JP2007103616A - ダイシングシート用基体フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体等をダイシング加工する際に使用するダイシングシートにおいて、より優れた帯電防止性と使用済み該シートのラック回収性とに優れたダイシングシート用基体フィルムを提供する。
【解決手段】前記ダイシングシート用基体フィルムは、アクリル酸エステル成分が60〜80重量%であり、メタクリル酸エステル成分が20〜40重量%であるアクリル系樹脂を含むA層と酸変性水添スチレン系熱可塑性エラストマーを含むB層及び熱可塑性エチレン系樹脂を含むC層の3層から構成され、それぞれの層に帯電防止剤を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体ウエハ等をチップ状にダイシングする工程で使用されるダイシングシートに用いられる基体フィルムに関する。
予め大面積でつくられた半導体ウエハは、チップ状に切断(ダイシングという)される。このダイシング工程では、該半導体ウエハを固定する必要がある。この固定のためにダイシングシートが使用される。
このダイシングシートに静電気が帯電してしまうと、周辺にある粉塵やダイシングの際に発生する切削粉等を吸着して半導体ウエハ自身が汚染されてしまう、また、帯電した静電気によりウエハに形成したIC(集積回路)が破壊されてしまうという問題があった。
かかる問題を解決する手段として、界面活性剤を含有した帯電防止剤を基材シートと粘着剤層の間、又は基材シートとオーバーコート剤層の間に成層した半導体ウエハ固定用シートが報告されている(例えば、特許文献1)。
さらに、帯電防止剤層の耐水性向上のために、基材シートと粘着剤の間および/または該基材シートの該粘着剤層の成層されていない面に、ベースポリマ100重量部、光硬化性化合物10〜200重量部、帯電防止剤0.055〜25重量部および光開始剤0.1〜10重量部を配合した光硬化型帯電防止剤を0.1〜20g/mの積層量で積層し光重合させ該光硬化型帯電防止剤層の構造を3次元網目構造とすることが報告されている(例えば、特許文献2)。
特開平9−190990号公報 特開2000−183140号公報
本発明は、帯電防止性に優れ、かつ、使用済みのダイシングシートのラックへの回収が、より容易に行える(以下これをラック回収性と呼ぶ。)、ダイシングシート用基体フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、アクリル酸エステル成分が80〜60重量%であり、メタクリル酸エステル成分が20〜40重量%であるアクリル系樹脂と帯電防止剤を含むA層、酸変性水添スチレン系熱可塑性エラストマーと帯電防止剤を含むB層、熱可塑性エチレン系樹脂と帯電防止剤を含むC層とがA層/B層/C層の3層に積層されているダイシングシート用基体フィルムであることを特徴とする。
また、本発明は、前記帯電防止剤がポリエーテルエステルアミド樹脂又は親水性ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする。
また、本発明は、各層の前記帯電防止剤含有量がそれぞれ10〜30重量%であることを特徴とする。
また、本発明は、縦方向と横方向に40%伸長させ、これを60℃で10秒間加熱して収縮させた場合の縦方向と横方向の復元率が90%以上であるダイシングシート用基体フィルムであることも特徴とする。
本発明のダイシングシート用基体フィルムは、良好な帯電防止性を有し、かつ、熱による復元性が高いためラック回収性に優れている。
本発明において、A層を形成するアクリル系樹脂はアクリル酸エステル成分とメタクリル酸エステル成分とを含んでおり、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとの共重合体であっても、アクリル酸エステル系樹脂とメタクリル酸エステル系樹脂とのブレンド樹脂であってもよい。
まず、アクリル酸エステルとしては、具体的にはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルまたはアクリル酸n−オクチル等が例示でき、また、メタクリル酸エステルとしては、具体的にはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチルまたはメタクリル酸イソブチル等が例示できる。
