JP2007111733A - 射出成形装置 - Google Patents

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Yukio Nishikawa
幸男 西川
Keizo Matsumura
圭三 松村
Taro Tsujii
太郎 辻井
Kushio Kitagawa
久志雄 北川
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Abstract

【課題】ノズルの変形に起因した、ノズルの寿命低下や、突き合せ位置調整作業の増加を削減できる射出成形装置を提供する。
【解決手段】ノズル12の先端が金型33に直接押圧されないように、ノズル12と金型33の間に第3層部品32をシリンダヘッド14と金型33から挟まれる応力で降伏しない接触面積を有するように設け、ノズル先端を射出時に成形材料が逆流しない嵌合を有する第3層部品32の貫通孔36に挿入後、ノズル先端が加熱により最高温度に達した後、第3層部品の貫通孔36を通して成形材料を金型33内に射出することによって、ノズル先端へ応力がかかることを防げるのでノズル12の変形が小さくなり、ノズル12の破損や、金型33との突き合せ位置のずれの頻度を小さくすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、射出成形装置に関し、金属を主な成形材料とし、樹脂についても安定した品質と生産状態を実現できる射出成形の技術に係るものである。
従来の金属材料や樹脂材料を成形材料とする射出成形方法は、例えば図4に示す成形システムの構成において、次のような手順で行われる。
チップ状成形材料1はホッパー2から材料供給部3を通してシリンダ4の内部に供給される。このチップ状成形材料1はスクリュー5の回転によってシリンダ4の内部で攪拌されつつシリンダ先端部へ送られる。同時にチップ状成形材料1は、シリンダ4の外周のヒータ6によって加熱され、また混練作用による発熱も加わって溶融される。
溶融した成形材料7がシリンダ先端部に貯えられるにつれて、溶融した成形材料7の反力(背圧)によってスクリュー5は後方に押し戻される。所定量まで溜まった成形材料7は、成形時に射出機構8によって前方に押し出され、ノズル9から成形用金型10の内部に射出される。このとき、成形材料7のシリンダ後方への逆流は、逆流防止弁11によって防がれる。成形用金型10において成形材料の冷却と固化が終わると、成形用金型10が開いて製品が取り出される。
ところで、特に金属成形材料に関しては、例えば特許文献1に記載するように、射出時において前回の射出後に形成されたノズル先端の固体栓の抜きを容易にするために、ノズル先端部に加熱機構を設けて、ノズル9を直接に成形用金型に押し当てて成形するものであった。
図5は、前記特許文献1に記載された、従来の金属射出成形機のノズル温度制御方法及びノズル温度制御装置並びにスプルブッシュ温度制御方法及びスプルブッシュ温度制御装置を示すものである。
図5において、12はノズル、13はシリンダ、14はシリンダヘッド、15はスクリュー、16は誘導加熱手段(誘導加熱コイル)、18はノズルヒータ、19はロケートリング、20は成形用金型である。
この構成では、射出保圧行程に入る直前において、金属射出成形機のノズル12を誘導加熱手段16により急速加熱して固体栓の噴出可能な温度に制御し、射出保圧行程終了と同時に加熱を終了する。これにより射出圧力を最適に制御でき、射出条件を安定させて連続運転を可能としている。
特開平11−300462号公報 特開2001−259818号公報
しかしながら、従来の構成では、加熱されたノズルを成形用金型に直接押し付けるために、強度が低くなったノズル先端部に応力がかかり、ノズルの変形が生じ易く寿命が短くなる。また、ノズルの変形等に起因してノズルと成形用金型との突合せ位置のずれにより成形材料の吹き出しも起こり易いという課題を有していた。
本発明は、上記した課題を解決するもので、ノズルの変形に起因したノズルの寿命低下や、突き合せ位置調整作業の増加を削減できる射出成形装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の射出成形装置は、ノズルの先端部を加熱冷却させる温度制御部を有する射出部と、前記射出部から射出された成形材料を成形する成形用金型と、ノズル先端の射出孔と前記成形用金型の成形材料の流路とを連通させる貫通孔を有する防護部材とを備えたことを特徴とする。
また、前記ノズルの先端が前記貫通孔に遊嵌することを特徴とする。
また、前記防護部材が前記成形用金型に取り付けられていることを特徴とする。
また、前記防護部材が前記射出部に取り付けられていることを特徴とする。
