JP2007106943A - 光拡散性樹脂組成物およびそれを用いた光拡散性部材 - Google Patents
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Abstract
優れた光拡散性を有し、且つ全光線透過率が高く、溶融加工時や使用時の変色を抑えた、照明カバー、照明看板、透過型のスクリーン、各種ディスプレイ、液晶表示装置の光拡散シート等として有用な光拡散性樹脂組成物、及び該樹脂組成物から得られる光拡散性部材を提供すること。
【解決手段】
芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)30〜99重量部と脂環式ポリエステル樹脂(B成分)1〜70重量部を含む樹脂成分(C成分)100重量部に対し、重量平均径が0.7〜30μmの微粒子(但し、メソポーラス無機フィラーを除く)を0.05〜20重量部含む光拡散性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
また、本明細書において、各種化合物が有する「基」は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基を有していてもよい。
本発明におけるA成分は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂であり、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを、または、これらに併せて少量のポリヒドロキシ化合物等を反応させてなる、直鎖または分岐の熱可塑性の芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体である。
ジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルエーテル等で例示されるジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルス
ルフィド、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキ
シド、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン
、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルホン等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,4'−ジヒドロキシジ
フェニル等が挙げられる。
これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種類でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。これらカーボネート前駆体もまた1種類でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、反応に不活性な有機溶媒としては、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。またアルカリ水溶液に用いられるアルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物が挙げられる。
分子量調節剤としては、一価のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられる。一価のフェノール性水酸基を有する化合物としては、m−メチルフェノール、p−メチルフェノール、m−プロピルフェノール、p−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノールおよびp−長鎖アルキル置換フェノールなどが挙げられる。分子量調節剤の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物100モルに対して、好ましくは50〜0.5モル、より好ましくは30〜1モルである。
重合触媒としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン、ピリジン等の第三級アミン類:トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
炭酸ジエステルとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物、ジフェニルカーボネートおよびジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート等が例示される。炭酸ジエステルは、好ましくはジフェニルカーボネートまたは置換ジフェニルカーボネートであり、より好ましくはジフェニルカーボネートである。
一般的に、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物との混合比率を調整したり、反
応時の減圧度を調整したりすることによって、所望の分子量および末端ヒドロキシル基量を有するポリカーボネートが得られる。より積極的な方法として、反応時に別途、末端停止剤を添加する調整方法も周知である。この際の末端停止剤としては、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類が挙げられる。末端ヒドロキシル基量は、製品ポリカーボネートの熱安定性、加水分解安定性、色調等に大きな影響を及ぼす。用途にもよるが、実用的な物性を持たせるためには、好ましくは1,000ppm以下であり、より好ましくは700ppm以下である。
