JP2007098909A - アール角稜付き化粧シート貼り木質部材の製造方法および木質部材 - Google Patents

アール角稜付き化粧シート貼り木質部材の製造方法および木質部材 Download PDF

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Abstract


【課題】フラッシュ扉やテーブルや家具類用の、アール角稜と緩衝機能付き化粧シート中空組み立て木質部材の製造方法およびその製品を提供すること。
【解決手段】化粧シート貼り木質平板材1を折り曲げて強度骨材2に貼付する木質組み立て部材の製造方法において、木質平板材の裏面4に、溝底中央部6の溝底残肉厚tが極薄肉の特定範囲のほぼ平らな溝5を加工して、この溝内には流体接着剤を少なくとも折り曲げ組み立て後に溝底部を覆い尽くすに十分な量を供給する。その溝部5で化粧シート3が外面になるように折り曲げて、強度骨材2と木質平板材の裏面4とを水性・水溶性接着剤塗布と加熱押圧により接着組立てる。この方法で製造する過程において、その加工溝内に天然ゴムラテックス系、シリコンゴム系ほかの復元性能をもつ高分子材料などを塗布した緩衝効果のある製品である。
【選択図】図1

Description

本発明は化粧シート貼り木質組み立て部材の製造方法およびその製品に関するものである。
化粧シート貼り木質部材にコーナーアール(R、アール)を必要とする場合には、木質基材の角稜部のアール加工を終えた後に、真空法などにより化粧シートをこれに貼付する方法がとられていたが、この方法は寸法制限が大きく、生産性が低くコスト高となっていた。また真空法は最も広い面積を有する主面を基準に作業が行われるため、その背面や側面や背面寄りの角稜部への化粧シートの貼付は難しかった。そのため現実的には各面に別の部材を貼付して組み立てる方法が多用されているが、その多くはコーナー部で化粧シート切れていたり、損傷されやすい状態であり、商品価値が低く、使用中に接着部が剥がれるトラブルも続出していた。また扉やテーブルなどの角稜部に身体をぶつけて負傷することや、取り扱い中に角稜部が傷付きやすかった。
化粧シート貼り木質平板材料の曲げ加工技術は、木質材料には金属材料や高分子材料のような延性がなく、曲げ加工により破損するために、その裏面に複数の平行V溝を刻んで、これが閉じる方向に折り曲げて多角疑似円弧とするか、その板厚の数倍以上の大きなアールとすることしかできなかった。
この木質材料の破損を軽減するために、化粧シート貼り平板の化粧シートのみを残して横断面がV字状の溝(V溝)を刻設して木質材料を部分除去し、あるいは木質材料の厚みを表面にわずかに残して、溝を閉じるように曲げることが試みられていたが、曲げ加工中や製品として使用中に角部の化粧シートや木質部材が破損し易く、角部形状の仕上がり状態が安定せず、商品価値は低かった。
浅めの複数の平行V溝では多角形の近似円弧しか得られないだけでなく、V溝間隔を接近させると切削ないし研削加工中に溝側面が破損して形状が乱れ、この不整がアール部に現れた。また内面にアールや多角が残れば、補強骨材である心材の角稜部も、あらかじめこれに合った形状に加工しておく必要があり、加工工程が多くなるだけでなく、それでも結局、小アール角稜付き化粧シート貼り木質部材は得られなかった。
化粧シート貼りの扉やテーブルなどの端部は、多くの場合に別の木質材料や金属や高分子材料が、端部保護材料や緩衝材料や勘合材料として貼付ないし装着されており、美観やコストの観点から改善が望まれていた。
例えば特開平09−112147号公報はフラッシュ扉の反り防止方法であるが、端面には別の縁材(補強骨材)を使用しており、曲げ加工は行っていない。
特開平09−317334号公報には化粧シートを貼り付けた框材(補強骨材)が示されているが、化粧シート貼り平板は曲げられてはいない。
