JP2007105596A - 活性汚泥の流出を防止する方法 - Google Patents

活性汚泥の流出を防止する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】活性汚泥を保持する曝気槽に排液を導入して生物処理する活性汚泥法において、混合液を沈殿槽に導いて沈殿分離し、分離汚泥の一部を曝気槽に返送する排液処理方法において、活性汚泥微生物への影響が少なく、また確実に活性汚泥の沈降を促進し、活性汚泥の流出を防止する方法を提供することである。
【解決手段】活性汚泥を保持する曝気槽に排液を導入して生物処理する活性汚泥法において、混合液を沈殿槽に導いて沈殿分離し、分離汚泥の一部を曝気槽に返送する排液処理方法において、曝気槽から沈殿槽に至る系路に沈降剤として塩水中分散液からなる両性水溶性高分子あるいは油中水型両性水溶性高分子エマルジョンを添加することにより活性汚泥の流出を防止することができる。

Description

本発明は活性汚泥の流出防止方法に関する。さらに詳しくは活性汚泥を保持する曝気槽に排液を導入して生物処理する活性汚泥法において、混合液を沈殿槽に導いて沈殿分離し、分離汚泥の一部を曝気槽に返送する排液処理方法において、曝気槽から沈殿槽に至る系路に沈降剤として塩水溶液中分散液からなる両性水溶性高分子あるいは前記油中水型エマルジョンからなる両性水溶性高分子を添加する活性汚泥の流出を防止する方法に関する。
活性汚泥の混合液を沈降槽に送り沈殿分離する場合、沈降不良を起こす場合がある。原因は種々考えられるが、排水の変動によるBOD負荷の増加などにより活性汚泥がバルキングあるいはバルキングに近い状態を起こしている。このような状況の際、従来バルキング防止剤を添加していたが、添加量の調節が難しく、添加量が不足すると効果が全く認められず、過剰に添加すると活性汚泥微生物を死滅あるいは活性度の低下を起こす。これを改良するためバルキング防止剤とカチオン性凝集剤との混合物を適用する方法が試みられている(特許文献1)。一方、バルキング防止よりも汚泥の沈降を中心に対応する方法も試みられている。すなわちカチオン性の水溶性高分子を活性汚泥バッキ槽から沈殿槽間に添加し沈降を促進させ、活性汚泥の流出を防止する方法である(特許文献2)。この場合はカチオン性の水溶性高分子を適用しているので、汚泥微生物への悪影響が予想される。
特開平6−71286号公報 特開2001−276873号公報
本発明の活性汚泥の流出防止方法は、活性汚泥を保持する曝気槽に排液を導入して生物処理する活性汚泥法において、混合液を沈殿槽に導いて沈殿分離し、分離汚泥の一部を曝気槽に返送する排液処理方法において、曝気槽から沈殿槽に至る系路に沈降剤として塩水中分散液からなる両性水溶性高分子を添加することからなる。前記両性水溶性高分子は、特定のカチオン性単量体5〜90モル%、特定のアニオン性単量体5〜50モル%、特定の非イオン性水溶性単量体0〜90モル%からなる単量体組成からなる塩水溶液中分散液あるいは油中水型高分子エマルジョンである。すなわち活性汚泥法は一般的にpH5〜8の範囲で処理されるる。一方、両性水溶性高分子はこの範囲で分子間あるいは分子内イオンコンプレックスを形成するため、このイオンコンプレックスが汚泥に作用するため優れた凝集作用を示す。またイオンコンプレックスのため直接カチオン性基が汚泥微生物に作用しないことにより悪影響が少ないなどカチオン性水溶性高分子に較べ長所を有する。
本発明の目的は、活性汚泥を保持する曝気槽に排液を導入して生物処理する活性汚泥法において、混合液を沈殿槽に導いて沈殿分離し、分離汚泥の一部を曝気槽に返送する排液処理方法において、活性汚泥微生物への影響が少なく、また確実に活性汚泥の沈降を促進する方法を提供することである。
課題を解決する為の手段
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、以下のような発明に到達した。すなわち請求項1の発明は、活性汚泥を保持する曝気槽に排液を導入して生物処理する活性汚泥法において、混合液を沈殿槽に導いて沈殿分離し、分離汚泥の一部を曝気槽に返送する排液処理方法において、曝気槽から沈殿槽に至る系路に沈降剤として塩水溶液中分散液からなる両性水溶性高分子あるいは油中水型エマルジョンからなる両性水溶性高分子を添加することを特徴とする活性汚泥の流出を防止する方法である。
請求項2の発明は、前記塩水中分散液からなる両性水溶性高分子が、該塩水溶液中に溶解可能な高分子からなる分散剤を共存させ、塩水溶液中において下記一般式(1)及び/又は(2)で表わされる単量体5〜90モル%、下記一般式(3)で表わされる単量体5〜50モル%、非イオン性水溶性単量体0〜90モル%からなる単量体混合物を攪拌下、分散重合し製造されたものであることを特徴とする請求項1に記載の活性汚泥の流出を防止する方法である。
Figure 2007105596
一般式(1)
R1は水素又はメチル基、R2、R3は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、R4は水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基、X1は陰イオンをそれぞれ表わす。
Figure 2007105596
一般式(2)
R5は水素又はメチル基、R6、R7は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X2は陰イオンをそれぞれ表わす。
Figure 2007105596
一般式(3)
R8は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、QはSO3、C6H4SO3、CONHC(CH3)2CH2SO3、C6H4COOあるいはCOO、R9は水素またはCOOY2、Y1あるいはY2は水素または陽イオンをそれぞれ表わす。
請求項3の発明は、前記油中水型エマルジョンからなる両性水溶性高分子が、下記一般式(1)及び/又は(2)で表わされる単量体5〜90モル%、下記一般式(3)で表わされる単量体5〜50モル%、非イオン性水溶性単量体0〜90モル%からなる単量体混合物を水、少なくとも一種の水と非混和性の炭化水素からなる油状物質、油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する少なくとも一種類の界面活性剤を混合し、強攪拌し油中水型エマルジョンを形成させた後、重合し製造されたものであることを特徴とする請求項1に記載の活性汚泥の流出を防止する方法。
Figure 2007105596
一般式(1)
R1は水素又はメチル基、R2、R3は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、R4は水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基、X1は陰イオンをそれぞれ表わす。
Figure 2007105596
一般式(2)
R5は水素又はメチル基、R6、R7は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X2は陰イオンをそれぞれ表わす。

