JP2007099186A - 車両の荷室構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両には荷物を載置する荷室40と、荷室40を開閉できるドアが備えられており、荷室40として、常温で配送する荷物が載置される常温容積荷室50、冷蔵で配送する荷物が載置される冷蔵容積荷室60、及び冷凍で配送する荷物が載置される冷凍容積荷室70を有する車両の荷室構造10において、ドアは、複数個設けられており、冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70は、複数個のドアのうち1つのドアの開閉によって車両の外側から荷物を直接取り出すことのできる直接開放状態又は閉鎖状態のいずれかの状態とされる構成とした。
【選択図】 図1
Description
一方、冷蔵庫搭載式配送車によれば、常温容積荷室、冷蔵容積荷室、及び冷凍容積荷室の3つの容積荷室を有するので、1台の配送車で3つの温度帯で荷物を配送することができる。ただ、冷蔵庫搭載式配送車は、荷物の取り出し作業をするとき、非常に手間がかかるという問題が指摘されていた。すなわち、配送担当者は、車両のドアを開けて荷室に乗り込み、さらに冷蔵庫のドアを開けて荷物を取り出さなければならないという問題が指摘されていた。
まず、第1の発明は、車両には荷物を載置する荷室と、該荷室を開閉できるドアが備えられており、前記荷室として、常温で配送する荷物が載置される常温容積荷室、冷蔵で配送する荷物が載置される冷蔵容積荷室、及び冷凍で配送する荷物が載置される冷凍容積荷室を有する車両の荷室構造であって、前記ドアは、複数個設けられており、前記冷蔵容積荷室及び冷凍容積荷室は、前記複数個のドアのうち1つのドアの開閉によって車両の外側から荷物を直接取り出すことのできる直接開放状態又は閉鎖状態のいずれかの状態とされることを特徴とする。
この第1の発明では、冷蔵で配送する荷物と冷凍で配送する荷物の取り出し作業は、1回のドアの開閉操作で行われる。すなわち、冷蔵容積荷室及び冷凍容積荷室を開放するドアの開放操作で配送担当者が荷物を直接取り出すことのできる直接開放状態とし、冷蔵容積荷室及び冷凍容積荷室を閉鎖するドアの閉鎖操作で両荷室が閉じた状態となる閉鎖状態とする。これにより、配送担当者は冷蔵で配送する荷物と冷凍で配送する荷物の取り出し作業を極めて簡単に行うことができる。一方、常温で配送する荷物の取り出し作業は、冷蔵容積荷室及び冷凍容積荷室の開閉操作で使用するドア以外のドアの開閉操作によって行うことができる。
この第2の発明では、冷凍容積荷室の冷却装置で冷却された冷気が送風装置によって冷蔵容積荷室に送られる。そして、冷蔵容積荷室の冷気は隙間を通って冷凍容積荷室と流れ込む。このように、冷蔵容積荷室の冷気の流路が確保されることで冷蔵容積荷室及び冷凍容積荷室内を効率的に冷却することができる。
まず、第1の発明によると、配送担当者は1回のドアの開閉操作により冷蔵で配送する荷物と冷凍で配送する荷物の取り出しが可能となるので、これらの荷物の取り出し作業を極めて簡単に行うことができる。
次に、第2の発明によると、冷蔵容積荷室の冷気の流路を確保することで冷蔵容積荷室及び冷凍容積荷室内を効率的に冷却することができる。また、冷蔵容積荷室内の冷気を隙間から冷凍容積荷室内へと流れる構成としたので、別途冷気の流路を確保するためのダクトを設ける必要がない。このため、その分車両の荷室内の荷室容量を確保することができる。
なお、右側サイドドア14と左側サイドドア15は、いわゆる半ドアの状態まで閉めれば、強制的にドアを全閉位置まで閉じるイージークローザー装置を備えた構成となっている。これにより、冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70の気密性が高いことによるドアの閉まり具合の不良を防止することができる。
なお、図1に示すように荷室40の下側には、電気を蓄えるコンデンサ48が備えられ、荷室40の天井には荷室内を照らす切換え式の室内灯49が備えられている。
図1に示すように、常温容積荷室50は、荷室40のうち冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70以外の空間領域であり、他の容積荷室60、70の空間領域よりも大きい領域を占めている。より具体的には、常温容積荷室50は、図1で見て冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70の左側と後方の領域を占めている。
なお、荷物の種類による配送頻度を考慮すると、常温容積荷室50、冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70の荷室40における容積割合は、9:1.25:1にすることが好ましい。