特開2003−253969号公報にはフラッシュ構造のドア部材の平板基材先端近くをVカット加工して直角に曲げているが、外側角は尖っており、アールではない。
特開2003−211418号公報には合板心材のVカット曲げ方法及びその方法を用いて製造した折り曲げ合板心材の技術が開示されているが、この技術は曲げ外側を板厚にほぼ等しい小アールとすることはできない。
特開平06−344509号公報はVカット用化粧板の製造方法であるが、基材の裏面にV字型の切削溝を形成し、その切削溝を折り曲げ接着するが、曲率の大きな疑似円弧しか形成できない。
特開平07−259244号公報には曲端縁を有する化粧複合板及びその製造方法が示されているが、曲げ半径が心材厚みに化粧平板2枚を加えた半分と非常に大きい。
特開2003−033902号公報には加熱真空プレスによるVカット位置で折り曲げ成形するパネルの製造方法が示されているが、この方法ではコスト高になるばかりでなく、小さなアールの90度曲げは材料破断により難しい。
本発明は品質の優れた小アール角稜付き化粧シート貼り木質部材を、安価に大量生産する方法を提供することを第1の目的とする。また1ないし5カ所を継目なく曲げた角稜付き化粧シート組み立て木質部材の製造方法を提供することを第2の目的とする。さらに本発明はコーナーアール部が損傷し難く、身体をぶつけても負傷しにくい緩衝能力のあるアール角稜付き化粧シート組み立て木質部材を提供することを第3の目的とする。
本発明の製造方法は次のように構成して課題を解決する。
1 化粧シート貼り木質平板材1を折り曲げて強度骨材2に貼付する木質組み立て部材の製造方法において、化粧シート3の一面には油性・油溶性接着剤を塗布して、この塗布面をロールまたは減圧加熱により前記の木質平板材1の表面に押圧貼付して接着する公知の化粧シート貼り木質平板材製造工程の後に、この接着が完了した化粧シート貼り木質平板材の裏面4に、折り曲げ位置溝5を加工すること、そしてその溝底中央部6はほぼ平らで、この部分の溝底残肉厚tは0.05ないし0.50mmの極薄範囲に加工すること、そしてこの溝内には流体接着剤を少なくとも折り曲げ組み立て後に溝底部を覆い尽くす量を供給すること、そしてこの流体接着剤は溝端部から自重では流失しない程度の高粘度であって、加熱冷却後ないし時間経過により固体化するものであること、そしてこれに続く加工工程は化粧シート貼り木質平板材をその溝部5で化粧シート3が外面になるように折り曲げて、強度骨材2と木質平板材の裏面4とを接着する組立工程であって、この接着予定面のいずれか一以上に水性・水溶性接着剤を塗布すること、そしてこれらの接着予定面は水性・水溶性接着剤を介して接する状態で電磁波加熱しながら押圧して、水性・水溶性接着剤を急速に加熱脱水硬化させて製造することを特徴とするアール角稜付き化粧シート貼り木質部材の製造方法である。
2 前記の課題を解決するための手段1項記載の方法で製造する過程において、その加工溝内に天然ゴムラテックス系、シリコンゴム系、ブチルゴムやイソプレンゴムほかの合成ゴム系、エラストマーとして総称される復元性能をもつ高分子材料など、固体化後に復元性能をもつ流体接着剤を、復元性能をもつ線材ないし管材の同封を可として、少なくとも折り曲げ組み立て後に溝底部を覆い尽くす量を供給することを特徴とするアール角稜付き化粧シート貼り木質部材である。
本発明に用いる木質平板材1は、単板のほか、合板(Plywood 交差積層板)や、木材の小片(チップ)に接着剤を加えて熱圧成型したPB(Particle Board 削片板)や、間伐材などを繊維状にして熱圧成型したMDF(Medium Density Fiberboard、中密度繊維板)やLVL(Laminated Veneer Lamber 同方向積層板)を用いることができる。
