JP2007116036A - 配線基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、従来の導体回路形成方法における工程の煩雑さという課題を解決し、めっきやレジストを必要としない、大幅に簡略化された、導体回路の形成方法を提供することであり、また、その方法によって得られる配線基板を提供することである。
【解決手段】ケイ素含有重合体の層を絶縁層上に形成し、回路を形成させる部分を遮光した上で紫外線あるいは可視光を照射した後、遷移金属塩の溶液あるいは懸濁液と接触させることにより、該非露光層上に遷移金属層を形成することを特徴とする導体回路の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】ケイ素含有重合体の層を絶縁層上に形成し、回路を形成させる部分を遮光した上で紫外線あるいは可視光を照射した後、遷移金属塩の溶液あるいは懸濁液と接触させることにより、該非露光層上に遷移金属層を形成することを特徴とする導体回路の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、配線基板の製造方法に関し、さらに詳しくは、配線基板における導体回路の形成方法に関する。
従来、ビルドアップ配線基板等の導体回路はめっき法により形成されている。めっきの工程は、基板の洗浄、プレディップ、PdとSnを含む触媒塗布、アクセラレーター、レジスト前処理、レジストラミネート、露光、現像、めっき前処理、無電解めっき、レジスト剥離と多段階にわたり、非常に煩雑であるため、簡略化された配線の形成方法が望まれていた。
近年、ポリシランに代表される有機ケイ素重合体を、導電性材料として用いることが研究されている(非特許文献1)。また、ポリシランを銀イオンでドーピングすることで導電性を向上させる(特許文献1)、あるいは弱く光照射した後に貴金属塩でドーピングして無電解めっきする(特許文献2)ことにより、基板上に金属薄膜を形成する方法が開発されている。
しかしながら、貴金属塩でポリシランをドープしてめっきする方法は、高価な貴金属を用いるので用途が限定される。そこで、比較的安価な金属で高い導電性を持ち、さらには光照射によりパターニングできる方法が開発できれば、めっきやレジストなどを必要としない大幅に簡略化された配線の形成が可能となる。また従来貴金属や銀を用いて高価だったこれらの導電性材料を、銅などの遷移金属をベースにしたものを用いることで、安価に供給することができるが、その方法は開発されていなかった。特許文献2の段落[0030]には、「標準酸化還元電位が0.54Vより低い銅やニッケルの塩では、本ケイ素系高分子で還元ができない」との記述がある。
本発明の目的は、従来の導体回路形成方法における工程の煩雑さという課題を解決し、めっきやレジストを必要としない、大幅に簡略化された、導体回路の形成方法を提供することであり、また、その方法によって得られる配線基板を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、従来遷移金属を還元することはできないと考えられていたケイ素含有重合体が、遷移金属塩のアニオンを選択することにより、還元できることを見出した。さらにケイ素含有重合体の還元性を利用して、重合体上あるいは重合体中に遷移金属微粒子を析出させることを見出した。この方法の条件を検討すれば、めっき工程なしに導電性金属薄膜をもつ基体が得られる。また、遷移金属塩懸濁液を作用させる前にフォトマスクを用いるなどして紫外光を部分的に照射することにより、非照射部に遷移金属微粒子薄膜が生成することを見出した。この条件検討により、パターン化された導電層を有する回路基板、すなわち配線基板を得ることができる。
すなわち、本発明は上記記載の方法を利用し、ケイ素含有重合体の層を基板の絶縁層上に形成し、回路を形成する部分をフォトマスクなどで遮光した上で紫外光を照射して潜像を形成し、その後そのカウンターアニオンがケイ素含有重合体のケイ素原子に配位しうる遷移金属塩の溶液あるいは懸濁液に接触、洗浄させることにより、該非照射部上に導電性の遷移金属層が形成できることを特徴とする配線基板の製造方法である。
