以下、本発明のテーブルタップの実施形態について図1〜図17を参照して説明する。尚、以下の説明では、図1(a)の紙面手前方をテーブルタップの上方とし、図1(a)の紙面奥方をテーブルタップの下方とするが、これは説明の簡略化のためであって、テーブルタップの使用形態が上記の方向に限られることを意味するものではない。
本実施形態のテーブルタップT1は、例えば防水及び防塵用の扉付きのテーブルタップであって、図1(a)〜(c)に示すように、プラグPの一対の栓刃P1,P2(図11参照)がそれぞれ挿入される一対の栓刃挿入孔3a,3bを一面に有するとともに、該一面に対向する他面が開口した箱状の一体成形ブロック3、及び一体成形ブロック3の一対の栓刃挿入孔3a,3bから挿入された一対の栓刃P1,P2がそれぞれ挿通される一対の栓刃挿通孔60,61を有して一体成形ブロック3の他面開口を閉塞する中枠6からなるユニット本体と、ユニット本体にスライド移動自在に収納されて一対の栓刃挿入孔3a,3bを開閉する扉部4、及び扉部4が一対の栓刃挿入孔3a,3bを閉じる位置に移動するように扉部4を付勢するばね部材5からなる開閉手段とで構成された扉ユニットUと、プラグPの一対の栓刃P1,P2が接触接続される刃受部20〜22,25〜27と、3つの扉ユニットUが一対の栓刃挿入孔3a,3bを外部に臨ませた状態で収納されるとともに、3組の刃受部20〜22,25〜27が各扉ユニットUの一対の栓刃挿通孔3a,3bにそれぞれ対応した状態で収納される筐体1とを備えている。
筐体1は、図1(a)〜(c)に示すように、上面が開口した長尺箱状のボディ10と、ボディ10の上面開口を覆うカバー11とで構成されており、これらボディ10とカバー11は、ともに熱可塑性樹脂(例えば、塩化ビニル等)を用いた樹脂成形品である。
ボディ10は、上述したように、上面が開口した長尺箱状のものであり、その長手方向一端側(図1(a)における下側)の側面には、扉ユニットU用の略矩形状の切欠部10aが形成されている。また、ボディ10の長手方向他端側(図1(a)における上側)の側面には、電源コード7挿通用の略矩形状の切欠部10bが形成されており、この切欠部10bの近傍には、防水用ブッシング8固定用の突部10c(図1(b)参照)が設けられている。加えて、ボディ10の底部の上面には、ボディ10とカバー11とを結合するための組立ねじSが挿通されるねじ挿通孔10eを備える略円筒状のボス部10dが、ボディ10の長手方向に3つ一体に突設されている。さらに、ボディ10の底部の上面における長手方向他端側には、図1(b)に示すように、電源コード7の張力止め用のリブ10fが一体に突設されている。一方、ボディ10の側壁部の上端面における幅方向の中央部には、図2に示すように、突壁部10gが上端面の長手方向に沿うようにして一体に突設されている。
カバー11は、ボディ10の上面開口を閉塞するようにしてボディ10に取り付けられるものであり、下面が開口した長尺箱状に形成されている。このカバー11の長手方向一端側(図1(a)における下側)の側面には、ボディ10の切欠部10aとともに扉ユニットU用の窓孔12aを構成する略矩形状の切欠部11aが形成されている。また、カバー11の上壁部には、扉ユニットU用の略矩形状の窓孔12b,12cが、カバー11の長手方向に2つ貫設されている。さらに、カバー11の長手方向他端側(図1(a)における上側)の側面には、ボディ10の切欠部10bとともに電源コード7用の挿通孔13を構成する略矩形状の切欠部11bが形成されており、この切欠部11bの近傍には、ボディ10の場合と同様に、防水用ブッシング8固定用の突部11c(図1(b)参照)が設けられている。
一方、カバー11の上壁部の下面には、図1(b)に示すように、ボディ10のボス部10dと相対する位置に略円筒状のボス部11dが一体に突設されており、各ボス部11dには、組立ねじS用のねじ孔(図示せず)が、ボディ10のボス部10dのねじ挿通孔10eとそれぞれ連通するようにして形成されている。加えて、カバー11の上壁部の下面における長手方向他端側には、上記のリブ10fとで電源コード7を狭持して電源コード7の張力止めを行うリブ11fが一体に突設されている。さらに、カバー11の側壁部の下端面には、図1(c)に示すように、上記ボディ10の突壁部10gが嵌入される溝部11gが凹設されており、ボディ10とカバー11とを組立ねじSを用いて結合した際には、突壁部10gが溝部11gの内面に密着することによって、筐体1の防水性及び防塵性を高めている。
また、筐体1の窓孔12a〜12cの内周面には、図8(a)に示すように、窓孔内に突出する突部15が周設されており、これにより外側パッキン部31と筐体1との密着性を高めている。
ところで、筐体1内には、端子板2A,2Bを固定支持するための中ボディ14が収納されている。ここにおいて、中ボディ14は、樹脂成形品であり、図2に示すように、上面が開口した長尺箱状に形成されている。この中ボディ14の長手方向一端側(図1(a)における下側)の側面は、窓孔12aを経由して端子板2A,2Bに栓刃P1,P2を接続できるように開口しており、また、中ボディ14の底部の上面には、端子板2A,2Bを固定するための各一対のリブ14a,14bと、端子板2A,2Bを各々絶縁隔離するための複数の隔離壁14cとが一体に突設されている。さらに、中ボディ14の底部には、ボディ10の3つのボス部10dのうち、ボディ10の長手方向他端側のボス部10dを除く2つのボス部10dがそれぞれ挿通される一対の孔部14dが貫設されている。
