JP2007090646A - インクパック - Google Patents

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Abstract

【課題】形状が不安定であっても容易に把持して、持ち運びすることができるインクパックを提供する。
【解決手段】インクパック30は、インク50を貯留するインクパック本体40を備えるとともに、手で把持可能な把持片35を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェットプリンタに使用されるインクパックに関する。
従来、インクジェットプリンタでは、例えば、加圧タンク内に大容量のインクパックを非機密状態で収容したインクカートリッジを入れ、該インクパックからインクジェットヘッドに至るインク流路にサブタンクを設けた構成が公知である。そして、前記インクジェットプリンタでは、インクジェットヘッドに供給するインクの水頭圧を一定に保つと共に、インクパックの交換に際し印刷が中断されることがないようにしている。そして、前記インクジェットプリンタでは、インクパックからのインクの供給は、圧縮エアー供給装置などで加圧タンクの内部に収容したインクパックを加圧し、貯留されているインクをサブタンクに対して加圧送液するようにしている。
なお、特許文献1にはインクカートリッジに取っ手を備えた構成が開示されている。
特開2001−71522号公報(図71)
ところで、上記のようなインクパックは、袋状をなす可撓性のフィルムで構成されており、従来は、インクを貯留した状態で、インクパックを持つ場合は、該インクパックを抱えるようにしていた。しかし、前述のように、インクパックは袋状をなす可撓性のフィルムで構成されており、しかもインクは液体であるため、該インクパックの形状が安定せず、持ちにくい問題があった。なお、特許文献1では、インクカートリッジに取っ手を備えた構成が記載されているものの、インクパック自体に取っ手を備えた構成は開示されておらず、インクパック自体を持つ場合には、上記のインクパックの形状が安定せず、持ちにくい問題を解決できるものではない。
本発明は、形状が不安定であっても容易に把持して、持ち運びすることができるインクパックを提供することにある。
上記問題点を解決するために、本発明は、インクを貯留するインクパック本体を備えるインクパックにおいて、手で把持可能な把持手段を備えたことを特徴とするインクパックを要旨とするものである。本発明によれば、把持手段により、形状が不安定であってもインクパックを容易に手で把持することができる。
この場合、前記インクパック本体は、複数の面を備えており、その面のうち、最も広い面に前記把持手段を設けることが好ましい。このように構成すると、把持手段がインクパック本体の最も広い面に設けられるため、把持手段にて把持したときにその面に働く応力は、面積が狭い他の面に把持手段を設けた場合に比較して、小さくすることができる。
さらに、前記インクパック本体の辺には、貯留したインクを吐出するインク供給口を備え、前記把持手段が、前記インク供給口を備えた辺に設けられていることが好ましい。このように構成すると、把持手段がインク供給口が設けられたインクパックの辺に位置するため、手で把持手段を把持してインクパックを持ち上げた場合、インク供給口がインクパックの上部に位置させることができ、インク供給口からのインク漏れを防止できる。
さらに、前記インクパック本体の辺又は面には、貯留したインクを吐出するインク供給口を備え、前記把持手段が、前記インク供給口が設けられた辺又は面とは異なる辺又は面に設けられていることが好ましい。
このように構成すると、インクパックをインクジェットプリンタに接続する場合、インク供給口の近辺に把持手段がないため、把持手段が邪魔になることはない。
さらに、前記インクパック本体の側面は、該インクパック本体内のインク貯留空間の容量が減少する際に、該インクパック本体が内部に折り畳み可能な折り目が形成されており、該側面に、前記把持手段が設けられていることが好ましい。このように構成すると、インクが消費されてインクパック本体の容量が減少する際、該インクパック本体が内部に折り畳み状態となり、把持手段をそれに伴って内部に格納することができる。
さらに、前記インクパック本体には、熱シールされてインクパック本体内のインク貯留空間を封止する封止片が形成され、該封止片に前記把持手段を設けることが好ましい。このように構成すると、封止片に把持手段を設けるという簡単な構成により、インクパック本体に把持手段を備えさせることができる。
さらに、前記把持手段は、インクパック本体に対して分離可能に設けられていることが好ましい。このように構成すると、インクパック本体の把持を終了した後に、把持手段をインクパック本体から分離でき、この結果、インクパック本体をインクジェットプリンタに装着する際、把持手段が邪魔になることはない。
