A.実施形態:
A−1.液体消費システムの構成:
図1は、液体消費システム1000の概略構成を示す第1の斜視図である。図2は、液体消費システム1000の概略構成を示す第2の斜視図である。図3は、液体供給装置20を説明するための第1の図である。図4は、液体供給装置20を説明するための第2の図である。なお、図3及び図4では、後述する液体収容体が取り外された状態を示している。図1〜図4には、互いに直交するXYZ軸が描かれている。
図1に示すように、液体消費システム1000は、液体消費装置としてのプリンター10と、2つの液体供給装置20とを備える。液体消費システム1000の使用状態では、プリンター10はX軸方向とY軸方向によって規定される水平な面に設置される。すなわち、Z軸方向が鉛直方向(上下方向)となる。また、−Z軸方向が鉛直下方向となり、+Z軸方向が鉛直上方向となる。液体供給装置20は、プリンター10に液体としてのインクを供給する。液体供給装置20が備える液体収容体50(液体収容体50)は、プリンター10に対して着脱可能に接続(装着)できる。
プリンター10は、インクジェットプリンターである。プリンター10は、記録機構11と、給紙トレイ16と、排出トレイ17とを備える。給紙トレイ16は、鉛直方向の異なる高さ位置に複数設けられている。給紙トレイ16は、プリンター10の装置第1面(装置前面)102に設けられている。給紙トレイ16には、プリンター10によって文字等の画像が印刷(記録)される記録媒体(例えば、用紙)が収容される。
記録機構11は、インクを吐出する記録ヘッド(図示せず)を備える。記録ヘッドは、チューブ等の流通管を介して液体供給装置20と連通している。記録ヘッドは、液体供給装置20から供給されたインクを用いて記録媒体上にインクを吐出することで記録(印刷)を行う。記録された記録媒体は排出トレイ17に排出される。
2つの液体供給装置20は、プリンター10の装置第1面(装置前面又は装置前壁とも呼ぶ)102と交差する装置第2面(装置第1側面又は装置第1側壁とも呼ぶ)104及び装置第3面(装置第2側面又は装置第2側壁とも呼ぶ)106に設けられている。装置第1面102〜装置第3面106はそれぞれ、プリンター10の使用状態において設置面に対して略垂直な面である。装置第2面104と装置第3面106とは対向する。ここで、装置第2面104に設けられた液体供給装置20を第1の液体供給装置20Aとも呼び、装置第3面106に設けられた液体供給装置20を第2の液体供給装置20Bとも呼ぶ。なお、第1と第2の液体供給装置20A,20Bを区別することなく用いる場合は、単に液体供給装置20と呼ぶ。
図1に示すように、第1の液体供給装置20Aは、1つのカバー部材22と1つの液体収容体(液体収容袋ユニット)50と、1つの着脱ユニット30(図3)とを備える。図2に示すように、第2の液体供給装置20Bは、1つのカバー部材22と3つの液体収容体50と、各液体収容体50に対応した3つの着脱ユニット30(図4)とを備える。ここで、2つのカバー部材22を区別して用いる場合は、符号「22A」,「22B」を用いる。また、4つの液体収容体50を区別して用いる場合は、符号「50K」,「50C」,「50M」,「50Y」を用いる。また、4つの着脱ユニット30を区別して用いる場合は符号「30K」,「30C」,「30M」,「30Y」を用いる。なお、カバー部材22、液体収容体50、着脱ユニット30の個数は上記に限定されるものではない。例えば、液体収容体50は3つ以下であっても良いし、5つ以上であっても良い。また、着脱ユニット30は、液体収容体50の個数に対応して設けられても良い。また、カバー部材22は、1つであっても良いし、3つ以上であっても良い。
4つの液体収容体50には、相互に異なる種類のインクが収容(充填)されている。本実施形態では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のインクが、それぞれ異なる液体収容体50に収容されている。液体収容体50Kはブラックのインクを収容した液体収容部を有し、液体収容体50Cはシアンのインクを収容した液体収容部を有し、液体収容体50Mはマゼンタのインクを収容した液体収容部を有し、液体収容体50Yはイエローのインクを収容した液体収容部を有する。図3及び図4に示すように、液体収容体50は、カバー部材22で区画される収容空間部26に収容される。具体的には、液体収容体50Kは収容空間部26A(図3)に収容され、液体収容体50C,50M,50Yは収容空間部26B(図4)に収容される。
図3及び図4に示す着脱ユニット30は、液体収容体50を着脱自在に装着する。着脱ユニット30Kはカバー部材22Aの内側に配置され、着脱ユニット30C,30M,30Yはカバー部材22Bの内側に配置されている。図3に示すように、着脱ユニット30Kは、プリンター10の装置第2面104に設けられている。図4に示すように、着脱ユニット30C,30M,30Yは、プリンター10の装置第3面106に設けられている。着脱ユニット30に液体収容体50が装着された場合、プリンター10が備えるポンプ機能を有する供給機構(図示せず)によって液体収容体50に収容されたインクがプリンター10の記録ヘッドに供給される。
図3及び図4に示すように、カバー部材22は、鉛直下方向側の一端部23を支点として鉛直上方向側の他端部24を回転させることで開閉自在に構成されている。液体収容体50が収容するインクが消費された後は、利用者は、カバー部材22を開いて消費された液体収容体50を着脱ユニット30から取り外す。そして、利用者は、新たな液体収容体50を着脱ユニット30に装着した後にカバー部材22を閉じる。
A−2.着脱ユニット30の構成:
図5は、着脱ユニット30を説明するための第1の斜視図である。図6は、着脱ユニット30を説明するための第2の斜視図である。図5は、可動部材40が固定部材35に対し外方に突出した第1の状態(セット時状態)を示している。図6は、可動部材40が固定部材35に収容された第2の状態(装着時状態)を示している。図5及ぶ図6では、着脱ユニット30Cを例に構成についての説明を行うが、他の着脱ユニット30K,30M,30Yについても着脱ユニット30Cと同様の構成を有する。図5に示すように、着脱ユニット30は、固定部材35と、可動部材40とを備える。
液体収容体50は、以下の2つの操作を実行することで着脱ユニット30に装着される。液体収容体50が着脱ユニット30に装着された状態を「装着状態(接続状態)」とも呼ぶ。装着状態(接続状態)とは、後述する液体収容体50の液体供給部57(流通部57)が着脱ユニット30の液体導入部(液体導入針)362に接続され、かつ、液体収容体50の回路基板582が着脱ユニット30の電気接続部(装置側電気接続部)382と電気的に接続された状態である。装着状態では、液体収容体50に収容されているインクがプリンター10側に流通可能な状態となる。
・第1の操作:
利用者は、着脱ユニット30を第1の状態にした後に、液体収容体50を可動部材40にセットする。
・第2の操作:
第1の操作後に、利用者は液体収容体50を介して可動部材40を固定部材35側に押し進めることで着脱ユニット30を第2の状態にする。
着脱ユニット30の第2の状態では、可動部材40はロック機構によって固定部材35に対する+K1軸方向側への移動が規制されている。なお、第2の状態において、可動部材40を固定部材35に対して内側方向(−K1軸方向)に押し付けることでロック機構によるロックが解除される。これにより、可動部材40を固定部材35に対して外方(+Z軸方向)に突出するように移動させて、着脱ユニット30の状態を第1の状態から第2の状態に切り替えることができる。
固定部材35は、固定部である複数のネジ302によってプリンター10の面104,106(図3及ぶ図4)に固定されている。詳細には、着脱ユニット30K(図3)は、複数のネジ302によって第2面104に固定され、着脱ユニット30C,30M、30Y(図4)は、複数のネジ302によって第3面106に固定されている。
固定部材35は、液体導入機構36と、接点機構38とを備える。液体導入機構36は、液体導入部362を有する。液体導入部362には、液体収容体50が備える後述する液体供給部が接続されることで、液体収容体50に収容されたインクが流通する。液体導入部362は、プリンター10の記録ヘッドと連通している。
液体導入部362は、内部にインクが流通できる針状である。液体導入部362は中心軸CLに沿って延びる。この中心軸CLに沿った方向(液体導入部362が延びる方向)をK1軸方向とする。K1軸方向はZ軸方向と直交する。K1軸方向とZ軸方向に直交する方向をK2軸方向とする。K1軸方向とK2軸方向とによって規定される面と、図1に示すX軸方向とY軸方向とによって規定される面とは平行である。K1軸方向のうち、プリンター10の外方へ向かう方向が+K1軸方向であり、プリンター10の内方に向かう方向が−K1軸方向である。
液体導入機構36と、接点機構38とはK2軸方向に沿って並んで配置されている。K2軸方向のうち、液体導入機構36から接点機構38に向かう方向が+K2軸方向であり、接点機構38から液体導入機構36に向かう方向が−K2軸方向である。また、着脱ユニット30において、Z軸方向を「高さ方向」とも呼び、K1軸方向を「幅方向」とも呼び、K2軸方向を「奥行き方向」とも呼ぶ。
