JP2012184643A - 床材と床材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境負荷が少なく安価に製造することができ、さらに良好なフローリング構造を形成可能な実を容易に形成することができる床材を提供すること。
【解決手段】石膏ボード2と、この石膏ボード2の側端部に接し、実5が形成された木質材3と、石膏ボード2および木質材3の上に設けられた木質ボード6と、この木質ボード6の上に設けられた化粧層8とを備えることを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、床材と床材の製造方法に関し、さらに詳しくは、石膏ボードを基材として用いた床材と床材の製造方法に関する。
従来、複合フローリングの床材の基材として、南洋のラワン合板等の天然木材が広く用いられている。
しかしながら、近年における天然木材資源の枯渇化や、自然保護の社会的要請等を背景として、天然木材、特に持続可能ではない天然ラワン材の伐採を控える機運が高まっている。そのため床材等の建材用木材においても天然ラワン材の消費は制限される傾向にある。
ラワン合板に代替する技術としては、例えば、床材用の基板として植林木合板を用いることが考えられる。しかしながら、植林木合板は、表面平滑性が低く、コストも高い。
また、表面平滑性等を改善するために植林木合板の上にMDF(中密度繊維板)を貼着し、MDFの上に化粧層を貼着した構成の床材も考えられる。しかしながら、床材の全体としての製造コストは依然として高い。
ラワン合板に代替する別の技術として、特許文献1、2には、石膏ボードを基板として用い、MDFをその上に貼着し、MDFの上に化粧層を貼着した床材が提案されている。廃材による化学石膏等から製造した石膏ボードは安価でありラワン合板に代替する材料として期待される。
しかしながら、石膏ボードを基板に用いた床材は、石膏ボードの端部に実加工を施すことが困難な場合がある。
そのため石膏ボードを基板に用いた床材のフローリング嵌合構造として、特別な手段も提案されている。例えば、特許文献1では石膏ボードとその上のMDFとを端部をずらして貼着し、この端部のずれにより嵌合構造を形成することが提案されている。特許文献2では、MDFの端部を加工して延出部を形成し、この延出部と石膏ボードの上面とにより実を形成することが提案されている。
特開平10−299232号公報 特開2008−238421号公報
しかしながら、これらの技術は従来のラワン合板による実に比べると良好なフローリング構造の形成が困難になる場合や、釘打ちの作業が行いづらくなる場合がある。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、環境負荷が少なく安価に製造することができ、さらに良好なフローリング構造を形成することができる床材と床材の製造方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の床材は、石膏ボードと、この石膏ボードの側端部に接し、実が形成された木質材と、石膏ボードおよび木質材の上に設けられた木質ボードと、この木質ボードの上に設けられた化粧層とを備えることを特徴としている。
この床材においては、木質ボードは、MDF、木材プラスチック複合ボード、またはケナフボードであることが好ましい。
この床材においては、石膏ボードは、調湿剤を含有することが好ましい。
この床材においては、化粧層は、その表面に縦断面V字状の溝が形成され、この溝内に、石膏ボードに連通する穴が形成されていることが好ましい。
本発明の床材の製造方法は、前記床材の製造方法であって、(1)木質ボードの一方の面に突き板を貼着するとともに、この突き板の表面に塗装を施して塗膜を形成して、木質ボードの上に前記突き板と前記塗膜による化粧層を設ける工程と、(2)前記木質ボードの他方の面に、石膏ボードと、この石膏ボードの四辺の側端部に接する木質材とを接着する工程とを含み、さらに、前記工程(2)の前または後に、前記木質材に実を形成する工程を含むことを特徴としている。