さらに、前記把持手段は、インクパック本体に対して着脱自在に設けられていることが好ましい。このように構成すると、インクパックを把持しなくてもよいときは把持手段をインクパック本体から外すことができる。従って、インクパックをインクカートリッジに入れるときには、把持手段が邪魔になることはない。又、インクパックを把持する必要があるときは、インクパック本体に対して把持手段を取付けすることもできる。
さらに、前記インクパック本体に対して、前記把持手段を吸着可能に、磁力による吸着手段を設けることが好ましい。このように構成すると、把持手段が磁力により、インクパック本体に吸着でき、インクパック本体に対して、容易に把持手段を取着できる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜4を参照して説明する。図2は本実施形態のインクパックを使用可能なインクジェットプリンタ10の一例を示している。なお、図2では内部構造を明らかにするため本体カバーをはずした状態が示されている。同図において、キャリッジ11は駆動モータ12によって駆動されるタイミングベルト13を介して、キャリッジガイド軸14に沿って主走査方向に往復移動する。キャリッジ11の記録媒体Pに対向する側には記録ヘッド15が設けられている。
キャリッジ11には、記録ヘッド15へインクを供給するためのサブタンク17a〜17dが装着されている。又、インクジェットプリンタ10の本体側部には、カートリッジホルダ18が配備され、インクカートリッジ19a〜19dにはそれぞれブラック、イエロー、マゼンタ、シアンなどのインクを充填したインクパック(ここでは図示せず)が収納されている。各インクカートリッジ19a〜19dからサブタンク17a〜17dまでは、可撓性の補給チューブ16を含むインク供給系によって接続されており、各インクカートリッジ19a〜19dからサブタンク17a〜17dまでインクが供給できるようになっている。
なお、前記インクカートリッジ19a〜19dのハード構成は同じのため、以下の説明では、単にインクカートリッジの符号としては、説明の便宜上「19」を使用する。
インクカートリッジ19は、図4に示すように、蓋材20を備えたハードケース21と及びインク供給口31を備え内部にインクが充填されたインクパック30とから構成されている。なお、図4では、後述するインクパック30の把持片35は、分離されて取り外されている。
図1(a)〜(c)に本発明の一実施形態に係るインクパック30を示す。インクパック30は、可撓性フィルムからなる略矩形をした天面フィルム32と、地面フィルム33と、サイドフィルム34と、内部に封入されたインク50を導出可能なインク供給口31により構成されている。各フィルムの材質としては、既知の積層構造のもの、例えばインクパック30の内側から厚さ100μm程度のポリエチレン層、厚さ25μm程度のポリエステル層、厚さ15μm程度のアルミニウム層、厚さ38μm程度のポリエステル層(外表面保護層)を順に積層したフィルムなどを用いることができる。
なお、サイドフィルム34は天面フィルム32や地面フィルム33と同じ構造のものでもよいが、これらよりも剛性が低く柔軟性に富んだものを用いると、インク消費時にサイドフィルム34の折返しが円滑に行われ、残留インクの量を効果的に抑制できる。上記構造のフィルムよりも剛性の低いフィルムとしては、例えば、インクパック30の内側から厚さ60μm程度のポリエチレン層、厚さ9μm程度のアルミニウム層、厚さ15μm〜25μm程度のナイロン層(外表面保護層)を順に積層したフィルムなどを用いることができる。
又、天面フィルム32と地面フィルム33は、インク供給口31を備える基端側の辺の縁部においてインク供給口31を挟むようにして互いに熱溶着され、すなわち、熱シールされ、溶着部Aが形成されている。該溶着部Aは、封止片に相当する。又、溶着部Aには、インク供給口31が延出される方向と同方向に延びる矩形状の把持片35が一体形成されている。把持片35は、把持手段に相当する。すなわち、把持片35は、天面フィルム32と地面フィルム33が相対する端部が溶着部Aと同様に熱溶着(すなわち、熱シール)された部分である。なお、把持片35の形状は、矩形状に限定するものではなく、半円形状や他の形状であってもよい。
把持片35には、図1(a)に示すように、インク供給口31と干渉しないように形成された干渉回避孔36と、干渉回避孔36よりも、さらに、インク供給口31とは反対側位置に長孔形状をなす貫通孔としての把持孔37が形成されている。把持孔37の長孔形状の延びる方向は、把持孔37に指を入れて把持片35を把持して、インクパック本体40を吊り下げしたとき、その重力方向と直交する方向が好ましい。このように把持孔37が、インクパック本体40を吊り下げしたとき、重力が働く方向と直交する方向に延出させた方が、把持孔37に指を入れた場合、安定してインクパック本体40を持つことができる。
又、溶着部Aと把持片35の境界には、直線状に延びるミシン目38が形成され、把持片35が分離可能とされている。なお、ミシン目38は、直線状に限定するものではなく、ジグザグ状等の波状であってもよい。なお、ミシン目38部分は、インク50が満充填された状態のインクパック30を把持片35を介して、人が持った際に、簡単には該ミシン目38部分にて破断しないように形成されている。そして、ミシン目38に沿って、把持片35を引っ張った際に、該ミシン目38にて容易に破断可能とされている。
