JP2007092005A - 艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 - Google Patents

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隆正 大脇
Masafumi Sato
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Abstract

【課題】射出成形によって直接艶消しが可能で、成形品に肉厚差が存在しても均一、均質な艶消し表面の成形品を得ることができる艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物およびその成形品を提供する。
【解決手段】芳香族ジカルボン酸の重量比率が、テレフタル酸/イソフタル酸 =100/0 〜 50/50の範囲にあるポリブチレンテレフタレート樹脂45〜96.5重量%、
ポリカーボネート樹脂および/またはポリアリレート樹脂3〜25重量%、
合成マイカおよび/またはシリカ0.5〜30重量%からなることを特徴とする艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機溶剤などを使用する塗装工程を経ず、射出成形によって直接艶消し成形品を得るというだけでなく、成形品に肉厚差が存在しても均一、均質な艶消し表面の成形品を得ることができる艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物およびその成形品に関する。
ポリエステル樹脂は、電気電子分野、自動車分野、建築材料分野など非常に多く使用されている。ポリエステル樹脂を始めとする熱可塑性樹脂は、成形品表面に光沢を付与することができ好ましいとされるが、用途や意匠性を付与するなどの要求に応じて、艶消しされた光沢の無い成形品を望まれることが有る。例えば自動車用のヘッドランプや内装部品、インテリア用品、電気製品、雑貨などが挙げられる。
従来、艶消しの成形品を得る方法としては、艶のある通常の熱可塑性樹脂成形品の表面に艶消し材を塗装する方法が広く行われてきた。しかし、コストダウンのためだけでなく、昨今の環境への負荷を低減させる動きの一つとして塗装工程を無くする提案が活発に行われている。
塗装工程を経ず、樹脂成形品の艶を消すという提案を大別すると、(1)成形加工方法、(2)ポリエステル樹脂を変性する方法、(3)ポリエステル樹脂にブレンドしたフィラーによって実現する方法が挙げられる。
射出成形した成形品表面を艶消しにする方法として、シボ加工を施した金型を用いて形成するという方法が為されている。しかし、大多数の成形品の厚みは均一で無いので、ポリエステル樹脂を始めとする結晶性樹脂をつかって成形すると肉厚部と薄肉部では艶消し表面にムラが発生することがあった。また、金型内部の所定の箇所に艶消しになり得るウレタン樹脂を塗装材料として予め注入しておき、そこにポリエステル樹脂を成形することにより、塗装材料を転写することで成形品表面を艶消しにする方法が提案されている(特許文献1)。この方法は、ウレタン樹脂がポリエステル成形品に転写する際のウレタン樹脂の厚みが不均一になることがあった。
またスチレン系樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂の混合物をポリエステル樹脂の溶融温度よりも10℃以上低い温度で成形することで成形品表面に艶消し部を形成する方法が提案されている(特許文献2)。この方法では、溶融粘度が高く、大きな成形品は成形できないという問題があった。
ポリエステル樹脂を変性することによって艶消しされた成形品を得る方法としては、ポリエステル樹脂にアクリル酸エステル系ゴム状重合体にヒドロキシ基を含有するビニル重合体とをグラフトした共重合体をブレンドする方法が提案されている(特許文献3、4)。この方法は、ゴムを含むグラフト共重合体とポリエステル樹脂とは単純にブレンドするだけでは混合しないので、艶消し性は発現するにしても、これからなる成形品は機械的特性が低くなることがあった。
熱処理した合成マイカを結晶性のポリエステル樹脂にブレンドしてなる艶消し用樹脂組成物が提案されている(特許文献5)。この方法によると非常に深みのある艶消し表面を有する成形品を得ることができるが、シボ加工した金型を使った場合と同様に、結晶性樹脂を使って、厚み差のある成形品成形した場合、均質な艶消し外観の成形品を得ることが困難であった。
特開2001−279172号公報 特開平7−314519号公報 特開2003−55414号公報 特開2002−194034号公報 特開平11−269392号公報
本発明は、有機溶剤などを使用する塗装工程を経ず、射出成形によって直接艶消し成形品を得るというだけでなく、成形品に肉厚差が存在しても均一、均質な艶消し表面の成形品を得ることができる艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物およびその成形品を得ることを課題とする。
本発明は、
(1)芳香族ジカルボン酸の重量比率が、テレフタル酸/イソフタル酸 =100/0 〜 50/50の範囲にあるポリブチレンテレフタレート樹脂45〜96.5重量%、
ポリカーボネート樹脂および/またはポリアリレート樹脂3〜25重量%、
合成マイカまたはシリカ0.5〜30重量%からなることを特徴とする艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物、
