JP2007099573A - 電極被覆用ガラスおよびプラズマディスプレイパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】PbOを含有しないガラスであって焼成ガラス層の透過率を高くできる電極被覆用ガラスの提供。
【解決手段】モル%表示で、B2O3 25〜32%、SiO2 0〜13%、ZnO 35〜60%(35%を除く)、BaO 7〜16%、Bi2O3 3〜7%、Al2O3 0〜5%、から本質的になりPbOを含有しない電極被覆用ガラス。質量百分率表示で、B2O3 14〜22%、SiO2 0〜7%、ZnO 25〜50%(25%を除く)、BaO 10〜24%、Bi2O3 13〜30%、Al2O3 0〜5%、から本質的になり、PbOを含有しない電極被覆用ガラス。
【選択図】なし
【解決手段】モル%表示で、B2O3 25〜32%、SiO2 0〜13%、ZnO 35〜60%(35%を除く)、BaO 7〜16%、Bi2O3 3〜7%、Al2O3 0〜5%、から本質的になりPbOを含有しない電極被覆用ガラス。質量百分率表示で、B2O3 14〜22%、SiO2 0〜7%、ZnO 25〜50%(25%を除く)、BaO 10〜24%、Bi2O3 13〜30%、Al2O3 0〜5%、から本質的になり、PbOを含有しない電極被覆用ガラス。
【選択図】なし
Description
本発明はプラズマディスプレイパネル(PDP)およびPDPのガラス基板上に形成された透明電極等の被覆に好適な電極被覆用ガラスに関する。
近年、薄型の平板型カラー表示装置が注目を集めている。このような表示装置では画像を形成する画素における表示状態を制御するために各画素に電極が形成される。このような電極としては、画像の質の低下を防ぐために、ガラス基板上に形成されたITOまたは酸化スズの薄膜等の透明電極および厚膜タイプAg電極もしくは薄膜タイプCr−Cu−Cr電極が用いられている。
前記表示装置の表示面として使用されるガラス基板の表面に形成される透明電極は、精細な画像を実現するために細い線状に加工される。そして各画素を独自に制御するためには、このような微細に加工された透明電極相互の絶縁性を確保する必要がある。ところが、ガラス基板の表面に水分が存在する場合やガラス基板中にアルカリ成分が存在する場合、このガラス基板の表面を介して若干の電流が流れることがある。このような電流を防止するには、透明電極間に絶縁層を形成することが有効である。また、透明電極間に形成される絶縁層による画像の質の低下を防ぐべくこの絶縁層は透明であることが好ましい。
このような絶縁層を形成する絶縁材料としては種々のものが知られているが、なかでも、透明であり信頼性の高い絶縁材料であるガラス材料が広く用いられている。
このような絶縁層を形成する絶縁材料としては種々のものが知られているが、なかでも、透明であり信頼性の高い絶縁材料であるガラス材料が広く用いられている。
最近大型平面カラーディスプレイ装置として期待されているPDPにおいては、表示面として使用される前面基板、背面基板および隔壁によりセルが区画形成されており、そのセル中でプラズマ放電を発生させることにより画像が形成される。前記前面基板の表面には透明電極が形成されており、さらに透明電極の導電性を補うためにバス電極と呼ばれる電極が形成されている。このバス電極としてはAg電極、Cr−Cu−Cr電極などが用いられている。この透明電極およびバス電極をプラズマ放電から保護するために、プラズマ耐久性に優れたガラスにより前記電極を被覆することが必須である。
このような電極被覆に用いられるガラスは、通常はガラス粉末にして使用される。たとえば、前記ガラス粉末に必要に応じてフィラー等を添加した上で樹脂、溶剤等と混合してガラスペーストとしこれを透明電極等が形成されているガラス基板に塗布後焼成する、前記ガラス粉末に樹脂、さらに必要に応じてフィラー等を混合して得られたスラリーをグリーンシートに成形しこれを透明電極等が形成されているガラス基板上にラミネート後焼成する、等の方法によって前記透明電極等を被覆する。
PDPの電極被覆用ガラスとしては現在PbO含有ガラスが使用されているが、これをPbOを含有しないガラスとするべく開発が行われている(たとえば特許文献1)。