本発明の床材によれば、環境負荷が少なく安価に製造することができ、さらに良好なフローリング構造を形成することができる。また、本発明の床材の製造方法によれば、床材の突き板の表面の塗膜が、均一であり、塗装ムラが抑制され、見栄えも良好な床材を得ることができる。
本発明の床材の実施形態を示す一部切欠斜視図である。 図1の床材のA−A線断面図である。 図1の床材のB−B線断面図である。 本発明の床材の別の実施形態を示す図2と同様の断面図である。 本発明の床材の製造工程を示した断面概要図である。
以下に、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の床材の実施形態を示す一部切欠斜視図、図2はそのA−A線断面図、図3はそのB−B線断面図である。
図1〜図3に示すように、この実施形態の床材1は、矩形板状の石膏ボード2が裏面側に設けられている。石膏ボード2の四辺の側端部には、4本の端材として長い矩形板状の木質材3が設けられている。
石膏ボード2および木質材3は、ほぼ同一の厚みで上面と下面とを平面に揃えて配置されている。
この実施形態では、木質材3として合板4を用いている。木質材3の外側の側端部には実5が形成されている。長手方向に対向する2本の木質材3には、実5として雄実5aと雌実5bとがそれぞれ長手方向に平行に形成されている。幅方向に対向する2本の木質材3にも、雄実5aと雌実5bとがそれぞれ幅方向に平行に形成されている。これらの雄実5aと雌実5bとは、2つの木質材3を嵌合により接続できるようになっている。
石膏ボード2および木質材3の上には、木質材3と側端部を揃えてこれらを覆う1枚の木質ボード6が設けられている。この実施形態では、木質ボード6としてMDF7を用いている。石膏ボード2および木質材3と木質ボード6は接着剤により貼着されている。
木質ボード6の上には、化粧層8が設けられている。化粧層8は、木質ボード6と側端部を揃えてこれらを覆う突き板9と、突き板9の表面に全面に塗装された塗膜10とから構成されている。木質ボード6と突き板9は接着剤により貼着されている。
化粧層8は、その表面に縦断面がV字状の溝11が形成されている。溝11は、床材1の長手方向に複数本が互いに平行に形成されている。そして溝11は、化粧層8の表面から下端部が木質ボード6内に達する深さで形成されている。
石膏ボード2は、例えば、廃材を原料とした化学石膏等によるものを用いることができる。このような石膏ボード2は、省資源化が可能であり、原料と製造費が安価なため床材1の製造コストを低減することができる。
例えば、火力発電等で発生する化学石膏である排煙脱硫石膏は、次のようにして得られる。火力発電所において石炭を燃料に発電している場合、大量の亜硫酸ガスが発生する。煙突からそのまま放出することはできないので、排煙脱硫装置を取り付け、亜硫酸ガスに含まれる硫黄を除去する。このときに石灰を投入するが、装置内で化学反応し、副産物として残ったものが石膏になる。
廃材からの化学石膏としては、排煙脱硫石膏の他、肥料工場でリン鉱石に硫酸を反応させリン酸を製造する際に副生するリン酸石膏等がある。
これらの化学石膏は全て二水石膏で、比重は例えば0.7以上である。二水石膏は水溶性で多量の結晶水を持つため、石膏ボード2は耐火性に優れ、また耐熱性、遮音性等にも優れている。石膏ボード2は通常、石膏層とその表裏面を覆う原紙により構成されている。この石膏ボード2は、例えば、石膏等の原料と水とを混合して得たスラリーを原紙の間に流し込んで成形、乾燥して製造することができる。
石膏ボード2は膨張係数が小さいため、この石膏ボード2を裏打ちすることでMDF7の膨張収縮を抑制することができる。そのため繋ぎ目が盛り上がったり、隙間が生じたりすることを抑制することができる。
石膏ボード2の厚みは、特に限定されないが、床材1の強度等を考慮すると6〜11mmが好ましい。