図5及び図6に示すように、接点機構38は、複数(本実施形態では9つ)の装置側端子381を有する電気接続部382と、複数(本実施形態では2つ)の装置側基板位置決め部384、385とを備える。液体収容体50の装着状態において、電気接続部382の装置側端子381は、液体収容体50の回路基板と接触(電気的に接続)する。これにより、液体収容体50の回路基板と、プリンター10との間で各種情報(例えば、液体収容体50のインク色や製造年月日)が通信可能となる。装置側端子381は、弾性変形可能な金属製の板バネによって形成されている。装置側基板位置決め部384,385は、電気接続部382のK2軸方向(液体導入機構36と接点機構38とが並ぶ方向)における両側に配置されている。装置側基板位置決め部384、385は、液体収容体50が着脱ユニット30に装着される時に、電気接続部382に対する液体収容体50の回路基板の最終的な位置決めを行う。装置側基板位置決め部384,385は、K1軸方向に沿って延びる部材である。
可動部材40は、固定部材35に対してK1軸方向に沿って移動可能に構成される。可動部材40は、基部41と、供給部支持部42と、基板支持部48とを備える。供給部支持部42及び基板支持部48はそれぞれ、基部41に接続されている。供給部支持部42及び基板支持部48はそれぞれ、基部41から+Z軸方向側(上側)に延びる部材である。
供給部支持部42は、液体導入部362に対する液体収容体50(詳細には液体供給部)の位置を決定するための部材である。着脱ユニット30をK1軸方向に沿って見た時に、供給部支持部42は液体導入部362と重なる位置に設けられている。供給部支持部42は、−Z軸方向に向かって凹形状を形成するように設けられている。供給部支持部42は、K2軸方向における両側に溝部407が形成されている。溝部407に、液体収容体50の後述する位置決め部が入り込むことによって、液体収容体50が備える液体供給部の動きが規制され、液体収容体50の着脱ユニット30に対するある程度の位置決めがおこなわれる。すなわち、供給部支持部42を区画形成する複数の面部(例えば、第1支持面部402、第2支持面部403、第3支持面部404)によって、液体収容体50が備える液体供給部の動きが規制される。供給部支持部42のうち、液体導入部362側に位置する第1支持面部402には、切欠き部406が形成されている。切欠き部406は、+Z軸方向側が開口する凹形状である。着脱ユニット30をK1軸方向に沿って見た時に、切欠き部406は、液体導入部362と重なる位置に設けられている。可動部材40を固定部材35に対して最も+K1軸方向に移動させた第1の状態において、切欠き部406は液体導入部362よりも+K1軸方向側に位置する。また、図6に示すように、第2の状態では切欠き部406内に液体導入部362の先端が位置する。
基板支持部48は、接点機構38に対する体収容体50(詳細には回路基板)の位置を決定するための部材である。着脱ユニット30をK1軸方向に沿って見た時に、基板支持部48は接点機構38と重なる位置に設けられている。基板支持部48は、−Z軸方向に向かって凹形状を形成するように設けられている。基板支持部48を区画形成する複数の面部(例えば、第1基板支持面部482)によって、液体収容体50の回路基板の動きが規制される。
上記のごとく、可動部材40は、液体収容体50をプリンター10に接続するために用いられる。よって、可動部材40を「接続用部材40」とも呼ぶ、接続用部材40は、異なる色のインクを収容する複数の液体収容体50K,50C,50M,50Kのうちの、着脱ユニット30に接続されるべき液体収容体50K,50C,50M,50Yが収容するインクの色で着色されている。例えば、イエローのインクを収容する液体収容体50Yに接続される着脱ユニット30Yが備える接続用部材40は、イエローで着色されている。ここで、「インクの色で着色」とは、インクの色と同系色で着色されていることを含む。「同系色」とは、利用者が接続用部材40を視認することで、接続されるべき液体収容体50を識別できる範囲の色であれば良い。「同系色」とは、例えば、JIS規格(JIS Z 8102)で採用されている20色色相環(修正マンセル色相環ともいう。)において、色相差が0(ゼロ)〜3である色同士を意味する。
A−3.液体収容体50の構成:
図7は、液体収容体50の第1の斜視図である。図8は、液体収容体50の第2の斜視図である。図8Aは、液体収容体50の正面図である。図8Bは、液体収容体50の背面図である。図7,図8,図8A,図8Bには、液体収容体50が着脱ユニット30に装着された状態(装着状態)におけるZ軸、K1軸、K2軸を示している。また、図7及び図8は、液体としてのインクが充填され、かつ、着脱ユニット30に装着される前の状態(未使用状態)における液体収容体50を示している。なお、後述する液体収容体50を説明するための図についても必要に応じて互いに直交するZ軸、K1軸、K2軸を示している。図7以降の図面では、液体収容体50Cを例に構成についての説明を行うが、液体収容体50K,50M,50Yについても液体収容体50Cと同様の構成である。
図7に示すように、液体収容体50は、液体収容部52(液体収容袋52)と、操作部材(連結部材、ハンドル部)53とを備える。操作部材53は、液体収容部52に取り付けられている。操作部材53は、把持部(支持部)54と、液体供給ユニット55と、基板ユニット(収容体側電気接続部)58と、押圧部545(図8)とを備える。把持部54は、利用者が液体収容体50を支持(把持)するための部分である。よって、把持部54を「ハンドル部54」又は「ハンドル部分」と呼ぶことができる。液体供給ユニット55は、着脱ユニット30が備える液体導入部362及び供給部支持部42(図6)に対応する部分である。基板ユニット58は、着脱ユニット30が備える電気接続部382及び基板支持部48(図6)に対応する部分である。尚、操作部材53の把持部54は、本実施形態では「ロ」の字状に形成されているが、「C」字状や、「T」字状に形成してもよい。
液体収容部52は、液体としてのインクを収容可能である。液体収容部52は、袋面(外表面)が露出した状態で操作部材53に取り付けられている。すなわち、液体収容部52は、ケースなどに収容されることなく外部から視認可能に構成されている。液体収容部52は、収容されたインクの減少に伴って容積が減少する。
液体収容部52は、第1のシート521と、第2のシート522と、第3のシート523とを有する。第1〜第3のシート521〜523は、内側にインクを収容するための空間部を区画する。ここで、液体収容部52のうち、操作部材53が取り付けられた側を一端(一端部、上端)501側とし、一端501と対向する側を他端(他端部、底端)502側とする。また、液体収容部52のうち、一端側(+K2軸方向側)を第1側端(第1側端部)503側とし、他端側(−K2軸方向側)を第2側端(第2側端部)504側とする。図8Aに示すように、液体供給部55及び基板ユニット58は、液体収容部52の一端部501側に位置する。本実施形態では、図8AのようにK1軸方向に沿って液体収容体50を見た時に、液体供給部55及び基板ユニット58は、一端部501と少なくとも一部において重なるように位置する。
図7及ぶ図8に示すように、液体収容体50の装着状態において、第1のシート521及び第2のシート522は液体収容部52の側面を構成する。また、液体収容体50の装着状態において、第3のシート523は液体収容部52の底面を構成する。第1のシート521及び第2のシート522は、向かい合って配置されている。第1のシート521及び第2のシート522は、互いの周縁領域51Wの一部が溶着されている。詳細には、周縁領域51Wのうち、一端501側部分と、第1側端503側部分と、第2側端504側部分とが溶着されている。理解の容易のために、図7及び図8において、第1と第2のシート521,522が溶着された部分にはクロスハッチングを付している。また、液体収容部52の一端501(詳細には、第1と第2のシート521,522の一端)には操作部材53が溶着されている。すなわち、操作部材53は、液体収容部52の一端501に取り付け可能な部材である。理解の容易のために、図7及び図8において、操作部材53と第1及び第2のシート521,522との溶着部分には実線のシングルハッチングを付している。詳細は後述するが、操作部材53の取付部(接合部)549に第1及び第2のシート部材521,522が溶着によって取り付けられている。
第3のシート523は、第3のシート523の周縁領域51Yと、第1のシート521及び第2のシート522の周縁領域51Wの一部とが溶着されている。第3のシート523が第1及び第2のシート521,522に溶着された部分には一点鎖線のシングルハッチングを付している。このように、本実施形態の液体収容部52は、3つのシート521,522,523を溶着等によって接着したタイプ(いわゆる、底面を有するパウチタイプ)である。
第1〜第3のシート521〜523はそれぞれ、可撓性を有する部材である。第1〜第3のシート521〜523の材料(材質)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET),ナイロン,ポリエチレンなどが用いられる。また、これらの材料で構成されたフィルムを複数積層した積層構造を用いて第1〜第3のシート521〜523を形成しても良い。このような積層構造では、例えば、外層を耐衝撃性に優れたPET又はナイロンによって形成し、内層を耐インク性に優れたポリエチレンによって形成しても良い。さらに、アルミニウムなどを蒸着した層を有するフィルムを積層構造の1つの構成部材としても良い。これにより、ガスバリア性を高めることができるので、例えば液体収容部52に収容されたインクの濃度変化を抑制できる。このように、液体収容部52の材質は任意に設定できる。