次に、中ボディ14に固定支持される端子板2A,2Bについて説明する。端子板2Aは、導電性を有する長尺状の金属板から折曲されており、図2に示すように、窓孔12aに対応する一対の刃受ばね20a,20aを有する第1の刃受部20と、第1の刃受部20から長手方向他端側(図1(b)における上側)へ延設され窓孔12bに対応する一対の刃受ばね21a,21aを有する第2の刃受部21と、第2の刃受部21から長手方向他端側へ延設され中板14の一対のリブ14aとそれぞれ凹凸嵌合する一対の孔部23a,23aを有する平板部23と、平板部23から後方へ長手方向他端側され窓孔12cに対応する一対の刃受ばね22a,22aを有する第3の刃受部22と、第3の刃受部22から長手方向他端側へ延設され電源コード7の芯線7aをかしめ固定するためのかしめ部24とを一体に備えている。
一方、端子板2Bは、図2に示すように、上記端子板2Aと同様に導電性を有する長尺状の金属板から折曲されており、窓孔12aに対応する一対の刃受ばね25a,25aを有する第1の刃受部25と、第1の刃受部25から長手方向他端側(図1(b)における上側)へ延設され窓孔12bに対応する一対の刃受ばね26a,26aを有する第2の刃受部26と、第2の刃受部26から長手方向他端側へ延設され中板14の一対のリブ14b,14bとそれぞれ凹凸嵌合する一対の孔部28a,28aを有する平板部28と、平板部28から長手方向他端側へ延設され窓孔12cに対応する一対の刃受ばね27a,27aを有する第3の刃受部27と、第3の刃受部27から長手方向他端側へ延設され電源コード7の芯線7bをかしめ固定するためのかしめ部29とを一体に備えている。
さらに、筐体1には、栓刃挿入孔3a,3bを有する扉ユニットUが各窓孔12a〜12cにそれぞれ対応して計3つ取り付けられており、以下に、扉ユニットUについて説明する。ただし、扉ユニットUは図1(a),(b)に示すように、筐体1への取り付け位置によって、向きが異なるものであるから、説明の簡略化のために、扉ユニットUの説明に限り、図4(a)の紙面手前方を扉ユニットUの前方とし、図4(a)の紙面奥方を扉ユニットUの後方とし、図4(a)の右方を扉ユニットUの右方とし、図4(a)の左方を扉ユニットUの左方とする。
扉ユニットUは、栓刃挿入孔3a,3bから筐体1内への異物やゴミの侵入を防止する機能の他、栓刃挿入孔3a,3bから筐体1内への水の浸入を防止する防水機能、及び栓刃挿入孔3a,3bから筐体1内への塵や埃の侵入を防止する防塵機能を備えるものであって、図3,4に示すように、プラグPの一対の栓刃P1,P2がそれぞれ挿入される一対の栓刃挿入孔3a,3bを前面に有するとともに、該前面に対向する後面が開口した箱状の一体成形ブロック3、及び一体成形ブロック3の一対の栓刃挿入孔3a,3bから挿入された一対の栓刃P1,P2がそれぞれ挿通される一対の栓刃挿通孔60,61を有して一体成形ブロック3の後面開口を閉塞する中枠6からなるユニット本体と、ユニット本体にスライド移動自在に収納されて一対の栓刃挿入孔3a,3bを開閉する扉部4、及び扉部4が一対の栓刃挿入孔3a,3bを閉じる位置に移動するように扉部4を付勢するばね部材5からなる開閉手段とで構成されている。
一体成形ブロック3は、扉ユニットUのユニット本体を構成するユニットボディとなるものであり、図5(a)〜(g)に示すように、例えば耐トラッキング及び耐熱性に優れるユリア樹脂等の硬質樹脂材料を用いた樹脂成形品からなる本体部30と、それぞれゴムやエラストマー等の復元性(弾性)を有する軟質樹脂材料を用いた樹脂成形品からなり、本体部30に一体成形される外側パッキン部31及び内側パッキン部32とで構成されている。
本体部30は、後面が開口した箱状に形成されており、その前面中央部には、筐体1の窓孔内に配置される突台状のボス部30aが一体に突設されている。このボス部30aの前壁部には、栓刃挿入孔3a,3bが貫設されている。また、本体部30の短手方向の両内側面には、図5(f)に示すように、本体部30の左方から右方に向けて後方へ傾斜する傾斜面30bを後面側に有するガイドリブ30cがそれぞれ設けられている。また、本体部30の各内側面の後端側には、図5(f)に示すように、中枠6の側周部と当接する一対のリブ30dが設けられており、これらリブ30d間の部位に中枠6を嵌入することで、中枠6を一体成形ブロック3に固定できるようになっている。
さらに、本体部30のボス部30aには、図5(f)に示すように、本体部30の前後に貫通する貫通孔30eが、前壁部の四角と、短手方向両端部の中央部との計6箇所に設けられており、これら貫通孔30eを介して外側パッキン部31と内側パッキン部32とが一体に連結されることで、これら各パッキン部31,32が本体部30に強固に取り付けられるようにしている。加えて、ボス部30aの前壁部の中央には、前壁部を前後に貫通するとともにくびれ部30gを備えたアンカー孔30fが設けられており、内側パッキン部32の一体成形時に、内側パッキン部32を構成する樹脂がアンカー孔30f内に充填されることで、内側パッキン部32を本体部30に強固に取り付けることができるようにしている。