Figure 2007105596
一般式(3)
R8は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、QはSO3、C6H4SO3、CONHC(CH3)2CH2SO3、C6H4COOあるいはCOO、R9は水素またはCOOY2、Y1あるいはY2は水素または陽イオンをそれぞれ表わす。
請求項4の発明は、前記一般式(1)及び/又は(2)で表わされるカチオン性水溶性単量体をaモル%、前記一般式(3)で表わされるアニオン性水溶性単量体をbモル%とする時、aとbが10≧a/b≧0.7の条件を満たす範囲にあることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の活性汚泥の流出を防止する方法である。
本発明で使用する塩水中分散液からなる両性水溶性高分子は、以下の操作によって製造することができる。すなわち塩水溶液中に分散した高分子微粒子分散液からなる水溶性重合体は、特開昭62−15251号公報などによって製造することができる。この方法は、カチオン性単量体あるいはカチオン性単量体と非イオン性単量体を、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶なイオン性高分子からなる分散剤共存下で、攪拌しながら製造された粒系100mμ以下の高分子微粒子の分散液からなるもである。イオン性高分子からなる分散剤は、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物の単独重合体や非イオン性単量体との共重合体を使用する。塩水溶液を構成する無機塩類は、多価アニオン塩類が、より好ましく、硫酸塩又は燐酸塩が適当であり、具体的には、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、燐酸水素アンモニウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム等を例示することができ、これらの塩を濃度15%以上の水溶液として用いることが好ましい。
一方、油中水型両性水溶性高分子エマルジョンの製造方法としては、カチオン性単量体、あるいはカチオン性単量体と共重合可能な単量体からなる単量体混合物を水、少なくとも水と非混和性の炭化水素からなる油状物質、油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する少なくとも一種類の界面活性剤を混合し、強攪拌し油中水型エマルジョンを形成させた後、重合することにより合成する。
分散媒として使用する炭化水素からなる油状物質の例としては、パラフィン類あるいは灯油、軽油、中油などの鉱油、あるいはこれらと実質的に同じ範囲の沸点や粘度などの特性を有する炭化水素系合成油、あるいはこれらの混合物があげられる。
油中水型両性水溶性高分子エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する少なくとも一種類の界面活性剤の例としては、HLB3〜11のノニオン性界面活性剤であり、その具体例としては、ソルビタンモノオレ−ト、ソルビタンモノステアレ−ト、ソルビタンモノパルミテ−トなどがあげられる。これら界面活性剤の添加量としては、油中水型エマルジョン全量に対して0.5〜10重量%であり、好ましくは1〜5重量%である。
重合後は、転相剤として用いられる親水性界面化成剤を添加して油の膜で被われたエマルジョン粒子が水になじみ易くし、中の水溶性高分子が溶解しやすくする処理を行い、水で希釈しそれぞれの用途に用いる。親水性界面化成剤の例としては、カチオン性界面化成剤やHLB9〜15のノニオン性界面化成剤であり、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル系、ポリオキシエチレンアルコールエ−テル系などである。
重合濃度は、20〜50重量%であり、好ましくは25〜40重量%であり、塩水溶液中分散重合なら15〜35重量%、好ましくは20〜30重量%である。重合温度としては、0〜80℃であり、好ましくは20〜50℃、最も好ましくは20〜40℃であり、単量体の組成、重合法、開始剤の選択によって適宜重合温度を設定する。
塩水中分散液からなる両性水溶性高分子あるいは油中水型エマルジョンからなる両性水溶性高分子製造をする場合に使用する単量体は以下の通りである。カチオン性単量体の例としては、一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルやジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、メチルジアリルアミンなどの重合体や共重合体が上げられ、四級アンモニウム基含重合体の例は、前記三級アミノ含有単量体の塩化メチルや塩化ベンジルによる四級化物である(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物などである。また、一般式(2)で表されるジメチルジアリルアンモニウム系単量も使用可能であり、その例としてジメチルジアリルアンモニウム塩化物、ジアリルメチルベンジルアンモニウム塩化物などである。