ケイ素原子に配位し得る遷移金属塩のカウンターアニオンは、アニオン中心の原子のポーリング(Pauling)の電気陰性度が好ましくはBr(臭素)の値を超えるものである。
また本発明の配線基板の製造方法は、前記遷移金属塩が、遷移金属の酢酸塩、フッ化物塩、塩化物塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、水酸化物塩、アルコラート塩、シュウ酸塩、カルボン酸塩からなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする。
本発明によれば、配線基板の導体回路形成において、めっきやレジストを必要とせず、煩雑な工程を簡略化することができる。
本発明の配線基板の製造方法は、1)基板表面の全面または一部分に、ケイ素含有重合体からなる被覆層であるケイ素含有重合体薄膜を形成し、2)該被覆層のうちの配線層を形成する部分以外の部分に紫外線を照射し、次いで、3)該被覆層に、ケイ素原子に配位し得るアニオンを有する遷移金属塩の溶液あるいは懸濁液を接触させることを特徴とする。この構成を採ることによって、非照射部すなわち配線層を形成する部分の表面に遷移金属が選択的に析出し、配線層が形成され、配線基板が製造される。
本発明のケイ素含有重合体としてはSi−H結合またはSi−Si結合を有する化合物が好ましい。これらは適切な溶媒に少量溶解する溶媒溶解特性を有する。さらに光照射前と光照射後生成する化合物が異なる還元性を有することも好ましい点である。この点では、Si−H結合やSi−Si結合を持つポリシランまたはポルカルボシランがより好ましい。
ポリシランとしては、式(1)で表されるポリシランを単一であるいは式(1)の中の異種を混合して用いることが特に好ましい。
(R1R2Si)n …(1)
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子または置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキン基、アリール基、複素環基を表し、nは5〜100,000の整数を表す。)
(R1R2Si)n …(1)
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子または置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキン基、アリール基、複素環基を表し、nは5〜100,000の整数を表す。)
またこの中でもR1、R2のいずれかが水素であることがさらに好ましい。ケイ素含有重合体の重量平均分子量は、該ケイ素樹脂が溶媒に可溶であって、基体上に薄膜を形成できれば特に限定されないが、合成の容易さ、溶媒への溶解性、成膜性などから、500〜6,000,000の範囲が好ましい。
本発明で用いるケイ素含有重合体は、ウルツ(Wurtz)法やメタロセン法などの既知の合成法で合成できる。
本発明によれば非照射部のケイ素含有重合体ならびに照射部に生成する該ケイ素含有重合体の還元性の差異により、遷移金属微粒子を非照射部に還元しながら選択的に析出できることを利用し、導電性の遷移金属層を基体上の該ケイ素含有重合体上に形成できる。
さらにケイ素含有重合体の光反応性を利用すれば、ケイ素含有重合体薄膜に配線パターンが形成されたフォトマスクを通して紫外光を照射し、遷移金属層の形成可能な部分(非照射部)と形成不能な絶縁部(照射部)とを形成し、その後遷移金属塩溶液あるいは懸濁液に浸漬して遷移金属層部分を非照射部に選択的に形成し、導体幅が100μm以下までのサイズに微細加工されたパターン化された導電体を、高価な触媒やレジスト、さらにはめっきを用いずに形成することができる。紫外光の光源としては、高圧水銀灯、低圧水銀灯、ハロゲンランプなどの光源が望ましいがこの限りではない。
本発明で用いるケイ素含有重合体は、既知の合成法で合成でき、高純度の窒素雰囲気下で製造するのが望ましい。
本発明において基板にケイ素含有重合体あるいは該ケイ素含有重合体を形成する方法としては、ケイ素含有重合体の溶液を調製し、該溶液を基体上に塗布した後、常圧あるいは減圧で常温下、または加温して溶媒を揮散させ薄膜を得る方法が挙げられる。
基板としては、ケイ素含有重合体が塗布できる材料であれば特に問わないが、さまざまな用途で実績のあるガラス、石英、ポリイミド、シリコン、ガラスエポキシ樹脂が好ましい。
