JP2017119754A - 白色樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐衝撃性などの機械的特性に優れ、かつ白色度も高い樹脂組成物を提供する。【解決手段】不飽和結合を含まない透明樹脂(A)とゴム粒子(B)と可視光を吸収しない紫外線吸収剤(C)とを組み合わせて樹脂組成物を調製する。この樹脂組成物は、白色度L値が90以上であってもよい。前記透明樹脂(A)はポリカーボネートであってもよい。前記ゴム粒子(B)は、シリコーンゴム及び/又はアクリルゴムを含むコア部と、ビニル系重合体を含むシェル部とで形成されたコアシェル構造を有する粒子であってもよい。前記ゴム粒子(B)の平均粒径は0.05〜1μm程度である。前記紫外線吸収剤(C)はシュウ酸アニリド類、マロン酸エステル類及びシアノアクリレート類からなる群より選択された少なくとも1種であってもよい。前記樹脂組成物は、さらにリン系難燃剤(D)を含んでいてもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、白色顔料を用いることなく、白色度を向上できる白色樹脂組成物及びこの組成物で形成された成形体に関する。
白色は、明度の高い無彩色であり、清潔なイメージがあり、光反射性が高く、印刷性や装飾性にも優れるため、各種のプラスチック成形体として白色プラスチック成形体が利用されている。特に、白色ポリカーボネートは、耐衝撃性や耐熱性などに優れるため、各種の成形体として、自動車、電気、電子の部品などに利用されている。
白色ポリカーボネートとしては、酸化チタンなどの白色顔料を配合したポリカーボネート樹脂組成物が汎用されており、特開2006−176567号公報(特許文献1)には、芳香族ポリカーボネート100重量部に対して酸化チタン3〜30重量部、染顔料0〜0.1重量部、難燃剤としての有機酸金属塩0.01〜1重量部、フルオロポリマー0.01〜1重量部、珪酸塩化合物0.1〜30重量部及び有機酸性化合物0.001〜5重量部を含む樹脂組成物からなり、白色外観を有する成形体が開示されている。
しかし、酸化チタンなどの白色無機顔料を含む白色ポリカーボネートで形成された成形体において、白色顔料の濃度を高めると、耐衝撃性などの機械的特性が低下する。
特開2014−188910号公報(特許文献2)には、基層部と表層部とが共押出成形法により積層一体化され、前記基層部がポリカーボネート樹脂100重量部に対して、架橋アクリルビーズなどの透明微粒子0.1〜10重量部及び酸化チタンなどの白色顔料0.01〜1重量部を含むポリカーボネート樹脂積層体が開示されている。この積層体では、ポリカーボネートの耐候性が低いため、表層部に紫外線吸収剤を含む表層部を形成して、基層の白色ポリカーボネートの色調を維持している。
しかし、ポリカーボネート樹脂積層体では、多層構造であり、構造が複雑である上に、共押出する必要があり、製造方法も煩雑である。
特開2014−40556号公報(特許文献3)には、芳香族ポリカーボネート樹脂40〜95質量%、スチレン系重合体1〜20質量%及びエポキシ系収束剤で収束された扁平ガラス繊維5〜99.5質量%の合計100質量部に対して、硫化亜鉛50〜99.5質量%及びと硫酸バリウム0.5〜50質量%との混合物を0.1〜10質量部、有機ホスフェート系熱安定剤0.01〜1質量部含有するポリカーボネート系樹脂組成物が開示されている。この文献では、ガラス繊維で強化したポリカーボネートにおいて、酸化チタンによるガラス繊維の破砕を抑制するために、酸化チタンの代わりに、硫化亜鉛と硫酸バリウムとの混合物を白色顔料として使用している。
しかし、硫化鉛及び硫酸バリウムも無機白色顔料であり、白色顔料の濃度を高めると、耐衝撃性などの機械的特性が低下する。
特開2006−176567号公報(特許請求の範囲、実施例) 特開2014−188910号公報(特許請求の範囲、段落[0002]、実施例) 特開2014−40556号公報(請求項1、段落[0004][0077])
従って、本発明の目的は、衝撃性などの機械的特性に優れ、かつ白色度も高い樹脂組成物及びこの樹脂組成物で形成された成形体を提供することにある。
本発明の他の目的は、耐光性に優れ、長期間光に曝されても、黄変を抑制できる樹脂組成物及びこの樹脂組成物で形成された成形体を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、耐熱性及び難燃性を向上できる樹脂組成物及びこの樹脂組成物で形成された成形体を提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討の結果、不飽和結合を含まない透明樹脂(A)と、ゴム粒子(B)と、可視光を吸収しない紫外線吸収剤(C)とを組み合わせることにより、衝撃性などの機械的特性を低下させることなく、白色度を向上できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の樹脂組成物は、不飽和結合を含まない透明樹脂(A)、ゴム粒子(B)、及び可視光を吸収しない紫外線吸収剤(C)を含む。本発明の樹脂組成物は、白色度L値が90以上であってもよい。本発明の樹脂組成物は、黄味度b値が5以下であってもよい。前記透明樹脂(A)はポリカーボネートであってもよい。前記ゴム粒子(B)は、非ジエン系ゴムを含んでいてもよく、特に、シリコーンゴム及び/又はアクリルゴムを含むコア部と、ビニル系重合体を含むシェル部とで形成されたコアシェル構造を有する粒子であってもよい。前記ゴム粒子(B)の平均粒径は0.05〜1μm程度である。前記紫外線吸収剤(C)は、シュウ酸アニリド類、マロン酸エステル類及びシアノアクリレート類からなる群より選択された少なくとも1種であってもよい。前記透明樹脂(A)と前記ゴム粒子(B)との重量割合は、前者/後者=95/5〜80/20程度である。前記紫外線吸収剤(C)の割合は、透明樹脂(A)及びゴム粒子(B)の合計100重量部に対して0.01〜5重量部程度である。本発明の樹脂組成物は、さらにリン系難燃剤(D)を含んでいてもよい。このリン系難燃剤(D)は芳香族縮合リン酸エステルであってもよい。前記リン系難燃剤(D)の割合は、透明樹脂(A)及びゴム粒子(B)の合計100重量部に対して1〜30重量部程度である。本発明の樹脂組成物は、さらにフッ素樹脂(E)を含んでいてもよい。また、本発明の樹脂組成物は、さらに白色染顔料(F)を含んでいてもよい。