アニオン性単量体の例としては、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸あるいは2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸あるいはp−カルボキシスチレンなどである。
非イオン性単量体の例としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドアクリロイルモルホリン、アクリロイルピペラジンなどがあげられる。
各単量体のモル比は、通常カチオン性水溶性単量体5〜90モル%、アニオン性水溶性単量体5〜50モル%、非イオン性水溶性単量体0〜90モル%であるが、カチオン性水溶性単量体およびアニオン性水溶性単量体のモル%をそれぞれaおよびbとする時、10≧a/b≧0.7の範囲にあることが特に好ましい。
重合開始は、ラジカル重合開始剤を用いる。油中水型両性水溶性高分子エマルジョン製造の場合は、開始剤は油溶性あるいは水溶性のどちらでも良いが、塩水中分散液からなる両性水溶性高分子製造は、水溶性開始剤が好ましい。これら開始剤はアゾ系,過酸化物系、レドックス系いずれでも重合することが可能である。油溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、1、1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、4、4−アゾビス(4−メトキシ−2、4ジメチル)バレロニトリルなどがあげられ、水混溶性溶剤に溶解し添加する。水溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物、4、4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などがあげられる。またレドックス系の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどとの組み合わせがあげられる。過酸化物の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウムあるいはカリウム、過酸化水素、ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイドなどをあげることができる。
両性水溶性の分子量は100万〜1000万であるが、好ましくは100万〜500万である。100万未満では、沈降性能が悪く、1000万より高いと巨大フロックになり過ぎ細かな粒子を取りこぼすことがあり好ましくない。
本発明の活性汚泥の流出防止方法は、活性汚泥を保持する曝気槽に排液を導入して生物処理する活性汚泥法において、混合液を沈殿槽に導いて沈殿分離し、分離汚泥の一部を曝気槽に返送する排液処理方法において、曝気槽から沈殿槽に至る系路に沈降剤として塩水中分散液からなる両性水溶性高分子あるいは油中水型エマルジョンからなる両性水溶性高分子を添加することからなる。本発明で使用する両性水溶性高分子が効率良く汚泥を沈降させることができるのは以下のようであると考えられる。すなわち活性汚泥法は一般的にpH5〜8の範囲で処理されるる。一方、両性水溶性高分子はこの範囲で分子間あるいは分子内イオンコンプレックスを形成するため、このイオンコンプレックスが汚泥に作用するため優れた凝集作用を示す。またイオンコンプレックスのため直接カチオン性基が汚泥微生物に作用しないことにより悪影響が少ないなどカチオン性水溶性高分子に較べ長所を有する。また特に塩水中分散液からなる両性水溶性高分子は、水に溶解した溶液の粘性が粉末品などに較べ低く汚泥分散液に分散しやすく、汚泥の沈降性が悪化した場合、対処が迅速にできるなどメリットが大きい。油中水型両性水溶性高分子エマルジョンも粉末に較べ溶解が早く使い勝手が優れている。
本発明で使用する水溶性カチオンポリマーは水で任意の割合で容易に希釈または溶解され、かつ添加後すぐに効果を発揮するので、排液処理における被処理液の急激な増加や汚泥沈降不良などに対して迅速に対応することができ、処理水への活性汚泥の流出を迅速に防止することができる。また形成されるフロックは緻密で沈降性および圧密性に優れているので、固液分離を容易に行うことができ、このため処理水への活性汚泥の流出を簡単な操作で効率よく防止することができる。さらに少量の薬剤添加量で優れた沈降性改善効果を発揮するので、薬剤の使用量を少なくして低コストで処理することができる。
水溶性カチオンポリマーの添加位置は曝気槽から沈殿槽に至る系路であれば特に限定されず、例えば曝気槽、曝気槽から沈殿槽までの間の連絡路あるいは沈殿槽のセンターコア部などでそれぞれ添加することができる。また曝気槽から沈殿槽までの間に凝集槽を設けて添加することができる。曝気槽に添加する場合は曝気により撹拌されるので特別な撹拌を行う必要はなく、また曝気槽から沈殿槽までの間の連絡路に添加する場合も水が移送される際の撹拌で十分であるので特別な撹拌は必要ない。
