JP2007119329A - 光学ガラス、精密プレス成形用プリフォームおよびその製造方法、光学素子およびその製造方法 - Google Patents

光学ガラス、精密プレス成形用プリフォームおよびその製造方法、光学素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】洗浄に対して優れた耐性を有し、低分散特性を示す光学素子のための光学ガラス、前記光学素子とその製法、前記光学素子を作るためのガラスプリフォームとその製法を提供する。
【解決手段】5モル%以上のP2O5を含み、アッベ数(νd)が58以上、ガラス転移温度(Tg)が570℃以下、表面を光学研磨して50℃、0.01モル/リットルのNaOH水溶液に浸漬したときの質量減少量が17μg/(cm2・時)以下の耐アルカリ性を有する光学ガラス。流出パイプから流出する熔融ガラス流から所要質量の熔融ガラスを分離するか、熔融ガラスを流出、成形してガラス成形体を作製し、前記ガラス成形体を機械加工して、上記光学ガラスよりなる精密プレス成形用プリフォームを作製する方法。上記光学ガラスよりなる光学素子。プリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形する光学素子の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は精密プレス成形に適したP25含有の光学ガラス、および前記ガラスからなる精密プレス成形用プリフォームとその製造方法、ならびに前記ガラスからなる光学素子とその製造方法に関する。
低分散ガラスは様々な光学素子の材料として使用される有用な光学ガラスである。例えば、特許文献1には、アッベ数(νd)が約60〜73の低分散特性を示すリン酸塩ガラスが開示されている。
特開昭60-171244号公報
上記リン酸塩ガラスは、低分散特性を示すという点で魅力あるガラスであり、このガラスで作ったレンズは利用価値が高いものである。
しかし、このガラスで作ったレンズは洗浄すると表面性状が劣化するという問題がある。表面性状の低下には洗浄によるレンズ表面の傷や白濁が挙げられ、いずれもレンズの光学素子としての性能を著しく低下させる。また、反射防止膜をコートしたときに膜の付着力が弱くなり、時間の経過とともに膜剥離がおきてしまうこともある。
本発明は上記課題を解決するためのものであり、洗浄に対して優れた耐性を有し、低分散特性を示す光学素子を実現するための光学ガラス、ならびに前記光学素子とその製法、さらには、前記光学素子を作るためのガラスプリフォームとその製法を提供することを目的とする。
[1] 5モル%以上のP2O5を含み、アッベ数(νd)が58以上、ガラス転移温度(Tg)が570℃以下、表面を光学研磨して50℃、0.01モル/リットルのNaOH水溶液に浸漬したときの質量減少量が17μg/(cm2・時)以下の耐アルカリ性を有する光学ガラス。
[2] 610℃まで30℃/分の速度で昇温して10分間保持した後に放冷した後、内部に100nm以上の大きさの結晶粒子が10個/cm3以下となる熱的安定性を有することを特徴とする[1]に記載の光学ガラス。
[3] ヘイズ値が10%以下である[1]または[2]に記載の光学ガラス。
[4] 質量%表示で、
P2O5 18〜70%(ただし、70%を除くとともに5モル%以上)、
B2O3 0〜34%(ただし、0%を除く)、
Al2O3 0〜8%、
Li2O 0〜20%(ただし、0%を除く)、
Na2O 0〜18%、
K2O 0〜15%、
MgO 0〜25%、
CaO 0〜18%(ただし、MgO+CaO>4%)、
SrO 0〜20%、
BaO 0〜40%(ただし、SrO+BaO>1%、BaO/B2O3(質量%の比)は0〜15)、
ZnO 0〜14%
(ただし、ΣR''O=(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)、ΣR'O=(Li2O+Na2O+K2O)としたときのΣR''O/ΣR'Oは質量%の比で25以下)、
Gd2O3 0〜18%、
Sb2O3 0〜1%、
を含み、かつ、質量%表示において、P2O5、B2O3、Al2O3、Li2O、Na2O、K2O、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Gd2O3、Sb2O3以外の成分のうち最も多く含有されている成分の量がB2O3およびLi2Oの含有量のいずれよりも少ないことを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の光学ガラス。
[5] 質量%表示で、MgO 0%超かつ25%以下を含む[4]に記載の光学ガラス。
[6] 質量%表示で、B2O3 0.6%〜34%(ただし、P2O5/B2O3(質量%の比)は2.04〜30)含むことを特徴とする[4]に記載の光学ガラス。
[7] [1]〜[6]のいずれか1項に記載の光学ガラスよりなる精密プレス成形用プ
リフォーム。
[8] 流出パイプから流出する熔融ガラス流から所要質量の熔融ガラスを分離して[1]〜[6]のいずれか1項に記載の光学ガラスよりなる精密プレス成形用プリフォームを成形することを特徴とする精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
[9] 熔融ガラスを流出、成形してガラス成形体を作製し、前記ガラス成形体を機械加工して[1]〜[6]のいずれか1項に記載の光学ガラスよりなる精密プレス成形用プリフォームを作製することを特徴とする精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
[10] [1]〜[6]のいずれか1項に記載の光学ガラスよりなる光学素子。
[11] ガラス製のプリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形する光学素子の製造方法において、
前記プリフォームが[7]に記載のプリフォームであるか、または[8]または[9]に記載の方法により製造されたプリフォームであることを特徴とする光学素子の製造方法。
[12] プレス成形型に前記プリフォームを導入し、前記成形型と前記プリフォームを一緒に加熱し、精密プレス成形することを特徴とする[11]に記載の光学素子の製造方法。
[13] プレス成形型に予熱したプリフォームを導入し、精密プレス成形することを特徴とする[11]に記載の光学素子の製造方法。
本発明によれば、洗浄に対して優れた耐性を有し、低分散特性を示す光学素子を実現するための光学ガラス、ならびに前記光学素子とその製法、さらには、前記光学素子を作るためのガラスプリフォームとその製法を提供することができる。
本発明の光学ガラスは、5モル%以上のP2O5を含み、アッベ数(νd)が58以上であり、ガラス転移温度(Tg)が570℃以下であり、表面を光学研磨して50℃、0.01モル/リットルのNaOH水溶液に浸漬したときの質量減少量が17μg/(cm2・時)以下の耐アルカリ性を有するガラスである。
アッベ数(νd)が58以上の低分散特性を有するガラスとしては、一般に、リン酸塩ガラスあるいはフツリン酸ガラスを挙げることができる。これらのガラスからなる光学素子の表面性状がどのようにして悪化するかについて、本発明者が検討した結果、以下のことが判明した。
光学素子の表面を研磨加工で仕上げる際、目視は勿論、光学顕微鏡を用いた拡大観察でも認められない微細な傷が光学素子表面に形成される。この傷は潜傷と呼ぶに相応しいものであり、ガラス表面を化学処理しない限り、光学性能には影響を及ぼさない。しかし、前述のように、得られた光学素子を洗浄する際、洗浄作用がガラス表面を化学的に処理することになり、微細な傷が拡張して目視で認識できるほどに表面性状が劣化してしまう。このように表面性状を悪化する要因は研磨による潜傷と考えられるから、機械加工によらない方法、すなわち、加熱したガラスをプレス成形して成形型の成形面をガラスに精密に転写して光学機能面(例えばレンズ面)を形成すれば、潜傷は形成されず洗浄しても表面性状が悪化することはないと考えられる。しかし、実際に研磨によることなく、精密プレス成形で作製した光学素子でも、洗浄すると研磨により作製した光学素子ほどではないが表面性状が悪化して光学的性能が低下してしまう。精密プレス成形は軟化状態あるいは軟化状態に近いガラスを成形するため、研磨のように硬化したガラスに擦るような扱いはしないのに、上記問題が生じるのか疑問であった。