本発明には、前記樹脂組成物で形成された成形体も含まれる。
本発明では、不飽和結合を含まない透明樹脂(A)と、ゴム粒子(B)と、可視光を吸収しない紫外線吸収剤(C)とを組み合わせているため、衝撃性などの機械的特性を低下させることなく、白色度も向上できる。また、耐光性に優れ、光に長期間曝されても、黄変を抑制できる。さらに、耐熱性も高く、リン系難燃剤(D)と組み合わせると、難燃性及び白色度を向上でき、特に、芳香族縮合リン酸エステルと組み合わせると、環境に対する負荷の大きいハロゲンを用いることなく、難燃性を向上できる。
[透明樹脂(A)]
本発明の樹脂組成物は、透明樹脂(A)を含む。透明樹脂は、耐光性の点から、不飽和結合(エチレン性不飽和結合)を含まない透明樹脂であればよく、熱硬化性樹脂であってもよいが、成形性などの点から、熱可塑性樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィンなど)、ハロゲン含有樹脂(塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂など)、(メタ)アクリル系樹脂(ポリメタクリル酸メチル系樹脂など)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン系樹脂など)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンアリレートなど)、ポリカーボネート(ビスフェノールA型ポリカーボネートなど)、ポリアミド(ポリアミド6、ポリアミド66などの脂肪族ポリアミドなど)、セルロース誘導体(セルローストリアセテート、セルロースジアセテートなどのセルロースアセテートなど)などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの熱可塑性樹脂のうち、透明性と機械的強度とのバランスに優れる点から、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミドが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
ポリカーボネートとしては、芳香族ポリカーボネート系樹脂(芳香族ジヒドロキシ化合物を重合成分とするポリカーボネート系樹脂)、特に、ビスフェノール型ポリカーボネート系樹脂(ビスフェノール類を重合成分とするポリカーボネート系樹脂)が好ましい。
ビスフェノール類としては、例えば、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類[例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタンなどのビス(ヒドロキシフェニル)C1−6アルカンなど]、ビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類[例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシフェニル)C4−10シクロアルカンなど]、ビス(ヒドロキシフェニル)エーテル類[例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテルなど]、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン類[例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなど]、ビス(ヒドロキシフェニル)スルフィド類[例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィドなど]などが例示できる。これらのビスフェノール類は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
また、難燃性を向上させる観点から、ビスフェノール類は、臭素などによりハロゲン化されていてもよい。
これらのビスフェノール類のうち、ビスフェノールAなどのビス(ヒドロキシアリール)C1−6アルカンなどが好ましい。
ポリカーボネートの粘度平均分子量は、例えば、塩化メチレンを用い20℃で測定した場合、10000以上(例えば15000〜50000)の範囲から選択でき、耐衝撃性の観点から、16000以上が好ましく、例えば16000〜50000(例えば16000〜45000)、好ましくは18000〜40000(例えば18000〜35000)、さらに好ましくは20000〜30000(特に20000〜25000)程度であってもよい。分子量がこの範囲にあると、流動性と耐衝撃性とのバランスに優れる。
ポリカーボネートのガラス転移温度(Tg)は、例えば110〜160℃、好ましくは115〜155℃、さらに好ましくは120〜150℃程度であってもよい。
ポリカーボネートは、慣用の方法(例えば、ホスゲン法、エステル交換法など)により得ることができる。
[ゴム粒子(B)]
本発明の樹脂組成物は、耐衝撃性などの機械的強度を向上させ、かつ白色を発現させるために、さらにゴム粒子(B)を含む。