また、エステル交換法で製造するポリカーボネートでは、末端ヒドロキシル基量が100ppm以上であることが好ましい。このような末端ヒドロキシル基量とすることにより、分子量の低下を抑制でき、色調もより良好なものとすることができる。従って、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、炭酸ジエステルを等モル量以上用いるのが好ましく、1.01〜1.30モルの量で用いるのがより好ましい。
エステル交換法によりポリカーボネートを製造する際には、通常エステル交換触媒が使用される。エステル交換触媒は、特に制限はないが、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物が好ましい。また、補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物またはアミン系化合物などの塩基性化合物を併用することも可能である。上記原料を用いたエステル交換反応としては、100〜320℃の温度で反応を行い、最終的には2mmHg以下の減圧下、芳香族ヒドロキシ化合物等の副生成物を除去しながら溶融重縮合反応を行う方法が例示される。
溶融重縮合は、バッチ式または連続的に行うことができるが、本発明の樹脂組成物の安定性等を考慮すると、連続式で行うことが好ましい。エステル交換法ポリカーボネート中の触媒の失活剤としては、該触媒を中和する化合物、例えば、イオウ含有酸性化合物またはそれより形成される誘導体を使用することが好ましい。このような触媒を中和する化合物は、該触媒が含有するアルカリ金属に対して、好ましくは0.5〜10当量、より好ましくは1〜5当量の範囲で添加する。さらに加えて、このような触媒を中和する化合物は、ポリカーボネートに対して、好ましくは1〜100ppm、より好ましくは1〜20ppmの範囲で添加する。
換言すれば、本発明に関わる脂環式ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分を原料とすることにより得られるものであることに起因して、ジカルボン酸エステルを原料とする場合とは異なりアルキルエステル末端が少ない、即ち、ポリエステルの総末端に対するアルキルエステル末端の割合が5モル%以下、好ましくは1モル%以下の脂環式ポリエステル樹脂である。
本発明におけるB成分は、(B)脂環式ポリエステル樹脂であり、例えば、ジカルボン
酸成分とジオール成分と、必要に応じて他の少量の成分とを、エステル化またはエステル交換反応させ、次いで、重縮合反応させてなるものである。ジカルボン酸成分は、脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を主成分とする。また、ジオール成分は、脂環式ジオールを主成分とする。
ここで「主成分」とは、例えば、ジカルボン酸成分またはジオール成分に対し、それぞ
れ、80モル%以上を占めることをいうものとする。
これらの中でも、炭素数6〜12の脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体が好ましく、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体がより好ましく、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸がさらに好ましい。1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のような脂環式ジカルボン酸は、エステル形成性誘導体に比べてコストがかからない点から好ましい。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を採用する場合、そのトランス体とシス体との比率は、好ましくは80/20〜100/0であり、より好ましくは85/15〜100/0であり、さらに好ましくは90/10〜100/0であり、特に好ましくは95/5〜100/0である。このような範囲内とすることにより、得られる脂環式ポリエステル樹脂の耐熱性をより良好なものとすることができる。
ン酸またはそのエステル形成性誘導体を、全ジカルボン酸成分に対して、80モル%以上、好ましくは90モル%以上含有するものである。その他のジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。具体的には、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、1,4-フェニレンジオキシジカルボン酸、1,3-フェニレンジオキシジ酢酸、4,4−ジフェニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカ
ルボン酸、4,4−ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4'−ジフェノキシエタンジカ
ルボン酸、4,4−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、グルタン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸およびドデカジカルボン酸、ならびに、これらの炭素数1〜4のアルキルエステル若しくはハロゲン化物等が挙げられる。
