JP2007121695A - レンズ駆動装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コイルを正確に位置決めした状態で安定的に支持することができ、部品間のギャップを極力小さくして小型化を図ること。
【解決手段】 レンズRを保持するレンズホルダ11と、レンズホルダの外周面10aから外方に向けて所定距離離間した位置にガイド面を有するスペーサ部11と、スペーサ部11のガイド面に面接触した状態で取り付けられるコイル12と、コイルを内部に収納可能な外筒部13aと、外筒部から90度折曲された背面部13bと、背面部から90度折曲され、スペーサ部間でコイルと外周面との間に配される複数の爪部13cとを有するヨーク13と、ヨーク13に固定されるマグネット14と、ヨークを両側から固定する固定部材15と、レンズホルダにばね力を付与すると共にコイルに電気的接続されるシート部材16、17とを備え、ガイド面が、コイルの高さと少なくとも同じ高さになるように形成されているレンズ駆動装置2を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、デジタルカメラやカメラ付き携帯電話器等のフォーカスやズーム等を行うレンズ駆動装置及びこれを有する電子機器に関するものである。
デジタルカメラやカメラ付き携帯電話器等の電子機器では、一般的にレンズ駆動装置を利用してレンズ位置を調整してフォーカスやズーム等を行っている。
この種のレンズ駆動装置は、様々なものが知られているが、その1つとして、例えば、ムービングコイルタイプのリニアアクチュータ(ボイスコイルモータ)を応用したレンズ駆動装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このレンズ駆動装置40は、図8に示すように、断面コの字型で円筒状に形成されたヨーク41と、該ヨーク41の外壁41a内面に取り付けられるマグネット42と、レンズRを支持するレンズホルダ43と、マグネット42に対向するようにレンズホルダ43に装着されるコイル44と、ヨーク41を支持するベース45と、該ベース45を支持するフレーム46と、レンズホルダ43を上下から挟み込んで支持すると共にコイル44への給電経路として機能する2個のスプリング47とを備えている。
このように構成されたレンズ駆動装置40によれば、コイル44に印加する電流値と、2個のスプリング47の復元力との釣り合いによってレンズホルダ43の移動量を制御することができる。その結果、円滑且つ高精度にレンズRを移動させることができ、ブレの少ないオートフォーカスを実現している。
特開2004−280031号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されているレンズ駆動装置では、以下の課題が残されている。
まず、このレンズ駆動装置40を組み立てる際、図8に示すように、レンズホルダ43とコイル44とのギャップ間に、環状に形成されたヨーク41の内壁41bが入り込むようにヨーク41とレンズホルダ43とを組み合わせる必要がある。そのため、レンズホルダ43は、コイル44を下側の一方でしか支持することができなかった。よって、コイル44を確実に位置決めした状態で支持することが難しく、取り付け誤差が大きくなってしまったり、取り付け状態が不安定になったりしていた。
その結果、ヨーク41とレンズホルダ43とを組み合わせる際に、コイル44が斜めになってしまい、ヨーク41の内壁41bやマグネット42に接触する可能性があった。特に、コイル44の上側にいくほど、接触の可能性が高かった。
