JP2006249157A - 光拡散性樹脂組成物およびそれを用いた光拡散性部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 芳香族ポリカーボネート樹脂本来の特性を損なうことなく、更に、白濁や透過率の低下がなく、高い光拡散性および高い光線透過率を同時に有し、且つ透過光の色相が良好で、溶融加工時の変色や、光源から発生する紫外線による変色が少ない光拡散性樹脂組成物、及びそれを用いた光拡散性部材を提供する。
【解決手段】 芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、蛍光染料を分散させた重量平均粒径0.7〜30μmの微粒子(B)0.05〜20重量部および最長吸収波長が380nm以下の紫外線吸収剤(C)0.05〜5重量部を含有して成る光拡散性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光拡散性樹脂組成物および光拡散性部材に関する。詳しくは、ポリカーボネート樹脂が本来有する優れた物性を損なうことなく、耐候性に優れ、更に、優れた光拡散性を有し、且つ全光線透過率が高く、溶融加工時の変色を抑えた、光拡散性樹脂組成物、および当該光拡散性樹脂組成物から得られる光拡散性部材に関する。
ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性、耐熱性、透明性に優れた熱可塑性樹脂として幅広い用途があり、さらに、無機ガラスに比較して軽量で、生産性にも優れているので、光拡散性を付与することにより、照明カバー、照明看板、透過型のスクリーン、各種ディスプレイ、液晶表示装置の光拡散シートなど、光拡散性の要求される用途に好適に使用できる。このポリカーボネート樹脂に光拡散性を付与するためには、ガラス、シリカ、水酸化アルミニウム等の無機化合物の添加が提案されているが、成形加工時や押出加工時の熱安定性が低く、衝撃強度など機械的強度の低下が大きいという欠点があった。このような欠点を改良した光拡散性ポリカーボネート樹脂として、例えば特許文献1には、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、該ポリカーボネート樹脂との屈折率差が0.08より大きく、かつ少なくとも部分的に架橋したポリメチルメタアクリレート微粒子0.05〜20重量部を分散添加せしめた光拡散性ポリカーボネート樹脂が提案されているが、その実施例に拠れば、ヘイズは95%以下と不十分であった。
また、このように光拡散剤としての微粒子をポリカーボネート樹脂に分散させた組成物では、光拡散性を上げるために微粒子を多量に添加すると、光線透過率が低下するので、光線透過率と光拡散性が共に高い材料が得られないという問題があった。これを解決する方法として、特許文献2は、無機蛍光体、蛍光体含有樹脂粒子または蛍光染料含有樹脂粒子からなる光拡散剤を透明性樹脂に分散させてなる光拡散性樹脂組成物を提案している。しかして特許文献2の組成物は、輝度を上げることはできるものの耐光(候)性が不十分であり、光拡散性部材としては実用性が低かった。
芳香族ポリカーボネート樹脂の耐光性を向上させる方法として、各種紫外線吸収剤を添加する方法が知られている。例えば、特許文献3には、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤5重量部〜25重量部と蛍光増白剤0.1〜10重量部を含有してなるポリカーボネート樹脂組成物が提案されているが、紫外線吸収剤及び蛍光増白剤の含有率が高いので熱加工時にガスが発生する問題があり、かつ、紫外線吸収剤の最長吸収波長が390nmと可視光に近いため色相も悪く、商品価値も低いものであった。
特許文献4には、ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、350〜400nmの紫外線領域に極大吸収波長を有しないベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物及びトリアジン系化合物から選ばれた紫外線吸収剤0.05質量部以上で2質量部未満と、蛍光増白剤0.00001〜1質量部とを含有させてなるポリカーボネート樹脂組成物が提案され、高圧水銀ランプなどの照明灯具カバー用の材料として充分な耐候性を有すると記載されている。しかし、350〜400nmに極大吸収波長を有さないベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物及びトリアジン系化合物から選ばれた紫外線吸収剤の配合では、色相が劣るポリカーボネート樹脂組成物しか得られなかった。
特許文献5は、ポリカーボネート樹脂99.7〜80重量%および平均粒径1〜30μの透明微粒子0.3〜20重量%の合計100重量部と蛍光増白剤0.0005〜0.1重量部からなる樹脂組成物をバックライト用光拡散板の材料として好適であること,また、耐候性を向上させる目的で、更に紫外線吸収剤を配合することができる旨開示している。しかし,このような組成物は、熱安定性が不十分であり、成形加工時、押出時或いはリサイクル時等に変色を生じ易かった。
このように、従来の材料は、光拡散性樹脂組成物及び光拡散性部材としては実用上不十分なものであり、高い光線透過率と、高い光拡散性、高い耐光(候)性、高いリサイクル性等を同時に有する材料が求められていた。
特開平03−143950号公報 特開平09−176366号公報 特開平07−196904号公報 特開2000−003710号公報 特開2004−029091号公報