近年、より高精度の光学素子、例えば、画素数が100万画素を超える高精細な撮像素子に対応可能な高水準の結像性能を実現する光学素子が求められており、このような光学素子を精密プレス成形で作るには、プレス成形型の成形面を高い精度で加工するとともに、型成形面を極めて精密にガラスに転写する。精密プレス成形は研磨加工では生産性が見込めない、非球面レンズやマクロレンズなど特殊形状をした光学素子の製造に好適であり、このような特殊形状の光学素子を作るためのプレス成形型は、型材を切削加工で作られる。
ところが、切削加工したプレス成形型の成形面を詳細に観察すると、切削により生じた微細な凹凸があり、これら凹凸自体は得られる光学素子の性能を低下させるほどの大きさではないが、これら凹凸がガラスに精密に転写させる結果、精密プレス成形した光学素子表面に潜傷と同様の極めて微細な凹凸を形成することが判った。そして、このような微細な凹凸を有する光学素子を洗浄することにより、表面性状の悪化という問題がおきることが判明した。
上記知見に基づき完成された本発明の光学ガラスは、5モル%以上のP2O5を含み、アッベ数(νd)が58以上、ガラス転移温度(Tg)が570℃以下、表面を光学研磨して50℃、0.01モル/リットルのNaOH水溶液に浸漬したときの質量減少量が17μg/(cm2・時)以下の耐アルカリ性を有する光学ガラスである。
アッベ数(νd)が58以上の低分散特性を実現するため、本発明のガラスは5モル%以上のP2O5を含む組成系をベース組成とする。その上で、研磨法ほどに表面性状を悪化させない精密プレス成形を可能にするため、ガラス転移温度(Tg)を570℃以下とし、さらにプレス成形型成形面の微細な切削痕が転写された部位が洗浄時の表面性状悪化の起点にならないよう、上記の耐アルカリ性を付与し、これらの性能が総合的に結合することにより、表面性状悪化の抑制という効果を得ることができる。
本発明の光学ガラスにおいて、アッベ数(νd)の上限に特に制限はないが、量産に適したガラスを得るという観点から上限の目安を100とすればよい。アッベ数(νd)の好ましい範囲は59以上、より好ましい範囲は60以上、さらに好ましい範囲は61以上、一層好ましい範囲は62以上、より一層好ましい範囲は63以上、さらに一層好ましい範囲は64以上、なお一層好ましい範囲は65以上である。さらにアッベ数(νd)の上限を90以下とすることが好ましく、80以下とすることがより好ましく、75以下とすることがさらに好ましく、70以下とすることが一層好ましく、69以下とすることがより一層好ましく、68以下とすることがさらに一層好ましい。
前記諸性質を向上させ、より量産性に適したガラスを得る上から、P2O5量の好ましい範囲は、モル%表示で10 %以上が好ましく、15%以上がより好ましく、19 %以上がさらに好ましく、22 %以上が一層好ましく、24%以上がより一層好ましく、25%以上がさらに一層好ましく、26%以上がなお一層好ましく、27%以上が一段と好ましい。
また、P25量の上限はモル%表示で90%未満が好ましく、80%未満がより好ましく、70%未満がさらに好ましく、60%未満が一層好ましく、55%未満がより一層好ましく、50%未満がさらに一層好ましく、45%未満がなお一層好ましく、43%未満が一段と好ましく、41%未満がより一段と好ましく、39%未満がさらに一段と好ましく、37%未満がなお一段と好ましく、35%未満が特に好ましい。
ガラス転移温度の好ましい範囲は560℃以下、より好ましい範囲は550℃以下、さらに好ましい範囲は540℃以下、より一層好ましい範囲は530℃以下、さらに一層好ましい範囲は520℃以下、なお一層好ましい範囲は515℃以下、一段と好ましい範囲は510℃以下、より一段と好ましい範囲は505℃以下、さらに一段と好ましい範囲は500℃以下、なお一段と好ましい範囲は495℃以下、特に好ましい範囲は490℃以下である。下限については200℃以上を目安にすればよい。なお、ガラス転移温度を低下させることはプレス温度を低下させ、プレス成形型の寿命を延ばす上で好ましいことであるが、過剰に低下させるとガラスの耐久性などの低下を招くおそれがあるので、上限を前記のようにした上で、下限を250℃以上とすることが好ましく、300℃以上とすることがより好ましく、350℃以上とすることがさらに好ましく、400℃以上とすることが一層好ましく、450℃以上とすることがなお一層好ましい。
耐アルカリ性については上記観点から、ガラス表面を光学研磨して50℃、0.01モル/リットルのNaOH水溶液に浸漬したときの単位面積・単位時間あたりの質量減少量が15μg/(cm2・時)以下であることが好ましく、13μg/(cm2・時)以下であることがより好ましく、11μg/(cm2・時)以下であることがさらに好ましく、10μg/(cm2・時)以下であることが一層好ましく、9μg/(cm2・時)以下であることがより一層好ましく、8μg/(cm2・時)以下であることがさらに一層好ましく、7μg/(cm2・時)以下であることがなお一層好ましく、6μg/(cm2・時)以下であることが一段と好ましく、5μg/(cm2・時)以下であることがより一段と好ましく、4μg/(cm2・時)以下であることがさらに一段と好ましく、3μg/(cm2・時)以下であることがなお一段と好ましく、2μg/(cm2・時)以下であることが特に好ましく、1μg/(cm2・時)以下であることが最も好ましい。
なお、光学ガラスの耐アルカリ性は、
上記条件における質量減少量に応じて1級〜5級に分類されることがある。
すなわち
0.01mg未満の値を四捨五入して
1級は質量減少量が0.01mg/(cm2・15h)以下、
2級は質量減少量が0.02〜0.10mg/(cm2・15h)以下、
3級は質量減少量が0.11〜0.20mg/(cm2・15h)以下、
4級は質量減少量が0.21〜0.30mg/(cm2・15h)以下、
5級は質量減少量が0.31mg/(cm2・15h)以上
のため、
1時間あたりの質量減少量に換算すると
1級は質量減少量が1μg/(cm2・時)未満
2級は質量減少量が1μg以上〜7μg/(cm2・時)未満、
3級は質量減少量が7μg以上〜約13.667μg/(cm2・時)未満、
4級は質量減少量が約13.667μg以上〜約20.333μg/(cm2・時)未満、
5級は質量減少量が約20.333μg/(cm2・時)以上
となる。
この等級は、多くの光学ガラスの耐アルカリ性の分布をもとに、耐アルカリ性の等級を便宜的に5つの級に分けたものであり、各等級の境界に別段の物理的意味はない。ただし、光学ガラスのカタログなど、大雑把にガラスの耐アルカリ性を表示する際にこのような等級による記述が行われることがある。
一般に、耐アルカリ性が20μg/(cm2・時)以上のものは耐アルカリ性が低く、洗浄における潜傷などが生じる可能性が高い。一般に、燐酸とアルカリを多く含み、TiやNbといった高屈折率・高融点の成分を含まない低分散光学ガラスは耐アルカリ性が低い傾向にある。
本発明のガラスのほとんどは、燐酸とアルカリを共に必須成分とするガラスでありながら、上記条件における質量減少量が17μg/(cm2・時)であることから、潜傷が生じにくい。
本発明の光学ガラスの好ましい態様は、精密プレス成形時のガラスの加熱に対し、ガラスの失透をより有効に抑制するために、次のような熱的安定性を有する。