そこでこのような不具合を極力回避するため、コイル44とレンズホルダ43との間、及び、コイル44とマグネット42との間を、予めある程度の間隔(ギャップ)が確保されるように設計せざるを得なかった。しかしながら、このように設計することで上述した接触の可能性については低減することができるが、その反面、部品間のギャップが大きくなってしまい、小型化することが困難なものであった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、コイルを正確に位置決めした状態で安定的に支持することができ、部品間のギャップを極力小さくして小型化を図ることができるレンズ駆動装置、及び、該レンズ駆動装置を有する電子機器を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明のレンズ駆動装置は、レンズを周囲から囲んだ状態で保持するレンズホルダと、該レンズホルダの外周面に一定間隔毎に複数形成され、外周面から外方に向けて所定距離離間した位置にガイド面を有するスペーサ部と、前記複数のスペーサ部のガイド面に内周面が面接触した状態で、前記レンズホルダの周囲を囲むように取り付けられる環状のコイルと、前記コイルを内部に収納可能な枠状の外筒部と、該外筒部の一端側の外縁から前記レンズホルダ側に向けて90度折曲された背面部と、該背面部からさらに90度折曲され、隣接する前記スペーサ部間で前記コイルと前記レンズホルダの外周面との間に配される複数の爪部とを有し、前記レンズホルダに組み合わされるヨークと、該ヨークの外筒部内面に固定され、前記コイルに対して対向配置されるマグネットと、前記レンズホルダを移動可能な状態で前記ヨークを両側から挟み込んで固定する一対の固定部材と、該一対の固定部材と前記ヨークとの間に挟まれ、前記レンズホルダが移動したときに逆方向にばね力を付与すると共に前記コイルに電気的接続される導電性のシート部材とを備え、前記ガイド面が、前記コイルの高さと少なくとも同じ高さになるように形成されていることを特徴とするものである。
この発明に係るレンズ駆動装置においては、レンズホルダの外周面に、該外周面から外方に向けて所定距離離間した位置にガイド面を有するスペーサ部が複数形成されているので、ガイド面に内周面を面接触させた状態でコイルを取り付けたときに、隣接するスペーサ部間では、コイルと外周面との間に隙間が空いた状態になる。
また、ヨークは、枠状の外筒部と、該外筒部の一端側から90度折曲された背面部と、該背面部からさらに90度折曲された複数の爪部とにより一体的に形成されており、爪部の部分だけに注目すると該ヨークは周方向に所定の間隔毎に分断された状態になっている。つまり、ヨークは、爪部が形成されていない位置では断面L字型に形成され、爪部が形成された位置では断面コの字型に形成されている。
また、この爪部は、レンズホルダの外周面に形成されたスペーサ部間に位置するように間隔が調整されている。よって、ヨークとレンズホルダとを組み合わせる際、上述した隙間に爪部を挿入することができる。つまり、この隙間は、爪部との接触を逃がす逃げ部(空間)となっている。また、この組み合わせを行った際に、ヨークの外筒部内面に固定されたマグネットは、コイルに対して対向配置された状態になっている。
次いで、レンズホルダとヨークとを組み合わせた後、一対の固定部材により、レンズホルダを移動可能な状態でヨークを両側から挟み込んで固定する。この際、一対の固定部材とヨークとの間に、シート部材を挟んで組み立てを行う。これにより、レンズ駆動装置を組み立てることができる。
特に、内壁及び外壁が共に環状に形成された従来のヨークとは異なり、内壁にあたる部分が複数の爪部に分断されたヨークを利用しているので、従来のようにコイルを下側の一方でのみ支持する必要がない。つまり、スペーサ部は、複数の爪部間に配されているので、爪部に干渉することなくガイド面を利用して確実にコイルをガイドすることができる。また、このガイド面は、コイルの高さと少なくとも同じ高さになるように形成されているので、コイルを高さ方向に亘って安定的にガイドすることができる。
よって、コイルを確実に位置決めした状態でレンズホルダに取り付けることができ、従来のようにコイルが斜めになる等の可能性がない。その結果、ヨークとレンズホルダとを組み合わせた際に、コイルが爪部やマグネットに接触する恐れがなくなり、各部品間のギャップ、例えば、コイルとマグネットとの間や、コイルと爪部との間を極力小さくすることができる。そのため、全体のサイズを小さくすることができ、小型化を図ることができる。
