JP5677926B2 - レ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

レ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物及び成形体 Download PDF

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Description

本発明は、レ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物及び成形体に関するものであり、さらに詳しくは、レ−ザ−によるマ−キングが容易で、レ−ザ−マ−キングによる印字性(コントラスト)に優れ、さらに、マ−キングされたマ−クの耐光性にも優れるレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物及びそれを成形してなる成形体に関する。
ポリブチレンテレフタレ−トやポリエチレンテレフタレ−トに代表される熱可塑性ポリエステル樹脂は、機械的強度、耐薬品性及び電気絶縁性等に優れており、また優れた耐熱性、成形性、リサイクル性を有していることから、電気電子機器部品、自動車部品その他の電装部品、機械部品等に広く用いられている。
電気電子機器部品等では、製品の型式、製造ロット番号等を製品の外表面に印字を施すことが多い。このための印字方法としては、レ−ザ−光によるエネルギ−照射で変色する充填物を配合した成形品に、レ−ザ−光を照射して印字(標識、パタ−ン等を含む。)するレ−ザ−マ−キングが注目されている。
このレ−ザ−マ−キング用のポリエステル系樹脂材料としては、例えば、特許文献1には、水酸化銅−リン酸塩又は酸化モリブデンを配合した自消性ポリブチレンテレフタレ−トが、また、特許文献2には、ポリアルキレンテレフタレ−トに難燃剤を配合した限界酸素指数が22%以上の樹脂組成物が記載されている。さらに、特許文献3には、熱可塑性ポリエステル樹脂、臭素系難燃剤、アンチモン系難燃助剤並びにカ−ボンブラック及び/又はグラファイトからなるポリエステル樹脂組成物が開示されている。
しかしながら、これらの樹脂組成物は、いずれも、レ−ザ−マ−キングによる印字性、さらに、マ−キングされたマ−クの耐光性の点で必ずしも充分に満足できるものではなく、また、難燃剤等の凝集により凝集物が発生し、成形品外観が劣るという問題が生じる場合があった。
特許第2947878号公報 特許第2862413号公報 特許第2735956号公報
本発明の目的は、レ−ザ−マ−キングによる印字性に優れ、さらに、マ−キングされたマ−クの耐光性及び成形品外観にも優れるレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、ハロゲン化フタルイミド化合物、アンチモン化合物、ポリカ−ボネ−ト及び/又はタルクをそれぞれ特定量含有するポリエステル樹脂組成物が、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明によれば、以下のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物および成形体が提供される。
[1]熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、ハロゲン化フタルイミド化合物(B)を5〜30質量部、アンチモン化合物(C)を1〜20質量部、ポリカ−ボネ−ト(D)及び/又はタルク(E)を0.1〜5質量部含有することを特徴とするレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
[2]さらに、酸化チタン(F)を、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜20質量部含有することを特徴とする上記[1]に記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
[3]さらに、ガラス繊維(G)を、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、10〜100質量部含有することを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
[4]さらに、滴下防止剤(H)を、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜5質量部含有することを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
[5]アンチモン化合物(C)が、三酸化アンチモンであることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
[6]ポリカ−ボネ−ト(D)が、臭素化ポリカ−ボネ−トであることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれかに記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
[7]熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の主成分が、ポリブチレンテレフタレ−トであることを特徴とする上記[1]〜[6]のいずれかに記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかに記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
[9]電気電子機器の筐体、もしくは、照明用機器の口金、素子基板又は筐体であることを特徴とする上記[8]に記載の成形体。
[10]表面にレ−ザ−マ−キングが施された上記[8]又は[9]に記載の成形体。
本発明のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物は、レ−ザ−によるマ−キングが容易で、レ−ザ−マ−キングによる印字性(コントラスト)に優れ、さらに、マ−キングされたマ−クの耐光性及び成形品外観にも優れる。
このため、本発明のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物は、例えば、電気電子機器の筐体、もしくは、照明用機器の口金、素子基板又は筐体等に特に好適に使用できる。
そして、本発明のポリエステル樹脂組成物を成形した成形体の表面にレ−ザ−マ−キングにより施されたマ−クは、耐光性に優れるので、安定した印字や記号を鮮明に維持することができ、長期に亘って製品の識別・管理・利用を行うことができる。
本発明のこのような効果を発現する機構については、以下のように推察している。