大気中にて熔融状態から鋳型にキャストし、上面に平坦な自由表面を有するガラス成形体を作る。なお、自由表面とは、成形型表面が転写されることなく形成された面を意味する。このガラス成形体を切断し、1×1×2cm3の直方体状のガラス試料を作る。なお、前記試料の表面のうちの1つ(1×2cm2)が、上記自由表面の一部になるように、前記切断を行うものとする。このガラス試料を610℃まで30℃/minの速度で昇温して10分間保持した後に放冷して得たガラス内部に100nm以上の大きさの結晶粒子が10個/cm3以下となる熱的安定性を有する光学ガラスである。このような熱的安定性を備えることにより、精密プレス成形時のガラスの加熱に対し、ガラスの失透をより有効に抑制することができる。なお、単位体積あたりの前記結晶粒子の数は、8個/cm3以下であることが好ましく、6個/cm3以下であることがさらに好ましく、5個/cm3以下であることが一層好ましく、3個/cm3以下であることがより一層好ましく、1個/cm3以下であることがさらに一層好ましく、結晶粒子が認められないものが最も好ましい。
また、ガラスの上記自由表面部分に結晶析出やクモリなどの欠陥が認められないことが好ましいことから、上記放冷後に前記自由表面に析出する結晶核の数が少ないガラスが好ましい。具体的には、直径0.1μm〜30μmの結晶粒子の平均密度が1×105個/cm2以下であるガラスが好ましく、直径0.1μm〜100μmの結晶粒子の平均密度が1×104個/cm2以下であるガラスがより好ましく、直径0.1μm〜300μmの結晶粒子の平均密度が1×103個/cm2以下であるガラスがさらに好ましく、直径0.1μm〜1000μmの結晶粒子の平均密度が1×102個/cm2以下であるガラスが一層好ましく、直径0.1μm〜3000μmの結晶粒子の平均密度が0〜10個/cm2であるガラスが特に好ましい。
さらに本発明の好ましい態様は、ヘイズ値が10%以下のガラスである。両面光学研磨したガラスを温度65℃、湿度90%の清浄な恒温恒湿機内に1週間保持し、そのガラスの研磨面に生じた変質層および析出物の程度を、ガラスに対し垂直に白色光を透過させた時の散乱光/透過光の比がヘイズ値である。ヘイズ値の大きいガラスは、ガラスに付着する水滴や水蒸気および使用環境におけるガスなど種々の化学成分によって、ガラスが侵食されたり、ガラス表面に反応物が生成したりする速度の大きい、いわゆる化学的耐久性が低いガラスである。このようなガラスを光学素子として用いる場合、ガラスの侵食やガラス表面の生成物が原因で、光学ガラス素子の表面に異物が発生し、透過率等の光学特性が低下する恐れがあるため、このようなガラスは光学ガラス組成物として好ましくない。特に精密プレス成形用プリフォームを作る場合、表面に変質層が生じると精密プレス成形に悪影響が生じるため、上記用途に使用する場合にはガラスの耐候性には十分注意を払う必要がある。このような観点から、ヘイズ値が8%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、4%以下であることがさらに好ましい。
前記諸特性を良好にするとともに、ガラスの量産性を高める上から、屈折率(nd)を1.46以上とすることが好ましく、1.48以上とすることがより好ましく、1.50以上とすることがさらに好ましく、1.52以上とすることが一層好ましく、1.54以上とすることがより一層好ましく、1.55以上とすることがさらに一層好ましく、1.56以上とすることがなお一層好ましい。屈折率(nd)の上限は、1.7以下とすることが好ましく、1.67以下とすることがより好ましく、1.65以下とすることがさらに好ましく、1.63以下とすることが一層好ましく、1.62以下とすることがより一層好ましく、1.61以下とすることがさらに一層好ましく、1.60以下とすることがなお一層好ましい。
次に本発明の光学ガラスの好ましい組成範囲について説明する。P25の含有量については前述のとおりであり、以下の好ましい組成範囲におけるP25の量も前述の範囲内に限定するものとする。以下、各成分の量、合計量、前記各量の比はP25とそれ以外の成分の量のバランスを適切に表すため特記しない限り、質量%表示あるいは質量比にて表示するものとする。
好ましい組成範囲は、
P2O5 18〜70%(ただし、70%を除きかつ5モル%以上)、
B2O3 0〜34%(ただし、0%を除く)、
Al2O3 0〜8%、
Li2O 0〜20%(ただし、0%を除く)、
Na2O 0〜18%、
K2O 0〜15%、
MgO 0〜25%、
CaO 0〜18%(ただし、MgO+CaO>4%)、
SrO 0〜20%、
BaO 0〜40%(ただし、SrO+BaO>1%、BaO/B2O3(質量%の比)は0〜15)
ZnO 0〜14%
(ただし、ΣR''O=(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)、ΣR'O=(Li2O+Na2O+K2O)としたときのΣR''O/ΣR'Oは質量%の比で25以下)、
Gd2O3 0〜18%、
Sb2O3 0〜1%、
を含み、かつ、上記以外の成分のうち最も多く含有されている成分の量がB2O3およびLi2Oの含有量のいずれよりも少ない組成範囲である。
さらに好ましい組成範囲は次の2つに分けられる。第1の範囲は、MgOを0%超かつ25%以下含む範囲であり、第2の範囲は、B2O3を0.6〜34%含み、P2O5/B2O3(質量%の比)は2.04〜30)を満たす範囲である。
第1の範囲、第2の範囲の両方において、
P2O5 20〜60%、
B2O3 0.6〜28%(ただし、P2O5/B2O3(質量%の比)は2.1〜30)、
Al2O3 0〜8%、
Li2O 1〜20%(ただし、1%を除く)、
Na2O 0〜18%、
K2O 0〜15%、
MgO 0〜25%(ただし、0%を除く)、
CaO 0〜18%(ただし、MgO+CaO>4%)、
SrO 0〜20%、
BaO 0〜39%(ただし、SrO+BaO>1%、BaO/B2O3(質量%の比)は0〜15)、
ZnO 0〜14%、
(ただし、ΣR''O=(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)、ΣR'O=(Li2O+Na2O+K2O)としたときのΣR''O/ΣR'Oは質量%の比で25以下)、
Gd2O3 0〜18%、
Sb2O3 0〜1%、
を含む光学ガラスである。
上記各組成には、低分散化に有利に働く、P2O5、B2O3、Li2Oの成分を共存させる。その上でガラスの耐候性を向上させるため2価成分を導入する。2価成分のうち耐候性および失透安定性の向上、屈折率の増加に有利なものは、イオン半径の比較的大きいBaOとSrOである。そのため、P2O5、B2O3、Li2OとともにBaOおよびSrOの少なくとも一方の2価成分を必須成分として導入する。
しかし、2価成分のうち低分散化に有利なものはMgO、続いてCaO、SrO、BaO、ZnOの順であるため、2価成分をすべてBaOまたはSrOに割り当てることは、低分散化の目的にそぐわない。したがって、BaOまたはSrO以外の2価成分として、MgOおよびCaOの少なくとも一方を導入して、低分散化の目的を達成する。
第1の範囲では、2価成分のうち低分散化に有効なMgOを必須成分として導入することにより、網目構造形成成分の1つであるB2O3の導入量に関して自由度が大きくなる。一方、第2の範囲では、ガラスの網目構造形成成分であるP2O5とB2O3の導入量の質量比を所定の範囲にすることで、MgOを任意成分とすることができる。
その他の2価成分としてZnOを任意成分とし、失透安定性、耐候性、熔解性、清澄効果の向上および光学特性の調整のため、Al2O3、Na2O、K2O、Gd2O3を任意成分として導入するとともに、Sb2O3を任意添加の清澄剤として導入することができる。
特に、低分散性、高耐候性、さらにはより高い屈折率といった材料特性を両立するためには、ガラスの熱安定性を高めることが好ましい。そのために、本発明では、ガラス中により多種のガラス成分を共存させ、1つの成分の含有量を突出させないことが望ましい。多種のガラス成分を含有することによって、1つの成分に起因する結晶種が析出する速度を遅延させることができ、結果として、ガラスの熱安定性を高め、上記諸特性を両立することができる。このことから、前記組成において、後述するように、例えば2価成分については、BaOやSrOに対して一定量以上のMgOやCaOを含有させることが望ましい。