また、本発明に係るレンズ駆動装置を作動させる場合には、シート部材を介してコイルに所定の電圧を印加する。これによりコイルに電流が流れてレンズホルダに電磁力が作用し、レンズホルダを移動させる。一方、シート部材は、レンズホルダの移動に伴って変形し、該レンズホルダに対して移動方向とは逆方向にばね力を付与する。これにより、電磁力とばね力とが釣り合った位置にレンズホルダを位置させることができる。このように、コイルに印加する電流量を制御することで、レンズの移動量を確実に制御することができる。従って、円滑で高精度にレンズを移動させることができ、ズームやフォーカス等を行うことができる。
また、上述したように、各部品間のギャップを極力小さくできるので、小さな電流量で電磁力を効率良く得ることができ、消費電力を抑えることができる。
また、本発明に係るレンズ駆動装置は、上記本発明のレンズ駆動装置において、前記複数のスペーサ部が、前記コイルを高さ方向に位置決めさせる突起部を有していることを特徴とするものである。
この発明に係るレンズ駆動装置においては、コイルを高さ方向に位置決めさせる突起部がスペーサ部に設けられているので、より安定した状態でコイルの取り付けを行うことができる。
また、本発明のレンズ駆動装置は、上記本発明のレンズ駆動装置において、前記レンズホルダの外周面には、前記複数のスペーサ部間において前記コイルの内周面に面接触すると共に、前記ヨークを組み合わせたときに前記爪部に対して非接触状態に配されたフランジ部が形成されていることを特徴とするものである。
この発明に係るレンズ駆動装置においては、レンズホルダの外周面に、コイルの内周面に面接触するフランジ部が形成されているので、コイルをさらに安定して取り付けることができる。
また、このフランジ部は、複数のスペーサ部間に位置すると共にヨークを組み合わせたときに爪部に対して非接触状態となるように形成されているので、レンズホルダとヨークとの組み合わせに何ら影響を与えることはない。
また、本発明のレンズ駆動装置は、上記本発明のいずれかのレンズ駆動装置において、前記コイルが、前記複数のスペーサ部のガイド面に直接巻回された直巻きコイルであることを特徴とするものである。
この発明に係るレンズ駆動装置においては、コイルが複数のスペーサ部のガイド面に直接巻回された直巻きコイルであるので、予め環状に形成された空芯コイルをレンズホルダに組み合わせる場合とは異なり、レンズホルダとコイルとの取り付け誤差をなくし、公差ばらつき要因を減少させることができる。従って、部品間のギャップをさらに小さくすることができ、さらなる小型化を図ることができる。
また、レンズホルダとコイルとを後から組み合わせる必要がないので、組み立て工数を削減することができ、製造コストを低減することができる。
また、本発明のレンズ駆動装置は、上記本発明のいずれかのレンズ駆動装置において、前記シート部材が、前記ヨークを間に挟むように2つ配されていることを特徴とするものである。
この発明に係るレンズ駆動装置においては、シート部材がヨークを間に挟むように2つ配されているので、レンズホルダに対してばね力を均等に付与することができる。よって、軸ずれを抑えた状態でレンズホルダを移動させることができ、さらに滑らかな移動を実現することができる。
また、本発明の電子機器は、上記本発明のいずれかのレンズ駆動装置を有することを特徴とするものである。
この発明に係る電子機器においては、コイルを正確に位置決めした状態で安定的に支持し、部品間のギャップが小さい小型化されたレンズ駆動装置を備えているので、電子機器自体も小型化することができる。また、消費電力が抑えられたレンズ駆動装置を有しているので、やはり同様に消費電力を抑えることができ、ランニングコストを抑えることができる。
本発明に係るレンズ駆動装置によれば、コイルを正確に位置決めした状態で安定的に支持することができ、部品間のギャップを極力小さくして小型化を図ることができる。
また、本発明に係る電子機器によれば、小型化を図ることができると共に、消費電力の低減させてランニングコストを抑えることができる。
以下、本発明に係るレンズ駆動装置及び電子機器の一実施形態を、図1から図7を参照して説明する。
本実施形態の電子機器1は、図1に示すように、レンズ駆動装置2と、該レンズ駆動装置2を内蔵する図示しない筐体と、後述するスプリング16、17に所定の電圧を印加する電圧印加部3とを備えている。
