JP2007090438A - レーザ加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被覆層に少ショット数で大面積の穴を開け、穴底面に残存する皮膜を少ショット数で除去するレーザ加工を、下地部材にほとんど影響を与えずに行うレーザ加工方法を提供する。
【解決手段】 表層部が銅で形成された下地部材の表面上に、エポキシ樹脂で形成された被覆層が形成された加工対象物を準備する。被覆層を透過し、被覆層と下地部材との界面で反射し、反射位置の被覆層を下地部材から剥離させる性質を有する第1のレーザビームを、被覆層の表面から加工対象物に入射させて、被覆層の一部を下地部材から剥離させ、剥離部分を形成する。剥離部分の底面に、第1のレーザビームとは波長の異なる第2のレーザビームを入射させ、剥離部分の底面に被覆層の一部が残っている場合には、残っている被覆層を除去する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被覆層を有する加工対象物にレーザビームを照射し、被覆層に穴を開けるレーザ加工方法に関する。
従来のアブレーション加工で、導電層に絶縁層が重ねられた多層基板を加工する際、たとえば厚さ50μmの絶縁層に直径50μm程度の穴を開けるのに100ショット前後のパルスレーザビームが必要であった。
また、アブレーション加工後に残ったスミアは、WETデスミア等の方法により除去されていた。
従来の加工方法では、絶縁層に大面積の穴を開けるにはレーザビームのパルスエネルギを大きくし、かつ多数のショットを加えなければならず、導電層に影響を与えずに加工を行うのは困難であった。
また、紫外パルスレーザビームを用いたアブレーション加工においては、パルスレーザビームの入射位置をずらせ、パルスレーザビームで開けた穴を連結させて大面積の穴を形成する。このとき、絶縁層が除去された部分にレーザを照射すると、導電層までもアブレーション加工してしまう場合が多く、精細に位置決めをしない限り、大面積の穴を加工することが難しかった。
本発明の目的は、下地部材の表面上に形成された被覆層に大面積の穴を開ける加工を、少ない照射量で、しかも下地部材にほとんど影響を与えずに可能とするレーザ加工方法を提供することである。
本発明の一観点によれば、(a)表層部が銅で形成された下地部材の表面上に、エポキシ樹脂で形成された被覆層が形成された加工対象物を準備する工程と、(b)前記被覆層を透過し、該被覆層と前記下地部材との界面で反射し、反射位置の該被覆層を該下地部材から剥離させる性質を有する第1のレーザビームを、該被覆層の表面から前記加工対象物に入射させて、該被覆層の一部を該下地部材から剥離させ、剥離部分を形成する工程と、(c)該剥離部分の底面に、前記第1のレーザビームとは波長の異なる第2のレーザビームを入射させ、該剥離部分の底面に前記被覆層の一部が残っている場合には、残っている該被覆層を除去する工程とを有するレーザ加工方法が提供される。
前記剥離部分は、前記第1のレーザビームが前記下地部材と前記被覆層との界面でアブレーションを起こし、その圧力により前記被覆層の剥離を誘起した結果形成されたものと考えられる。前記レーザ加工方法によって形成される前記剥離部分は、従来のアブレーション加工においてはレーザビームのパルスエネルギを大きくし、多数のショットを加えなければ開けることが出来ない面積を有する。しかも前記レーザ加工方法によればこの剥離加工を、前記下地部材にほとんど影響を与えずに行うことができる。
また、少ない照射量の前記第2のレーザビームを前記剥離部分の底に入射させ、該剥離部分の底に残存する前記被覆層の一部を除去することができる。この残存被覆層の除去も、前記下地部材にほとんど影響を与えずに行うことが可能である。