次に、前記組成範囲の限定理由を説明する。
P2O5は、ガラスの網目構造の形成成分であり、ガラスに製造可能な安定性を持たせるための必須成分である。しかし、その含有量が70%以上になるとガラス転移温度や屈伏点が上昇してプレス成形温度が高くなり、屈折率や耐候性が低下し、18%未満ではガラスの失透傾向が強くなりガラスが不安定になる。よって、P2O5の含有量を20〜70%(ただし、70%を除き、かつ5モル%以上)とする。好ましくは20〜60%、より好ましくは24〜58%、さらに好ましくは28〜54%である。なお、前述のモル%表示によるP25の好ましい量と質量%表示による含有量範囲との関係は、一方の表示による範囲が他方の表示による範囲より狭い場合、狭い範囲に限定されるにしたがい、本組成範囲ではより好ましい組成になることを意味する。
B2O3は、ガラスの熔融性の向上やガラスの均質化に非常に有効な成分であると同時に、ガラスの耐久性を向上させる非常に有効な成分である。しかし、B2O3を過剰に導入すると、ガラスの低分散性が損なわれる。そのため、その導入量を0〜34%(ただし、0%を除く)とし、第2の範囲では、0.6〜34%の範囲とする。第1の範囲および第2の範囲のいずれにおいても、B2O3の導入量は好ましくは0.6〜28%、より好ましくは3%超かつ28%以下、さらに好ましくは4%超かつ28%以下、一層好ましくは4%超かつ25%以下である。
なお、前述のように、第1の範囲では、2価成分のうち低分散化に有効なMgOを必須成分として導入することにより、網目構造形成成分の1つであるB2O3の導入量に関して自由度が大きくなる。一方、第2の範囲では、ガラスの網目構造形成成分であるP2O5とB2O3の導入量の質量比を所定の範囲にすることで、MgOを任意成分とすることができる。すなわち、第2の範囲では、ガラスに低分散性を付与することと、ガラスの分相を抑制して均一なガラスを得ることを両立するために、前述のP2O5含有量およびB2O3含有量の範囲内で、B2O3含有量に対するP2O5含有量の割合P2O5/B2O3(質量比)を2.04〜30とする。P2O5/B2O3は、好ましくは2.1〜30、より好ましくは2.1〜25、さらに好ましくは2.2〜15である。このようにP2O5とB2O3の割合をバランスさせることにより、屈折率を高め、分散を小さくしつつ、優れた耐候性、安定性、熔融性を得ることができる。第2の範囲において、ガラス中のB2O3含有量に対するP2O5含有量の割合P2O5/B2O3(モル比)は1より大きく、15より小さいことが好ましい。より好ましく10 より小さく、さらに好ましくは6より小さく、最も好ましくは5より小さい。
一方、第1の範囲は後述するようにガラスの低分散化に有効なMgOを必須成分として導入することにより、P2O5/B2O3(質量比)は2.04〜30に限定されない。但し、第1の範囲においても、上記P2O5/B2O3(質量比)を2.04〜30にすることが好ましく、2.1〜30にすることが好ましく、2.1〜25にすることがより好ましく、2.2〜15にすることがいっそう好ましい。
Al2O3は、ガラスの耐候性を向上させるために有効な成分として用いられる。しかし、その導入量が8%を超えると、ガラスの転移温度や屈伏点が高くなり、ガラスの安定性、高温溶解性が悪化し、屈折率も低下してしまう恐れがあるので、その導入量は0〜8%とする。好ましくは0〜6%、より好ましくは0〜5%である。
Li2Oは、ガラス転移温度および屈伏点を低下させ、プレス成形温度を低下させるために導入する成分である。特に、前述のように、ガラスの低分散化のために、P2O5、B2O3およびLi2Oを共存させることは非常に重要である。ただし、過剰の導入により、ガラスの耐候性、耐アルカリ性、安定性が悪化し、屈折率も急激に低下してしまう恐れがあるため、その導入量は0〜20%(ただし、0%を除く)の範囲とする。好ましくは1%超〜20%、より好ましくは1.5〜15%、さらに好ましくは1.0〜10%、その上に好ましくは2.0〜7%、最も好ましくは2.5%超〜7%の範囲である。
Na2OおよびK2Oは、いずれもガラスの耐失透性を向上させ、ガラス転移温度、屈伏点、液相温度を低下させ、ガラスの高温熔融性を改善するために導入される任意成分である。適当量のNa2OおよびK2Oの導入はガラスの安定性を改善し、液相温度や転移温度の低下につながるが、過剰に導入すると、ガラスの安定性が悪くなるばかりでなく、耐候性や耐アルカリ性が著しく悪化し、屈折率も低下する。よって、本発明のガラスにおいて、Na2Oの導入量は0〜18%の範囲とし、K2Oの導入量は0〜15%の範囲とする。好ましくは、Na2Oが0〜15%、K2Oが0〜12%の範囲、より好ましくは、Na2Oが0〜10%、K2Oが0〜4.5%の範囲、さらに好ましくは、Na2Oが0〜9%、K2Oが0〜4%の範囲である。モル%表示によるNa2O含有量の好ましい範囲は0〜9モル%、より好ましい範囲は、0〜7モル%である。また、Li2O+Na2O+K2Oが1%未満となると、ガラスの屈伏点が高くなり、良好な精密プレス成形ができなくなる恐れがあるので、その合計量を1%超にすることが好ましく、1.5%超にすることが より好ましく、2%超とすることがさらに好ましく、2.5%超とすることがいっそう好ましい。なお、Li2O、Na2O、K2Oといったアルカリ金属酸化物の導入は、液相温度を低下させ、熔融ガラスの成形性を向上させるため、プリフォームの熱間成形の面からも好ましい。
本発明のガラスにおいて、アルカリ金属酸化物であるCs2Oの導入は必ずしも必要ではなく、原料コストの面から不利なのでむしろ不要である。また、Cs2Oは耐候性を著しく損なうため、Cs2Oを導入しないことが好ましい。
MgOは、ガラスの高耐候性と低分散化を両立させるために導入される成分で、第1の範囲では必須成分、第2の範囲では任意成分である。少量のMgOの導入により、ガラス転移温度や屈伏点または液相温度を低める効果もある。しかし、多量に導入すると、ガラスの失透安定性が著しく悪化し、液相温度も逆に高くなる恐れがあるので、その導入量は第1の範囲では0%超かつ25%以下の範囲、第2の範囲では0〜25%の範囲とする。前記両範囲におけるMgOの含有量は、好ましくは1〜20%、より好ましくは2〜15%、さらに好ましくは3〜12%の範囲である。MgOはB2O3、Li2Oと同様にガラスの低分散化にとって有利な働きをする。よって、精密プレス成形およびプリフォームの熱間成形に要求される諸特性を損なわずに所望の分散を得る上から、本発明のガラスには、MgO、B2O3、Li2Oのいずれか一種の成分を4%超導入することが好ましく、4.1%以上導入することがより好ましく、特に、ガラスに低分散性を付与するためには、5%を超えて導入することが好ましい。
CaOは、ガラスの安定性を改善し、液相温度を低下させるために用いられる任意成分である。但し、過剰のCaOの導入によりガラスの耐久性が悪化するだけでなく、屈折率も低下してしまう恐れがあるので、その導入量は0〜18%の範囲とする。好ましい範囲は4%超15%以下、より好ましい範囲は4.5〜12%である。
第1、第2の範囲のいずれにおいても、ガラスの低分散性と安定性、および耐候性を両立するために、前記範囲内であって、さらにMgOとCaOの合計量(MgO+CaO)が4%超、好ましくは5%以上、より好ましくは7〜25%、さらに好ましくは7〜20%となるように、MgOおよびCaO導入量を設定する。
SrOは、ガラスの低分散特性を損なわずにガラスの屈折率を高める有効な成分である。特にガラスの耐候性を高める成分としても有効である。しかし、過剰のSrOを導入すると、ガラスの安定性が悪化し、液相温度も上昇する。よって、SrOの導入量は0〜20%の範囲とする。好ましくは0〜15%、より好ましくは0〜10%の範囲である。