本発明は、前記従来技術の問題点を解決し、高い光拡散性と高い全光線透過率、高い耐光性、高いリサイクル性を同時に有する光拡散性樹脂組成物、及びそれを用いた光拡散性部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、拡散微粒子と特定の紫外線吸収剤を組み合わせることにより、樹脂本来の性質を損なうことなく、高い光拡散性および高い全光線透過率、高い耐光性、高いリサイクル性を同時に満足し、且つ、透過光の色相が良好である拡散性樹脂を見いだし、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、蛍光染料を分散させた重量平均径0.7〜30μmの微粒子(B)0.05〜20重量部および最長吸収波長が380nm以下の紫外線吸収剤(C)0.05〜5重量部を含有して成る光拡散性樹脂組成物およびそれからなる光拡散性部材に存する。
本発明の光拡散性樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂本来の特性を何ら損なうことなく、更に、白濁や透過率の低下がなく、高い光拡散性および高い光線透過率を同時に有し、且つ透過光の色相が良好で、更に溶融加工時の変色が抑えられ、光源から発生する紫外線による変色も少ない。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される芳香族ポリカーボネート樹脂(A)は、芳香族ジヒドロキシ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物と、ホスゲンとの界面重合法により得られるか、または、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物と、炭酸ジエステルとのエステル交換反応により作られる、分岐していてもよい芳香族ポリカーボネート重合体である。
原料の芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン(=テトラメチルビスフェノールA)等のビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系ジヒドロキシ化合物、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン(=テトラブロムビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン(=テトラクロロビスフェノールA)等のハロゲンを含むビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系ジヒドロキシ化合物の他、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシジフェニルなどが挙げられ、好ましくはハロゲンを含んでいても良いビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系ジヒドロキシ化合物が挙げられ、特に好ましくは、ビスフェノールAが挙げられる。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は1種でも良いが、複数用いても良い。
分岐したポリカーボネートを得るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニルヘプテン−3、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、 1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチンビスフェノール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノール、5−ブロムイサチンビスフェノールなどの3価以上のポリヒドロキシ化合物を、前記ジヒドロキシ化合物の一部として使用すれば良い。ポリヒドロキシ化合物を使用する場合の使用量は、例えば、前記ジヒドロキシ化合物の0.1〜2モル%程度である。
さらに、分子量調節剤として、一価の芳香族ヒドロキシ化合物などを使用することができる。分子量調整剤としては、例えば、m−及びp−メチルフェノール、m−及びp−プロピルフェノール、p−ブロムフェノール、p−tert−ブチルフェノール及びp−長鎖アルキル置換フェノールなどが挙げられる。
本発明で使用するポリカーボネート樹脂(A)の分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、25℃で測定した溶液粘度より算定した粘度平均分子量が、16,000〜38,000であることが好ましく、より好ましくは18,000〜35,000である。本発明で使用するポリカーボネート樹脂は2種以上の混合物であってもよく,また2種以上を混合することにより、上記分子量となるものであっても良い。
本発明で使用する蛍光染料を分散させた微粒子(B)は、光拡散剤として使用される無機或いは有機の各種粒子が使用可能であって、特に限定されるものではないが、重量平均粒径が0.7〜30μmの微粒子である。また、微粒子(B)は、好ましくはポリカーボネート樹脂との屈折率差(Δn)が0.01以上、かつ、ポリカーボネート樹脂(A)と非相溶性の粒子である。また,蛍光染料の分散処理が容易な粒子が好ましい。このような粒子としては、アクリル系樹脂粒子が好ましく、耐溶剤性、耐熱性を考慮すると、特に架橋構造を有するアクリル系樹脂粒子が好ましい。