すなわち、ハロゲン化フタルイミド化合物(B)は、他の臭素系難燃剤に比べレ−ザ−マ−キング性に優れることが判明したが、一方、他の臭素系難燃剤に比べ融点が高く、溶融混練又は成形中であっても溶融せず固体のまま存在する。そのためハロゲン化フタルイミド化合物(B)同士が凝集しやすく、凝集物となって成形品中に存在して、成形品外観が低下するという問題が発生しやすい。本発明では、ポリカ−ボネ−ト(D)やタルク(E)を含有することにより、これらが分散剤として働き、ハロゲン化フタルイミド化合物(B)が凝集しにくくなり、凝集物がなく外観に優れる成形品が得られると考えられる。
また滴下防止剤(H)であるポリテトラフルオロエチレン等を配合した場合は、これらとハロゲン化フタルイミド化合物(B)がより凝集しやすくなるため、凝集物が多くなる傾向にあり、また、レ−ザ−マ−キング性を向上させる目的でカ−ボンブラックを配合した場合も、凝集物がより目立ち易くなるため、ポリカ−ボネ−ト(D)やタルク(E)の配合による凝集物の減少効果はより顕著になるものと推察される。
[1.発明の概要]
本発明のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、ハロゲン化フタルイミド化合物(B)を5〜30質量部、アンチモン化合物(C)を1〜20質量部、ポリカ−ボネ−ト(D)及び/又はタルク(E)を0.1〜5質量部含有することを特徴とする。
以下、本発明の内容について詳細に説明する。
以下に記載する各構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定して解釈されるものではない。なお、本願明細書において、「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用され、「ppm」は「質量ppm」を意味する。
[2.熱可塑性ポリエステル樹脂(A)]
本発明のポリエステル樹脂組成物の主成分である熱可塑性ポリエステル樹脂(A)とは、ジカルボン酸化合物とジヒドロキシ化合物の重縮合、オキシカルボン酸化合物の重縮合あるいはこれらの化合物の重縮合等によって得られるポリエステルであり、ホモポリエステル、コポリエステルの何れであってもよい。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を構成するジカルボン酸化合物としては、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体が好ましく使用される。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1、5−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニル−2、2’−ジカルボン酸、ビフェニル−3、3’−ジカルボン酸、ビフェニル−4、4’−ジカルボン酸、ジフェニルエ−テル−4、4’−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−4、4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルフォン−4、4’−ジカルボン酸、ジフェニルイソプロピリデン−4、4’−ジカルボン酸、1、2−ビス(フェノキシ)エタン−4、4’−ジカルボン酸、アントラセン−2、5−ジカルボン酸、アントラセン−2、6−ジカルボン酸、p−タ−フェニレン−4、4’−ジカルボン酸、ピリジン−2、5−ジカルボン酸等が挙げられ、中でも、テレフタル酸が好ましく使用できる。
これらの芳香族ジカルボン酸は2種以上を混合して使用しても良い。これらは周知のように、遊離酸以外にジメチルエステル等のエステル形成性誘導体として重縮合反応に用いることができる。
なお、少量であればこれらの芳香族ジカルボン酸と共にアジピン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸や、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸を1種以上混合して使用することができる。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を構成するジヒドロキシ化合物としては、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ブタンジオ−ル、へキシレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、2−メチルプロパン−1、3−ジオ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル等の脂肪族ジオ−ル、シクロヘキサン−1、4−ジメタノ−ル等の脂環式ジオ−ル等、およびそれらの混合物等が挙げられる。なお、少量であれば、分子量400〜6,000の長鎖ジオ−ル、すなわち、ポリエチレングリコ−ル、ポリ−1、3−プロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル等を1種以上共重合せしめてもよい。
また、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオ−ル、ジヒドロキシジフェニルエ−テル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオ−ルも用いることができる。
また、上記のような二官能性モノマ−以外に、分岐構造を導入するためトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ペンタエリスリト−ル、トリメチロ−ルプロパン等の三官能性モノマ−や分子量調節のため脂肪酸等の単官能性化合物を少量併用することもできる。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)としては、通常は主としてジカルボン酸とジオ−ルとの重縮合からなるもの、即ち樹脂全体の50質量%、好ましくは70質量%以上がこの重縮合物からなるものを用いる。ジカルボン酸としては芳香族カルボン酸が好ましく、ジオ−ルとしては脂肪族ジオ−ルが好ましい。
なかでも好ましいのは、酸成分の95モル%以上がテレフタル酸であり、アルコ−ル成分の95質量%以上が脂肪族ジオ−ルであるポリアルキレンテレフタレ−トである。その代表的なものはポリブチレンテレフタレ−ト及びポリエチレンテレフタレ−トである。これらはホモポリエステルに近いもの、即ち樹脂全体の95質量%以上が、テレフタル酸成分及び1.4−ブタンジオ−ル又はエチレングリコ−ル成分からなるものであるのが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、主成分がポリブチレンテレフタレ−トであることが特に好ましい。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の固有粘度は、0.5〜2dl/gであるのが好ましい。成形性及び機械的特性の点からして、0.6〜1.5dl/gの範囲の固有粘度を有するものがより好ましい。固有粘度が0.5dl/gより低いものを用いると、得られる樹脂組成物が機械強度の低いものとなりやすい。また2dl/gより高いものでは、樹脂組成物の流動性が悪くなり成形性が悪化する場合がある。なお、熱可塑性ポリエステル樹脂の固有粘度は、テトラクロロエタンとフェノ−ルとの1:1(質量比)の混合溶媒中、30℃で測定するものとする。