本発明で用いる強度骨材2は、安価で加工が容易な木質材料のほか、高分子材料や金属材料を用いることができる。強度骨材の一部として弾性のある板材ないし形断面材10を組み合わせることができる(図1)。
本発明で用いる化粧シート3の材質や厚みは、ラッピング加工用として用いられるものであれば良く、積層フィルムシートやエンボス加工があっても良く、繊維や金属箔を含んでいても良い。この化粧シートは並の引っ張り強さと、3%以上の破断伸び特性があれば良く、市販の化粧シートのほとんどはこの条件を満たしている。このような化粧シートの材質例としては、PVC(塩化ビニル樹脂)やオレフィン系やPET系のほか、化学繊維などを含むコート紙や布や金属箔貼付シートや金属蒸着シートも用いることができる。
本発明で用いる油性・油溶性の接着剤とは、有機溶剤を媒質または溶媒の主成分とする粘着剤または接着剤であって、有機溶剤の揮発、または溶剤ないし溶質の個体化ないし化学反応にともなって、接着力ないし粘着力が強化安定するものの総称である。一般に油性接着剤、油溶性接着剤、非水性接着剤、溶剤系接着剤などと略称されているものを含み、1液タイプのほか、使用直前に硬化剤を混合する2液タイプなど複液タイプも用いることができ、特に限定されるものではない。
本発明に用いる代表的な油性・油溶性の接着剤としてはポリウレタン樹脂を主剤とするものを用いることができ、粘着性のある接着剤としては天然ゴムラテックスを主成分とするものを用いることができる。以下、油性・油溶性の接着剤を油性接着剤と略記する。
粘着剤は接着後に剥がすことができるもの、場合によっては再接着可能なものに限定する呼び方もあるが、本発明技術には接着剤と粘着剤のいずれも用いることができるので、本発明の接着剤には粘着材を含むものとする。
本発明で用いる水性・水溶性の接着剤とは、水を媒質または溶媒の主成分とする粘着剤ないし接着剤であって、脱水にともなって接着力ないし粘着力が強化安定するものの総称であり、一般に水性接着剤と略称されているものを含んでいる。例えば水性・水溶性の接着剤として、アクリル系、水溶性合成ゴム系、水性ビニルウレタン系、イソシアネート系、ユリア系、メラニン系、フェノール系、レゾルシノール系、酢酸ビニルエマルジョン系ほかを主成分とするもの、あるいは通称木工ボンドほかを用いることができ、特に限定されるものではない。また必要に応じて粘度調整材や架橋剤や媒質や溶媒を加えて、粘度や硬化時間を調節することができる。以下、水性・水溶性の接着剤を水性接着剤と略記する。
本発明の溝加工には多軸駆動刃物間に材料を貫通進行させて切削するモルダーや、多軸駆動刃物位置を数値制御して材料を切削するルーターが切削機械として適している。このほかサンダーほかの研削機械を用いることができる。この際に刃物の回転方向は正逆(アンダーカット、アッパーカット)いずれも用いることができる。
本発明で用いる加熱押圧装置は、組み立て部材の形状を接着固定するものである。内部に用いる接着剤は内部発熱が可能な水分を含む水性接着剤であって、電磁波加熱によって化粧シートよりも優先的に発熱させて急速個体化させるのが最も良い。この接着剤が接着強度を増し、形状が固定するまで押圧を加える。
本発明で電磁波加熱に変えて放射熱加熱や伝熱加熱を行うこともできるが、表面の化粧シートを介して入熱することになり、化粧シートが温度上昇により損傷しやすくなる。この場合には厳密な温度管理が必要になるので、電磁波加熱が操業の容易さから最適である。
本発明は前記のように構成することによって、次のような作用や効果を発揮できる利点がある。
1 木質平板材1には直線溝を加工する。この溝によってこの位置での折り曲げが容易になる。折り曲げ後に角稜アール表面となる部分は木質平板材の溝5位置の化粧シートである。化粧シートも溝底の木質材料も単独では破損しやすいが、両者が接着されて複層の一体化された材料となると強度が向上し、無損傷ハンドリングが容易になる。