BaOは、適当量の導入によって、ガラスの屈折率を高め、失透安定性を向上させるために非常に有効な成分であり、特にガラスの耐候性を高める成分として最も有効である。しかし、過剰のBaOを導入するとガラスの失透安定性が著しく損なわれ、またガラス転移温度が上昇し、かつ低分散特性を損なうデメリットがある。したがって、その導入量を0〜40%の範囲とする。好ましくは0〜39%、より好ましくは1〜38%の範囲である。ガラスの耐候性を高めるために、前記範囲内であって、さらにSrOとBaOの合計量(SrO+BaO)が1%超、好ましくは2%以上、さらに好ましくは3%〜40%なるように、SrOおよびBaOの導入量を設定する。
ガラスの安定性向上の面からは、SrOとBaOの合計量(SrO+BaO)に対するMgOとCaOの合計量(MgO+CaO)の割合、すなわち、(MgO+CaO)/(SrO+BaO)(質量比)を0.11〜40にすることが好ましく、0.16〜30であることがより好ましく、0.2〜25であることがさらに好ましく、0.2〜20であることが一層好ましく、0.2〜10であることが最も好ましい。また、0.21〜25であることが好ましく、0.26〜20であることが一層好ましい場合もある。よって、前記範囲内であって、さらにこの質量比を満たすように、各成分の含有量を設定することが好ましい。
また、ガラスの分散を低くし、かつガラスの安定性を高める上から、前記範囲内であって、さらにB2O3含有量に対するBaO含有量の割合BaO/B2O3(質量比)が0〜15の範囲になるように、BaOおよびB2O3の導入量を設定する。BaO/B2O3の好ましい範囲は0〜12、より好ましい範囲は0〜10である。
ZnOは、ガラスの安定性を改善し、液相温度を低下させるために用いられる任意成分である。但し、過剰のZnOの導入によりガラスの耐久性が悪化するだけでなく、分散も大きくなる恐れがある。そこで、ZnOの導入量は0〜14%の範囲とする。分散を低くし、ガラスの安定性をより一層改善する上から、ZnOの導入量を0〜6%(ただし、6%を含まず。)とすることが好ましく、0〜5%にすることがより好ましく、0〜3%にすることがいっそう好ましい。ZnOは任意成分であり、特に分散を低くしたい場合には導入しないことが好ましい。
なお、ガラスの耐久性を向上し、所望の光学特性を得る上から、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計量(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)を10%以上とすることが好ましく、20%以上とすることがより好ましい。よって、前記範囲内であって、さらに、これらの成分の合計量が上記範囲となるように、各成分の導入量を設定することが好ましい。
精密プレス成形の温度をより低下する上から、Li2O、Na2OおよびK2Oの合計量(Li2O+Na2O+K2O)に対するMgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計量の割合(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(Li2O+Na2O+K2O)(質量比)を25以下とする。前記範囲内であって、さらに上記質量比を満たすように、各成分の導入量を設定する。上記質量比は、好ましくは23未満、より好ましくは22以下、さらに好ましくは2〜20の範囲である。
Gd2O3は、ガラスの耐候性や屈折率を大幅に改善することができる任意成分である。但し、過剰のGd2O3を導入すると、ガラスの安定性が悪化してしまう恐れがあるので、その導入量は0〜18%とする。より好ましくは0〜14%、さらに好ましくは0〜10%である。
Sb2O3はガラスの清澄剤として有効である。しかし、1%を超えて添加すると、精密プレス成形時にガラスが発泡しやすくなる。また、またSbは強い酸化力を示すため、Sb2O3を過剰に添加するとプレス成形型の成形面がダメージを受けやすくなる。そこで、Sb2O3の導入量は0〜1%とする。好ましい範囲は0〜0.6%である。
上記ガラスは、基本的にP2O5、B2O3、Al2O3、Li2O、Na2O、K2O、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Gd2O3およびSb2O3の範囲内の成分によって構成されることが好ましい。
前記範囲に含まれる成分の合計量は、95%超とすることが好ましく、98%超とすることがより好ましく、99%超とすることがさらに好ましく、100%とすることがより一層好ましい。
上記光学ガラスは基本的に上記成分により構成されるものであるが、その他の成分を導入することも可能である。但し、その場合は、上記以外の成分のうち最も多く含有されている成分の量が、B2O3、Li2Oのいずれの含有量よりも少なくなるようにする。
例えば、Y2O3は、ガラスの耐候性や屈折率を改善することができる成分として導入することができる。但し、過剰のY2O3の導入により、ガラスの安定性が悪化してしまう恐れがあるため、B2O3およびLi2Oの各含有量が1%以上の場合であってもY2O3の導入量は1%未満とすることが好ましく、ガラスの安定性が低下しないように十分配慮する場合は、導入しないことが好ましい。
SiO2は、少量の導入でガラスの液相温度を低下させ、安定性を高める効果があるため、B2O3、Li2Oの含有量との関係を満たせば導入してもよい。その導入量は、例えば0〜2%の範囲とすることができ、1%以下にすることがより好ましく、導入しないことがさらに好ましい。
Nb25は、分散を大きくする働きがあるため、B2O3およびLi2Oの各含有量が2%以上の場合であっても導入量を2%未満に抑えることが好ましく、1%以下にすることがより好ましく、導入しないことがさらに好ましい。
また、Yb2O3、Lu2O3、ZrO2、Ta2O5、Bi2O3、WO3、TiO2からなる群から選ばれる1種または複数種の成分も、発明の目的を損なわない範囲で導入可能である。
ただし、La2O3は不要な成分であり、少量の導入によりガラスの安定性が急激に悪化するとともに、溶解性も低下するため導入しないことが好ましい。また、SnOは、ガラスの分散を急激に大きくするため、導入しないことが好ましい。
Te、Pb、Cd、Tl、Asの各化合物は環境への影響に配慮する立場から導入しないことが望ましい。さらに、精密プレス成形を非酸化性雰囲気あるいは還元性雰囲気下で行う場合、還元により金属として析出しやすいAg化合物も導入しないことが好ましい。
さらに発光素子を作製する場合を除き、Nd、Er、Prなどの導入も不要である。また、燐光などの発光源となる物質の導入も、発光素子などの作製を目的にしない場合には好ましくない。
上記組成範囲におけるさらに好ましい範囲として、目的とする特性に応じて以下の3つのタイプのガラスを挙げることができる。
第1のタイプのガラスは、BaO含有量を1〜20質量%(ただし、20質量%を含まない)、好ましくは1〜18質量%と少なくすることにより、より低い分散とより優れた耐候性を実現するものである。第1のタイプのガラスにおいては、B2O3含有量を5質量%超とすることが好ましく、7質量%以上とすることがより好ましい。また、MgO含有量を5質量%超とすることが好ましく、6質量%以上とすることがより好ましい。
第2のタイプのガラスは、BaOを比較的多く導入し、かつBaO含有量に対するP2O5含有量の質量比(P2O5/BaO)を1未満とすることにより、より高い屈折率とより優れた耐候性を実現するものである。第2のタイプのガラスにおいて、P2O5含有量を37質量%未満(28モル%未満)、BaO含有量は40質量%以下とすることがより好ましく、P2O5含有量を36質量%以下(27モル%以下)、BaO含有量を20質量〜38質量%以下とすることがさらに好ましい。
