行っている注目ブロック領域に先立って既にスキャン動作が実施された予め設定された数の直近のkブロック領域目(kは1以上の整数)から前記注目ブロック領域から離れる方法に並ぶ複数のブロック領域の帯電に起因して前記注目ブロック領域で取得される電子光学画像データの輝度を変化させる輝度変化量を前記直近のkブロック領域目から前記注目ブロック領域から離れる方法に並ぶ複数のブロック領域のブロック領域毎に演算するブロック単位輝度変化量演算部と、
前記注目ブロック領域に直近する、既にスキャン動作が実施された前記ストライプ領域のうち前記第3の幅より大きい上述した第4の幅の領域に対して、前記スキャンライン毎に前記輝度変化量を演算するライン単位輝度変化量演算部と、
前記直近の上述した第4の幅の領域より前にスキャン動作が実施された複数のブロック領域のブロック領域毎に演算された輝度変化量と、直近の第4の幅の領域のスキャンライン毎に演算された輝度変化量とを合算して得られた補正量を用いて、注目ブロック領域の電子光学画像データの輝度を補正する輝度補正部と、
を備えたことを特徴とする。
また、輝度補正部は、注目ブロック領域で取得される電子光学画像データの各画素の輝度から、輝度変化量を差し引くと好適である。
また、ブロック領域の第3の幅は、スキャンラインの第2の幅の2以上の整数倍のサイズに定義されると好適である。
また、第4の幅は、基準値から第2の方向へのスキャン動作に進行に合わせて段階的に大きくなり、閾値を超えた時点で基準値に戻るように構成しても好適である。
本発明の一態様の電子ビーム画像取得方法は、
ステージに載置された複数の図形パターンが形成された基板の検査領域が第1の方向に第1の幅で分割された複数のストライプ領域に対して、ストライプ領域毎に、ステージの移動に伴って、電子ビームを用いて第1の方向のスキャンラインのスキャン動作を繰り返しながら、第1の方向に直交するストライプ領域の長手方向となる第2の方向にスキャン動作を進めることによりストライプ領域の電子光学画像データを取得する工程と、
ストライプ領域が、第2の方向に、第1の方向のスキャンラインの第2の方向の第2の幅より大きい第3の幅で分割された複数のブロック領域のうち、第1の方向のスキャン動作を行っている注目ブロック領域に先立って既にスキャン動作が実施された予め設定された数の直近のkブロック領域目(kは1以上の整数)から前記注目ブロック領域から離れる方法に並ぶ複数のブロック領域の帯電に起因して注目ブロック領域で取得される電子光学画像データの輝度を変化させる輝度変化量を直近のkブロック領域目から前記注目ブロック領域から離れる方法に並ぶ複数のブロック領域のブロック領域毎に演算する工程と、
直近のkブロック領域目から前記注目ブロック領域から離れる方法に並ぶ複数のブロック領域のブロック領域毎に演算された輝度変化量を用いて、注目ブロック領域の電子光学画像データの輝度を補正し、結果を出力する工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、帯電の影響を受けた電子線画像を簡易に補正できる。よって、帯電の影響を抑制した電子線画像を取得できる。
実施の形態1におけるパターン検査装置の構成を示す構成図である。 実施の形態1における半導体基板に形成される複数のチップ領域の一例を示す図である。 実施の形態1における検査方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態1の比較例における帯電補正の仕方を説明するための図である。 実施の形態1における帯電補正の仕方を説明するための図である。 実施の形態1における帯電起因の輝度変化関数の演算の仕方を説明するための図である。 実施の形態1における画像補正回路内の構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態1におけるブロック領域とライン演算領域の移動の仕方を説明するための図である。 実施の形態1における比較回路内の構成の一例を示す構成図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるパターン検査装置の構成を示す構成図である。図1において、基板に形成されたパターンを検査する検査装置100は、電子ビーム検査装置の一例である。検査装置100は、画像取得機構150、及び制御系回路160を備えている。画像取得機構150は、電子ビームカラム102(電子鏡筒)及び検査室103を備えている。電子ビームカラム102内には、電子銃201、電磁レンズ202、電磁レンズ205、ブランキング偏向器212、制限アパーチャ基板213、電磁レンズ206、電磁レンズ207(対物レンズ)、主偏向器208、副偏向器209、及び検出器222が配置されている。
検査室103内には、少なくともXYZ方向に移動可能なステージ105が配置される。ステージ105上には、検査対象となる基板101(試料)が配置される。基板101には、露光用マスク基板、及びシリコンウェハ等の半導体基板が含まれる。基板101が半導体基板である場合、半導体基板には複数のチップパターン(ウェハダイ)が形成されている。基板101が露光用マスク基板である場合、露光用マスク基板には、チップパターンが形成されている。チップパターンは、複数の図形パターンによって構成される。かかる露光用マスク基板に形成されたチップパターンが半導体基板上に複数回露光転写されることで、半導体基板には複数のチップパターン(ウェハダイ)が形成されることになる。以下、基板101が半導体基板である場合を主として説明する。基板101は、例えば、パターン形成面を上側に向けてステージ105に配置される。また、ステージ105上には、検査室103の外部に配置されたレーザ測長システム122から照射されるレーザ測長用のレーザ光を反射するミラー216が配置されている。検出器222は、電子ビームカラム102の外部で検出回路106に接続される。検出回路106は、チップパターンメモリ123に接続される。