2 化粧シート貼り平板の溝加工工程では、溝底中央部6はほぼ平らで、その残肉厚tを0.05ないし0.50mmの極めて薄く加工して木質材料を残している。この残された木質材料層によって、加工工具により化粧シートが疵付けられることを防ぐことができる。ほとんどの化粧シートは切り欠き脆性があり、刃物疵が生じると、これが破断の始点となって容易に破断してしまう。
またほとんどの化粧シートは透明度が高く、基板の状態が化粧シート膜を通して美観に影響を及ぼしやすいが、木質材料が全面にあることは、均質に見せるために重要である。
さらにこの木質材料層が残っているために、折り曲げ加工や製品の状態の溝形状が乱れず、位置ずれや化粧シートの皺が生じにくくなる効果がある。
3 化粧シートと木質平板材とが接着された状態で溝加工するため、溝加工中に木質平板は破損しにくくなっている。また木質平板の接着面には接着剤が浸透固化して、高分子材料との複合材料となっており、強度が向上して破壊や切削に対して強靱になっているので、適正な切削条件を選べば極薄肉に仕上げることが可能になる。この溝底の薄肉部の幅は、ほぼ曲げ部全域に及ぶ。すなわち、この薄肉部分でのみ曲げられるため、溝底薄肉部幅が円弧長となり、曲げ半径にほぼ等しくなる。直角曲げで4分の1円弧となるから、溝底幅は曲げ半径の約1.6倍と計算できるが、刃物のコーナーアールしろや工業的なバラツキを考慮して、経験的にこれより小さめに溝底平坦部幅は修正される。すなわちコーナーアールはこの溝底幅によって従属的に変わるものであることを前提として、目的とするコーナーアールに対応する溝底幅を選定するのである。
この木質材料に接着剤成分が浸透して複合材料化した層は、溝底切削の加工熱が接着剤に一瞬遅れて伝熱され、切削直後に化粧シート側からの接着剤浸透層が拡大して強固となる。溝底にはこの接着剤の浸透が届いていないことが多いが、切削直後に塗布する接着剤が溝底側から加工熱により急速に浸透する効果により、複合層を厚くすることができる。このような溝底部の両側からの複合材料化は、V溝切削では溝底の発熱不足や周囲への熱伝達により得られ難く、本発明のように溝底を平坦化加工することによってはじめて安定的に得られる効果である。
このような薄くて強い木質材料と化粧シートと弾性のある接着剤の組み合わせが、後の折り曲げ加工や、弾力ないし復元性能の優れたコーナー部材の商品価値を高めるうえで重要な役割を果たすことになる。
4 木質材料は曲げに対して破壊されやすいが、これを本発明のように極薄肉にすることによって小アール曲げが可能になる。すなわち、材料は限界ひずみを超えると破損するのであるが、平板の曲げひずみは、同じ曲げ半径であれば板厚に比例する。例えば板厚10mmと1mmの板を同じ曲げ半径に曲げれば、表面のひずみは10対1であり、後者は前者に対して10分の1の小さな曲げ半径まで曲げ可能になる。従って本発明のように木質材料を極薄化することによって、従来得られなかった小さな曲げ半径や柔軟な複合薄板を得ることができるようになる。内層に復元性のある柔軟材料を配置して、身体をぶつけた場合や、この組み立て部材コーナー部の変形に対しても破し損に難く、復元して損傷を防ぐことも可能になる。
5 溝内部にほぼ充填する接着剤は乾燥によって収縮して化粧シートに皺を生じやすいが、溝底木質材料の複合層が強靱であり、外面に近い接着剤が先に固体化していることによって、それは軽減される。特に曲げ加工前に溝底部の接着剤が個体化開始している程度に時間をおいて折り曲げるのが良いが、そうすれば化粧シート面への皺の影響や、溝底部破断を改善できる。本発明のように溝内の接着剤に弾性がある場合や復元性能をもつ線材ないし管材を同封する場合には、折り曲げ時の圧縮ひずみが乾燥収縮ひずみを補って余りあるので、化粧シートは張られた状態にあり、この皺は生じにくい。