特許文献1には、焼成温度が600℃以下であり、焼成時に失透しにくく、焼成後の外観が無色透明であり、熱膨張係数が60×10−7〜90×10−7/℃であり、PDPの絶縁材料等に好適なものとして、質量百分率表示で、Bi2O3 15〜35%、ZnO 25〜45%、CaO+SrO+BaO 8〜24%、B2O3 10〜30%、SiO2 0.5〜8.0%、の組成を有する絶縁用ガラス組成物が記載されている。そして、実施例として、Bi2O3 17〜26%、ZnO 26〜39%、CaO 9〜19%、SrO 0〜3%、BaO 0〜4%、B2O3 13〜28%、SiO2 2〜7%、の組成を有するガラス組成物6例が開示されている。
特許文献1には、焼成温度が600℃以下であり、焼成時に失透しにくく、焼成後の外観が無色透明であり、熱膨張係数が60×10−7〜90×10−7/℃であり、PDPの絶縁材料等に好適なものとして、質量百分率表示で、Bi2O3 15〜35%、ZnO 25〜45%、CaO+SrO+BaO 8〜24%、B2O3 10〜30%、SiO2 0.5〜8.0%、の組成を有する絶縁用ガラス組成物が記載されている。そして、実施例として、Bi2O3 17〜26%、ZnO 26〜39%、CaO 9〜19%、SrO 0〜3%、BaO 0〜4%、B2O3 13〜28%、SiO2 2〜7%、の組成を有するガラス組成物6例が開示されている。
PDP前面基板において電極を被覆しているガラス層の光透過率はPDP画質向上のため、より高くすることが求められている。
本発明は、PbOを含有しないガラスであってこの光透過率を高くできる電極被覆用ガラスの提供を目的とする。
本発明は、PbOを含有しないガラスであってこの光透過率を高くできる電極被覆用ガラスの提供を目的とする。
本発明は、下記酸化物基準のモル%表示で、B2O3 25〜32%、SiO2 0〜13%、ZnO 35〜60%(35%を除く)、BaO 7〜16%、Bi2O3 3〜7%、Al2O3 0〜5%、から本質的になりPbOを含有しない電極被覆用ガラス(以下、第1のガラスということがある。)を提供する。
また、同表示で、BaOが14%以下、Bi2O3が4%以上である前記第1のガラスを提供する。
また、同表示で、B2O3が28%以上、ZnOが44%以上である前記第1のガラスを提供する。
また、同表示で、B2O3が28%以上、SiO2が8.5%以下、ZnOが59.5%以下、Bi2O3が5.5%以上である前記第1のガラスを提供する。
また、同表示で、BaOが14%以下、Bi2O3が4%以上である前記第1のガラスを提供する。
また、同表示で、B2O3が28%以上、ZnOが44%以上である前記第1のガラスを提供する。
また、同表示で、B2O3が28%以上、SiO2が8.5%以下、ZnOが59.5%以下、Bi2O3が5.5%以上である前記第1のガラスを提供する。
また、下記酸化物基準の質量百分率表示で、B2O3 14〜22%、SiO2 0〜7%、ZnO 25〜50%(25%を除く)、BaO 10〜24%、Bi2O3 13〜30%、Al2O3 0〜5%、から本質的になり、PbOを含有しない電極被覆用ガラス(以下、第2のガラスということがある。)を提供する。
また、同表示で、BaOが19%以下、Bi2O3が18%以上である前記第2のガラスを提供する。
また、同表示で、B2O3が20%以下、SiO2が5%以下、ZnOが36%以上である前記第2のガラスを提供する。
また、同表示で、B2O3が18.5〜20%、SiO2が5%以下、ZnOが36%以上である前記第2のガラスを提供する。
また、同表示で、BaOが19%以下、Bi2O3が18%以上である前記第2のガラスを提供する。
また、同表示で、B2O3が20%以下、SiO2が5%以下、ZnOが36%以上である前記第2のガラスを提供する。
また、同表示で、B2O3が18.5〜20%、SiO2が5%以下、ZnOが36%以上である前記第2のガラスを提供する。
また、表示面として使用される前面基板、背面基板および隔壁によりセルが区画形成されているプラズマディスプレイパネルであって、前面基板を構成するガラス基板上に形成された電極または背面基板を構成するガラス基板上に形成された電極が前記電極被覆用ガラスによって被覆されているプラズマディスプレイパネルを提供する。
PbOを含有しない電極被覆用ガラスを用いたPDPの輝度を高くすることが可能になる。
本発明の電極被覆用ガラス(以下、本発明のガラスという。)は通常、粉末状にして使用される。たとえば、本発明のガラスの粉末は印刷性を付与するための有機ビヒクル等を用いてガラスペーストとされ、ガラス基板上に形成された電極上に前記ガラスペーストを塗布、焼成して電極を被覆する。なお、有機ビヒクルとはエチルセルロース等のバインダをα−テルピネオール等の有機溶剤に溶解したものである。また、先に述べたようなグリーンシート法を用いて電極を被覆してもよい。