制御系回路160では、検査装置100全体を制御する制御計算機110が、バス120を介して、位置回路107、比較回路108、参照画像作成回路112、画像補正回路113、ステージ制御回路114、レンズ制御回路124、ブランキング制御回路126、偏向制御回路128、磁気ディスク装置等の記憶装置109,111、モニタ117、メモリ118、及びプリンタ119に接続されている。また、偏向制御回路128は、DAC(デジタルアナログ変換)アンプ144,146に接続される。DACアンプ146は、主偏向器208に接続され、DACアンプ144は、副偏向器209に接続される。
また、チップパターンメモリ123は、画像補正回路113に接続されている。また、ステージ105は、ステージ制御回路114の制御の下に駆動機構142により駆動される。駆動機構142では、例えば、ステージ座標系におけるX方向、Y方向、θ方向に駆動する3軸(X−Y−θ)モータの様な駆動系が構成され、XYθ方向にステージ105が移動可能となっている。これらの、図示しないXモータ、Yモータ、θモータは、例えばステップモータを用いることができる。ステージ105は、XYθ各軸のモータによって水平方向及び回転方向に移動可能である。さらに、駆動機構142では、例えば、ピエゾ素子等を用いて、Z方向(高さ方向)にステージ105を移動可能に制御している。そして、ステージ105の移動位置はレーザ測長システム122により測定され、位置回路107に供給される。レーザ測長システム122は、ミラー216からの反射光を受光することによって、レーザ干渉法の原理でステージ105の位置を測長する。
電磁レンズ202、電磁レンズ205、電磁レンズ206、及び電磁レンズ207(対物レンズ)は、レンズ制御回路124により制御される。また、ブランキング偏向器212は、2極以上の電極により構成され、電極毎に図示しないDACアンプを介してブランキング制御回路126により制御される。副偏向器209は、4極以上の電極により構成され、電極毎にDACアンプ144を介して偏向制御回路128により制御される。主偏向器208は、4極以上の電極により構成され、電極毎にDACアンプ146を介して偏向制御回路128により制御される。
電子銃201には、図示しない高圧電源回路が接続され、電子銃201内の図示しないフィラメント(カソード)と引出電極(アノード)間への高圧電源回路からの加速電圧の印加と共に、別の引出電極(ウェネルト)の電圧の印加と所定の温度のカソードの加熱によって、カソードから放出された電子群が加速させられ、電子ビーム200となって放出される。
ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。検査装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。
次に、検査装置100における画像取得機構150の動作について説明する。
電子銃201(放出源)から放出された電子ビーム200は、電磁レンズ202、電磁レンズ205、及び電磁レンズ206によってそれぞれ屈折させられ、中間像およびクロスオーバーを繰り返しながら、電磁レンズ207(対物レンズ)に進む。そして、電磁レンズ207は、電子ビーム200を基板101にフォーカス(合焦)する。対物レンズ207により基板101(試料)面上に焦点が合わされた(合焦された)電子ビーム200は、主偏向器208及び副偏向器209によって偏向され、基板101上の所望の位置に照射される。ここで、ステージ105が連続移動しながら電子ビーム200を基板101に照射する場合、電子ビーム200の照射位置がステージ105の移動に追従するように主偏向器208による偏向によるトラッキング動作が行われる。
なお、ブランキング偏向器212によって、電子ビーム200が偏向された場合には、制限アパーチャ基板213の中心の穴から位置がはずれ、制限アパーチャ基板213によって遮蔽される。一方、ブランキング偏向器212によって偏向されなかった電子ビーム200は、図1に示すように制限アパーチャ基板213の中心の穴を通過する。かかるブランキング偏向器212のON/OFFによって、ブランキング制御が行われ、ビームのON/OFFが制御される。このように、制限アパーチャ基板213は、ブランキング偏向器212によってビームOFFの状態になるように偏向された電子ビーム200を遮蔽する。そして、ビームONになってからビームOFFになるまでに形成された、制限アパーチャ基板213を通過したビームにより、検査用(画像取得用)の電子ビーム200が形成される。
基板101の所望する位置に電子ビーム200が照射されると、かかる電子ビーム200が照射されたことに起因して基板101から電子ビーム200(1次電子ビーム)に対応する、反射電子を含む2次電子(2次電子ビーム300)が放出される。
基板101から放出された2次電子ビーム300は、検出器222に投影される。検出器222は、投影された2次電子ビーム300を検出する。検出器222にて検出された2次電子画像データとなる強度信号は、検出回路106に出力される。検出器222は、図1の例では、中心部が開口した半球椀状に形成されているが、これに限るものではない。平板電極であっても構わない。