外側パッキン部31は、一体成形ブロック3の本体部30と窓孔12a〜12cの縁部との間に介在して、筐体1の窓孔12a〜12cから筐体1内に水や埃が侵入することを防止するためのものであり、一対の栓刃挿入孔3a,3bを備えるボス部30aを囲繞する周壁部31aと、枠部31aの後端部から外方へ突出して本体部30の前面においてボス部30aの周辺部を覆う鍔部31bとを一体に備えている。
ここにおいて、周壁部31aは、図5(d),(e)に示すように、その前端面が、ボス部30aの前面よりも前方へ突出するとともに、その外形が、図5(a)にP3で示す一般的なプラグPにおける栓刃P1,P2が突設されている面の外形に収まるように形成されている。そのため、一対の栓刃挿入孔3a,3bを介してプラグPの栓刃P1,P2を筐体1内の刃受部に接触接続した際には、プラグPにおける栓刃P1,P2が突設されている面(つまりは、プラグPにおける本体部30との対向面)に、外側パッキン部31の周壁部31aの前端面が密着して、プラグPと筐体1との隙間を無くし、これによりプラグPの栓刃P1,P2を水や埃から保護して、トラッキングや短絡等が生じてしまうことを防止できる。また、外側パッキン部31は上述したように復元性(弾性)を有しているため、本体部30とプラグPとの間で押し縮められるように変形することで、プラグPに多少の傾きや、浮き上がり、前記対向面に凹凸があった場合でも、同様にプラグPと筐体1との隙間を無くすことができる。
加えて、周壁部31aの前端面には、前方へ突出する外壁部31c及び内壁部31dが一体に周設されており、これにより周壁部31aがプラグPに外壁部31cと内壁部31dとの2箇所で密着することになるから、周壁部31aとプラグPとの密着性をより高めることができ、これによりさらなる防水性及び防塵性の向上を図ることができる。
内側パッキン部32は、扉部4により栓刃挿入孔3a,3bが閉じられた状態で、扉部4と本体部30の栓刃挿入孔3a,3bの縁部との間に介在して、栓刃挿入孔3a,3bから筐体1内に水が浸入することを防止するためのものであり、ボス部30aの前壁部の後面を覆う形状に形成されている。
また、上記外側パッキン部31と、内側パッキン部32とを本体部30に一体成形することによって、各パッキン部31,32と本体部30との密着性を高めており、これにより、各パッキン部31,32と本体部30との間に水や埃等が入ることを防止している。
扉部4は、図6(a)〜(e)に示すように、例えば合成樹脂を用いて矩形板状に形成されており、その前面において、扉部4が一対の栓刃挿入孔3a,3bを閉じる位置に位置した際に一対の栓刃挿入孔3a,3bと対向する部位には、栓刃挿入孔3a,3b遮蔽用の突台部40,41が一体に突設されている。また、扉部4の前面における突台部40,41間の部位には、プラグPの一方の栓刃P2を刃受部側へ通すための挿通孔42が貫設されている。さらに、扉部4の短手方向(すなわちプラグの挿入方向に交差する方向)の両側面における長手方向中央部には、扉部4のスライド軸となるとともに回転軸となる略円柱状の突部43,43が、互いに上記短手方向において同軸となるように一体に突設されている。
ここで、両突台部40,41は、図6(a)〜(c)に示すように、前面側から後面側にいくにつれて縦横の長さ寸法が大きくなる略台形状に形成されており、扉部4が一対の栓刃挿入孔3a,3bを閉じる位置に位置した際に、内側パッキン部32に密着される側面40a,41aが、一体成形ブロック3の前面側から後面側へ向かうにつれて側方へ突出する傾斜面となっている。また、これら突台部40,41において栓刃挿入孔3a,3bから外部に露出する前面40b,41bは、側面40a,41aとの間の角度が鈍角である傾斜面となっており、扉部40の右方から左方に向けて後方へ傾斜している。
このような突台部40,41によれば、プラグPの栓刃P1,P2により扉部40を押圧した際には、プラグPの栓刃P1,P2が各突台部40,41の前面40b,41bから側面40a,41aへと滑らかに摺動できるとともに、扉部4を右方へ移動させ易くすることができ、しかも、この栓刃P1,P2の摺動時に、前面40b,41bと側面40a,41aとの間の角部で栓刃P1,P2が引っ掛かったり、前記角部が栓刃P1,P2によって磨耗されて、扉部4の防水性能及び防塵性能が劣化してしまうことが防止できる。
さらに、図8(b)に示すように、扉部4が一対の栓刃挿入孔3a,3bを閉じる位置に位置した際に、内側パッキン部32に密着される突台部40,41の側面40a,41aを上記のような傾斜面としたことによって、内側パッキン部32と突台部40,41の側面40a,41aとの接触面積を減少させることができる。このように接触面積を減少させれば、図8(c)に示す比較例のように突台部40,41がなく、扉部4の平坦な部位で扉部4と内側パッキン部32とが接触する場合(つまりは接触面積が多い場合)に比べて、ばね部材5による押圧荷重が接触部分で分散し難くなるから、扉部4と内側パッキン部32との接触部分での接触圧が均一になって、栓刃挿入孔3a,3bでの防水性及び防塵性を向上させることができる。