さらにケイ素含有重合体の溶液は基板の全面に塗布してもよいし、配線基板のスルーホール部や配線を要する箇所にのみに塗布してもよい。スルーホール内にケイ素含有重合体の層を形成することにより、スルーホール内に金属層が形成されて配線基板の表裏の導通をとることができる。
遷移金属塩としては、遷移金属の酢酸塩、フッ化物塩、塩化物塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、水酸化物塩、アルコラート塩、シュウ酸塩、カルボン酸塩などが挙げられる。
遷移金属としてはさまざまな用途に用いられる、銅、ニッケル、鉄、コバルト、チタン、バナジウム、ジルコニウム、モリブデン、タングステン、クロム、マンガンが好ましく、なかでも銅、ニッケル、鉄、コバルトが実用的に特に好ましい。遷移金属塩の量は、ケイ素含有重合体100質量部に対して通常1〜1,000質量部、好ましくは1〜100質量部である。遷移金属塩溶液あるいは懸濁液の溶剤としては、該遷移金属塩をある量溶解し、該ケイ素含有重合体を少量のみ溶解する溶媒が好ましい。具体的にはアセトニトリル,メタノール,エタノール,2−プロパノールが好ましい。
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」は特に断らない限り「質量部」を意味する。
(実施例1)
(C6H5SiH)n(式(1)においてR1=C6H5、R2=H)2部を8部のトルエンに溶解し、ガラスエポキシ基板上にスピンコート(500rpm,20秒)により塗布し、60℃で1時間減圧乾燥し、基板上にポリシラン膜を形成した。nは30〜100である。この基板に100μm幅で100μm間隔のストライプパターンのフォトマスクを用いて254nmの紫外光を1.2J/cm2照射し、基板上のポリシランに潜像を形成した。この光照射後、基板を170℃で1時間真空下で加熱処理した。次に、この基板を室温、窒素雰囲気下で0.3部の酢酸銅(I)を99.7部のアセトニトリルに懸濁させた溶液に攪拌しながら24時間浸漬し、10秒間アセトニトリルで洗浄し、5分間窒素気流で乾燥したところ、非照射部にのみ金属光沢を呈する導電性の銅層をもつ基板を作成した。形成された非照射部の銅層の厚さは約0.1μmであった。
(C6H5SiH)n(式(1)においてR1=C6H5、R2=H)2部を8部のトルエンに溶解し、ガラスエポキシ基板上にスピンコート(500rpm,20秒)により塗布し、60℃で1時間減圧乾燥し、基板上にポリシラン膜を形成した。nは30〜100である。この基板に100μm幅で100μm間隔のストライプパターンのフォトマスクを用いて254nmの紫外光を1.2J/cm2照射し、基板上のポリシランに潜像を形成した。この光照射後、基板を170℃で1時間真空下で加熱処理した。次に、この基板を室温、窒素雰囲気下で0.3部の酢酸銅(I)を99.7部のアセトニトリルに懸濁させた溶液に攪拌しながら24時間浸漬し、10秒間アセトニトリルで洗浄し、5分間窒素気流で乾燥したところ、非照射部にのみ金属光沢を呈する導電性の銅層をもつ基板を作成した。形成された非照射部の銅層の厚さは約0.1μmであった。
(実施例2)
p−アニシルヒドロポリシラン(式(1)においてR1=Ph−p−OCH3、ここでPh=フェニレン基、R2=H)2部を8部のトルエンに溶解し、ガラスエポキシ基板上にスピンコート(500rpm,20秒)により塗布し、60℃で1時間減圧乾燥し、基板上にポリシラン膜を形成した。nは30〜100である。この基板に100μm幅で100μm間隔のストライプパターンのフォトマスクを用いて254nmの紫外光を1.2J/cm2照射し、基板上のポリシランに潜像を形成した。この光照射後、基板を170℃で1時間真空下で加熱処理した。次に、この基板を室温、窒素雰囲気下で0.3部の塩化銅(I)を99.7部のアセトニトリルに懸濁させた溶液に攪拌しながら24時間浸漬し、10秒間アセトニトリルで洗浄し、5分間窒素気流で乾燥したことにより、非照射部にのみ金属光沢を呈する導電性の銅層をもつ基板を作成した。形成された非照射部の銅層の厚さは約0.1μmであった。