図2は、実施の形態1における半導体基板に形成される複数のチップ領域の一例を示す図である。図2において、基板101が半導体基板(ウェハ)である場合、半導体基板(ウェハ)の検査領域330には、複数のチップ(ウェハダイ)332が2次元のアレイ状に形成されている。各チップ332には、露光用マスク基板に形成された1チップ分のマスクパターンが図示しない露光装置(ステッパ)によって例えば1/4に縮小されて転写されている。各チップ332の領域は、例えばy方向(第1の方向)に向かって所定の幅D1(第1の幅)で複数のストライプ領域32に分割される。画像取得機構150によるスキャン動作は、例えば、ストライプ領域32毎に実施される。各ストライプ領域32は、長手方向に向かって複数のフレーム30(マスクダイ)に分割される。フレーム30は、例えば、ストライプ領域32の長手方向であり、y方向に直交するx方向(第2の方向)に向かって所定の幅D2の矩形(例えば正方形)の領域に分割される。幅D2は、例えば、ストライプ領域32の幅D1と同じであっても構わない。実施の形態1では、かかるフレーム30が単位検査領域となる。対象となるフレーム30へのビームの移動は、主偏向器208による偏向によって行われる。
そして、画像取得機構150は、ストライプ領域32毎に、ステージ105の移動に伴って、電子ビーム200を用いてy方向のスキャンライン31のスキャン動作を繰り返しながら、ストライプ領域32の長手方向であり、y方向に直交するx方向(第2の方向)にスキャン動作を進める。例えば、1列目のスキャンライン31はy方向に進み、2列目のスキャンライン31は−y方向に進むといった列ごとに向きを変えて蛇行しながらスキャン動作を進めていくと好適である。ビームの移動は、副偏向器209による偏向によって行われる。1フレーム30あたり、例えば、256本のスキャンライン31をスキャンする。かかる動作を繰り返し、ストライプ領域32内を順に照射していく。1つのストライプ領域32のスキャンが終了したら、ステージ105の移動或いは/及び主偏向器208による偏向によって照射位置が次のストライプ領域32へと移動する。
なお、図2の例では、チップ332毎かつチップ332内のストライプ領域32毎にスキャンする場合を示しているが、これに限るものではない。検査領域330全体を複数のストライプ領域32に分割して、複数のチップ332を跨いだストライプ領域32毎にスキャン動作を行っても好適である。
図3は、実施の形態1における検査方法の要部工程を示すフローチャート図である。図3において、実施の形態1における検査方法は、被検査画像取得工程(S102)と、ブロック単位輝度変化量演算工程(S104)と、ライン単位輝度変化量演算工程(S106)と、輝度補正工程(S108)と、参照画像作成工程(S202)と、位置合わせ工程(S206)と、比較工程(S208)と、いう一連の工程を実施する。
被検査画像取得工程(S102)として、画像取得機構150は、ストライプ領域32毎に、ステージ105の移動に伴って、電子ビーム200を用いてy方向のスキャンライン31のスキャン動作を繰り返しながら、x方向にスキャン動作を進めることによりストライプ領域32の電子光学画像データを取得する。スキャン動作の仕方は上述した通りである。検出器222によって検出された2次電子の検出データ(測定画像:電子光学画像:2次電子画像:被検査画像)は、測定順に検出回路106に出力される。検出回路106内では、図示しないA/D変換器によって、アナログの検出データがデジタルデータに変換され、チップパターンメモリ123に格納される。そして、得られた測定画像データは、位置回路107からの各位置を示す情報と共に、画像補正回路113に転送される。
以上のようにして得られた電子光学画像データは、自身の画素に先立ってスキャン動作が実施された個所の帯電による影響を受ける。このため、かかる帯電の影響により電子線が偏向してしまうため取得される画像に誤差(輝度変動)が生じてしまうといった問題があった。
図4は、実施の形態1の比較例における帯電補正の仕方を説明するための図である。図4において、実施の形態1の比較例では、現在、スキャンしているスキャンライン31で得られる電子光学画像データは、既にスキャンされた複数のフレーム30(例えば、4フレーム分)の領域内の帯電個所からの影響を受ける。帯電は時間の経過により減衰していくので、帯電減衰曲線(減衰係数曲線)に従って過去の各ビーム照射個所での帯電が及ぼす影響量をすべて演算して、これらを合計する。例えば、4フレーム分の領域内の帯電個所と帯電減衰曲線κ0とを畳み込み演算する。これにより、現在のスキャンライン31で得られる各画素の輝度を変化させている輝度変化量を求めることができる。そして、現在のスキャンライン31で得られた各画素の輝度を補正する。しかしながら、帯電の影響を受けた電子線画像の補正に用いる画像データの範囲が例えば4フレーム分と大きい場合、補正のための計算量が膨大となってしまう。よって、もっと簡易に補正できる手法が望ましい。そこで、実施の形態1では、フレーム30を複数のブロック領域に等分割して、ブロック領域毎に一意の減衰係数を乗じて簡略化した輝度変化量を演算する。
図5は、実施の形態1における帯電補正の仕方を説明するための図である。図5において、実施の形態1では、各フレーム30を例えば4つのブロック領域20に等分する。1つのフレーム30が、例えば256個のスキャンライン31で構成される場合、1/4である64個のスキャンライン31ずつでブロック領域20を構成する。言い換えれば、ストライプ領域32が、x方向に、y方向のスキャンライン31のx方向の幅d1(第2の幅)より大きい幅D3(第3の幅)で分割されることによって複数のブロック領域20が設定される。さらに言い換えれば、ブロック領域20の幅D3(第3の幅)は、スキャンライン31のx方向の幅d1(第2の幅)の2以上の整数倍(例えば、64倍)のサイズに定義される。スキャンライン31の幅d1は、例えば、ビームサイズ、或いは画素サイズに設定されると好適である。
