JP2020085838A - 電子ビーム検査装置 - Google Patents

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Abstract

【目的】数か所の点で支持される、表面全体が絶縁体である基板についても検査領域全体の電位を一定にすることが可能な装置を提供する。【構成】本発明の一態様の検査装置100は、ステージ105と、ステージ上に配置され、図形パターンが形成された、少なくとも表面が絶縁体の基板を複数の点で支持する複数の支持ピン226と、基板上に電子ビームを入射させる光学系と、電子ビームが入射する基板の入射面とは反対の裏面側に隙間を空けて配置された平板電極224と、電子ビームが基板に入射させられることに起因して、基板から放出される2次電子を検出する検出器222と、を備えたことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電子ビーム検査装置に関する。例えば、電子線を照射して放出されるパターンの2次電子画像を用いてパターンの欠陥を検査する検査装置に関する。
近年、大規模集積回路(LSI)の高集積化及び大容量化に伴い、半導体素子に要求される回路線幅はますます狭くなってきている。そして、多大な製造コストのかかるLSIの製造にとって、歩留まりの向上は欠かせない。しかし、1ギガビット級のDRAM(ランダムアクセスメモリ)に代表されるように、LSIを構成するパターンは、サブミクロンからナノメータのオーダーになっている。近年、半導体ウェハ上に形成されるLSIパターン寸法の微細化に伴って、パターン欠陥として検出しなければならない寸法も極めて小さいものとなっている。よって、半導体ウェハ上に転写された超微細パターンの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要とされている。その他、歩留まりを低下させる大きな要因の一つとして、半導体ウェハ上に超微細パターンをフォトリソグラフィ技術で露光、転写する際に使用されるマスクのパターン欠陥があげられる。このため、LSI製造に使用される転写用マスクの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要とされている。
検査手法としては、半導体ウェハやリソグラフィマスク等の基板上に形成されているパターンを撮像した測定画像と、設計データ、あるいは基板上の同一パターンを撮像した測定画像と比較することにより検査を行う方法が知られている。例えば、パターン検査方法として、同一基板上の異なる場所の同一パターンを撮像した測定画像データ同士を比較する「die to die(ダイ−ダイ)検査」や、パターン設計された設計データをベースに設計画像データ(参照画像)を生成して、それとパターンを撮像した測定データとなる測定画像とを比較する「die to database(ダイ−データベース)検査」がある。撮像された画像は測定データとして比較回路へ送られる。比較回路では、画像同士の位置合わせの後、測定データと参照データとを適切なアルゴリズムに従って比較し、一致しない場合には、パターン欠陥有りと判定する。
上述したパターン検査装置には、レーザ光を検査対象基板に照射して、この透過像或いは反射像を撮像する装置の他、検査対象基板上を電子ビームで走査(スキャン)して、電子ビームの照射に伴い検査対象基板から放出される2次電子を検出して、パターン像を取得する検査装置の開発も進んでいる。電子ビームを用いた検査装置では、さらに、マルチビームを用いた装置の開発も進んでいる。ここで、電子線画像を取得する場合に、電子ビームの照射によって検査対象基板表面が帯電してしまう。このため、放出される2次電子量が変動してしまい、得られる画像精度が劣化してしまう。かかる問題を解消するには、適切なランディングエネルギーのビームを被検査対象基板に照射することが必要となる。ランディングエネルギーの調整には、例えば、照射する電子ビームの加速電圧を変えるといった手法が考えられる。その他に、例えば、検査対象基板にリターディング電圧を印加するといった手法が考えられる。取得されるパターン像の解像性の劣化を抑制する観点からは、後者のリターディング電圧を印加するといった手法を採用することが望ましい。
ここで、半導体ウェハの裏面全体を載置する保持装置にリターディングケーブルを接続して、保持装置を介して半導体ウェハにリターディング電位を印加するといった手法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、基板を、例えば、3点支持するステージでは、基板周囲の3点のピンからリターディング電位が試料に印加されることになる。半導体ウェハとは異なり、例えば、ナノインプリント用のテンプレートのように、材料が石英といった表面全体が絶縁体の基板である場合、基板周囲からの電位印加では、基板の表面に電位勾配が生じてしまう。このため、基板の検査領域全体の電位を一定にすることが困難である。基板表面の特定の位置の電位を基板周囲から印加される電位により調整するためには、大きな電位と、基板面上の位置に応じて可変する電位制御とが必要になってしまう。このため、裏面全体ではなく、いくつかの点で支持される、表面全体が絶縁体である基板についても検査領域全体の電位を一定にする手法の確立が望まれている。