p−アニシルヒドロポリシラン(式(1)においてR1=Ph−p−OCH3、ここでPh=フェニレン基、R2=H)2部を8部のトルエンに溶解し、ガラスエポキシ基板上にスピンコート(500rpm,20秒)により塗布し、60℃で1時間減圧乾燥し、基板上にポリシラン膜を形成した。nは30〜100である。この基板に100μm幅で100μm間隔のストライプパターンのフォトマスクを用いて254nmの紫外光を1.2J/cm2照射し、基板上のポリシランに潜像を形成した。この光照射後、基板を170℃で1時間真空下で加熱処理した。次に、この基板を室温、窒素雰囲気下で0.3部の塩化銅(I)を99.7部のアセトニトリルに懸濁させた溶液に攪拌しながら24時間浸漬し、10秒間アセトニトリルで洗浄し、5分間窒素気流で乾燥したことにより、非照射部にのみ金属光沢を呈する導電性の銅層をもつ基板を作成した。形成された非照射部の銅層の厚さは約0.1μmであった。
(実施例3)
p−アニシルヒドロポリシラン2部を8部のトルエンに溶解し、ガラスエポキシ基板上にスピンコート(500rpm,20秒)により塗布し、60℃で1時間減圧乾燥し、基板上にポリシラン膜を形成した。nは30〜100である。この基板に100μm幅で100μm間隔のストライプパターンのフォトマスクを用いて254nmの紫外光を1.2J/cm2照射し、基板上のポリシランに潜像を形成した。この光照射後、基板を170℃で1時間真空下で加熱処理した。次に、この基板を室温、窒素雰囲気下で0.3部の銅エトキシド(I)を99.7部のアセトニトリルに懸濁させた溶液に攪拌しながら24時間浸漬し、10秒間アセトニトリルで洗浄し、5分間窒素気流で乾燥したことにより、非照射部にのみ金属光沢を呈する導電性の銅層をもつ基板を作成した。形成された非照射部の銅層の厚さは約0.1μmであった。
p−アニシルヒドロポリシラン2部を8部のトルエンに溶解し、ガラスエポキシ基板上にスピンコート(500rpm,20秒)により塗布し、60℃で1時間減圧乾燥し、基板上にポリシラン膜を形成した。nは30〜100である。この基板に100μm幅で100μm間隔のストライプパターンのフォトマスクを用いて254nmの紫外光を1.2J/cm2照射し、基板上のポリシランに潜像を形成した。この光照射後、基板を170℃で1時間真空下で加熱処理した。次に、この基板を室温、窒素雰囲気下で0.3部の銅エトキシド(I)を99.7部のアセトニトリルに懸濁させた溶液に攪拌しながら24時間浸漬し、10秒間アセトニトリルで洗浄し、5分間窒素気流で乾燥したことにより、非照射部にのみ金属光沢を呈する導電性の銅層をもつ基板を作成した。形成された非照射部の銅層の厚さは約0.1μmであった。
(実施例4)
p−アニシルヒドロポリシラン2部を8部のトルエンに溶解し、ガラスエポキシ基板上にスピンコート(500rpm,20秒)により塗布し、60℃で1時間減圧乾燥し、基板上にポリシラン膜を形成した。nは30〜100である。この基板に100μm幅で100μm間隔のストライプパターンのフォトマスクを用いて254nmの紫外光を1.2J/cm2照射し、基板上のポリシランに潜像を形成した。この光照射後、基板を170℃で1時間真空下で加熱処理した。次に、この基板を室温、窒素雰囲気下で0.3部のシュウ酸銅(I)を99.7部のアセトニトリルに懸濁させた溶液に攪拌しながら24時間浸漬し、10秒間アセトニトリルで洗浄し、5分間窒素気流で乾燥したことにより、非照射部にのみ金属光沢を呈する導電性の銅層をもつ基板を作成した。形成された非照射部の銅層の厚さは約0.1μmであった。
p−アニシルヒドロポリシラン2部を8部のトルエンに溶解し、ガラスエポキシ基板上にスピンコート(500rpm,20秒)により塗布し、60℃で1時間減圧乾燥し、基板上にポリシラン膜を形成した。nは30〜100である。この基板に100μm幅で100μm間隔のストライプパターンのフォトマスクを用いて254nmの紫外光を1.2J/cm2照射し、基板上のポリシランに潜像を形成した。この光照射後、基板を170℃で1時間真空下で加熱処理した。次に、この基板を室温、窒素雰囲気下で0.3部のシュウ酸銅(I)を99.7部のアセトニトリルに懸濁させた溶液に攪拌しながら24時間浸漬し、10秒間アセトニトリルで洗浄し、5分間窒素気流で乾燥したことにより、非照射部にのみ金属光沢を呈する導電性の銅層をもつ基板を作成した。形成された非照射部の銅層の厚さは約0.1μmであった。