(2)前記合成マイカが下記一般式で示される(1)に記載の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物、
1/3〜12〜3(Z410)F1.5〜2.0
[式中、XはNa+、K+、Li+、Ca2+、Rb2+、Sr2+からなる群から選ばれる1種以上のイオンを表し、Yは、Mg2+、Fe2+、Ni2+、Mn2+、Al3+、Fe3+およびLi+からなる群から選ばれる1種以上のイオンを表し、ZはAl3+、Si4+、Ce4+、Fe3+およびB3+からなる群から選ばれる1種以上のイオンを表す。]
(3)前記シリカの平均粒子径が0.05〜50μmである(1)に記載の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物、
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を成形して成る成形品、
(5)(4)に記載の成形品に、金属蒸着膜が形成されたリフレクターを組みつけられて成る自動車用のヘッドランプ、
を提供するものである。
上述したように本発明の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、有機溶剤などを使用する塗装工程を経ず、射出成形によって直接艶消し成形品が得られるだけでなく、該成形品に肉厚差が存在しても均一、均質な艶消し表面の成形品を提供することができる。また、本発明の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を成形して成る成形品は、例えば自動車用のヘッドランプや内装部品、インテリア用品、電気製品、雑貨などに使用することができる。特に自動車用ヘッドランプに対しては、艶消しは塗装によって行っていたため、本発明の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を用いれば、安価でかつ均質な外観の製品を得ることができ、本分野に特に好適に使用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明を構成するポリブチレンテレフタレート樹脂とは、芳香族ジカルボン酸残基とグリコール残基から成る重合体である。
本発明を構成するポリブチレンテレフタレート樹脂の製造方法は、芳香族ジカルボン酸あるいはそのエステル形成性誘導体と1,4−ブタンジオールあるいはそのエステル形成性誘導体から、溶融重合法、界面重合法、溶液重合法など公知の重合法によって製造される。本発明で用いるポリブチレンテレフタレート樹脂は、いかなる製法によって製造されるものでも使用することができるが、好ましくは溶融重合法によって製造された物を好適に使用することができる。
本発明で使用するポリブチレンテレフタレート樹脂の芳香族ジカルボン酸の重量比率は、テレフタル酸/イソフタル酸 =100/0 〜 50/50の範囲にある。テレフタル酸の重量比率が50%未満になると、樹脂全体の耐熱性が低下するだけでなく、固化が遅く、射出成形時の成形サイクルが長くなり、生産性が低下することがあり好ましく無い。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂には、上記に示した原料以外の原料も、目的に応じて、また特性を損なわない範囲で共重合成分として使用することもできる。例えば、ジカルボン酸成分の共重合可能な例としては、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、イタコン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、またはそれらのエステル形成性誘導体などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、共重合が可能であればいかなるものでも使用可能である。また複数種以上同時に使用することもできる。一方グリコールの共重合可能な例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ノナンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ダイマージオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ハイドロキノン、レゾルシノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではなく共重合が可能であればいかなるものでも使用可能である。また複数種以上同時に使用することもできる。その他の共重合可能な成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、p−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトンが挙げられる。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂を溶融重合法にて製造するに際し、反応触媒として用いる有機チタン化合物溶液中に、酸化防止剤を添加することが好ましい。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、イオウ系化合物、リン系化合物を好適に用いることができるが、この中でもヒンダードフェノール系化合物が特に好適に用いられる。加えて、本発明で用いられるポリブチレンテレフタレート樹脂は、o−クロロフェノール溶液を25℃で測定したときの固有粘度は、特に限定されるものではないが、0.36〜1.60、特に0.52〜1.25の範囲にあるものが好適に使用できる。固有粘度が0.36未満では、機械的な特性が低下するので好ましくなく、固有粘度が1.60を越えると機械的特性は問題無いが、成形性が溶融時の流動性が低下し、成形できないことがあるので好ましくない。