ゴム粒子は、天然ゴムや合成ゴムなどのゴム成分、各種の熱可塑性エラストマーを含んでいればよいが、耐光性を向上できる点から、不飽和結合を有していない非ジエン系ゴム(飽和ゴム)を含むのが好ましい。このようなゴムとしては、例えば、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴムなどが挙げられる。これらのゴムは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのゴムのうち、耐衝撃性や耐光性などに優れる点から、シリコーンゴム及び/又はアクリルゴムが好ましく、シリコーンゴムとアクリルゴムとの組み合わせ(複合ゴム)が特に好ましい。
ゴム粒子は、前記ゴムを含んでいればよいが、透明樹脂との相溶性(透明樹脂中での分散性)などの点から、前記ゴムを含むコア部と、ビニル系重合体を含むシェル部とで形成されたコアシェル構造を有する粒子であってもよい。
シェル部を構成するビニル系重合体としては、例えば、ビニル系単量体の単独重合体、共重合体のいずれであってもよい。ビニル系単量体としては、例えば、芳香族ビニル系単量体(例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなど)、シアン化ビニル系単量体(例えば、(メタ)アクリロニトリルなど)、アクリル系単量体(例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸C1−4アルキルエステルなど)などが挙げられる。これらのビニル系単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのビニル系単量体のうち(メタ)アクリル酸C1−4アルキルエステルが好ましく、(メタ)アクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸C1−2アルキルエステル(特にメタクリル酸メチルなどのメタクリル酸C1−2アルキルエステル)が特に好ましい。
ビニル系重合体としては、重合成分として、(メタ)アクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸C1−2アルキルエステルを含む重合体が好ましく、メタクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸メチルを含む共重合体が特に好ましい。(メタ)アクリル酸メチルを含む共重合体は、他の共重合性単量体として、(メタ)アクリル酸C2−4アルキルエステル、スチレン、アクリロニトリルなどを好ましく利用できる。この共重合体において、(メタ)アクリル酸メチルと、他の共重合性単量体とのモル比は、前者/後者=99/1〜10/90、好ましくは95/5〜30/70、さらに好ましくは90/10〜50/50程度である。ビニル系重合体は、透明樹脂の種類に応じて、さらに変性されていてもよく、例えば、エポキシ基を導入してエポキシ変性されていてもよい。
コアシェル構造を有する粒子において、コア部とシェル部との重量割合は、前者/後者=99/1〜10/90、好ましくは95/5〜20/80、さらに好ましくは90/10〜30/70(特に80/20〜50/50)程度である。コア部の割合が少なすぎると、耐衝撃性などの機械的特性が低下する虞があり、逆に多すぎると、相溶性の向上効果が低下する虞がある。
コアシェル構造を有する粒子において、コア部とシェル部とは、グラフト重合などにより互いに共重合していてもよく、共重合していなくてもよい。
ゴム粒子(B)の形状は、特に限定されず、等方形状(例えば、球状又は略球状、正方体状など)、異方形状(例えば、楕円体状、繊維状、針状、不定形状など)のいずれであってもよい。これらの形状のうち、分散性などの点から、球状又は略球状が好ましい。
ゴム粒子(B)の平均粒径は、例えば0.01〜3μm、好ましくは0.03〜2μm、さらに好ましくは0.05〜1μm(特に0.08〜0.6μm)程度である。ゴム粒子(B)の平均粒径が小さすぎると、樹脂組成物の耐衝撃性や白色度が低下する虞があり、逆に大きすぎると、樹脂組成物の剛性などの機械的特性が低下する虞がある。なお、本発明では、ゴム粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡で撮影した写真に基づいて測定できる。詳しくは、ゴム粒子の平均粒径は、ゴム粒子300個の数平均粒径であり、各ゴム粒子の粒径は、長径と短径とを測定し、両径の平均値を算出した後、4/πを乗じた値である。
透明樹脂(A)とゴム粒子(B)との重量割合は、例えば、前者/後者=98/2〜70/30(例えば97/3〜75/25)、好ましくは95/5〜80/20(例えば89.5/10.5〜80/20)、さらに好ましくは95/5〜82/18(特に89/11〜85/15)程度である。樹脂組成物がタルクや酸化チタンなどの無機粒子又は無機顔料を含む場合、耐衝撃性を向上させる点から、透明樹脂(A)とゴム粒子(B)との重量割合は、例えば、前者/後者=90/10を超える範囲であってもよく、例えば、前者/後者=89/11〜70/30、好ましくは88/12〜80/20、さらに好ましくは90/10〜85/15程度である。ゴム粒子(B)の割合が少なすぎると、耐衝撃性などの機械的特性が低下する虞があり、逆に多すぎると、剛性(弾性率)や経済性が低下する虞がある。
[紫外線吸収剤(C)]
本発明の樹脂組成物は、耐光性を向上させ、かつ白色を発現させるために、さらに可視光を吸収しない紫外線吸収剤(C)を含む。