水溶性カチオンポリマーの添加は連続的に行うこともできるし、間欠的に行うこともできる。また、活性汚泥の沈降性が悪化した場合、または悪化が予想される場合に添加することができる。
水溶性カチオンポリマーは、分散液またはエマルションの状態で添加することもできるし、水で希釈して添加することもできるし、水に溶解して添加することもできる。本発明で使用する塩水中分散液からなる両性水溶性高分子あるいは油中水型両性水溶性高分子エマルジョンは、水に溶解した溶液状態で添加すると直ちに汚泥と反応するため、新たに撹拌装置などを設けることなく、そのまま液の流動する系路に添加しても十分な沈降促進効果が得られるので好ましい。すなわち特に塩水中分散液からなる両性水溶性高分子は、溶解時の見かけ水溶液粘度が低いので汚泥への分散が良好であり、粉末形態の製品に較べ比較的高い濃度で添加が可能である。
添加時の水溶液濃度は、塩水溶液中分散液からなる両性水溶性高分子は0.05〜1.0質量%、好ましくは0.1〜0.5質量%である。油中水型両性水溶性高分子エマルジョンは0.05〜0.5質量%、好ましくは0.1〜0.3質量%である。添加量は、被処理液のSS濃度などにより異なるが、被処理液に対して通常1〜50mg/L、好ましくは2〜20mg/Lとするのが望ましい。
(実施例)以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
(塩水溶液中分散両性水溶性高分子試料―1の調製)撹拌器、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた五つ口セパラブルフラスコに、イオン交換水204.4g、分散剤としてアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物単独重合物(20%水溶液、分子量120万)、30g(対単量体6.0%)、硫酸アンモニウム125.0g、アクリルアミド50%水溶液19.2g、60%水溶液アクリル酸16.3g、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、80%水溶液98.4g及びメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物を各々仕込み完全に溶解させた。また、重合度調節剤としてイソプロピルアルコール0.2gを加えた。内温を33〜35℃に保ち、30分間窒素置換後、開始剤として2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物の1%水溶液4.0g(対単量体0.1%)を加え重合を開始させた。開始2.5時間後、反応物はやや粘度の上昇が観測され、25分間その状態が継続したが、その後すぐに収まり分散液に移行した。開始8時間後、前記開始剤溶液を1.0g追加しさらに8時間重合を行った。得られた分散液のしこみ単量体濃度は20%であり、ポリマー粒径は10μm以下、分散液の粘度はB型粘度計により25℃において測定した結果620mPa・sであった。また、静的光散乱法による分子量測定器(大塚電子製DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。この試料を試料−1とする。結果を表1に示す。また同様の操作により試料ー2および試料―4を合成した。組成を表1、結果を表2に示す。
(油中水型両性水溶性高分子エマルジョン試料−5の調製)イオン交換水150.2g、60%水溶液アクリル酸28.5gを仕込み、この中にアクリルアミド50%水溶液33.6g、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、80%水溶液172.2g、イソプロピルアルコール0.35gを各々仕込み完全に溶解させた。別に沸点190°Cないし230°Cのイソパラフィン126.0gにソルビタンモノオレート15.0gを加え溶解させ、前記単量体溶液を混合し、ホモジナイザーにて3000rpmで10分間乳化した。生成したエマルジョンを攪拌機および温度制御装置を備えた反応槽に仕込み、内温を33〜35に保ち、窒素置換を30分間行った。その後、4、4−アゾビス(4−メトキシ−2、4ジメチル)バレロニトリルをジオキサンに溶解した5%溶液を1.8g(対単量体0.05%)を加え重合を開始した。開始5時間後、前記開始剤溶液を0.9g追加し更に5時間重合を継続した。これを試作−8とする。B型粘度計により25℃において粘度を測定し、静的光散乱法による分子量測定器(大塚電子製DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。同様の操作により試料ー6〜試料―8を合成した。組成を表1、結果を表2に示す。