[3.ハロゲン化フタルイミド化合物(B)]
本発明のポリエステル樹脂組成物が含有するハロゲン化フタルイミド化合物(B)としては、下記一般式(1)で表されるものが好ましい。
Figure 0005677926
(一般式(1)中、Xは臭素あるいは塩素原子を示し、Dはアルキレン基、アルキルエ−テル基、ジフェニルスルフォン基、ジフェニルケトン基あるいはジフェニルエ−テル基を示す。iは1〜4の整数である。)
上記一般式(1)で示されるハロゲン化フタルイミド化合物としては、例えばN,N’−(ビステトラブロモフタルイミド)エタン、N,N’−(ビステトラブロモフタルイミド)プロパン、N,N’−(ビステトラブロモフタルイミド)ブタン、N,N’−(ビステトラクロロフタルイミド)エタン、N,N’−(ビステトラクロロフタルイミド)プロパン、N,N’−(ビステトラクロロフタルイミド)ブタン、N,N’−(ビステトラブロモフタルイミド)ジエチルエ−テル、N,N’−(ビステトラブロモフタルイミド)ジプロピルエ−テル、N,N’−(ビステトラブロモフタルイミド)ジブチルエ−テル、N,N’−(ビステトラクロロフタルイミド)ジエチルエ−テル、N,N’−(ビステトラクロロフタルイミド)ジプロピルエ−テル、N,N’−(ビステトラクロロフタルイミド)ジブチルエ−テル、N,N’−(ビステトラブロモフタルイミド)ジフェニルスルフォン、N,N’−(ビステトラクロロフタルイミド)ジフェニルスルフォン、N,N’−(ビステトラブロモフタルイミド)ジフェニルケトン、N,N’−(ビステトラクロロフタルイミド)ジフェニルケトン、N,N’−(ビステトラブロモフタルイミド)ジフェニルエ−テル、N,N’−(ビステトラクロロフタルイミド)ジフェニルエ−テル等が挙げられる。
ハロゲン化フタルイミド化合物(B)としては、上記一般式(1)において、Xが臭素原子、Dがアルキレン基であるものが好ましく、特に好ましくは、下記一般式(2)で示される臭素化フタルイミド化合物である。
Figure 0005677926
(一般式(2)中、iは1〜4の整数である。)
中でも、上記式(2)におけるiが4である、N,N’−(ビステトラブロモフタルイミド)エタンが好ましい。
ハロゲン化フタルイミド化合物(B)は、臭素濃度が52〜75質量%であることが好ましく、56〜73質量%であることがより好ましく、57〜70質量%であることがさらに好ましい。臭素濃度をこのような範囲とすることにより、レ−ザ−マ−キング性及び難燃性を良好に保つことが容易である。
ハロゲン化フタルイミド化合物(B)の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、5〜30質量部である。ハロゲン化フタルイミド化合物(B)の含有量が、5質量部を下回ると、レ−ザ−マ−キング性及び難燃性が低下する傾向であり、30質量部を上回ると、機械的物性が低下する傾向である。ハロゲン化フタルイミド化合物(B)の好ましい含有量は、10〜25質量部であり、より好ましくは12〜20質量部である。
[4.アンチモン化合物(C)]
本発明のポリエステル樹脂組成物が含有するアンチモン化合物(C)としては、酸化アンチモン又は酸化アンチモンと他の金属の複塩を使用することができる。具体的には、例えば、三酸化アンチモン(Sb)、四酸化アンチモン(Sb)、五酸化アンチモン(Sb)等の酸化物或いはアンチモン酸ナトリウム等のアンチモン酸塩等が挙げられる。
これらの中でも、ハロゲン化フタルイミド化合物との相乗効果の点から三酸化アンチモンが好ましい。
アンチモン化合物(C)の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、1〜20質量部である。アンチモン化合物(C)の含有量が、1質量部を下回ると、レ−ザ−マ−キング性及び難燃性が低下し、20質量部を上回ると、機械的物性が低下する。アンチモン化合物(C)の好ましい含有量は、2〜15質量部であり、より好ましくは3〜10質量部である。
ハロゲン化フタルイミド化合物(B)及びアンチモン化合物(C)は、ポリエステル樹脂組成物中のハロゲン化フタルイミド化合物(B)由来の臭素原子と、アンチモン化合物(C)由来のアンチモン原子の質量濃度が、両者の合計で5〜16質量%となるように含有させることが好ましく、6〜15質量%がより好ましい。5質量%未満であると、レ−ザ−マ−キング性、難燃性が低下する傾向があり、16質量%を超えると機械的強度が低下する場合がある。また、臭素原子とアンチモン原子の質量比(Br/Sb)は、0.3〜5であることが好ましく、0.3〜4であることがより好ましい。
[5.ポリカ−ボネ−ト(D)及び/又はタルク(E)]
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリカ−ボネ−ト(D)及び/又はタルク(E)を含有する。
前記したように、ハロゲン化フタルイミド化合物(B)は、融点が高いため、溶融混練中あるいは成形中であっても溶融せず固体のまま通常は存在しており、そのためハロゲン化フタルイミド化合物同士が凝集しやすく、凝集物となって成形品中に存在しやすい。ポリカ−ボネ−ト(D)やタルク(E)は、分散剤として働き、ハロゲン化フタルイミド化合物(B)は凝集しにくくなり、凝集物の発生が顕著に少なくなるという効果を発現させるものである。
また滴下防止剤であるポリテトラフルオロエチレン等を配合した場合は、これらとハロゲン化フタルイミド化合物(B)はより凝集しやすくなるため、凝集物が多くなる傾向にあり、また、カ−ボンブラックを配合した場合は、凝集物がより目立ち易くなるが、ポリカ−ボネ−ト(D)やタルク(E)の配合により凝集物の減少効果はより顕著になる。
[5.1 ポリカ−ボネ−ト(D)]
ポリカ−ボネ−トは、芳香族ジヒドロキシ化合物をホスゲンと反応させる界面重合法や、炭酸ジエステルと反応させるエステル交換法により製造されているが、本発明では何れの製造法のものも用いることができる。エステル交換法では末端封止剤を反応させて末端OH基濃度を調節することがあるが、この処理を経たものも用いることができる。ポリカ−ボネ−ト(D)としては、炭酸結合に直接結合する炭素がそれぞれ芳香族炭素である芳香族ポリカ−ボネ−トが好ましい。
原料の芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノ−ルA)が主として用いられているが、他の芳香族ジヒドロキシ化合物、例えばテトラメチルビスフェノ−ルA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−P−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノ−ル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルなどを用いることもできる。また難燃性を付与するため、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが結合した化合物や、シロキサン構造を有し且つ両末端にフェノ−ル性OH基を有するポリマ−やオリゴマ−を併用することもできる。