このような脂環式ジオールとしては例えば、1,2−シクロペンタンジメタノール、1,3−シクロペンタンジメタノール、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ、[5.2.1.0]デカン等の5員環ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等の6員環ジオール等が挙げられる。これらの中でも、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく、1,4−シクロヘキサンジメタノールがより好ましい。
1,4−シクロヘキサンジメタノールは、メチロール基がパラ位にあるので反応性が高く、高重合度ポリエステルが得やすいこと、高いガラス転移温度のポリエステル樹脂が得られること、および工業生産品であり入手が容易であるという利点がある。1,4−シクロヘキサンジメタノールのトランス体とシス体の比率は60/40〜100/0の範囲内にあることが好ましい。
具体的なその他のジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオールおよびヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、ならびに、キシリレングリコール、4,4−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4'−
ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンおよびビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の芳香族ジオール等が挙げられる。
ールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、シュガーエステル等の三官能以上の多官能成分等が用いられてもよい。
これらの成分は、B成分の10モル%以下であることが好ましい。
好ましくは30分乃至5時間行われる。
エステル化反応後 反応液は、通常、攪拌機、留出管および減圧付加装置を備えた重縮
合槽に移送されるが、エステル化反応槽に減圧付加装置を備えて、一槽でエステル化反応および重縮合反応を行うこともできる。
重縮合は、エステル化反応終了温度乃至300℃以下、好ましくは265℃以下で、通常10分乃至10時間、好ましくは30分乃至5時間行われる。温度が高すぎると、重合反応中に熱分解が起こるためか重合反応が進まない傾向となる。槽内圧力は常圧から最終的に1KPa以下となる圧力であり、好ましくは0.5KPa以下とする。
ここで、固有粘度は、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)混合液を溶媒としてウベローデ型粘度計を用いて30℃で測定することにより求められる。
又、例えば、90モル%以上が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸であるジカルボン酸成分と、80〜99.5モル%が1,4−シクロヘキサンジメタノールであり0.5〜20モル%が炭素数2〜10のアルキレンジオールを用いる場合に、ジカルボン酸成分1モルに対してジオール成分を1.02〜1.2モル、より好ましくは1.02〜1.1モル使用する方法等が挙げられる。
本発明に関わる脂環式ポリエステル樹脂は、これを用いて成型した厚さ2mmの成形板
の光線透過率が低すぎると光拡散性部材とした際に十分光線が透過されず、画面が暗くなる場合があるので、この光線透過率は通常、87%以上、好ましくは87.5%以上、更に好ましくは88%以上である。
とが好ましい。
このT−340のは、分光光電光度計を用いて、2規定の水酸化カリウム溶液を光路長10mmの石英セルに入れてゼロ補正をした後、2規定の水酸化カリウム溶液50mlに対して1,4−シクロヘキサンジカルボン酸5.0gの割合で溶解した液を、光路長10mmの石英セルに入れ、該液について測定した波長340nmでの光線透過率である。
更に、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のT−340を85%以上とするためには、シス/トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の混合物、又はシス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を加熱処理する際の不活性雰囲気を、反応系中の気相の酸素濃度4000ppm以下、好ましくは2000ppm以下、更に好ましくは1000ppm以下と調整することが好ましい。系中の酸素濃度が4000ppmより高いと、T−340が85%未満になりやすい。
尚、熱異性化法での原料となる、シス体及びトランス体の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の混合物を得る方法は、従来公知の任意の方法により得ればよい。例えば、テレフタル酸を溶媒、水素、水素化触媒存在下で液相核水素化する方法や、テレフタル酸ナトリウムを水、水素、水素化触媒存在下で液相核水素化した後に、酸析する方法が挙げられる。
本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂は、ジオール単位の80モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメタノールであるものが、ポリエステル樹脂の耐熱性の点で好ましい。