上記レンズ駆動装置2は、図1及び図2に示すように、レンズRを周囲から囲んだ状態で保持するレンズホルダ10と、該レンズホルダ10の外周面10aに一定間隔毎に複数形成され、外周面10aから外方に向けて所定距離H離間した位置にガイド面11aを有するスペーサ部11と、複数のスペーサ部11のガイド面11aに内周面が面接触した状態で、レンズホルダ10の周囲を囲むように取り付けられる環状のコイル12と、レンズホルダ10に組み合わされるヨーク13と、該ヨーク13の後述する外筒部13a内面に固定され、コイル12に対して対向配置されるマグネット14と、レンズホルダ10を移動可能な状態でヨーク13を両側から挟み込んで固定する一対の固定部材15と、該一対の固定部材15とヨーク13との間に挟まれ、レンズホルダ10が移動したときに逆方向にばね力を付与すると共に、コイル12に電気的接続される導電性の2枚のシート状のスプリング(シート部材)16、17とを備えている。
レンズホルダ10は、図3から図6に示すように、合成樹脂等により角が丸みを帯びた上面視略四角状に形成されており、中心にレンズRを保持するための円形のレンズ保持孔10bが形成されている。レンズRは、このレンズ保持孔10b内にレンズホルダ10の厚み方向に光軸Lが向くように保持される。
スペーサ部11は、レンズホルダ10の外周面10aであって、該レンズホルダ10の四隅にそれぞれ位置するように、上記光軸Lを回転中心として90度間隔毎(上記一定間隔毎)に形成されている。また、各スペーサ部11は、レンズホルダ10の外周面10aから上記所定距離Hだけ離間した位置に曲面となるガイド面11aをそれぞれ有している。このガイド面11aは、図3及び図6に示すように、コイル12の高さTと同じ高さになるように形成されている。
また、スペーサ部11は、図4及び図6に示すように、コイル12を高さ方向(光軸L方向)に位置決めさせる突起部11bを有している。この突起部11bは、コイル12を間に挟むようにガイド面11aの上下に設けられ、ガイド面11aからコイル12の厚さ分だけ外方に突出するように形成されている。これにより、コイル12を取り付けたときに光軸L方向へのコイル12の移動が規制されるようになっている。即ち、コイル12は、両突起部11bによって巻線範囲が正確に決定される。
なお、本実施形態では、レンズホルダ10とスペーサ部11とは一体的に成型されているものとする。
また、レンズホルダ10の外周面10aには、図3及び図5に示すように、4つのスペーサ部11間においてコイル12の内周面に面接触すると共に、ヨーク13を組み合わせたときに後述するヨーク13の爪部13cに対して非接触状態に配されたフランジ部20が形成されている。
即ち、このフランジ部20は、外周面10aの一端側において、スペーサ部11のガイド面11aと同じ所定距離H離間した位置で、コイル12の内周面に面接触するように突出して形成されている。また、フランジ部20は、スペーサ部11と同様に光軸L方向に対してコイル12の移動を規制する突起部20bを有している。
コイル12は、本実施形態においては複数のスペーサ部11のガイド面11a、及び、フランジ部20に直接巻回された直巻きコイルである。つまり、コイル12は、複数のスペーサ部11のガイド面11a及びフランジ部20に内周面をそれぞれ面接触させた状態で、レンズホルダ10の周囲に巻回されている。この際、コイル12は、スペーサ部11の2つの突起部11b及びフランジ部20の突起部20bと同じ厚みとなるように巻数が調整されている。また、コイル12は、これら両突起部11b、20bによって、光軸L方向に位置ずれすることなく確実に位置決めされた状態となる。
このように、コイル12は、レンズホルダ10の外周面10aから所定距離Hだけ離間したガイド面11a及びフランジ部20に内周面が接触するように巻回されているので、隣接するスペーサ部11間においては、図4に示すように、コイル12とレンズホルダ10の外周面10aとの間に隙間Sが空いた状態となる。なお、この隙間Sは、後述するヨーク13の爪部13cが入り込む空間(逃げ部)となるものである。
また、レンズホルダ10の上面には、図3及び図4に示すように、一方のスプリング16を組み合わせる際に、該スプリング16を位置決めさせる2つの突起21が形成されている。なお、この突起21は、レンズホルダ10の四隅のうち、レンズ保持孔10bを間に挟んで対向配置される2箇所の隅にそれぞれ形成されている。
