JP2007090909A - 建設作業機の盗難防止装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】イモビライザ制御部45には、エンジン始動キー43と建設作業機1側との通信が行えるか否かを判断する通信確認機能50と、この通信確認機能50によって通信が行えることを確認したときには、IDコードの照合を行わなくてもエンジン始動キー43でエンジン7の始動ができるようにエンジン7の始動の許可状態を保持すると共に、通信確認機能50によって通信が行えないことを確認したときには、許可状態を保持するのを解除する許可保持機能51と、通信確認機能50によって通信が行えないことを確認したときには、建設作業機1の動作部にロックをかけると共に、通信確認機能50によって通信が行えることを確認したときには、ロックを解除するロック機能52とが具備されている点にある。
【選択図】図1
Description
また、バックホー等の建設作業機では、複数の作業機に対してそれらのエンジンを始動するためのエンジンキーは、共通なものが使用され、1つのエンジンキーで複数の作業機のエンジン始動できるのが一般的であり、この点からは、作業機について、IDコードによる盗難防止を図る意味は大きいといえる。
しかしながら、キースイッチをオフからオンした後にスタートさせ、エンジンを再始動する際には、IDコードの照合が必要なのでエンジンの再始動に時間がかかり、すぐに作業装置で作業が行えないことがある。
また、前記ロック機能には、前記許可時間限定機能によって許可状態が解除されたときに、動作部にロックをかける時間経過ロック機能が具備されている点にある。
図7に示すように、建設作業機(バックホー)1は、下部の走行装置2と、上部の旋回体3とから構成されている。
走行装置2は、ゴム製覆帯を有する左右一対の走行体4を備え、両走行体4を走行モータMで駆動するようにしたクローラ式走行装置が採用されている。また、該走行装置2の前部にはドーザ5が設けられている。
作業装置13は、旋回台12の前部に左右方向の中央部よりやや右寄りにオフセットして設けられた支持ブラケット16に上下方向の軸心回りに左右揺動自在に支持されたスイングブラケット17と、該スイングブラケット17に基部側を左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着されて上下揺動自在に支持されたブーム18と、該ブーム18の先端側に左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着されて前後揺動自在に支持されたアーム19と、該アーム19の先端側にスクイ・ダンプ動作可能に設けられたバケット20とを備えている。
なお、アーム19には、バケット20の代わりに取り付けられるアタッチメントを作動させるための油圧取出部(図示省略)が設けられ、アーム19の先端にグラップル,サム,ブレーカ,ブラッシュカッタ,チルトバケット,ロータリーグラーブル等の各種アタッチメントを取り付けることにより、様々な作業が行えるようになっている。
図1に示すように、キースイッチ(イグニションスイッチ)40は、そのシリンダ41の鍵穴42に挿入したエンジン始動キー43をオフ位置(OFF)からオン位置(ON)、スタート位置(START)に回動操作できるように構成されている。また、キースイッチ40は、エンジン始動キー43を鍵穴42に挿入し、そのエンジン始動キー43をオン位置からスタート位置にセットして、そのエンジン始動キー43を手から離したときに、スプリングの力でオン位置に戻るように構成されている。
建設作業機1側にはシリンダ41が設けられ、このシリンダ41にはアンテナが外嵌状に設けられている。また、建設作業機1側にはキースイッチ40と電気的に接続されたイモビライザ制御部45が設けられている。このイモビライザ制御部45はCPUで構成され、このCPUにはIDコードが記録されている。
したがって、エンジン始動キー43のトランスポンダチップ44とアンテナとの間で通信が行われ、トランスポンダチップ44に記録されたIDコードをアンテナが受信し、IDコードの信号は図示省略のアンプを介してイモビライザ制御部45に入力されるようになっている。