また、液体収容部52の形状と大きさとはそれぞれ任意に設定できる。例えば、ブラックのインクを収容する液体収容部52Kは、他の色(例えば、シアン)のインクを収容する液体収容部52Cよりも容積(大きさ)を大きくしても良い。また例えば、液体収容部52は、本実施形態では第1〜第3のシート521〜523を溶着等によって接着したタイプであったが、第3のシート523を省略し、第1と第2のシート521,523を溶着等によって接着したタイプ(いわゆる、ピロータイプ)としても良い。ここで、上述のごとく、液体収容部52と操作部材53とは別部材である。よって、操作部材53は同じ部品を用いつつ、容易に液体収容部52の種類(形状と大きさと材質)を変更できる。すなわち、液体収容部52に収容される液体の特性や量等に応じて液体収容部52の形状と大きさと材質とを設定できるため、設計の自由度が向上できる。
液体収容体50は、さらに、液体収容部52に収容されたインクを液体供給ユニット55(詳細には後述する液体供給部)に流通させるための流路部材70を有する。本実施形態において、流路部材70はチューブである。流路部材70は、液体収容部52の内側に配置されている。
図8Aを用いて以下に説明するように、液体収容体50の各部は以下の関係を有する。液体収容部52の一端部501の長手方向(K2軸方向)に沿った把持部54の幅を、幅W54とする。また、接合部549の長手方向(K2軸方向)に沿った接合部549の幅を、幅W549とする。幅W54は、長手方向(K2軸方向)における把持部54の一端部54Aと他端部54Bとの距離である。この場合、幅W54は幅W549よりも小さい。また、長手方向(K2軸方向)について、液体供給ユニット55と基板ユニット58とは、把持部54の両端部54A,54Bの間に位置する。
図9は、液体収容体50の一部分を示す第1の斜視図である。図10は、液体収容体50の一部分を示す第2の斜視図である。図11は、液体収容体50の一部分を示す第3の斜視図である。図12は、液体収容体50の一部分を示す第4の斜視図である。図13は、液体収容体50の一部分の正面図である。図14は、液体収容体50の一部分の背面図である。図15は、液体収容体50の一部分の上面図である。図16は、液体収容体50の一部分の右側面図である。図16Aは、図13のF13−F13断面図である。図16Bは、回路基板582の正面図である。図16Cは、図16Bの矢視F16Bである。図9〜図16Aにおいて、液体収容体50が備える液体収容部52の図示は省略している。
図9及び図10に示すように、操作部材(ハンドル部)53は、把持部54と、第1の接続部546と、第2の接続部547と、基部(連結部)548と、取付部549とを備える。ここで、操作部材53について、Z軸方向を「高さ方向」とも呼び、K1軸方向を「厚み方向」とも呼び、K2軸方向を「幅方向」とも呼ぶ。なお、操作部材53は、上記のごとく取付部549の構成要素として捉えても良いし、操作部材53と取付部549とは別の構成要素として捉えても良い。
把持部54と、第1の接続部546と、第2の接続部547と、基部548とはそれぞれ棒状である。把持部54と、第1の接続部546と、第2の接続部547と、基部548とによって枠状の部材が形成される。これにより、操作部材53には、利用者の手を受け入れるための略矩形状の受入空間部542が区画形成される。
把持部54は、把持可能な部分である。把持部54は、利用者が液体収容体50を把持する部分である。把持部54は、K2軸方向に沿って延びる。図11に示すように、把持部54は、受入空間部542と接する把持面(支持面)541を有する。把持面541は、利用者によって直接に支持(把持)される部分である。把持面541は、着脱ユニット30に装着された装着状態においてZ軸方向に略垂直な平面である。
図9に示すように、第1の接続部546は、把持部54のうちK2軸方向における一端部から基部548側(−Z軸方向側、図7に示す液体収容部52側)に延びる部材である。第2の接続部547は、把持部54のうちK2軸方向における他端部から基部548側(−Z軸方向側、図7に示す液体収容部52側)に延びる部材である。基部548は、受入空間部542を挟んで把持部54と対向する部分である。基部548は、K2軸方向に沿って延びる。基部548には、後述する位置決め部56と、回路基板保持部(収容体側電気接続部)59と、押圧部545(図12)とが取り付けられている。すなわち、液体供給ユニット55と収容体側電気接続部58(詳細には、回路基板保持部59)とは基部548を介して互いに連結されている。これにより、液体供給ユニット55と回路基板保持部(接触部配置部)59とが基部548の動きに連動する。すなわち、利用者は、一つの部材(本実施形態では基部548)の動きを操作することで、プリンター10に液体収容体50を接続するために用いられる液体供給ユニット55及び回路基板保持部59の動きを操作できる。ここで、「連結」とは、連結されている部材同士が互いに連動して動くように接続されていることを言う。
取付部(接合部)549は、基部548を挟んで把持部54が位置する側とは反対側に位置する。取付部549は、基部548と隣接する。取付部549は、K2軸方向に沿って延びる。取付部549は、液体収容部52の一端501(図7)が溶着等によって取り付けられる部分(接合される部分)である。取付部549は、操作部材53に連結されている。また、図13及び図16Aに示すように、取付部549は液体収容部52に収容されたインクを液体供給部57に流通させるための導出部550を有する。導出部550に流路部材70が接続されることで、流路部材70を流れたインクが導出部550を介して液体供給部57に流通する。なお、理解の容易の為に、図13及び図14には、取付部549のうち液体収容部52が取り付けられる部分にはシングルハッチングを付している。
図9及び図10に示すように、液体供給ユニット55は、液体供給部57と位置決め部56とを備える。但し、位置決め部56は液体供給部57とは別体で構成され、液体供給部57との間に僅かな隙間が形成されている。液体供給ユニット55は、操作部材53から外方(−K1軸方向)に突出して設けられている。
液体供給部57は、液体収容部52に収容されたインクをプリンターに流通させる。液体供給部57は、一端である液体供給口572と、他端である供給接続部573とを有する。液体供給口572は、液体収容部52の内部と連通し、液体収容部52に収容されたインクを外部(プリンター10)に流出させる。液体供給口572は、把持面541に垂直な平面(Z軸方向とK2軸方向によって規定される面)を規定する。供給接続部573は操作部材53に接続されている。液体供給部57は、K1軸方向(中心軸CT方向)に沿って延びる筒状部材(環状部材)である。液体供給部57は、操作部材53より外方(−K1軸方向)に突出して設けられている。
液体供給部57は、中心軸CTを備える。中心軸CTは、K1軸方向と平行である。ここで、K1軸方向のうち、液体供給口572から供給接続部573に向かう方向が+K1軸方向であり、供給接続部573から液体供給口572に向かう方向が−K1軸方向である。
図15に示すように、把持面541は、液体供給部57の中心軸CT方向(K1軸方向)に垂直な方向(+Z軸方向)側に配置されている。把持面541を含む操作部材53は、液体供給口572に対し中心軸CT方向にオフセットするように設けられている。言い換えれば、把持面541と直交する方向で、且つ、液体供給部57から把持面541に向かう方向(+Z軸方向)側から液体収容体50を見たときに、液体供給口572は把持面541(操作部材53)と重ならない位置に配置されている。すなわち、液体収容体50を把持面541に垂直な面に投影した時に、把持面541と液体供給口572とは重ならない位置関係にある。
図9に示すように、液体収容体50の未使用状態では、液体供給口572がフィルム99によって塞がれている。これにより、液体収容体50が着脱ユニット30(図5)に装着される前において、液体供給口572からインクが外部に漏れ出すことを抑制できる。フィルム99は、液体収容体50が着脱ユニット30に装着する際に液体導入部362(図5)によって破られる。
図16Aに示すように、液体供給部57の内部には、液体供給部57によって形成された液体流路を開閉するための弁機構551が配置されている。弁機構551は、弁座552と、弁体554と、バネ556とを備える。液体供給部57の液体供給口572から供給接続部573に向かって、弁座552、弁体554、バネ556の順に液体供給部57内に収容されている。
弁座552は、略円環状の部材である。弁座552は、例えば、ゴムやエラストマー等の弾性体によって構成されている。弁座552は、液体供給部57の内部に圧入されている。弁体554は、略円柱状の部材である。弁体554は、液体収容体50が着脱ユニット30に装着される前の状態において弁座552に形成された孔(弁孔)を塞ぐ。バネ556は、圧縮コイルバネである。バネ556は、弁体554を弁座552側に向かう方向に付勢する。液体収容体50の装着状態では、液体導入部362(図5)が弁体554を供給接続部573側に押すことで、弁体554が供給接続部573側に移動する。これにより、弁体554が弁座552から離れて弁機構551が開状態になる。弁機構551が開状態の時に、液体収容部52(図7)に収容されたインクは、流路部材70、操作部材53の内部流路558及び液体供給部57を流れて外部に流出可能となる。
