JP2016023291A - ポリエステル樹脂組成物及び成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い着色安定性を有し、耐トラッキング性の低下が抑制されたポリエステル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、比着色力が40%以下であるカーボンブラック(B)0.05〜1質量部、無機充填材(C)0〜70質量部を含有することを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、比着色力が40%以下であるカーボンブラック(B)0.05〜1質量部、無機充填材(C)0〜70質量部を含有することを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリエステル樹脂組成物及び成形体に関するものであり、詳しくは、高い着色安定性を有し、かつ耐トラッキング性の低下が抑制されたポリエステル樹脂組成物、及び、それを成形してなる成形体に関するものである。
ポリブチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレートに代表される熱可塑性ポリエステル樹脂は、機械的強度、耐薬品性及び電気絶縁性等に優れており、また優れた耐熱性、成形性、リサイクル性を有していることから、電気電子部品、自動車部品その他の電装部品、機械部品等に広く用いられている。
電気電子機器分野では電気絶縁性に優れることが必要である。電気電子部品に使用される樹脂の電気絶縁性評価手法として比較トラッキング試験があり、電気的負荷に対する発火に対する安全性の確保のため、耐トラッキング性に優れていることが必要である。
そして、近年、電気電子部品や電装部品は、機器自体の小型化軽量化が急速に進行しており、その結果、絶縁距離が小さくなり、これら部品(成形品)の耐トラッキング性等への要求スペックはますます高度化してきている。
そして、近年、電気電子部品や電装部品は、機器自体の小型化軽量化が急速に進行しており、その結果、絶縁距離が小さくなり、これら部品(成形品)の耐トラッキング性等への要求スペックはますます高度化してきている。
ポリエステル樹脂、中でもポリブチレンテレフタレート樹脂は優れた耐トラッキング性を有している。しかしながら、ポリエステル樹脂に着色や外観向上のためにカーボンブラック(特許文献1〜2)等の非絶縁性の添加剤を含有すると、耐トラッキング性の低下が生じるため、添加剤含有による耐トラッキング性低下を防止することが課題となっている。
これまで、有機染料(特許文献3)を配合して着色するような方法も見出されていたが、高温暴露時の退色、接触している他部品への色移り等、実使用には適さない場合も多く、かかる問題のない、更なる改良が望まれていた。
これまで、有機染料(特許文献3)を配合して着色するような方法も見出されていたが、高温暴露時の退色、接触している他部品への色移り等、実使用には適さない場合も多く、かかる問題のない、更なる改良が望まれていた。
本発明の目的(課題)は、カーボンブラックを含んだポリエステル樹脂組成物においても、高い着色安定性を有し、耐トラッキング性の低下が抑制されたポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリエステル樹脂に比着色力が40%以下であるカーボンブラックを含有するポリエステル樹脂組成物が、上記課題を解決し、高い着色安定性と、樹脂組成物の耐トラッキング性の低下抑制を実現することができることを見出し、本発明に到達した。
本発明は、以下のとおりである。
本発明は、以下のとおりである。
[1]熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、比着色力が40%以下であるカーボンブラック(B)0.05〜1質量部、無機充填材(C)0〜70質量部を含有することを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
[2]カーボンブラック(B)の平均粒径が30〜300nm、DBP吸油量が100ml/100g未満である上記[1]に記載のポリエステル樹脂組成物。
[3]熱可塑性ポリエステル樹脂(A)がポリブチレンテレフタレート樹脂である上記[1]または[2]に記載のポリエステル樹脂組成物。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を成形してなる成形体。
[5]電気電子機器部品である上記[4]に記載の成形体。
[6]電気接点開閉部を有する電気電子機器部品である上記[5]に記載の成形体。
[2]カーボンブラック(B)の平均粒径が30〜300nm、DBP吸油量が100ml/100g未満である上記[1]に記載のポリエステル樹脂組成物。
[3]熱可塑性ポリエステル樹脂(A)がポリブチレンテレフタレート樹脂である上記[1]または[2]に記載のポリエステル樹脂組成物。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を成形してなる成形体。
[5]電気電子機器部品である上記[4]に記載の成形体。
[6]電気接点開閉部を有する電気電子機器部品である上記[5]に記載の成形体。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、高い着色安定性を有し、耐トラッキング性の低下が抑制された、優れたポリエステル樹脂材料である。
このため、本発明のポリエステル樹脂組成物は、電気電子機器用の絶縁部品として広く使用することができ、特に電気接点開閉部を有する電気電子機器部品、例えば、コネクター、リレー、スィッチ、センサー、アクチュエーター、ターミナルスイッチ等に好適に使用することができる。
比着色力が40%以下であるカーボンブラック(B)が、かかる作用効果を発現する機構の解明は未だ十分ではないが、このようなカーボンブラック(B)を熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して0.05〜1質量部という量で含有すると、カーボンブラック(B)が、樹脂組成物中で導電性の経路を形成し難い程度に分散し、このような優れた効果を発現しているのではないかと考察している。
このため、本発明のポリエステル樹脂組成物は、電気電子機器用の絶縁部品として広く使用することができ、特に電気接点開閉部を有する電気電子機器部品、例えば、コネクター、リレー、スィッチ、センサー、アクチュエーター、ターミナルスイッチ等に好適に使用することができる。