又、天面フィルム32と地面フィルム33の各側辺は、それぞれサイドフィルム34の側辺の縁部に熱溶着、すなわち熱シールされることにより、溶着部B1、B2が形成されている。天面フィルム32と地面フィルム33の末端側の辺の各縁部は互いに熱溶着、すなわち、熱シールされ、溶着部Cが形成されている。
前記サイドフィルム34は、図1(c)に示すように、折返し部39において内側に折り返され、天面フィルム32と地面フィルム33との間に折り込むようにして配置されている。ここで、インクパック本体40は、前記インク供給口31、天面フィルム32、地面フィルム33、サイドフィルム34が溶着部A,B1,B2,Cにより、袋状に形成されることにより構成されている。すなわち、インクパック本体には、各フィルムの各片、及び各側部が封止されて、インク50を貯留するインク貯留空間52が形成されている。本実施形態では、インク貯留空間52は、大量(約3リットル)のインクが貯留可能とされている。
上記のようにして、本実施形態に係るインクパック30は、ガゼットタイプとして構成されている。このように、サイドフィルム34は折返し部39で内側に折り返されているため、インク消費時にはサイドフィルム34を挟み込むように天面フィルム32及び地面フィルム33が接近して折り畳まれ、インクパック30全体が平坦につぶれ易くなっており、インク50が残留し難い構造であり、インク50の無駄が防止されている。
なお、インクパック30は、サイドフィルム34に折返し部39を有するが、この折返し部39は、予め形状安定化しておくことが好ましい。例えば、図3に示すように、型枠としての加熱した上治具41及び下治具42の間にサイドフィルム34を挟み込んで「折り目」をつけておく。この形状安定化処理により、インク50の消費に付随して折返し部39が容易に折り畳まれてインクパック30がつぶれ易くなるので、残留インクの低減化の確実性が増加する。
上記のように構成されたインクパック30の作用を説明する。
インクパック30を持つ場合には、図1に示す、把持片35の把持孔37に指を入れて、把持片35を把持することにより、インク供給口31をインクパック本体40の上部に位置させて、インクパック30を持つことができる。この場合、インクパック本体40は、可撓性のフィルムから形成されているため、形状が不安定となっているが、把持片35にて把持できるため、確実にインクパック30を持つことができる。特に、大容量のインクパック30の場合、持ち上げられた際、その重さによって変形してしまうが、このような場合においても、把持片35にて容易に30を持つことができる。なお、インクパック30をもって、例えば、インクカートリッジ19に収納した後は、把持片35は、ミシン目38に沿って分離される。こうすることにより、インクカートリッジ19にインクパック30を収納した後に、インク供給口31をインクジェットプリンタ10のインク供給系に接続する際に、把持片35が邪魔になることはない。
本実施形態の特徴を以下に述べる。
(1) 本実施形態では、インク50を貯留するインクパック本体40を備えるインクパック30に把持片35を備えるようにした。このため、本実施形態では、インクパック本体40の形状が不安定であってもインクパック30を容易に手で把持することができる。この結果、インクパック30を容易に手で把持して、運ぶことができる。
(2) 本実施形態では、把持片35を、インク供給口31を備えたインクパック本体40の辺に設けた。このため、把持片35がインク供給口31が設けられたインクパック30の辺に位置するため、インクパック30を把持片35にて持ち上げ把持した場合、インク供給口31がインクパック30の上部に位置させることができ、インク供給口からのインク漏れを防止できる。
(3) 又、本実施形態では、インクパック本体40には、熱シールされてインクパック本体40内のインク貯留空間52を封止する溶着部A(封止片)が形成され、溶着部Aに把持片35(把持手段)を設けた。このように、把持片35を該溶着部Aに一体に形成するという簡単な構成により、インクパック本体40に把持手段を備えさせることができる。
(4) 又、本実施形態では、把持片35には、把持用の把持孔37(貫通孔)を形成した。このように構成すると、該溶着部Aに把持孔37を形成するという簡単な構成により、インクパック本体40に把持手段を備えさせることができる。
(5) さらに、本実施形態では、把持片35(把持手段)は、インクパック本体40に対して分離可能に設けられている。この結果、インクパック本体40の把持を終了した後に、把持片35をインクパック本体40から分離でき、この結果、インクパック本体40をインクジェットプリンタ10(液体噴射装置)に装着する際、把持片35が邪魔になることはない。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図5を参照して説明する。なお、第2実施形態を含む下記の実施形態の説明中、既に説明した他の実施形態と同一構成、又は相当する構成については、同一符号を付してその説明を省略し、異なる構成について説明する。