図1に示すように、冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70は、車両の前進進行方向で見て車両の荷室の幅方向中央位置よりも右側前方に配置されている。このため、常温で配送する荷物の取り出し作業は車両の左側から行われる。これにより、配送担当者は車両右側での車の通行などをさほど気にすることなく荷物の取り出し作業が行うことができる。また、冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70の左側にスペースを確保することで、荷室内に長尺状の荷物を載置しやすくなる。
また、図3に示すように、右側サイドドア14は、アウターパネルとインナーパネルを接合したドアパネル本体14cの上部にガラス窓Gが設けられている。このガラス窓Gの車外側(図3で見て右側)には白フィルム14aが貼り付けられ、車内側(図3で見て左側)にはウレタンUが貼り付けられ、さらにこのウレタンUの車内側にはABS樹脂14bが貼り付けられている。また、この右側サイドドア14のその他の部分についても車内側の側面にはウレタンUが貼り付けられ、このウレタンUの車内側にはABS樹脂14bが貼り付けられている。このように、ウレタンUが貼り付けられることにより、右側サイドドア14の断熱性が確保されている。
また、右側サイドドア14を開放すると、自動車1の開口部位が形成されると共に冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70の開口部位が形成される構成となっている。一方、右側サイドドア14が閉鎖すると、自動車1の開口部位が閉じていくと共に冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70の開口部位も閉じられる構成となっている。この右側サイドドア14が閉鎖する作用によって冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70の気密性が確保される。
まず、運転席20及び助手席と荷室40を仕切る仕切り壁42を自動車1のフロア上に立設する。次に、仕切り壁42の後方で自動車1の幅方向の略中央位置でフロア44を設置する。次に、後方側壁86をフロア44の後方側の端部と接合すると共に立設する。次に、仕切り壁42の高さ方向の略中央位置に隔壁88を設置する。次に、自動車1の幅方向の略中央位置で仕切り壁42に対して直角方向に中央側壁84を立設する。このような設置方法により、荷室40を、常温容積荷室50、冷蔵容積荷室60、及び冷凍容積荷室70の各容積荷室とすることができる。このとき、仕切り壁42、中央側壁84、及び隔壁88を薄型軽量のパネル形状に形成すれば、自動車1の全体重量を軽減させることが可能になる。これにより、燃費のよい配送車を提供することができる。
以上のような構成により、冷凍容積荷室70は、冷却装置72によって冷却されておおよそ−5℃〜−20℃に保たれる。冷凍容積荷室70の冷却された冷気は送風装置74によって冷蔵容積荷室60内に送られる。この送られた冷気を利用して冷蔵容積荷室60内はおおよそ5℃〜−5℃に保たれる。そして、冷蔵容積荷室60の冷気は、冷蔵容積荷室60と冷凍容積荷室70とを仕切る隔壁88とドアとの間に形成された隙間Kを通って冷凍容積荷室70に流れ込む。図3においては図示した矢印方向に冷気が流れ込む態様となる。このような構成で冷蔵容積荷室60での冷気の流路を確保しておくと、別途ダクトを用意する必要がない。また、冷気の流れがスムーズとなり、冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70を効率良く冷却することができる。
図5に示すように、仕切り壁42は、カラー鋼板Cとパネル状のアルミAlがウレタンUを挟んだサンドウィッチ構造となっており、仕切り壁42の荷室40側の表面は、アルミAlの部分を切り出してウレタンUを底とする溝部42a、42bが細幅状に形成されている。溝部42aは、図4で見て仕切り壁42の幅方向の略中央位置で上下方向に形成され、溝部42bは、前記上下方向に形成された溝部42aの途中位置から右方向に形成されている。また、溝部42aには中央側壁84が嵌め込まれて接合され、溝部42bには隔壁88が嵌め込まれて接合される構成となっている。なお、仕切り壁42は、軽量化のため2つのパネル状のアルミAlの間にウレタンUを挟んだサンドウィッチ構造としてもよい。
そして、図4に示すように、仕切り壁42は、中央側壁84と隔壁88が嵌め込まれて接合されたとき、常温容積荷室50を仕切る壁として対応する区画P、冷蔵容積荷室60を仕切る壁として対応する区画Q、及び冷凍容積荷室70を仕切る壁として対応する区画Rに分割される。これにより、各区画間での温度が伝わりにくくなるので、各容積荷室内の温度が良好に保たれる。また、仕切り壁42を構成する素材としてアルミAlを使用することで冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70をいち早く冷却することが可能となる。