アクリル酸エステル成分は、軟質的な特性を有し、その硬度は(JIS K 6253 デュロメータータイプA)40〜90が好ましく、50〜80がさらに好ましい。
また、メタクリル酸エステル成分は、硬質的な特性を有し、その硬度は(JIS K 6253 デュロメータータイプD)20〜50が好ましく、30〜40がさらに好ましい。
共重合体は、アクリル酸エステルを主成分としてメタクリル酸エステルを共重合成分として共重合することにより得られる。
アクリル酸エステル系樹脂としては、アクリル酸エステルを単量体とした単独重合体又はアクリル酸エステルと共重合可能な他の単量体との共重合体のいずれでもよい。
アクリル酸エステル系樹脂がゴム弾性を有するためには、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル又はアクリル酸n−オクチルが好ましく、アクリル酸n−ブチルがより好ましい。
また、アクリル酸エステルと共重合可能な他の単量体としては、具体的にはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ペンチル等のメタクリル酸エステル系単量体やスチレン、α―メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体が例示できる。アクリル酸エステル系樹脂が軟質的な特性を有するためには、アクリル酸エステルが主成分であること、つまり重合体を形成させるために使用される全単量体に対して、アクリル酸エステルと共重合可能な単量体の割合は、50重量%未満で使用されるのが好ましい。
次に、メタクリル酸エステル系樹脂としては、メタクリル酸を単量体とした単独重合体又はメタクリル酸エステルと共重合可能な他の単量体との共重合体のいずれでもよい。
メタクリル酸系樹脂が硬質的な特性を有するためには、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル又はメタクリル酸プロピルが好ましく、メタクリル酸メチルがより好ましい。
また、メタクリル酸エステルと共重合可能な他の単量体としては、具体的にはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ペンチル等のアクリル酸エステル系単量体やスチレン、α―メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体が例示できる。メタクリル酸エステル系樹脂が硬質的な特性を有するためには、メタクリル酸エステルが主成分であること、つまり重合体を形成させるために使用される全単量体に対して、メタクリル酸エステルと共重合可能な単量体の割合は、50重量%未満で使用されるのが好ましい。
次に、アクリル系樹脂におけるアクリル酸エステル成分とメタクリル酸エステル成分の割合は、アクリル酸エステル成分が80〜60重量%、メタクリル酸エステル成分が20〜40重量%であるのが好ましく、さらに好ましくはアクリル酸エステル成分が75〜65重量%、メタクリル酸エステル成分が25〜35重量%である。
アクリル酸エステル成分とメタクリル酸エステル成分の割合は、アクリル酸エステル成分が80〜60重量%、メタクリル酸エステル成分が20〜40重量%の範囲にあるときに、優れたラック回収性を示す。
ピックアップ工程におけるダイシングシート用基体フィルムの拡張量が大きい場合には、フィルムの破れといった問題が生じることがある。その場合には、A層のアクリル系樹脂に熱可塑性エラストマーを添加することができる。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー又はポリアミド系エラストマーが例示できるが、アクリル系樹脂に添加しても透明性の低下の少ないポリスチレン系エラストマーが好ましい。
スチレン系エラストマーとしては、スチレンと共役ジエン、例えばブタジエン、イソプレン又は1,3−ペンタジエン等とのブロック共重合体が一般的であり、その中でもスチレンとブタジエンとのブロック共重合体が最も一般的である。
該スチレンと共役ジエンとのブロック共重合体は、温度230℃、荷重21.2Nの時のMFRが3〜10g/10分のものが好ましい。
スチレン系エラストマーの添加量が増えてくると、ダイシングシート用基体フィルムのラック回収性に影響が出てくる。つまり、60℃に加熱しても、一旦拡張したダイシングシート用基体フィルムが収縮しきらない場合には、ラック回収性が悪くなることになる。