又、ジオール単位の80モル%以上99.5モル%以下が1,4−シクロヘキサンジメタノール単位であり、0.5モル%以上20モル%以下が炭素数2〜10のアルキレンジオール単位であるものが好ましく、中でも1,4−シクロヘキサンジメタノール単位が90モル%以上99.5モル%以下であり、炭素数2〜10のアルキレンジオール単位が0.5モル%以上10モル%以下であるものが、耐加水分解性が高いので好ましい。
本発明に用いる樹脂成分(C成分)は、上述した芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)30〜99重量部と、脂環式ポリエステル樹脂(B成分)1〜70重量部を含むものである。芳香族ポリカーボネート樹脂が30重量部未満では、荷重撓み温度や剛性が低く、99重量部を越えると流動性や耐候性の改良効果が小さい。
また、本発明に用いる微粒子と、樹脂成分(C)の屈折率の差の絶対値は適宜選択して決定すればよいが、小さすぎると光拡散性が低くなる場合があり、逆に大きすぎても光線透過率が低下することがあるので、通常、0.01以上、0.2以下であることが好ましい。
更に、本発明の光拡散性樹脂組成物が優れた光拡散性、全光線透過率、溶融加工時や使用時の耐変色を有するためには、本発明に用いる微粒子は有機光拡散性微粒子であることが好ましく、具体的には例えば、アクリル系及びシリコーン系の光拡散性微粒子であることが好ましい。
また本発明の光拡散性樹脂組成物における微粒子(但し、メソポーラス無機フィラーを除く)の含有量は、光拡散性部材の肉厚の変化に応じて調整することが好ましい。具体的には例えば、光拡散性部材の肉厚が0.1〜2mmの場合には、該微粒子の含有量を樹脂成分(C成分)100重量部に対して1〜20重とすることが好ましい。また光拡散性部材の肉厚が2mmを超えて5mm以下の場合には、具体的にはアクリル−スチレン系共重合体微粒子を用い、樹脂成分(C成分)100重量部に対する含有量を0.05〜5重量部とすることが好ましい。
ここで「最長吸収波長」とは、実質的な吸光を示す最長の波長を示し、実質的に吸光を示す波長とは、当該紫外線吸収剤の最大吸収波長における吸光度の1%以上の吸光度を示す波長を言う。また、芳香族ポリカーボネートの特性を損なうことが無いものが好ましい。
中でも、本発明に用いる紫外線吸収剤としては、優れた耐光性と色相および高い光線透過率を両立させるために、マロン酸エステル類化合物や、シアノアクリレート類化合物、ベンゾオキサジン類化合物、ヒンダードベンゾエート類化合物を用いることが好ましい。中でも溶融加工時の変色を抑え、優れた耐光変色性と高い光線透過率を同時に満たす点で、マロン酸エステル類化合物やシアノアクリレート類化合物を用いることが好ましい。
またヒンダードベンゾエート類化合物としては3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイックアシッド、n−ヘキサデシルエステル等が挙げられ、具体的にはUV−2908(最長吸収波長:290nm)サイテック・インダストリーズ社製等が挙げられる。挙げられる。
特に最長吸収波長が300nm以上のものは紫外線吸収効果が高く好ましい。この様なものとしては、例えば先述のマロン酸エステル類等が挙げられる。
尚、本発明における吸光度は、測定機器として島津製作所社製 UV3100を用い、測定条件として、光路長1cmのセルを使用、シクロヘキサンに試料(紫外線吸収剤)を溶解させ10mg/lの濃度としたシクロヘキサン溶液について測定した吸光度を用いる。尚、吸光度は以下の一般式(1)により求めた。
吸光度 :A=log10(l0/l) (1)
(但し、l0は(内容物の無い)Cellのみの透過光強度を示し、lは試料を入れたCellの透過光強度を示す。)
エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートとしては、Uvinul3030、Uvinul3035、Uvinul3039(いずれもB.A.S.F.社製)、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートとしてはSEESORB501(シプロ化成社製)、2'−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアク
リレートとしては、SEESORB 502(シプロ化成社製)等が挙げられる。
していることが好ましい。蛍光染料としては、具体的には例えば、白色系もしくは青色系の蛍光染料であり、成形品の黄色味を消し、明るさを強める機能がある。成形品の黄色味を消すという点では、機能がブルーイング剤と類似しているが、ブルーイング剤は単に成形品の黄色光を除去するのに対して、蛍光増白剤は波長400nm未満の紫外線を吸収し、そのエネルギーを波長400nm以上の可視光線、特に青紫色の光線に変えて放射する点で異なる。
本発明に用いる白色系又は青色系の蛍光染料としては、従来公知の任意のものを使用できる。中でも耐熱性や揮発ガスの観点から高分子量のものが好ましく、例えば、スチルベンベンゾオキサゾール系、フェニルアリルトリアゾリルクマリン系の蛍光増白剤が挙げられる。
有量は、樹脂成分(C成分)100重量部に対し、通常0.005〜0.2重量部、好ましくは0.01〜0.1重量部である。
ヒドロキシフェニル)ポロピオネート(例えば、チバスペシャリティケミカル社製、商品名:イルガノックス1076)や、テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(例えば、チバスペシャリ