本発明においては、市販の代表的なポリカ−ボネ−トであるビスフェノ−ルAから誘導されるポリカ−ボネ−トが好ましく使用できるが、他のポリカ−ボネ−ト、例えばビスフェノ−ルAと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導される共重合ポリカ−ボネ−トを用いることもできる。また2種以上のポリカ−ボネ−トを併用してもよい。
ポリカ−ボネ−ト(D)の分子量は、制限はないが、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度20℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量(Mv)で、好ましくは10,000〜40,000、より好ましくは12,000〜32,000である。粘度平均分子量がこの範囲であると、得られるポリエステル樹脂組成物の成形性が良く、且つ機械的強度の大きい成形品が得られやすい。ポリカ−ボネ−ト(D)の最も好ましい分子量範囲は14,000〜30,000である。
なお、本発明において、ポリカ−ボネ−ト(D)の粘度平均分子量(Mv)は、ウベロ−デ粘度計を用いて、20℃にて、ポリカ−ボネ−ト樹脂のメチレンクロライド溶液の粘度を測定し極限粘度([η])を求め、次のSchnellの粘度式から算出される値を示す。
[η]=1.23×10−4Mv0.83
また、ポリカ−ボネ−ト(D)として、臭素化ビスフェノ−ルA、特にテトラブロモビスフェノ−ルAから得られる、臭素化ポリカ−ボネ−トを使用することも好ましい。
臭素化ポリカ−ボネ−トとしては、臭素化ビスフェノ−ルA、特にテトラブロモビスフェノ−ルAから得られる、臭素化ポリカ−ボネ−トであることが好ましい。その末端構造は4−t−ブチルフェニル基や2,4,6−トリブロモフェニル基等が挙げられ、特に、末端基構造に2,4,6−トリブロモフェニル基を有するものが好ましい。
また、臭素化ポリカ−ボネ−トにおける、カ−ボネ−ト繰り返し単位数の平均は適宜選択して決定すればよいが、通常、2〜30である。カ−ボネ−ト繰り返し単位数の平均が小さいと、溶融時にポリエステル樹脂の分子量低下を引き起こす場合がある。逆に大きすぎてもポリカ−ボネ−トの溶融粘度が高くなり、成形品内の分散不良を引き起こし成形品外観、特に光沢性が低下する場合がある。よってこの繰り返し単位数の平均は、中でも3〜15、特に3〜10であることが好ましい。
ポリカ−ボネ−ト(D)の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜5質量部である。ポリカ−ボネ−ト(D)の含有量が、0.1質量部を下回ると、難燃剤の分散性が低下する傾向であり、5質量部を上回ると、機械的物性や成形性が低下する傾向である。ポリカ−ボネ−ト(D)の好ましい含有量は、0.3〜3質量部であり、より好ましくは0.6〜2.5質量部、さらに好ましくは1〜2質量部である。
[5.2 タルク(E)]
タルク(E)は、周知のとおり、層状構造を持つ含水ケイ酸マグネシウムであって、化学式は代表的には4SiO・3MgO・HOで表され、通常はSiOを58〜66質量%、MgOを28〜35質量%、HOを約5質量%含んでいる。その他少量成分としてFeが0.03〜1.2質量%、Alが0.05〜1.5質量%、CaOが0.05〜1.2質量%、KOが0.2質量%以下、NaOが0.2質量%以下等を含有しているのが一般的である。
タルク(E)としては、平均粒子径が0.1〜10μmであるものが好ましく、0.3〜8μm、特に0.7〜5μmであれば更に好ましい。平均粒子径を0.1μm以上とすることでポリエステル樹脂組成物の熱安定性がより向上する傾向にあり、また平均粒子径を10μm未満とすることでポリエステル樹脂組成物の成形品外観や剛性がより向上する傾向にある。なお、タルク(E)の平均粒子径は、レ−ザ−回折法により求めることができる。
また、タルク(E)は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)との親和性を高めるために、表面処理が施されていることが好ましい。表面処理剤としては、具体的には例えば、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、ペンタエリスリト−ル等のアルコ−ル類、トリエチルアミン等のアルカノ−ルアミン、オルガノポリシロキサン等の有機シリコ−ン系化合物、ステアリン酸等の高級脂肪酸、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩、ポリエチレンワックス、流動パラフィン等の炭化水素系滑剤、リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸、ポリグリセリン及びそれらの誘導体、シラン系カップリング剤、チタネ−ト系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等のカップリング剤から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
タルク(E)の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜5質量部である。タルク(E)の含有量が、0.1質量部を下回ると、難燃剤の分散性が低下する傾向であり、5質量部を上回ると、機械的強度や靱性が低下する傾向である。タルク(E)の好ましい含有量は、0.3〜4質量部であり、より好ましくは0.4〜3質量部、さらに好ましくは0.5〜2.5質量部である。
なお、タルク(E)とポリカ−ボネ−ト(D)と併用する場合は、それぞれを熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜5質量部配合することでよいが、好ましくは、タルク(E)とポリカ−ボネ−ト(D)の合計量として、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、0.5〜6質量部とすることが好ましく、1〜4質量部とすることがより好ましく、1.3〜3.5質量部とすることがさらに好ましい。
[6.酸化チタン(F)]
本発明のポリエステル樹脂組成物は、酸化チタン(F)を含有することが好ましい。
酸化チタン(F)は、成形品の白度や印字コントラストなどを向上させる様に機能する。酸化チタン系添加剤に用いられる酸化チタンは、製造方法、結晶形態および平均粒子径などは、特に限定されるものではない。
酸化チタンの結晶形態には、ルチル型とアナタ−ゼ型があるが、耐光性の観点からルチル型の結晶形態のものが好適である。酸化チタン(F)の平均粒子径は、通常0.1〜0.7μm、好ましくは0.1〜0.4μmである。なお、酸化チタンの平均粒子径は、レ−ザ−回折法により測定することができる。