本発明におけるポリブチレンテレフタレート樹脂の配合量は、45〜96.5重量%の範囲にある。45重量%未満では、非晶性樹脂とフィラーのコンテントが高くなり、樹脂組成物の樹脂の流動性が低下し、成形できないことがあるので好ましく無い。一方96.5重量%を超える量使用した場合には、艶消し成形品の表面外観が低下する傾向があるだけでなく、厚み差のある成形品において表面外観が均質にならず好ましく無い。
また目的に応じて、また特性を損なわない範囲でポリブチレンテレフタレート樹脂以外の他の結晶性樹脂を使用することができる。使用可能な結晶性樹脂を具体的に例示すると、上記以外のポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリシクロヘキシレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、PPS樹脂、PPO樹脂、ポリアセタール樹脂、熱可塑性ポリエステルエラストマーなどが挙げられる。
本発明の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、非晶性樹脂であるポリカーボネート樹脂および/またはポリアリレート樹脂を3〜25重量%含むことを特徴とする。本発明に使用可能なポリカーボネート樹脂やポリアリレート樹脂は、ともに溶融重合法、界面重合法などで生産されるが、生産方法に関わらずあらゆる物が使用できる。
本発明に使用するポリカーボネート樹脂および/またはポリアリレート樹脂の使用量は、3〜25重量%の範囲にある。3重量%未満では、使用した効果が確認できず、特に肉厚差がある成形品の艶消しされた外観が悪化する傾向があり好ましくない。また25重量%を超える量使用した場合には、樹脂組成物の成形性が低下するので好ましくない。本発明の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物には、上記のポリカーボネート樹脂および/またはポリアリレート樹脂は必須の成分であるが、目的に応じて、また特性を損なわない範囲において、他の非晶性樹脂を使用することもできる。具体的に使用することができる非晶性樹脂は、スチレン樹脂、アクリル樹脂、透明ABS樹脂、透明環状オレフィン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂などが挙げられる。
本発明の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、合成マイカおよび/またはシリカを0.5〜30重量%含むことを特徴とする。0.5重量%未満では添加した効果が発現しないため好ましくない。また、30重量%を越えると成形品のウェルド痕が成形品に発生しやすくなったり、均質な外観のシボを得にくいため好ましくない。
本発明の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物に使用する合成マイカは下記一般式で示されるものが好ましい。
1/3〜12〜3(Z410)F1.5〜2.0
[式中、XはNa+、K+、Li+、Ca2+、Rb2+、Sr2+からなる群から選ばれる1種以上のイオンを表し、Yは、Mg2+、Fe2+、Ni2+、Mn2+、Al3+、Fe3+およびLi+からなる群から選ばれる1種以上のイオンを表し、ZはAl3+、Si4+、Ce4+、Fe3+およびB3+からなる群から選ばれる1種以上のイオンを表す。]
本発明に使用することが出来る合成マイカの具体例としては、フッ素金雲母(KMg3(AlSi310)F2)、カリウム四ケイ素雲母(KMg2.5(Si410)F2)、カリウムテニオライト(KMg2Li(Si410)F2)、ナトリウム金雲母(NaMg3(AlSi310)F2)、ナトリウム四ケイ素雲母(NaMg2.5(Si410)F2)、ナトリウムテニオライト(NaMg2Li(Si410)F2)などが挙げられる。これらは、そのまま本艶消し樹脂組成物に使用することが出来るが、例えば600℃以上で熱処理を施した合成マイカがより好ましく、その具体例としては、トピー工業製カリウム四ケイ素雲母 PDM−K325を挙げることができる。
本発明の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物に使用できるシリカを列挙すると、株式会社トクヤマ製トクシールU、トクシールUSA、トクシールGU、トクシールCM、トクシールNP、トクシールGU−N、株式会社龍森製クリスタライト3K−S、クリスタライトNX−7、クリスタライトMCC−4、クリスタライトCMC−12、クリスタライトA−1、クリスタライトAA、クリスタライトC、クリスタライトD、クリスタライトCMC−1、クリスタライト5X、クリスタライトA−2、クリスタライトA−1、クリスタライトVX−S2、クリスタライトVX−SR、クリスタライトVX−S、クリスタライト5X、IMSIL A−25、IMSIL A−15、IMSIL A−10、IMSIL A−108、ヒューズレックスRD−8、ヒューズレックスRD−120、ヒューズレックスMCF−200、ヒューズレックスGP−200T、ヒューズレックスZA−30、ヒューズレックスY−40、ヒューズレックスE−2、ヒューズレックスY−60、ヒューズレックスE−1、ヒューズレックスXが挙げられる。