イモビライザ制御部45は、通信確認機能50と、許可保持機能51と、ロック機能52とを有している。通信確認機能50は、IDコードの照合を経てエンジン7を始動し、そのエンジン7を停止したときに、エンジン始動キー43と建設作業機1側との通信が行えるか否かを判断するものである。具体的には、通信確認機能50は、エンジン7を停止したときにエンジン始動キー43のIDコードをアンテナで受信できれば通信できていると判断し、IDコードをアンテナで受信できなければ通信ができていないと判断する。
次に、作業装置13,オートアイドル装置30,アンロード機構31のそれぞれの構成について詳しく説明する。
作業装置制御部28には、運転席9に設けられた操作部材25と、各電磁弁35が接続されている。操作部材25は操作レバー26L,26Rを備えており、この左右各操作レバー26L,26Rは、中立位置から前後左右に揺動自在に支持されている。左右各操作レバー26L,26Rを操作したとき、この操作量(操作角度)をポジションメータやセンサ等で検出し、操作量を電気的に操作信号S5に変換して作業装置制御部28に出力するようになっている。
次に、作業装置制御部28の動作,電磁弁35の動作,アクチュエータの動作について説明する。
左操作レバー26Lを中立位置より左側に揺動すると、作業装置制御部28は左操作レバー26Lの左側への操作量を電気的に変換した操作信号S5に応じて左旋回用電磁弁35cのソレノイド36cに一定値の電流を出力する。そうすると、左旋回用電磁弁35cは電流値に応じて開き、その結果、旋回用制御弁24bのパイロット圧が制御され、旋回モータM1が駆動して旋回台12が左操作レバー26Lの左側への操作量に比例する速さで左旋回する。
右操作レバー26Rを中立位置より前側に揺動すると、作業装置制御部28は右操作レバー26Rの前側への操作量を電気的に変換した操作信号S5に応じてブーム下降用電磁弁35eのソレノイド36eに一定値の電流を出力する。そうすると、ブーム下降用電磁弁35eは電流値に応じて開き、その結果、ブーム用制御弁24cのパイロット圧が制御され、ブーム18が右操作レバー26Rの前側への操作量に比例する速さで下降する。
右操作レバー26Rを中立位置より左側に揺動すると、作業装置制御部28は右操作レバー26Rの左側への操作量を電気的に変換した操作信号S5に応じてバケット掻き用電磁弁35gのソレノイド36gに一定値の電流を出力する。そうすると、バケット掻き用電磁弁35gは電流値に応じて開き、その結果、バケット用制御弁24dのパイロット圧が制御され、バケット20が右操作レバー26Rの左側への操作量に比例する速さで掻き動作する。
作業装置制御部28は、左右各操作レバー26L,26Rが中立位置になってから所定時間経過すると後述するオートアイドル制御部60にアイドル信号S3を出力する。また、作業装置制御部28は、イモビライザ制御部45からロック信号S1が入力されると、左右各操作レバー26L,26Rの操作量に応じた操作信号S5が入力されても作動信号をそれぞれの電磁弁に出力しない。即ち、作業装置制御部28は、左右各操作レバー26L,26Rを操作しても各電磁弁に作動信号を出力せず左右各操作レバー26L,26Rによるアクチュエータの操作を停止する。一方で、作業装置制御部28は、イモビライザ制御部45からロック解除信号S2が入力されると、上記で示したように、左右各操作レバー26L,26Rの操作量に応じて各電磁弁に作動信号を出力し、アクチュエータを動作させる。
前記アクセルレバー64を支点部を中心に揺動させると、アクセルセンサ65(ポテンションメータによってアクセルレバー64の位置を検知し、アクセルレバー64のアクセル位置を示す検知信号がオートアイドル制御部60に入力されるようになっている。
また、オートアイドル制御部60にロック信号S1が入力された場合は、オートアイドル制御部60は、アイドリング回転よりも低い回転へ下げているので、エンジン7を停止している状態からスタータスイッチ48を短絡させてエンジン7を駆動させたとしても、エンジン7に少しでも負荷がかかるとエンストを起こして、エンジン7が停止する。その結果、建設作業機1を走行させたり作業装置13を動かすといった通常作業を行うことができない。言い換えれば、アイドリング回転よりも低い回転とは、建設作業機1を走行させたり作業装置13を動かすといった通常作業を行うことができないエンジン7の回転数のことを言い、これによって、オートアイドル制御部60にロック信号S1が入力されるまで、通常作業を行うことができないようにしている。
イモビライザ制御部45の動作について図3に示すフローチャートに基づき説明する。図3のフローチャートはエンジン7を始動してからエンジン7を停止し、再度エンジン7の始動するまでの動作を示している。