なお、酸化チタン(F)は、アルミナ系表面処理剤、珪酸水和物、オルガノシロキサン系等の表面処理剤で表面処理することも好ましい。オルガノシロキサン系の表面処理剤としては、ポリオルガノハイドロジェンシロキサン化合物が好ましい。アルミナ系表面処理剤としてはアルミナ水和物が好適に用いられる。このような表面処理を施すことにより、熱安定性を改善することが出来る他、樹脂組成物中での均一分散性および分散状態の安定性をも向上させやすい傾向となる。
酸化チタンの表面処理剤による表面処理法には(1)湿式法と(2)乾式法とがある。湿式法は、表面処理剤と溶剤との混合物に酸化チタンを加え、撹拌した後に脱溶媒を行い、更にその後100〜300℃で熱処理する方法である。乾式法は、酸化チタンと表面処理剤とをヘンシェルミキサ−などで混合する方法、酸化チタンに表面処理剤の有機溶液を噴霧して付着させ、100〜300℃で熱処理する方法などが挙げられる。表面処理剤の量は、特に制限されるものではないが、酸化チタンの反射性、樹脂組成物の成形性などを勘案すると、酸化チタンに対し、通常1〜5質量%の範囲である。
酸化チタン(F)の好ましい含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜20質量部の範囲である。酸化チタン(F)の配合量が0.1質量部未満の場合は、樹脂組成物から得られる成形品の反射率が不十分となりやすく、20質量部を超える場合は樹脂組成物の耐衝撃性が不十分となりやすい。酸化チタン(F)の好ましい配合量は、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、0.3質量部以上、特に好ましくは0.5質量部以上であり、好ましくは18質量部以下、特に好ましくは15質量部以下である。なお、酸化チタン(F)の質量は、アルミナ水和物、珪酸水和物、オルガノシロキサン系等の表面処理剤によって表面処理されている場合は、これらの処理剤も含めた全質量を意味する。
[7.ガラス繊維(G)]
本発明のポリエステル樹脂組成物には、ガラス繊維(G)を含有させてその機械的特性を向上させることができる。ガラス繊維(G)としては常用のものをいずれも用いることができる。
ガラス繊維(G)の平均繊維径は特に制限されないが、例えば1〜100μmの範囲で選ぶことが好ましく、より好ましくは2〜50μm、更に好ましくは3〜30μm、特に好ましくは5〜20μmである。平均繊維径が1μm未満のガラス繊維は、製造が容易でなく、コスト高になる恐れがあり、一方100μmを超えると、ガラス繊維の引張強度が低下する恐れがある。
また、ガラス繊維(G)の平均繊維長は特に限定されないが、例えば0.1〜20mmの範囲で選ぶことが好ましく、0.3〜5mmであることがより好ましい。平均繊維長が0.1mm未満であると、補強効果が十分に発現しない恐れがあり、20mmを超えると、得られるポリエステル樹脂組成物の成形が困難になる恐れがある。
ガラス繊維(G)は、カップリング剤等の表面処理剤によって、表面処理されたものを用いることが好ましい。表面処理剤が付着したガラス繊維は、耐久性、耐湿熱性、耐加水分解性、耐ヒ−トショック性に優れる傾向にあり好ましい。
表面処理剤としては、従来公知の任意のものを使用でき、具体的には、例えば、アミノシラン系、エポキシシラン系、アリルシラン系、ビニルシラン系等のシラン系カップリング剤が好ましく挙げられる。
これらの中では、アミノシラン系表面処理剤が好ましく、具体的には例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい例として挙げられる。
また、表面処理剤として、ノボラック型等のエポキシ樹脂、ビスフェノ−ルA型のエポキシ樹脂等も好ましく挙げられる。中でも、ノボラック型のエポキシ樹脂がより好ましい。
シラン系表面処理剤とエポキシ樹脂は、それぞれ単独で用いても複数種で用いてもよく、両者を併用することも好ましい。
本発明においては、ガラス繊維(G)は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、10〜100質量部、中でも15〜80質量部を含有させることが好ましい。
[8.滴下防止剤(H)]
本発明のポリエステル樹脂組成物には、滴下防止剤(H)を含有させることも好ましい。滴下防止剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好ましく、フィブリル形成能を有し、樹脂組成物中に容易に分散し、かつ樹脂同士を結合して繊維状材料を作る傾向を示すものがより好ましい。ポリテトラフルオロエチレンの具体例としては、例えば三井・デュポンフロロケミカル(株)より市販されている商品名「テフロン(登録商標)6J」又は「テフロン(登録商標)30J」、ダイキン工業(株)より市販されている商品名「ポリフロン」あるいは旭硝子(株)より市販されている商品名「フルオン」等が挙げられる。
滴下防止剤の含有割合は、好ましくは、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して0.1〜5質量部である。滴下防止剤が0.1質量部未満では難燃性が不十分になりやすく、5質量部を超えると凝集物が発生しやすくなり、外観が悪くなりやすい。滴下防止剤の含有割合は、より好ましくは、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、0.3〜3.5質量部であり、さらに好ましくは0.5〜2.5質量部である。
[9.カ−ボンブラック(I)]
本発明のポリエステル樹脂組成物には、カ−ボンブラック(I)を含有させてレ−ザ−マ−キング時の印字性を向上させることができる。カ−ボンブラックとしては常用のものをいずれも用いることができ、一般に、樹脂組成物の着色に用いられているカ−ボンブラックの中から、適宜選択すればよい。
カ−ボンブラックの平均一次粒径は、好ましくは10nm以上、より好ましくは13nm以上であり、また好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下である。また、カ−ボンブラックのDBP吸油量は、好ましくは30cm/100g以上、より好ましくは45cm/100g以上であり、また好ましくは500cm/100g以下、より好ましくは130cm/100g以下である。なお、カ−ボンブラックの平均一次粒子径は、電子顕微鏡で観察して求めた算術平均径により求めることができる。また、DBP吸油量は、カ−ボンブラック100gが吸収するジブチルフタレ−ト(DBP)量(JIS K6221に準拠)により測定することができる。
またカ−ボンブラックは、その製法の違いによりファ−ネスブラック、チャネルブラック、サ−マルブラックなどに、また、原料の違いによりアセチレンブラック、オイルブラック、ガスブラック等に分類されるが、これらのいずれも使用できる。また、高導電性のカ−ボンブラックであるケッチェンブラックも使用可能である。中でも分散性、樹脂組成物の着色性、作業性(経済性)などの点から、好ましくはファ−ネスブラックである。