木質材3は、合板4よりなるものとして、例えば広葉樹合板、針葉樹合板等を用いることができる。合板4は端材のみでよく、ラワン合板等を用いた場合であっても従来に比べて合板4の使用量を低減することができる。
木質材3の幅は、実5を形成することができ、その強度も確保することを考慮すると10〜50mmが好ましく、厚みは石膏ボード2と同等であることが好ましい。
合板4のプライ数、積層方向、繊維方向は、特に限定されないが、4プライ以上で積層が厚み方向のものや、プライ数の半分以上の単板において繊維方向が床材1の長手方向であるものを用いることができる。
木質材3の実5は、凸型の雄実5aと凹型の雌実5bとから構成される。この実施形態では長手方向および幅方向の両方に実5を形成している。
例えば、建物の床下地の上にフローリング材として床材1を複数枚を並べて設置する際には、その隣接する一方の床材1の雌実5bに、他方の床材1の雄実5aを挿入して床材1同士を嵌合する。これにより、床材1の設置を簡易に行うことができる。また床材1を隙間なく固定することができ、良好なフローリング構造を形成することが可能となる。すなわち実5を形成した木質材3を用いることで、複数枚の床材1同士がしっかりと組み合い、反りやねじれも抑制することができる。さらに継ぎ目の外観も良好にすることができる。
また床材1の施工は、床材1を接着剤により床下地に貼着し、雄実5aに釘を打ち込んで床下地に固定する場合がある。この場合にも、木質材3として合板4を用いることで、釘打ちにより割れや欠け等が発生することを抑制することができる。
実5の嵌合方式としては、バットジョイント、スカーフジョイント、本実、相じゃくり、フィンガージョイント、V字ジョイント等を挙げることができる。
木質ボード6は、MDF7から構成されている。MDF7は、床材1に衝撃が加わっても、その衝撃を緩和することができ、石膏ボード2の耐衝撃性を補完することができる。また、粘りがあり硬いMDF7は、石膏ボード2の脆くて柔らかい欠点を補完し、両者を組み合わせることで優れた性質の床材1を得ることができる。
木質ボード6の厚みは、特に限定されないが、強度やその他の性質等を考慮すると2〜4mmが好ましい。
化粧層8は、突き板9とその表面に塗装された塗膜10とから構成されている。突き板9は、サクラ、ケヤキ、ナラ等の天然木の丸太を切断しフリッチと呼ばれる形に成形し、スライサーにより薄くスライスされたものを用いることができる。突き板9と木質ボード6との貼着は接着剤を用いて行うことができる。
この突き板9の表面には、着色塗料が塗装される。着色塗料の塗装は、床材1の突き板9に着色塗料を塗装するスポンジロールと、突き板9の表面の余剰の着色塗料を掻き取るリバースロールとを備えたロール塗装機により行うことができる。
着色塗料としては、例えば、木質材料系の着色ステイン塗料を用いることができる。例えば、ウレタン樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、アミノアルキッド樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料等を用いることができる。作業環境における安全面や大気汚染に関する影響等を考慮すると、水性の着色塗料を用いることが好ましい。
着色塗料を塗装する際には、ロール塗装機に床材1を搬送し、上流側において突き板9の表面に搬送方向に回転するスポンジロールから着色塗料を供給して塗布する。着色塗料は塗料タンクからスポンジロールに供給され、着色塗料は床材1の突き板9の表面全体にローラーコートされる。
そして連続的に下流側において、着色塗料がローラーコートされた突き板9の表面に搬送方向とは逆側に回転するリバースロールを押し当てて余剰の着色塗料を掻き取り、溶媒を飛散させて乾燥することにより均一に着色塗料を塗装する。これにより、着色塗料が突き板9の凹溝や導管等に充填され、凹溝や導管等が着色される。