(表1)
Figure 2007105596
DMQ:アクロルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、
AAC:アクリル酸、AAM:アクリルアミド、製品粘度:mPa・s













(表2)
Figure 2007105596
沈殿槽において沈降性が悪く流出トラブルが発生している活性汚泥、MLSS濃度2300mg/L、SVIが170(mL/g)を曝気槽から1000mLメスシリンダーに1000mL採取し、表1の試料1〜試料8を対活性汚泥分散液5mg/L添加後転倒攪拌5回を行い静置し、対活性汚泥分散液の沈降性を比較するため5分後の沈降界面容積を測定した。その結果を表3に示す。
(比較試験)比較試験として実施例1と同様の操作により表1の比較1〜比較3を対活性汚泥分散液5mg/L添加し、対活性汚泥分散液の沈降性を比較するため5分後の沈降界面容積を測定した。その結果を表3に示す。



(表3)
Figure 2007105596
添加量;対汚泥分散液(mg/L)、沈降界面容積(mL)
本発明の活性汚泥の流出防止方法は、活性汚泥を保持する曝気槽に排液を導入して生物処理する活性汚泥法において、混合液を沈殿槽に導いて沈殿分離し、分離汚泥の一部を曝気槽に返送する排液処理方法において、曝気槽から沈殿槽に至る系路に沈降剤として塩水溶液中分散液あるいは油中水型エマルジョンからなる両性水溶性高分子を添加する。活性汚泥法は一般的にpH5〜8の範囲で処理される。一方、両性水溶性高分子はこの範囲で分子間あるいは分子内イオンコンプレックスを形成し汚泥に作用するため優れた凝集作用を示す。またイオンコンプレックスのため直接カチオン性基が汚泥微生物に作用しないことにより悪影響が少ないなどカチオン性水溶性高分子に較べ長所を有し、水処理分野において種々の適用が可能である。