本発明においては、カ−ボンブラックは、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、0.0001〜0.1質量部、中でも0.0005〜0.01質量部を含有させることが好ましい。含有量が0.0001質量部未満であると、レ−ザ−マ−キング性が低下する傾向にある。
[10.安定剤(J)]
本発明のポリエステル樹脂組成物は、さらに安定剤(J)を含有することが、熱安定性改良や、機械的強度、透明性及び色相の悪化を防止する効果を有するという点で好ましい。安定剤としては、リン系安定剤およびフェノ−ル系安定剤が好ましい。
リン系安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜リン酸エステル、リン酸エステル等が挙げられ、中でも有機ホスフェ−ト化合物、有機ホスファイト化合物又は有機ホスホナイト化合物が好ましい。
有機ホスフェ−ト化合物としては、好ましくは、下記一般式:
(RO)3−nP(=O)OH
(式中、Rは、アルキル基またはアリ−ル基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nは0〜2の整数を示す。)
で表される化合物である。より好ましくは、Rが炭素原子数8〜30の長鎖アルキルアシッドホスフェ−ト化合物が挙げられる。炭素原子数8〜30のアルキル基の具体例としては、オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、トリアコンチル基等が挙げられる。
長鎖アルキルアシッドホスフェ−トとしては、例えば、オクチルアシッドホスフェ−ト、2−エチルヘキシルアシッドホスフェ−ト、デシルアシッドホスフェ−ト、ラウリルアシッドホスフェ−ト、ステアリルアシッドホスフェ−ト、オレイルアシッドホスフェ−ト、ベヘニルアシッドホスフェ−ト、フェニルアシッドホスフェ−ト、ノニルフェニルアシッドホスフェ−ト、シクロヘキシルアシッドホスフェ−ト、フェノキシエチルアシッドホスフェ−ト、アルコキシポリエチレングリコ−ルアシッドホスフェ−ト、ビスフェノ−ルAアシッドホスフェ−ト、ジメチルアシッドホスフェ−ト、ジエチルアシッドホスフェ−ト、ジプロピルアシッドホスフェ−ト、ジイソプロピルアシッドホスフェ−ト、ジブチルアシッドホスフェ−ト、ジオクチルアシッドホスフェ−ト、ジ−2−エチルヘキシルアシッドホスフェ−ト、ジオクチルアシッドホスフェ−ト、ジラウリルアシッドホスフェ−ト、ジステアリルアシッドホスフェ−ト、ジフェニルアシッドホスフェ−ト、ビスノニルフェニルアシッドホスフェ−ト等が挙げられる。
これらの中でも、オクタデシルアシッドホスフェ−トが好ましく、このものはADEKA社の商品名「アデカスタブ AX−71」として、市販されている。
有機ホスファイト化合物としては、好ましくは、好ましくは、下記一般式:
O−P(OR)(OR
(式中、R、R及びRは、それぞれ水素原子、炭素数1〜30のアルキル基または炭素数6〜30のアリ−ル基であり、R、R及びRのうちの少なくとも1つは炭素数6〜30のアリ−ル基である。)
で表される化合物が挙げられる。
有機ホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジラウリルハイドロジェンホスファイト、トリエチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、モノフェニルジデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコ−ルジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリト−ルテトラホスファイト、水添ビスフェノ−ルAフェノ−ルホスファイトポリマ−、ジフェニルハイドロジェンホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニルジ(トリデシル)ホスファイト)、テトラ(トリデシル)4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリト−ルジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリト−ルジホスファイト、ジラウリルペンタエリスリト−ルジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリト−ルジホスファイト、トリス(4−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、水添ビスフェノ−ルAペンタエリスリト−ルホスファイトポリマ−、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリト−ルジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリト−ルジホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリト−ルジホスファイト等が挙げられる。
有機ホスホナイト化合物としては、好ましくは、下記一般式:
−P(OR)(OR
(式中、R、R及びRは、それぞれ水素原子、炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアリ−ル基であり、R、R及びRのうちの少なくとも1つは炭素数6〜30のアリ−ル基である。)
で表される化合物が挙げられる。
有機ホスホナイト化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、およびテトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト等が挙げられる。
リン系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
リン系安定剤としては、前述したように、優れた相溶性を発揮し、伸びや薄肉靭性を飛躍的に向上させるオクタデシルアシッドホスフェ−トが特に好ましい。
フェノ−ル系安定剤としては、例えば、ペンタエリスリト−ルテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト、チオジエチレンビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト)、ペンタエリスリト−ルテトラキス(3−(3,5−ジ−ネオペンチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト)等が挙げられる。これらの中でも、ペンタエリスリト−ルテトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−トが好ましい。
安定剤(J)の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、0.001〜1質量部であることが好ましい。安定剤の含有量が0.001質量部未満であると、樹脂組成物の熱安定性や相溶性の改良が期待しにくく、成形時の分子量の低下や色相悪化が起こりやすく、1質量部を超えると、過剰量となりシルバ−の発生や、色相悪化が更に起こりやすくなる傾向がある。リン系安定剤の含有量は、より好ましくは0.001〜0.7質量部であり、更に好ましくは、0.005〜0.5質量部である。