本発明の他の観点によれば、(d)表層部が銅で形成された下地部材の表面上に、エポキシ樹脂で形成された被覆層が形成された加工対象物を準備する工程と、(e)前記被覆層を透過し、該被覆層と前記下地部材との界面で反射し、反射位置の該被覆層を該下地部材から剥離させる性質を有する第1のレーザビームを、該被覆層の表面から前記加工対象物に入射させて、該被覆層の一部を該下地部材から剥離させ、第1の剥離部分を形成する工程と、(f)前記被覆層を透過し、該被覆層と前記下地部材との界面で反射し、反射位置の該被覆層を該下地部材から剥離させる性質を有する第2のレーザビームを、該被覆層の表面から前記加工対象物に入射させて、該被覆層の一部を該下地部材から剥離させ、前記第1の剥離部分と連続した第2の剥離部分を形成する工程と、(g)前記第1及び第2の剥離部分の底面に、前記第1及び第2のレーザビームとは波長の異なる第3のレーザビームを入射させ、前記第1及び第2の剥離部分の底面に前記被覆層の一部が残っている場合には、残っている該被覆層を除去する工程とを有するレーザ加工方法が提供される。
該レーザ加工方法によれば、前記下地部材にほとんど影響を与えず、前記被覆層に大面積の剥離部分を形成することができる。
本発明によれば、リフティング現象を用いたレーザビーム穴開け加工を連続して行い、大面積の穴開け加工を少ない照射量で、しかも下の層に与える影響を小さくすることができる。
また、リフティング加工後に残存した皮膜に少量のレーザビームを入射させ、皮膜の除去を行うことができる。したがって残存皮膜の除去をも含めた大面積のレーザビーム穴開け加工を少ない照射量で行い、しかも下の層の影響を軽減することができる。
図1を参照して本発明の第1の実施例を説明する。波長変換ユニットを含む全固体レーザ発振器1、たとえばNd:YLFレーザから、レーザビームが出射される。波長変換ユニットにより全固体レーザ発振器1は、基本波と2倍高調波のいずれかを出射することができるが、まずNd:YLFレーザの基本波(波長1047nm)をパルス幅10ps、パルスエネルギ1mJで出射させる。レーザビームはビーム断面の形状を整形するためのマスク2、加工対象物である多層基板6上にレーザビームを集束させる平凸レンズ3、反射ミラー4を経て、ステージ5上に据えられている多層基板6に入射する。ステージ5は可動ステージであり、ステージ5上の多層基板6に入射するレーザビームの入射位置を変えることができる。
図2(A)に示すように、多層基板6はたとえばエポキシ樹脂層である樹脂被覆層11、銅層12、及びガラス繊維で強化されたエポキシ樹脂層である樹脂下地層13とからなる。樹脂被覆層11の厚さはたとえば60μmである。この樹脂被覆層11上面にレーザビームが入射する。樹脂被覆層11はNd:YLFレーザの基本波の多くを透過する。銅層12は、これを大部分反射する。
樹脂被覆層11上面に入射したレーザビームにより、穴11aが形成される。この穴11aはレーザビームが樹脂被覆層11と銅層12との界面でアブレーションを起こし、その圧力により樹脂被覆層11の剥離を誘起した結果、形成されたものと考えられる。マスク2で与えられるレーザビーム断面の形状を様々に変えることにより、必要とされる形状の穴11aを開けることができる。樹脂被覆層11と銅層12との界面が高圧力状態になり、この圧力によって上層の樹脂被覆層11の一部が剥離する現象を「リフティング現象」と呼ぶこととする。また、「リフティング現象」を利用した加工を、「リフティング加工」と呼ぶこととする。
リフティング現象を用いたレーザ加工後に、基板によっては被覆層の皮膜が、穴の底面に薄く残存する場合がある。たとえば銅層12の表面に、厚さ60μmのエポキシ樹脂層である樹脂被覆層11が積層された多層基板6には、銅層12の表面に薄いエポキシ樹脂の皮膜11a'が残存する。
そこで次に、リフティング現象を用いて穴開け加工を行った際とは異なる波長のレーザビームを照射することによって、この残存皮膜11a'を除去する。すなわち、波長変換ユニットを含む全固体レーザ発振器1から、たとえばNd:YLFレーザの波長を変換し、波長523nm、パルス幅10ps、パルスエネルギ20〜500μJのNd:YLFレーザの2倍高調波を1〜10ショット照射することにより、多層基板6の銅層12表面を露出させる。このとき、残存皮膜には約0.5J/cm2以上のパルスエネルギ密度のビームが照射される。
図2(B)は、銅層表面に、厚さ60μmのエポキシ樹脂層である樹脂被覆層を積層した多層基板を、Nd:YLFレーザの基本波(波長1047nm)でリフティング加工し、次いでNd:YLFレーザの2倍高調波(波長523nm)を5ショット照射した後の、多層基板表面の光学顕微鏡写真のスケッチである。2倍高調波のパルス幅は10ps、パルスエネルギは65μJであった。残存したエポキシ皮膜20に楕円形に整形したNd:YLFレーザの2倍高調波を照射し、銅層表面21を楕円形に露出させている。1ショットの基本波でリフティング加工された穴の直径は約400μm、5ショットの2倍波で皮膜を除去した結果、露出した銅層表面の楕円形の長径は約150μmである。