比着色力が40%以下であるカーボンブラック(B)が、かかる作用効果を発現する機構の解明は未だ十分ではないが、このようなカーボンブラック(B)を熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して0.05〜1質量部という量で含有すると、カーボンブラック(B)が、樹脂組成物中で導電性の経路を形成し難い程度に分散し、このような優れた効果を発現しているのではないかと考察している。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、比着色力が40%以下であるカーボンブラック(B)0.05〜1質量部、無機充填材(C)0〜70質量部を含有することを特徴とする。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する各構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定して解釈されるものではない。なお、本願明細書において、「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
以下に記載する各構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定して解釈されるものではない。なお、本願明細書において、「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
[熱可塑性ポリエステル樹脂(A)]
本発明のポリエステル樹脂組成物の主成分である熱可塑性ポリエステル樹脂(A)とは、ジカルボン酸化合物とジヒドロキシ化合物の重縮合、オキシカルボン酸化合物の重縮合あるいはこれらの化合物の重縮合等によって得られるポリエステルであり、ホモポリエステル、コポリエステルの何れであってもよい。
本発明のポリエステル樹脂組成物の主成分である熱可塑性ポリエステル樹脂(A)とは、ジカルボン酸化合物とジヒドロキシ化合物の重縮合、オキシカルボン酸化合物の重縮合あるいはこれらの化合物の重縮合等によって得られるポリエステルであり、ホモポリエステル、コポリエステルの何れであってもよい。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を構成するジカルボン酸化合物としては、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体が好ましく使用される。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1、5−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニル−2、2’−ジカルボン酸、ビフェニル−3、3’−ジカルボン酸、ビフェニル−4、4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4、4’−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−4、4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルフォン−4、4’−ジカルボン酸、ジフェニルイソプロピリデン−4、4’−ジカルボン酸、1、2−ビス(フェノキシ)エタン−4、4’−ジカルボン酸、アントラセン−2、5−ジカルボン酸、アントラセン−2、6−ジカルボン酸、p−ターフェニレン−4、4’−ジカルボン酸、ピリジン−2、5−ジカルボン酸等が挙げられ、テレフタル酸が好ましく使用できる。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1、5−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニル−2、2’−ジカルボン酸、ビフェニル−3、3’−ジカルボン酸、ビフェニル−4、4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4、4’−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−4、4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルフォン−4、4’−ジカルボン酸、ジフェニルイソプロピリデン−4、4’−ジカルボン酸、1、2−ビス(フェノキシ)エタン−4、4’−ジカルボン酸、アントラセン−2、5−ジカルボン酸、アントラセン−2、6−ジカルボン酸、p−ターフェニレン−4、4’−ジカルボン酸、ピリジン−2、5−ジカルボン酸等が挙げられ、テレフタル酸が好ましく使用できる。
これらの芳香族ジカルボン酸は2種以上を混合して使用しても良い。これらは周知のように、遊離酸以外にジメチルエステル等のエステル形成性誘導体として重縮合反応に用いることができる。
なお、少量であればこれらの芳香族ジカルボン酸と共にアジピン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸や、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸を1種以上混合して使用することができる。
なお、少量であればこれらの芳香族ジカルボン酸と共にアジピン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸や、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸を1種以上混合して使用することができる。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を構成するジヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、へキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチルプロパン−1、3−ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサン−1、4−ジメタノール等の脂環式ジオール等、およびそれらの混合物等が挙げられる。なお、少量であれば、分子量400〜6,000の長鎖ジオール、すなわち、ポリエチレングリコール、ポリ−1、3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等を1種以上共重合せしめてもよい。
また、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオールも用いることができる。
また、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオールも用いることができる。