特開2010−033724号公報
そこで、本発明の一態様は、数か所の点で支持される、表面全体が絶縁体である基板についても検査領域全体の電位を一定にすることが可能な装置を提供する。
本発明の一態様の電子ビーム検査装置は、
ステージと、
ステージ上に配置され、図形パターンが形成された、少なくとも表面が絶縁体の基板を複数の点で支持する複数の支持部材と、
基板上に電子ビームを入射させる光学系と、
電子ビームが入射する基板の入射面とは反対の裏面側に隙間を空けて配置された平板電極と、
電子ビームが基板に入射させられることに起因して、基板から放出される2次電子を検出する検出器と、
を備えたことを特徴とする。
また、平板電極は、基板の検査領域全体よりも大きいと好適である。
また、平板電極は、平板電極内に基板の検査領域全体がオーバーラップするように配置されると好適である。
また、基板の入射面での電子エネルギーが、0keVより大きく、加速電圧下の電子エネルギー値以下までの範囲となる電位を平板電極に印加する電位印加部をさらに備えると好適である。
また、複数の支持部材は、ステージ上に配置され、平板電極の外側で基板を支持すると好適である。
また、複数の支持部材は、絶縁性材料により構成されると好適である。
また、基板として、ナノインプリント用のテンプレートと、フォトマスクとの一方が用いられると好適である。
本発明の一態様によれば、数か所の点で支持される、表面全体が絶縁体である基板についても検査領域全体の電位を一定にできる。よって、帯電の影響を抑制した電子線画像を取得できる。
実施の形態1におけるパターン検査装置の構成を示す構成図である。 実施の形態1における基板周辺の配置構成を説明するための図である。 実施の形態1における電位勾配と電子エネルギー勾配の一例を示す図である。 実施の形態1における基板面の電子エネルギーと平板電極電位との関係を示す図である。 実施の形態1における平板電極へのリターディング電位の印加により生じる基板表面の電位分布を説明するための図である。 実施の形態1における基板の領域の一例を説明するための図である。 実施の形態1における検査方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態1における比較回路内の構成の一例を示す構成図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるパターン検査装置の構成を示す構成図である。図1において、基板に形成されたパターンを検査する検査装置100は、電子ビーム検査装置の一例である。検査装置100は、画像取得機構150、及び制御系回路160を備えている。画像取得機構150は、電子ビームカラム102(電子鏡筒)及び検査室103を備えている。電子ビームカラム102内には、電子銃201、電磁レンズ202、ブランキング偏向器212、制限アパーチャ基板206、電磁レンズ207(対物レンズ)、主偏向器208、副偏向器209、及び検出器222が配置されている。
検査室103内には、少なくともXYZ方向に移動可能なステージ105が配置される。ステージ105上には、検査対象となる基板101(試料)が配置される。基板101には、ナノインプリント用のテンプレート、及び露光用のフォトマスクが含まれる。かかる基板の材料は、例えば、石英等の絶縁物で作製されており、表面全体が絶縁物である場合がある。特に、ナノインプリント用のテンプレートは、全体が絶縁物で構成されるのが通常である。基板101には複数の図形パターンが形成されている。以下、基板101がテンプレートである場合を主として説明する。基板101は、例えば、パターン形成面を上側に向けてステージ105上に配置された複数の支持ピン226(支持部材)によって複数の点で支持されている。例えば、3つの支持ピン226によって、基板101裏面の外周部が3点支持される。また、ステージ105上には、検査室103の外部に配置されたレーザ測長システム122から照射されるレーザ測長用のレーザ光を反射するミラー216が配置されている。検出器222は、電子ビームカラム102の外部で検出回路106に接続される。検出回路106は、パターンメモリ123に接続される。
また、ステージ105上には、複数の支持ピン226(支持部材)によって支持された基板101の裏面と隙間を空けて、平板電極224が配置される。