一方、扉部4における中枠6と対向する面(つまりは後面)における左右両端側には、図6(c)〜(e)に示すように、扉部4が一対の栓刃挿入孔3a,3bを遮蔽している状態で、一方の栓刃挿入孔を介した外力により扉部が傾斜した際に、該一方の栓刃挿入孔側において中枠6に引掛係止されて、扉部4が後述のガイド溝に沿ってばね部材5の付勢に抗する方向へ移動することを規制する規制突起44,45が、各栓刃挿入孔3a,3bに対応して設けられており、これにより片刃挿入やいたずら等による感電を防止している。また、扉部4の後面には、規制突起44,45により扉部4が中枠6に引掛係止された際に、規制突起44,45とともに中枠6と当接するリブ46,47が設けられており、これにより、栓刃P1,P2の押し込みによる荷重を分散して、扉部4や中枠6が破損してしまうことを防止している。
ばね部材5は、弾性を有する長尺状の金属板から曲成された板ばねであって、図3に示すように、中枠6に固定される板状の固定片50と、固定片50の長手方向(長さ方向)両端部から固定片50に対して鋭角方向(本実施形態では約60度の方向)にそれぞれ延設されて、幅方向にずれた状態で交差する一対の扉部押圧片51,52とを備えている。ここにおいて、固定片50の短手方向(幅方向)両端部には、ばね部材5を中枠6に固定するための各一対の爪部50aが一体に設けられている。一方、一対の扉部押圧片51,52は、図3に示すように、各々の先部を基部に対して狭幅に形成することにより一対の扉部押圧片51,52の先部を幅方向にずらして、各々の先部の通る空間部間に重複する部分が生じないようにしているから、無負荷時及び屈撓時に関わらず、両扉部押圧片51,52が互いに干渉しないようになっている。
このようなばね部材5によれば、曲げストロークを長くすることを目的として扉部押圧片51,52の長さ寸法(スパン)を大きくした際に、扉部押圧片51,52が互いに干渉しないように固定片50の長さ寸法を大きくしなくて済むから、曲げ部での応力集中を減少させつつもばね部材5の小型化を図ることが可能となる。また、各扉部押圧片51,52において扉部4に弾接されて扉部4上を摺動する部位である先端部51a,52aは、その表面形状が略球面状に形成されており、これにより、先端部51a,52aにエッジや角がある場合に比べて、扉部押圧片51,52の先端部51a,52aが扉部4上を摺動しやすくなって、扉部4の操作性を向上できる。しかも、上記のエッジや角がある場合に比べて、扉部4が磨耗によって劣化してしまうことを防止することが可能となる。加えて、各扉部押圧片51,52において幅寸法の異なる基部と先部との間には、図3に示すように、基部側から先部側へ行くにつれて徐々に狭幅となる部位51bが設けられており、これにより基部と先部との境界部分に生じる応力集中を緩和している。
中枠6は、一体成形ブロック3の後面開口を閉塞するユニットカバーとなるものであり、例えば合成樹脂を用いて矩形板状に形成されており、図7(a)〜(f)に示すように、左右両端側には、プラグの栓刃が挿通される略長方形状の栓刃挿通孔60,61が貫設されている。また、中枠6の前面において、栓刃挿通孔60,61間の中間部位には、ばね部材5の固定片50が内部に配置されるばね部材5固定用の略直方形状の凹部62が凹設されている。さらに、中枠6の前面において、一体成形ブロック3のガイドリブ30c,30cと対向する部位には、図7(d),(e)に示すように、中枠6の左方から右方に向かって後方に傾斜する傾斜面63aを有するガイドリブ63がそれぞれ突設されている。
ここにおいて、一体成形ブロック3の各ガイドリブ30cの傾斜面30bと、中枠6のガイドリブ63の傾斜面63aとは各々の沿面方向が略平行となっており、これらの傾斜面30b,63a間の空間部が扉部4の突部43のガイド溝として用いられ、このガイド溝の溝方向は、プラグPの栓刃P1,P2の挿入方向(扉ユニットUの前後方向)に対して、傾斜した方向(扉ユニットUの左前方から右後方に向かう方向)となっている。
また、中枠6の前面における栓刃挿通孔60,61の左側(栓刃挿通孔60,61の短手方向他端側)の縁部には、左方から右方に向かって後方へ傾斜する傾斜面64a,65aを有して、プラグPの栓刃P1,P2を各栓刃挿通孔60,61に誘導する誘導リブ64,65が突設されている。
一方、中枠6の栓刃挿通孔60,61の右側(栓刃挿通孔60,61の短手方向他端側)の縁部は、図7(e)に示すように、誘導リブ64,65が突設されている左側の縁部に比べて厚みが薄い薄肉部となっているので、プラグPの栓刃P1,P2が栓刃挿通孔60,61を通る際に、栓刃P1,P2が上記のような薄肉部に当たると、該薄肉部が破損してしまうおそれがあり、このような破損片が刃受部とプラグとの間に挟まってプラグと刃受部とが不完全接触して、異常発熱の原因となるという問題が生じるおそれがあった。そこで、上記の薄肉部のうち、特に強度が低く破損しやすい前記右側の縁部の中央部に、予め切欠部60a,61aを設けておくことで、破損しやすい薄肉部を無くし、これにより上記の異常発熱等の問題が生じないようにしている。