また、上記のような二官能性モノマー以外に、分岐構造を導入するためトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の三官能性モノマーや分子量調節のため脂肪酸等の単官能性化合物を少量併用することもできる。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)としては、通常は主としてジカルボン酸とジオールとの重縮合からなるもの、即ち樹脂全体の50質量%、好ましくは70質量%以上がこの重縮合物からなるものを用いる。ジカルボン酸としては芳香族カルボン酸が好ましく、ジオールとしては脂肪族ジオールが好ましい。
なかでも好ましいのは、酸性分の95モル%以上がテレフタル酸であり、アルコール成分の95質量%以上が脂肪族ジオールであるポリアルキレンテレフタレート樹脂である。その代表的なものはポリブチレンテレフタレート樹脂及びポリエチレンテレフタレート樹脂である。これらはホモエステルに近いもの、即ち樹脂全体の95質量%以上が、テレフタル酸成分及び1.4−ブタンジオール又はエチレングリコール成分からなるものであるのが好ましい。
なかでも好ましいのは、酸性分の95モル%以上がテレフタル酸であり、アルコール成分の95質量%以上が脂肪族ジオールであるポリアルキレンテレフタレート樹脂である。その代表的なものはポリブチレンテレフタレート樹脂及びポリエチレンテレフタレート樹脂である。これらはホモエステルに近いもの、即ち樹脂全体の95質量%以上が、テレフタル酸成分及び1.4−ブタンジオール又はエチレングリコール成分からなるものであるのが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、主成分がポリブチレンテレフタレート樹脂であることが好ましい。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の固有粘度は、0.5〜2dl/gであることが好ましい。成形性及び機械的特性の点からして、0.6〜1.5dl/gの範囲の固有粘度を有するものがより好ましい。固有粘度が0.5dl/gより低いものを用いると、得られる樹脂組成物が機械的強度の低いものとなりやすい。また2dl/gより高いものでは、樹脂組成物の流動性が悪くなり成形性が悪化する場合がある。なお、熱可塑性ポリエステル樹脂の固有粘度は、1,1,2,2−テトラクロロエタンとフェノールとの1:1(質量比)の混合溶媒中、30℃で測定するものとする。
また、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)は、その末端カルボキシル基量は適宜選択して決定すればよいが、通常、60eq/ton以下であり、50eq/ton以下であることが好ましく、30eq/ton以下であることがさらに好ましい。50eq/tonを超えると、樹脂組成物の溶融成形時にガスが発生しやすくなる。末端カルボキシル基量の下限値は特に定めるものではないが、ポリブチレンテレフタレート樹脂の製造の生産性を考慮し、通常、10eq/tonである。
なお、ポリエステル樹脂の末端カルボキシル基量は、ベンジルアルコール25mLにポリアルキレンテレフタレート樹脂0.5gを溶解し、水酸化ナトリウムの0.01モル/lベンジルアルコール溶液を用いて滴定により測定して得られた値をいう。末端カルボキシル基量を調整する方法としては、重合時の原料仕込み比、重合温度、減圧方法などの重合条件を調整する方法や、末端封鎖剤を反応させる方法等、従来公知の任意の方法により行えばよい。
[カーボンブラック(B)]
本発明のポリエステル樹脂組成物が含有するカーボンブラック(B)は、比着色力が40%以下であるカーボンブラックである。
カーボンブラックの比着色力とは、JIS K6217−5:2010に規定されており、カーボンブラックを白色顔料(酸化亜鉛)とともにビヒクルで練り、ガラス板等に塗ったときの光の反射率を測定し、標準品の反射率と対比して指数で表したものであり、その値が大きいほど着色力が高い。市販されているカーボンブラックの場合、比着色力(Tint)は着色力の点から通常100%以上のものが多く、40%以下という低いものは稀であるが、市販品の中では、旭カーボン社製の商品名「旭#8」(比着色力:38%)、「旭#15」(比着色力:25%)等を挙げることができる。
比着色力は、好ましくは39%以下、より好ましくは38%以下、さらに好ましくは36%以下であり、また好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは23%以上である。
本発明のポリエステル樹脂組成物が含有するカーボンブラック(B)は、比着色力が40%以下であるカーボンブラックである。
カーボンブラックの比着色力とは、JIS K6217−5:2010に規定されており、カーボンブラックを白色顔料(酸化亜鉛)とともにビヒクルで練り、ガラス板等に塗ったときの光の反射率を測定し、標準品の反射率と対比して指数で表したものであり、その値が大きいほど着色力が高い。市販されているカーボンブラックの場合、比着色力(Tint)は着色力の点から通常100%以上のものが多く、40%以下という低いものは稀であるが、市販品の中では、旭カーボン社製の商品名「旭#8」(比着色力:38%)、「旭#15」(比着色力:25%)等を挙げることができる。
比着色力は、好ましくは39%以下、より好ましくは38%以下、さらに好ましくは36%以下であり、また好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは23%以上である。
カーボンブラック(B)の平均粒子径は、30〜300nmが好ましく、より好ましくは50nm以上、更には80nm以上、特には100nm以上が好ましく、また、200nm以下がより好ましく、170nm以下がさらに好ましく、150nm以下が特に好ましく、140nm以下であることが最も好ましい。平均粒子径をこのような範囲とすることで、カーボンブラックの凝集を適度に抑制し、安定した着色性を発現できる傾向にある。
なお、カーボンブラックの平均粒子径は、ASTM D3849規格(カーボンブラックの標準試験法−電子顕微鏡法による形態的特徴付け)に記載の手順によりアグリゲート拡大画像を取得し、このアグリゲート画像から単位構成粒子として3,000個の粒子径を測定し、算術平均して求める値である。
なお、カーボンブラックの平均粒子径は、ASTM D3849規格(カーボンブラックの標準試験法−電子顕微鏡法による形態的特徴付け)に記載の手順によりアグリゲート拡大画像を取得し、このアグリゲート画像から単位構成粒子として3,000個の粒子径を測定し、算術平均して求める値である。
また、カーボンブラック(B)のDBP吸油量は、100ml/100g未満であることが好ましく、より好ましくは70ml/100g未満、50ml/100g未満であることがさらに好ましい。DBP吸油量を100ml/100g未満にすることで、ポリエステル樹脂組成物の流動性が向上する傾向にあり好ましい。下限は通常5ml/100g、好ましくは10ml/100gである。なお、DBP吸油量はJIS K6217−4:2008に準拠して測定する値である。