ステップ1では、キースイッチ40がオンされたか否かを判断し、キースイッチ40がオンされていればステップ2に進む。ステップ2で、エンジン始動キー43に記憶されたIDコードをイモビライザ制御部45にアンテナを介して入力し、ステップ3に進む。
ステップ4で、エンジン7始動を許可し、スタータスイッチ48をオンし、ステップ5に進む。スタータスイッチ48がオンされると、バッテリーの電力がスタータ47に供給され、スタータ47が作動して、エンジン7が始動する。
なお、エンジン7の始動後にスタータスイッチ48をオンからオフに自動的に切り替えるようにしてもよい。
ステップ6で、イモビライザ制御部45は通信確認機能50によって、エンジン始動キー43のトランスポンダチップ44とイモビライザ制御部45とが通信が行えるか否かを判断する。即ち、イモビライザ制御部45の通信確認機能50は、トランスポンダチップ44に記憶されているIDコードをアンテナを介して受信できるか否かを判断する。通信確認機能50によってIDコードを受信できれば通信可能と判断して、ステップ7に進み、通信不能と判断した場合にはステップ13に進む。ステップ6で、イモビライザ制御部45は最初に通信可能と判断した際、内部タイマ機能を作動させ、キースイッチ40がオフされてからの時間をカウントし始める。
ステップ7で、イモビライザ制御部45は許可保持機能51によって、エンジン7の始動の許可を保持する。即ち、後述するように、エンジン始動キー43でキースイッチ40をオンした際にIDコードの照合をしなくてもエンジン7の始動を許可するように、イモビライザ制御部45は始動許可状態を記憶する。
ステップ9で、イモビライザ制御部45はキースイッチ40がオンか否かを判断する。キースイッチ40がオフからオンに切り替わらず、オフの状態のままであると、ステップ6に戻る。
ステップ9で、キースイッチ40がオフからオンに切り替わるとステップ10に進み、ステップ10で、イモビライザ制御部45はステップ7で始動許可状態を記憶したことに伴い、IDコードの照合を省略してスタータ47のスタータスイッチ48をオフからオンにしてエンジン7を始動する。
そして、エンジン7の始動をした後は、ステップ11で、動作部13,30,31にロック解除信号S2を出力する。即ち、ステップ6からステップ7,ステップ8を経てステップ9,ステップ10,ステップ11に至る経路では、ロック機能52によって、通信が行えることを確認したときには、ロックを解除すべく、ロック解除信号S2を動作部13,30,31に出力している。
したがって、ステップ6,ステップ7,ステップ8を経てステップ12に至る経路では、イモビライザ制御部45の許可時間限定機能53によって、一番最初に通信が行えると確認してからの時間が1分を経過した際には許可状態を解除し、IDコードの照合をしなければエンジン7の始動をできないようにしている。
また、ステップ6を経てステップ13に至る経路では、イモビライザ制御部45のロック機能52によって通信が行えないことを確認したときには、動作部13,30,31にロックをかけるべくロック信号S1を出力する。
作業装置制御部28は、ステップ31で、イモビライザ制御部45からロック信号S1を入力したか否かを判別し、ロック信号S1を入力すれば、ステップ32に進み、そうでなければステップ33に進む。
ステップ32で、作業装置制御部28の制御をロックする。即ち、ステップ32で、作業装置制御部28は、操作レバー26L,26Rが操作されて操作信号S5が入力されても各電磁弁35に作動信号S4を出力せず、各制御弁35、即ち、アタッチメントを動作させない。
ステップ34で作業装置制御部28の制御のロックを解除する。即ち、作業装置制御部28は、ステップ34で、操作レバー26L,26Rの操作量に応じて各電磁弁35に作動信号S4を出力し、アタッチメントを動作させる。
次に、オートアイドル制御部60は、ステップ41で、イモビライザ制御部45からロック信号S1を入力したか否かを判別し、ロック信号S1を入力すれば、ステップ42に進み、そうでなければ、ステップ43に進む。
アイドル回転よりも高くならないようにする。
ステップ43で、ロック解除信号S2を入力したか否かを判断する。ロック解除信号S2を入力していればステップ44に進み、そうでなければ、ステップ41に戻る。