第2実施形態では、溶着部Aに把持片35を一体形成する代わりに、溶着部Cに把持手段としての把持片45が一体に形成されているところが、第1実施形態と異なっている。すなわち、把持片45は、把持手段に相当する。把持片45は、天面フィルム32と地面フィルム33が相対する端部が溶着部Cと同様に熱溶着(すなわち、熱シール)された部分である。
把持片45には、長孔形状をなす貫通孔としての把持孔47が形成されている。把持孔47の長孔形状の延びる方向は、把持孔47に指を入れて把持片45を把持して、インクパック本体40を吊り下げしたとき、その重力方向と直交する方向が好ましい。このように把持孔47が、インクパック本体40を吊り下げしたとき、重力が働く方向と直交する方向に延出させた方が、把持孔47に指を入れた場合、安定してインクパック本体40を持つことができる。
又、溶着部Cと把持片45の境界には、直線状に延びる折り曲げ部48が形成され、把持片45が該部により折り曲げ可能とされている。折り曲げ部48は、例えば、折返し部39と同様に、「折り目」を付けることにより形成されている。そして、インクカートリッジ19にインクパック30を収納する際に同部分にて折り曲げすることにより、インクカートリッジ19内に収納可能とされている。第2実施形態の溶着部Cは、封止片に相当する。
さて、上記のように構成された第2実施形態は、第1実施形態で説明した、(1)、(3)、(4)に述べた効果と同様の作用効果を実現できるとともに下記の作用効果を奏する。
(1) 本実施形態では、把持片45が、インク供給口31が設けられた辺とは異なる辺に設けた。この結果、インクパック30をインクジェットプリンタ10(液体噴射装置)に接続する場合、インク供給口31の近辺に把持片45がないため、把持片45が邪魔になることはない。
(2) 又、本実施形態では、把持片45が、溶着部Cに対して折り曲げ部48にて折り曲げ可能としている。このことにより、第2実施形態のインクパック30をインクカートリッジ19のハードケース21に対して、把持片45が邪魔になることなく、収納することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態を図6を参照して説明する。第3実施形態では、インクパック30に第1実施形態と第2実施形態で説明した、把持片35,45が共に設けられている構成とされている。
第3実施形態では、このように把持片35,45が、インクパック本体40の両辺に設けられているため、両手で、インクパック30の両辺を持つことができる。特に、インクパック30が大容量の場合、充填されるインクの重量のためにインクパック30は重くなるが、両手で確実にインクパック30を持つことができるため、重量が重くなっても持ち運びを楽に行うことができる。
なお、把持片35は、ミシン目38にて分離でき、把持片45は折り曲げ部48にて折り曲げできることから、第3実施形態では、第1実施形態の(5)の作用効果と、第2実施形態の(2)の作用効果をともに奏することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態を図7(a)、(b)を参照して説明する。本実施形態のインクパック30では、第2実施形態の把持孔47を有する把持片45の代わりに、一対の取付孔49を有する取付片45Aが設けられているところが異なっている。取付片45Aは、把持片45と同様に、天面フィルム32と地面フィルム33が相対する端部が溶着部Cと同様に熱溶着(すなわち、熱シール)された部分である。
そして、各取付孔49に対して、合成樹脂にてコ字状に形成された把持手段としての把持部材60が着脱自在に設けられているところが第2実施形態と異なっている。本実施形態では、溶着部Cに連結された取付片45Aも含めてインクパック本体40が構成されている。
この把持部材60は、一対の薄板状の取付板61と、両取付板61を連結する連結板62にてコ字状に形成されている。そして、各取付板61の端部には折曲片63が折曲可能に形成されるとともに、折曲片63の折り曲げ部位よりも連結板62寄り位置には突起64が形成されている。又、折曲片63には、折曲片63を折り曲げ部位にて折り曲げした際に、前記突起64に着脱自在に嵌合する嵌合孔65が形成されている。
そして、把持部材60は、各折曲片63が各取付孔49に挿通された後、折り曲げ部位にて折り曲げされて各嵌合孔65に対し各突起64が嵌合されることにより、取付片45Aに対して着脱自在に取着される。