また、カーボンブラック(B)の単位質量当たりのヨウ素吸着量(mg/g)は、60mg/g未満であることが好ましく、40mg/g未満であることがより好ましい。下限は通常1mg/g、好ましくは3mg/gである。ヨウ素吸着量を60mg/g未満にすることで、ポリエステル樹脂組成物の流動性が向上する傾向にあり好ましい。なお、ヨウ素吸着量は、JIS K6217−1:2008に準拠して測定される値である。
また、カーボンブラック(B)の単位質量当たりのヨウ素吸着量(mg/g)は、60mg/g未満であることが好ましく、40mg/g未満であることがより好ましい。下限は通常1mg/g、好ましくは3mg/gである。ヨウ素吸着量を60mg/g未満にすることで、ポリエステル樹脂組成物の流動性が向上する傾向にあり好ましい。なお、ヨウ素吸着量は、JIS K6217−1:2008に準拠して測定される値である。
カーボンブラック(B)の窒素吸着比表面積は、通常100m2/g未満が好ましく、なかでも80m2/g以下、なかでも50m2/g以下、特には30m2/g以下であることが好ましい。窒素吸着比表面積を100m2/g未満にすることで、ポリエステル樹脂組成物の流動性が向上する傾向にあり好ましい。下限は通常1m2/g、好ましくは3m2/gである。なお、窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2:2001に準拠して測定する値である。
また、カーボンブラック(B)は、そのpHについても特に制限はないが、通常、2〜10であり、3〜9であることが好ましく、4〜8であることがさらに好ましい。
また、カーボンブラック(B)は、そのpHについても特に制限はないが、通常、2〜10であり、3〜9であることが好ましく、4〜8であることがさらに好ましい。
カーボンブラック(B)の製造方法や原料種等に制限はなく、従来公知の任意のものを使用できる。具体的には例えば、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。
カーボンブラック(B)の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して0.05質量部以上であり、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上であり、1質量部以下であり、より好ましくは0.7質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下である。カーボンブラックの含有量が1質量部を超えると耐トラッキング性、絶縁破壊電圧、靱性が低下する。
カーボンブラック(B)は、単独で又は二種以上併用して使用することができる。更にカーボンブラックは、バインダーを用いて顆粒化することも可能であり、樹脂中に高濃度で溶融混練したマスターバッチでの使用も可能である。溶融混練したマスターバッチを使用することによって、樹脂組成物溶融混練時のハンドリング性や樹脂組成物中への分散性が良好となる傾向にある。上記樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられ、特には、ポリブチレンテレフタレート樹脂、アクリロニトリル−スチレン系樹脂を使用することが好ましい。
マスターバッチ中のカーボンブラック(B)の含有量は5〜80質量%であることが好ましく、10〜70質量%がより好ましく、15〜60質量%がさらに好ましく、18〜40質量%が特に好ましい。マスターバッチ中のカーボンブラックの含有量が80質量%を超えると、カーボンブラックの分散不良が発生する場合があり好ましくない。また、カーボンブラックマスターバッチの使用量は適宜選択して決定すればよいが、通常、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して0.5〜10質量部であり、中でも1〜8質量部、特には1.5〜5質量部であることが好ましい。
[無機充填材(C)]
本発明のポリエステル樹脂組成物には、無機充填材(C)を含有することが好ましい。無機充填材としては常用のものをいずれも用いることができる。無機充填材(C)の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、0〜70質量部、好ましくは10質量部以上、60質量部以下であることが好ましい。無機充填材(C)の含有量が70質量部を上回ると、流動性が低下するので好ましくない。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、無機充填材(C)を含有することが好ましい。無機充填材としては常用のものをいずれも用いることができる。無機充填材(C)の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、0〜70質量部、好ましくは10質量部以上、60質量部以下であることが好ましい。無機充填材(C)の含有量が70質量部を上回ると、流動性が低下するので好ましくない。
無機充填材(C)としては、具体的には例えば、ガラス繊維、炭素繊維、玄武岩繊維、ウォラストナイト、チタン酸カリウム繊維等の繊維状の充填材を用いることができる。また炭酸カルシウム、酸化チタン、長石系鉱物、クレー、有機化クレー、ガラスビーズ等の粒状又は無定形の充填材;タルク等の板状の充填材;ガラスフレーク、マイカ、グラファイト等の鱗片状の充填材を用いることもできる。なかでも、機械的強度、剛性および耐熱性の点からガラス繊維を用いるのが好ましい。
無機充填材(C)は、カップリング剤等の表面処理剤によって、表面処理されたものを用いることがより好ましい。表面処理剤が付着したガラス繊維は、耐久性、耐湿熱性、耐加水分解性、耐ヒートショック性に優れる傾向にあり好ましい。
表面処理剤としては、従来公知の任意のものを使用でき、具体的には、例えば、アミノシラン系、エポキシシラン系、アリルシラン系、ビニルシラン系等のシラン系カップリング剤が好ましく挙げられる。
これらの中では、アミノシラン系表面処理剤が好ましく、具体的には例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい例として挙げられる。
これらの中では、アミノシラン系表面処理剤が好ましく、具体的には例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい例として挙げられる。
また、表面処理剤として、ノボラック型等のエポキシ樹脂、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂等も好ましく挙げられる。中でもノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
表面処理剤脂は、それぞれ単独で用いても複数種で用いてもよく、両者を併用することも好ましい。
表面処理剤脂は、それぞれ単独で用いても複数種で用いてもよく、両者を併用することも好ましい。