6 すなわち溝加工直後の同一ライン上で、溝底部に後工程で用いる接着剤の性能を損なわない接着剤、例えば同種の接着剤を塗布して、折り曲げに先立ち乾燥固化を進めておくことによって、これが高分子材料層として溝底部を強化して破損を防止できるようになる。この接着剤は溝底薄板表層の保護膜としてだけではなく、脆弱な木質材料内部に浸透して、この高分子材料が浸透固化して、先の化粧シートの接着剤の浸透と両面から溝底木質材料を複合強化することになる。
折り曲げ加工中やその後の搬送中や使用中にも過酷な応力やひずみを受けるコーナー部において、脆弱だった木質材料は、極めて薄いためにそれ自体が両面から高分子材料が浸透して複合材料の状態にあり、曲げなどの大きなひずみに耐えることができ、しかも化粧シートと溝底に塗布して固体化した接着剤に包まれているため、破断しにくい環境になっている。
この条件を作り出す溝底の接着剤は、弾性ないし復元性能の良いもので、それが生乾きで溝の形になじみやすい時に曲げ加工するのが最も良い。この接着剤は強度骨材との接着を目的とするものではなく、溝内における位置関係の安定と弾性ないし復元性能に寄与するものであるが、本来接着性能を有しているので、周囲の部材との位置関係を保つ接着は好ましい。
7 曲げ加工の最中には表面の化粧シートには破壊の原因となる引っ張り応力、内側の木質部材薄層に破壊を生じ難い圧縮応力が作用するので、木質部が破壊する可能性は著しく低くできる。仮に折り曲げ時に木質部で破壊が生じたとしても、化粧シートに接着された状態で、内層の新たな接着剤が浸透して、破壊部は修復されて複合材料となる。
8 次の接着組み立て工程で、化粧シート貼り木質平板材をその溝部で折り曲げ、強度骨材2と木質平板材の裏面4とを接着するように組み立てる。この強度骨材2の隣接する接着予定面は、図3のようにアール部以外を固定しようとする場合には、強度骨材の稜角を折り曲げ角の補角にすれば、その接着予定面に水性接着剤を塗布して、ここに木質平板材1の接着予定面を合わせるように折り曲げて、目標の折り曲げ角度に安定させることができる。
9 これらの接着予定面は水性接着剤を介して接する状態で電磁波加熱しながら押圧して、水性接着剤を加熱脱水硬化させる。このとき粘着材・接着剤中の水分が電磁波により化粧シートの接着剤よりも優先的に加熱され、早期に脱水硬化して短時間で接着機能を発揮させる。この熱が溝内の接着剤や化粧シートの油性接着剤に伝達されて、曲げによる内部応力の不均一は解消される。溝内の接着剤が水性の場合には、それ自体も優先発熱して個体化が急速に進む。
10 この時の投入電力は化粧シート外面が160℃を越えない範囲に昇温させる値が適当である。高温になると水性潤滑剤の固体化時間は短くてすむが、化粧シートの変形や破損を生じやすくなる。
11 本発明によって製造した化粧シート貼り木質部材のアール部は、必然的に接着剤に富むようになり、脆弱だった木質材料は接着剤により複合材料化されて強化されている。天然ゴムラテックスなどの弾性粘着剤を溝底部に塗布しておけば、この成分も木質材料に浸透して複合材料化し、組み立て後にこの接着剤はクッションとしても機能するようになる。
12 本発明では固体化後に復元性能をもつ流体接着剤を、復元性能をもつ線材ないし管材の同封を可として、アール部や端部に挿入することによって、緩衝効果や復元性能をもたせることができるようになる。ここで復元性能をもつ線材ないし管材の同封を可とする理由は、接着剤の時効による復元性能喪失の影響を受けずに復元性能を維持できること、高価な接着剤の使用量を減らして、固体化時間を短縮しコストダウンがはかれることなどから、厚めの平板に対しては復元性能をもつ線材ないし管材の同封が本発明の最適条件となっている。
本発明でコーナーアール部だけに緩衝効果や復元性能をもたせることや、その効果が必用でない場合には、溝内部の接着剤に弾性のないものだけを使い、小アール角稜付き化粧シート貼り木質部材を提供することができる。