なお、微粒子(B)の重量平均粒径の測定は、例えば、コールター法(Coulter Multisizer)により行う。粒子径が0.7μm未満の微粒子(B)を配合すると、得られた樹脂組成物の光拡散性が劣り、光源が透けて見えたり、視認性に劣ったりする。逆に、粒子径が30μmを越える微粒子は、添加量に対する拡散効果が低い。微粒子(B)の重量平均粒径としては、好ましくは1〜20μm、より好ましくは2〜10μmの範囲である。
また、屈折率とは、温度25℃における、d線(587.562nm,He)の光に対する値で、実際の測定は、ポリカーボネートの屈折率(npc)は、Vブロック法(カルニュー光学製、形式KPR)により、光拡散微粒子の屈折率(nld)は、ベッケ法(標準溶液と比較する方法)により行う。本発明において好ましく使用されるビスフェノールAを原料とするポリカーボネート樹脂の屈折率は約1.58であるので、これとの差が0.01以上の粒子を選ぶことが好ましい。また、屈折率差が、0.01以上であっても、光拡散性が不十分で、光源が透けて見えて、視認性に劣ることがあるので、より好ましい屈折率差は0.05以上、更に好ましくは0.07以上である。
本発明の微粒子に分散させる蛍光染料としては、白色系もしくは青色系の蛍光染料が好ましく用いられる。具体的には、蛍光増白剤、有機EL用として公知の白色有機発光体や青色有機発光体が挙げられる。蛍光増白剤は、成形品を明るく見せるため、成形品に配合される白色系もしくは青色系の蛍光染料であり、成形品の黄色味を消し、明るさを強める機能がある。成形品の黄色味を消すという点では、機能がブルーイング剤と類似しているが、ブルーイング剤は単に成形品の黄色光を除去するのに対して、蛍光増白剤は波長400nm未満の紫外線を吸収し、そのエネルギーを波長400nm以上の可視光線、特に青紫色の光線に変えて放射する点で異なっている。本発明に使用される蛍光増白剤としては、熱可塑性樹脂用として公知の蛍光増白剤が使用可能であるが、中でも耐熱性の観点から高分子量のものが好ましく、例えば、スチルベンベンゾオキサゾール系、フェニルアリルトリアゾリルクマリン系の蛍光増白剤が好ましい。また有機EL用の白色有機発光体や青色有機発光体としては、例えば、ジスチリルビフェニル系青色蛍光発光材、アリールエチニルベンゼン系青色蛍光発光材、キンキピリジン系蛍光発光材、セキシフェニル系青色蛍光発光材、ジメシチルボリルアントラセン系蛍光発光材、キナクリドン系蛍光発光材等が挙げられる。
微粒子(B)に分散させる蛍光染料の量は、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物中の蛍光染料の濃度が0.00001〜1重量%の範囲となる量であることが好ましい。本発明組成物中の蛍光染料の含有率が0.00001重量%未満では、成形品の黄色味を消し、明るさを強めるという機能、および紫外線を吸収し可視部の青紫色に放射する機能が十分に発揮されず、一方、含有率が0.1重量%を超えてもそれ以上の添加効果は見られない。上述の蛍光染料の含有率と、本発明組成物中に配合させる微粒子(B)の量を勘案して、微粒子に分散させる蛍光染料の量が決定される。
蛍光染料を微粒子に分散させる方法は特に限定されるものではなく、公知の種々の方法を採用できる。例えば微粒子として、アクリル系樹脂粒子を用いる場合は、蛍光染料を添加したモノマー組成物を溶媒中に分散、若しくは乳化させ、重合(懸濁重合、乳化重合、シード重合等)する方法、或いは溶液中に蛍光染料を添加したモノマー組成物を溶解させ、重合によってポリマーを析出させる分散重合法などの方法により容易に蛍光染料を分散した微粒子(B)を得ることができる。
アクリル系樹脂微粒子(B)の材料としては、(メタ)アクリル酸エステル系単量体として、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−ブチル等のメタクリル酸エステル類等が挙げられ、中でもエステル部分の炭素数が1〜8のアクリル酸エステル類が好ましい。これらの単量体はそれぞれ単独で、または2種類以上を組み合わせて用いてもよく、アクリル酸エステル類が全単量体中に50〜95%の割合で含有されているのが好ましい。また、単量体には、(メタ)アクリル酸エステル系単量体と共重合可能な単量体を加えてもよく、そのような単量体としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、酢酸ビニル等のビニル基を有する単量体が挙げられる。
アクリル系樹脂微粒子は架橋されていることが好ましい。架橋するために加えられる架橋性単量体は、特に限定されず、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンのように1分子内に2つ以上のビニル基を有する単量体を挙げることができる。これらの架橋性単量体は単独で、または2種類以上を組み合わせて用いてもよく、その使用割合は、全単量体に対して5〜50重量%程度が好ましい。
本発明組成物中の蛍光染料を分散させた微粒子(B)の量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、0.05〜20重量部である。微粒子(B)の量が少なすぎると、光拡散性が不足し、一方、多すぎると光線透過率が低下し、何れも好ましくない。微粒子(B)の量は好ましくは0.5〜10重量部である。