[難燃剤及び難燃助剤]
本発明のポリエステル樹脂組成物は、難燃剤を含有することも可能である。
難燃剤としては、例えば、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤を含有することができ、中でもハロゲン系難燃剤又はリン系難燃剤を含有することが好ましい。
ハロゲン系難燃剤の好ましい具体例としては、臭素化ポリカーボネート樹脂、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化ポリフェニレンエーテル樹脂、臭素化ポリスチレン樹脂、臭素化ビスフェノールA、グリシジル臭素化ビスフェノールA、ペンタブロモベンジルポリアクリレート、臭素化イミド(臭素化フタルイミド等)等が挙げられ、中でも、臭素系難燃剤が好ましく、臭素化ポリカーボネート樹脂、臭素化ポリスチレン樹脂、グリシジル臭素化ビスフェノールA、ペンタブロモベンジルポリアクリレートが、耐衝撃性の低下を抑制しやすい傾向にあり、より好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、難燃剤を含有することも可能である。
難燃剤としては、例えば、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤を含有することができ、中でもハロゲン系難燃剤又はリン系難燃剤を含有することが好ましい。
ハロゲン系難燃剤の好ましい具体例としては、臭素化ポリカーボネート樹脂、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化ポリフェニレンエーテル樹脂、臭素化ポリスチレン樹脂、臭素化ビスフェノールA、グリシジル臭素化ビスフェノールA、ペンタブロモベンジルポリアクリレート、臭素化イミド(臭素化フタルイミド等)等が挙げられ、中でも、臭素系難燃剤が好ましく、臭素化ポリカーボネート樹脂、臭素化ポリスチレン樹脂、グリシジル臭素化ビスフェノールA、ペンタブロモベンジルポリアクリレートが、耐衝撃性の低下を抑制しやすい傾向にあり、より好ましい。
リン系難燃剤としては、例えば、エチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛等の、(ジ)ホスフィン酸金属塩、ポリリン酸メラミンに代表されるメラミンとリン酸との反応生成物、リン酸エステル、環状フェノキシホスファゼン、鎖状フェノキシホスファゼン、架橋フェノキシホスファゼン等のホスファゼン等が挙げられ、中でも、(ジ)ホスフィン酸金属塩、ポリリン酸メラミン、ホスファゼンが熱安定性に優れる点から好ましい。
難燃剤の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、5〜40質量部であることが好ましい。難燃剤が5質量部未満では、十分な難燃性が得られにくく、40質量部を超えると耐トラッキング特性の向上が認められない場合がある。難燃剤のより好ましい含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、6〜35質量部、さらに好ましくは7〜35質量部である。
さらに本発明のポリエステル樹脂組成物は、難燃剤と共に、難燃助剤を含有することが好ましい。難燃助剤としては、例えば、アンチモン化合物、硼酸亜鉛、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化鉄、酸化チタン、酸化アルミニウム等が挙げられ、2種以上併用してもよい。これらの中でも、難燃性がより優れる点からアンチモン化合物、硼酸亜鉛が好ましい。
アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン(Sb2O3)、五酸化アンチモン(Sb2O5)、アンチモン酸ナトリウム等が挙げられる。特に、ハロゲン系難燃剤を用いる場合、難燃剤との相乗効果から、三酸化アンチモンを併用することが好ましい。
ハロゲン系難燃剤とアンチモン化合物を併用する場合は、ポリエステル樹脂組成物中のハロゲン系難燃剤由来のハロゲン原子と、アンチモン化合物由来のアンチモン原子の質量濃度が、両者の合計で5〜16質量%であることが好ましく、6〜15質量%であることがより好ましい。5質量%未満であると難燃性が低下する傾向にあり、16質量%を超えると機械的強度や耐トラッキング特性が低下する場合がある。また、ハロゲン原子とアンチモン原子の質量比(ハロゲン原子/アンチモン原子)は、0.3〜5であることが好ましく、0.3〜4であることがより好ましい。
アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン(Sb2O3)、五酸化アンチモン(Sb2O5)、アンチモン酸ナトリウム等が挙げられる。特に、ハロゲン系難燃剤を用いる場合、難燃剤との相乗効果から、三酸化アンチモンを併用することが好ましい。
ハロゲン系難燃剤とアンチモン化合物を併用する場合は、ポリエステル樹脂組成物中のハロゲン系難燃剤由来のハロゲン原子と、アンチモン化合物由来のアンチモン原子の質量濃度が、両者の合計で5〜16質量%であることが好ましく、6〜15質量%であることがより好ましい。5質量%未満であると難燃性が低下する傾向にあり、16質量%を超えると機械的強度や耐トラッキング特性が低下する場合がある。また、ハロゲン原子とアンチモン原子の質量比(ハロゲン原子/アンチモン原子)は、0.3〜5であることが好ましく、0.3〜4であることがより好ましい。
難燃助剤の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.5〜20質量部、より好ましくは0.7〜18質量部、さらに好ましくは1〜15質量部である。
[滴下防止剤]
本発明のポリエステル樹脂組成物には、滴下防止剤を含有させることも可能である。滴下防止剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好ましく、フィブリル形成能を有し、樹脂組成物中に容易に分散し、かつ樹脂同士を結合して繊維状材料を作る傾向を示すものである。
滴下防止剤の含有割合は、好ましくは、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜20質量部である。滴下防止剤が0.1質量部未満では難燃性が不十分になりやすく、20質量部を超えると外観が悪くなりやすい。滴下防止剤の含有割合は、より好ましくは、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、0.5〜10質量部である。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、滴下防止剤を含有させることも可能である。滴下防止剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好ましく、フィブリル形成能を有し、樹脂組成物中に容易に分散し、かつ樹脂同士を結合して繊維状材料を作る傾向を示すものである。