[11.離型剤(K)]
本発明のポリエステル樹脂組成物は、更に、離型剤(K)を含有することが好ましい。離型剤としては、ポリエステル樹脂に通常使用される既知の離型剤が利用可能であるが、中でも、金属膜密着性を阻害しにくいという点で、ポリオレフィン系化合物、脂肪酸エステル系化合物及びシリコ−ン系化合物から選ばれる1種以上の離型剤が好ましい。
ポリオレフィン系化合物としては、パラフィンワックス及びポリエチレンワックスから選ばれる化合物が挙げられ、中でも、質量平均分子量が、700〜10,000、更には900〜8,000のものが好ましい。
脂肪酸エステル系化合物としては、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類等の脂肪酸エステル類やその部分鹸化物等が挙げられ、中でも、炭素数11〜28、好ましくは炭素数17〜21の脂肪酸で構成されるモノ又はジ脂肪酸エステルが好ましい。具体的には、グリセリンモノステアレ−ト、グリセリンモノベヘネ−ト、グリセリンジベヘネ−ト、グリセリン−12−ヒドロキシモノステアレ−ト、ソルビタンモノベヘネ−ト等が挙げられる。
また、シリコ−ン系化合物としては、ポリエステル樹脂との相溶性等の点から、変性されている化合物が好ましい。変性シリコ−ンオイルとしては、ポリシロキサンの側鎖に有機基を導入したシリコ−ンオイル、ポリシロキサンの両末端及び/又は片末端に有機基を導入したシリコ−ンオイル等が挙げられる。導入される有機基としては、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、カルビノ−ル基、メタクリル基、メルカプト基、フェノ−ル基等が挙げられ、好ましくはエポキシ基が挙げられる。変性シリコ−ンオイルとしては、ポリシロキサンの側鎖にエポキシ基を導入したシリコ−ンオイルが特に好ましい。
離型剤(K)の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、0.05〜2質量部であることが好ましい。0.05質量部未満であると、溶融成形時の離型不良により表面性が低下する傾向があり、レ−ザ−マ−キング性が低下する場合がある。一方、2質量部を超えると、樹脂組成物の練り込み作業性が低下し、また成形品表面に曇りが見られる場合がある。離型剤の含有量は、より好ましくは0.07〜1.5質量部、更に好ましくは0.1〜1.0質量部である。
[12.その他含有成分]
本発明のポリエステル樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、更に種々の添加剤を含有していても良い。このような添加剤としては、紫外線吸収剤、染顔料、蛍光増白剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤等が挙げられる。
また、本発明におけるポリエステル樹脂組成物には、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂を、本発明の効果を損わない範囲で含有することができる。その他の熱可塑性樹脂としては、具体的には、例えばポリアセタ−ル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンサルファイドエチレン樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエ−テルサルホン樹脂、ポリエ−テルイミド樹脂、ポリエ−テルケトン樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
[13.樹脂組成物の製造方法]
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法としては、樹脂組成物調製の常法に従って行うことができる。通常は各成分及び所望により添加される種々の添加剤を一緒にしてよく混合し、次いで一軸又は二軸押出機で溶融混練する。また各成分を予め混合することなく、ないしはその一部のみを予め混合し、フィ−ダ−を用いて押出機に供給して溶融混練し、本発明の樹脂組成物を調製することもできる。さらには、熱可塑性ポリエステル樹脂の一部に他の成分の一部を配合したものを溶融混練してマスタ−バッチを調製し、次いでこれに残りのポリエステル樹脂や他の成分を配合して溶融混練してもよい。
なお、ガラス繊維等の繊維状のものを用いる場合には、押出機のシリンダ−途中のサイドフイ−ダ−から供給することも好ましい。
溶融混練に際しての加熱温度は、通常220〜300℃の範囲から適宜選ぶことができる。温度が高すぎると分解ガスが発生しやすく、不透明化の原因になる場合がある。それ故、剪断発熱等に考慮したスクリュ−構成の選定が望ましい。混練り時や、後行程の成形時の分解を抑制する為、酸化防止剤や熱安定剤の使用が望ましい。
[14.成形体]
本発明のポリエステル樹脂組成物は、通常、任意の形状に成形して成形体として用いる。成形体の形状、模様、色、寸法等に制限はなく、その成形体の用途に応じて任意に設定すればよい。
成形体の製造方法は、特に限定されず、ポリエステル樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサ−ト成形、IMC(インモ−ルドコ−ティング)成形法、押出成形法、シ−ト成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロ−成形法等が挙げられる。本発明においては、汎用性の点から射出成形法を採用することが好ましい。
[15.レ−ザ−マ−キング]
得られた成形体はレ−ザ−によるマ−キングが容易であり、レ−ザ−マ−キングにより文字、標識、バ−コ−ド、QRコ−ド(登録商標)、図、パタ−ン等が施される。
レ−ザ−マ−キングの方法は、公知であり、各種の方法を適用することができる。
レ−ザ−マ−キング方法で用いるレ−ザ−光としては、レ−ザ−発振波長532〜1,064nmのものが好ましい。具体的には、樹脂への発色印字をするアプリケ−ションでは、一般的にYAG波長(1,064nm)レ−ザ−マ−カ−が使用されている。ネオジウム変性イットリウム−アルミニウム−ガ−ネット(YAG)、又はネオジウム変性イットリウム−四酸化バナジウム(Nd:YVO)等の結晶に高出力の光を与えてレ−ザ−を発生させ、さらにミラ−の往復反射で増幅させ、Qスイッチ機器によりパルスレ−ザにする方式のレ−ザ−マ−カ−を用いることもできる。また、近年の主流となりつつあるファイバ−方式(イットリビウムが注入されたファイバ−に複数のレ−ザ−ダイオ−ド(LD)を低出力で使用し、レ−ザ−光を発生・増幅させる方式のもの)のレ−ザ−マ−カ−も用いることができる。