上記のように把持部材60が取付片45Aに取着された後、把持部材60が把持されると、インクパック30を吊り下げして持ち運びできるようになる。なお、インクパック30の持ち運びが終了した後は、折曲片63を開いて嵌合孔65と突起64との嵌合を解除するとともに、各取付孔49から折曲片63を抜け出させることにより、把持部材60を取付片45Aから取り外す。この後、インクカートリッジ19内に収納する場合は、把持片45と同様に取付片45Aを折り曲げ部48にて折り曲げする。このことにより、インクパック30をインクカートリッジ19のハードケース21に対して、取付片45Aが邪魔になることなく、収納することができる。又、把持部材60も取り去られているため、インクパック30をインクカートリッジ19のハードケース21に対して、収納する際に、把持部材60が邪魔になることがない。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態を図8を参照して説明する。第5実施形態では、第1実施形態の構成中、把持片35が省略されており、その代わりに、天面フィルム32の上面32aに、把持手段としての把手70が設けられているところが第1実施形態と異なっている。インクパック本体40には、天面フィルム32が形成する面(上面32a)、地面フィルム33が形成する下面、及び、各サイドフィルム34が形成する側面34aを有する。この中で、天面フィルム32が形成する面(上面32a)、及び地面フィルム33が形成する下面が最も広い面となり、本実施形態では、最も広い面である上面32aに把手70が形成されている。把手70は、可撓性を有する合成樹脂製のバンド71と、該バンド71の両端をそれぞれ上面32aに対して接着するための可撓性を有する合成樹脂製の連結部材72とからなる。なお、連結部材72を省略して、該バンド71を上面32aに対して熱溶着してもよい。
第5実施形態では、このように、インクパック本体40の最も広い面に、把手70が取付けされているため、把手70にて把持して、吊り下げしたときにその面に働く応力は、面積が狭い他の面に把手70が設けられた場合に比較して、小さくすることができる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態を、図9を参照して説明する。第6実施形態では、第5実施形態の構成中、把手70を天面フィルム32の上面32aに取付けする代わりに、サイドフィルム34の側面34aに接着して取付されている。又、折返し部39に対応する連結部材72及びバンド71の端部は、該折返し部39の折り返しを阻害しないように、折返し部39と同様に折り返し可能に形状安定化処理が施されて、「折り目」がつけられている。図9(a)では、折り目72aは、連結部材72に設けられたものである。
第5実施形態では、このように、サイドフィルム34に把手70が取付されているため、インクパック本体40内のインクが消費されてインクパック本体40の容量が減少する際、該インクパック本体40が内部に折り畳み状態となり、把手70をそれに伴って内部に格納することができる。なお、把手70のバンド71は、可撓性であって柔らかくされているため、インクパック本体40のサイドフィルム34が折り畳み状態となった際、バンド71もそれに応じて、形状が変形するため、サイドフィルム34の折り畳みを阻害することはない。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態を図10を参照して説明する。第7実施形態では、第8実施形態の構成中、把手70の上面32aに対する取付構成が異なっている。すなわち、把手70のバンド71の両端は、天面フィルム32の内に埋設された一対の磁石90に対して、バンド71の各端部を固着した一対の磁性体(例えば鉄)からなる取付部材82が磁力にて吸着されることにより、上面32aに取付けされている。磁石90の磁力の大きさは、インク50が満充填された状態のインクパック30を把手70を介して人が持って運ぶ際に、磁石90による取付部材82の吸着が解除されないような程度の大きさとされている。そして、力を入れて、バンド71を、天面フィルム32から離間方向に引っ張った際には、磁石90による取付部材82の吸着が解除される程度の磁石90の磁力の大きさとされている。磁石90及び磁性体からなる取付部材82により、吸着手段が構成されている。
上記のように構成されたインクパック30では、把手70が磁力により、インクパック本体40に吸着でき、インクパック本体40に対して、容易に把持手段を取着できる。又、力を入れて、把手70をインクパック本体40から離間方向に引っ張れば、把手70をインクパック本体40から取り外すことができる。このため、インクパック30を把持しなくてもよいときは把手70をインクパック本体40から外すことができるため、インクパック30をインクカートリッジ19のハードケース21に入れるときには、把手70が邪魔になることはない。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、下記のように変更してもよい。
○ 前記各実施形態では、ガゼットタイプのインクパックに具体化したが、サイドフィルム34を省略し、その代わりに天面フィルム32,地面フィルム33の両側片も互いに熱溶着したピロータイプのインクパックに具体化してもよい。