紫外線吸収剤(C)は、可視光を吸収しない紫外線吸収剤であればよく、具体的には、可視光に近い紫外線領域(例えば350〜400nm)に吸収ピークを有さない紫外線吸収剤が好ましい。このような紫外線吸収剤(C)の吸収ピークは350nm以下(例えば1〜350nm)であってもよく、例えば100〜340nm、好ましくは150〜330nm、さらに好ましくは200〜320nm程度であってもよい。
このような吸収特性を有する紫外線吸収剤(C)としては、例えば、シュウ酸アニリド類、マロン酸エステル類、シアノアクリレート類などが挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
シュウ酸アニリド類としては、例えば、シュウ酸ジアニリド(オキサニリド又はオキサルアニリド);N−(2−エチルフェニル)−N’−(2−エトキシフェニル)シュウ酸ジアミド、N−[4−(1−メチル)ウンデシルフェニル]−N’−(2−エトキシフェニル)シュウ酸ジアミドなどのN−C1−18アルキルフェニル−N’−C1−4アルコキシフェニルシュウ酸ジアミド;N−(2−エチルフェニル)−N’−(2−エトキシ−5−t−ブチルフェニル)シュウ酸ジアミドなどのN−C1−18アルキルフェニル−N’−C1−4アルコキシC1−18アルキルフェニルシュウ酸ジアミド;N−(2−エチル−4−t−ブチルフェニル)−N’−(2−エトキシ−5−t−ブチルフェニル)シュウ酸ジアミドなどのN−ジC1−18アルキルフェニル−N’−C1−4アルコキシC1−18アルキルフェニルシュウ酸ジアミドなどが挙げられる。これらのシュウ酸アニリド類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
マロン酸エステル類としては、例えば、2−[(4−メトキシフェニル)−メチレン]マロン酸ジメチルなどの2−C1−4アルコキシフェニルメチレンマロン酸ジC1−4アルキル;2−(p−メトキシベンジリデン)マロン酸ジメチルなどの2−C1−4アルコキシベンジリデンマロン酸ジC1−4アルキルエステル;2−(p−メトキシベンジリデン)−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)マロネートなどの2−C1−4アルコキシベンジリデン−ビス(C1−4アルキルピペリジニル)マロネート;テトラエチル−2,2’−(1,4−フェニレンメチリデン)ビスマロネートなどのテトラC1−4アルキル−2,2’−(1,4−フェニレンメチリデン)ビスマロネートなどが挙げられる。これらのマロン酸エステル類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
シアノアクリレート類としては、例えば、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシルなどの2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸C1−10アルキルエステルなどが挙げられる。これらのシアノアクリレート類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの紫外線吸収剤のうち、耐光性が高く、白色度を高度に向上できる点から、シュウ酸アニリド類が好ましく、N−(2−エチルフェニル)−N’−(2−エトキシフェニル)シュウ酸ジアミドなどのN−C1−4アルキルフェニル−N’−C1−4アルコキシフェニルシュウ酸ジアミドが特に好ましい。
紫外線吸収剤(C)の割合は、透明樹脂(A)及びゴム粒子(B)の合計100重量部に対して、例えば0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜4重量部(例えば0.2〜3重量部)、さらに好ましくは0.3〜1重量部(特に0.35〜0.8重量部)程度である。紫外線吸収剤の(C)の割合が少なすぎると、耐光性が低下する虞があり、多すぎると、機械的特性が低下する虞がある。
[リン系難燃剤(D)]
本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物の難燃性を向上でき、かつ白色度も向上できる点から、さらにリン系難燃剤(D)を含んでいてもよい。
リン系難燃剤(D)には、有機リン系難燃剤、無機リン系難燃剤(赤リン系難燃剤、例えば、赤リン、赤リン表面を熱硬化樹脂及び/又は無機化合物で被覆した安定化赤リンなど)などが含まれる。これらのリン系難燃剤のうち、有機リン系難燃剤が好ましく、環境に対する小さい負荷で難燃性を向上できる点から、芳香族縮合リン酸エステルが特に好ましい。
芳香族縮合リン酸エステルは、通常、オキシ塩化リンなどのリン成分と、少なくとも芳香族ポリオール類で構成されたポリオール類と、モノアルコール類(特に、フェノール類などのモノヒドロキシアレーン類)との反応生成物(特に、芳香族縮合リン酸エステル)であり、少なくとも2つ(特に2つ)のリン酸単位を分子中に有する化合物である。
ポリオール類は、少なくとも芳香族ポリオール(通常、多価フェノール類、ビスフェノール類など)で構成されていればよく、非芳香族ポリオール(例えば、脂肪族ポリオールなど)を含んでいてもよい。通常、ポリオール類は、芳香族ポリオール単独で構成されていてもよい。
代表的な多価フェノール(ポリヒドロキシベンゼン)類としては、例えば、ジヒドロキシベンゼン(レゾルシノール、ヒドロキノンなど)、置換基を有するジヒドロキシベンゼン{アルキル−ジヒドロキシベンゼン[ジヒドロキシトルエン、5−t−ブチルレゾルシノール、ジヒドロキシキシレン(2,6−ジヒドロキシ−p−キシレンなど)などのモノ又はジC1−10アルキル−ジヒドロキシベンゼンなど]、アリール−ジヒドロキシベンゼン(2,4−ジヒドロキシビフェニルなどのC6−10アリール−ジヒドロキシベンゼンなど)、モノ又はジハロ−ジヒドロキシベンゼン(2,4−ジフルオロヒドロキノンなど)など}などのジヒドロキシベンゼン類;これらのジヒドロキシベンゼン類に対応するトリヒドロキシベンゼン類などが挙げられる。