本発明に使用するシリカは、平均粒子径が0.05〜50μmの範囲にあることが好ましい。0.05μm未満のシリカは入手困難であることから好ましくなく、一方50μmを超えるシリカは、成形品表面がシリカの浮き出しによって荒れるため、均一な艶消し外観が得にくいので好ましくない。
本発明の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物には目的に応じて、また特性を損なわない範囲において合成マイカおよびシリカ以外の無機充填剤を併用することができる。具体的には、ガラス繊維、タルク、ワラステナイト、カオリン、ガラスフレーク、ガラスビーズ、異型ガラス、アスベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化珪素繊維、窒化硼素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、ステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮、珪酸カリウム、カオリン、クレー、珪藻土、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素、天然マイカなどが挙げられ、合成マイカおよび/またはシリカと併用するのは1種に限定されず、複数種以上混合して使用してもよい。
本発明の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、成形温度260℃、金型温度60℃で成形した80mm×80mm×2mmt形状の成形品の収縮率が20/1000以下であることが好ましい。更に好ましくは15/1000以下である。成形品の収縮率が20/1000を超える場合には、成形品の厚み差の影響を受け、均一な艶消し表面の成形品が得られないので好ましくない。
本発明の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、離型剤、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、難燃助剤、衝撃改良材、滑剤などの通常の添加剤を添加することができる。
離型剤としては、ポリエチワックス、カルナバワックス、ライスワックス等の植物系ワックス、蜜ろう、ラノリン等の動物系ワックス、モンタンワックス等の鉱物系ワックス、パラフィンワックス、モンタン酸複合エステルワックス等の石油系ワックス、ひまし油及びその誘導体、脂肪酸及びその誘導体等の油脂系ワックスが挙げられる。
酸化防止剤の例としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、テトラキス(メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等のフェノール系化合物、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート等のイオウ系化合物、トリスノニルフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト等のリン系化合物等が挙げられる。
安定剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールを含むベンゾトリアゾール系化合物、ならびに2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンのようなベンゾフェノン系化合物、モノまたはジステアリルホスフェート、トリメチルホスフェートなどのリン酸エステルなどを挙げることができる。
これらの各種添加剤は、2種以上を組み合わせることによって相乗的な効果が得られることがあるので、併用して使用してもよい。なお、例えば酸化防止剤として例示した添加剤は、安定剤や紫外線吸収剤として作用することもある。また、安定剤として例示したものについても酸化防止作用や紫外線吸収作用のあるものがある。すなわち前記分類は便宜的なものであり、作用を限定したものではない。
紫外線吸収剤としては、例えば2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタンなどに代表されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤、また2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、メチル−3−[3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート−ポリエチレングリコールとの縮合物に代表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を挙げることができる。
またビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ{[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]}、ポリメチルプロピル3−オキシ−[4−(2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジニル]シロキサンなどに代表されるヒンダードアミン系の光安定剤も含むことができ、かかる光安定剤は上記紫外線吸収剤や各種酸化防止剤との併用において、耐候性などの点においてより良好な性能を発揮する。