図9に示すように、位置決め部56は、液体収容体50がプリンター10に接続されるときに、液体供給口572を含めた液体収容部50のプリンター10に対するある程度の位置決めを行う。位置決め部56は、操作部材53に一体的に設けられている。本実施形態では、位置決め部56は、操作部材53と一体成形により作成されることで、操作部材53と一体的に設けられる。ここで、「一体的に設けられる」とは、位置決め部56が操作部材53の動きに連動するように操作部材53に設けられていることを意味する。他の実施形態では、操作部材53に対し位置決め部56を溶着等により取り付けることで、位置決め部56を操作部材53に一体的に設けても良い。また、位置決め部56は液体供給口572の近傍に液体供給口572の上方を除く周方向を囲むような形態で設けられているが、操作部材53が変形しにくい材料から成る場合は、操作部材53のうちの液体供給口572から多少離れた位置に設けても良い。位置決め部56は、操作部材53から−K1軸方向に突出する。
図9及び図10に示すように、位置決め部56は、液体供給口572の近傍に配置されている。また、図13に示すように、位置決め部56の少なくとも一部は、液体供給口572の液体収容部52(図7)側(−Z軸方向側)に設けられている。本実施形態では、中心軸CTを中心とした液体供給部57の周囲に位置決め部56は配置されている。詳細には、位置決め部56は、液体供給部57の周囲のうち、把持部54側を除く周囲に配置されている。位置決め部56は、液体収容体50をプリンター10に接続するときに、着脱ユニット30(図5)が備える供給部支持部42の内側に配置される。これにより、供給部支持部42を区画形成する複数の面部(例えば、図5に示す第1支持面部402、第2支持面部403、第3支持面部404)と、位置決め部56とが当たることによって、液体供給部57の動きが規制され、液体収容体50がある程度位置決めされる。その後、液体供給口572は液体供給口572の上下左右の位置で液体供給部57に設けられた突起577(577a,577b,577c,577d)と、液体導入部362の上下左右に設けられた図5及び図6に示す位置決め突起366(366a,366b,366c,366d)とにより位置決めされた状態で液体導入部362に接続される。
液体供給ユニット55は、液体収容部52(図7)に収容されたインクをプリンター10に供給する機能を有する。よって、液体供給ユニット55は、「液体供給部」として捉えることもできる。この場合、液体供給部としての液体供給ユニット55は、一端に液体供給口572を有する液体供給部(液体流通部)57と、位置決め部56とを備える。
図9及び図10に示すように、基板ユニット(収容体側電気接続部)58は、回路基板582と、回路基板保持部59とを備える。基板ユニット58は、操作部材53から外方(−K1軸方向)に突出して設けられる。基板ユニット58の突出方向は、液体供給部57の突出方向(−K1軸方向)と同じである。なお、基板ユニット58の突出方向と、液体供給部57の突出方向とは、同じでなくても良く、実質的に平行であれば良い。「実質的に平行」とは、完全に平行な状態だけではなく、多少の誤差や多少のズレによってほぼ平行な状態も含む。すなわち、「実質的に平行」とは、本明細書中において記載する効果を奏する範囲内において完全に平行でない状態も含む。また、本明細書において「面」とは、平らな面や、多少の凹凸がある面や、多少屈曲した面を含む。また、基板ユニット58と液体供給部57とは、操作部材53に対して同じ側(−K1軸方向側)に向かって操作部材53から突出している。
図15に示すように、基板ユニット58は、把持面541と平行な方向に液体供給ユニット55と並んで設けられている。具体的には、基板ユニット58と液体供給ユニット55とは、把持面541と平行な方向であって、且つ、中心軸CTと直交する方向であるK2軸方向に並んで設けられている。
図9に示すように、回路基板保持部59は、液体収容体50がプリンター10に接続されるときに、プリンター10に対して回路基板582を位置決めする。回路基板保持部59は、操作部材53に一体的に設けられている。本実施形態では、回路基板保持部59は、操作部材53と一体成形により作成されることで、操作部材53と一体的に設けられる。ここで、「一体的に設けられる」とは、回路基板保持部59が操作部材53の動きに連動するように操作部材53に設けられていることを意味する。なお、他の実施形態では、操作部材53に対し回路基板保持部59を溶着等により取り付けることで、回路基板保持部59を操作部材53に一体的に設けても良い。
回路基板保持部59は、+Z軸方向側(把持部54が位置する側)が開口する凹形状である。凹形状の底部594は、把持面541(図11)に対して傾斜している。底部594に回路基板582が取り付けられることで、回路基板582は回路基板保持部59に上記のように傾斜して保持される。回路基板保持部59の少なくとも一部(底部594)は、回路基板582の液体収容部52(図7)側(−Z軸方向側)に設けられている。すなわち、基板ユニット(収容体側電気接続部)58のうち、接触部cp(図16B)と異なる少なくとも一部(底部594)は、接触部cpの液体収容部52側に設けられている。
回路基板保持部59は、底部594のK2軸方向の両側からそれぞれ+Z軸方向側に延びる第1の側壁部592及び第2の側壁部593を有する。図10に示すように、第1の側壁部592は溝部593tを有する。図9に示すように、第2の側壁部593は溝部592tを有する。液体収容体50がプリンター10に接続されるときに、回路基板保持部59は、まず基板支持部48(図5)によって支持される。これにより、装置側端子381(図5)に対する回路基板保持部59及び回路基板582のある程度の位置決めが行われる。そして、図5に示す着脱ユニット30の可動部材40を−K1軸方向に移動させることで、図6に示す装置側基板位置決め部385が回路基板保持部59の溝部593t(図9)に入り込み、また、図6に示す装置側基板位置決め部384(図6)が回路基板保持部59の溝部592t(図10)に入り込む。これにより、装置側端子381に対する回路基板保持部59及び回路基板582の位置決めが行われる。
図13に示すように回路基板582は、表面に複数の端子581を有する。本実施形態では、端子581は装置側端子381の数(9つ)に対応して9つ配置されている。本実施形態では、端子581の外形は略矩形状である。また、回路基板582の裏面には記憶装置583(図16B)が配置されている。記憶装置583は、液体収容体50に関する情報(例えば、インク色、インク残量等)を格納する。記憶装置583と複数の端子581とは電気的に接続されている。装着状態において、複数の端子581はそれぞれ、プリンター10が備える電気接続部382の対応する装置側端子381(図6)と電気的に接続される。
図16Bに示すように、回路基板582の+Z軸方向側の上側端部586にはボス溝584が形成され、回路基板582の−Z軸方向側の下側端部587にはボス孔585が形成されている。回路基板582は、ボス溝584およびボス孔585を用いて底部(配置部)594に固定されている。
図16B及び図16Cに示すように、回路基板582は、表面582faに設けられた液体収容体側端子群580と、裏面582fbに設けられた記憶装置583とを有する。表面582fa及び裏面582fbは平面である。
液体収容体側端子群580は、9つの端子581A〜581Iからなる。記憶装置580は、液体収容体50に関する情報(例えば、インク残量、インク色)等を格納する。
図16Bに示すように、9つの液体収容体側端子581A〜581Iはそれぞれ略矩形状に形成され、Z軸方向の異なる位置に2つの列Ln1,Ln2を形成するように配置されている。列Ln1,Ln2はK2軸方向に平行である。
液体収容体側端子581A〜581Iのそれぞれの中央部には、対応する装置側端子381(図6)に接触する接触部cpを有する。上記の列Ln1,Ln2は複数の接触部cpによって形成される列であると考えることもできる。なお9つの液体収容体側端子581A〜581Iを区別することなく用いる場合は符号「581」を用いる。
このように、収容体側電気接続部58は、装置側電気接続部382と接触可能な接触部cpを有する。また、収容体側電気接続部58は、図9に示すように、操作部材53に一体的に設けられている。
図15に示すように、把持面541は、液体供給部57の中心軸CT方向に垂直な方向(+Z軸方向)側に配置されている。収容体側電気接続部としての基板ユニット58は、把持面541を含む操作部材53に対し中心軸CT方向にオフセットするように設けられている。言い換えれば、把持面541と直交する方向で、且つ、液体供給部57から把持面541に向かう方向(+Z軸方向)側から液体収容体50を見たときに、基板ユニット58は、把持面541(操作部材53)と重ならない位置に配置されている。すなわち、液体収容体50を把持面541に垂直な面に投影した時に、把持面541と基板ユニット58とは重ならない位置関係にある。この場合、基板ユニット58のうち少なくとも回路基板582が把持面541(操作部材53)と重ならない位置に配置されていれば良い。
図9及び図12に示すように、操作部材53のうち−K1軸方向側を第1側53faとし、操作部材53のうち第1側53faとは反対側である+K1軸方向側を第2側53fbとする。図9に示すように、回路基板保持部59と位置決め部56とは同じ側である第1側53faに設けられている。