図5の例では、現在スキャン動作を行っている注目ブロック領域21内のスキャンライン31は、図4の帯電減衰曲線κ0に示すように、直近の複数のフレーム30(例えば、4フレーム)分の領域(4×4=16個のブロック領域20)の帯電の影響を受けることになる。そこで、実施の形態1では、かかる直近の例えば、4フレーム分の領域について、フレーム30毎に注目ブロック領域21から遠くなるほど小さい値となる一意の帯電減衰係数κ2を設定する。さらに、各フレーム内の4つのブロック領域20について、ブロック領域20毎に各フレーム内で注目ブロック領域21から遠くなるほど小さい値となる一意の帯電減衰係数κ1を設定する。各フレーム間においてブロック領域20毎の一意の帯電減衰係数κ1は同じ値に設定すると好適である。かかるフレーム30毎の一意の帯電減衰係数κ2とブロック領域20毎の一意の帯電減衰係数κ1を畳み込み演算した結果が、図4に示した帯電減衰曲線κ0に近似するように各帯電減衰係数κ1、κ2を設定すると好適である。
以上のように、4つのフレーム分の領域すべてを近似して簡略化した各一意の帯電減衰係数κ1、κ2を使って輝度変化量ΔgBを演算しても良いが、実施の形態1では、さらに、直近の1フレーム分の領域(ライン領域33)については、簡略化せずスキャンライン31単位で帯電減衰曲線κ0に沿った輝度変化量ΔgLを演算する。
図6は、実施の形態1における帯電起因の輝度変化関数の演算の仕方を説明するための図である。ライン単位の輝度変化量として、図6(a)に示すように、x方向に並ぶスキャンライン31毎に、帯電起因の輝度変化関数Lx(y)のy方向の1次元データを求める。帯電は基板101の表面が絶縁材料の個所で生じるので、ライン輝度変化関数Lx(y)として、スキャンライン31上の絶縁材料の個所での帯電量に、輝度変化量に変換する係数を乗じた関数でモデル化することができる。図4に示した比較例では、かかるライン輝度変化関数Lx(y)で得られる1次元データを4フレーム分(256スキャンライン×4=1024本分)演算して、帯電減衰曲線κ0と畳み込み演算することによって、現在スキャン動作を行っている注目ブロック領域21内のスキャンライン31で生じる輝度変化量を演算することになる。しかし、これでは計算量が膨大となる。これに対して、実施の形態1では、ブロック単位の輝度変化量として、図6(b)に示すように、x方向に並ぶブロック領域20毎に、ブロック領域20内のx方向に画像データを積算した帯電起因の輝度変化関数Ls(y)のy方向の1次元データを求める。図5の例では、ブロック単位の1次元データを3フレーム分(4ブロック×3=12本分)と、ライン単位の1次元データを約1フレーム分(約256本分)演算する。そして、12本分のブロック単位輝度変化関数Ls(y)の1次元データと、ブロック領域20毎に一意の帯電減衰係数κ1とフレーム20毎に一意の帯電減衰係数κ2とを畳み込み演算する。さらに、約256本分のライン輝度変化関数Lx(y)の1次元データと、帯電減衰曲線κ0とを畳み込み演算する。そして、両者の値の合計を演算することによって、現在スキャン動作を行っている注目ブロック領域21内のスキャンライン31で生じる輝度変化量を演算する。実施の形態1では、1次元データの数を例えば12+256=268本にでき、計算量を大幅に削減できる。
図7は、実施の形態1における画像補正回路内の構成の一例を示すブロック図である。図7において、実施の形態1における画像補正回路113内には、磁気ディスク等の記憶装置40,41,48、ブロック単位輝度変化量(ΔgB)演算部42、ライン単位輝度変化量(ΔgL)演算部44、及び補正部46が配置される。ブロック単位輝度変化量(ΔgB)演算部42、ライン単位輝度変化量(ΔgL)演算部44、及び補正部46といった各「〜部」は、処理回路を含み、この処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「〜部」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いてもよい。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。ブロック単位輝度変化量(ΔgB)演算部42、ライン単位輝度変化量(ΔgL)演算部44、及び補正部46内に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度図示しないメモリ、或いはメモリ118に記憶される。また、画像補正回路113内に入力された測定画像データ(マスクダイ画像データ)は、記憶装置40に格納される。
ブロック単位輝度変化量演算工程(S104)として、ブロック単位輝度変化量(ΔgB)演算部42は、y方向のスキャン動作を行っている注目ブロック領域21に先立って既にスキャン動作が実施された、予め設定された数の直近のkブロック領域目(kは1以上の整数)から注目ブロック領域21から離れる方法に並ぶ複数のブロック領域20の帯電に起因して注目ブロック領域21で取得される電子光学画像データの輝度を変化させる輝度変化量(ΔgB)を直近のkブロック領域目から注目ブロック領域21から離れる方法に並ぶ複数のブロック領域のブロック領域毎に演算する。図5の例では、直近の4つのフレーム30について1フレーム当たり4つのブロック領域20が予め設定され、直近のkブロック領域目(kは1以上の整数)以降の複数のブロック領域20として、5ブロック領域目以降の各ブロック領域20が予め設定された場合を示している。言い換えれば、図5の例では、例えば、直近の5ブロック領域目(2フレーム目)以降の複数のブロック領域20について輝度変化量(ΔgB)を演算する場合を示している。ブロック単位ΔgB演算部42は、まず、記憶装置40から注目ブロック領域21に対して予め設定された数の直近の複数のブロック領域20の測定画像データを読み出す。