PDPにおいては、その前面基板のガラス基板の上に透明電極が形成されており、本発明のガラスはその透明電極の被覆に好適に使用される。なお、この場合のPDPは本発明のPDPである。また、本発明のガラスはPDP背面基板の不透明電極の被覆にも使用でき、この場合のPDPも本発明のPDPである。
前面基板に用いられるガラス基板の厚さは通常2.8mmであり、このガラス基板自体の波長550nmの光に対する透過率(直線光透過率)は典型的には90%である。
前記透明電極は、たとえば幅0.5mmの帯状であり、それぞれの帯状電極が互いに平行となるように形成される。各帯状電極中心線間の距離は、たとえば0.83〜1.0mmであり、この場合、透明電極がガラス基板表面を占める割合は50〜60%である。
本発明のガラスによってPDP前面基板の透明電極が被覆されているその前面基板については、波長550nmの光に対する直線光透過率(T550)は70%以上であることが好ましい。70%未満ではPDPの画質が不十分になるおそれがある。
前記透明電極は、たとえば幅0.5mmの帯状であり、それぞれの帯状電極が互いに平行となるように形成される。各帯状電極中心線間の距離は、たとえば0.83〜1.0mmであり、この場合、透明電極がガラス基板表面を占める割合は50〜60%である。
本発明のガラスによってPDP前面基板の透明電極が被覆されているその前面基板については、波長550nmの光に対する直線光透過率(T550)は70%以上であることが好ましい。70%未満ではPDPの画質が不十分になるおそれがある。
前面基板の電極被覆に本発明のガラスが用いられている本発明のPDPは、たとえば交流方式のものであれば次のようにして製造される。
ガラス基板の表面に、パターニングされた透明電極およびバス電極(典型的にはAg線)を形成し、その上に本発明のガラスの粉末を塗布・焼成してガラス層を形成し、最後に保護膜として酸化マグネシウムの層を形成して前面基板とする。一方、別のガラス基板の表面に、パターニングされたアドレス用電極を形成し、その上に本発明のガラスの粉末もしくはTsが本発明のガラスと同程度であるガラスの粉末、またはこれらガラスの粉末をアルミナ等金属酸化物の粉末、チタニア等の無機顔料などと混合したものを塗布・焼成してガラス層を形成し、その上にストライプ状、格子状などに隔壁を形成し、さらに蛍光体層を印刷・焼成して背面基板とする。なお、前記ガラス層を形成するのにガラスペーストを使用せず、グリーンシート法等を用いてもよい。
前面基板と背面基板の周縁にシール材をディスペンサで塗布し、前記透明電極と前記アドレス用電極が対向するように組み立てた後、焼成してPDPとする。そしてPDP内部を排気して、放電空間(セル)にNeやHe−Xeなどの放電ガスを封入する。
なお、上記の例は交流方式のものであるが、本発明は直流方式のものにも適用できる。
ガラス基板の表面に、パターニングされた透明電極およびバス電極(典型的にはAg線)を形成し、その上に本発明のガラスの粉末を塗布・焼成してガラス層を形成し、最後に保護膜として酸化マグネシウムの層を形成して前面基板とする。一方、別のガラス基板の表面に、パターニングされたアドレス用電極を形成し、その上に本発明のガラスの粉末もしくはTsが本発明のガラスと同程度であるガラスの粉末、またはこれらガラスの粉末をアルミナ等金属酸化物の粉末、チタニア等の無機顔料などと混合したものを塗布・焼成してガラス層を形成し、その上にストライプ状、格子状などに隔壁を形成し、さらに蛍光体層を印刷・焼成して背面基板とする。なお、前記ガラス層を形成するのにガラスペーストを使用せず、グリーンシート法等を用いてもよい。
前面基板と背面基板の周縁にシール材をディスペンサで塗布し、前記透明電極と前記アドレス用電極が対向するように組み立てた後、焼成してPDPとする。そしてPDP内部を排気して、放電空間(セル)にNeやHe−Xeなどの放電ガスを封入する。
なお、上記の例は交流方式のものであるが、本発明は直流方式のものにも適用できる。
本発明のガラスのTsは605℃以下であることが好ましい。605℃超では焼成温度が高くなりガラス基板が変形等するおそれがある。典型的には570〜600℃である。
本発明のガラスのガラス転移点(Tg)は480〜500℃であることが好ましい。