なお、レ−ザ−マ−カ−としては、レ−ザ−ビ−ムはシングルモ−ドでもマルチモ−ドでもよく、またビ−ム径が20〜40μmのように絞ったもののほか、ビ−ム径が80〜100μmのように広いものについても用いることができるが、シングルモ−ドで、ビ−ム径が20〜40μmの方が、良好なコントラストでマ−キングを行えることから好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物を用いレ−ザ−マ−キングに供される成形体は、例えば、電気電子機器の筐体、もしくは、照明用機器の口金、素子基板又は筐体等に特に好適である。
以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
なお、以下の説明において[部]とは、特に断りのない限り、質量基準に基づく「質量部」を表す。
以下の実施例および比較例において、使用した成分は、以下の表1の通りである。
Figure 0005677926
(実施例1〜17、比較例1〜10)
以下の表2及び3に記載のガラス繊維以外の各成分を表2及び3に記載の配合割合(質量部)になるように配合し、2軸押出機(スクリュ−径35mm)を用いて、バレル設定温度250℃、回転数200rpmで押出し、ガラス繊維はサイドフィ−ド方式にて供給し、樹脂組成物のペレットを製造した。得られたペレットを用い、射出成形機(住友重機械工業社製、ネスタ−ルSG75−SYCAP−M3A)を用いてシリンダ−温度255℃で下記記載の評価用試験片を射出成形し、レ−ザ−マ−キング性、成形品中の凝集物の数、マ−クの耐光性を評価した。
なお、成形に際して、樹脂組成物ペレットはその直前まで120℃にて6〜8時間乾燥した。
評価方法は、以下のとおりである。
(1)レ−ザ−マ−キング性:
評価用試験片としては、100mm径×2mm厚みの円盤状成形品を用いた。SUNX社製「レ−ザ−マ−カ− LP−Z130」を用い、レ−ザ−発振方式はファイバ−方式にて、レ−ザ−パワ−:50、印字パルス周期:50μs、線幅:0.07mm、塗り潰し間隔:0.035mm、重ね印字回数:1回の条件で、上記円盤状成形品に20×20mmの正方形を塗りつぶすようにレ−ザ−マ−キングを施した。レ−ザ−マ−キングに際し、そのスキャンスピ−ドは3,000mm/sec及び5,000mm/secにて行った。
次いで、分光測色色差計(コニカミノルタ社製「CM−3600d」)を使用し、レ−ザ−照射部分(レ−ザ−マ−キング部分)と非照射部分との色差(ΔE)を次式で評価した。レ−ザ−照射部分と非照射部分とのΔEが大きいほどコントラストが高く、レ−ザ−マ−キング性に優れているといえる。
ΔE=((ΔL+(Δa+(Δb1/2
(2)凝集物の数:
厚み0.3mmの燃焼試験片(UL94規格)を射出成形し、試験片中の凝集物の数を、目視にて評価した。凝集物の数が少ないほど、成形品外観に優れているといえる。
(3)マ−クの耐光性
評価用試験片としては、100mm径×2mm厚みの円盤状成形品を用いた。SUNX社製「レ−ザ−マ−カ− LP−Z130」を用い、レ−ザ−発振方式はファイバ−方式にて、レ−ザ−パワ−:30、印字パルス周期:50μs、線幅:0.07mm、塗り潰し間隔:0.035mm、重ね印字回数:1回、スキャンスピ−ド:300mm/sec、印字方向:一方向、QRコ−ド(登録商標)サイズ:8.12mm×8.12mm、QRコ−ド(登録商標)デ−タ:MEPとした条件で、上記成形品にQRコ−ド(登録商標)をレ−ザ−マ−クした。
得られた試験片に、キセノンア−クウエザ−試験機(波長340nm、照射エネルギ−1200kJ/m)にて、ブラックパネル温度83℃、雨なしの条件で300時間の照射を行った。続いて、携帯電話(ソフトバンク社製「機種:944SH(CCDカメラ:8.0メガピクセルのバ−コ−ドリ−ダ−)」を用いて、300時間照射後の試験片にマ−クされているQRコ−ド(登録商標)の読み取りを行った。QRコ−ド(登録商標)の読み取りが可能であったものを○、不可能であったもの×とし、マ−クの耐光性を評価した。
以上の評価結果を、以下の表2〜表3に示す。
Figure 0005677926
Figure 0005677926
表2〜表3より、本発明のポリエステル樹脂組成物は、レ−ザ−マ−キングによる印字性に優れ、また、マ−クの耐光性も優れていることが分かる。これに対し、比較例の樹脂組成物は、レ−ザ−マ−キング性、マ−クの耐光性、凝集物による成形品外観のいずれかが劣っていることが確認でき、本発明の効果を満足するものではないことが分かる。
本発明のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物は、レ−ザ−マ−キングによる印字性に優れ、さらに、マ−キングされたマ−クの耐光性にも優れる。したがって本発明のポリエステル樹脂組成物は、印字等が行われる成形品に好適に適用できるので、産業上の利用性は非常に高い。

Claims (10)

  1. 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、ハロゲン化フタルイミド化合物(B)を5〜30質量部、アンチモン化合物(C)を1〜20質量部、ポリカ−ボネ−ト(D)及び/又はタルク(E)を0.1〜5質量部含有することを特徴とするレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
  2. さらに、酸化チタン(F)を、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜20質量部含有することを特徴とする請求項1に記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
  3. さらに、ガラス繊維(G)を、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、10〜100質量部含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
  4. さらに、滴下防止剤(H)を、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜5質量部含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
  5. アンチモン化合物(C)が、三酸化アンチモンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
  6. ポリカ−ボネ−ト(D)が、臭素化ポリカ−ボネ−トであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
  7. 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の主成分が、ポリブチレンテレフタレ−トであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
  9. 電気電子機器の筐体、もしくは、照明用機器の口金、素子基板又は筐体であることを特徴とする請求項8に記載の成形体。
  10. 表面にレ−ザ−マ−キングが施された請求項8又は9に記載の成形体。
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