代表的なビスフェノール類としては、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類[例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどの置換基を有していてもよいビス(ヒドロキシフェニル)C1−10アルカン]、ビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン類[例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどの置換基を有していてもよいビス(ヒドロキシフェニル)C5−10シクロアルカン]、これらに対応するビス(ヒドロキシフェニル)エーテル類、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン類、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホキシド類、ビス(ヒドロキシフェニル)スルフィド類、ビス(ヒドロキシフェニル−アルキル)アレーン類[4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノールなど]、これらのアルキレンオキシド付加物(例えば、エチレンオキシドなどのC2−4アルキレンオキシドなど)などが挙げられる。
これらのうち、好ましいポリオール類は、ジヒドロキシベンゼン類[ジヒドロキシベンゼン(レゾルシノール、ヒドロキノンなど)、アルキル−ジヒドロキシベンゼン、ハロ−ジヒドロキシベンゼンなどの置換基を有していてもよいジヒドロキシベンゼン(特に、置換基を有していてもよいレゾルシノール)]、ビスフェノール類などが挙げられ、特にジヒドロキシベンゼン類、ビスフェノール類が好ましい。
モノアルコール類(モノヒドロキシ化合物)としては、非芳香族モノアルコール(脂肪族アルコールなど)、モノヒドロキシアレーン類が挙げられる。モノアルコール類は、通常、モノヒドロキシアレーン類であってもよい。代表的なモノヒドロキシアレーン類としては、例えば、フェノール類{例えば、フェノール、置換基を有するフェノール類[アルキルフェノール(o−、m−、p−クレゾール、2,3−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノールなどのモノ又はジC1−10アルキルフェノール、好ましくはモノ又はジC1−6アルキルフェノール、さらに好ましくはジC1−4アルキルフェノール)、アリールフェノール(o−フェニルフェノールなど)、シクロアルキルフェノールなどの炭化水素基を有するフェノール、アルコキシフェノール(o−メトキシフェノールなど)、ハロフェノール(クロロフェノールなど)、アシルフェノールなど]などの置換基を有していてもよいモノヒドロキシC6−10アレーンなどが含まれる。
これらのモノアルコール類のうち、フェノール、炭化水素基を有するフェノール類が好ましく、特にアルキルフェノールが好ましい。なお、リン成分およびポリオール類と反応させるモノアルコール類は、単独で又は2種以上組みあわせてもよい。
好ましい芳香族縮合リン酸エステルには、モノアルコール類がモノヒドロキシアレーン類である芳香族縮合リン酸エステル、例えば、ジヒドロキシベンゼンビス(ジアリールホスフェート)類{例えば、レゾルシノールビス(ジアリールホスフェート)類[例えば、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート);レゾルシノールビス(ジクレジルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジキシリルホスフェート)(例えば、レゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリルホスフェート)など)などのレゾルシノールビス[ジ(モノ乃至トリC1−4アルキル)フェニルホスフェート]など]、ハイドロキノンビスアリールホスフェート類[例えば、ハイドロキノンビス(ジフェニルホスフェート);ハイドロキノンビス(ジクレジルホスフェート)、ハイドロキノンビス(ジキシリルホスフェート)(例えば、ハイドロキノンビス(ジ−2,6−キシリルホスフェート)など)などのハイドロキノンビス[ジ(モノ乃至トリC1−4アルキル)フェニルホスフェート]など]などのポリオール類がジヒドロキシベンゼン類であり、かつモノアルコール類がモノヒドロキシアレーン類である芳香族縮合リン酸エステル}、ビスフェノールビス(ジアリールホスフェート)類{例えば、ビスフェノールA−ビス(ジアリールホスフェート)類[例えば、ビスフェノールA−ビス(ジフェニルホスフェート);ビスフェノールA−ビス(ジクレジルホスフェート)、ビスフェノールA−ビス(ジキシリルホスフェート)などのビスフェノールA−ビス[ジ(モノ乃至トリC1−4アルキル)フェニルホスフェート]など]などのポリオール類がビスフェノール類であり、かつモノアルコール類がモノヒドロキシアレーン類である芳香族縮合リン酸エステル}などが挙げられる。
リン系難燃剤(D)の割合は、透明樹脂(A)及びゴム粒子(B)の合計100重量部に対して、例えば1〜30重量部、好ましくは3〜25重量部、さらに好ましくは5〜20重量部(特に10〜18重量部)程度である。リン系難燃剤(D)の割合が少なすぎると、難燃性を向上する効果が低下する虞があり、逆に多すぎると、樹脂組成物の機械的特性が低下する虞がある。
[フッ素樹脂(E)]
本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物の難燃性を向上できる点から、さらにフッ素樹脂(E)を含んでいてもよい。