また、レンズホルダ10の下面には、同様に他方のスプリング17を位置決めさせる2つの図示しない突起が形成されている。この突起は、レンズホルダ10の四隅のうち、上記突起21が形成されていない残りの2箇所の隅にそれぞれ形成されている。つまり、上面に形成された2つの突起21を結ぶ線と、下面に形成された2つの突起を結ぶ線とが、直交する位置関係になっている。
上記ヨーク13は、図1及び図7に示すように、軟鉄等の磁性体であり、コイル12を内部に収納可能な枠状の外筒部13aと、該外筒部13aの一端側の外縁からレンズホルダ10側に向けて90度折曲された背面部13bと、該背面部13bからさらに90度折曲され、隣接するスペーサ部11間でコイル12とレンズホルダ10の外周面10aとの間に配される複数の爪部13cとで一体的に成型されている。
外筒部13aは、例えば、レンズホルダ10と略同じ高さで、上面視8角形状に形成されている。即ち、外筒部13aは、それぞれ対向する8つの面により形成されている。このうち、対向する4つの面の内面(外筒部内面)には、板状の上記マグネット14が接着等によりそれぞれ固定されている。
この際、図1に示すように、マグネット14とコイル12との間が微小な間隔を空けて対向配置されるように、外筒部13aのサイズやマグネット14の厚さ等が調整されている。なお、このマグネット14が固定される4つの面は、スペーサ部11間に設けられた上記隙間Sに対向する面である。
背面部13bは、上記隙間Sに爪部13cが入り込むことができる長さだけ、外筒部13aの一端側の外縁から折り曲げられている。
爪部13cは、外筒部13aの内側に位置するように折り曲げられると共に、外筒部13aの高さよりも低い高さとなるように長さが調整されている。また、4つのスペーサ部11間に設けられた隙間Sにそれぞれ挿入されるように4つ形成されている。
つまり、ヨーク13は、爪部13cが形成されていない位置では断面L字型に形成され、爪部13cが形成された位置では断面コの字型に形成されている。
そして、このヨーク13は、図2に示すように、背面部13bを下側にして枠部材25上に載置されている。この枠部材25は、合成樹脂等から形成されており、ヨーク13を載置する底面部25aと、外筒部13aの外面に接触した状態でヨーク13を周囲から囲んで保持する柱状の4つの支持部25bとを備えている。
また、底面部25aには、2つのスプリング16、17のうち、他方のスプリング17を位置決めさせる2つの突起25cが形成されていると共に、中央部分にはヨーク13を光軸L方向に移動可能にさせる貫通孔25dが形成されている。また、4つの支持部25b上には、後述するベース部材26を固定する突起25eがそれぞれ形成されている。
また、枠部材25上には、該枠部材25内にレンズホルダ10及びヨーク13を収納させた状態で、該レンズホルダ10及びヨーク13を挟み込む上面視四角状のベース部材26が固定されている。このベース部材26には、枠部材25の支持部25b上に設けられた突起25eにそれぞれ嵌合する4つの嵌合孔26aが形成されている。そして、この嵌合孔26aと突起25eとをそれぞれ嵌合させることで、枠部材25とベース部材26とが互いに固定されている。
即ち、これら枠部材25及びベース部材26は、上述した一対の固定部材15を構成している。なお、ベース部材26の中央部分には、レンズRに光を入射させるレンズ孔26bが形成されている。
また、ベース部材26と枠部材25との間には、上述した2つのスプリング16、17のうち、一方のスプリング16が挟まれている。このスプリング16は、ベース部材26と同様の形状に形成されており、各支持部25b上の突起25eを貫通させる貫通孔16aが四隅に形成されている。これにより、確実に位置決めされた状態で枠部材25とベース部材26との間に挟まれるようになっている。更に、このスプリング16には、レンズホルダ10のレンズ保持孔10bと同じサイズの貫通孔16bが形成されていると共に、レンズホルダ10の上面に形成された2つの突起21に嵌合する嵌合孔16cが形成されている。この嵌合孔16cにより、やはり確実に位置決めされた状態でレンズホルダ10に組み合わされている。なお、このスプリング16は、レンズホルダ10の上面に接着や熱カシメ等によって固定されている。