13 本発明では化粧シート貼り木質平板の、接着剤により高分子複合材料となった木質層を薄く残す加工を行うことによって、小アール曲げを可能にする。そして木質部材の溝底を接着剤によって覆った状態に補強することによって、その部分の耐久性を高分子材料と同等まで向上できるようになる。そのため本発明によりこの部分に緩衝性能を付加することができるようになる。
14 本発明により小アール角稜付き化粧シート貼り木質部材を安価に大量生産する方法を提供することができるようになる。また1ないし5カ所を継目なく曲げた小アール角稜付き化粧シート中空組み立て木質部材の製造方法や、コーナーアール部が損傷しにくい小アール角稜付き化粧シート組み立て木質部材の提供もできるようになる。
課題を解決するための手段に示す方法において、図4に示すモルダーによる連続切削工程により、木質合板肉厚が2.50mmの化粧シート貼り木質平板材を、送りロールF1、F2により進行させながら、第1軸C1に2枚のディスク刃物を重ねて、木質平板面4に2条の溝の粗加工を行い、続けて第2軸C2の2枚のディスク刃物により前記2条の溝の仕上げ加工を行い、続けて溝周辺の塵埃を塵埃除去ノズルMから吹き出す高速気流により除去したのち、溝底6に接着剤7を接着剤吐出ノズルNから所定の量を吐出する。
次工程は例えば切削加工後の断面は図3に示す形状であり、その左半分が折り曲げ前、右半分が折り曲げ後である。この例では2条の溝5内に接着剤7と管材8がある。管材は木質平板の板厚が大きな場合に弾性ないし復元性能向上と接着剤量節減のために挿入すれば、その効果のほか接着剤使用量や乾燥時間の短縮などのコストダウン効果が大きい。しかし本発明には木質平板肉厚が薄い場合には溝空隙は小さく、接着剤の量は本来少ないから、管材の挿入を省略する場合も含んでいる。
図3の例ではコーナーアール部だけが緩衝効果や復元性能をもつが、その効果が必用でない場合には、本発明では溝内部の接着剤に弾性のないものを使い、小アール角稜付き化粧シート貼り木質部材を得ることができる。
実施例1項に示す本発明の実施例において、ディスク刃物を1枚増やして3条の溝加工を同時に行う。すなわち、木質平板面に第1軸C1に3枚のディスク刃物を重ねて3条の溝の粗加工を行い、続けて第2軸C2の3枚のディスク刃物により前記3条の溝の仕上げ加工を行い、続けて溝とその周辺の塵埃を塵埃除去ノズルMから吹き出す高速気流により除去したのち、溝底6に接着剤7を接着剤吐出ノズルNから所定の量吐出する。
その加工後の断面は例えば図1または図2に示す形状であり、両図とも左半分が折り曲げ前、右半分が折り曲げ後である。3条の溝5内には接着剤7と管材8が示されている。管材は木質平板の板厚が大きな場合に弾力性向上と接着剤節約のために挿入すればその効果が大きいが、例えば木質平板肉厚が2.50mmと薄い場合にはその挿入を省略できる。このような薄肉でも、例えば引き戸を閉める際の緩衝効果をねらう場合には内部に弾性のある板材ないし形断面材10を挿入するほか(図1)、管材8の挿入も大いに有効である。
このように木質平板材の溝加工を粗加工と仕上げ加工に分割し、かつ同一面に複数条の溝を同時に加工するすることにより、加工精度と加工速度を向上できるようになる。しかし本発明には1軸のディスク刃物だけで目的の溝形状に刻設する場合も含んでいる。
そして溝加工直後の同一ライン上で、溝底部に後工程で用いる接着剤の接着性能を阻害しない接着剤を塗布して、折り曲げに先立ち一旦乾燥することにより、その塗膜によって溝底間の残肉部強度を向上でき、その後に溝を充填する接着剤や管材などを挿入し、ハンドリング中や折り曲げ時の破損を防ぐこともできるようになる。
ここで塗布とは接着剤を対象物に付着させることを総称し、その手段を選ぶものではなく、噴霧、刷毛塗り、射出ほかを含むが、溝底を覆う接着剤は高粘度であるため吐出が最も良い。