上記の一体成形ブロック3、扉部4、ばね部材5、及び中枠6からなる扉ユニットUは、次のようにして組み立てられる。まず、中枠6の凹部62にばね部材5の固定片50を嵌入することで、ばね部材5を中枠6に取り付ける。このとき、凹部62内においてばね部材5の爪部50aが凹部62の内側面に引っ掛かることによって、ばね部材5が中枠6にがたつかずに強固に固定され、これにより扉部4の開閉感触を向上でき、また、組み立て時にばね部材5が中枠6から脱落してしまうことを防止できるから、組み立て作業を行い易くなる。
次に、扉部4を図1(c)に示すように一体成形ブロック3内に収納し、この後に、ばね部材5が取り付けられた中枠6を図4(c)に示すように一体成形ブロック3のリブ30d間の部位に嵌入することで、中枠6を一体成形ブロック3に固定し、これにより図4(a)〜(d)に示す扉ユニットUが完成する。
このように組み立てられた扉ユニットUでは、図1(c)に示すように、扉部4の軸部43,43が、一体成形ブロック3のガイドリブ30c,30cの傾斜面30bと、中枠6のガイドリブ63の傾斜面63aとの間の空間部からなるガイド溝に、該ガイド溝の溝方向にスライド自在、且つ扉部4の短手方向を回転軸として回動自在に嵌め合わされるとともに、扉部4の後面中央部にばね部材5の一対の扉部押圧片51,52の先端部51a,52aが弾接され、これにより扉部4がガイド溝に沿って前方へ移動させられて、扉部4の突台部40,41によって一体成形ブロック3の栓刃挿入孔3a,3bが閉じられる。このとき、扉部4が前方へ付勢されていることによって、扉部4と内側パッキン部32との密着性が向上し、これにより防水性及び防塵性の向上が図られている。加えて、中枠6における一対の栓刃挿通孔60,61間の中間部位にばね部材5が固定されているので、扉部4が一対の栓刃挿入孔3a,3bを閉じた状態では、扉部4における一対の突台部40,41間の中間部位がばね部材5により押圧されることになり、これにより各突台部40,41が略均一な力で内側パッキン部32に密着されるから、防水性及び防塵性がさらに向上することになる。さらに、1つのばね部材5によって、扉部4をプラグPの挿入方向に傾斜した左前方向に移動させることができるから、扉部4を左方向に付勢するばね部材と、扉部4を前方向に付勢するばね部材との2つのばね部材を用いなくて済み、これにより部品点数の削減も図れる。
防水用ブッシング8は、筐体1から引き出された電源コード7の外周を覆って内部の芯線7a,7bの屈曲による断線を防止するとともに、電源コード7用の挿通孔13での防水性及び防塵性を向上させるためのもので、電源コード7を囲繞する筒部80と、筒部80の一端側に設けられた鍔部81とを一体に備えたゴム等の樹脂成形品からなる。また、防水用ブッシング8の筒部80の内周面には、電源コード7と密着する突起部80aが複数周設されており、鍔部81の外周面には、ボディ10の突部10c及びカバー11の突部11cのそれぞれと凹凸嵌合する凹部81aが設けられている。
上記部材により本実施形態のテーブルタップT1は構成されており、以下にテーブルタップT1の組立方法について説明する。
まず、ボディ10に中ボディ14を、中ボディ14の孔部14d,14dにボディ10のボス部10d,10dを挿通させた状態で取り付ける。この後に、中ボディ14のリブ14a,14bと端子板2A,2Bの各々の孔部23a,28aとを凹凸嵌合させることで、中ボディ14に端子部2A,2Bをそれぞれ取り付ける。そして、各端子板2A,2Bのかしめ部24,29に、電源コード7の芯線7a,7bをそれぞれかしめ固定するとともに、電源コード7をボディ10の切欠部10bから外方へ引き出し、このとき、電源コード7に防水用ブッシング8を被せるとともに、防水用ブッシングの凹部81aとボディ10の突部10cとを凹凸嵌合させる。そして、上記の扉ユニットUをボディ10内に、一体成形ブロック3の栓刃挿入孔3a,3bを筐体外方に向けるとともに、各扉ユニットUの栓刃挿通孔60,61と、各端子板2A,2Bの第1の刃受部20,25、第2の刃受部21,26、第3の刃受部22,27とをそれぞれ対応させた状態で配置する。
この後に、ボディ10とカバー11とを結合するのであるが、この作業は、各窓孔12a〜12cから一体成形ブロック3のボス部30aを外方へ臨ませるとともに、防水用ブッシング8の凹部81aとカバー11の突部11cとを凹凸嵌合させ、且つ、カバー11のねじ孔11eとボディ10のねじ挿通孔10eとを連通させた状態で、組立ねじSをカバー11の各ねじ孔(図示せず)に螺着することで行われる。そして、ボディ10とカバー11とを結合した際には、電源コード7がボディ10のリブ10fと、カバー11のリブ11fとで狭持されて電源コード7の張力止めがなされる。
以上により図9、及び図10(a)〜(e)に示すようなテーブルタップT1が得られ、このテーブルタップT1は、一体成形ブロック3における一対の栓刃挿入孔3a,3bの周縁部に一体成形された内側パッキン部32を備え、扉部4が一対の栓刃挿入孔3a,3bを閉じた状態では、内側パッキン部32が扉部4に密着しているので、ゴミ等の比較的大きい異物だけではなく、水や埃等であっても、栓刃挿入孔3a,3bから筐体1内に侵入することを防止できて、トラッキングや短絡等の発生を防止できる。