再び図1を参照して、本発明の第2の実施例を説明する。多層基板6の樹脂被覆層11に穴を開ける。第1の実施例と同様に、たとえばNd:YLFレーザの基本波(波長1047nm)がパルス幅10ps、パルスエネルギ1mJで出射され、多層基板6に入射する。
図3(A)はリフティング現象によって開いた穴11bを示す。穴11bはレーザビームが樹脂被覆層11と銅層12との界面でアブレーションを起こし、その圧力により樹脂被覆層11の剥離を誘起した結果、形成されたものと考えられる。
穴11bが形成された後、ステージ5により多層基板6を移動させる。するとレーザビームの次のパルスは移動分だけ離れた位置の樹脂被覆層11に入射する。
図3(B)は樹脂被覆層11上面に入射した2ショットめの基本波(波長1047nm)が引き起こすリフティング現象により、穴11bと連続して形成された穴11cを示す。
続いてステージ5により多層基板6を移動させ、3ショットめのレーザビームを、更に移動分だけ離れた位置の樹脂被覆層11に入射させ、穴を形成する。これを繰り返すことにより、大面積の穴を加工することができる。
図3(C)は、銅層12表面に厚さ60μmのエポキシ樹脂層である樹脂被覆層11が積層された多層基板6を移動させながら、樹脂被覆層11上面からパルスレーザビームを1ショットずつ照射して計12ショットで穴開け加工を行い、4cm×1cm程度の長方形に近い穴を開けた後の多層基板6表面の光学顕微鏡写真のスケッチである。使用したパルスレーザビームは、パルスエネルギ3mJ、パルス幅15nsのNd:YLFの基本波(波長1047nm)である。
また、図3(D)は、ベンゾシクロブテン系プリント基板にパルスレーザビームを照射しながらステージを移動させ、1.4mm×0.5mm程度の範囲に広がる連続的な穴を開けた後の、該プリント基板表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真のスケッチである。使用したパルスレーザビームは、パルスエネルギ90μJ、パルス幅10psのNd:YLFの基本波(波長1047nm)で、パルス周波数は10Hzであった。
なお、マスク2で与えられるレーザビーム断面の形状を様々に変えることにより、多層基板6に必要とされる形状の大面積の穴を開けることができる。
更に、この大面積の穴開け加工においては、パルスレーザビームを照射し、リフティング現象によって生じた樹脂被覆層の剥離部分を連続させて穴を拡大するが、このパルスレーザビームの照射位置が数十μmずれたとしても、銅層に悪影響はほとんど及ばない。穴の位置がその分変わるだけである。リフティング加工はアブレーション加工と異なり、少ないショット数で加工を行うため、銅層に与える影響はほとんどない。したがってリフティング加工においては、真円に近い穴や角型に近い穴の大面積加工も可能である。
図3(B)を参照して説明を続ける。大面積の穴を開けた後、多層基板6には銅層12表面に薄いエポキシ樹脂の皮膜が残存する。1ショットめの加工時に形成された穴の底面に、エポキシ樹脂の皮膜11b'が残り、2ショットめの加工時に形成された穴の底面に、エポキシ樹脂の皮膜11c'が残る。これらの残存皮膜を、リフティング加工に用いたレーザビームとは異なる波長のレーザビームを照射し、アブレーションで除去する。すなわち、波長変換ユニットを含む全固体レーザ発振器1から、たとえばNd:YLFレーザの波長を変換し、波長523nm、パルス幅10ps、パルスエネルギ20〜500μJのNd:YLFレーザの2倍高調波を、残存皮膜に照射することにより、多層基板6の銅層12表面を露出させる。このとき残存皮膜にパルスエネルギ密度約0.5J/cm2以上のレーザビームが照射される。