その後、この素地着色を施した突き板9には、突き板9の表面保護や仕上がり等を考慮して表面全体にクリア塗料を塗装することができる。クリア塗料による塗装は、例えば下塗り、中塗り、上塗り等の複数回の塗装により行うこともでき、これらの塗装の前後において適宜に研磨(サンディング)を行うことができる。
こうして着色塗料による塗装または着色塗料およびクリア塗料の塗装による塗膜10が形成される。このような塗膜10によれば、突き板9の持つそのままで自然の色合いを生かした表現ができ、木の自然な雰囲気を演出することもできる。
化粧層8の表面に形成されるV字状の溝11は、フローリングの分野においてV溝加工とも呼ばれているものである。このV溝加工による溝11は、外観上のアクセントになり、多少の膨張収縮にも対応することができる。
床材1は、例えば、根太張用や直張用の複合フローリングの通常のサイズに従って製造することができる。例えば、厚み10〜18mm、幅75〜303mm、長さ240〜4000mmとすることができる。実5は、長さ方向または幅方向の側端部のみに形成することもできる。
床材1は、例えば、次の方法で製造することができる。
第1の製造方法では、まず、石膏ボード2と実5を加工していない木質材3とが側端部同士で隣接し、石膏ボード2および木質材3の平坦面と木質ボード6の平坦面とが未硬化の接着剤層を介して対向する積層体を作製する。この積層体は例えば、木質ボード6、または石膏ボード2および木質材3の平坦面に接着剤を塗布してこれらを重ね合わせて作製することができる。そしてこの積層体の接着剤層を硬化する。
接着剤としては、例えば、ユリア樹脂接着剤、メラミン樹脂接着剤、フェノール樹脂接着剤、エポキシ樹脂接着剤、アクリル樹脂接着剤、ウレタン樹脂接着剤、ポリエステル樹脂接着剤、酢酸ビニル樹脂接着剤等を用いることができる。
次に、木質ボード6の露出側の平坦面に突き板9を貼着する。そして突き板9の表面にV溝加工により溝11を形成する。また、木質材3の側端部に実5を加工する。
次に、木質ボード6に貼着した突き板9の表面に着色塗料およびクリア塗料を塗装し、塗膜10を形成する。
このようにして床材1を製造することができる。なお、以上の各工程は場合に応じて手順を変更することができる。
この実施形態の床材1によれば、石膏ボード2等を用いることで、環境負荷が少なく安価に製造することができる。さらに合板4を用いた木質材3に実5を設けるようにしたので、良好なフローリング構造を形成することができる。また、釘打ちの作業が従来の合板を基材とする床材と同様に行いやすくなる。
次に別の実施形態について説明する。
この実施形態においては、石膏ボード2は、調湿剤を含有している。調湿剤を含有することで石膏ボード2が有している吸放湿性能をさらに高め、室内湿度を制御することができる。
調湿剤としては、周囲の湿度環境により湿気や水分を吸収したり、保持したり、放出したりする機能を有する各種の材料、例えば無機材料を用いることができる。具体的には、例えば、炭、活性炭、珪藻土、珪質頁岩、アロフェン、ゼオライト、セピオライト、アタバルジャイト、モンモリロナイト、ゾノライト、活性白土、シリカゲル、イモゴライト、大谷石粉等を用いることができる。中でも、珪藻土、アロフェンは調湿性に優れている。
石膏ボード2への調湿剤の配合量は、特に限定されないが、例えば10〜50質量%となるように配合することができる。
この実施形態の床材1によれば、石膏ボード2等を用いることで、環境負荷が少なく安価に製造することができる。さらに合板4を用いた木質材3に実5を設けるようにしたので、良好なフローリング構造を形成することができる。
次に別の実施形態について説明する。図4は、本発明の床材の別の実施形態を示す図2と同様の断面図である。
この実施形態においては、図4に示すように、化粧層8の表面に形成されたV字状の溝11内に、木質ボード6を貫通し石膏ボード2に連通する穴12が形成されている。この穴12は、溝11に沿って間隔を置いて複数個を形成することができ、例えば、床材1の幅方向の長さと同程度の間隔を置いて複数個を形成することができる。
また、上記の実施形態と同様に、石膏ボード2は、調湿剤を含有している。