制御系回路160では、検査装置100全体を制御する制御計算機110が、バス120を介して、位置回路107、比較回路108、参照画像作成回路112、ステージ制御回路114、レンズ制御回路124、ブランキング制御回路126、偏向制御回路128、電位印加回路140、磁気ディスク装置等の記憶装置109、モニタ117、メモリ118、及びプリンタ119に接続されている。また、偏向制御回路128は、DAC(デジタルアナログ変換)アンプ144,146に接続される。DACアンプ146は、主偏向器208に接続され、DACアンプ144は、副偏向器209に接続される。
また、パターンメモリ123は、比較回路108に接続されている。また、ステージ105は、ステージ制御回路114の制御の下に駆動機構142により駆動される。駆動機構142では、例えば、ステージ座標系におけるX方向、Y方向、θ方向に駆動する3軸(X−Y−θ)モータの様な駆動系が構成され、XYθ方向にステージ105が移動可能となっている。これらの、図示しないXモータ、Yモータ、θモータは、例えばステップモータを用いることができる。ステージ105は、XYθ各軸のモータによって水平方向及び回転方向に移動可能である。さらに、駆動機構142では、例えば、ピエゾ素子等を用いて、Z方向(高さ方向)にステージ105を移動可能に制御している。そして、ステージ105の移動位置はレーザ測長システム122により測定され、位置回路107に供給される。レーザ測長システム122は、ミラー216からの反射光を受光することによって、レーザ干渉法の原理でステージ105の位置を測長する。
電磁レンズ202、及び電磁レンズ207(対物レンズ)は、レンズ制御回路124により制御される。また、ブランキング偏向器212は、2極以上の電極により構成され、電極毎に図示しないDACアンプを介してブランキング制御回路126により制御される。副偏向器209は、4極以上の電極により構成され、電極毎にDACアンプ144を介して偏向制御回路128により制御される。主偏向器208は、4極以上の電極により構成され、電極毎にDACアンプ146を介して偏向制御回路128により制御される。
電子銃201には、図示しない高圧電源回路が接続され、電子銃201内の図示しないフィラメント(カソード)と引出電極(アノード)間への高圧電源回路からの加速電圧の印加と共に、別の引出電極(ウェネルト)の電圧の印加と所定の温度のカソードの加熱によって、カソードから放出された電子群が所望の加速電圧で加速させられ、所定の電子エネルギーを持った電子ビーム200となって放出される。
ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。検査装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。
次に、検査装置100における画像取得機構150の動作について説明する。
電子銃201(放出源)から放出された電子ビーム200は、電磁レンズ202によって屈折させられ、中間像およびクロスオーバーを形成しながら、電磁レンズ207(対物レンズ)に進む。そして、電磁レンズ207は、電子ビーム200を基板101にフォーカス(合焦)する。対物レンズ207により基板101(試料)面上に焦点が合わされた(合焦された)電子ビーム200は、主偏向器208及び副偏向器209によって偏向され、基板101上の所望の位置に照射される。ここで、ステージ105が連続移動しながら電子ビーム200を基板101に照射する場合、電子ビーム200の照射位置がステージ105の移動に追従するように主偏向器208による偏向によるトラッキング動作が行われる。
なお、ブランキング偏向器212によって、電子ビーム200が偏向された場合には、制限アパーチャ基板206の中心の穴から位置がはずれ、制限アパーチャ基板206によって遮蔽される。一方、ブランキング偏向器212によって偏向されなかった電子ビーム200は、図1に示すように制限アパーチャ基板206の中心の穴を通過する。かかるブランキング偏向器212のON/OFFによって、ブランキング制御が行われ、ビームのON/OFFが制御される。このように、制限アパーチャ基板206は、ブランキング偏向器212によってビームOFFの状態になるように偏向された電子ビーム200を遮蔽する。そして、ビームONになってからビームOFFになるまでに形成された、制限アパーチャ基板206を通過したビームにより、検査用(画像取得用)の電子ビーム200が形成される。
基板101の所望する位置に電子ビーム200が照射されると、かかる電子ビーム200が照射されたことに起因して基板101から電子ビーム200(1次電子ビーム)に対応する、2次電子(2次電子ビーム300)が放出される。なお、2次電子ビーム300には、反射電子が含まれていても構わない。