そして、かかる測定画像データを用いて、上述したように、ブロック単位ΔgB演算部42は、ブロック領域20内のx方向に画像データを積算した帯電起因の輝度変化関数Ls(y)のy方向の1次元データを求める。測定画像データから帯電の影響を受けて誤差が含まれる輝度値による波形によって示される図形パターンの位置がわかる。図形パターンの表面が絶縁体なのか導電体なのかは設計データ或いはその他のパターン情報から判断すればよい。帯電するのは表面が絶縁体の位置なので、1次元データとして、絶縁体の部分(図形パターン部分或いはスペース部分)のデータを求める。図5の例では、ブロック単位の1次元データを直近の2フレーム目から遡ること3フレーム分(4ブロック×3=12本分)を演算する場合を示している。但し、直近の1フレーム目についてもブロック単位の1次元データを演算しても好適である。なお、“直近の1フレーム目”とは注目ブロックのあるフレームの1つ前のフレームを指す。同様に、“直近の1ブロック領域目”とは注目ブロックの1つ前のブロック領域を指す。スキャン動作が進むにつれて直近の1フレーム目の各ブロック領域20の1次元データも必要になるので、順次、各ブロック領域20の1次元データを演算すればよい。この演算された各ブロック領域20の1次元データは記憶装置41に格納される。次に、ブロック単位ΔgB演算部42は、ブロック領域20毎に、当該ブロック領域20の1次元データと、一意の帯電減衰係数κ1のうち注目ブロック領域21に対して該当するx方向位置の係数と、フレーム30毎に一意の帯電減衰係数κ2のうち注目ブロック領域21に対して該当するx方向位置の係数とをy方向に畳み込み演算することで、注目ブロック領域21に対して当該ブロック領域20に起因する輝度変化量(ΔgB)を演算できる。かかる演算を直近の複数のブロック領域20のうち2フレーム目から遡ること3フレーム分(4ブロック×3=12本分)演算する。この演算された各ブロック領域20に起因する輝度変化量(ΔgB)の情報は、補正部46に出力される。或いは、ブロック単位ΔgB演算部42は、これらの12本分の輝度変化量(ΔgB)を合計してから補正部46に出力しても良い。合計することで、x方向にも畳み込み演算された輝度変化量の値を求めることができる。
ライン単位輝度変化量演算工程(S106)として、ライン単位輝度変化量(ΔgL)演算部44は、注目ブロック領域21に直近する、既にスキャン動作が実施されたストライプ領域32のうちブロック領域20の幅D3(第3の幅)より大きい幅(第4の幅)のライン演算領域33に対して、スキャンライン31毎に輝度変化量(ΔgL)を演算する。ライン単位ΔgL演算部44は、まず、記憶装置40から注目ブロック領域21に対して予め設定された直近のライン演算領域33の測定画像データを読み出す。そして、かかる測定画像データを用いて、上述したように、ライン単位ΔgL演算部44は、x方向に並ぶスキャンライン31毎に、帯電起因の輝度変化関数Lx(y)のy方向の1次元データを求める。図5の例では、ライン演算領域33の幅(第4の幅)として、4〜5個のブロック領域20分の範囲で変動することを示している。言い換えれば、ライン演算領域33は、1フレーム(4ブロック領域)分の幅(基準値)からさらに1ブロック領域20分の幅の間で変動する。この演算された各スキャンライン31の1次元データは記憶装置41に格納される。次に、ライン単位ΔgL演算部44は、スキャンライン31毎に、当該スキャンライン31の1次元データと、連続してなだらかに変化する帯電減衰曲線κ0のうち注目ブロック領域21に対して該当するx方向位置の係数とをy方向に畳み込み演算することで、注目ブロック領域21に対して当該スキャンライン31に起因する輝度変化量(ΔgL)を演算できる。かかる演算を直近のライン演算領域33(256〜320本)分実施する。この演算された各スキャンライン31に起因する輝度変化量(ΔgL)の情報は、補正部46に出力される。或いは、ライン単位ΔgL演算部44は、これらの256〜320本分の輝度変化量(ΔgL)を合計してから補正部46に出力しても良い。合計することで、x方向にも畳み込み演算された輝度変化量の値を求めることができる。
輝度補正工程(S108)として、補正部46(輝度補正部)は、直近のkブロック領域目から注目ブロック領域21から離れる方法に並ぶ複数のブロック領域20のブロック領域毎に演算された輝度変化量(ΔgB)を用いて、注目ブロック領域21の電子光学画像データの輝度を補正する。また、補正部46は、直近のライン演算領域33については、スキャンライン31毎に演算された輝度変化量(ΔgL)を用いて、注目ブロック領域21で取得される電子光学画像データの輝度を補正する。言い換えれば、補正部46は、例えば、直近のライン演算領域33の幅よりも前にスキャン動作が実施されたブロック領域目(例えば5ブロック領域目)以降の複数のブロック領域20のブロック領域毎に演算された輝度変化量(ΔgB)と、直近のライン演算領域33のスキャンライン31毎に演算された輝度変化量(ΔgL)とを合算して得られた補正量を用いて、注目ブロック領域21の電子光学画像データの輝度を補正する。具体的には以下のように動作する。補正部46(輝度補正部)は、注目ブロック領域21内の現在スキャン動作が行われているスキャンライン31で取得される電子光学画像データの各画素の輝度から、各ブロック領域20の輝度変化量(ΔgB)と各スキャンライン31の輝度変化量(ΔgL)とを差し引く。これにより、帯電に起因する輝度変動を補正できる。補正された補正マスクダイ画像(補正電子光学画像データ)は、記憶装置48に格納される。また、補正マスクダイ画像(補正電子光学画像データ)は、位置回路107からの各位置を示す情報と共に、比較回路108に出力される。