また、前記ノズルは、先端部付近にノズル内湯道の内径より細い湯道を形成するランド部を有し、前記ノズル内湯道の内径aと前記ランド部の内径bの比(b/a)が0.8〜0.95であることを特徴とする。
以上のように本発明によれば、防護部材によりノズルの前後進方向において成形用金型に対してノズルを所定位置に位置決めし、かつ防護部材に形成した貫通孔が成形用金型の成形材料の流路に連通するとともに、射出時に成形材料が逆流しない状態にノズル先端に遊嵌することで、ノズルの前後進方向においてノズル先端に応力がかかることを防げるのでノズルの変形が小さくなり、ノズルの破損や成形用金型との突き合せ位置のずれを小さくすることができる。よって、ノズルの寿命が長くなることで、部品交換にともなう材料費や作業を削減でき、またノズル変形に起因した成形用金型とノズル先端の突き合せ位置調整作業も削減することができる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における成形システムをなす射出成形装置を示す断面構成図であり、図5と同じ構成要素については同符号を用いて詳細な説明を省略する。この射出成形装置は射出部および成形用金型を備えるものであり、ここではマグネシウム合金用の型締め力220トンの射出成形装置を例示する。
図1において、射出部はノズル12をシリンダヘッド14に取り付け、ノズル12の基端側を囲んでフランジ39を配置し、フランジ39を固定ボルト40でシリンダヘッド14に締め付けて固定している。シリンダヘッド14には加熱ヒータ30を装着し、ノズル12には温度制御部を構成する誘導加熱手段16を装着する。誘導加熱手段16は熱電対31を有している。
成形用金型は固定側成形用金型33と可動側成形用金型34からなり、内部にスプル37および製品部(キャビティー)38を設けている。防護部材をなす第3層部品32は固定ボルト35によって固定側成形用金型33に固定されており、固定側成形用金型33は200℃に加熱されている。第3層部品32は固定側成形用金型33のスプル37に連通する貫通孔36および熱電対31の移動を許容するスリット41を有している。
上記した構成により、ノズル12を前後進方向において前進させて、第3層部品32の貫通孔36の内部にノズル12の先端のみを挿入し、第3層部品32とフランジ39が接触した時点で、ノズル12の貫通孔36の内部での位置が決まる。
この位置においてノズル12の先端は第3層部品32の貫通孔36を隔てることで成形用金型側と接触せず、第3層部品32に対しても接触せずに、射出時に成形材料が逆流しない状態に貫通孔36に遊嵌する。このため、ノズル12の先端が前後進方向から力を受けて変形することを防ぐことができる。
ノズル12の位置が決まった後、ノズル12から貫通孔36を通して成形材料をスプル37および製品部38へ射出し、冷却の後に可動側成形用金型34を開いて成形品を取り出す。この行程は図4および図5に述べたものと同様である。
本実施の形態で用いた射出部においてノズル12の前後進方向に働くノズルタッチ力は7,500kgfである。この力を受けても変形しないことが第3層部品32には必要である。第3層部品32はノズル12の先端部など熱源に近いところで、300〜400℃に達するところもある。第3層部品32には熱間工具鋼を用いたが、これらの多くは、400℃付近でも0.2%耐力は10,000kg/cmに近い値を示す。したがって、第3層部品32は、射出部および成形用金型と接する面積が最小で1cm以上あれば、降伏せず変形しにくいことになる。
これに対し、誘導加熱手段16を有するノズル12を直接に成形用金型に押し当てる場合には、たとえばノズル先端の外径1.3cm、内径1.0cmで、ノズルタッチ力を受ける面積が0.54cmとなり、ノズル12が前後進方向から受ける応力で降伏して、破損や変形などの不都合が生じる。
また、ノズル12の先端と第3層部品32の貫通孔36とが遊嵌する嵌合部の寸法は、安定した射出成形を繰り返すために重要である。この嵌合部について以下に説明する。図2はノズル先端と第3層部品32との嵌合部を拡大した断面構成図である。
図2に示すように、誘導加熱手段16はコイル42を有しており、ノズル12は先端部付近にノズル内部の湯道の内径より細い湯道を形成するランド部12aを有している。
この構成により、成形材料の射出時にノズル12の先端は誘導加熱手段16のコイル42により誘導加熱されて温度上昇するので、貫通孔36の内周面とノズル12の先端の外周面との隙間は室温状態よりも狭くなる。この隙間を通してスプル37から成形材料が外部の誘導加熱手段16の側へ逆流しないためには、室温における直径方向の隙間の大きさ、すなわち、貫通孔36の内径aとノズル12の先端の外径bとの差(a−b)/2が10〜40μmの範囲内であればよいことを確認している。