後工程で用いる接着剤の接着性能を阻害しない接着剤とは、なじみの良い接着剤同士であって、例えば後工程で用いる接着剤と同種の接着剤はその一つである。揮発成分などの添加や、熱風の吹き付けを加えることによって、乾燥速度を向上させることができるが、切削加工直後の木質平板材の溝部には加工発熱が残っており、接着剤は温度上昇により一旦柔らかくなっても、冷却にともなって溝底部の個体化は優先的に進む。
さらに、好ましくは接着剤塗布直前に、主として溝部の切削塵埃を減圧吸引または高速気流吹きつけて除去することによって、塵埃の巻き込み付着を防ぐことができるようになる。製品化後に化粧シート表面まで形状異常が現れるような大きな切削屑が除去できれば良いのであって、微細な粉塵の残留は許される。
課題を解決するための手段に示す方法において、切削機械は多軸数値制御ルーターであって、化粧シート貼り木質平板材の木質面を上にして、その下面の化粧シート面を固定テーブルに減圧吸引して固定し、刃物を数値制御して上面の溝加工を行うこと、そして溝加工後に溝底に接着剤を所定の量塗布し、溝底部の接着剤の乾燥開始を待って、折り曲げ組立加工を行うこと。
課題を解決するための手段に示す方法において、溝内に接着剤が塗布された化粧シート貼り木質平板材と強度骨材2の接着組み立て工程では、強度骨材2の接着予定面に水性接着剤を塗布する。この強度骨材としては金属材料や高分子材料を用いることができるが、安価で加工が容易で、木質平板材2との接着性の優れた木質材料が最も良い。
水性接着剤は木質平板材や強度骨材の組み合わせに従って、メーカー推奨のものを選定すれば良い。両者が木質であれば適当な接着剤は極めて多く、例えばアクリルを主成分とし、水を主溶剤とする各社の接着剤は良好である。必要に応じて同種の接着剤を木質平板材の溝部に充満することができる。
次に化粧シート貼り木質平板材をその化粧シートが突出する方向に折り曲げ、その反対面を強度骨材に当接する。そしてこれらの接着予定面は水性接着剤を介して接する状態で電磁波加熱しながら押圧して、水性接着剤を加熱脱水硬化させると同時に、この発熱により化粧シート表面を昇温させて、コーナー部の化粧シートの接着状態や溝内部の接着剤の偏在を修正して、その後の冷却硬化による平滑化を促進する。
課題を解決するための手段に示す方法において、実施例1ないし4に示す製造例で、その加工溝内に天然ゴムラテックス系、シリコンゴム系、ブチルゴムやイソプレンゴムほかの合成ゴム系、エラストマーとして総称される復元性能をもつ高分子材料など、固体化後に復元性能をもつ流体接着剤を、少なくとも折り曲げ組み立て後に溝底部を覆い尽くす量を供給することを特徴とするアール角稜付き化粧シート貼り木質部材。
実施例5において、加工溝内に接着剤を塗布したのち、復元性能をもつ線材ないし管材を挿入同封したことを特徴とするアール角稜付き化粧シート貼り木質部材。
図1は本発明の組み立て概念図である。左半分が化粧シート貼り木質平板材の折り曲げ前の状態、右半分が同折り曲げ後の接着押圧加熱の待機状態である。
木質平板材の裏面溝5の溝底中央部6は平坦であり、その残肉厚tは0.05〜0.50mmの範囲にあり、化粧シート貼り付け時の油性接着剤が浸透して強化層を形成している。溝底平坦部6は溝底部に塗布する接着剤で覆われて、化粧シート接着時の油性接着剤との接着状態にある。曲げ加工前にこの溝底部の接着剤は個体化が始まっていて、固体の性質としての強度をもつことが望ましい。
溝内には管材が挿入されていて、接着後に弾力ないし復元性能を向上する。また、弾性板材9が強度部材2に接して挿入されている。
この管材8と弾性板材10と強度骨材2は接しているが、必ずしも接着を要しないが、接着剤が流入して接着してしまうのが普通で、これは好都合である。
図2は本発明の組み立て概念図であって、図1で弾性板材10がない場合であり、弾性変形量が図1の場合よりも小さ目となる。