ティケミカル社製、商品名:イルガノックス1010)等のフェノール系酸化防止剤を用いてもよい。該酸化防止剤の配合率は、適宜選択して決定すればよいが、含有量が少なすぎると酸化防止剤の効果が小さく、逆に多すぎても添加量の増加に見合う効果の増加が期待できないばかりか、モールドデボジットが発生し易くなる場合がある。よって通常、含有量は、樹脂成分(C成分)100重量部に対して0.01〜2重量部であることが好ましい。
攪拌機、留出管、加熱装置、圧力計、温度計および減圧装置を装備し、容量が100リットルのステンレス製反応器に、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(トランス体:シス体の比率が96:4)101.5重量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール(トランス体:シス体の比率が69:31)87重量部およびテトラ−n−ブチルチタネートの6重量%ブタノール溶液0.005重量部を仕込み、反応器内を窒素ガスで置換した。
反応器内を窒素ガスでシールしながら、内温を30分間で150℃に昇温し、さらに150℃から200℃まで1時間をかけて昇温した。次いで、200℃の温度で1時間保持してエステル化反応を行った後、200℃から250℃へ45分間で昇温しつつ、反応器内の圧力を徐々に減圧しながら重縮合反応を行った。反応機内圧力を絶対圧力0.1kPa、反応温度を250℃として4.5時間維持し、重縮合反応を終了した。重縮合反応終了後、得られた樹脂を水中にストランド状に抜き出し、切断してペレット化した。固有粘度は、0.841dl/gであった。
試料約0.25gを、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒約25mLに、濃度が1.00g/dLとなるように溶解させた後、30℃まで冷却、保持し、全自動溶液粘度計(中央理化社製「2CH型DJ504」)にて、濃度が1.00×10−2g/dLの試料溶液及び溶媒のみの落下秒数を測定し、下式により算出した。
IV=((1+4KHηsp)0.5−1)/(2KHC)
ここで、ηsp=η/η0−1 であり、ηは試料溶液の落下秒数、η0は溶媒のみの落下秒数、Cは試料溶液濃度(g/dL)、KHはハギンズの定数である。KHは0.33とし、試料の溶解条件は、試料がプレポリマーの場合は110℃で30分間とした。
ウベローデ粘度計を用いて塩化メチレン中20℃の極限粘度[η]を測定し、以下の式より求めた。
[η]=1.23×10−4×(Mv)0.83
射出成形機(日本製鋼所社製「J50」)により、300℃の温度で成形したプレート(90mm×50mm×3mm)について上記の各測定を行った。測定には分光式色彩計(日本電色工業社製「SE−2000型」)を使用した。
(3)で成形したプレートにUVを照射し、耐光性評価を行った。UV照射装置はスガ試験機社製Super Xenon Weather Meter、照射強度156W/m2、照射時間600時間とした。
射出成形機(名機製作所社製M150)により、300℃で成形した64mm×12.4mm×3.2mmの試験片を用い、ASTM D−256に準拠し測定した。測定はノッチ付きで行った。
濁度計(日本電色工業社製NDH−2000型)により(3)で成形した試験片の全光線透過率およびヘイズを測定した。
MURAKAMI COLOR RESEARCH LABORATORY社製のGP−5 GONIOPHOTOMETERを用い、測定条件を入射光0°、あおり角0°、受光範囲0°〜90°、光束絞り2.0、受光絞り3.0、の測定条件で(3)で成形した試験片の輝度を測定し、以下の式により拡散率(%)を求めた。
拡散率(%)={(20°の輝度+70°の輝度)/(5°の輝度)×2}×100
表2、3に示す割合で各原料をブレンドした後、スクリュー径40mmのベント付単軸押出機(田辺プラスチックス機械社製「VS−40」)により、シリンダー温度250℃で溶融混練し、ストランドカットによりペレットを得、得られたペレットを120℃で5〜7時間、熱風循環式乾燥機により乾燥した後、前記の条件で評価用成形品を成形した。そして、前記の評価を行ない、その結果を表2及び表3に示した。
Claims (6)
- 芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)30〜99重量部と脂環式ポリエステル樹脂(B成分)1〜70重量部を含む樹脂成分(C成分)100重量部に対し、重量平均径が0.7〜30μmの微粒子(但し、メソポーラス無機フィラーを除く)を0.05〜20重量部含む光拡散性樹脂組成物。
- 微粒子が有機微粒子であることを特徴とする請求項1記載の光拡散性樹脂組成物。
- さらに樹脂成分(C成分)100重量部に対して、最長吸収波長が380nm以下の紫外線吸収剤を0.05〜5重量部含む請求項1または2に記載の光拡散性樹脂組成物。
- 最長吸収波長が380nm以下の紫外線吸収剤が、マロン酸エステル類及び/又はシアノアクリレート類であることを特徴とする請求項3に記載の光拡散性樹脂組成物。
- さらに樹脂成分(C成分)100重量部に対して、蛍光染料を0.00001〜1重量部含む請求項1乃至4の何れかに記載の光拡散性樹脂組成物。
- 請求項1乃至5の何れかに記載の光拡散性樹脂組成物を含む、光拡散性部材。
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