このように石膏ボード2に連通する穴12を形成することで、穴12を介して水分を吸放湿することができる。そして石膏ボード2は調湿剤を含有し、調湿剤と外部との水分の通路が穴12により確保されるため、調湿性能をさらに高めることができる。
この実施形態の床材1によれば、石膏ボード2等を用いることで、環境負荷が少なく安価に製造することができる。さらに合板4を用いた木質材3に実5を設けるようにしたので、良好なフローリング構造を形成することができる。さらに、石膏ボード2に連通する穴12を形成することで、穴12を介して水分を吸放湿し、調湿性能を高めることができる。
次に別の実施形態について説明する。
この実施形態においては、木質ボード6として、MDF7に代えて木材プラスチック複合ボードを用いている。木材プラスチック複合ボードとしては、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂に木粉を例えば50質量%程度配合して混練した後、押出成形したものを挙げることができる。
またウッドプラスチックボード(WPB)と呼ばれている、木粉とポリプロピレン樹脂を混練および押出成形した木材プラスチック複合ボードを用いることができる。これは木粉とポリプロピレン樹脂に無機フィラー、強化剤等を加えて混練後、押出成形機により板状に成形したものである。木粉とポリプロピレン樹脂はいずれも廃材をリサイクルしたものを用いることができる。このようなウッドプラスチックボードは、耐久性、加工性にも優れ、比較的安価に製造することができる。
この実施形態の床材1によれば、石膏ボード2等を用いることで、環境負荷が少なく安価に製造することができる。さらに合板4を用いた木質材3に実5を設けるようにしたので、良好なフローリング構造を形成することができる。さらに、木質ボード6として木材プラスチック複合ボードを用いることで床材1を比較的安価に製造することができ廃材のリサイクルも可能である。
次に別の実施形態について説明する。
この実施形態においては、木質ボード6として、MDF7に代えてケナフボードを用いている。ケナフは、アオイ科の一年生草本類で、その靱皮繊維がケナフボードに用いられる。ケナフボードは、ケナフの茎を解繊して得られるケナフ繊維を3次元的に絡ませてマット状にし、マット状のケナフ繊維に液状の熱硬化性樹脂を含浸させた後、熱硬化性樹脂を含浸したマット状のケナフ繊維を熱圧成形することにより得られる。
ケナフ繊維は、長くて引張強度が高く、ケナフボードは、この高強度の繊維が3次元的によく絡まっているので、強度物性が優れている。また、ケナフボードは、吸水によりその長さが変化しにくいので、吸湿寸法安定性にも優れている。ケナフボードはコスト面においても比較的安価に製造することができる。
この実施形態の床材1によれば、石膏ボード2等を用いることで、環境負荷が少なく安価に製造することができる。さらに合板4を用いた木質材3に実5を設けるようにしたので、良好なフローリング構造を形成することができる。さらに、木質ボード6としてケナフボードを用いているので強度物性や吸湿寸法安定性にも優れている。
さらに、本発明の床材のより好ましい製造方法として、以下の方法を例示することができる。図5は、本発明の床材の製造工程を例示した断面概要図である。
第2の製造方法では、まず、接着剤を介して、MDF7からなる木質ボード6の一方の面(露出側の平坦面)に突き板9を貼着する(図5(a)(b))。そして、この突き板9の表面に着色塗料およびクリア塗料を塗装して塗膜10を形成して、木質ボード6の上に突き板9と塗膜10による化粧層8を設ける。
次に、木質ボード6の他方の面に、石膏ボード2と、この石膏ボー2ドの四辺の側端部に接する木質材3とを未硬化の接着剤層を介して接着して積層体を作成する(図5(d))。そして、この積層体の木質材3の側端部に実5(雄実5a,雌実5b)を形成する(図5(e))。