図8は、実施の形態1におけるブロック領域とライン演算領域の移動の仕方を説明するための図である。図8(a)では、注目ブロック領域21の1本目のスキャンライン31上を電子ビームで走査(スキャン)している状態を示している。1本目のスキャンライン31から得られる電子光学画像データに影響する帯電領域は、図8(a)の例では、例えば、4フレーム分の領域(4ブロック×3+256スキャンライン)である。よって、この領域について輝度変化量を演算すればよい。図8(b)では、注目ブロック領域21の最終のスキャンライン31上を電子ビームで走査(スキャン)している状態を示している。注目ブロック領域21内のスキャン動作が進むにつれて、現在、スキャンを行っているスキャンライン31から得られる電子光学画像データは、同じ注目ブロック領域21内の既にスキャン動作が終わった領域の帯電による影響も受ける。しかし、1本のスキャンライン31をスキャンする毎に、帯電領域全体(4フレーム分)をスキャンライン31の幅d1だけシフトして輝度変化量の計算をやり直していたのでは、輝度変化量の計算量が膨大になってしまう。そこで、実施の形態1では、直近のライン演算領域33の幅(第4の幅)を可変にする。ライン演算領域33の幅は、基準値からx方向へのスキャン動作の進行に合わせて段階的に大きくなり、閾値を超えた時点で基準値に戻る。具体的には、図8(a)に示すように、注目ブロック領域21の1本目のスキャンライン31をスキャンする場合には、直近の1フレーム(4ブロック)分の幅(基準値)の領域をライン演算領域33とする。そして、2本目のスキャンライン31をスキャンする場合には、さらに、1本目のスキャンライン31分の幅だけ広げる。そして、3本目のスキャンライン31をスキャンする場合には、さらに、2本目のスキャンライン31分の幅だけ広げる。かかる動作を注目ブロック領域21の最終のスキャンライン31をスキャンするまで繰り返す。そして、注目ブロック領域21のスキャンが終了し、次のブロック領域に注目ブロック領域21がシフトする場合に、図8(c)に示すように、直近の1フレーム(4ブロック)分の幅(基準値)にライン演算領域33の幅を戻す。同時に、帯電領域全体(4フレーム分)が1ブロック領域分だけx方向にシフトする。なお、帯電減衰曲線κ0は、スキャン動作が実施された位置を基準に減衰するように設定する。また、各帯電減衰係数κ1、κ2は、注目ブロック領域21のスキャン開始位置を基準に減衰するように設定する。かかる動作を繰り返しながらストライプ領域32全体の画像補正を順次行っていく。これにより、計算量の増大を抑制しながら高精度の輝度変化量を演算できる。ブロック領域単位でシフトしていくので、各ブロック領域20の輝度変化関数Ls(y)のy方向の1次元データは、記憶装置41に格納されているデータを流用できる。同様に、直近のライン演算領域33内のスキャンライン31の輝度変化関数Lx(y)のy方向の1次元データは、記憶装置41に格納されているデータを流用できる。かかる点からも計算量の増大を抑制できる。
参照画像作成工程(S202)として、参照画像作成回路112は、複数の図形パターン(チップパターン)を形成する基になった設計データ、或いは基板101に形成されたチップパターンの露光イメージデータに定義された設計パターンデータに基づいて、フレーム30の画像展開を行って設計画像(展開画像)を作成する。具体的には、以下のように動作する。まず、記憶装置109から制御計算機110を通して設計パターンデータを読み出し、読み出された設計パターンデータに定義された各図形パターンを2値ないしは多値のイメージデータに変換(展開)する。
ここで、設計パターンデータに定義される図形は、例えば長方形や三角形を基本図形としたもので、例えば、図形の基準位置における座標(x、y)、辺の長さ、長方形や三角形等の図形種を区別する識別子となる図形コードといった情報で各パターン図形の形、大きさ、位置等を定義した図形データが格納されている。
かかる図形データとなる設計パターンデータが参照画像作成回路112に入力されると図形ごとのデータにまで展開し、その図形データの図形形状を示す図形コード、図形寸法などを解釈する。そして、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンとして2値ないしは多値の設計パターン画像データに展開し出力する。言い換えれば、設計データを読み込み、検査領域を所定の寸法を単位とするマス目として仮想分割してできたマス目毎に設計パターンにおける図形が占める占有率を演算し、nビットの占有率データを出力する。例えば、1つのマス目を1画素として設定すると好適である。そして、1画素に1/2(=1/256)の分解能を持たせるとすると、画素内に配置されている図形の領域分だけ1/256の小領域を割り付けて画素内の占有率を演算する。そして、8ビットの占有率データとして参照回路112に出力する。かかるマス目(検査画素)は、測定データの画素に合わせればよい。
次に、参照画像作成回路112は、図形のイメージデータである設計パターンの設計画像データに、フィルタ関数Fを使ってフィルタ処理を施す。これにより、画像強度(濃淡値)がデジタル値の設計側のイメージデータである設計画像データを補正測定画像データに合わせることができる。作成された参照画像の画像データは比較回路108に出力される。
図9は、実施の形態1における比較回路内の構成の一例を示す構成図である。図9において、比較回路108内には、磁気ディスク装置等の記憶装置52,56、位置合わせ部57、及び比較部58が配置される。位置合わせ部57、及び比較部58といった各「〜部」は、処理回路を含み、その処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「〜部」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いてもよい。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。位置合わせ部57、及び比較部58内に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度図示しないメモリ、或いはメモリ118に記憶される。