フッ素樹脂(E)としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)などの単独重合体;テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体などの共重合体などが挙げられる。これらのフッ素樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのフッ素樹脂の中で、PTFE、PFA、FEPなど(特にPTFE)が汎用される。
フッ素樹脂(E)の平均粒径は、肉眼で視認できない程度が好ましく、例えば1mm以下(例えば0.001〜1mm程度)、好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは0.1mm以下程度である。フッ素樹脂(E)の平均粒径が大きすぎると、外観特性などが低下する虞がある。なお、本発明では、フッ素樹脂の平均粒径は、前述のゴム粒子の平均粒径と同一の方法で測定できる。
フッ素樹脂(E)の割合は、透明樹脂(A)及びゴム粒子(B)の合計100重量部に対して3重量部以下(特に1重量部以下)であり、例えば0.01〜3重量部、好ましくは0.05〜2重量部、さらに好ましくは0.1〜1重量部(特に0.3〜0.8重量部)程度である。フッ素樹脂(E)の割合が多すぎると、樹脂組成物の機械的特性が低下する虞がある。
フッ素樹脂(E)は、樹脂組成物中での分散性や樹脂組成物の難燃性を向上できる点から、タルクと組み合わせてもよい。さらに、分散性を向上できる点から、原料段階でタルクとフッ素樹脂とを混合し、タルク中にフッ素樹脂を分散させて用いてもよい。タルクの割合は、フッ素樹脂(E)100重量部に対して、例えば10〜100重量部、好ましくは30〜80重量部、さらに好ましくは40〜60重量部程度である。耐衝撃性などの機械的特性を向上できる点から、本発明の樹脂組成物は、タルクを含んでいなくてもよい。
フッ素樹脂(E)は、樹脂組成物中での分散性を向上できる点から、原料段階で水に分散させて用いてもよい。水の割合は、フッ素樹脂(E)100重量部に対して、例えば10〜200重量部、好ましくは30〜150重量部、さらに好ましくは50〜100重量部程度である。なお、水は、通常、樹脂組成物の調製過程で揮発により消失する。
[白色染顔料(F)]
本発明の樹脂組成物は、白色染顔料(F)を含んでいなくても、白色度を向上できるが、必要に応じて、さらに白色染顔料(F)を含んでいてもよい。
白色染顔料(F)としては、例えば、チタン系白色顔料[酸化チタン(チタン白)など]、亜鉛系白色顔料(酸化亜鉛、硫化亜鉛など)、複合白色顔料(リトポンなど)、体質顔料[ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミニウム系体質顔料(アルミナ、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウムなど)、シリカ、マイカ、ベントナイトなど]などが挙げられる。これらの白色染顔料は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの白色染顔料のうち、チタン系白色顔料、特に酸化チタンが好ましい。
酸化チタンの結晶型は、アナターゼ型であってもよいが、屈折率が大きくて隠蔽力に優れる点から、ルチル型が好ましい。
さらに、酸化チタンは、白色度を向上できる点から、塩素化法で得られた酸化チタンが特に好ましい。
白色染顔料(特に酸化チタンなどの白色無機顔料)の平均粒径は3μm以下が好ましく、例えば0.01〜3μm、好ましくは0.05〜2μm(例えば0.05〜1μm)、さらに好ましくは0.1〜1μm(特に0.1〜0.5μm)程度である。白色染顔料の平均粒径が小さすぎると白色度を向上できる効果が低下する虞があり、外観特性などが低下する虞がある。なお、本発明では、白色染顔料の平均粒径は、前述のゴム粒子の平均粒径と同一の方法で測定できる。
白色染顔料(F)の割合は、透明樹脂(A)及びゴム粒子(B)の合計100重量部に対して10重量部以下であり、例えば0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜8重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部(特に1〜3重量部)程度である。白色染顔料(F)の割合が多すぎると、樹脂組成物の機械的特性が低下する虞がある。耐衝撃性などの機械的特性を向上できる点から、本発明の樹脂組成物は、白色染顔料(特に白色無機顔料)の割合が少なくてもよく(例えば、前記合計100重量部に対して1重量部以下であってもよく)、白色染顔料(特に白色無機顔料)を含んでいなくてもよい。
[他の添加剤]
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、他の紫外線吸収剤(ベンゾとリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤など)を含んでいてもよいが、白色度及び耐光性を向上できる点から、これらの紫外線吸収剤(可視光を吸収する紫外線吸収剤又は可視光域に近い紫外線域に吸収ピークを有する紫外線吸収剤)を実施的に含まない組成物が好ましい。他の紫外線吸収剤の割合は、樹脂組成物全体に対して、例えば5重量%以下(例えば0.01〜5重量%)、好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下であってもよい。