さらに、扉部4の軸部43,43が、一体成形ブロック3のガイドリブ30cの傾斜面30bと中枠6のガイドリブ63の傾斜面63aとの間の空間部からなり溝方向がプラグPの挿入方向に対して傾斜しているガイド溝に、該ガイド溝の溝方向にスライド自在、且つ扉部4の短手方向を回転軸として回動自在に嵌め合わされるとともに、扉部4がばね部材5によってガイド溝に沿って栓刃挿入孔3a,3b側へ押圧されているので、扉部4が内側パッキン部32に押し当てられ、これにより扉部4と内側パッキン部32との密着性が向上して、防水性及び防塵性がさらに向上する。
また、扉ユニットUの一体成形ブロック3の本体部30と窓孔12a〜12cの縁部との間に介在される外側パッキン部31を備えるので、筐体1の窓孔12a〜12cから筐体1内に水や埃が侵入することを防止でき、しかも、プラグPを接続した際には、上述したようにプラグPに周壁部31が密着して、プラグPと筐体1との隙間を無くし、これによりプラグPの栓刃P1,P2を水や埃から保護して、トラッキングや短絡等が生じてしまうことを防止できるという効果がある。加えて、電源コード7と筐体1の挿通孔13の縁部との間に介在されるブッシング8によって、筐体1内に水や埃等が入ることを防止でき、さらに、ボディ10の突壁部10gがカバー11の溝部11gに嵌入されることによってボディ10とカバー11との隙間から筐体1内に水や埃が入ることを防止できる。
次に、本実施形態のテーブルタップT1にプラグPを脱着する際の扉ユニットUの扉部4の開閉動作について図11〜図13を参照して説明する。尚、以下の動作説明では、説明の簡略化のために、図11(a)の上方を扉ユニットUの前方とし、図11(a)の下方を扉ユニットUの後方とし、図11(a)の左方を扉ユニットUの左方とし、図11(a)の右方を扉ユニットUの右方とする。
まず、テーブルタップT1にプラグPを接続していない場合は、図11(a)に示すように、扉部4の突台部40,41が一体成形ブロック3の栓刃挿入孔3a,3bの後方に位置して、栓刃挿入孔3a,3bが閉じた状態となっている。また、このとき、図12(a)に示すように、扉部4の突部43が最も前方に位置した状態となっている。
そして、テーブルタップT1にプラグPを接続する際には、図11(a)に示すように、プラグPの栓刃P1,P2を栓刃挿入孔3a,3b内に差し入れて扉部4の突台部40,41に当接させ、このまま突台部40,41をばね部材5の付勢に逆らって押圧して、図11(b)に示すように、扉部4を後方へ押し込んでいく。このようにして栓刃P1,P2により扉部4を後方へ押し込むと、扉部4の突部43,43が、図12(b)に示すように、中枠6のガイドリブ63,63の傾斜面63a,63aに当接する。ここからさらに栓刃P1,P2を押し込んでいくと、傾斜面63a,63aは面方向が右前方を向いているため、扉部4の突部43,43は、傾斜面63a,63aに沿って右後方へ摺動し、これにより扉部4が、扉ユニットUの右後方へと誘導される。このまま、扉部4を右後方へ移動させていくと、やがて、図11(c)に示すように、突台部40,41が栓刃挿入孔3a,3bの後方から右側にずれて、扉部4が栓刃挿入孔3aの後方に位置しなくなるとともに、扉部4の挿通孔42が栓刃挿入孔3bの後方に位置するようになる。これにより一体成形ブロック3の栓刃挿入孔3a,3bと、中枠6の栓刃挿通孔60,61と前後方向で対向し、この結果、プラグPの一対の栓刃P1,P2を端子板2A,2Bの刃受部22,27にそれぞれ接触接続することができるようになる。
一方、プラグPの栓刃P1,P2をテーブルタップT1から引き抜いた際には、扉部4には栓刃P1,P2による押し込み方向の外力がかからないために、扉部4はばね部材5によって前方に付勢されて、図12(c)に示すように扉部4の突部43,43が一体成形ブロック3の傾斜面30b,30bに当接する。そして、傾斜面30b,30bの面方向が左後方を向いているために、扉部4の突部43,43は、傾斜面30b,30bに沿って左前方へ摺動し、これにより扉部4が、扉ユニットUの左前方へと誘導される。このまま、扉部4が左前方へ移動していくと、やがて扉部4の突台部40,41が栓刃挿入孔3a,3bの後方に位置し、その結果、図11(a)に示すように、両栓刃挿入孔3a,3bが扉部4により遮蔽されることになる。
さらに、本実施形態のテーブルタップT1では、一対の栓刃挿入孔3a,3bのうちいずれか一方にのみ栓刃や工具を差し込んでも扉部4が開閉しない、所謂片刃挿入防止が図られており、扉部4の規制突起44,45が、片刃挿入防止のための規制手段となっている。
例えば、図13(a)に示すように、栓刃挿入孔3aにのみ栓刃(図示せず)が差し込まれた場合、扉部4の突台部40のみが栓刃により押し込まれるため、扉部4は、突部43を回転軸として、突台部40側(左側)が後方に、突台部41側(右側)が前方に移動するように回動していく。このような栓刃による突台部40の押し込みが続くと、やがて扉部4の後面の左端部が中枠6に当接し、このとき、扉部4の規制突起44が、図13(b)に示すように、中枠6の栓刃挿通孔60の右内側面に引掛係止されて、扉部4がガイド溝に沿って右後方へ移動することが規制され、これにより扉部4が開かなくなる。また、規制突起44により扉部4が中枠6に引掛係止された際には、図13(b)に示すように、扉部4の後面側に設けられたリブ46が中枠6と当接し、これにより、扉部4及び中枠6にかかる荷重を分散して、扉部4及び中枠6の破損を防止している。