図4(A)は本発明の第3の実施例によるレーザ加工方法で用いられるレーザ加工装置の概略図である。波長変換ユニットを含む全固体レーザ発振器30、たとえばNd:YLFレーザから、パルスレーザビームが出射される。第1の実施例と同様に、全固体レーザ発振器30は波長変換ユニットにより基本波(波長1047nm)と2倍高調波(波長523nm)のいずれかを出射することができるが、まず基本波(波長1047nm)をパルス幅10ps、パルスエネルギ1mJで出射する。レーザビームは反射ミラー31で反射され、ホログラム板32で複数条のレーザビームに分岐して、ステージ34上に据えられている多層基板35上に集光され、多層基板35上の複数の箇所に同時に照射される。なお、ホログラム板32には、基本波と2倍高調波の両方の波長に対して被加工部で同じ模様となるように記録がしてある。
多層基板35は第1の実施例で用いた多層基板と同じものであり、たとえば厚さ60μmのエポキシ樹脂層である樹脂被覆層と銅層とを有する。この樹脂被覆層上面の複数の箇所にレーザビームが入射する。エポキシ樹脂被覆層はNd:YLFレーザの基本波の多くを透過する。銅層は、この大部分を反射する。よってリフティング現象により、樹脂被覆層の剥離を誘起し、複数個の穴を同時に開けることができる。
図4(B)は、1ショットのレーザビームが、ホログラム板32の記録に従い複数条のレーザビームに分岐され、多層基板35上に集光させられて、多層基板35上に形成した穴の上面図である。この図に示された例の場合、分岐させないパルスレーザビームを6ショット照射し、リフティング現象により部分的に重なった穴を形成した場合と同じ面積の穴が、1ショットで形成されることになる。
続いて、開けた穴の底に残存するエポキシ皮膜を除去する。波長変換ユニットを含む全固体レーザ発振器30から、たとえばNd:YLFレーザの波長を変換し、波長523nm、パルス幅10ps、パルスエネルギ20〜500μJのNd:YLFレーザの2倍高調波を出射する。この2倍高調波もホログラム板32により分岐し、リフティング現象で開けられた穴の底に入射する。ステージ34を動かす必要はない。残存するエポキシ樹脂の皮膜は1〜10ショットで除去され、銅層表面が露出する。このとき、皮膜に照射するレーザビームのパルスエネルギ密度は約0.5J/cm2以上である。
照射位置検出センサ36、たとえばCCDカメラの撮影した多層基板35の画像が、コントローラ37に送られる。コントローラ37は画像を分析し、銅層表面が露出されたか否かを判定する。銅層表面の露出が確認された場合、ステージ34により多層基板35が移動し、多層基板35上の異なる場所において再びNd:YLFレーザの基本波によるリフティング加工が開始される。皮膜が除去されていない場合は、再び2倍高調波を入射させ、銅層を露出させる。この2倍高調波の再入射においては、たとえば1ショット毎に皮膜の除去状態を判定する。
このようにホログラム板を用い、レーザビームを幾筋かに分岐させることによって、加工速度を向上させることができる。
以上はまた、開けた穴を連結し、大面積の穴を加工する場合にも適用することができる。図4(B)に示したように複数条のレーザビームが連続した穴を形成するように分岐される場合は、その連続した穴に、次のショットを分岐させて形成される連続した穴を繋げて大きくすることができる。また、複数条に分岐されたレーザビームが離散する穴を形成する場合については、以下に説明する。
図4(C)は、パルスレーザビームが、ホログラム板32で複数条のレーザビームに分岐され、多層基板35上に形成した穴の上面図である。実線で記したのが、1ショットめのレーザビームを分岐して形成した離散的な穴、点線で記したのが、2ショットめのレーザビームを分岐して形成した離散的な穴である。それぞれの離散する穴を対応させて連続し、大面積の穴を加工することが可能である。
図5は本発明の第4の実施例によるレーザ加工方法で用いられるレーザ加工装置の概略図である。第3の実施例のホログラム板32のかわりに、回折格子38と平凸レンズ39を用いている。回折格子38は波長変換ユニットを含む全固体レーザ発振器30から出射され、反射ミラー31で反射されたNd:YLFレーザの基本波のパルスレーザビームを複数条の回折光に分岐させる。ただしホログラム板とは異なり、回折格子は集光能力を備えていないので、平凸レンズ39が多層基板35上にパルスレーザビームを集光させる。他の構成は第3の実施例と等しい。
第4の実施例によるレーザ加工方法は、第3の実施例と同様に、1本の原レーザビームを複数個に分岐し加工に使用することで、加工速度を向上させることができる。この後、ステージ34により多層基板35を移動させることで、2倍高調波がリフティング現象で開けられた各穴の底面に到達する。この2倍高調波のパルスレーザビームの照射で、残存皮膜を除去する。