Claims (4)

  1. 活性汚泥を保持する曝気槽に排液を導入して生物処理する活性汚泥法において、混合液を沈殿槽に導いて沈殿分離し、分離汚泥の一部を曝気槽に返送する排液処理方法において、曝気槽から沈殿槽に至る系路に沈降剤として塩水溶液中分散液からなる両性水溶性高分子あるいは油中水型エマルジョンからなる両性水溶性高分子を添加することを特徴とする活性汚泥の流出を防止する方法。
  2. 前記塩水中分散液からなる両性水溶性高分子が、塩水溶液中に溶解可能な高分子からなる分散剤を共存させ、該塩水溶液中において下記一般式(1)及び/又は(2)で表わされる単量体5〜100モル%、下記一般式(3)で表わされる単量体5〜50モル%、非イオン性水溶性単量体0〜90モル%からなる単量体混合物を攪拌下、分散重合し製造されたものであることを特徴とする請求項1に記載の活性汚泥の流出を防止する方法。
    Figure 2007105596
    一般式(1)
    R1は水素又はメチル基、R2、R3は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、R4は水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基、X1は陰イオンをそれぞれ表わす。



    Figure 2007105596
    一般式(2)
    Figure 2007105596
    R5は水素又はメチル基、R6、R7は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X2は陰イオンをそれぞれ表わす。
    一般式(3)
    R8は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、QはSO3、C6H4SO3、CONHC(CH3)2CH2SO3、C6H4COOあるいはCOO、R9は水素またはCOOY2、Y1あるいはY2は水素または陽イオン。
  3. 前記油中水型エマルジョンからなる両性水溶性高分子が、下記一般式(1)及び/又は(2)で表わされる単量体5〜90モル%、下記一般式(3)で表わされる単量体5〜50モル%、非イオン性水溶性単量体0〜90モル%からなる単量体混合物を水、少なくとも一種類の水と非混和性の炭化水素からなる油状物質、油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する少なくとも一種類の界面活性剤を混合し、強攪拌し油中水型エマルジョンを形成させた後、重合し製造されたものであることを特徴とする請求項1に記載の活性汚泥の流出を防止する方法。
    Figure 2007105596
    一般式(1)
    R1は水素又はメチル基、R2、R3は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、R4は水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基、X1は陰イオンをそれぞれ表わす。
    Figure 2007105596
    一般式(2)
    R5は水素又はメチル基、R6、R7は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X2は陰イオンをそれぞれ表わす。
    Figure 2007105596
    一般式(3)
    R8は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、QはSO3、C6H4SO3、CONHC(CH3)2CH2SO3、C6H4COOあるいはCOO、R9は水素またはCOOY2、Y1あるいはY2は水素または陽イオンをそれぞれ表わす。
  4. 前記一般式(1)及び/又は(2)で表わされるカチオン性水溶性単量体をaモル%、前記一般式(3)で表わされるアニオン性水溶性単量体をbモル%とする時、aとbが10≧a/b≧0.7の条件を満たす範囲にあることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の活性汚泥の流出を防止する方法。



















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