○ 第1実施形態は、ミシン目を形成したが、ミシン目は形成せず、把持片35をインクパック本体40から分離不能としてもよい。この場合、第2実施形態と同様に折り曲げ部を把持片35と溶着部Aの境界線に設けて、把持片35をインクパック本体40側に折り畳むことによって、インクパック30をインクカートリッジ19内に収納する。このように使用するものとすれば、インクカートリッジ19のハードケース21内にインクパック30を収納する際に把持片35が邪魔になることはない。
○ 第2実施形態の折り曲げ部48の代わりに、溶着部Cと、把持片45の境界線にミシン目を形成してもよい。このようにすると、第1実施形態と同様に、インクパック30の持ち運びが終了した際に、把持片45をインクパック本体40から分離することができる。
○ 第2実施形態では、インク供給口31をインクパック本体40の辺に設けたが、辺にインク供給口31を設けることに限定するものではなく、例えば、天面フィルム32の面から、インク供給口31を外部に突出するように設けても良い。この場合、把持片は、その面とは近接しない、他の面、又は片に設けるようにしてもよい。このように構成しても、インクパック30をインクジェットプリンタ10に接続する場合、インク供給口31の近辺に把持片がないため、把持片が邪魔になることはない。
○ 第7実施形態において、磁石90と、磁性体である取付部材82との位置関係を反対にしてもよい。
○ 又、第7実施形態のインクパック本体40の天面フィルム32、地面フィルム33、サイドフィルム34の少なくともいずれかのフィルムの材質を磁性体を含むように形成してもよい。そして、取付部材82の材質を磁石にて構成すると、磁性体を含むように形成されたフィルムにおいて、把手70を着脱自在に取着できる。この場合、磁石からなる取付部材82と、磁性体からなるフィルムにより、吸着手段が構成される。
(a)は、本発明の一実施形態のインクパックの斜視図、(b)は、同じくインクパックの中央縦断面図、(c)は、同じくインクパックの横断面図。 インクカートリッジの分解斜視図。 インクジェットプリンタの概略斜視図。 折り返し部の形状安定化方法の説明図。 第2実施形態のインクパックの斜視図。 第3実施形態のインクパックの斜視図。 (a)、(b)は、第4実施形態のインクパックの斜視図。 第5実施形態のインクパックの斜視図。 (a)、(b)は、第6実施形態のインクパックの斜視図。 第7実施形態のインクパックの斜視図。
符号の説明
30…インクパック
31…インク供給口
35…把持片(把持手段)
37…把持孔(貫通孔)
39…折返し部
40…インクパック本体
45…把持片(把持手段)
70…把手(把持手段)
82…取付部材
90…磁石(取付部材82とともに吸着手段を構成する)

Claims (9)

  1. インクを貯留するインクパック本体を備えるインクパックにおいて、手で把持可能な把持手段を備えたことを特徴とするインクパック。
  2. 前記インクパック本体は、複数の面を備えており、その面のうち、最も広い面に前記把持手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のインクパック。
  3. 前記インクパック本体の辺には、貯留したインクを吐出するインク供給口を備え、前記把持手段が、前記インク供給口を備えた辺に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクパック。
  4. 前記インクパック本体の辺又は面には、貯留したインクを吐出するインク供給口を備え、
    前記把持手段が、前記インク供給口が設けられた辺又は面とは異なる辺又は面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクパック。
  5. 前記インクパック本体の側面は、該インクパック本体内のインク貯留空間の容量が減少する際に、該インクパック本体が内部に折り畳み可能な折返し部が形成されており、該側面に、前記把持手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクパック。
  6. 前記インクパック本体には、熱シールされてインクパック本体内のインク貯留空間を封止する封止片が形成され、該封止片に前記把持手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のインクパック。
  7. 前記把持手段は、インクパック本体に対して分離可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項に記載のインクパック。
  8. 前記把持手段は、インクパック本体に対して着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のうちいずれか1項に記載のインクパック。
  9. 前記インクパック本体に対して、前記把持手段を吸着可能に、磁力による吸着手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のインクパック。
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