基板101から放出された2次電子ビーム300は、検出器222に投影される。検出器222は、投影された2次電子ビーム300を検出する。検出器222にて検出された2次電子画像データとなる強度信号は、検出回路106に出力される。検出器222は、図1の例では、平板電極に形成されているが、これに限るものではない。例えば、中心部が開口し、下向きに広がった半球椀状であっても構わない。
図2は、実施の形態1における基板周辺の配置構成を説明するための図である。図2において、−M(kV)の加速電圧Accで加速されて、L(keV)の電子エネルギーEを持った電子ビーム200が電子銃201から放出される。そして、電子ビーム200は、電磁レンズ202,207といった電子光学系により、基板101上の検査領域10に入射させられる。電磁レンズ202,207といった電子光学系をグランド(GND)電位(0kV)に維持した場合、電子ビーム200は、電子銃201から放出された時点のL(keV)の電子エネルギーEを実質的に保ったまま基板101上に入射することになる。実施の形態1における基板101は少なくとも表面が絶縁体で構成されるので、電子ビーム200の照射によって、表面が帯電することがあり得る。基板101表面が帯電してしまうと、放出される2次電子量が変動してしまい、得られる検出信号が誤差を含み画像精度が劣化してしまう。このため、基板101表面に入射する1次電子の量に対して放出される2次電子の量を一定に保つことが必要となる。このためには、基板101表面に入射するときの1次電子の電子エネルギーであるランディングエネルギーが適切な状態である必要がある。言い換えれば、適切なランディングエネルギーの1次電子ビーム200を被検査対象基板101に照射することが必要となる。そこで、基板101に負のリターディング電位を印加してランディングエネルギーを調整することが検討される。この場合、図2の例に示すように、基板101は例えば3つの支持ピン226によって外周部が3点支持されているので、3つの支持ピン226から基板外周部にリターディング電位を印加することになる。しかしながら、例えば、ナノインプリント用のテンプレートのように、材料が石英といった表面全体が絶縁体の基板101である場合、基板周囲からの電位印加では、基板101の表面に電位勾配が生じてしまう。このため、基板101の検査領域10全体の電位を一定にすることが困難である。基板101表面の特定の位置の電位を基板101周囲から印加される電位により調整するためには、大きな電位と、基板101面上の位置に応じて可変する電位制御とが必要になってしまう。そこで、実施の形態1では、複数の支持ピン226により支持された基板101の入射面とは反対の裏面側に隙間を空けて平板電極224を配置する。
図3は、実施の形態1における電位勾配と電子エネルギー勾配の一例を示す図である。まず、図2に示すように、電磁レンズ207(対物レンズ)下面から基板101表面までの距離をt1、基板101の厚さをt2、基板101裏面から平板電極224までの距離をt3とする。図3において、一方の縦軸に電位(kV)を示し、他方の縦軸に電子エネルギー(keV)を示す。また、図3において、横軸に、対物レンズ下面からの距離を示す。図3では、ある負のリターディング電位−m(kV)を平板電極224に印加した場合における各位置での電位と電子エネルギーとを示している。図3において、グラフAは、電子エネルギーを示し、グラフBは電位を示す。図3の例では、電磁レンズ207(対物レンズ)をグランド(GND)電位(0kV)に維持した場合、電磁レンズ207の下面において、電子ビーム200は、電子銃201から放出された時点のL(keV)の電子エネルギーEを実質的に保つ。かかる状態において、負のリターディング電位−m(kV)を平板電極224に印加することで、電磁レンズ207(対物レンズ)から平板電極224までの間で、グラフBに示すように、距離t1の真空下での隙間、厚さt2の誘電率εの基板101、及び距離t3の真空下での隙間に応じた電位勾配が生じる。そして、かかる電位勾配に応じてグラフAに示すように電子エネルギーEが減少していく。そして、実施の形態1では、上述した適切なランディングエネルギー値C(keV)になるように平板電極224に印加する負のリターディング電位−m(kV)を調整する。
また、実施の形態1において、基板101の検査領域10全体よりも大きい平板電極224を配置する。そして、平板電極224内に基板101の検査領域10全体がオーバーラップするように平板電極224は、配置される。これにより、平板電極224により生じる電界(電場)のうち均一電界部分の影響を検査領域10全体に与えることができる。図2の例では、基板101の検査領域10の矩形の1辺のサイズd1に対して、サイズd1よりも大きいサイズd2を1辺にもつ矩形の平板電極224を配置する。平板電極224は矩形盤形状に限るものではなく、サイズd1よりも大きいサイズd2を直径にした円盤形状であっても好適である。なお、より好ましくは、検査領域10との重なり部分の周囲に、基板101表面から平板電極224表面までの距離(t2+t3)と同様のサイズ分のマージンが残るサイズに、平板電極224を形成すると良い。これにより、十分な均一電界を検査領域10全体に与えることができる。また、ステージ105上に配置された複数の支持ピン226は、平板電極224の外側で基板101を支持する。これにより、平板電極224内に電界を歪める原因となり得る支持ピン226の通過孔等の形成を不要にできる。さらに、絶縁性材料により複数の支持ピン226を構成することで、支持ピン226による電界の乱れを回避できる。