第2の製造方法では、木質ボード6に石膏ボード2と木質材3を接着する前に、木質ボード6の上に突き板9と塗膜10による化粧層8を形成する。木質ボード6と突き板9が接着された状態は、全体として面一な板状であり、表面に段差がない。このため、例えば、ロール塗装機によって着色塗料をローラーコート塗装する場合に、搬送方向に回転するスポンジロールおよび搬送方向とは逆側に回転するリバースロールが突き板9の表面を円滑に進行する。したがって、突き板9の表面を、より均一に塗装することができ、塗装ムラの発生を確実に抑制することができる。
第2の製造方法においても、各工程は手順、設計を適宜変更することができる。例えば、予め実5を形成した木質材3を、石膏ボード2とともに木質ボード6の他方の面に接着することもできる。また、第1の方法と同様に、適宜、突き板9の表面にV溝加工により溝11(図1、図2に図示)を形成したり、石膏ボード2に連通する穴12を形成したりすることもできる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
次の手順により床材を製造した。木質ボードとして厚み2.7mmのMDFを用いて、その平坦面に接着剤を塗布して未硬化の接着剤層を形成した。そして木質ボードの平坦面に塗布した接着剤層の上に、厚み9.5mmの石膏ボードおよび厚み9.5mmの合板の木質材を配置した。木質材は石膏ボードの四辺において側端部同士を隣接させて配置し、この積層体を一対のプレス板の間に配置して適度な圧力で加圧した後、接着剤を硬化し、石膏ボードおよび木質材の平坦面と木質ボードの平坦面とが未硬化の接着剤層を介して対向する積層体を得た。
この積層体の木質ボードの露出側の平坦面に厚み0.25mmの突き板を貼着し、その後突き板の表面にV溝加工を施した。また、木質材の四方の側端部には図1〜3に示すような実加工を施し、長手方向の側端部に雄実と雌実を形成し、幅方向の側端部にも雄実と雌実を形成した。
次に、木質ボードに貼着した突き板の表面にロール塗装機により着色塗料を塗装した。ロール塗装機に床材を搬送し、支持ロールにより床材の下面を支持しながら上流側において突き板の表面にスポンジロールから着色塗料を供給して突き板の表面全体にローラーコートした。そして連続的に下流側において、着色塗料がローラーコートされた突き板の表面に搬送方向とは逆側に回転するリバースロールを押し当てて余剰の着色塗料を掻き取った。
着色塗料を乾燥後、着色塗料を塗装した突き板の表面にクリア塗料を塗装し床材を得た(図1〜3に図示)。
<実施例2>
実施例1において、石膏ボードとして珪藻土入りの石膏ボードを用いた。それ以外は実施例1と同様にして床材を得た。
<実施例3>
実施例2において、V溝加工により突き板表面に形成した溝内に直径0.5mmの穴を加工した。この穴は、MDFを貫通し石膏ボードに連通するように303mmピッチで複数個を形成した(図4に図示)。
<比較例1>
実施例1において、基材として厚み11.8mmのラワン合板を用い、実施例1と同様に突き板の貼着、塗装、V溝加工、実加工を行い、床材を得た。
<比較例2>
実施例1において、基材として厚み9.1mmの植林木のユーカリ合板の上に厚み2.7mmのMDFを貼着したものを用い、MDF側の表面に実施例1と同様にして突き板の貼着、塗装、V溝加工、実加工を行い、床材を得た。
実施例1〜3と比較例1、2の床材について、製造コスト、環境破壊、調湿性能を評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2012184643
表1より、実施例1では、石膏ボードを用いているため環境負荷が小さく、製造コストも従来のラワン合板の床材(比較例1)よりも安価であった。また、この床材を複数枚用いて施工したところ、石膏ボードの側端部に実が形成された木質材を配置したので、良好なフローリング構造を形成することができた。なお、比較例2は植林木合板を用いているため製造コストが高くなった。
石膏ボードに調湿剤として珪藻土を添加した実施例2の床材は、高い調湿性能も有していた。さらに突き板の表面のV字状の溝内に石膏ボードに連通する穴を形成した実施例3では、さらに高い調湿性能が得られた。