また、枠部材25とヨーク13との間には、他方のスプリング17が挟まれている。このスプリング17は、ヨーク13と同様の上面視8角形状に形成されており、中央部分にはレンズRと略同じサイズの孔17aが形成されていると共に、レンズホルダ10の下面に形成された2つの突起(不図示)に嵌合する嵌合孔17bが形成されている。この嵌合孔17bにより、確実に位置決めされた状態でヨーク13に組み合わされている。なお、このスプリング17は、ヨーク13の下面に接着や熱カシメ等によって固定されている。
更に、このスプリング17には、枠部材25に形成された2つの突起25cにそれぞれ嵌合する2つの嵌合孔17cが形成されている。これにより、やはり確実に位置決めされた状態で枠部材25に組み合わされている。
次に、本実施形態のレンズ駆動装置2の組み立て方法について、図1及び図2を参照しながら説明する。なお、以下に説明する組み立て方法は一例であって、この組み立て順番に限定されるものではない。
まず、レンズホルダ10のレンズ保持孔10b内に、光軸Lがレンズホルダ10の厚み方向に向くようにレンズRを接着等により固定する。この際、レンズホルダ10の周囲に、予めコイル12が巻回されているものとして説明する。つまり、各スペーサ部11間においては、コイル12とレンズホルダ10の外周面10aとの間に、爪部13cが入り込む隙間Sが空いている状態となっている。また、コイル12は、スペーサ部11の突起部11b及びフランジ部20の突起部20bより外方に突出しない厚みで巻回されている。
次いで、レンズホルダ10とヨーク13との組み合わせを行う。即ち、マグネット14と爪部13cとの間にコイル12を挿入すると共に、コイル12と外周面10aとの間に設けられた隙間Sに爪部13cを挿入するように、レンズホルダ10とヨーク13とを互いに組み合わせる。
なお、この組み合わせを行ったときに、図1及び図2に示すように、コイル12と背面部13bとの間、及び、爪部13cとフランジ部20との間は、それぞれに間隔が空いた状態となるが、この間隔はレンズホルダ10の移動ストロークとなるものである。
次いで、ヨーク13の下面に他方のスプリング17を固定する。この際、ヨーク13の下面に形成された突起(不図示)とスプリング17の嵌合孔17bとを嵌合させて、両者を確実に位置決めさせた状態で固定する。このスプリング17の固定を行った後、該スプリング17を間に挟んだ状態でヨーク13を枠部材25の底面部25a上に載置する。この際、スプリング17の嵌合孔17cと底面部25aの突起25cとを嵌合させることで、ヨーク13と枠部材25とを確実に位置決めした状態で組み合わせることができる。
この組み合わせ後、ヨーク13は、4つの支持部25bによって周囲を囲まれているので光軸L方向に直交する方向に位置ずれすることはない。
次いで、一方のスプリング16をレンズホルダ10の上面に固定する。この際、ヨーク13の上面に形成された突起21とスプリング16の嵌合孔16cとを嵌合させて、両者を確実に位置決めさせた状態で固定する。また、このスプリング16の固定を行うと同時に、四隅の嵌合孔16aを支持部25b上の突起25eに嵌合させる。
次いで、該スプリング16をレンズホルダ10との間に挟むように、ベース部材26を枠部材25上に載置すると共に、突起25eと嵌合孔26aとを嵌合させる。これにより、レンズホルダ10及びヨーク13を両側から挟み込んで固定することができる。
その結果、図1に示すレンズ駆動装置2を組み立てることができる。なお、組み立て後のレンズホルダ10は、単に他方のスプリング17によって抑えられているだけであるので、枠部材25に形成された貫通孔25dを通って光軸L方向に移動可能とされている。
次に、このように構成されたレンズ駆動装置2を作動させる場合について説明する。
まず、2つのスプリング16、17を介してコイル12に電圧印加部3より所定の電圧を印加する。これにより、コイル12に電流が流れてレンズホルダ10に電磁力が作用するので、該レンズホルダ10を光軸L方向に移動させることができる。一方、スプリング16、17は、レンズホルダ10の移動に伴って変形し、該レンズホルダ10に対して移動方向とは逆方向にばね力を付与する。これにより、電磁力とばね力とが釣り合った位置にレンズホルダ10を位置させることができる。