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、他の難燃剤(ハロゲン系難燃剤、有機酸金属塩系難燃剤、シリコーン系難燃剤、ホスファゼン系難燃剤、金属酸化物など)を含んでいてもよい。他の難燃剤の割合は、樹脂組成物全体に対して、例えば10重量%以下(例えば0.01〜10重量%)、好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下であってもよい。
本発明の樹脂組成物は、慣用の添加剤をさらに含んでいてもよい。慣用の添加剤としては、例えば、難燃助剤、ドリッピング防止剤、他の染顔料、安定剤(酸化防止剤、耐光安定剤、熱安定剤など)、補強剤(タルクなどのフィラー、ガラス繊維、炭素繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維などの補強繊維など)、滑剤、帯電防止剤、離型剤、可塑剤などが挙げられる。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの添加剤の割合は、樹脂組成物全体に対して、例えば10重量%以下(例えば0.01〜10重量%)、好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下であってもよい。
[樹脂組成物及び成形体]
本発明の樹脂組成物は、透明樹脂(A)、ゴム粒子(B)及び紫外線吸収剤(C)(及び必要に応じてリン系難燃剤(D)、フッ素樹脂(E)及び白色染顔料(F))をV型ブレンダー、スーパーミキサー、スーパーフローター、ヘンシェルミキサーなどの混合機を用いて予備混合した組成物であってもよいが、通常、前記予備混合物を均一に溶融混合した混合物である場合が多い。このような混合物は、前記予備混合物を、混練手段を用い、例えば200〜300℃、好ましくは220〜280℃程度の温度で溶融混練し、ペレット化することにより得ることができる。混練手段としては、種々の溶融混合機、例えば、ニーダー、一軸又は二軸押出し機などが使用できるが、二軸押出し機などを用いて樹脂組成物を溶融して押出し、ペレタイザによりペレット化する場合が多い。
本発明の樹脂組成物は、白色度が高く、白色度L値は90以上であってもよく、例えば90〜99.9、好ましくは91〜99(例えば92〜98)、さらに好ましくは93〜97(特に94〜96)程度である。なお、本発明では、白色度L値は、分光測色計を用いた方法で測定でき、詳細には、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
本発明の樹脂組成物は、黄味度が小さく、黄味度b値は5以下であってもよく、例えば、0.1〜5、好ましくは0.3〜3、さらに好ましくは0.5〜2(特に0.8〜1.5)程度である。なお、本発明では、黄味度b値は、分光測色計を用いた方法で測定でき、詳細には、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
本発明の樹脂組成物は、耐光性に優れており、63℃キセノンランプで300時間照射した色相が5以下(例えば0.1〜5)であってもよく、例えば0.1〜4、好ましくは0.1〜3、さらに好ましくは0.1〜2(特に0.1〜1.5)程度である。なお、本発明では、耐光性は、キセノンウェザオメーターを用いた方法で測定でき、詳細には、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
本発明の樹脂組成物は、耐熱性に優れており、高荷重(1.80MPa)の荷重たわみ温度HDT(℃)は70℃以上(例えば70〜150℃)、好ましくは75〜120℃、さらに好ましくは80〜100℃程度である。なお、本発明では、耐熱性は、ISO75に準拠した方法で測定でき、詳細には、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
本発明の樹脂組成物は、耐衝撃性に優れており、シャルピー衝撃強さが15kJ/m以上(例えば15〜100kJ/m)であってもよく、特に、ゴム粒子(B)の粒径及び割合を調製することにより、高度な耐衝撃性を実現でき、例えば30〜90kJ/m、好ましくは35〜80kJ/m、さらに好ましくは40〜70kJ/m(特に45〜60kJ/m)程度である。なお、本発明では、耐衝撃性は、ISO179に準拠して測定でき、詳細には、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
本発明の成形体は、前記樹脂組成物で形成されており、慣用の方法、例えば、射出成形、押出成形、ブロー成形、プレス成形、真空成形などの成形方法により前記系樹脂組成物を成形することにより得られる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で使用した原料の詳細は以下の通りであり、実施例及び比較例で得られた樹脂組成物を以下の項目で評価した。
[原料]
(透明樹脂)
PC:ポリカーボネート樹脂、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「S−2000F」
ABS:ABS樹脂、A&L(株)製「S−2601」。
(ゴム粒子)
ゴム粒子A:シリコーンゴムとアクリルゴムとの複合ゴムで形成されたコア部と、メタクリル酸メチル系共重合体で形成されたシェル部とを有するゴム粒子、三菱レイヨン(株)製「メタブレンS−2001」
ゴム粒子B:シリコーンゴムとアクリルゴムとの複合ゴムで形成されたコア部と、メタクリル酸メチル系共重合体で形成されたシェル部とを有するゴム粒子、三菱レイヨン(株)製「メタブレンSX−005」。
(紫外線吸収剤)
シュウ酸アニリド:クラリアント(株)製「VSU−P」
ベンゾトリアゾール:Everlight Chemical Industrial Corporation製「EVERSORB 73」。