逆に、図13(c)に示すように、栓刃挿入孔3bにのみ栓刃(図示せず)が差し込まれた場合、扉部4の突台部41のみが栓刃により押し込まれるため、扉部4は、突部43を回転軸として、突台部40側(左側)が前方に、突台部41側(右側)が後方に移動するように回動していく。このような栓刃による突台部41の押し込みが続くと、やがて扉部4の後面の右端部が中枠6に当接し、このとき、扉部4の規制突起45が、図13(d)に示すように、中枠6の栓刃挿通孔61の右内側面に引掛係止されて、扉部4がガイド溝に沿って右後方へ移動することが規制され、これにより扉部4が開かなくなる。また、規制突起45により扉部4が中枠6に引掛係止された際には、図13(d)に示すように、扉部4の後面側に設けられたリブ47が中枠6と当接し、これにより、扉部4及び中枠6にかかる荷重を分散して、扉部4及び中枠6の破損を防止している。
このように、仮に一方の栓刃挿入孔からプラグの栓刃や工具等を差し込んで扉部4を開けようとしても、扉部4がプラグの栓刃や工具等による外力を受けて傾斜した際には、規制突起44,45により扉部4が中枠6に引掛係止されて、扉体4が開かないようになっており、これによりプラグの栓刃の片刃挿入やいたずら等による感電を防止することができる。
以上述べた本実施形態のテーブルタップT1によれば、プラグPの一対の栓刃P1,P2が挿入される栓刃挿入孔3a,3b、及び該栓刃挿入孔3a,3bに挿入された栓刃P1,P2を刃受部20〜22,25〜27側へ通す栓刃挿通孔60,61を有するユニット本体と、ユニット本体内に収納されて栓刃挿入孔3a,3bを開閉する扉部4及びばね部材5からなる開閉手段とで扉ユニットUを構成しているので、開閉手段の出荷前検査を扉ユニットUのみで行うことができる。これにより、開閉手段の出荷前検査を行う際には、扉ユニットUのみを組み立てればよく、従来のように開閉手段の出荷前検査を行うためにテーブルタップT1を最後まで組み立てる必要がなくなるから、開閉手段の出荷前検査を従来に比べてはるかに効率的に行うことができるという効果がある。
また、栓刃挿入孔3a,3bの破損や、開閉手段等に不良があった際には、従来のように筐体ごと交換しなくても扉ユニットUを新しいものに交換するだけで対応できるという効果があり、さらに、栓刃挿入孔3a,3bにおける防水性能及び防塵性能が扉ユニットUのみで決定されるから、部品の成形誤差等による寸法のばらつきに起因する防水性及び防塵性の低下を抑制して、安定した品質を確保できるという効果がある。
加えて、上述したように、扉ユニットUのみの組み立てが可能であるから、一度に全てを組み立てる従来例のテーブルタップに比べて、単一作業化を図ることができて作業効率を向上できるという効果があり、しかも、扉ユニットUを複数組の刃受部に対して共通の部品とすることが可能となるから、扉ユニットUの金型費用等の製造コストを低減できるという効果がある。
ところで、本発明のテーブルタップとしては、上記の図9,10に示すテーブルタップT1に限らず、例えば、図14,15に示すようなスイッチ付きのテーブルタップT2であってもよい。
図14,15に示すテーブルタップT2は、スイッチ装置90及びスイッチ用防水パッキン91を備える点と、筐体100及び一対の端子板200A,200Bの構成のみが上記のテーブルタップT1と異なっており、扉ユニットUや防水ブッシング8等は、共通の部材としているので、これら共通の部材については同一の符号を付して説明を省略する。
スイッチ装置90は、電源コード7の芯線7a,7bがそれぞれ固定される一対の電源側端子(図示せず)と、端子板2A,2Bがそれぞれ接続される一対の負荷側端子90a,90bと、これら端子間の通電をオンオフする接点機構(図示せず)と、接点機構を操作するための操作ハンドル90cと、これらが収納される本体部90dとをを備えている。
スイッチ用防水パッキン91は、ゴムやエラストマー等の復元性(弾性)を有する軟質樹脂材料を用いた樹脂成形品からなり、操作ハンドル90cを覆う略箱状のカバー部91aと、カバー部91aの下端部から外方に突出して、スイッチ装置90の本体部90dの上面を覆う矩形枠状のフランジ部91bとを一体に備えている。
そして、このテーブルタップT2の筐体100は、図15に示すように、上面が開口した長尺箱状のボディ110と、ボディ110の上面開口を覆うカバー111とで構成されており、これらボディ110とカバー111は、ともに熱可塑性樹脂(例えば、塩化ビニル等)を用いた樹脂成形品である。
ボディ110は、図15に示すように、スイッチ装置90を収納するために、長手方向の長さ寸法が大きくなっている点で上記ボディ10と異なっているが、扉ユニットU用の略矩形状の切欠部10aや、電源コード7挿通用の略矩形状の切欠部10b等が設けられている点は、上記ボディ10と同様であるから、説明を省略する。
カバー111は、図15に示すように、スイッチ装置90の操作ハンドル90cを筐体100の外部へ露出させる窓孔120を有している点と、スイッチ装置90を収納するために、長手方向の長さ寸法が大きくなっている点で上記カバー11と異なっているが、切欠部10aとともに扉ユニットU用の窓孔12aを構成する略矩形状の切欠部11aや、扉ユニットU用の略矩形状の窓孔12b,12c等が設けられている点は、上記カバー11と同様であるから、説明を省略する。