次に、アンロード機構31は、ステップ51で、イモビライザ制御部45からロック信号S1を入力したか否かを判別し、ロック信号S1を入力すれば、ステップ52に進み、そうでなければ、ステップ53に進む。
ステップ53で、ロック解除信号S2を入力したか否かを判断する。ロック解除信号S2を入力していればステップ54に進み、そうでなければ、ステップ51に戻る。
ステップ54で、イモビライザ制御部52からロック解除信号S2を入力すると、アンロードスイッチ71がオンして、アンロード弁71の電磁ソレノイド72に励磁電流が流れ、アンロード機構31がアンロード状態から解除される。
即ち、エンジン7を停止してから通信が行える場合には、エンジン始動キー43が通信可能エリアにあり、エンジン始動キー43がキースイッチ40をオフした後に鍵穴42に差したままの状態とみなすことができる。言い換えれば、エンジン7を停止してから通信が行える場合には、エンジン始動キー43がキーシリンダ41に残っていて、エンジン始動キー43を回せば、すぐにでもキースイッチ40をオフからオンにできる状態にあるとみなすことができる。
これによって、エンジン7を始動した状態からエンジン7を停止して作業装置13の動作を一端停止させ、建設作業機1を操作する運転手などが作業装置13の近傍で掘削等の手作業を行った後、その運転手が建設作業機1に乗って建設作業機1のエンジン7を再始動する際には、素早くエンジン7をかけて作業装置13での作業を迅速に行うことができる。
なお、エンジン始動キー43でキースイッチ40をオンからオフした後にキースイッチ40をスタートしてエンジン7を始動した場合、IDコードの照合をすれば約0.9秒でエンジン7の始動ができ、IDコードの照合を省略すれば約0.2秒でエンジン7の始動がきるようになった。
許可保持機能51には許可時間限定機能53が具備されているので、当該許可時間限定機能53によって、キースイッチ40をオンからオフに切り換えて通信が行えると確認してからの時間が所定時間を経過するまで許可状態を保持するため、所定時間内にキースイッチ40をオフからオンすればIDコードの照合を省略してエンジン7の始動ができる。
これから分かるように、建設作業機1の盗難防止装置では、盗難防止装置の盗難防止機能を低下することなく、エンジン7の始動を素早く行うことができると共に、ロック機能52によって盗難防止機能を向上させている。
7 エンジン
40 キースイッチ
43 エンジン始動キー
45 イモビライザ制御部
50 通信確認機能
51 許可保持機能
52 ロック機能
Claims (3)
- エンジンを始動するエンジン始動キーをキーシリンダに挿入して当該エンジン始動キーでキースイッチをオフからオンした際に、エンジン始動キーに記憶されたIDコードを通信によって建設作業機側に送信し、当該IDコードと、建設作業機側に記憶されたIDコードとを照合し、照合が成立したときに、建設作業機のエンジンの始動を許可するイモビライザ制御部を具備した建設作業機の盗難防止装置において、
前記イモビライザ制御部には、
IDコードの照合が成立してエンジンを始動した後にキースイッチをオンからオフしてエンジンを停止した際、前記エンジン始動キーと建設作業機側との通信が行えるか否かを判断する通信確認機能と、
前記通信確認機能によって通信が行えることを確認したときには、IDコードの照合を行わなくてもエンジン始動キーでエンジンの始動ができるようにエンジンの始動の許可状態を保持すると共に、通信確認機能によって通信が行えないことを確認したときには、前記許可状態を保持するのを解除する許可保持機能と、
通信確認機能によって通信が行えないことを確認したときには、建設作業機の動作部にロックをかけると共に、通信確認機能によって通信が行えることを確認したときには、ロックを解除するロック機能とが具備されていることを特徴とする建設作業機の盗難防止装置。 - 前記許可保持機能には、前記キースイッチをオンからオフに切り換えて通信が行えると確認してからの時間が所定時間を経過するまで許可状態を保持すると共に、通信が行えると確認してからの時間が所定時間を経過した際には許可状態を解除する許可時間限定機能が具備されていることを特徴とする請求項1に記載の建設作業機の盗難防止装置。
- 前記ロック機能には、前記許可時間限定機能によって許可状態が解除されたときに、動作部にロックをかける時間経過ロック機能が具備されていることを特徴とする請求項2に記載の建設作業機の盗難防止装置。
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