(リン系難燃剤)
リン系難燃剤A:液状ビスフェノール系芳香族縮合リン酸エステル、大八化学工業(株)製、商品名「CR−741」
リン系難燃剤B:レゾルシノールビス[ジ(2,6−キシリル)ホスフェート]、大八化学工業(株)製、商品名「PX−200」。
(白色染顔料)
酸化チタン:デュポン(株)製「Ti−Pure R−103(登録商標)」。
(フッ素樹脂)
フッ素樹脂A:テトラフルオロエチレン(三井・デュポンフロロケミカル(株)製「PTFE 6−J」)とタルク(林化成(株)製「ミクロンホワイト5000S」)とを、テトラフルオロエチレン/タルク=65/35(重量比)の割合で混合した混合物
フッ素樹脂B:水分散テトラフルオロエチレン(ダイキン工業(株)製「ポリフロンPTFE D−210C」)、固形分濃度60重量%。
[白書度L値及び黄味度b値]
白色度L値及び黄味度b値は、分光測色計(コニカミノルタ(株)製「CM−3600d」)を用い、光源をD65に設定し、測定した。
[耐光性]
耐光性は、試験機器としてキセノンウェザオメーター (ATLAS ELECTRIC DEVICES CO.製「Ci35A型」)を用い、光源:キセノンアークランプ、ブラックパネル温度:63℃、照射エネルギー:0.35W/m(340nm)の試験条件で耐色性を測定した。
[難燃性]
試験片の厚み1.5mmで、UL94に基づいて難燃性(燃焼性)を評価した。
[耐熱性(HDT高荷重)]
ISO75に準拠した方法で、高荷重(1.80MPa)の荷重たわみ温度HDT(℃)を測定した。
[耐衝撃性]
ISO179に従い、厚み1mmの試験片にて23℃雰囲気下で衝撃強度(シャルピー衝撃強度、kJ/m)を測定した。
実施例1〜7及び比較例1〜7
各原料を表1に示す割合で、秤量し、ヘンシェルミキサーで4分間混合した後、30mmφの二軸押出機を用い、シリンダー温度260℃で賦型ペレット化した。得られたペレットを乾燥し、射出成形機でシリンダー温度260℃、金型温度60℃で各種物性測定用試験片を作成し、評価を行なった結果を表1に示す。
Figure 2017119754
表1の結果から明らかなように、実施例の樹脂組成物は、白色度が高く、耐光性、耐熱性、耐衝撃性も高い。
本発明の樹脂組成物は、各種の白色プラスチック成形体、例えば、家庭電化用品、コンセント、ルーター、オフィスオートメーション(OA)機器などのハウジングやエンクロージャー、携帯電話機などのハウジングやケーシング、ターミナルボックスなどの種々の白色成形品を成形する材料として有用であり、さらに耐光性に優れるため、屋外で使用されるプラスチック成形体、例えば、警備装置やインターホン、配電盤、分電盤、ソーラーモニター、ガスや水道などの計測器などのケーシング(筐体)などにも有用である。

Claims (16)

  1. 不飽和結合を含まない透明樹脂(A)、ゴム粒子(B)、及び可視光を吸収しない紫外線吸収剤(C)を含む樹脂組成物。
  2. 白色度L値が90以上である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 黄味度b値が5以下である請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 透明樹脂(A)がポリカーボネートである請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. ゴム粒子(B)が非ジエン系ゴムを含む請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. ゴム粒子(B)が、シリコーンゴム及び/又はアクリルゴムを含むコア部と、ビニル系重合体を含むシェル部とで形成されたコアシェル構造を有する粒子である請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. ゴム粒子(B)の平均粒径が0.05〜1μmである請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. 紫外線吸収剤(C)が、シュウ酸アニリド類、マロン酸エステル類及びシアノアクリレート類からなる群より選択された少なくとも1種である請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物。
  9. 透明樹脂(A)とゴム粒子(B)との重量割合が、前者/後者=95/5〜80/20である請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物。
  10. 紫外線吸収剤(C)の割合が、透明樹脂(A)及びゴム粒子(B)の合計100重量部に対して0.01〜5重量部である請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂組成物。
  11. さらにリン系難燃剤(D)を含む請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂組成物。
  12. リン系難燃剤(D)が芳香族縮合リン酸エステルである請求項11記載の樹脂組成物。
  13. リン系難燃剤(D)の割合が、透明樹脂(A)及びゴム粒子(B)の合計100重量部に対して1〜30重量部である請求項11又は12記載の樹脂組成物。
  14. さらにフッ素樹脂(E)を含む請求項1〜13のいずれかに記載の樹脂組成物。
  15. さらに白色染顔料(F)を含む請求項1〜14のいずれかに記載の樹脂組成物。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の樹脂組成物で形成された成形体。
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