なお、区画Pの上方位置には運転席20の位置から左後方を確認するためののぞき窓Wが形成されている。これにより、自動車1の左側の巻き込みが防止される、駐車しやすくなり、バックモニタが不要となる、といった効果が得られる。
図7は、右側サイドドア14を開いた状態を示す斜視図である。図7に示すように、本実施の形態では、冷蔵で配送する荷物と冷凍で配送する荷物を配送する場合、配送担当者は運転席20から降りて右側サイドドア14を開放し、荷物を直接取り出すことのできる直接開放状態とする。そして、荷物の取り出し作業を行い、右側サイドドア14を閉鎖して冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70を閉鎖状態とする。このとき、配送担当者は、荷室40の中にいちいち乗り込む必要がないので、荷物の取り出し作業を手早く行うことができる。また、1回のドアの開閉操作で荷物の取り出しが可能となるので、荷物の取り出し作業を極めて簡単に行うことができる。
また、自動車の外から右側サイドドア14をスライド操作することによって冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70を開閉することが可能であるため、荷室40内のデッドスペースを低減することができる。すなわち、従来の荷室40内でドアを開閉する冷蔵庫搭載式配送車では、荷室40内にドアを開閉するだけのスペースを確保する必要があるが、本実施の形態は、荷室40内にドアの開閉のために別途スペースを確保しなくても済むものである。
一方、配送担当者が常温で配送する荷物を配送する場合、配送担当者は運転席20から降りて左側サイドドア15又はバックドア16から荷物の取り出し作業を行う。配送車を一般道路の左側に寄せてに駐停車したとき、配送担当者は常温で配送する荷物の取り出し作業を効率よく行うことができる。
例えば、上記実施の形態では冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70の開閉は、右側サイドドア14によって行ったが、冷蔵で配送する荷物と冷凍で配送する荷物の量や大きさによっては左側サイドドア15またはバックドア16によって開閉操作を行う構成としてもよい。
また、例えば、上記実施の形態では冷蔵容積荷室60と冷凍容積荷室70は、冷凍容積荷室70が下方として上下方向に配置されている構成を示したが、この構成に限定されるものではない。すなわち、冷蔵容積荷室60と冷凍容積荷室70は、上下方向逆の配置としてもよいし、並列して左右方向に配置されている構成としてもよい。
さらに、例えば、図8に示した構成とすることも可能である。すなわち、冷蔵容積荷室60及び冷凍容積荷室70の右側サイドドア14側の上部位置で自動車1の前後方向にカーテンレール92を形成し、このカーテンレール92にカーテン94を沿わせて開閉可能とした構成としてもよい。このとき、冷蔵容積荷室60又は冷凍容積荷室70のいずれか一方の容積荷室から荷物を取り出すときには他方の容積荷室からの冷気モレを極力防止することができる。
10 荷室構造
14 右側サイドドア
15 左側サイドドア
16 バックドア
36 ホールドベルト
40 荷室
42 仕切り壁
46 ホイールハウスカバー
50 常温容積荷室
60 冷蔵容積荷室
67a、67b 樹脂製スノコ
70 冷凍容積荷室
72 冷却装置
74 送風装置
84 中央側壁
86 後方側壁
88 隔壁
Al アルミ
G ガラス窓
K 隙間
U ウレタン
W のぞき窓
Claims (2)
- 車両には荷物を載置する荷室と、該荷室を開閉できるドアが備えられており、前記荷室として、常温で配送する荷物が載置される常温容積荷室、冷蔵で配送する荷物が載置される冷蔵容積荷室、及び冷凍で配送する荷物が載置される冷凍容積荷室を有する車両の荷室構造であって、
前記ドアは、複数個設けられており、
前記冷蔵容積荷室及び冷凍容積荷室は、前記複数個のドアのうち1つのドアの開閉によって車両の外側から荷物を直接取り出すことのできる直接開放状態又は閉鎖状態のいずれかの状態とされることを特徴とする車両の荷室構造。 - 請求項1に記載の車両の荷室構造であって、
前記冷蔵容積荷室と前記冷凍容積荷室は、上下方向に配置されており、
前記冷凍容積荷室には、該冷凍容積荷室を冷却するための冷却装置が設けられており、前記冷却装置で冷却された冷気は、該冷凍容積荷室から前記冷蔵容積荷室に送風する送風装置によって送られる構成となっており、
前記冷蔵容積荷室と前記冷凍容積荷室とを仕切る隔壁とドアとの間には隙間が形成されていることを特徴とする車両の荷室構造。
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