第3のタイプのガラスは、BaOを比較的多く導入しながら、BaO含有量に対するP2O5含有量の質量比(P2O5/BaO)を1以上として、第2のタイプのガラスよりも比較的多くのP2O5を導入することにより、より高い屈折率、より優れた耐候性と安定性を実現するものである。
第3のタイプのガラスにおいて、P2O5含有量は48質量%未満とすることが好ましく、45質量%未満とすることがより好ましく、42質量%未満(28モル%未満)とすることがさらに好ましく、24質量%〜38質量%、(18モル%〜27モル%)とすることが一層好ましい。BaO含有量は40質量%未満とすることが好ましく、20質量%〜38質量%とすることがさらに好ましい。なお、第3のタイプのガラスにおいては、ZnOの含有量を6質量%未満とすることが望ましく、4質量%以下とすることがより望ましく、2質量%以下とすることがさらに望ましい。より低分散特性を得るためには、ZnOを含有しなくても構わない。
上記のように、どの特性を重視するかによって、第1〜第3のタイプのガラスのいずれかを選択することができる。
以上、いずれの光学ガラスとも優れた耐アルカリ性を有するので、研磨したガラスおよび精密プレス成形品の表面に存在する潜傷や微細な凹凸をガラスの洗浄によって顕在化するのを抑え、清浄かつクモリなどのない優れた表面性状のガラス物品を提供することができる。特に、前記組成範囲により優れた耐候性も得られるので、長期にわたり表面の劣化が少ないガラス物品を実現することができる。
[液相温度および液相温度における粘性]
ガラスの安定性を示す指標の一つは液相温度である。本発明の光学ガラスにおいて、液相温度は、好ましくは950℃以下、より好ましくは940℃以下、さらに好ましくは930℃以下、一層好ましくは920℃以下、より一層好ましくは910℃以下、さらに一層好ましくは900℃以下、なお一層好ましくは890℃以下、一段と好ましくは880℃以下である。
このような高い安定性を有するガラスを用いれば、熔融ガラスからプリフォーム1個分に必要な熔融ガラス塊を分離し、ガラスが軟化点以上の高温状態にある間に失透することなしにプレス成形用プリフォームを成形することができる。液相温度が上記のようになるように組成を前記範囲内で適宜設定することができる。
上記プリフォームの成形に適した光学ガラスを提供するという観点から、本発明の光学ガラスは、液相温度における粘性が2〜20dPa・sの範囲であることが好ましい。
[光学ガラスの製造方法]
本発明の光学ガラスは、ガラス原料を加熱、熔融することにより製造することができる。P2O5の原料としてはH3PO4、メタリン酸塩、五酸化二燐など、B2O3の原料としてはH3BO3、B2O3、BPO4など、他の成分については炭酸塩、硝酸塩、酸化物などを適宜用いることが可能である。これらの原料を所定の割合に秤取し、混合して調合原料とし、これを、例えば1000〜1250℃に加熱した熔解炉に投入し、熔解・清澄・攪拌し、均質化することにより、泡や未熔解物を含まず均質な熔融ガラスを得る。この熔融ガラスを成形、徐冷することにより、本発明の光学ガラスを得ることができる。
なお、より分散を小さくするにはフッ化物原料を用いてガラス中にフッ素を導入することが好ましい。
このように分散が小さいガラスを得るには、フツリン酸塩ガラスとすることが望ましいが、さほど分散を低くしない場合は、揮発性の高いフッ素を導入しないリン酸塩ガラスのほうが揮発による脈理を低減し、生産性の面から好ましい。
[精密プレス成形用プリフォームとその製法]
次に、本発明の精密プレス成形用プリフォーム(以下、プリフォームという。)およびその製造方法について説明する。プリフォームは、精密プレス成形品に等しい質量のガラス製成形体である。プリフォームは精密プレス成形品の形状に応じて適当な形状に成形されているが、その形状として、球状、回転楕円体状などを例示することができる。プリフォームは、精密プレス成形可能な粘度になるよう、加熱して精密プレス成形に供される。
本発明のプリフォームは、前述の光学ガラスよりなるものであり、必要に応じて離型膜などの薄膜を表面に備えていてもよい。上記プリフォームは、所要の光学恒数を有する光学素子の精密プレス成形が可能であり、また耐候性に優れたガラスからなるので、保管中にプリフォーム表面が劣化しにくい。精密プレス成形では、成形型の成形面を精密に転写することにより、機械加工を施すことなしに光学素子の光学機能面を形成する。もし、精密プレス成形に供するプリフォームの表面が劣化し、劣化した表面に光学機能面が転写されると、劣化部分を精密プレス成形後の機械加工で除去できないので、その光学素子は不良品となってしまう。しかし、このプリフォームによれば、表面が良好な状態に保たれるので、上記問題を防ぐことができる。さらに耐候性が優れているので、上記プリフォームを精密プレス成形して得られる光学素子の耐候性も優れており、長期にわたり、高い信頼性を有する光学素子を提供することもできる。
本発明のプリフォームの製造方法は、流出パイプから流出する熔融ガラス流から所要質量の熔融ガラスを分離して本発明の光学ガラスよりなる精密プレス成形用プリフォームを成形することを特徴とするものであり、上記本発明のプリフォームを製造するための一つの方法である。具体例としては、流出する熔融ガラス流から所定質量の熔融ガラス塊を分離して、前記ガラス塊を冷却する過程で、前記質量の本発明のガラスよりなるプリフォームを成形することにより製造する方法を示すことができる。
前記方法によれば、切断、研削、研磨などの機械加工が不要という特長がある。機械加工が施されたプリフォームでは、機械加工前にアニールを行うことによって破損しない程度にまでガラスの歪を低減しておかなければならない。しかし、上記プリフォームの製造方法によれば、破損防止用アニールは不要である。また表面が滑らかなプリフォームを成形することもできる。
さらに、上記プリフォームの製造方法において、滑らかなで清浄な表面を付与するという観点から、風圧が加えられた浮上状態でプリフォームを成形することが好ましい。また、表面が自由表面からなるプリフォームが好ましい。さらに、シアマークと呼ばれる切断痕のないものが望ましい。シアマークは、流出する熔融ガラスを切断刃によって切断する時に発生する。シアマークが精密プレス成形品に成形された段階でも残留すると、その部分は欠陥となってしまう。そのため、プリフォームの段階からシアマークを排除しておくことが好ましい。切断刃を用いず、シアマークが生じない熔融ガラスの分離方法としては、流出パイプから熔融ガラスを滴下する方法、あるいは流出パイプから流出する熔融ガラス流の先端部を支持し、所定質量の熔融ガラス塊を分離できるタイミングで上記支持を取り除く方法(降下切断法という。)などがある。降下切断法では、熔融ガラス流の先端部側と流出パイプ側の間に生じたくびれ部でガラスを分離し、所定質量の熔融ガラス塊を得ることができる。続いて、得られた熔融ガラス塊が軟化状態にある間にプレス成形に供するために適した形状に成形する。
上記プリフォームの製造方法では、プリフォーム1個分の熔融ガラス塊を分離し、このガラス塊が軟化点以上の高温状態にある間にプリフォームに成形するが、熔融ガラスを鋳型に流し込んで上記光学ガラスからなるガラス成形体を成形し、このガラス成形体に機械加工を加えて所望質量のプリフォームとしてもよい。なお機械加工を加える前にガラスが破損しないよう、ガラスをアニールすることにより十分除歪処理を行うことが好ましい。
上記方法とは別の方法でプリフォームを作製することもできる。本発明の第2のプリフォームの製造方法は、熔融ガラスを流出、成形してガラス成形体を作製し、前記ガラス成形体を機械加工して本発明の光学ガラスよりなる精密プレス成形用プリフォームを作製する方法である。
まず、前記方法と同様にして熔融ガラスを用意し、パイプから流出して鋳型に連続して流し込む。鋳型内で熔融ガラスを厚板状のガラスに成形し、鋳型から連続して水平方向に引き出し、引き出したガラスを連続式徐冷炉に入れてアニールする。次いで、このガラスを切断、研削、研磨して表面が滑らかで所定質量のプリフォームを作ることができる。
[光学素子とその製法]