回折格子のかわりにビームスプリッタ、DOE(Diffractive Optics Elements)等の分岐光学素子やエキスパンダを利用してもよい。
更に、以上は開けた穴を連結し、大面積の穴を加工する場合にも適用することができる。
図6は本発明の第5の実施例によるレーザ加工方法で用いられるレーザ加工装置の概略図である。波長変換ユニットを含む全固体レーザ発振器40は第1の実施例で用いたのと同じものである。まず、Nd:YLFレーザの基本波(波長1047nm)を出射させる。パルスレーザビームはビーム断面の形状を整形するためのマスク41、ガルバノスキャナ43、レーザビームの焦点を多層基板46上に結ばせるfθレンズ44を経て、ステージ45上に据えられている多層基板46に照射される。ガルバノスキャナ43は一対の揺動可能な反射鏡を含んで構成され、レーザビームを2次元方向に走査する。
多層基板46は第1の実施例で用いたのと同じものである。樹脂被覆層上面にレーザビームが入射する。
ガルバノスキャナ43の動作により、樹脂被覆層にリフティング現象による穴が次々と開けられる。
続いて、開いた穴の底に残存するエポキシ皮膜を除去する。Nd:YLFレーザの波長を変換し、2倍高調波(波長523nm)をリフティング現象によって形成された穴に入射し、銅層表面を露出させる。ガルバノスキャナ43の動作により、次々と各穴底の皮膜が除去されていく。基本波、2倍高調波とも、パルスレーザビームのパルス幅、パルスエネルギ密度、ショット数は第1の実施例と同じである。
照射位置検出センサ47及びコントローラ48の作用は、第3の実施例と同様である。銅層表面の露出が確認された場合、ステージ45により多層基板46が移動し、多層基板46上の異なる場所において再びNd:YLFレーザの基本波によるリフティング加工が開始される。皮膜が除去されていない場合は、再び2倍高調波を入射させ、銅層を露出させる。この2倍高調波の再入射においては、たとえば1ショット毎に皮膜の除去状態を判定する。
このようにリフティング加工及び残存皮膜の除去に高速ビーム走査光学系を使用することもできる。
図7は第5の実施例のガルバノスキャナ43のかわりに、ポリゴンミラーを使った高速ビーム走査光学系のひとつである、ポリゴン・ガルバノスキャナ49を用いた図である。ポリゴン・ガルバノスキャナ49は1枚のガルバノミラーと1個のポリゴンミラーとで構成されており、ガルバノスキャナ43と同じく、パルスレーザビームを2次元方向に走査する。他の構成及び作用は図6に示したものに等しい。ガルバノミラーに代えてポリゴンミラーを使用することにより、走査を高速化することができる。
また、以上は開けた穴を連結し、大面積の穴を加工する場合にも適用可能である。
第1〜5の実施例について、残存皮膜を除去するのに使用するレーザビームとしては、パルス幅がピコ秒オーダの緑色の波長領域(波長492〜577nm)の光だけでなく、ナノ秒オーダの紫外線の波長領域(波長4〜400nm)の光、ピコ秒オーダの紫外線から緑色の波長領域の光を用いることができる。ナノ秒オーダの緑色の波長領域の光は、樹脂被覆層による吸収が少ないため、銅が先に溶融してしまい、皮膜を除去することができない。また以上の実施例では、リフティング現象を用いた穴開けをNd:YLFレーザの基本波(波長1047nm)で行い、残存皮膜の除去を同じくNd:YLFレーザの2倍高調波(波長523nm)で行ったが、前者をNd:YAGレーザの基本波(波長1064nm)で、後者をNd:YAGレーザの2倍高調波(波長532nm)で行ってもよい。アブレーションで残存皮膜を除去する。