滴下防止剤の含有割合は、好ましくは、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜20質量部である。滴下防止剤が0.1質量部未満では難燃性が不十分になりやすく、20質量部を超えると外観が悪くなりやすい。滴下防止剤の含有割合は、より好ましくは、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、0.5〜10質量部である。
[離型剤]
本発明のポリエステル樹脂組成物は、更に、離型剤を含有することが好ましい。離型剤としては、ポリエステル樹脂に通常使用される既知の離型剤が利用可能であるが、中でも、離型性が優れる点で、ポリオレフィン系化合物、脂肪酸エステル系化合物及びシリコーン系化合物から選ばれる1種以上の離型剤が好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、更に、離型剤を含有することが好ましい。離型剤としては、ポリエステル樹脂に通常使用される既知の離型剤が利用可能であるが、中でも、離型性が優れる点で、ポリオレフィン系化合物、脂肪酸エステル系化合物及びシリコーン系化合物から選ばれる1種以上の離型剤が好ましい。
ポリオレフィン系化合物としては、パラフィンワックス及びポリエチレンワックスから選ばれる化合物が挙げられ、中でも、質量平均分子量が、700〜10,000、更には900〜8,000のものが好ましい。
脂肪酸エステル系化合物としては、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類等の脂肪酸エステル類やその部分鹸化物などが挙げられ、中でも、炭素数11〜28、好ましくは炭素数17〜21の脂肪酸で構成されるモノ又はジ脂肪酸エステルが好ましい。具体的には、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンジベヘネート、グリセリン−12−ヒドロキシモノステアレート、ソルビタンモノベヘネート等が挙げられる。
また、シリコーン系化合物としては、熱可塑性ポリエステル樹脂との相溶性などの点から、変性されている化合物が好ましい。変性シリコーンオイルとしては、ポリシロキサンの側鎖に有機基を導入したシリコーンオイル、ポリシロキサンの両末端及び/又は片末端に有機基を導入したシリコーンオイルなどが挙げられる。導入される有機基としては、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、カルビノール基、メタクリル基、メルカプト基、フェノール基などが挙げられ、好ましくはエポキシ基が挙げられる。変性シリコーンオイルとしては、ポリシロキサンの側鎖にエポキシ基を導入したシリコーンオイルが特に好ましい。
離型剤の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、0.05〜2質量部であることが好ましい。0.05質量部未満であると、溶融成形時の離型不良により表面性が低下する傾向があり、一方、2質量部を超えると、樹脂組成物の練り込み作業性が低下し、また成形品表面に曇りが見られる場合がある。離型剤の含有量は、好ましくは0.07〜1.5質量部、更に好ましくは0.1〜1.0質量部である。
[安定剤]
本発明のポリエステル樹脂組成物は、さらに安定剤を含有することが、熱安定性改良や、機械的強度、透明性及び色相の悪化を防止する効果を有するという点で好ましい。安定剤としては、リン系安定剤およびフェノール系安定剤が好ましい。
リン系安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜リン酸エステル、リン酸エステル等が挙げられ、中でもホスファイト、ホスホナイトが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、さらに安定剤を含有することが、熱安定性改良や、機械的強度、透明性及び色相の悪化を防止する効果を有するという点で好ましい。安定剤としては、リン系安定剤およびフェノール系安定剤が好ましい。
リン系安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜リン酸エステル、リン酸エステル等が挙げられ、中でもホスファイト、ホスホナイトが好ましい。
ホスファイトとしては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジラウリルハイドロジェンホスファイト、トリエチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、モノフェニルジデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、水添ビスフェノールAフェノールホスファイトポリマー、ジフェニルハイドロジェンホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニルジ(トリデシル)ホスファイト)、テトラ(トリデシル)4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジラウリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(4−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、水添ビスフェノールAペンタエリスリトールホスファイトポリマー、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
また、ホスホナイトとしては、テトラキス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、およびテトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイトなどが挙げられる。
また、ホスフェートとしては、例えば、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、プロピルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、デシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、ベヘニルアシッドホスフェート、フェニルアシッドホスフェート、ノニルフェニルアシッドホスフェート、シクロヘキシルアシッドホスフェート、フェノキシエチルアシッドホスフェート、アルコキシポリエチレングリコールアシッドホスフェート、ビスフェノールAアシッドホスフェート、ジメチルアシッドホスフェート、ジエチルアシッドホスフェート、ジプロピルアシッドホスフェート、ジイソプロピルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジラウリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェート、ジフェニルアシッドホスフェート、ビスノニルフェニルアシッドホスフェート等が挙げられる。