比較回路108内では、転送された補正測定画像データ(補正2次電子画像データ、補正電子光学画像データ)が、マスクダイ33毎の補正マスクダイ画像として記憶装置56に一時的に格納される。また、転送された参照画像データが、記憶装置52に一時的に格納される。
位置合わせ工程(S206)として、位置合わせ部57は、被検査画像となる補正マスクダイ画像と、当該補正マスクダイ画像に対応する参照画像とを読み出し、画素より小さいサブ画素単位で、両画像を位置合わせする。例えば、最小2乗法で位置合わせを行えばよい。画素サイズとして、例えば、電子ビーム200の各ビームサイズと同程度のサイズの領域に設定されると好適である。
比較工程(S208)として、比較部58は、補正マスクダイ画像(補正2次電子画像、補正電子光学画像データ)と参照画像とを比較する。比較部58は、所定の判定条件に従って画素毎に両者を比較し、例えば形状欠陥といった欠陥の有無を判定する。例えば、画素毎の階調値差が判定閾値Thよりも大きければ欠陥と判定する。そして、比較結果が出力される。比較結果は、記憶装置109、モニタ117、若しくはメモリ118に出力される、或いはプリンタ119より出力されればよい。
以上のように、実施の形態1によれば、帯電の影響を受けた電子線画像を簡易に補正できる。よって、帯電の影響を抑制した電子線画像を取得できる。そして、帯電の影響が補正された電子線画像で検査ができる。
以上の説明において、一連の「〜回路」は、処理回路を含み、その処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「〜回路」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いてもよい。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。プロセッサ等を実行させるプログラムは、磁気ディスク装置、磁気テープ装置、FD、或いはROM(リードオンリメモリ)等の記録媒体に記録されればよい。例えば、位置回路107、比較回路108、参照画像作成回路112、画像補正回路113、ステージ制御回路114、レンズ制御回路124、ブランキング制御回路126、及び偏向制御回路128は、上述した少なくとも1つの処理回路で構成されても良い。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。図5の例では、既にスキャンされた注目ブロック21に直近の複数のフレーム30分の領域のうち、2フレーム目以降についてブロック領域単位で輝度変化量を演算し、直近の1フレーム分の領域についてはスキャンライン31毎に輝度変化量を演算したが、これに限るものではない。精度は劣化するが、直近の複数のフレーム30分の領域すべてをブロック領域単位で輝度変化量を演算して適用しても好適である。また、上述した例では、注目ブロック21内において、スキャンライン31毎に輝度変化量が変動する場合を説明したが、これに限るものではない。精度は劣化するが、注目ブロック21内において、同じ輝度変化量が適用されても良い。或いは、注目ブロック21を含むフレーム30に対して、同じ輝度変化量が適用されても良い。
また、上述した例では、シングルビームでスキャンする構成について説明したが、マルチビームを用いてスキャンする構成に適用しても良い。但し、マルチビームを適用する場合、ビーム間ピッチにビーム本数を乗じたサイズの矩形領域(照射領域)が同時期にスキャンされるので、かかる照射領域をブロック領域20として、ブロック領域20単位で輝度変化量を演算すればよい。
また、上述した例では、マスクダイ画像の方について輝度を落とす補正をして図9に示す比較したが、逆に次のようにしても同様の効果が得られると考える。マスクダイ画像の方については輝度を落とさず、参照画像の方の輝度を上げて図9の比較をしても、同様な効果が得られると考えるので、このようにしても良い。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての電子ビーム画像取得装置、電子ビーム画像取得方法、電子ビーム検査装置及び電子ビーム検査方法は、本発明の範囲に包含される。
20 ブロック領域
21 注目ブロック領域
30 フレーム
31 スキャンライン
32 ストライプ領域
33 ライン演算領域
40,41,48,52,56 記憶装置
42 ブロック単位輝度変化量演算部
44 ライン単位輝度変化量演算部
46 補正部
57 位置合わせ部
58 比較部
100 検査装置
101 基板
102 電子ビームカラム
103 検査室
105 ステージ
106 検出回路
107 位置回路
108 比較回路
109,111 記憶装置
110 制御計算機
112 参照画像作成回路
113 画像補正回路
114 ステージ制御回路
117 モニタ
118 メモリ
119 プリンタ
120 バス
122 レーザ測長システム
123 チップパターンメモリ
124 レンズ制御回路
126 ブランキング制御回路
128 偏向制御回路
142 駆動機構
144,146 DACアンプ
150 画像取得機構
160 制御系回路
201 電子銃
202 電磁レンズ
205,206,207 電磁レンズ
208 主偏向器
209 副偏向器
212 ブランキング偏向器
213 制限アパーチャ基板
216 ミラー
222 検出器
330 検査領域
332 チップ