(実施例5)
ヒドロ(2−チエニル)ポリシラン(式(1)においてR1=2−チエニル、R2=H)2部を8部のトルエンに溶解し、ガラスエポキシ基板上にスピンコート(500rpm,20秒)により塗布し、60℃で1時間減圧乾燥し、基板上にポリシラン膜を形成した。nは30〜100である。この基板に100μm幅で100μm間隔のストライプパターンのフォトマスクを用いて254nmの紫外光を1.2J/cm2照射し、基板上のポリシランに潜像を形成した。この光照射後、基板を170℃で1時間真空下で加熱処理した。次に、この基板を室温、窒素雰囲気下で0.3部の炭酸銅(I)を99.7部のアセトニトリルに懸濁させた溶液に攪拌しながら24時間浸漬し、10秒間アセトニトリルで洗浄し、5分間窒素気流で乾燥したことにより、非照射部にのみ金属光沢を呈する導電性の銅層をもつ基板を作成した。形成された非照射部の銅層の厚さは約0.1μmであった。
ヒドロ(2−チエニル)ポリシラン(式(1)においてR1=2−チエニル、R2=H)2部を8部のトルエンに溶解し、ガラスエポキシ基板上にスピンコート(500rpm,20秒)により塗布し、60℃で1時間減圧乾燥し、基板上にポリシラン膜を形成した。nは30〜100である。この基板に100μm幅で100μm間隔のストライプパターンのフォトマスクを用いて254nmの紫外光を1.2J/cm2照射し、基板上のポリシランに潜像を形成した。この光照射後、基板を170℃で1時間真空下で加熱処理した。次に、この基板を室温、窒素雰囲気下で0.3部の炭酸銅(I)を99.7部のアセトニトリルに懸濁させた溶液に攪拌しながら24時間浸漬し、10秒間アセトニトリルで洗浄し、5分間窒素気流で乾燥したことにより、非照射部にのみ金属光沢を呈する導電性の銅層をもつ基板を作成した。形成された非照射部の銅層の厚さは約0.1μmであった。
(比較例1)
実施例1と同様に、(C6H5SiH)n 1部を9部のトルエンに溶解し、ガラス基板上にスピンコート(500rpm,20秒)により塗布し、150℃で1時間減圧乾燥し、基板上にポリシラン膜を形成した。この基板にフォトマスクを用いて254nmの紫外光を1.2J/cm2照射し、基板上のポリシランをパターン化した。次に、この基板を室温、窒素雰囲気下1部の臭化銅(I)を99部のアセトニトリルに懸濁させた溶液に攪拌しながら24時間浸漬し、5分間窒素気流で乾燥したが、導体層は全く形成できなかった。
実施例1と同様に、(C6H5SiH)n 1部を9部のトルエンに溶解し、ガラス基板上にスピンコート(500rpm,20秒)により塗布し、150℃で1時間減圧乾燥し、基板上にポリシラン膜を形成した。この基板にフォトマスクを用いて254nmの紫外光を1.2J/cm2照射し、基板上のポリシランをパターン化した。次に、この基板を室温、窒素雰囲気下1部の臭化銅(I)を99部のアセトニトリルに懸濁させた溶液に攪拌しながら24時間浸漬し、5分間窒素気流で乾燥したが、導体層は全く形成できなかった。
結果を表1にまとめる。遷移金属塩のアニオン中心原子のポーリング電気陰性度が臭素より大きいものについては、銅層の形成が認められた。
回路基板、半導体基板等に広く用いることができる他、自動車、モーターなどの部品にも応用可能である。
Claims (2)
- ケイ素含有重合体を基板上に形成し、配線層を形成させる部分を除いて紫外線を照射した後、そのカウンターアニオンがケイ素含有重合体のケイ素原子に配位しうる遷移金属塩の溶液あるいは懸濁液と接触させて遷移金属を還元析出させることにより、該非照射部に遷移金属層からなる配線層を形成することを特徴とする配線基板の製造方法。
- 前記遷移金属塩が、遷移金属の酢酸塩、フッ化物塩、塩化物塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、水酸化物塩、アルコラート塩、シュウ酸塩、カルボン酸塩からなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1記載の配線基板の製造方法。
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