<実施例4>
図5に示した手順で床材を製造し、床材の塗膜の塗装ムラについて検討した。
木質ボード6として厚み2.7mmのMDF7を用いた(図5(a))。この木質ボード6の露出側の平坦面に接着剤を塗布して未硬化の接着剤層を形成し厚み0.25mmの突き板9を貼着した(図5(b))。なお、この実施例では、突き板9の表面のV溝加工は省略した。
次に、木質ボード6に貼着した突き板9の表面にロール塗装機により着色塗料を塗装した。具体的には、ロール塗装機に、木質ボード6および突き板9を搬送し、支持ロールにより木質ボード6の下面を支持しながら上流側において突き板9の表面にスポンジロールから着色塗料を供給して突き板9の表面全体にローラーコートした。そして連続的に下流側において、着色塗料がローラーコートされた突き板9の表面に搬送方向とは逆側に回転するリバースロールを押し当てて余剰の着色塗料を掻き取った。そして、着色塗料を乾燥後、着色塗料を塗装した突き板9の表面にクリア塗料を塗装して、突き板9の表面に塗膜10を形成し、木質ボード6の上に突き板9と塗膜10による化粧層8を設けた(図5(c))。
次に、木質ボード6の他方の平坦面に接着剤を塗布して未硬化の接着剤層を形成した。そして、この接着剤層の上に、厚み9.5mmの石膏ボード2および厚み9.5mmの合板4の木質材3を配置した。木質材3は石膏ボード2の四辺において側端部同士を隣接させて配置し、この積層体を一対のプレス板の間に配置して適度な圧力で加圧した後、接着剤を硬化し、石膏ボード2および木質材3の平坦面と木質ボード6の平坦面とを接着剤層を介して一体化させた(図5(d))。
そして、木質材3の四方の側端部に実加工を施し、長手方向の側端部に雄実5aと雌実5bを形成し、幅方向の側端部にも雄実5aと雌実5bを形成し、床材1を得た(図5(e))。
実施例1の方法で製造した床材と、実施例4の方法で製造した床材の塗装ムラの比較を行った。その結果、実施例1の床材の塗膜には、わずかに塗装ムラが確認された。この塗装ムラは、木質材の平坦面と石膏ボードの平坦面との間に生じたわずかな段差によって、ローラーコートが不均一になったものと考えられる。一方、実施例4の床材の塗膜は、均一であり、塗装ムラがなく、見栄えも良好であることが確認された。
1 床材
2 石膏ボード
3 木質材
5 実
6 木質ボード
7 MDF
8 化粧層
9 突き板
10 塗膜
11 溝
12 穴

Claims (5)

  1. 石膏ボードと、この石膏ボードの側端部に接し、実が形成された木質材と、前記石膏ボードおよび前記木質材の上に設けられた木質ボードと、この木質ボードの上に設けられた化粧層とを備えることを特徴とする床材。
  2. 前記木質ボードは、MDF、木材プラスチック複合ボード、またはケナフボードであることを特徴とする請求項1に記載の床材。
  3. 前記石膏ボードは、調湿剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の床材。
  4. 前記化粧層は、その表面に縦断面V字状の溝が形成され、この溝内に、前記石膏ボードに連通する穴が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の床材。
  5. 請求項1に記載の床材の製造方法であって、
    (1)木質ボードの一方の面に突き板を貼着するとともに、この突き板の表面に塗装を施して塗膜を形成して、木質ボードの上に前記突き板と前記塗膜による化粧層を設ける工程と、
    (2)前記木質ボードの他方の面に、石膏ボードと、この石膏ボードの四辺の側端部に接する木質材とを接着する工程と、
    を含み、さらに、前記工程(2)の前または後に、前記木質材に実を形成する工程を含むことを特徴とする床材の製造方法。
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