また、端子板200A,200Bは、上記の端子板2A,2Bにおけるかしめ部24,29の代わりにスイッチ装置90の各負荷側端子90a,90bに固定される固定片224,229を備えている点で異なっており、その他の構成は上記端子板2A,2Bと同様であるから、説明を省略する。
そして、このテーブルタップT2は、次のようにして組み立てられる。まず、ボディ110に中ボディ14を、中ボディ14の孔部14d,14dにボディ110のボス部10d,10dを挿通させた状態で取り付ける。この後に、中ボディ14のリブ14a,14bと端子板200A,200Bの各々の孔部23a,28aとを凹凸嵌合させることで、中ボディ14に端子部200A,200Bをそれぞれ取り付ける。そして、ボディ110内にスイッチ装置90を収納するとともに、スイッチ装置90の負荷側端子90a,90bに各端子板200A,200Bの固定片224,229を、スイッチ装置90の図示しない電源側端子に電源コード7の芯線7a,7bをそれぞれ接続する。この後に電源コード7をボディ110の切欠部10bから外方へ引き出すとともに、電源コード7に被せた防水用ブッシング8の凹部81aとボディ10の突部10cとを凹凸嵌合させる。そして、上記の扉ユニットUをボディ110内に、一体成形ブロック3の栓刃挿入孔3a,3bを筐体外方に向けるとともに、各扉ユニットUの栓刃挿通孔60,61と、各端子板200A,200Bの第1の刃受部20,25、第2の刃受部21,26、第3の刃受部22,27とをそれぞれ対応させた状態で配置する。また、スイッチ用防水パッキン91をスイッチ装置90に被着する。
この後に、ボディ110とカバー111とを結合するのであるが、この作業は、各窓孔12a〜12cから一体成形ブロック3のボス部30aを外方へ臨ませるとともに、窓孔120からスイッチ用防水パッキン91のカバー部91aを外方へ臨ませ、さらに、防水用ブッシング8の凹部81aとカバー111の突部11cとを凹凸嵌合させ、且つ、カバー111のねじ孔11eとボディ110のねじ挿通孔10eとを連通させた状態で、組立ねじSをカバー111の各ねじ孔(図示せず)に螺着することで行われる。そして、ボディ110とカバー111とを結合した際には、電源コード7がボディ10のリブ10fと、カバー11のリブ11fとで狭持されて電源コード7の張力止めがなされる。
以上により図14(a)〜(e)に示すようなスイッチ付きテーブルタップT2が得られ、このテーブルタップT2では、上記のテーブルタップT1と同様に、扉ユニットUの一体成形ブロック3の本体部30と窓孔12a〜12cの縁部との間に介在される外側パッキン部31と、扉ユニットUの扉部4と本体部30の栓刃挿入孔3a,3bの縁部との間に介在される内側パッキン部32と、電源コード7と筐体100の挿通孔13の縁部との間に介在される防水用ブッシング8とによって、筐体100内に水や埃等が入ることを防止するとともに、ボディ110の突壁部10gがカバー111の溝部11gに嵌入されることによってボディ110とカバー111との隙間から筐体100内に水や埃が入ることを防止している。さらに、テーブルタップT2では、スイッチ用防水パッキン91が、カバー部91aをカバー111の窓孔120から外方へ突出させるとともに、フランジ部91bをカバー111の下面における窓孔120の周縁部とスイッチ装置90の本体部90dとの間に介在させた状態で、筐体100内に収納されているので、窓孔120から筐体100内に水や埃が入ることが防止されている。
そして、このようなテーブルタップT2においても、扉ユニットUを備えているので、図9に示すテーブルタップと同様の利点を得ることができる。
一方、本発明のテーブルタップとしては、上記のテーブルタップT1のようにプラグを最大で3つ接続できる(言い換えればプラグの接続口を3つ備える)ものに限られるものではなく、例えば、図16(a)〜(e)に示すテーブルタップT3のように、プラグの接続口を4つ備えるものであってもよい。
このようなテーブルタップT3は、上記のテーブルタップT1の筐体1に新たな窓孔12dを設けるとともに、端子板2A,2Bに窓孔12dに対応する第4の刃受部(図示せず)を設け、且つ窓孔12dと第4の刃受部との間に、扉ユニットUを介装することで得ることができ、このテーブルタップT3においても、テーブルタップT1と同様の利点を得ることができる。
また、スイッチ付きのテーブルタップT2であっても、筐体100に新たな窓孔12dを設けるとともに、端子板200A,200Bに窓孔12dに対応する第4の刃受部(図示せず)を設け、且つ窓孔12dと第4の刃受部との間に、扉ユニットUを介装することで図17(a)〜(e)に示すような、接続口を4つ備えるテーブルタップT4を得ることができ、このテーブルタップT4においても、テーブルタップT2と同様の利点を得ることができる。
このように、接続口の数が異なるテーブルタップであっても、扉ユニットUを共通の部品として用いることが可能であり、これにより、様々なバリエーションのテーブルタップを容易に設計することができ、しかも、金型投資等の製造コストの低減が図れるとともに、製造作業の高効率化が図れるという利点がある。