本発明のガラスの50〜350℃における平均線膨張係数(α)は70×10−7〜80×10−7/℃であることが好ましい。
本発明のガラスのガラス転移点(Tg)は480〜500℃であることが好ましい。
本発明のガラスの50〜350℃における平均線膨張係数(α)は70×10−7〜80×10−7/℃であることが好ましい。
本発明のガラスの20℃、1kHzにおける比誘電率(ε)は11.0〜12.5であることが好ましい。εがこの範囲外では、従来使用されているPbO含有・電極被覆用ガラスのεとの相違が大きくなってセルの静電容量が大きく変化し、従来の駆動回路が使用できなくなるおそれがある。
本発明の第1のガラスの組成についてモル%を単に%と表示して以下で説明する。
B2O3はガラスネットワークフォーマであり、必須である。25%未満では焼成して得られたガラス層の透過率(以下、単に透過率ということがある。)が低下しやすくなる。典型的には28%以上である。32%超ではやはり透過率が低下しやすくなる。
SiO2は必須ではないがガラス安定化のために13%まで含有してもよい。13%超では透過率が低下しやすくなる。典型的には8.5%以下である。SiO2を含有する場合その含有量は典型的には3%以上である。
ZnOはTsを低下させる成分であり、必須である。35%以下では透過率が低下しやすくなる。典型的には44%以上である。60%超ではガラスが不安定になる。好ましくは59.5%以下、典型的には52%以下である。
B2O3はガラスネットワークフォーマであり、必須である。25%未満では焼成して得られたガラス層の透過率(以下、単に透過率ということがある。)が低下しやすくなる。典型的には28%以上である。32%超ではやはり透過率が低下しやすくなる。
SiO2は必須ではないがガラス安定化のために13%まで含有してもよい。13%超では透過率が低下しやすくなる。典型的には8.5%以下である。SiO2を含有する場合その含有量は典型的には3%以上である。
ZnOはTsを低下させる成分であり、必須である。35%以下では透過率が低下しやすくなる。典型的には44%以上である。60%超ではガラスが不安定になる。好ましくは59.5%以下、典型的には52%以下である。
BaOはTsを低下させる成分であり、必須である。7%未満では透過率が低下しやすくなる。16%超ではαが大きくなるおそれがある。好ましくは14%以下、典型的には12%以下である。
Bi2O3はTsを低下させる成分であり、必須である。3%未満ではTsが高くなる。典型的には4%以上である。7%超ではαまたはεが大きくなるおそれがある。
Al2O3は必須ではないが、ガラスを安定化させる等のために5%まで含有してもよい。5%超では透過率が低下しやすくなる。Al2O3を含有する場合その含有量は典型的には1.5%以上である。
Bi2O3はTsを低下させる成分であり、必須である。3%未満ではTsが高くなる。典型的には4%以上である。7%超ではαまたはεが大きくなるおそれがある。
Al2O3は必須ではないが、ガラスを安定化させる等のために5%まで含有してもよい。5%超では透過率が低下しやすくなる。Al2O3を含有する場合その含有量は典型的には1.5%以上である。
本発明の第1のガラスは本質的に上記成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分を含有してもよい。その場合、他の成分の含有量の合計は4%以下であることが好ましい。
そのような成分としては、バス電極起因黄変抑制等を目的とするCeO2、MnO2、CoO、ガラスの粘性挙動を緩やかにする等を目的とするMgO、樹脂の分解の促進等を目的とするSnO2、εの調整等を目的とするLa2O3などが例示される。
そのような成分としては、バス電極起因黄変抑制等を目的とするCeO2、MnO2、CoO、ガラスの粘性挙動を緩やかにする等を目的とするMgO、樹脂の分解の促進等を目的とするSnO2、εの調整等を目的とするLa2O3などが例示される。
本発明の第1のガラスはPbOを含有しないが、この他にP2O5も含有しないことが好ましい。P2O5を含有すると透過率が低下するおそれがある。
また、CuOを含有する場合その含有量は0.3%以下であることが好ましい。0.2%超では透過率が低下するおそれがある。
TiO2を含有する場合その含有量は2%以下であることが好ましい。2%超ではガラスが不安定になるまたは透過率が低下するおそれがある。
また、CuOを含有する場合その含有量は0.3%以下であることが好ましい。0.2%超では透過率が低下するおそれがある。