リン系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
リン系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
フェノール系安定剤の具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられる。
なかでも、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。
なお、フェノール系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
なお、フェノール系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
安定剤の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常1.5質量部以下、好ましくは1質量部以下である。0.001質量部未満では安定剤としての効果が不十分であり、成形時の分子量の低下や色相悪化が起こりやすく、また1.5質量部を超えると、過剰量となりシルバーの発生や、色相悪化が更に起こりやすくなる傾向がある。
[その他成分]
本発明のポリエステル樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記した以外の種々の添加剤を含有していても良い。このような添加剤としては、紫外線吸収剤、染顔料、蛍光増白剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤等が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記した以外の種々の添加剤を含有していても良い。このような添加剤としては、紫外線吸収剤、染顔料、蛍光増白剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤等が挙げられる。
また、本発明におけるポリエステル樹脂組成物には、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂を、本発明の効果を損わない範囲で含有することができる。その他の熱可塑性樹脂としては、具体的には、例えば、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
[樹脂組成物の製造方法]
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法としては、ポリエステル樹脂組成物調製の常法に従って行うことができる。通常は各成分及び所望により添加される種々の添加剤を一緒にしてよく混合し、次いで一軸又は二軸押出機で溶融混練する。また各成分を予め混合することなく、ないしはその一部のみを予め混合し、フイーダーを用いて押出機に供給して溶融混練し、本発明の樹脂組成物を調製することもできる。さらには、ポリエステル樹脂の一部に他の成分の一部を配合したものを溶融混練してマスターバッチを調製し、次いでこれに残りのポリエステル樹脂や他の成分を配合して溶融混練してもよい。
なお、無機充填材としてガラス繊維などの繊維状のものを用いる場合には、押出機のシリンダー途中のサイドフイーダーから供給することも好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法としては、ポリエステル樹脂組成物調製の常法に従って行うことができる。通常は各成分及び所望により添加される種々の添加剤を一緒にしてよく混合し、次いで一軸又は二軸押出機で溶融混練する。また各成分を予め混合することなく、ないしはその一部のみを予め混合し、フイーダーを用いて押出機に供給して溶融混練し、本発明の樹脂組成物を調製することもできる。さらには、ポリエステル樹脂の一部に他の成分の一部を配合したものを溶融混練してマスターバッチを調製し、次いでこれに残りのポリエステル樹脂や他の成分を配合して溶融混練してもよい。
なお、無機充填材としてガラス繊維などの繊維状のものを用いる場合には、押出機のシリンダー途中のサイドフイーダーから供給することも好ましい。
溶融混練に際しての加熱温度は、通常220〜300℃の範囲から適宜選ぶことができる。温度が高すぎると分解ガスが発生しやすく、不透明化の原因になる場合がある。それ故、剪断発熱等に考慮したスクリュー構成の選定が望ましい。混練り時や、後行程の成形時の分解を抑制する為、酸化防止剤や熱安定剤の使用が望ましい。
[成形体]
本発明のポリエステル樹脂組成物は、通常、任意の形状に成形して成形体として用いる。この成形体の形状、模様、色、寸法等に制限はなく、その成形体の用途に応じて任意に設定すればよい。
成形体の製造方法は、特に限定されず、ポリエステル樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロー成形法等が挙げられ、中でも射出成形法が好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、通常、任意の形状に成形して成形体として用いる。この成形体の形状、模様、色、寸法等に制限はなく、その成形体の用途に応じて任意に設定すればよい。
成形体の製造方法は、特に限定されず、ポリエステル樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロー成形法等が挙げられ、中でも射出成形法が好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、高い着色安定性を有し、耐トラッキング性の低下が少ないポリエステル樹脂材料であるので、電気電子機器あるいはそれ等の絶縁性部品として特に好適である。
絶縁性部品としては、金属接点、銅版などと組み合わせることにより、電気接点開閉部を有する電気電子機器部品、例えばリレー、スイッチ、ターミナルスイッチ、センサー、コネクター、アクチュエーター、マイクロスイッチ、マイクロセンサーおよびマイクロアクチュエーター等の有接点電気電子部品や、電気電子製品の筐体として好ましく用いることができる。
絶縁性部品としては、金属接点、銅版などと組み合わせることにより、電気接点開閉部を有する電気電子機器部品、例えばリレー、スイッチ、ターミナルスイッチ、センサー、コネクター、アクチュエーター、マイクロスイッチ、マイクロセンサーおよびマイクロアクチュエーター等の有接点電気電子部品や、電気電子製品の筐体として好ましく用いることができる。