図4は、実施の形態1における基板面の電子エネルギーと平板電極電位との関係を示す図である。図4において、縦軸に基板面の電子エネルギーを示し、横軸に平板電極電位を示す。基板101表面に帯電が生じていない場合、基板101表面に入射する1次電子ビーム200を減速させる必要はない。よって、かかる場合には、加速電圧下の電子エネルギー値L(ekV)のまま入射させても構わない。一方、2次電子を発生させるためには、ゼロよりも大きい電子エネルギーで1次電子ビーム200を入射させる必要がある。よって、電位印加回路140(電位印加部)は、適切なランディングエネルギー値C(keV)として、基板101の入射面での電子エネルギーが、0keVより大きく、加速電圧下の電子エネルギー値L(ekV)以下までの範囲となる電位−m(eV)を平板電極224に印加すればよい。具体的な電位−m(eV)の値は、基板101面の帯電状況に応じて適宜設定すればよい。
図5は、実施の形態1における平板電極へのリターディング電位の印加により生じる基板表面の電位分布を説明するための図である。実施の形態1における検査装置100は、ステージ105を移動させながらスキャン動作を行う。このため、1次電子ビーム200の軌道中心軸(光軸)は変わらない。よって、ステージ105の移動範囲となる検査領域10全体で均一な電位が生じていれば良い。実施の形態1では、上述したように、平板電極224内に基板101の検査領域10全体がオーバーラップするように平板電極224が配置される。よって、図5に示すように、いくつかの点(例えば3点)で支持される、表面全体が絶縁体である基板101の検査領域10全体の電位を一定にできる。
図6は、実施の形態1における基板の領域の一例を説明するための図である。図6において、基板101がナノインプリント用のテンプレートである場合、テンプレートの検査領域10には、複数の図形パターンが形成されている。検査領域10は、例えばy方向(第1の方向)に向かって所定の幅D1(第1の幅)で複数のストライプ領域20に分割される。画像取得機構150によるスキャン動作は、例えば、ストライプ領域20毎に実施される。各ストライプ領域20は、長手方向に向かって複数のフレーム30に分割される。例えば、幅D2の矩形(例えば正方形)の領域に分割される。幅D2は、例えば、ストライプ領域20の幅D1と同じであっても構わない。実施の形態1では、かかるフレーム30が単位検査領域となる。対象となるフレーム30へのビームの移動は、主偏向器208による偏向によって行われる。
そして、画像取得機構150は、ストライプ領域20毎に、ステージ105の移動に伴って、電子ビーム200を用いてy方向のスキャンライン31のスキャン動作を繰り返しながら、y方向に直交するストライプ領域20の長手方向となるx方向(第2の方向)にスキャン動作を進める。例えば、1列目のスキャンライン31はy方向に進み、2列目のスキャンライン31は−y方向に進むといった列ごとに向きを変えて蛇行しながらスキャン動作を進めていくと好適である。ビームの移動は、副偏向器209による偏向によって行われる。1フレーム30あたり、例えば、256本のスキャンライン31をスキャンする。かかる動作を繰り返し、ストライプ領域20内を順に照射していく。1つのストライプ領域20のスキャンが終了したら、ステージ105の移動或いは/及び主偏向器208による偏向によって照射位置が次のストライプ領域20へと移動する。
図7は、実施の形態1における検査方法の要部工程を示すフローチャート図である。図7において、実施の形態1における検査方法は、リターディング電位印加工程(S102)と、被検査画像取得工程(S104)と、参照画像作成工程(S202)と、位置合わせ工程(S206)と、比較工程(S208)と、いう一連の工程を実施する。
リターディング電位印加工程(S102)として、電位印加回路140(電位印加部)は、適切なランディングエネルギー値C(keV)として、0keVより大きく、加速電圧下の電子エネルギー値L(ekV)以下までの範囲で適切なランディングエネルギー値C(keV)となる電位−m(eV)を平板電極224に印加する。具体的な電位−m(eV)の値は、基板101面の帯電状況に応じて適宜設定すればよい。