図12に示すように、押圧部545は、操作部材53を挟んで位置決め部56及び回路基板保持部59と対向する第2側53fbに設けられている。すなわち、図11に示すように、位置決め部56及び回路基板保持部59は、基部548のうち第1側53faの表面に設けられているのに対し、図12に示すように、押圧部545は、基部548のうち第2側53fbの表面に設けられている。また、図15及び図16に示すように、押圧部545の少なくとも一部は、位置決め部56及び回路基板保持部59と操作部材53を挟んで対向する。
押圧部545は、液体収容体50をプリンター10に接続するときに、利用者によって押圧される部分である。すなわち、押圧部545は手動で押圧される部分である。押圧部545を−K1軸方向側に押すことで、液体収容体50がセットされた可動部材40(図6)を−K1方向側に移動させる。
押圧部545は、操作部材53から外方(+K1軸方向)に突出して設けられている。これにより、押圧部545と他の部分とを識別し易くでき、液体収容体50をプリンター10に接続する際に、押圧部545を押圧する操作を利用者に対し促すことができる。また、図14に示すように、押圧部545は、K1軸方向に沿った方向から操作部材53を見たときに、押圧部545の外形の一部は、基部548よりも外側にはみ出している。これにより、押圧部545の表面積を大きくできるため、利用者は押圧部545を押圧し易くできる。
操作部材53、回路基板保持部59、位置決め部56、液体供給部57、押圧部545は同一材料によって形成しても良いし、用途に応じて異なる材料によって形成しても良い。操作部材53の材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)やABS樹脂などの合成樹脂を用いることができる。
図17Aは、操作部材53の第1の分解斜視図である。図17Bは、操作部材53の第2の分解斜視図である。図17Cは、操作部材53の背面図である。図17Dは、液体収容体50の正面図である。図17Eは、図17DのF17Da−F17Da部分断面図である。図17Fは、図17DのF17Db−F17Db部分断面図である。図17A〜図17Cには、理解の容易のために流路部材70も図示している。また、図17Cは、後述する第3部材(押圧用部材)53Cが取り外された図である。
図17A及び図17Bに示すように、操作部材(連結部材、ハンドル部)53は、第1部材53Aと第2部材53Bと第3部材とを備える。第1部材53A〜第3部材53Cが組み合わされることで操作部材53が形成される。詳細には、第1部材53Aと第3部材53Cとによって第2部材53Bを挟むようにして各部材53A〜53Bが組み合わされる。第1部材34A〜第3部材53Cはそれぞれ、合成樹脂などの材料を一体成形することで形成されている。
第1部材53Aは、把持部54を含む。第1部材53Aの形状は、枠状である。第1部材53Aは、K1軸方向(中心軸CT方向)に垂直な平面に沿った板状部材である。第1部材53Aのうち連結部548(詳細には、連結部548の第1側53fa部分)には、位置決め部56と回路基板保持部59とが一体成形によって接続されている。以上のように、操作部材53のうち第1部材53A自身が、「連結部材53A」又は「ハンドル部53A」であるとも言える。
図17Bに示すように、第1部材53Aの第2側53fbには、第2部材53Bと係合することで第1部材53Aと第2部材53Bとを連結(接続)するための3つの係合部511A,511B,511Cを有する。3つの係合部511A,511B,511Cは、K2軸方向(位置決め部56と回路基板保持部59とが並ぶ方向)に沿って並んで配置されている。なお、係合部511A,511B,511Cの数は、2つ以下であっても良いし、4つ以上であっても良い。また、3つの係合部511A、511B、511Cを区別することなく用いる場合は符号「511」を用いる。
係合部511は、第1部材53Aの第2側53fbのうち、基部548に設けられている。係合部511の形状は略直方体形状である。すなわち、係合部511の外形形状は、略矩形状であり、K1軸方向(流通部57の中心軸CT方向)に沿った方向(K1軸方向)を取り囲む形状である。係合部511は、基部548から第2部材53B側(+K1軸方向側)に突出する凸部である。
また、図17Bに示すように、第1部材53Aの第2側53fbには、押圧用部材53Cと係合することで第1部材53Aと第3部材53Cとを連結(接続)するための8つ(図では7つのみ図示)の部材係合部588を備える。部材係合部588は、凹形状である。
図17A及ぶ図17Bに示すように、第2部材53Bには、液体供給部57が一体成形によって接続されている。また、第2部材53Bには、取付部(接合部)549が一体成形によって連結(接続)されている。
また、第2部材53Bは、係合部511と係合することで第1部材53Aを第2部材53Bに取り付けるための3つの係合部513A,513B,513Cを有する。なお、3つの係合部513A,513B,513Cを区別することなく用いる場合は、符号「513」を用いる。係合部513は4つ以上であっても良いし、2つ以下であっても良い。
3つの係合部513A,513B,513Cは、第1部材53Aが有する3つの係合部513A,513B、513Cに対応して設けられている。係合部513は、K1軸方向に貫通する貫通孔である。係合部513の外形形状は、係合部511が嵌め合わされることが可能な形状である。係合部513の外形形状は、略矩形状であり、K1軸方向(流通部57の中心軸CT方向)に沿った方向(K1軸方向)を取り囲む形状である。
図17Cに示すように、凸形状である係合部511A,511B,511Cが対応する貫通孔である係合部513A,513B,513Cに嵌め込まれることで、第1部材53Aに第2部材53Bが取り付けられる。すなわち、係合部513が設けられた部分517は、接合部549から液体収容部52(図7)の外部に突出する「突出部517」とも呼ばれる。そして突出部517が有する係合部513に連結部材53Aの係合部511が係合することで、連結部材53Aは接合部549と連結している。
ハンドル部53Aの3つの係合部511A,511B,511Cは、液体収容部52()が取り付けられる第2部材53Bと係合することで以下のように機能する。すなわち、利用者がハンドル部53Aを把持することで液体収容体50を持ったとき、3つの係合部511A,511B,511Cは、液体収容部52の自重によって生じる荷重を受ける部分として機能する。よって、3つの係合部511A,511B,511Cをそれぞれ支持部511A,511B,511Cとも呼ぶ。
ハンドル部53Aと第2部材53Bとが組み付けられることで、ハンドル部53Aは液体供給部57に接続される。なお本段落において記載する「接続」とは、直接的にハンドル部53Aと液体供給部57とが接続されている態様の他に、他の部材を介して間接的にハンドル部53Aと液体供給部57とが接続されている態様を含む。
係合部511Bと係合部513Bとが係合することで、連結部材53Aに対する第2部材53BのK2軸方向及びZ軸方向の動きが規制される。係合部511Aと係合部513Aとが係合し、係合部511Cと係合部513Cとが係合することで、連結部材53Aに対する第2部材53BのZ軸方向の動きが規制される。すなわち、係合部511と係合部513とは、互いに中心軸CT方向(K1軸方向)に沿った方向(K1軸方向)を取り囲む外形形状を有することで、中心軸CT方向と直交する面方向(Z軸方向とK2軸方向とで規定される面方向)の連結部材53Aと第2部材53Bとの間の位置ズレを抑制できる。
図17Bに示すように、連結部材53Aは、更に凸状の係止爪511Da,511Dbを有する。係止爪511Da,511Dbは、第1部材53Aのうち連結部548の第2側53fbに設けられている。また、第2部材53Bは、凸状の係止爪511Da、511Dbに対応する位置に貫通孔513Da,513Dbを有する。
図17E及び図17Fに示すように、係止爪511Da,511Dbは、貫通孔513Da,513Dbを形成する部材に係止されることで、連結部材53Aに対する第2部材53Bの+K1軸方向への動きを規制する。また、連結部材53Aに対する第2部材53Bの−K1軸方向への動きは、第2部材53Bの一部が、連結部材53Aの一部に当たることで規制される。
以上のように、連結部材53Aの係合部511は、第2部材53Bの係合部513と係合することで、両部材53A,53B間の位置決めが行われる。ここで、連結部材53Aには、回路基板保持部59が連結され、第2部材53Bには、プリンター10に接続あれる液体供給部57が連結されている。よって、連結部材53Aの係合部511と第2部材の係合部513とが係合することで、液体供給部57と回路基板保持部59との間の位置が決定される。ここで、係合部511を「部材位置決め部511」とも呼ぶ。
図17Cに示すように、接合部549の長手方向(K2軸方向)において、係合部511Aと係合部511Bとは液体供給部57を挟む位置に配置されている。また、長手方向(K2軸方向)において、係合部511Aと係合部511Cとは液体供給部57を挟む位置に配置されている。また、長手方向(K2軸方向)において、係合部511Bと係合部511Cとは、回路基板582(接触部cp)を挟む位置に配置されている。また、長手方向(+K2軸方向)において、係合部511Aと係合部511Cとは、回路基板582(接触部cp)を挟む位置に配置されている。
図17Bに示すように、第3部材53Cは押圧部545を含む。第3部材53Cの形状は、第1部材53Aの形状と対応した枠状である。第3部材53Cは、K1軸方向(中心軸CT方向)に垂直な平面に沿った板状部材である。第3部材53Cのうち第1側53fa部分には、8つの係合部515を備える。なお、係合部515の数はこれに限定されるものではない。係合部515が図17Bに示す部材係合部588に係合することで、第1部材53Aと第3部材53Cとが連結される。