図3は本発明の組み立て概念図であって、コーナー部にだけ管材8が挿入されている例である。本発明ではこの場合に管材や弾性接着剤を用いず、硬化性接着剤だけで溝部を補強ないし充満することができる。
図4は本発明の連続切削・接着剤吐出連続工程概念図であって、化粧シート貼り木質平板材の裏面4をモルダーの回転刃物C1で粗切削し、続いて回転刃物C2で仕上げ切削し、塵埃除去ノズルMで加工溝内を清浄にして、接着剤吐出ノズルNから接着剤7を溝内に所定の量塗布する。
図5は本発明の接着組立工程概念図である。化粧シート貼り木質平板材は強度骨材2を包み込んで上下左右ともロールで押圧されている。この図はフラッシュ扉の接着固定工程例であるが、左端部に3カ所の曲げ部と緩衝部材があり、右端部に2カ所の曲げ部と化粧シート貼り木質平板の継ぎ目13が示されている。
この図のロールは板状の押圧部材とすることができる。加熱装置は記されていないが、この直前にあるか、このロールか押圧部材自体を加熱装置とすることができる。
この技術はフラッシュ扉やテーブルや家具類の製造およびその半製品や製品に応用できる。
本発明の組み立て概念図である。 本発明の組み立て概念図である。 本発明の組み立て概念図である。 本発明の連続切削・接着剤吐出工程概念図である。 本発明の接着組立工程概念図である。
符号の説明
1:木質平板材、
2:強度骨材、
3:化粧シート、
4:木質平板材の裏面、
5:木質平板材の裏面溝、
6:溝底中央部、溝底平坦部、
7:接着剤、
8:管材、棒材、
9:木質平板材の裏面溝側壁、
10:弾性のある板材ないし形断面材、
11:水平ロール、押圧部材、
12:垂直ロール、押圧部材、
13:化粧シート貼り木質平板の継ぎ目、
P:管材孔
Q:空隙、
A:強度骨材の角稜部、
t:溝底の残肉厚、
F1、F2:送りロール、
C1、C2:モルダーの回転刃物、
M:塵埃除去ノズル、
N:接着剤吐出ノズル

Claims (2)

  1. 化粧シート貼り木質平板材1を折り曲げて強度骨材2に貼付する木質組み立て部材の製造方法において、化粧シート3の一面には油性・油溶性接着剤を塗布して、この塗布面をロールまたは減圧加熱により前記の木質平板材1の表面に押圧貼付して接着する公知の化粧シート貼り木質平板材製造工程の後に、この接着が完了した化粧シート貼り木質平板材の裏面4に、折り曲げ位置溝5を加工すること、そしてその溝底中央部6はほぼ平らで、この部分の溝底残肉厚tは0.05ないし0.50mmの極薄範囲に加工すること、そしてこの溝内には流体接着剤を少なくとも折り曲げ組み立て後に溝底部を覆い尽くす量を供給すること、そしてこの流体接着剤は溝端部から自重では流失しない程度の高粘度であって、加熱冷却後ないし時間経過により固体化するものであること、そしてこれに続く加工工程は化粧シート貼り木質平板材をその溝部5で化粧シート3が外面になるように折り曲げて、強度骨材2と木質平板材の裏面4とを接着する組立工程であって、この接着予定面のいずれか一以上に水性・水溶性接着剤を塗布すること、そしてこれらの接着予定面は水性・水溶性接着剤を介して接する状態で電磁波加熱しながら押圧して、水性・水溶性接着剤を急速に加熱脱水硬化させて製造することを特徴とするアール角稜付き化粧シート貼り木質部材の製造方法。
  2. 請求項1項記載の方法で製造する過程において、その加工溝内に天然ゴムラテックス系、シリコンゴム系、ブチルゴムやイソプレンゴムほかの合成ゴム系、エラストマーとして総称される復元性能をもつ高分子材料など、固体化後に復元性能をもつ流体接着剤を、復元性能をもつ線材ないし管材の同封を可として、少なくとも折り曲げ組み立て後に溝底部を覆い尽くす量を供給することを特徴とするアール角稜付き化粧シート貼り木質部材。
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