このような場合には、さらにテルペン樹脂を添加することによりラック回収性を補うことができる。
テルペン樹脂としては、一般に知られているように、テルペンモノマー、つまりα―ピネン、β―ピネン又はジペンテンを骨格とするテルペン樹脂、これを骨格とするスチレン変性テルペン樹脂又はこれを骨格とするフェノール変性テルペン樹脂である。他にこれらテルペン樹脂を水添した飽和テルペン樹脂もある。
該テルペン樹脂は、分子量500〜1400、軟化点80〜150℃及びガラス転移点40〜90℃であることが好ましい。アクリル系樹脂やスチレンと共役ジエンとからなるブロック共重合樹脂に対する相溶性から、フェノール変性共重合テルペン樹脂で、かつガラス転移点55〜90℃の好ましい。
スチレン系エラストマーとテルペン樹脂の添加できる割合は、次のように例示できる。
スチレン系エラストマーの添加量としては、3〜20重量%が好ましい。スチレン系エラストマーが3〜10重量%の範囲では、さらにテルペン樹脂を添加しなくても充分なラック回収性が得られるが、テルペン樹脂を添加しても特に問題はない。
スチレン系エラストマーが10重量%を超えて20重量%までの範囲では、テルペン樹脂を添加した方がよい。その割合は、アクリル系樹脂80〜89重量%とスチレン系エラストマー11〜20重量%とのブレンド樹脂100重量部に対して、テルペン樹脂5〜23重量部添加するのが好ましい。
スチレン系エラストマーが20重量%を超えると、テルペン樹脂をさらに添加しても、充分なラック回収性が得られず好ましくない。
次に、B層について説明する。B層はA層とC層の間にあって、両層を強い接着力でもって積層するための接着層である。
B層を形成する酸変性水添スチレン系熱可塑性エラストマーは、例えば次のようなものである。
ポリスチレンセグメントとジエンセグメント、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン等とがブロック結合されてなる熱可塑性エラストマーが水素添加され、更に酸変性されたものである。ここでジエンセグメントが、例えばポリブタジエンによる場合、それが水添(水素添加)されると、ポリ(エチレンーブチレン)セグメントになり、ポリイソプレンの場合には、ポリ(エチレンープロピレン)セグメントになる。このジエンセグメントとしてはポリブタジエンによるものが好ましい。
酸変性は、一般にオレフィン樹脂等で行われる酸変性と同じであり、α、β―不飽和カルボン酸又はその無水物、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸又はフマル酸等を付加することで行われる。
該酸変性水添スチレン系熱可塑性エラストマーの密度は0.88〜0.99の範囲であり、かつ、温度230℃、荷重21.2NのときのMFRが2〜10g/10minのものが好ましい。
尚、該酸変性水添スチレン系熱可塑性エラストマーは、一般的にはこれ単独で使用するのが最も好ましいが、他の例えばエチレン系共重合樹脂(例えばエチレンとC1〜C4のアクリル酸エステルとのコポリマー)をブレンドしてもよい。但し、この他の樹脂のブレンド量は50重量%未満に抑えることが好ましい。
次に、C層について説明する。C層はダイシングシート用基体フィルムを押出・製膜する際にロール状に巻き取るが、その際にフィルム面どうしがブロッキングしないようにする、所謂ブロッキング防止層として働く。また、ダイシング工程で半導体をダイシングした後、ダイシングシートを拡張する際に、ダイシング受け台との摩擦を少なくし、滑らかに拡張するようにする効果も有している。
C層を形成する熱可塑性エチレン系樹脂は、例えば次のようなものである。
中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(C3〜C8のα―オレフィンを共重合成分とするもの)またはエチレンとアクリル酸エステルとの共重合体等が挙げられる。中でも好ましいのはエチレンとアクリル酸エステルの共重合体である。このアクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピルまたはアクリル酸ブチル等が例示できる。