連結部材53A(ハンドル部53A)と、第2部材53Bと、第3部材53Cとはそれぞれ別部材である。また、本実施形態では、ハンドル部53Aと、第2部材53Bと、第3部材53Cとは異なる材料で形成されている。なお、少なくともハンドル部53Aと第2部材53Bとが異なる材料で形成されることが好ましい。
ハンドル部53Aは、耐変形性又は耐クリープ性に優れた材料で形成されている。ハンドル部53Aは、利用者によって把持されて、液体収容部52の自重によって生じる荷重がかかった場合に変形しくい十分な耐変形性又は耐クリープ性を有している。ハンドル部53Aは、第2部材53B又は第3部材53Cよりも耐変形性が優れた(高い)材料で形成されている。また、ハンドル部53Aは、第2部材53B及び第3部材53Cよりも耐クリープ性に優れた(高い)材料で形成されることが好ましい。ハンドル部53Aは、ABS樹脂や、通常のABSよりも耐熱性を高めた耐熱性ABS樹脂や、ポリスチレン(PS)等の材料によって形成されている。本実施形態では、ハンドル部53Aは、ABS樹脂を用いて形成されている。耐熱性ABSは、1.82MPaにおける荷重撓み温度が120℃以上の部材であっても良い。なお、ハンドル部53Aのうち、少なくとも液体供給部57が接続された部分が、耐変形性又は耐クリープ性に優れた材料で形成されていても良い。
耐変形性は、曲げ弾性率の大小を指標として評価できる。「耐変形性に優れた材料」とは、例えばJIS K 7171による曲げ弾性率が1800MPa以上の材料であることが好ましく、2000MPa以上の材料であることがさらに好ましく、2500MPa以上の材料であることがさらに一層好ましい。また、「耐変形性に優れた材料」とは、JIS K 7171による曲げ弾性率がポリエチレンよりも高い材料であっても良い。
耐クリープ性は、所定の材料を用いて形成した部材に対して一定荷重(例えば、2.8Mpa)をかけ続けたときの変形量(ソリ量)の大小を指標として評価できる。「耐クリープ性に優れた材料」とは、所定形状の部材を形成した場合に、ポリエチレンよりも変形量が小さい材料であることが好ましい。
第2部材53Bは、液体収容部52が収容するインクに対して耐性のある材料で形成されている。第2部材53Bは、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)やポリアセトアール(POM)等の材料によって形成されている。
「液体に対して耐性がある」とは、「耐薬品性がある」とも言える。また、「液体に対して耐性がある材料」とは、液体に浸した場合に、液体と反応しない材料(材料によって形成した部材)を言う。すなわち、「液体に対して耐性がある材料」とは、液体に浸した場合に、液体中に固形物などの不純物が所定値以上発生しない材料(材料によって形成した部材)を言う。例えば、「液体に対して耐性がある材料」とは、以下のように評価することができる。すなわち、評価する材料を用いて形成した部材(本実施形態では第2部材53B)を、液体収容部52が収容するインクに浸した後に高温環境下(例えば、80℃)で所定の時間(例えば、48時間)の間放置する。所定の時間の間、第2部材53Bを放置した後に、以下の3つの観点で観察を行った。
(i)インク中に固形物の有無。
(ii)第2部材53Bのインクに浸す前後における質量の変化が±5%以内であるか否か。
(iii)第2部材53Bの外観形状の変化の有無。
上記(i)〜(iii)において、インク中に固形物が無く、かつ、質量に大きな変化が無く(±5%以内)、かつ、外観形状に大きな変化が無いと認められた場合に、「液体に対して耐性がある材料」であると評価できる。なお、第2部材53Bのうち、少なくともインクと接触する部分(すなわち、液体供給部57の内面)をインクに対して耐性のある材料で形成しても良い。
図17A及び図17Bに示すように、第3部材53Cは、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)やポリアセトアール(POM)等の材料によって形成されている。第3部材53Cに設けられた押圧部545は、ハンドル部53Aを挟んで液体供給部57とは反対側に位置する。第3部材53Cは、液体収容部52に収容されたインクの色で着色されている。例えば、イエローのインクを収容した液体収容体50Yの場合、第3部材53Cはイエローで着色されている。ここで、「インクの色で着色」とは、インクの色と同系色で着色されていることを含む。「同系色」とは、利用者が第3部材53Cを視認することで、収容されているインクの色を識別できる範囲の色で有れば良い。「同系色」とは、上述したように、例えば、JIS規格(JIS Z 8102)で採用されている20色色相環(修正マンセル色相環ともいう。)において、色相差が0(ゼロ)〜3である色同士を意味する。
上記のごとく、第3部材53Cは、液体収容部52に収容されたインク(収容インク)の色で着色された識別部分として機能する。なお、識別部分(着色された部分)は、第3部材53C全体である必要は無く、外部から視認可能な一部にあれば良い。例えば、第3部材53Cのうち押圧部545の少なくとも一部が識別部分であっても良い。
また、利用者が、収容インクの色を識別するために、第3部材53Cをインクの色と同じ色で着色しても良いが、これに限定されるものではなく、第3部材53Cが、収容インクの色を識別するための外観を呈していれば良い。例えば、押圧部545表面に、文字情報としてインク色を表示しても良い。
ここで、接続用部材40(図5)も収容インクの色で識別されているので、第3部材53Cは、接続されるべき接続用部材40と同じ色で着色された着色部分を有するとも言える。本実施形態の場合、着色部分は第3部材53C全体であるが、第3部材の一部(例えば、押圧部545の少なくとも一部)が着色部分を有していれば良い。
A−4.液体収容体50の着脱ユニット30への装着方法:
図18は、液体収容体50が着脱ユニット30にセットされた時の図である。図19は、図18のF18−F18部分断面図である。図20は、液体収容体50が着脱ユニット30に装着された時の図である。図21は、図20のF20−F20部分断面図である。図18及ぶ図19に示す着脱ユニット30の状態は、図5と同様に第1の状態である。図20及び図21に示す着脱ユニット30の状態は、図6と同様に第2の状態である。
図19に示すように、液体収容体50を着脱ユニット30に装着する際には、液体収容体50をセット方向に移動させる操作(セット操作又は第1の操作)と、接続方向に移動させる操作(接続操作又は第2の操作)との2つの操作が行われる。セット方向は、鉛直下方向(−Z軸方向)成分を含む方向である。本実施形態では、セット方向は、鉛直下方向である。
利用者は、第1の状態にある着脱ユニット30に対して、液体収容体50を着脱ユニット30の可動部材40にセットする。具体的には、利用者は、操作部材53が液体収容部52よりも鉛直上方向になる状態で把持部54を把持する。そして、図18及び図19に示すように、液体収容体50の位置決め部56を供給部支持部42内に配置させると共に、基板支持部48内に回路基板保持部59を配置させる。
液体収容体50が可動部材40にセットされた後に、図19の矢印Fに示すように、利用者は押圧部545を−K軸方向側に押す。これにより、液体収容体50及び可動部材40は接続方向(−K1軸方向)に移動する。
図21に示すように、可動部材40が固定部材35に収容された着脱ユニット30の第2の状態では、液体供給部57内に液体導入部362(図19)が挿入(接続)される。また、第2の状態では、回路基板582の端子581(図13)と電気接続部382の装置側端子381(図6)とが接触することで、回路基板582と電気接続部382とが電気的に接続される。
A−5.効果:
上記実施形態によれば、プリンター10との接続に必要な位置決め部56と収容体側電気接続部58(回路基板保持部59)とが、操作部材53に一体的に設けられている(図9)。これにより、液体収容体50をプリンター10に接続するために他の部品(例えば、液体収容体50を装着するためのケース)を設ける必要が無い。これにより、少ない部品点数で液体収容体50をプリンター10に接続するための機能を達成できる。また、位置決め部56と収容体側電気接続部58(回路基板保持部59)とが操作部材53に一体的に設けられていることで、プリンター10に液体収容体50(液体収容袋ユニット50)を接続するときに、操作部材53を把持して液体収容体50を操作できるため、操作部材53が無いものに比べて操作性が良い。
また、液体収容体50をケースに予め装着する必要が無いので、液体収容体50をプリンター10に接続する工程を簡略化できる。また、ケースが不要であるため液体収容体50を小型化できる。更に、ケースが不要であるため、インクが消費された液体収容部52を容易に小さくして処分できる。
また、上記実施形態によれば、液体収容部52は液体収容体50の外部から視認可能な状態で、液体収容部52は操作部材53に取り付けられている(図7)。これにより、容積変化や形状変化やインク量の変化などの液体収容部52の状態の変化から液体収容部52に収容されたインクの量を外部から認識し易くできる。