本発明の光学素子は、本発明の光学ガラスからなることを特徴とするものである。本発明の光学素子は、光学素子を構成するガラスが前記各特性を備えているので、所要の光学恒数、優れた耐候性を活かして、長期にわたって高い信頼性を維持することができる。特に耐アルカリ性が優れていることから、研磨により作製した光学素子、精密プレス成形により作製した光学素子ともに洗浄によって潜傷が顕在化するのを抑え、清浄で表面性状がよい光学素子を実現することができる。また反射防止膜などのコーティングの付着力をよくすることもできる。
本発明の光学素子としては、球面レンズ、非球面レンズ、マイクロレンズなどの各種のレンズ、回折格子、回折格子付のレンズ、レンズアレイ、プリズムなどを例示することができる。上記光学素子としては、本発明のプリフォームを加熱、軟化し精密プレス成形して得られたものであることが望ましい。
なお、この光学素子には必要に応じて、反射防止膜、全反射膜、部分反射膜、分光特性を有する膜などの光学薄膜を設けることもできる。
次に光学素子の製造方法について説明する。
本発明の光学素子の製造方法は、ガラス製のプリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形する光学素子の製造方法において、前記プリフォームが上記本発明のプリフォームであるか、または上記本発明の製造方法により製造されたプリフォームであることを特徴とするものである。
精密プレス成形法はモールドオプティクス成形法とも呼ばれ、既に当該発明の属する技術分野においてはよく知られたものである。光学素子の光線を透過したり、屈折させたり、回折させたり、反射させたりする面を光学機能面と呼ぶ。例えばレンズを例にとると非球面レンズの非球面や球面レンズの球面などのレンズ面が光学機能面に相当する。精密プレス成形法はプレス成形型の成形面を精密にガラスに転写することにより、プレス成形で光学機能面を形成する方法である。つまり光学機能面を仕上げるために研削や研磨などの機械加工を加える必要がない。したがって、本発明の方法は、レンズ、レンズアレイ、回折格子、プリズムなどの光学素子の製造に好適であり、特に非球面レンズを高生産性のもとに製造する際に最適である。
本発明の光学素子の製造方法によれば、上記光学特性を有する光学素子を作製できるとともに、プリフォームを構成するガラスの転移温度(Tg)が低く、ガラスのプレス成形としては比較的低い温度でプレスが可能になるので、プレス成形型の成形面への負担が軽減され、成形型の寿命を延ばすことができる。またプリフォームを構成するガラスが高い安定性を有するので、再加熱、プレス工程においてもガラスの失透を効果的に防止することができる。さらに、ガラス溶解から最終製品を得る一連の工程を高生産性のもとに行うことができる。
さらに研磨法による光学素子の製造と比較し、洗浄時の表面性状の悪化要因になる潜傷の少ない光学素子を製造することができる。このように、ガラスのもつ優れた耐アルカリ性と合わせ、洗浄によって表面性状が悪化しにくい光学素子を作ることができる。
さらにガラスが熱的安定性に優れていることから、ガラスを失透させることなく、光学素子を作製することもでき、優れた耐候性、耐アルカリ性によって長期使用に対して信頼性の高い光学素子を提供することができる。
精密プレス成形法に使用するプレス成形型としては公知のもの、例えば炭化珪素、超硬材料、ステンレス鋼などの型材の成形面に離型膜を設けたものを使用することができる。離型膜としては炭素含有膜、貴金属合金膜などを使用することができる。プレス成形型は上型および下型を備え、必要に応じて胴型も備える。
精密プレス成形法では、プレス成形型の成形面を良好な状態に保つため成形時の雰囲気を非酸化性ガスにすることが望ましい。非酸化性ガスとしては窒素、窒素と水素の混合ガスなどが好ましい。
次に本発明の光学素子の製造方法に特に好適な精密プレス成形法について説明する。
(精密プレス成形法1)
この方法は、プレス成形型にプリフォームを導入し、プレス成形型とプリフォームを一緒に加熱し、精密プレス成形するというものである(精密プレス成形法1とういう)。
精密プレス成形法1において、プレス成形型と前記プリフォームの温度をともに、プリフォームを構成するガラスが106〜1012dPa・sの粘度を示す温度に加熱して精密プレス成形を行うことが好ましい。
また前記ガラスが1012dPa・s以上、より好ましくは1014dPa・s以上、さらに好まくは1016dPa・s以上の粘度を示す温度にまで冷却してから精密プレス成形品をプレス成形型から取り出すことが望ましい。
上記の条件により、プレス成形型成形面の形状をガラスにより精密に転写することができるとともに、精密プレス成形品を変形することなく取り出すこともできる。
(精密プレス成形法2)
この方法は、プレス成形型に予熱したプリフォームを導入し、精密プレス成形することを特徴とするものである(精密プレス成形法2という)。この方法では、プレス成形型とプレス成形用プリフォームを別々に予熱し、予熱されたプリフォームをプレス成形型に導入して精密プレス成形することが好ましい。
この方法によれば、前記プリフォームをプレス成形型に導入する前に予め加熱するので、サイクルタイムを短縮化しつつ、表面欠陥のない良好な面精度の光学素子を製造することができる。
プレス成形型の予熱温度は前記プリフォームの予熱温度よりも低くすることが好ましい。このような予熱によりプレス成形型の加熱温度を低く抑えることができるので、プレス成形型の消耗を低減することができる。
精密プレス成形法2において、前記プリフォームを構成するガラスが109dPa・s以下、より好ましくは109dPa・sの粘度を示す温度に予熱することが好ましい。
また、前記プリフォームを浮上しながら予熱することが好ましく、さらに前記プリフォームを構成するガラスが105.5〜109dPa・s、より好ましくは105.5dPa・s以上109dPa・s未満の粘度を示す温度に予熱することがさらに好ましい。
またプレス開始と同時またはプレスの途中からガラスの冷却を開始することが好ましい。
なおプレス成形型の温度は、前記プリフォームの予熱温度よりも低い温度に調温させるが、前記ガラスが109〜1012dPa・sの粘度を示す温度を目安にすればよい。
この方法において、プレス成形後、前記ガラスの粘度が1012dPa・s以上にまで冷却してから離型することが好ましい。
精密プレス成形された光学素子はプレス成形型より取り出され、必要に応じて徐冷される。成形品がレンズなどの光学素子の場合には、必要に応じて表面に光学薄膜をコートしてもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに説明する。
(実施例1〜21)
表1に各実施例のガラスの組成、屈折率(nd)、アッべ数(νd)、転移温度(Tg)、屈伏点温度(Ts)、および液相温度(L.T.)、比重、耐候性の指標であるヘイズ値、耐アルカリ性の指標である水酸化ナトリウム水溶液に浸漬したときのガラスの質量減少量を示す。いずれのガラスとも、各成分の原料として各々相当する酸化物、水酸化物、炭酸塩、および硝酸塩を使用し、ガラス化した後に表1に示す組成となるように前記原料を秤量し、十分混合した後、白金坩堝に投入して電気炉で1050〜1200℃の温度範囲で熔融し、攪拌して均質化を図り、清澄してから適当な温度に予熱した金型に鋳込んだ。鋳込んだガラスを転移温度まで冷却してから直ちにアニール炉に入れ、室温まで徐冷して各光学ガラスを得た。
得られた光学ガラスについて、屈折率(nd)、アッべ数(νd)、転移温度(Tg)、屈伏点温度(Ts)、液相温度(L.T.)、液相温度におけるガラスの粘性(L.T.粘性)、ヘイズ値、比重、質量減少量を、以下のようにして測定した。
(1)屈折率(nd)およびアッべ数(νd)
徐冷降温速度を-30℃/時にして得られた光学ガラスについて測定した。
(2)転移温度(Tg)および屈伏点温度(Ts)
理学電機株式会社の熱機械分析装置により昇温速度を4℃/分にして測定した。
(3)液相温度(L.T.)