また、誘導加熱手段16によりノズル12が応答性良く加熱冷却されるためには、嵌合長さを適切にして放熱量を制御する必要がある。ノズル12の先端と貫通孔36との嵌合部の長さcは0.5〜4.0mmの範囲で良好な応答性が得られた。このとき、第3層部品32におけるノズル12との嵌合部近傍の温度は300〜400℃の範囲であった。
嵌合部の長さcが大きすぎると、ノズル12から第3層部品32への放熱が大きくなりすぎ、速やかな昇温と射出ができない。また、嵌合部の長さcが小さすぎると、放熱による冷却速度が小さくなるだけでなく、射出時に誘導加熱手段16の側へ成形材料が逆流しやすくなる。
ところで、製品部(キャビティ)38の内部が排気されて負圧になっても、ノズル12の内部に保持された溶湯がキャビティ内に吸い込まれることがないようにするために、例えば特許文献2では、ノズル12の内部の湯道の内径dとランド部12aの内径eの比(e/d)として0.5〜0.8が良好とされている。
本実施の形態では、ノズル12の肉厚を厚くして強度、すなわち耐久性をあげるために、ノズル12の内部の湯道の内径8mm、ランド部12aの内径9mm、(e/d)=0.89としても圧力損失の大きな影響もなく、良好な射出特性が得られた。
ただし、成形品の切断位置を安定させるためには、e<dが必要であり、現実には(e/d)=0.95が限界である。したがって、(e/d)=0.8〜0.95ならば耐久性を確保しつつ、良好な射出特性を得ることができる。
なお、本実施の形態において、ノズル12は射出成形ごとに前後進するとしたが、第3層部品32の貫通孔36にノズル12の先端を挿入したままで射出成形を繰り返すことも可能である。この場合は、ノズル12の前後進に必要な時間が成形サイクル時間において短縮できる。
また、本実施の形態はマグネシウム合金を射出成形する場合について述べたものであるが、アルミニウムなど他の金属材料や樹脂材料の射出成形に用いることも可能である。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2の射出成形装置の断面構成図である。図3において、図1および図2と同じ構成要素については同じ符号を用いて説明を省略する。
図3において、図1と異なる点は、ノズル12を覆う誘導加熱手段16の外側にカバー型の第3層部品43を設け、これを固定ボルト40によってシリンダヘッド14に取り付けたことである。
本実施の形態における動作行程は先の実施の形態1と同様であるが、本実施の形態では、個々の成形用金型に対して個別に第3層部品32を取り付ける作業が不要であるので、成形用金型の切り替えを容易に行うことができ、種々の成形用金型による射出成形を容易に行うことができるという第1の実施の形態にない効果を有する。
本発明の射出成形方法および装置は、ノズルの寿命が長くなることで部品交換にともなう材料費や作業を削減できるだけでなく、ノズル変形に起因する突き合わせ位置調整作業も削減でき、金属材料の射出成形だけでなく樹脂材料に対しても安定した品質と生産状態の実現に適用できる。
本発明の実施の形態1における射出成形装置の断面構成図 同実施の形態における嵌合部を拡大した断面構成図 本発明の実施の形態2における射出成形装置の断面構成図 従来の金属材料や樹脂材料の射出成形方法における成形システムの構成図 従来の金属射出部のノズル温度制御方法及びノズル温度制御装置並びにスプルブッシュ温度制御方法及びスプルブッシュ温度制御装置の構成図
符号の説明
12 ノズル
12a ランド部
16 誘導加熱手段(誘導加熱コイル)
31 熱電対
32 第3層部品
33 固定側成形用金型
34 可動側成形用金型
36 貫通孔
37 スプル
38 製品部(キャビティー)
43 カバー型の第3層部品

Claims (5)

  1. ノズルの先端部を加熱冷却させる温度制御部を有する射出部と、前記射出部から射出された成形材料を成形する成形用金型と、ノズル先端の射出孔と前記成形用金型の成形材料の流路とを連通させる貫通孔を有する防護部材とを備えたことを特徴とする射出成形装置。
  2. 前記ノズルの先端が前記貫通孔に遊嵌することを特徴とする請求項1記載の射出成形装置。
  3. 前記防護部材が前記成形用金型に取り付けられていることを特徴とする請求項1または2記載の射出成形装置。
  4. 前記防護部材が前記射出部に取り付けられていることを特徴とする請求項1または2記載の射出成形装置。
  5. 前記ノズルは、先端部付近にノズル内湯道の内径より細い湯道を形成するランド部を有し、前記ノズル内湯道の内径aと前記ランド部の内径bの比(b/a)が0.8〜0.95であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の射出成形装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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