Claims (6)

  1. 複数の図形パターンが形成された基板を載置するステージと、
    前記基板の検査領域が第1の方向に第1の幅で分割された複数のストライプ領域に対して、ストライプ領域毎に、前記ステージの移動に伴って、電子ビームを用いて前記第1の方向のスキャンラインのスキャン動作を繰り返しながら、前記第1の方向に直交する前記ストライプ領域の長手方向となる第2の方向に前記スキャン動作を進めることにより前記ストライプ領域の電子光学画像データを取得する画像取得機構と、
    前記ストライプ領域が、前記第2の方向に、前記第1の方向のスキャンラインの前記第2の方向の第2の幅より大きい第3の幅で分割された複数のブロック領域のうち、前記第1の方向のスキャン動作を行っている注目ブロック領域に先立って既にスキャン動作が実施された予め設定された数の直近のkブロック領域目(kは1以上の整数)から前記注目ブロック領域から離れる方法に並ぶ複数のブロック領域の帯電に起因して前記注目ブロック領域で取得される電子光学画像データの輝度を変化させる輝度変化量を前記直近のkブロック領域目から前記注目ブロック領域から離れる方法に並ぶ複数のブロック領域のブロック領域毎に演算するブロック単位輝度変化量演算部と、
    前記直近のkブロック領域目から前記注目ブロック領域から離れる方法に並ぶ複数のブロック領域のブロック領域毎に演算された輝度変化量を用いて、前記注目ブロック領域の電子光学画像データの輝度を補正する輝度補正部と、
    を備えたことを特徴とする電子ビーム画像取得装置。
  2. 複数の図形パターンが形成された基板を載置するステージと、
    前記基板の検査領域が第1の方向に第1の幅で分割された複数のストライプ領域に対して、ストライプ領域毎に、前記ステージの移動に伴って、電子ビームを用いて前記第1の方向のスキャンラインのスキャン動作を繰り返しながら、前記第1の方向に直交する前記ストライプ領域の長手方向となる第2の方向に前記スキャン動作を進めることにより前記ストライプ領域の電子光学画像データを取得する画像取得機構と、
    前記ストライプ領域が、前記第2の方向に、前記第1の方向のスキャンラインの前記第2の方向の第2の幅より大きい第3の幅で分割された複数のブロック領域のうち、前記第1の方向のスキャン動作を行っている注目ブロック領域に先立って既にスキャン動作が実施された予め設定された数の直近のkブロック領域目(kは1以上の整数)から前記注目ブロック領域から離れる方法に並ぶ複数のブロック領域の帯電に起因して前記注目ブロック領域で取得される電子光学画像データの輝度を変化させる輝度変化量を前記直近のkブロック領域目から前記注目ブロック領域から離れる方法に並ぶ複数のブロック領域のブロック領域毎に演算するブロック単位輝度変化量演算部と、
    前記注目ブロック領域に直近する、既にスキャン動作が実施された前記ストライプ領域のうち前記第3の幅より大きい前記第4の幅の領域に対して、前記スキャンライン毎に前記輝度変化量を演算するライン単位輝度変化量演算部と、
    前記直近の前記第4の幅の領域より前にスキャン動作が実施された複数のブロック領域のブロック領域毎に演算された輝度変化量と、前記直近の前記第4の幅の領域の前記スキャンライン毎に演算された輝度変化量とを合算して得られた補正量を用いて、前記注目ブロック領域の電子光学画像データの輝度を補正する輝度補正部と、
    を備えたことを特徴とする電子ビーム画像取得装置。
  3. 前記輝度補正部は、前記注目ブロック領域で取得される電子光学画像データの各画素の輝度から、前記輝度変化量を差し引くことを特徴とする請求項1又は2記載の電子ビーム画像取得装置。
  4. 前記ブロック領域の前記第3の幅は、前記スキャンラインの前記第2の幅の2以上の整数倍のサイズに定義されることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の電子ビーム画像取得装置。
  5. 前記第4の幅は、基準値から前記第2の方向へのスキャン動作に進行に合わせて段階的に大きくなり、閾値を超えた時点で前記基準値に戻ることを特徴とする請求項2記載の電子ビーム画像取得装置。
  6. ステージに載置された複数の図形パターンが形成された基板の検査領域が第1の方向に第1の幅で分割された複数のストライプ領域に対して、ストライプ領域毎に、前記ステージの移動に伴って、電子ビームを用いて前記第1の方向のスキャンラインのスキャン動作を繰り返しながら、前記第1の方向に直交する前記ストライプ領域の長手方向となる第2の方向に前記スキャン動作を進めることにより前記ストライプ領域の電子光学画像データを取得する工程と、
    前記ストライプ領域が、前記第2の方向に、前記第1の方向のスキャンラインの前記第2の方向の第2の幅より大きい第3の幅で分割された複数のブロック領域のうち、前記第1の方向のスキャン動作を行っている注目ブロック領域に先立って既にスキャン動作が実施された予め設定された数の直近のkブロック領域目(kは1以上の整数)から前記注目ブロック領域から離れる方法に並ぶ複数のブロック領域の帯電に起因して前記注目ブロック領域で取得される電子光学画像データの輝度を変化させる輝度変化量を前記直近のkブロック領域目から前記注目ブロック領域から離れる方法に並ぶ複数のブロック領域のブロック領域毎に演算する工程と、
    前記直近のkブロック領域目から前記注目ブロック領域から離れる方法に並ぶ複数のブロック領域のブロック領域毎に演算された輝度変化量を用いて、前記注目ブロック領域の電子光学画像データの輝度を補正し、結果を出力する工程と、
    を備えたことを特徴とする電子ビーム画像取得方法。
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