このように、コイル12に印加する電流量を制御することで、レンズRの移動量を確実に制御することができる。従って、円滑で高精度にレンズRを移動させることができ、ズームやフォーカス等をスムーズに行うことができる。
上述したように、本実施形態のレンズ駆動装置2は、内壁及び外壁が共に環状に形成された従来のヨークとは異なり、内壁に当たる部分が4つの爪部13cに分断されたヨーク13を利用しているので、従来のようにコイル12を下側の一方でのみ支持する必要がない。つまり、スペーサ部11は、4つの爪部13c間に配されているので、爪部13cに干渉することなくガイド面11aを利用して確実にコイル12をガイドすることができる。
特に、このガイド面11aは、コイル12の高さTと少なくとも同じ高さになるように形成されているので、コイル12を高さ方向に亘って安定的にガイドすることができる。
よって、コイル12を確実に位置決めした状態でレンズホルダ10に取り付けることができ、従来のようにコイル12が斜めになる等の可能性がない。その結果、ヨーク13とレンズホルダ10とを組み合わせた際に、コイル12が爪部13cやマグネット14と接触する恐れがなくなり、各部品間のギャップ、例えば、コイル12とマグネット14との間や、コイル12と爪部13cとの間を極力小さくすることができる。そのため、全体のサイズを小さくすることができ、小型化を図ることができる。
また、各部品間のギャップを極力小さくできるので、小さな電流量で電磁力を効率良く得ることができ、消費電力を抑えることができる。
また、スペーサ部11には、コイル12を高さ方向(光軸L方向)に位置決めさせる突起部11bが、コイル12を挟んで上下にそれぞれ設けられているので、より安定した状態でコイル12の取り付けを行うことができる。更に、レンズホルダ10の外周面10aにフランジ部20が形成されているので、スペーサ部11間であってもコイル12を安定して取り付けることができる。
また、コイル12は、スペーサ部11のガイド面11aに直接巻回された直巻きコイルであるので、予め環状に形成された空芯コイルをレンズホルダ10に組み合わせる場合とは異なり、レンズホルダ10とコイル12との取り付け誤差をなくし、公差ばらつき要因を減少させることができる。
従って、部品間のギャップをより小さくすることができ、さらなる小型化を図ることができる。また、レンズホルダ10とコイル12とを後から組み合わせる必要がないので、組み立て工数を削減することができ、製造コストを低減することができる。
また、スプリング16、17がヨーク13を間に挟むように2つ配されているので、レンズホルダ10に対してばね力を均等に付与することができる。よって、軸ずれを抑えた状態でレンズホルダ10を移動させることができ、より滑らかな移動を実現することができる。
また、本実施形態の電子機器1によれば、コイル12を正確に位置決めした状態で安定的に支持し、部品間のギャップが小さい小型化されたレンズ駆動装置2を備えているので、電子機器1自体も小型化することができる。また、消費電力が抑えられたレンズ駆動装置2を備えているので、やはり同様に消費電力を抑えることができ、ランニングコストを抑えることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、コイルを、予めガイド面に直接巻回した直巻きコイルとしたが、この場合に限られるものではなく、例えば、予め環状に形成された空芯コイルを利用しても構わない。この場合には、スペーサ部の突起部を、コイルを挟んだ両側にそれぞれ形成するのではなく、フランジ部の反対側に位置する箇所をなくし、フランジ部と同じ側に位置する箇所を残すように形成すれば良い。そして、スペーサ部のガイド面に内周面が接触するように、レンズホルダに後から空芯コイルを組み合わせれば良い。
但し、空芯コイルを利用した場合には、レンズホルダと空芯コイルとを組み合わせる組み立て工数が増えたり、レンズホルダと空芯コイルとの取り付け誤差が生じてしまったりするので、上記実施形態のように直巻きコイルとすることが好ましい。