図8(A)は、本発明の第6の実施例によるレーザ加工方法で用いられるレーザ加工装置の概略図である。波長変換ユニットを含む全固体レーザ発振器50、たとえばNd:YLFレーザから、パルスレーザビームが出射される。波長変換ユニットはSHG(SecondHarmonics Generator)51で、全固体レーザ発振器50から出射されたNd:YLFレーザの基本波(波長1047nm)は、一部が非線形効果により2倍高調波(523nm)に波長変換され、基本波と2倍高調波の異なる二つの波長成分を含む混合波として出射される。出射された混合波はTHG(ThirdHarmonics Generator)52に入射し、基本波(波長1047nm)と3倍高調波(波長349nm)との異なる二つの波長成分を含むレーザビームに変換される。このレーザビームはビーム断面の形状を整形するマスク53を通過し、ダイクロイックミラー54に入射する。ダイクロイックミラー54は波長の異なる基本波と3倍高調波とを分岐させ、それぞれ光路A、光路Bに導く。光路Aを辿る基本波のパルスレーザビームは、たとえばパルス幅15ns、パルスエネルギ3mJである。反射ミラー55aを経てシャッタ56に入射する。シャッタ56は5ショットのレーザビーム中、1ショットだけを通過させ、残りの4ショットを遮る。したがって多層基板60には基本波のレーザビームが4ショットおきに1ショットだけ到達することになる。シャッタ56を通過したレーザビームは、該レーザビームを高速で走査するガルバノスキャナ57a、該レーザビームを多層基板60上に集束させるfθレンズ58aを経て、ステージ59上に据えられている多層基板60に照射される。ガルバノスキャナ57aは一対の揺動可能な反射鏡を含んで構成され、レーザビームを2次元方向に走査する。
多層基板60は第1の実施例で用いたのと同じものである。樹脂被覆層上面にレーザビームが入射する。
ガルバノスキャナ57aの動作により、基本波のレーザビームの入射位置が多層基板60の表面上を移動し、樹脂被覆層に次々と穴が開けられる。ガルバノスキャナ57aによって走査可能な領域内の加工が終了すると、ステージ59により多層基板60が移動し、他の領域の加工が行われる。ガルバノスキャナ57aによる走査とステージ59による多層基板60の移動とを繰り返すことにより、多層基板60上のすべての被加工部にリフティング現象による穴が開けられる。
THG(Third Harmonics Generator)52によって3倍高調波に変換され、ダイクロイックミラー54で基本波と分岐されたパルスレーザビームが光路Bを進む。このレーザビームのパルス幅は15ns、パルスエネルギは20〜500μJである。3倍高調波のレーザビームは反射ミラー55b、レーザビームを高速で走査するガルバノスキャナ57b、該レーザビームの焦点を多層基板上に結ばせるfθレンズ58bを経て、ステージ59上に据えられている多層基板に照射される。ガルバノスキャナ57bは一対の揺動可能な反射鏡を含んで構成され、レーザビームを2次元方向に走査する。
光路Aを進む基本波のレーザビームで穴を開けられた多層基板60が、ステージ59によりガルバノスキャナ57bの加工領域に移動される。光路Bを進む3倍高調波のレーザビームが各穴底に残存するエポキシ皮膜を除去し、銅層表面を露出させる。
穴1つに対し照射される3倍高調波は、たとえば5ショットである。ガルバノスキャナ57bの動作により、次々と各穴底に残存するエポキシ皮膜を除去していく。ステージ59により多層基板60が移動し、基本波のレーザビームが形成した多層基板60上のすべての穴について、残存皮膜が除去され、銅層表面が露出する。
この、一穴に5ショットずつ照射される3倍高調波によって、多層基板60の残存皮膜を除去すると同時に、光路Aを進む基本波が異なる多層基板上にリフティング現象を利用した穴開けを行う。基本波による加工は5ショット中4ショットを遮蔽し、1ショットだけを通過させて行うものであるから、一穴当たりのリフティング加工と皮膜除去との時間を同じにすることができる。また、各多層基板の穴開け位置が同一であれば、ステージ59の動きに従って、基本波と3倍高調波とは異なる多層基板の同一の位置を加工することになる。その場合、ガルバノスキャナ57a及びガルバノスキャナ57bは同じ動作をすることになる。
このように、分岐した2つのレーザビームの、基本波で多層基板にリフティング効果を用いた穴開け加工を行い、それと同時に、3倍高調波で別の多層基板の残存皮膜を除去することにより、作業の高速化が実現される。
ここでは残存皮膜の除去にNd:YLFレーザの3倍高調波(349nm)を用いたが、2倍高調波(523nm)、4倍高調波(262nm)を用いることも可能である。ただし、2倍高調波(緑色の波長領域の光)を用いるときには、既述のようにパルス幅をピコ秒オーダにする必要がある。また、ここでは全固体レーザ発振器としてNd:YLFレーザを用いたが、Nd:YAGレーザを使用してもよい。更に、ガルバノスキャナのかわりにポリゴンミラーを用いた高速ビーム走査光学系を使用してもよい。