被検査画像取得工程(S104)として、画像取得機構150は、ストライプ領域20毎に、ステージ105の移動に伴って、電子ビーム200を用いてy方向のスキャンライン31のスキャン動作を繰り返しながら、x方向にスキャン動作を進めることによりストライプ領域20の電子光学画像データを取得する。スキャン動作の仕方は上述した通りである。検出器222によって検出された2次電子の検出データ(測定画像:電子光学画像:2次電子画像:被検査画像)は、測定順に検出回路106に出力される。検出回路106内では、図示しないA/D変換器によって、アナログの検出データがデジタルデータに変換され、パターンメモリ123に格納される。そして、得られた測定画像データは、位置回路107からの各位置を示す情報と共に、比較回路108に転送される。
参照画像作成工程(S202)として、参照画像作成回路112は、複数の図形パターンを形成する基になった設計データ、或いは基板101に形成された複数の図形パターンの転写イメージデータに定義された設計パターンデータに基づいて、フレーム30の画像展開を行って設計画像(展開画像)を作成する。具体的には、以下のように動作する。まず、記憶装置109から制御計算機110を通して設計パターンデータを読み出し、この読み出された設計パターンデータに定義された各図形パターンを2値ないしは多値のイメージデータに変換(展開)する。
ここで、設計パターンデータに定義される図形は、例えば長方形や三角形を基本図形としたもので、例えば、図形の基準位置における座標(x、y)、辺の長さ、長方形や三角形等の図形種を区別する識別子となる図形コードといった情報で各パターン図形の形、大きさ、位置等を定義した図形データが格納されている。
かかる図形データとなる設計パターンデータが参照画像作成回路112に入力されると図形ごとのデータにまで展開し、その図形データの図形形状を示す図形コード、図形寸法などを解釈する。そして、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンとして2値ないし多値の設計パターン画像データに展開し出力する。言い換えれば、設計データを読み込み、検査領域を所定の寸法を単位とするマス目として仮想分割してできたマス目毎に設計パターンにおける図形が占める占有率を演算し、nビットの占有率データを出力する。例えば、1つのマス目を1画素として設定すると好適である。そして、1画素に1/2(=1/256)の分解能を持たせるとすると、画素内に配置されている図形の領域分だけ1/256の小領域を割り付けて画素内の占有率を演算する。そして、8ビットの占有率データとして参照回路112に出力する。かかるマス目(検査画素)は、測定データの画素に合わせればよい。
次に、参照画像作成回路112は、図形のイメージデータである設計パターンの設計画像データに、フィルタ関数Fを使ってフィルタ処理を施す。これにより、画像強度(濃淡値)がデジタル値の設計側のイメージデータである設計画像データを補正測定画像データに合わせることができる。作成された参照画像の画像データは比較回路108に出力される。
図8は、実施の形態1における比較回路内の構成の一例を示す構成図である。図8において、比較回路108内には、磁気ディスク装置等の記憶装置52,56、位置合わせ部57、及び比較部58が配置される。位置合わせ部57、及び比較部58といった各「〜部」は、処理回路を含み、その処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「〜部」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いてもよい。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。位置合わせ部57、及び比較部58内に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度図示しないメモリ、或いはメモリ118に記憶される。
比較回路108内では、転送された測定画像データ(電子光学画像データ)が、フレーム30毎のフレーム画像として記憶装置56に一時的に格納される。また、転送された参照画像データが、記憶装置52に一時的に格納される。
位置合わせ工程(S206)として、位置合わせ部57は、被検査画像となるフレーム画像と、当該フレーム画像に対応する参照画像とを読み出し、画素より小さいサブ画素単位で、両画像を位置合わせする。例えば、最小2乗法で位置合わせを行えばよい。画素サイズとして、例えば、電子ビーム200の各ビームサイズと同程度のサイズの領域に設定されると好適である。
比較工程(S208)として、比較部58は、フレーム画像(電子光学画像データ)と参照画像とを比較する。比較部58は、所定の判定条件に従って画素毎に両者を比較し、例えば形状欠陥といった欠陥の有無を判定する。例えば、画素毎の階調値差が判定閾値Thよりも大きければ欠陥と判定する。そして、比較結果が出力される。比較結果は、記憶装置109、モニタ117、若しくはメモリ118に出力される、或いはプリンタ119より出力されればよい。