本発明に使用される紫外線吸収剤(C)は、最長吸収波長が380nm以下の紫外線吸収剤である。具体的には、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、オギザニリド系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤などが挙げられる。中でもマロン酸エステル系紫外線吸収剤が好ましく用いられる。マロン酸エステル系紫外線吸収剤としては、2−(1−アリールアルキリデン)マロン酸エステル類が挙げられ、これはクラリアントジャパン(株)から、PR−25、B−CAPの商品名で市販されている。また、同様の特性を有する紫外線吸収剤としてはシアノアクリレート系紫外線吸収剤が挙げられ、これはBASF社からUvinul3030、3035の商品名で市販されている。該紫外線吸収剤の使用量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、0.05〜5重量部であり、好ましくは、0.1〜3重量部である。
本発明組成物は、最長吸収波長が380nm以下の紫外線吸収剤(C)を配合することにより、波長380nm〜400nmの光線透過率が高く、得られる光拡散性樹脂組成物、並びに光拡散性部材の紫外線による変色を抑制し、且つ色相も良好となる。
本発明組成物は、上記(A)〜(C)を必須成分として含有するが、更に、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の光線透過率と色相の向上のため、リン系熱安定剤を配合するのが好ましい。リン系熱安定剤としては、亜リン酸エステル、リン酸エステル等が好ましい。亜リン酸エステル熱安定剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、モノブチルジフエニルホスファイト、モノオクチルジフエニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2.6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等の亜リン酸のトリエステル、ジエステル、モノエステル等が挙げられる。
リン酸エステル熱安定剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス(ノニルフェニル)ホスフェート、2−エチルフェニルジフェニルホスフェート、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4−ジフエニレンホスフォナイト等が挙げられる。
これらのリン系熱安定剤の中では、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2.6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが好ましく、中でもビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイトやトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトが特に好ましい。なお、リン系熱安定剤は、単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明組成物中のリン系熱安定剤の量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、通常0.005〜0.2重量部、好ましくは0.01〜0.1重量部である。リン系熱安定剤の量が0.005重量部未満では、熱安定剤としての効果が小さく、0.2重量部を超えてもそれ以上の添加効果は見られず、むしろ加水分解が発生し易くなる。
本発明の光拡散性樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で更に、種々の添加剤を配合することができる。例えば、酸化防止剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤、熱安定剤、流動性改良剤、難燃剤、凝集防止剤等を添加してもよい。中でも、酸化防止剤、熱安定剤、難燃剤から少なくとも一種を使用するのが良い。
本発明に関わる光拡散性樹脂組成物の製法は特に限定されるものではなく、上記(A)〜(C)成分および、必要に応じて添加される熱安定剤その他の添加剤の所定量を混合し、好ましくは更に混練することにより製造される。混合及び混練は、通常の熱可塑性樹脂に適用される方法が採用され、例えばリボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ドラムタンブラー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリユー押出機、多軸スクリュー押出機等により行うことができる。混練の温度条件は通常、260〜300℃が適当である。
本発明の光拡散性樹脂組成物を用いた成形は、一般的な熱可塑性樹脂の成形方法が用いることができるが、例えば生産性の点からペレット状樹脂組成物からの射出成形、射出圧縮成形、押出成形が可能で、さらに押出成形されたシート状成形品からの真空成形、圧空成形等を行い、目的の光拡散性部材とすることもできる。
本発明の光拡散性部材としては、照明カバー、照明看板、透過形のスクリーン、各種ディスプレイ、液晶表示装置の光拡散シートや光拡散板が挙げられ、中でも液晶表示装置に用いる光拡散シートや光拡散板として好適であり、特に、大型液晶テレビ用拡散板として、好適に用いることができる。
また、本発明の光拡散性部材には、光拡散性を上げるために、公知の方法でエンボス加工、V溝加工、畝状加工等の表面に凹凸加工を施しても良い。これらの加工を施すことにより、光拡散性を保持したまま、光拡散微粒子の添加量を減らすことができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の例で使用した原料を表1に示す。
Figure 2006249157