TiO2を含有する場合その含有量は2%以下であることが好ましい。2%超ではガラスが不安定になるまたは透過率が低下するおそれがある。
次に、本発明の第2のガラスの組成について質量百分率表示を用いて説明する。
B2O3はガラスネットワークフォーマであり、必須である。14%未満では透過率が低下しやすくなる。典型的には18.5%以上である。22%超ではやはり透過率が低下しやすくなる。典型的には20%以下である。
SiO2は必須ではないがガラス安定化のために7%まで含有してもよい。7%超では透過率が低下しやすくなる。典型的には6%以下、より典型的には5%以下である。SiO2を含有する場合その含有量は典型的には2%以上である。
ZnOはTsを低下させる成分であり、必須である。25%以下では透過率が低下しやすくなる。典型的には36%以上である。50%超ではガラスが不安定になる。典型的には43%以下である。
B2O3はガラスネットワークフォーマであり、必須である。14%未満では透過率が低下しやすくなる。典型的には18.5%以上である。22%超ではやはり透過率が低下しやすくなる。典型的には20%以下である。
SiO2は必須ではないがガラス安定化のために7%まで含有してもよい。7%超では透過率が低下しやすくなる。典型的には6%以下、より典型的には5%以下である。SiO2を含有する場合その含有量は典型的には2%以上である。
ZnOはTsを低下させる成分であり、必須である。25%以下では透過率が低下しやすくなる。典型的には36%以上である。50%超ではガラスが不安定になる。典型的には43%以下である。
BaOはTsを低下させる成分であり、必須である。10%未満では透過率が低下しやすくなる。24%超ではαが大きくなるおそれがある。好ましくは19%以下、典型的には16%以下である。
Bi2O3はTsを低下させる成分であり、必須である。13%未満ではTsが高くなる。典型的には18%以上である。30%超ではαまたはεが大きくなるおそれがある。
Al2O3は必須ではないが、ガラスを安定化させる等のために5%まで含有してもよい。5%超では透過率が低下しやすくなる。Al2O3を含有する場合その含有量は典型的には1.5%以上である。
Bi2O3はTsを低下させる成分であり、必須である。13%未満ではTsが高くなる。典型的には18%以上である。30%超ではαまたはεが大きくなるおそれがある。
Al2O3は必須ではないが、ガラスを安定化させる等のために5%まで含有してもよい。5%超では透過率が低下しやすくなる。Al2O3を含有する場合その含有量は典型的には1.5%以上である。
本発明の第2のガラスは本質的に上記成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分を含有してもよい。その場合、他の成分の含有量の合計は8%以下であることが好ましい。
そのような成分としては、バス電極起因黄変抑制等を目的とするCeO2、MnO2、CoO、ガラスの粘性挙動を緩やかにする等を目的とするMgO、樹脂の分解の促進等を目的とするSnO2、εの調整等を目的とするLa2O3などが例示される。
そのような成分としては、バス電極起因黄変抑制等を目的とするCeO2、MnO2、CoO、ガラスの粘性挙動を緩やかにする等を目的とするMgO、樹脂の分解の促進等を目的とするSnO2、εの調整等を目的とするLa2O3などが例示される。
本発明の第2のガラスはPbOを含有しないが、この他にP2O5も含有しないことが好ましい。P2O5を含有すると透過率が低下するおそれがある。
また、CuOを含有する場合その含有量は0.2%以下であることが好ましい。0.2%超では透過率が低下するおそれがある。
TiO2を含有する場合その含有量は1.2%以下であることが好ましい。1.2%超ではガラスが不安定になるまたは透過率が低下するおそれがある。
また、CuOを含有する場合その含有量は0.2%以下であることが好ましい。0.2%超では透過率が低下するおそれがある。
TiO2を含有する場合その含有量は1.2%以下であることが好ましい。1.2%超ではガラスが不安定になるまたは透過率が低下するおそれがある。
表1のB2O3からAl2O3までの欄にモル%表示で示す組成となるように原料を調合して混合し、1200〜1350℃の電気炉中で白金ルツボを用いて1時間溶融し、薄板状ガラスに成形した後、ボールミルで粉砕し、風力分級により分級し、ガラス粉末とした。なお、同表にはその質量百分率表示組成もあわせて示す。