難燃剤は、ハロゲン系、リン酸エステル系、金属塩系、赤リン、シリコン系、金属水和物系などであり、滴下防止剤も含む。着色剤は有機染料、有機顔料、無機顔料などが挙げられる。その他蛍光増白剤、蓄光顔料、蛍光染料、流動改質剤、無機および有機の抗菌剤、光触媒系防汚剤、グラフトゴムに代表される衝撃改質剤、赤外線吸収剤、フォトクロミック剤などを挙げることができる。
本発明の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物はこれら配合成分が均一に分散されていることが好ましく、その配合方法は任意の方法を用いることができる。代表例として、単軸あるいは2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーあるいはミキシングロールなど、公知の溶融混合機を用いて、200〜350℃の温度で溶融混練する方法を挙げることができる。各成分は、予め一括して混合しておき、それから溶融混練してもよい。なお、各成分に付着している水分は少ない方がよく、予め事前乾燥しておくことが望ましいが、必ずしも全ての成分を乾燥させる必要がある訳ではない。
本発明の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の好ましい製造方法の例としては、シリンダ温度230〜300℃の2軸押出機を用い、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂および/またはポリアリレート樹脂、合成マイカおよび/またはシリカ、必要に応じてその他の添加物を配合した原料を該押出機に供給して混練する方法が挙げられる。このようにして製造される本発明の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の265℃、荷重1kgの時のメルトフローレートが10g/10分以上であることが、大型の成形品でも容易に形成することが出来るという意味で好ましい。流動性が低いと、成形が困難になるだけでなく艶消し表面外観品質が低下することがある。
本発明の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形、トランスファー成形、真空成形など一般に熱可塑性樹脂の公知の成形方法により成形されるが、なかでも射出成形によって好ましく成形される。射出成形により成形品を製造する場合にはシリンダ温度を樹脂組成物の融点よりも20℃〜50℃程度高い温度として、金型温度を60〜120℃とすることが好ましい。また、金型は、通常の金型を使用しても、成形品表面が艶消しとなるが、シボ加工が施された金型を使って成形する方が艶消しの表面品質の点から好ましい。
上述したように本発明の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、有機溶剤などを使用する塗装工程を経ず、射出成形によって直接艶消し成形品が得られるだけでなく、該成形品に肉厚差が存在しても均一、均質な艶消し表面の成形品を提供することができる。
また、本発明の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を成形して成る成形品は、例えば自動車用のヘッドランプや内装部品、インテリア用品、電気製品、雑貨などに使用することができる。特に自動車用ヘッドランプに対しては、従来艶消しは塗装によって行っていたが、本発明の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の成形品を使用した場合には、該成形品と金属蒸着膜が形成されたリフレクターを組みつければよく、安価でかつ均質な外観の製品を得ることができ、本分野に特に好適に使用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、これらに限定されることは無く、各種変形、応用が可能である。
実施例および比較例で作製した樹脂の評価方法を以下に示した。
1)成形収縮率の評価方法
成形収縮率測定試験片の寸法 : 80mm×80mm×2mmt
ゲートの形状 : フィルムゲート
このような試験片をシリンダ温度260℃、金型温度60℃にて、射出成形して採取した。成形後の試験片は常温にて放冷し、常温に到達したら、成形収縮率の測定を行った。測定は、株式会社ミツトヨ製 CNC・モータドライブ形三次元測定機 KN815にて行った。図1中a〜cの平均値からMD方向の収縮率を、d〜fの平均値からTD方向の収縮率を算出した。
2)艶消し角板による評価方法
シリンダ温度270℃、金型温度80℃で艶消し角板を成形した。金型は、株式会社棚澤八光社のシボ規格サンプルTH113のシボ加工が施されたものを使用した。試験片の寸法と形状は図2に示した。
シボの外観の評価は、目視にて行った。成形品の外観が不均一になる場所は、溝の表側と中央穴の後ろ側のウェルドが出来る部分である。
表面(シボ面)が均一、均質に状態:◎
溝部の表側に曇りがあるもの:△
ウェルド部に曇りがあるもの:▲
全面が曇り、不均一な状態を:×とした。
実施例および比較例に使用した艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の原料の明細は以下の通りである。