また、上記実施形態によれば、位置決め部56及び回路基板保持部59は操作部材53の第1側53faに設けられ、操作部材53を挟んで位置決め部56及び回路基板保持部59と対向する第2側53fbには押圧部545が設けられている(図9及び図12)。これにより、プリンター10に対する位置決めを行うための位置決め部56及び回路基板保持部59と、プリンター10に液体収容体50を接続するときに押圧される押圧部545とを外部から視認し易くできる。よって、プリンター10への液体収容体50の接続操作を容易に行うことができる。
液体収容体50が落下した場合、インクが収容された重量の大きい液体収容部52が操作部材53よりも下方になる姿勢で落下する可能性が高い。上記実施形態によれば、位置決め部56の少なくとも一部は、液体供給口572の液体収容部52側(−Z軸方向側)に設けられている(図7及び図13)。これにより、液体収容体50が落下した場合であっても、位置決め部56によって液体供給口572が地面などの対象物に衝突する可能性を低減できる。よって、液体供給口572が破損する可能性を低減できる。
また、上記実施形態によれば、回路基板保持部59の少なくとも一部は、回路基板582の液体収容部52側(−Z軸方向側)に設けられている(図7及び図13)。これにより、液体収容体50が落下した場合であっても、回路基板保持部59によって回路基板582が地面などの対象物に衝突する可能性を低減できる。よって、回路基板582が破損する可能性を低減できる。
また、上記実施形態によれば、液体供給部57に対して把持面541を液体供給部57の中心軸CT方向に垂直な方向(+Z軸方向)に配置させたときに、把持面541が液体供給口572に対し中心軸CT方向にオフセットするように操作部材53は設けられている(図15)。これにより、利用者は、操作部材53の把持部54を持ち、液体収容体50をプリンター10に装着するとき、液体供給口572が操作部材53に隠れずに視認可能となる。よって、利用者は、液体収容体50をプリンター10に容易に装着できる。また、利用者は、操作部材53を把持して液体収容体50を取り扱うので、利用者が液体収容部52に触れる可能性を低減できる。これにより、液体収容部52が破損して内部に収容されたインクが外部に漏れ出す可能性を低減できる。
また、上記実施形態によれば、液体供給ユニット55が操作部材53から外方(−K1軸方向)に突出して設けられている(図9及び図10)。これにより、利用者は、液体供給ユニット55の突出方向が、液体収容体50をプリンター10に接続するための接続方向(図9)であると容易に認識できる。よって、利用者は、液体収容体50をプリンター10に更に容易に装着できる。
また、上記実施形態によれば、液体収容体50は位置決め部56を有する(図9)。これにより、位置決め部56によって液体供給部57を含めた液体収容体50のプリンター10に対するある程度の位置決めがなされるため、液体収容体50をプリンター10に適切な状態(正しい装着状態)で装着することができる。
また、上記実施形態によれば、基板ユニット58は、把持面541を液体供給部57の中心軸CT方向に垂直な方向(+Z軸方向)に配置させたとき、把持面541に対しオフセットするように設けられている(図15)。これにより、利用者が、操作部材53の把持面541を持ち、液体収容体50をプリンター10に装着するとき、基板ユニット58が視認可能である。よって、利用者は、液体収容体50をプリンター10に更に容易に装着できる。
また、上記実施形態によれば、基板ユニット58の突出方向(−K1軸方向)と、液体供給部57の突出方向(−K1軸方向)とは、同じである(図9及び図10)。これにより、液体収容体50をプリンター10に装着するときに、基板ユニット58及び液体供給部57を利用者は同時に認識し易くなる。これにより、液体供給部57のプリンター10への接続と、基板ユニット58のプリンター10への電気的な接続を容易に行うことができる。また、利用者が操作部材53の把持面541を持ち、液体収容体50をプリンター10に装着するとき、図19に示すように、基板ユニット58のプリンター10への接続方向(−K1軸方向)と、液体供給部57のプリンター10への接続方向(−K1軸方向)とが同じであると認識できる。よって、利用者は、液体収容体50をプリンター10に更に容易に装着できる。更に、液体供給部57をプリンター10に接続することで、基板ユニット58のプリンター10への電気的接続も行うことができる。
また、上記実施形態によれば、基板ユニット58と液体供給ユニット55とは、把持面541と平行な方向であって、且つ、中心軸CTと直交する方向であるK2軸方向に並んで設けられている(図9及ぶ図10)。これにより、接続方向(−K1軸方向)と直交する方向に両ユニット58,55が並ぶため、基板ユニット58と電気接続部382との電気的な接続と、液体供給部57のプリンター10への接続とを、さらに容易に行うことができる。
また、上記実施形態によれば、液体供給ユニット55(詳細には、位置決め部56)と収容体側電気接続部58(回路基板保持部59)とが連結部材53Aによって連結されている(図17A)。これにより、利用者が把持部54を把持して連結部材53Aを移動させることで、液体供給ユニット55と回路基板保持部59とが連結部材53Aの動きに連動する。これにより、液体供給ユニット55と収容体側電気接続部58(回路基板保持部59)との動きが連動することで、各部55,59をプリンター10の対応する部分36,38(図6)に対してそれぞれ独立して接続する必要が無い。よって、液体供給ユニット55と回路基板保持部59とのプリンター10への接続を容易に行うことができる。すなわち、液体供給部57のプリンター10への接続と、接触部cpの装置側電気接続部382への接触とを容易に行うことができる。
ここで、連結部材53Aは把持可能な把持部54を有するので、連結部材53Aや連結部材53Aに接合された部材(例えば、接合部549)には外力が加わり易い。上記実施形態によれば、図17Aに示すように、液体供給部57は接合部549に一体成形されている。すなわち、液体供給部57は接合部549に接続されている。また、図17Aに示すように、連結部材53Aは第2部材53Bに組み付けられることで、接合部549と連結する。これにより、液体収容部52のうち接合部549に取り付けられた部分以外(主要部分)に外力が加えられる可能性を低減できるため、液体収容部52の主要部分が損傷する可能性を低減できる。よって、液体収容部52に収容されたインクが外部に漏れ出す可能性を低減できる。
また、上記実施形態によれば、図17Bに示すように、把持部54を有する連結部材53Aと、液体収容部52に取り付けられる接合部549とを備える第2部材53Bとが別部材によって構成されている。そして、第2部材53Bの突出部517に設けられた係合部513と、連結部材53Aに設けられた係合部511とが係合することで連結部材53Aと第2部材53Bとが連結する。すなわち、液体収容部52に取り付けられた接合部549と、連結部材53Aとを別部材によって形成できるため、設計の自由度が向上する。例えば、連結部材53Aの係合部511を第2部材53Bの係合部511に対応させた形状にしておけば、異なる形状の連結部材53Aを第2部材53Bに連結できる。
また、上記実施形態によれば、図17Bに示すように連結部材53Aの係合部511は、第2部材53Bの係合部513と係合することで、連結部材53Aと第2部材53Bとの間の位置決めが行われる。すなわち、部材位置決め部としての係合部511によって、液体供給部57と収容体側電気接続部58(回路基板582)との間の位置決めを容易に行うことができる。これにより、液体供給部57と回路基板582とのプリンター10への接続を精度良く行うことができる。すなわち、液体供給部57のプリンター10への接続と、接触部cpの装置側電気接続部382への接触とを精度良く行うことができる。
また、上記実施形態によれば、図17Bに示すように部材位置決め部としての係合部511は、液体供給部57の中心軸CTに沿った方向(K1軸方向)を取り囲む外形形状(詳細には略矩形状)を有する。これにより、液体供給部57が設けられた第2部材53Bと、回路基板582(接触部cp)が設けられた第1部材53Aとの間の中心軸CTと垂直な方向(Z軸方向とK2軸方向とで規定される面内方向)の位置ズレを抑制できる。
また、上記実施形態によれば、図17Bに示すように連結部材53Aは重力方向(Z軸方向)に交差する方向(K2軸方向)に並んだ3つの係合部511A,511B,511Cを有する。これにより、利用者が把持部54を把持したときに、液体収容部52の自重によって生じる荷重が3つの係合部511A,511B,511Cに対して分散してかかるので、係合部511が損傷する可能性を低減できる。
また、上記実施形態によれば、図17Cに示すように、係合部511Aと係合部511B、又は、係合部511Aと係合部511Cは、接合部549の長手方向(K2軸方向)において、液体供給部57を挟む位置に設けられている。これにより、液体収容部52の自重によって生じる荷重が連結部材53A及び第2部材53Bのうち液体供給部57を挟んだ両側にかかる。よって、液体供給部57に対して接合部549の一方の側(+K2軸方向側)が他方の側(−K2軸方向側)に比べて大きく傾く(大きく変形する)可能性を低減できる。よって、液体供給部57の位置ズレを抑制できることから、液体供給部57を精度良くプリンター10に接続できる。