更にまた、以上は開けた穴を連結し、大面積の穴を加工する場合にも適用可能である。
図8(B)は、図8(A)のレーザ加工装置にシャッタ56bを加えたレーザ加工装置の概略図である。シャッタ56bが、光路B内に設けられている。他の構成はすべて図8(A)に示したレーザ加工装置に等しい。図8(B)に示したレーザ加工装置で、たとえばリフティング加工後に被覆層の皮膜が穴の底面に残存しない多層基板を加工する際や、あるいは、リフティング加工に失敗し、もう1パルス基本波を照射しなければならない時などは、シャッタ56bが、光路Bを進む3倍高調波を遮り、多層基板にビームが照射されないようにする。
図9(A)は、本発明の第7の実施例によるレーザ加工方法で用いられるレーザ加工装置の概略図である。波長変換ユニットを含む全固体レーザ発振器61、たとえばNd:YLFレーザから、パルスレーザビームが出射される。波長変換ユニットはSHG(SecondHarmonics Generator)62で、全固体レーザ発振器61から出射されたNd:YLFレーザの基本波(波長1047nm)は、一部が非線形効果により2倍高調波(523nm)に波長変換され、基本波と2倍高調波の異なる二つの波長成分を含む混合波として出射される。出射された混合波は、ダイクロイックミラー63に入射する。ダイクロイックミラー63は波長の異なる基本波と2倍高調波とを分岐させ、それぞれ光路A、光路Bに導く。光路Aを辿る基本波のパルスレーザビームは、たとえばパルス幅10ps、パルスエネルギ1mJである。反射ミラー64を経てシャッタ65aに入射する。シャッタ65aは5ショットのレーザビーム中、1ショットだけを透過させ、残りの4ショットを遮る。シャッタ65aを透過したパルスレーザビームは、ホログラム板66aで複数条のレーザビームに分岐して、ステージ67上に据えられている多層基板68上に集光され、多層基板68上の複数の箇所に同時に照射される。多層基板68には、ホログラム板66aで分岐された基本波のレーザビームが、4ショットおきに1ショットだけ到達することになる。
多層基板68は第1の実施例で用いた多層基板と同じものであり、たとえば厚さ60μmのエポキシ樹脂層である樹脂被覆層と銅層とを有する。この樹脂被覆層上面の複数の箇所に、分岐したレーザビームが同時に入射し、穴が開けられる。それはたとえば図4(B)に示すような、分岐させないパルスレーザビームであれば6ショットの照射で形成される、部分的な重なりをもつ穴である。
ステージ67により多層基板68が移動され、多層基板68上の所定の被加工部に、リフティング現象による穴が次々と開けられる。
ダイクロイックミラー63で基本波と分岐された2倍高調波が、光路Bを進む。このレーザビームは、たとえばパルス幅が10ps、パルスエネルギ20〜500μJである。レーザビームはホログラム板66bで複数条のレーザビームに分岐して、ステージ67上に据えられている多層基板上に集光され、多層基板上の複数の箇所に同時に照射される。なお、ホログラム板66a、66bは、それぞれNd:YLFレーザの基本波(波長1047nm)と2倍高調波(波長523nm)との波長に対し、被加工部で同じ像を結ぶように設計されている。
光路Aを進む基本波で穴を開けられた多層基板68が、ステージ67により、ホログラム板66bの加工領域に移動される。光路Bを進む、ホログラム板66bで分岐された2倍高調波が、基本波によって開けられた穴の底に残存するエポキシ皮膜を除去し、銅層表面を露出させる。穴1つに対し照射される2倍高調波は、たとえば5ショットである。ステージ67の移動により、基本波のレーザビームが形成した多層基板68上のすべての穴について残存皮膜が除去される。
この、一穴に5ショットずつ照射される2倍高調波によって、多層基板68の残存皮膜を除去すると同時に、光路Aを進む基本波が、異なる多層基板上にリフティング現象による穴開けを行う。基本波による加工は5ショット中4ショットを遮蔽し、1ショットだけを透過させて行うものであるから、一穴当たりのリフティング加工と皮膜除去との時間とを同じにすることができる。各多層基板の穴開け位置が同一であれば、ホログラム板66aと66bのそれぞれの加工領域で、ステージ67は、全く同じ動きを行う。