また、ヨークの外筒部を上面視8角形状に形成した例を示したが、この形状に限定されるものではない。例えば、上面視円形に形成しても構わない。また、この場合には、マグネットをリング状に形成しても構わない。但し、上記実施形態に示すように、外筒部を8角形状に形成することで、ヨークが製造し易くなり、製造時間の短縮や製造コストの低減化を図ることができる。
また、上記実施形態では、ヨークを間に挟むようにスプリングを2つ設けた例を示したが、少なくとも1つ設ければ構わない。但し、2つ設けることで軸ずれを極力なくしてレンズホルダを移動できるのでより好ましい。
本発明に係る電子機器及びレンズ駆動装置の一実施形態を示す断面図である。 図1に示すレンズ駆動装置の分解斜視図である。 図2に示すレンズ駆動装置のレンズホルダ及びコイルの斜視図である。 図3に示すレンズホルダ及びコイルの上面図である。 図3に示す断面矢視A−A図である。 図3に示す断面矢視B−B図である。 図2に示すレンズ駆動装置のヨークの斜視図である。 従来のレンズ駆動装置の一例を示す断面図である。
符号の説明
R レンズ
1 電子機器
2 レンズ駆動装置
10 レンズホルダ
10a レンズホルダの外周面
11 スペーサ部
11a スペーサ部のガイド面
11b スペーサ部の突起部
12 コイル
13 ヨーク
13a 外筒部
13b 背面部
13c 爪部
14 マグネット
15 一対の固定部材
16、17 シート状のスプリング(シート部材)
20 フランジ部

Claims (6)

  1. レンズを周囲から囲んだ状態で保持するレンズホルダと、
    該レンズホルダの外周面に一定間隔毎に複数形成され、外周面から外方に向けて所定距離離間した位置にガイド面を有するスペーサ部と、
    前記複数のスペーサ部のガイド面に内周面が面接触した状態で、前記レンズホルダの周囲を囲むように取り付けられる環状のコイルと、
    前記コイルを内部に収納可能な枠状の外筒部と、該外筒部の一端側の外縁から前記レンズホルダ側に向けて90度折曲された背面部と、該背面部からさらに90度折曲され、隣接する前記スペーサ部間で前記コイルと前記レンズホルダの外周面との間に配される複数の爪部とを有し、前記レンズホルダに組み合わされるヨークと、
    該ヨークの外筒部内面に固定され、前記コイルに対して対向配置されるマグネットと、
    前記レンズホルダを移動可能な状態で前記ヨークを両側から挟み込んで固定する一対の固定部材と、
    該一対の固定部材と前記ヨークとの間に挟まれ、前記レンズホルダが移動したときに逆方向にばね力を付与すると共に前記コイルに電気的接続される導電性のシート部材とを備え、
    前記ガイド面は、前記コイルの高さと少なくとも同じ高さになるように形成されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
  2. 請求項1に記載のレンズ駆動装置において、
    前記複数のスペーサ部は、前記コイルを高さ方向に位置決めさせる突起部を有していることを特徴とするレンズ駆動装置。
  3. 請求項1又は2に記載のレンズ駆動装置において、
    前記レンズホルダの外周面には、前記複数のスペーサ部間において前記コイルの内周面に面接触すると共に、前記ヨークを組み合わせたときに前記爪部に対して非接触状態に配されたフランジ部が形成されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のレンズ駆動装置において、
    前記コイルは、前記複数のスペーサ部のガイド面に直接巻回された直巻きコイルであることを特徴とするレンズ駆動装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のレンズ駆動装置において、
    前記シート部材は、前記ヨークを間に挟むように2つ配されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のレンズ駆動装置を有することを特徴とする電子機器。
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