該熱可塑性エチレン系樹脂の密度は0.91〜0.96の範囲であり、かつ、温度190℃、荷重21.2NのときのMFRが0.5〜10g/10minのものが好ましい。
本発明におけるA層、B層及びC層は帯電防止剤を含んでいる。帯電防止剤としては、アニオン系、カチオン系又はノニオン系の公知の帯電防止剤を選択できるが、とりわけ持続性、耐久性の点から、ポリエーテルエステルアミド樹脂、親水性ポリオレフィン樹脂等のノニオン系界面活性剤が好適である。
前記ポリエーテルエステルアミド樹脂は、親水性付与の主たるユニット成分であるポリエーテルエステルと、ポリアミドユニットとから構成されるポリマであり、市販されているか或いは公知の方法で容易に製造することができる。ポリエーテルエステルアミド樹脂として、例えば、三洋化成工業株式会社のペレスタットNC6321等が例示される。また、特開昭64−45429号公報、特開平6−287547号公報にその製法が記載されており、これによれば、例えば、主鎖中にエーテル基を有するポリジオール成分にジカルボン酸成分を反応させて末端エステルに変え、これにアミノカルボン酸又はラクタムを反応させて製造できる。ポリエーテルエステルアミド樹脂は、アクリル系樹脂との相溶性が良く、ブリードアウトするような現象は一切ない。
親水性ポリオレフィン樹脂としては、例えば、親水性ポリエチレン又は親水性ポリプロピレンが例示される。
親水性ポリエチレン又は親水性ポリプロピレン樹脂は、基本的にはポリエチレン鎖又はポリプロピレン鎖とポリオキシアルキレン鎖とがブロック結合したものであり、高い除電作用が発揮され静電気の蓄積をなくす。この結合は、エステル基、アミド基、エーテル基、ウレタン基等によって行われている。フィルム樹脂との相溶性の点から、この結合はエステル基又はエーテル基であるのが好ましい。
親水性ポリプロピレン樹脂として、例えば、三洋化成工業株式会社のペレスタット230等が例示できる。
ポリエーテルエステルアミド樹脂又は親水性ポリオレフィン樹脂はどちらを使用してもよい。A層、B層及びC層すべてにポリエーテルエステルアミド樹脂を添加してもよく、また、すべてに親水性ポリオレフィン樹脂を添加してもよい。
特に限定するものではないが、C層の熱可塑性ポリエチレン系樹脂には親水性ポリオレフィン樹脂を添加するのが好ましく、それ以外にはポリエーテルエステルアミド樹脂が好ましい。
ポリエーテルエステルアミド樹脂又は親水性ポリオレフィン樹脂等の帯電防止剤の含有量は、10〜30重量%、好ましくは15〜25重量%である。かかる範囲であれば、本発明フィルムの特性を損なうことなく有効に、発生する静電気をすばやく除電することができる。
そして、3層からなるダイシングシート用基体フィルムの厚み構成は、次のとおり例示できる。
A層は30〜200μm、好ましくは40〜150μm、B層は5〜50μm、好ましくは8〜40μm、C層は5〜50μm、好ましくは10〜40μmである。
A層の厚みが30〜200μmであるとき、優れた回収性を示す。
B層は5〜50μmのときに、外層と内層との充分な接着性を示すと共に、A層の優れたラック回収性を阻害しないものとなる。
C層はダイシングシート用基体フィルムをロール状に巻き取った際に生じるブロッキングを防止するために設ける層であるが、その厚みが5〜50μmのときに、A層の優れたラック回収性を阻害せずに、良好なブロッキング防止性を示す。
尚、ダイシングシートとして実際に使用する場合には、前記ダイシングシート用基体フィルムに粘着剤層を設ける。
この粘着剤層に用いられる粘着剤は一般に知られているポリアクリル系、ポリビニルアルコール系または塩素化ポリエチレン系等の粘着性樹脂が適宜使用される。
また、この粘着剤層はA層面上に設けられる。
次に、3層ダイシングシート用基体フィルムの好ましい製造手段の一つとして例示できる共押出法について説明する。
この共押出法は、3台の押出機を用い、それぞれの押出機にA層を構成する樹脂、B層を構成する樹脂及びC層を構成する樹脂を投入する。押出機内で溶融・混練された後マルチダイ(3層)からフィルム状に押出されるが、該ダイの形状によりTダイ法またはインフレーション法に分けられる。いずれの方法でもよいが、フィルムの厚み精度の点から、Tダイ法の方が好ましい。
押出された3層フィルム状物は、約30〜100℃のロールを介して、冷却して巻き取られる。
このようにして得られたダイシングシート用基体フィルムは、優れた耐電防止性とラック回収性を有している。
以下に比較例と共に実施例で、より詳細に説明する。