以上のように、実施の形態1によれば、数か所の点(例えば3点)で支持される、表面全体が絶縁体である基板についても検査領域全体の電位を一定にできる。よって、帯電の影響を抑制した電子線画像を取得できる。
以上の説明において、一連の「〜回路」は、処理回路を含み、その処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「〜回路」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いてもよい。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。プロセッサ等を実行させるプログラムは、磁気ディスク装置、磁気テープ装置、FD、或いはROM(リードオンリメモリ)等の記録媒体に記録されればよい。例えば、位置回路107、比較回路108、参照画像作成回路112、ステージ制御回路114、レンズ制御回路124、ブランキング制御回路126、及び偏向制御回路128は、上述した少なくとも1つの処理回路で構成されても良い。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
また、上述した例では、シングルビームでスキャンする構成について説明したが、マルチビームを用いてスキャンする構成に適用しても良い。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての電子ビーム画像取得装置、電子ビーム画像取得方法、電子ビーム検査装置及び電子ビーム検査方法は、本発明の範囲に包含される。
10 検査領域
20 ストライプ領域
30 フレーム
31 スキャンライン
52,56 記憶装置
57 位置合わせ部
58 比較部
100 検査装置
101 基板
102 電子ビームカラム
103 検査室
105 ステージ
106 検出回路
107 位置回路
108 比較回路
109 記憶装置
110 制御計算機
112 参照画像作成回路
113 画像補正回路
114 ステージ制御回路
117 モニタ
118 メモリ
119 プリンタ
120 バス
122 レーザ測長システム
123 パターンメモリ
124 レンズ制御回路
126 ブランキング制御回路
128 偏向制御回路
140 電位印加回路
142 駆動機構
144,146 DACアンプ
150 画像取得機構
160 制御系回路
200 電子ビーム
201 電子銃
202 電磁レンズ,207 電磁レンズ
208 主偏向器
209 副偏向器
212 ブランキング偏向器
206 制限アパーチャ基板
216 ミラー
222 検出器
224 平板電極
226 支持ピン

Claims (7)

  1. ステージと、
    前記ステージ上に配置され、図形パターンが形成された、少なくとも表面が絶縁体の基板を複数の点で支持する複数の支持部材と、
    前記基板上に電子ビームを入射させる光学系と、
    前記電子ビームが入射する前記基板の入射面とは反対の裏面側に隙間を空けて配置された平板電極と、
    前記電子ビームが前記基板に入射させられることに起因して、前記基板から放出される2次電子を検出する検出器と、
    を備えたことを特徴とする電子ビーム検査装置。
  2. 前記平板電極は、前記基板の検査領域全体よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の電子ビーム検査装置。
  3. 前記平板電極は、前記平板電極内に前記基板の検査領域全体がオーバーラップするように配置されることを特徴とする請求項1又は2記載の電子ビーム検査装置。
  4. 前記基板の前記入射面での電子エネルギーが、0keVより大きく、加速電圧下の電子エネルギー値以下までの範囲となる電位を前記平板電極に印加する電位印加部をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の電子ビーム検査装置。
  5. 前記複数の支持部材は、前記ステージ上に配置され、前記平板電極の外側で前記基板を支持することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の電子ビーム検査装置。
  6. 前記複数の支持部材は、絶縁性材料により構成されることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の電子ビーム検査装置。
  7. 前記基板として、ナノインプリント用のテンプレートと、フォトマスクとの一方が用いられることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の電子ビーム検査装置。
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