このガラスについて次のようにしてTg(単位:℃)、Ts(単位:℃)、α(単位:10−7/℃)、εを測定した。結果を表1に示す。
Tg:示差熱分析装置を用いて測定した。
Ts:示差熱分析装置を用いて測定した。
α:ガラス粉末を成形後、580℃に10分間保持する焼成によって得た焼結体を直径が5mm、長さが2cmの円柱形状に加工し、熱膨張計で50〜350℃における平均線熱膨張係数を測定した。
ε:溶融ガラスを徐冷して板状に成形し、直径50mm、厚さ3mmの直径形状に切削研磨加工し、その両面に金電極を真空蒸着法により形成してサンプルとした。このサンプルの20℃、1kHzにおける比誘電率をLCRメータを用いて測定した。
Tg:示差熱分析装置を用いて測定した。
Ts:示差熱分析装置を用いて測定した。
α:ガラス粉末を成形後、580℃に10分間保持する焼成によって得た焼結体を直径が5mm、長さが2cmの円柱形状に加工し、熱膨張計で50〜350℃における平均線熱膨張係数を測定した。
ε:溶融ガラスを徐冷して板状に成形し、直径50mm、厚さ3mmの直径形状に切削研磨加工し、その両面に金電極を真空蒸着法により形成してサンプルとした。このサンプルの20℃、1kHzにおける比誘電率をLCRメータを用いて測定した。
前記ガラス粉末32.5gを有機ビヒクル12.5gと混練してガラスペーストを作製した。なお、有機ビヒクルは、α−テルピネオールにエチルセルロースを質量百分率表示で10%溶解して作製した。
また、大きさ50mm×75mm、厚さ2.8mmのガラス基板(旭硝子社製PD200)を2枚用意する。フロート法で製造されたこれらガラス基板のトップ面(フロート成形時に溶融スズと接触していない方の面)の48mm×38mmの部分に前記ガラスペーストを均一に100または125μm厚みのメタルマスクを用いてブレードコートし、120℃で10分間乾燥した。これらガラス基板を昇温速度10℃/分で温度がそれぞれ570℃、590℃に達するまで加熱し、その温度に30分間保持して焼成した。このようにしてガラス基板上に形成されたガラス層の厚さは20〜30μmであった。
このガラス層付きガラス基板について、波長550nmの直線光の透過率を以下に述べるようにして測定した。結果を表に示す。なお、T(570℃)、T(590℃)はそれぞれ570℃、590℃で焼成した場合の透過率である。
透過率:日立製作所社製自記分光光度計U−4100を用いて波長550nmの直線光の透過率を測定した(試料のない状態を100%とした)。この透過率は、好ましくは70%以上である。
PDP基板の電極被覆に利用できる。
Claims (9)
- 下記酸化物基準のモル%表示で、B2O3 25〜32%、SiO2 0〜13%、ZnO 35〜60%(35%を除く)、BaO 7〜16%、Bi2O3 3〜7%、Al2O3 0〜5%、から本質的になりPbOを含有しない電極被覆用ガラス。
- 前記表示で、BaOが14%以下、Bi2O3が4%以上である請求項1に記載の電極被覆用ガラス。
- 前記表示で、B2O3が28%以上、ZnOが44%以上である請求項1または2に記載の電極被覆用ガラス。
- 前記表示で、B2O3が28%以上、SiO2が8.5%以下、ZnOが59.5%以下、Bi2O3が5.5%以上である請求項1または2に記載の電極被覆用ガラス。
- 下記酸化物基準の質量百分率表示で、B2O3 14〜22%、SiO2 0〜7%、ZnO 25〜50%(25%を除く)、BaO 10〜24%、Bi2O3 13〜30%、Al2O3 0〜5%、から本質的になり、PbOを含有しない電極被覆用ガラス。
- 前記表示で、BaOが19%以下、Bi2O3が18%以上である請求項5に記載の電極被覆用ガラス。
- 前記表示で、B2O3が20%以下、SiO2が5%以下、ZnOが36%以上である請求項5または6に記載の電極被覆用ガラス。
- 前記表示で、B2O3が18.5〜20%、SiO2が5%以下、ZnOが36%以上である請求項5または6に記載の電極被覆用ガラス。
- 表示面として使用される前面基板、背面基板および隔壁によりセルが区画形成されているプラズマディスプレイパネルであって、前面基板を構成するガラス基板上に形成された電極または背面基板を構成するガラス基板上に形成された電極が請求項1〜8のいずれかに記載の電極被覆用ガラスによって被覆されているプラズマディスプレイパネル。
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