白金ルツボにガラス試料約50gを入れ、約1100〜1200℃にて約15〜60分熔融後、それぞれ860℃、870℃、880℃、890℃、900℃、910℃、920℃、930℃、940℃、950℃、960℃にて2時間保温したものを冷却して結晶析出の有無を顕微鏡により観察し、結晶の認められない最低温度を液相温度(L.T.)とした。
(4)液相温度における粘性(L.T.粘性)
JIS規格Z8803、共軸二重円筒型回転粘度計による粘度測定方法により粘度を測定した。
(5)ヘイズ値
温度65℃-湿度90%の清浄な恒温恒湿機内に1週間保持された、両面光学研磨されたガラス平板に、研磨面に対し垂直に白色光を透過させたときの散乱光強度と透過光強度の比(散乱光強度/透過光強度)を%表示した。
(6)比重
アルキメデス法を用いて算出した。
(7)表面結晶、内部結晶
ガラスを大気中にて熔融状態から鋳型にキャストし、上面に平坦な自由表面を有するガラス成形体を作製し、このガラス成形体を切断し、1×1×2cm3の直方体状のガラス試料を得た。なお、前記試料の表面のうちの1つ(1×2cm2)が、上記自由表面の一部になるようにガラス成形体の切断を行った。このガラス試料を、610℃まで30℃/minの速度で昇温して10分間保持した後に放冷(熱処理A)した後、ガラスを顕微鏡によって拡大観察し、ガラス内部に存在する直径100nm以上の結晶粒子の個数を数えた。さらに、顕微鏡による拡大観察によって、上記熱処理Aの後にガラスの自由表面に析出する、直径0.1μm以上の結晶粒子の平均密度を求めた。
(8)耐アルカリ性
ガラス表面を光学研磨して50℃、0.01モル/リットルのNaOH水溶液に浸漬したときの単位面積・単位時間あたりの質量減少量を求めた。
実施例1〜21のガラスは、アッベ数(νd)が59超〜70未満の低分散ガラスであり、高い屈折率を示した。これらのガラスは、転移温度が530℃以下、屈伏点温度が570℃以下であり、優れた低温軟化性を有していた。また、いずれのガラスも、液相温度における粘性はプリフォームの成形に適したものであった。さらに、これらのガラスはヘイズ値が低く耐候性、耐アルカリ性にも優れていた上、内部結晶は認められず、表面結晶もきわめて少なく、失透安定性にも優れていた。なお、各ガラスとも目視により着色は認められなかった。
Figure 2007119329
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(実施例22)
次に実施例1〜21に相当する清澄、均質化した熔融ガラスを、ガラスが失透することなく、安定した流出が可能な温度域に温度調整された白金合金製のパイプから一定流量で流出し、滴下または降下切断法にて目的とするプリフォームの質量の熔融ガラス塊を分離し、熔融ガラス塊をガス噴出口を底部に有する受け型に受け、ガス噴出口からガスを噴出してガラス塊を浮上しながら精密プレス成形用プリフォームを成形した。熔融ガラスの分離間隔を調整、設定することにより直径2〜30mmの球状プリフォームを得た。プリフォームの質量は設定値に精密に一致しており、いずれも表面が滑らかなものであった。
(実施例23)
実施例22で得られたプリフォームを、図1に示すプレス装置を用いて精密プレス成形して非球面レンズを得た。具体的にはプリフォームを、プレス成形型を構成する下型2および上型1の間に設置した後、石英管11内を窒素雰囲気としてヒーター12に通電して石英管11内を加熱した。プレス成形型内部の温度を成形されるガラスが108〜1010dPa・sの粘度を示す温度に設定し、同温度を維持しつつ、押し棒13を降下させて上型1を押して成形型内にセットされたプリフォームをプレスした。プレスの圧力は8MPa、プレス時間は30秒とした。プレスの後、プレスの圧力を解除し、プレス成形されたガラス成形品を下型2および上型1と接触させたままの状態で前記ガラスの粘度が1012dPa・s以上になる温度まで徐冷し、次いで室温まで急冷してガラス成形品を成形型から取り出し非球面レンズを得た。得られた非球面レンズは、極めて高い面精度を有するレンズであった。
このようにして得た非球面レンズを洗剤を用いて洗浄し、すすぎを十分してから乾燥さ
せ、清浄なレンズを得た。これらレンズを観察したところ、表面にクモリは見られず、内
部にも失透や脈理などの欠陥は認められなかった。
洗浄した非球面レンズには必要に応じて反射防止膜を設けてもよい。
(実施例24)
実施例22で得られたプリフォームを、浮上しながらプリフォームを構成するガラスの粘度が108dPa・sになる温度に予熱した。一方で上型、下型、胴型を備えるプレス成形型を加熱し、前記ガラスが109〜1012dPa・sの粘度を示す温度にし、予熱したプリフォームをプレス成形型のキャビティ内に導入して精密プレス成形した。プレスの圧力は10MPaとした。プレス開始とともにガラスとプレス成形型の冷却を開始し、成形されたガラスの粘度が1012dPa・s以上となるまで冷却した後、成形品を離型して非球面レンズを得た。得られた非球面レンズは、極めて高い面精度を有するレンズであった。
得られたレンズを実施例5と同様に洗浄、乾燥し、表面、内部とも高品質のレンズを得ることができた。精密プレス成形により得られた非球面レンズには必要に応じて反射防止膜を設けてもよい。
実施例23で用いた図1に示すプレス装置を示す。

Claims (13)

  1. 5モル%以上のP2O5を含み、アッベ数(νd)が58以上、ガラス転移温度(Tg)が570℃以下、表面を光学研磨して50℃、0.01モル/リットルのNaOH水溶液に浸漬したときの質量減少量が17μg/(cm2・時)以下の耐アルカリ性を有する光学ガラス。
  2. 610℃まで30℃/分の速度で昇温して10分間保持した後に放冷した後、内部に100nm以上の大きさの結晶粒子が10個/cm3以下となる熱的安定性を有することを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
  3. ヘイズ値が10%以下である請求項1または2に記載の光学ガラス。
  4. 質量%表示で、
    P2O5 18〜70%(ただし、70%を除くとともに5モル%以上)、
    B2O3 0〜34%(ただし、0%を除く)、
    Al2O3 0〜8%、
    Li2O 0〜20%(ただし、0%を除く)、
    Na2O 0〜18%、
    K2O 0〜15%、
    MgO 0〜25%、
    CaO 0〜18%(ただし、MgO+CaO>4%)、
    SrO 0〜20%、
    BaO 0〜40%(ただし、SrO+BaO>1%、BaO/B2O3(質量%の比)は0〜15)、
    ZnO 0〜14%
    (ただし、ΣR''O=(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)、ΣR'O=(Li2O+Na2O+K2O)としたときのΣR''O/ΣR'Oは質量%の比で25以下)、
    Gd2O3 0〜18%、
    Sb2O3 0〜1%、
    を含み、かつ、質量%表示において、P2O5、B2O3、Al2O3、Li2O、Na2O、K2O、MgO、CaO、
    SrO、BaO、ZnO、Gd2O3、Sb2O3以外の成分のうち最も多く含有されている成分の量がB2O3およびLi2Oの含有量のいずれよりも少ないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  5. 質量%表示で、MgO 0%超かつ25%以下を含む請求項4に記載の光学ガラス。
  6. 質量%表示で、B2O3 0.6%〜34%(ただし、P2O5/B2O3(質量%の比)は2.04〜30)含むことを特徴とする請求項4に記載の光学ガラス。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学ガラスよりなる精密プレス成形用プリフォーム。
  8. 流出パイプから流出する熔融ガラス流から所要質量の熔融ガラスを分離して請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学ガラスよりなる精密プレス成形用プリフォームを成形することを特徴とする精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
  9. 熔融ガラスを流出、成形してガラス成形体を作製し、前記ガラス成形体を機械加工して請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学ガラスよりなる精密プレス成形用プリフォームを作製することを特徴とする精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
  10. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学ガラスよりなる光学素子。
  11. ガラス製のプリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形する光学素子の製造方法において、
    前記プリフォームが請求項7に記載のプリフォームであるか、または請求項8または9に記載の方法により製造されたプリフォームであることを特徴とする光学素子の製造方法。
  12. プレス成形型に前記プリフォームを導入し、前記成形型と前記プリフォームを一緒に加熱し、精密プレス成形することを特徴とする請求項11に記載の光学素子の製造方法。
  13. プレス成形型に予熱したプリフォームを導入し、精密プレス成形することを特徴とする請求項11に記載の光学素子の製造方法。
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