尚、以下の各例での拡張性およびラック回収性は次のとおり測定し得たものである。
●帯電防止性
シシド静電気株式会社製スタティックオネストメーターにて、印加電圧を10KVとし、サンプルの飽和帯電圧と半減時間で評価した。飽和帯電圧1500V以下、及び半減時間10秒以下を○、それ以外を×とした。
●ラック回収性
得られたダイシングシート用基体フィルムの縦方向と横方向について以下の測定を行う。
縦100mm×横10mmにカットした試料片に標線間距離40mmになるように線を入れる。この試料片を株式会社島津製作所製の引張試験機“AGS100A”に、チャック間距離40mmで(標線とチャックを合わせるように)セットし、引張速度200mm/分にて40%伸張する。そしてその伸張で1分間保持した後、チャックを解放し、試料片を取り出す。次に、この試料片の表面温度が60℃となる温風を10秒間吹き付ける。試料片が常温に戻ったら、標線の距離L(mm)を測定する。40%伸張に対する縦方向の復元率(%)を下記の式より求める。
復元率(%)=[{40−(L−40)}/40]×100
この同じ測定を、縦10mm×横100mmにカットした試料片でも行う。縦および横方向の復元率が90%以上であれば、ラック回収性に優れるとして○、90%未満ではラック回収性なしとして×とした。
(実施例1)
各層で使用した樹脂は次のようなものである。
A層:アクリル酸ブチル70重量%、メタクリル酸メチル30重量%であるアクリル系樹脂(ビカット軟化点70℃、MFR=22g/10分) 80重量%
ポリエーテルエステルアミド樹脂(三洋化成工業株式会社製 品種ペレスタットNC6321) 20重量%
B層:酸変性水添スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名タフテック、品種M1913) 80重量%
ポリエーテルエステルアミド樹脂(三洋化成工業株式会社製 品種ペレスタットNC6321) 20重量%
C層:エチレンーアクリル酸ブチル共重合樹脂(アトフィナジャパン株式会社製、商品名ロトリル、品種7BA01) 80重量%
親水性ポリオレフィン樹脂(三洋化成工業株式会社製 品種ペレスタット230) 20重量%
上記の樹脂をそれぞれ3台の押出機に投入し、アクリル系樹脂は220℃で、酸変性水添スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂は200℃で、エチレンーアクリル酸ブチル共重合樹脂は200℃でそれぞれ溶解させ、220℃のTダイから積層押出し、60℃の引き取りロールで冷却固化し、巻き取ってフィルムを得た。
得られたフィルムの厚み構成は、A層/B層/C層の順に、110μm/10μm/30μm=150μmであった。
前記得られたフィルムの一部をカットして、試料片を作成し、帯電防止性およびラック回収性を測定した。結果は表1に示した。
(比較例1)
A層として、アクリル酸ブチル50重量%、メタクリル酸メチル50重量%であるアクリル系樹脂(ビカット軟化点80℃、MFR=25g/10分) 100重量%を用いる以外は実施例1と同様の条件でフィルムを得た。
得られたフィルムの一部をカットして、試料片を作成し、帯電防止性およびラック回収性を測定した。結果は表1に示した。
Figure 2007103616

Claims (4)

  1. A層/B層/C層の3層から構成されるフィルムにおいて、各層がそれぞれ下記成分及び帯電防止剤を含むダイシングシート用基体フィルム。
    A層:アクリル酸エステル成分が60〜80重量%であり、メタクリル酸エステル成分が20〜40重量%であるアクリル系樹脂。
    B層:酸変性水添スチレン系熱可塑性エラストマー。
    C層:熱可塑性エチレン系樹脂。
  2. 前記帯電防止剤がポリエーテルエステルアミド樹脂又は親水性ポリオレフィン樹脂である請求項1記載のダイシングシート用基体フィルム。
  3. 帯電防止剤の添加量が10〜30重量%である請求項1又は2記載のダイシングシート用基体フィルム。
  4. 縦方向と横方向に40%伸長させ、これを60℃で10秒間加熱して収縮させた場合の縦方向と横方向の復元率が90%以上である、請求項1〜3いずれか記載のダイシングシート用基体フィルム。


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