また、上記実施形態によれば、図17Cに示すように、係合部511Bと係合部511C、又は、係合部511Aと係合部511Cとは、接合部549の長手方向(K2軸方向)において、回路基板582(接触部cp)を挟む位置に設けられている。これにより、液体収容部52の自重によって生じる荷重が連結部材53A及び第2部材53Bのうち回路基板582(接触部cp)を挟んだ両側にかかる。よって、回路基板582(接触部cp)に対して接合部549の一方の側(+K2軸方向側)が他方の側(−K2軸方向側)に比べて大きく傾く(大きく変形する)可能性を低減できる。よって、接触部cpの位置ズレを抑制できることから、接触部cpを精度良くプリンター10に接触できる。
また、上記実施形態によれば、図8Aに示すように、把持部54の幅W52は、接合部549の幅W549よりも小さく、液体供給ユニット55と基板ユニット58とは把持部54の両側の端部54A,54Bの間に位置する。これにより、利用者が把持部54を把持したときに、液体供給ユニット55と基板ユニット58とを確実に把持部54によって支持できる。
また、上記実施形態によれば、図17Aに示すように、ハンドル部53Aと、液体供給部57とは別部材で形成されている。液体収容体50の設計の自由度が向上する。例えば、液体収容部52に収容するインクの種類に変更が生じることで液体供給部57の材料を変更する必要が生じた場合でも、ハンドル部53Aの材料は変更する必要が無い。例えば、インクの種類を変更することで、従来用いていた液体供給部57が変更したインク中に大量に溶出する場合がある。この場合、液体供給部57を変更したインクに対して耐薬品性を有する材料によって形成し直す必要が生じる。しかしながら、本実施形態では液体供給部57を備える第2部材53Bと、把持部54を備えるハンドル部53Aとが別部材であるため、ハンドル部53Aの材料は変更する必要が無い。すなわち、ハンドル部53Aと液体供給部57とを用途に応じた材料で別々に作成できる。
また、上記実施形態によれば、液体供給部57は、液体収容部52が収容するインクに対して耐性のある材料で形成される。これにより、液体供給部57がインクによって劣化(破損)する可能性を低減できる。また、液体供給部57の一部がインク中に溶出する等のプリンター10側へ供給されるインク中に不純物が発生する可能性を低減できる。
また、ハンドル部53Aは、利用者によって把持されることで外力を直接に受ける部分である。上記実施形態によれば、ハンドル部53Aは耐変形性又は耐クリープ性に優れた材料で形成されているので、ハンドル部53Aの変形を抑制できる。また、ハンドル部53Aには、位置決め部56や回路基板保持部59が接続されている。両部材56,59はプリンター10に液体収容体50を接続する際に、プリンター10に対する位置決め等を行う重要な部分である。ハンドル部53Aの変形を抑制することで、両部材56,59のハンドル部53Aに対する位置ズレを抑制できる。よって、液体収容体50をプリンター10に良好に接続できる。
また、上記実施形態によれば、図15及び図17Bに示すように、液体収容体50はハンドル部53Aを挟んで液体供給ユニット55と反対側の位置には押圧部545を備える。これにより、利用者が押圧部545を押すことで液体供給部57のプリンター10への接続を容易にできる。
また、上記実施形態によれば、図17Aに示すように、ハンドル部53Aと、押圧部545を形成する第3部材53Cとは別部材を用いて形成されている。これにより、液体収容体50の設計の自由度が向上する。例えば、ハンドル部53Aの形状や大きさに拘わらず、押圧部545の形状や面積を自由に設定できる。よって、押圧部545の一部を液体収容部52と重なるように配置することも可能となる。押圧部545の一部を液体収容部52と重なるように配置することで、限られたスペースを有効に利用して押圧部545の外形を大きくしつつ、液体収容部52の容積を一定以上に確保できる。
また、上記実施形態によれば、押圧部545は、液体収容部52に収容されたインクの色を識別するための外観を呈している。具体的には、本実施形態では、押圧部545を含む第3部材53C(図17B)がインクの色で着色されている。これにより、利用者は、第3部材53Cを視認することで液体収容部52に収容されているインクの色を容易に識別できる。また、液体収容部52に収容する色に変更が生じた場合でも、第3部材53Cのみを取り換えれば良い。また、押圧部545の色は、接続用部材40(図5)の色と同じ色である。よって、利用者は、押圧部545を視認することで、液体収容体50と対応する接続用部材40を容易に識別できる。よって、本来装着されるべきではない異なる色を収容する液体収容体50が誤ってプリンター10に接続される可能性を低減できる。
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
B−1.第1変形例:
上記実施形態では、液体収容部52は可撓性を有する部材によって形成されていたが、これに限定されるものではなく、液体を内部に収容可能な液体収容部として機能できれば良い。例えば、液体収容部52は一部が可撓性を有する部材によって形成されていても良いし、液体の消費量に拘わらず容積が変化しない硬質な部材によって形成されていても良い。液体収容袋52(液体収容部52)の少なくとも一部が可撓性を有する部材によって形成されることで、液体収容部52に収容されているインク量に応じて液体収容部52の容積は変化する。
B−2.第2変形例:
上記実施形態では、操作部材53は枠状であったが(図13)、形状はこれに限定されるものではなく、利用者によって把持できる形状であれば良い。例えば、操作部材53は、Z軸方向に沿って延びる棒状(板状)であっても良い。
B−3.第3変形例:
上記実施形態では、図17Bに示すように3つの部材53A,53B,53Cを組み合わせることで、ハンドル部53A、液体供給ユニット55、回路基板保持部59等が形成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、3つの部材53A,53B、53Cを組み合わされて形成される組立体を、一体的に形成しても良い。一体的な形成方法としては、一体成形や各部材53A,53B,53Cを接着剤等によって取り付ける方法等が挙げられる。これにより、液体収容体50の製造を容易にできる。また、液体供給ユニット55と基板ユニット58とが一体的に形成できるため、両ユニット55,58間の位置決めを精度良く行うことができる。また、連結部材53Aと接合部549とを一体的に形成できる。これにより、利用者が連結部材53Aを把持したときに、液体収容部52の重みによって接合部549と連結部材53Aとが分離する可能性を低減できる。また、利用者が連結部材53Aを把持したときに、液体収容部52の自重によって生じる荷重が接合部549を介して連結部材53Aにかかる。これにより、液体収容部52自体に加わる外力を低減できるため、液体収容部52が損傷する可能性を低減できる。
B−4.第4変形例:
本発明は、インクジェットプリンター及びその液体収容体50に限らず、インク以外の他の液体を噴射する任意の印刷装置(液体消費装置)及びその液体を収容するための液体収容体にも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体消費装置及びその液体収容体に適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ (Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材噴射装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体消費装置
(5)精密ピペットとしての試料噴射装置
(6)潤滑油の噴射装置
(7)樹脂液の噴射装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体消費装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体消費装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する液体消費装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッドを備える液体消費装置
なお、「液滴」とは、液体消費装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、液体消費装置が噴射させることができるような材料であれば良い。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。また、紫外線を照射して硬化可能なUVインクをこの液体収容体に収容してプリンターに接続した場合は、設置面から液体収容部が浮くため、設置面の熱が液体収容部に伝って硬化する可能性が低減する。
B−5.第5変形例:
上記実施形態では、収容体側電気接続部58は回路基板582を備えていたが、これに限定されるものではなく、装置側電気接続部382と接触可能な接触部cpを有していれば良い。例えば、回路基板582は記憶装置583を備えていなくても良い。例えば、収容体側電気接続部58は、液体収容体50の着脱検出に用いられる端子の接触部を備えていても良い。また、収容体側電気接続部58は、フレキシブルプリント基板(FPC)のようなフレキシブルなケーブルを含む回路基板全般を備えていても良い。この回路基板は装置側電気接続部382と接触可能な接触部を一端側に有する。他端側は例えばリセット装置につながる。上記の変形例は、回路基板582に代えて採用しても良いし、回路基板582と共に採用しても良い。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。