樹脂1・・・ポリブチレンテレフタレート樹脂<テレフタル酸(TPA)/イソフタル酸(IPA)=100/0>固有粘度0.81dl/g。
樹脂2・・・ポリブチレンテレフタレート樹脂<テレフタル酸(TPA)/イソフタル酸(IPA)=90/10>固有粘度0.80dl/g。
樹脂3・・・ポリブチレンテレフタレート樹脂<テレフタル酸(TPA)/イソフタル酸(IPA)=60/40>固有粘度0.81dl/g。
樹脂4・・・ポリブチレンテレフタレート樹脂<テレフタル酸(TPA)/イソフタル酸(IPA)=40/60>固有粘度0.81dl/g。
樹脂4・・・ポリカーボネート樹脂(出光石油化学製 タフロンA-1900)。
樹脂5・・・ポリアリレート樹脂(ユニチカ製 U−ポリマー) インヘレント粘度0.52dl/g
合成マイカ1・・・トピー工業製 カリウム四珪素雲母 PDM−K325
合成マイカ2・・・コープケミカル社製 合成フッ素雲母 ミクロマイカMK−100
シリカ1・・・株式会社トクヤマ製 トクシールU 平均粒子径14μm
シリカ2・・・株式会社龍森製 ヒューズレックスE−2 平均粒子径7μm
シリカ3・・・株式会社龍森製 クリスタライト3K−S 平均粒子径35μm
シリカ4・・・株式会社トクヤマ製 トクシールUSR 平均粒子径140μm
これらの原料を実施例1〜21、比較例1〜11をシリンダ温度250℃に設定したスクリュー径57mm直径の2軸押出機に供給して製造した。樹脂成分、合成マイカ、シリカ、は元込め部から供給して溶融混練を行い、ダイスから吐出されたストランドを冷却バス内で冷却した後、ストランドカッターにてペレット化した。得られた各材料は、130℃の熱風乾燥機で3時間乾燥した後、樹脂温度260℃、金型温度80℃にて各種測定試験片を成形し評価に使用した。
実施例1〜21
実施例の組成とその組成物の評価結果を表1、2に併記した。得られた樹脂組成物は何れも、厚み差があったとしても、シボ表面の均質性、意匠性の優れたものであった。
比較例1〜11
比較例の組成とその組成物の評価結果を表1、2に併せて記した。得られた組成物は、成形時の問題があったり、シボの外観の何れかが劣るものであった。
樹脂分の比率の影響
比較例1、6と実施例1〜21の比較によって、非晶性樹脂であるポリカーボネート樹脂またはポリアリレート樹脂の割合が組成物の25%を超えると、樹脂組成物の粘度が高くなり、成形性が極端に悪化することが分かった。流動性が低下したことから、260℃の成形温度では成形が困難であった。射出速度と射出圧を増加させて、シボ試験片を得たが、成形条件を厳しく、樹脂自身から発生したガスにより、シボ外観が曇っていた。
成形収縮率の影響
比較例2、3、7、8と実施例1〜21の比較によって、成形収縮率が20/1000を超える通常のポリブチレンテレフタレート樹脂では肉厚差のある部分においてシボの外観が不均一になることが分かった。
使用したフィラー量の影響
比較例4、9と実施例1〜21の比較から、合成マイカまたはシリカの量が30%を超えると成形品のウェルド痕が成形品に発生し、均質な外観のシボが得られなかった。
ポリブチレンテレフタレート樹脂中のテレフタル酸とイソフタル酸の比率
比較例5、10と実施例1〜21の比較から、イソフタル酸の比率が50%を超えると極端に樹脂組成物の固化が遅く、射出成形時の突き出しピンによって試験片が変形した。
シリカの粒子径の影響
比較例11と実施例1〜21の比較から、シボ角板の表面が荒れ、均一な表面状態にはならなかった。
Figure 2007092005
Figure 2007092005
成形収縮率評価用試験片の図である。 シボ角板の寸法図である。

Claims (5)

  1. 芳香族ジカルボン酸の重量比率が、テレフタル酸/イソフタル酸 =100/0 〜 50/50の範囲にあるポリブチレンテレフタレート樹脂45〜96.5重量%、
    ポリカーボネート樹脂および/またはポリアリレート樹脂3〜25重量%、
    合成マイカおよび/またはシリカ0.5〜30重量%からなることを特徴とする艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  2. 前記合成マイカが下記一般式で示される請求項1に記載の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
    1/3〜12〜3(Z410)F1.5〜2.0
    [式中、XはNa+、K+、Li+、Ca2+、Rb2+、Sr2+からなる群から選ばれる1種以上のイオンを表し、Yは、Mg2+、Fe2+、Ni2+、Mn2+、Al3+、Fe3+およびLi+からなる群から選ばれる1種以上のイオンを表し、ZはAl3+、Si4+、Ce4+、Fe3+およびB3+からなる群から選ばれる1種以上のイオンを表す。]
  3. 前記シリカの平均粒子径が0.05〜50μmである請求項1に記載の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の艶消しポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を成形して成る成形品。
  5. 請求項4に記載の成形品に、金属蒸着膜が形成されたリフレクターを組みつけられて成る自動車用のヘッドランプ。
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