また、以下の例で得られた樹脂組成物の物性測定および評価方法は次のとおりである。(1)粘度平均分子量:
ウベローデ粘度計を用い、塩化メチレンを溶媒として、20℃の極限粘度[η]を測定し、以下の式より求めた。
[η]=1.23×10−4×(Mv)0.83
(2)初期色相(YI):
実施例または比較例で得られた試験片を用い、分光式色彩計(日本電色工業社製「SE−2000型」)により初期YIを測定した。
(3)滞留成形後の色相(YI):
リサイクルによる熱安定性を考慮し、シリンダー内の滞留時間を長くして成形サイクルを600secに延長する滞留成形を行なう以外は実施例または比較例と同様にして試験片を成形し、YIを測定した。
(4)UV照射後の色相(YI):
スガ試験機社製Super Xenon Weather Meterを用い、試験片に、照射強度は156W/mで紫外線を600時間照射後、(2)と同様にYIを測定した。
(5)全光線透過率およびヘイズ:
濁度計(日本電色工業社製「NDH−2000型」)を使用して試験片の全光線透過率およびヘイズを測定した。
(6)拡散率:
MURAKAMI COLOR RESEARCH LABORATORY社製のGP−5 GONIOPHOTOMETERを使用し、以下の条件で試験片の輝度を測定し、下式により拡散率(%)を求めた。
測定条件;入射光0°、あおり角0°、受光範囲0°〜90°、光束絞り2.0、受光絞り3.0。
拡散率(%)={(20°の輝度値+70°の輝度値)/(5°の輝度値×2)}×100
(7)アイゾット衝撃強度:ASTM D256に準じて、実施例または比較例の組成物から成形した3.2mm厚、ノッチ付きの試験片を用い、東洋精機製作所社製測定装置を使用して測定した。
[実施例1〜3及び比較例1〜5]
表2および表3に示す割合で各原料をブレンドした後、スクリュー径40mmのベント付単軸押出機(田辺プラスチックス機械社製「VS−40」)により、シリンダー温度250℃で溶融混練し、ストランドカットしてペレットを得た。得られたペレットを120℃で5〜7時間、熱風循環式乾燥機により乾燥した。
乾燥後のペレットを用い、射出成形機(日本製鋼所社製「J50」)により、300℃の温度、成形サイクル40secで90mm×50mm×2mm厚のプレートを成形した。このプレートを試験片とし、評価を行ない、その結果を表2及び表3に示した。
Figure 2006249157
Figure 2006249157
表2および表3から明らかな様に、芳香族ポリカーボネート樹脂に蛍光増白剤を分散させたアクリル系微粒子−2と最長吸収波長が380nm以下の紫外線吸収剤を配合した実施例1および2の組成物から得られたプレートは、ヘイズが99.3%と高く、全光線透過率、ヘイズ、拡散率に優れ、色相は滞留成形後も殆ど変わらず、紫外線照射後も僅かに劣化するのみである。実施例1の組成に更にリン系安定剤および酸化防止剤を添加した実施例3の組成物は初期色相、滞留成形後および紫外線照射後の色相が何れも実施例1より向上している。
一方、芳香族ポリカーボネートに蛍光増白剤を分散させたアクリル系微粒子を配合した比較例1の組成物は、ポリカーボネート樹脂にアクリル系微粒子のみを分散させた比較例2の組成物に比し、初期色相、滞留成形後の色相に優れ、実施例1と略同等であるが、紫外線照射後の色相は、大幅に低下する。ポリカーボネート樹脂に、蛍光増白剤、紫外線吸収剤を配合した比較例3の組成物から得られたプレートは、構成成分が略同じ実施例1に比し、滞留成形後および紫外線照射後の色相の劣化が大きい。最長吸収波長が380nmを超える紫外線吸収剤を配合した比較例4,5の組成物から得られたプレートも初期色相が悪く、紫外線照射後の色相の劣化も大きい。
本発明により得られる光拡散性樹脂組成物は、照明カバー、照明看板、透過形のスクリーン、各種ディスプレイ、液晶表示装置の光拡散シートや光拡散板など、光拡散性の必要な用途に幅広く使用できる。

Claims (7)

  1. 芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、蛍光染料を分散させた重量平均粒径0.7〜30μmの微粒子(B)0.05〜20重量部および最長吸収波長が380nm以下の紫外線吸収剤(C)0.05〜5重量部を含有してなる光拡散性樹脂組成物。
  2. 微粒子(B)が、ポリカーボネート樹脂との屈折率差(Δn)が0.01以上で、かつポリカーボネート樹脂と非相溶性の樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の光拡散性樹脂組成物。
  3. 微粒子(B)が、アクリル系架橋重合体微粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の光拡散性樹脂組成物。
  4. 微粒子(B)に分散させた蛍光染料が、スチルベンベンゾオキサゾール系、フェニルアリルトリアゾリルクマリン系の蛍光増白剤から選ばれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光拡散性樹脂組成物。
  5. 紫外線吸収剤(C)が、マロン酸エステル系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散性樹脂組成物。
  6. 紫外線吸収剤(C)が、シアノアクリレート系紫外線吸収剤である請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の光拡散性樹脂組成物を用いた光拡散性部材。

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