以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
なお、以下の説明において[部]とは、特に断りのない限り、質量基準に基づく「質量部」を表す。
なお、以下の説明において[部]とは、特に断りのない限り、質量基準に基づく「質量部」を表す。
以下の実施例および比較例において、使用した成分は、以下の表1の通りである。
(実施例1〜4、比較例1〜6)
上記表1に記載の各成分を下記表2に記載の配合割合(質量部)になるように配合し、2軸押出機(日本製鋼所社製「TEX−30α」、スクリュー径30mm)を用いて、バレル設定温度250℃、回転数200rpmで押出し樹脂組成物のペレットを作った。得られたペレットの特性は、射出成形機(日精樹脂工業社製「NEX−80」)を用いてシリンダー温度260℃で、下記(1)及び(2)の形状の評価用試験片を射出成形した。なお、成形に際して、樹脂組成物はその直前まで120℃にて6〜8時間乾燥した。
上記表1に記載の各成分を下記表2に記載の配合割合(質量部)になるように配合し、2軸押出機(日本製鋼所社製「TEX−30α」、スクリュー径30mm)を用いて、バレル設定温度250℃、回転数200rpmで押出し樹脂組成物のペレットを作った。得られたペレットの特性は、射出成形機(日精樹脂工業社製「NEX−80」)を用いてシリンダー温度260℃で、下記(1)及び(2)の形状の評価用試験片を射出成形した。なお、成形に際して、樹脂組成物はその直前まで120℃にて6〜8時間乾燥した。
<評価方法>
各評価方法は、以下のとおりである。
(1)耐トラッキング特性(CTI)
厚さ3.0mm、50φの円板の試験片を用い、試験法UL746A 23項で規定されている耐トラッキング性試験方法はASTM D3638に準拠して測定した。装置のノズルから電解液(塩化アンモニウム0.1%水溶液、23℃で抵抗率385Ω・cm)を30秒間隔で滴下させ、両白金電極間に600V以下(25Vステップ)の電圧を印加し、トラッキングが発生するまでの電解液滴下数を測定し、5回の平均値が50滴未満となる電圧(単位:V)を求めた。
CTIは、数値が高いほど耐トラッキング性が良好であることを意味し、350V以上であるのが好ましい。
各評価方法は、以下のとおりである。
(1)耐トラッキング特性(CTI)
厚さ3.0mm、50φの円板の試験片を用い、試験法UL746A 23項で規定されている耐トラッキング性試験方法はASTM D3638に準拠して測定した。装置のノズルから電解液(塩化アンモニウム0.1%水溶液、23℃で抵抗率385Ω・cm)を30秒間隔で滴下させ、両白金電極間に600V以下(25Vステップ)の電圧を印加し、トラッキングが発生するまでの電解液滴下数を測定し、5回の平均値が50滴未満となる電圧(単位:V)を求めた。
CTIは、数値が高いほど耐トラッキング性が良好であることを意味し、350V以上であるのが好ましい。
(2)着色安定性の評価
上記の方法で得られた樹脂組成物からなる大きさ100×100×3mmtの平板試験片1と、ノバデュラン5008製の同形状の平板試験片2とを重ね合わせ、温度120℃の熱風オーブン中に1000時間放置した。放置後の試験片2への着色性について、目視で以下の基準により、着色安定性の評価を行った。
○:試験片1と重ね合わせた部分に変色が認められない。
×:試験片1と重ねあわせて部分に変色が認められる。
また、分光測色計(コニカミノルタ社製:CM−3600d、光源:D65、視野:10°、方式:SCI)を用いて、上記耐熱試験前の試験片1の色差測定を行い、SCI色調(L*値、a*値、b*値)を求めた。
L*値は明るさを表し、数値が20台であると黒色であることを示す。色みはa*及びb*で表し、a*がプラスの方向になるほど赤みが強くなり、またb*がプラスの方向になるほど黄みが強いことを示す。
以上の評価結果を、以下の表2に示す。
上記の方法で得られた樹脂組成物からなる大きさ100×100×3mmtの平板試験片1と、ノバデュラン5008製の同形状の平板試験片2とを重ね合わせ、温度120℃の熱風オーブン中に1000時間放置した。放置後の試験片2への着色性について、目視で以下の基準により、着色安定性の評価を行った。
○:試験片1と重ね合わせた部分に変色が認められない。
×:試験片1と重ねあわせて部分に変色が認められる。
また、分光測色計(コニカミノルタ社製:CM−3600d、光源:D65、視野:10°、方式:SCI)を用いて、上記耐熱試験前の試験片1の色差測定を行い、SCI色調(L*値、a*値、b*値)を求めた。
L*値は明るさを表し、数値が20台であると黒色であることを示す。色みはa*及びb*で表し、a*がプラスの方向になるほど赤みが強くなり、またb*がプラスの方向になるほど黄みが強いことを示す。
以上の評価結果を、以下の表2に示す。
表2より、本発明で規定するカーボンブラック(B)を所定の量で含有する実施例1〜4のポリエステル樹脂組成物は、カーボンブラック(B)を所定の量を外れて含有する比較例1、あるいは(B)以外のカーボンブラックを含有する比較例2〜5に比べ、CTIが350V以上と耐トラッキング性に優れ、かつ120℃、1000時間の耐熱試験においても、接触している他の成形体への色移り等の問題がなく、高い着色安定性を有することが分かる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、高い着色安定性を有し、耐トラッキング性の低下が少ないので、電気電子機器部品、特に、電気接点開閉部を有する部品、例えばコネクター、リレー、スイッチ等や、電気電子機器部品の筐体などの広範囲の部品に特に好適に適用できる。
Claims (6)
- 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、比着色力が40%以下であるカーボンブラック(B)0.05〜1質量部、無機充填材(C)0〜70質量部を含有することを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
- カーボンブラック(B)の平均粒径が30〜300nm、DBP吸油量が100ml/100g未満である請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)がポリブチレンテレフタレート樹脂である請求項1または2に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物を成形してなる成形体。
- 電気電子機器部品である請求項4に記載の成形体。
- 電気接点開閉部を有する電気電子機器部品である請求項5に記載の成形体。
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2014
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