図9(A)に示したレーザ加工装置は、分岐したNd:YLFレーザの基本波と2倍高調波の2つのレーザビームのそれぞれを、更に分岐させて多層基板に入射させる。基本波で多層基板にリフティング現象を用いた穴開け加工を行い、それと同時に2倍高調波で別の多層基板の残存皮膜を除去する。これにより、作業の高速化が実現される。
ここでは残存皮膜の除去にNd:YLFレーザの2倍高調波(523nm)を用いたが、3倍高調波(349nm)、4倍高調波(262nm)を用いることも可能である。たとえば、パルス幅15ns、パルスエネルギ10mJの基本波と、パルス幅15ns、パルスエネルギ2mJの3倍高調波または4倍高調波を用いてもよい。更に、全固体レーザ発振器としてNd:YLFレーザを用いたが、Nd:YAGレーザを使用してもよい。
図9(B)は、図9(A)のレーザ加工装置にシャッタ65bを加えたレーザ加工装置の概略図である。シャッタ65bが、光路B内に設けられている。また、全固体レーザ発振器61は、基本波だけを出射することができる。他の構成は、図9(A)に示したレーザ加工装置と等しい。図9(B)に示したレーザ加工装置で、たとえばリフティング加工後に被覆層の皮膜が穴の底面に残存しない多層基板を加工する際などは、シャッタ65bが、光路Bを進む2倍高調波を遮り、多層基板にビームが照射されないようにする。また、全固体レーザ発振器61から基本波だけが出射されて加工が行われる際は、基本波のすべてがダイクロイックミラー63を透過するわけではない。基本波は、わずかではあるが反射されて光路Bを進む。シャッタ65bは、その光路Bを進む漏れ光を遮断する。
なお、本発明の各実施例においては加工対象物として3層からなる多層基板を考えたが、これは下地部材であるたとえば銅などの金属層表面に、被覆層が形成されたものであればよい。
以上、実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。たとえば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは、当業者に自明であろう。
本発明の第1及び第2の実施例によるレーザ加工方法で用いられるレーザ加工装置の概略図である。 (A)は、第1の実施例によるレーザ加工方法で加工される多層基板の断面図であり、(B)は、第1の実施例によるレーザ加工方法で加工した多層基板の光学顕微鏡写真をスケッチした図である。 (A)及び(B)は、第2の実施例によるレーザ加工方法で加工される多層基板の断面図である。(C)は、第2の実施例によるレーザ加工方法で加工した多層基板の光学顕微鏡写真をスケッチした図である。(D)は、第2の実施例によるレーザ加工方法で加工したプリント基板のSEM写真をスケッチした図である。 (A)は、本発明の第3の実施例によるレーザ加工方法で用いられるレーザ加工装置の概略図であり、(B)及び(C)は、該レーザ加工装置で多層基板に形成された穴を示す図である。 本発明の第4の実施例によるレーザ加工方法で用いられるレーザ加工装置の概略図である。 本発明の第5の実施例によるレーザ加工方法で用いられるレーザ加工装置の概略図である。 第5の実施例で使用したガルバノスキャナをポリゴン・ガルバノスキャナに置き換えた、レーザ加工装置の概略図である。 (A)及び(B)は、本発明の第6の実施例によるレーザ加工方法で用いられるレーザ加工装置の概略図である。 (A)及び(B)は、本発明の第7の実施例によるレーザ加工方法で用いられるレーザ加工装置の概略図である。
符号の説明
A、B 光路
1 (波長変換ユニットを含む)全固体レーザ発振器
2 マスク
3 平凸レンズ
4 反射ミラー
5 ステージ
6 多層基板
11 樹脂被覆層
11a、b、c 穴
11a'、b'、c' 皮膜
12 銅層
13 樹脂下地層
20 皮膜
21 銅層表面
30 (波長変換ユニットを含む)全固体レーザ発振器
31 反射ミラー
32 ホログラム板
34 ステージ
35 多層基板
36 照射位置検出センサ
37 コントローラ
38 回折格子
39 平凸レンズ
40 (波長変換ユニットを含む)全固体レーザ発振器
41 マスク
43 ガルバノスキャナ
44 fθレンズ
45 ステージ
46 多層基板
47 照射位置検出センサ
48 コントローラ
49 ポリゴン・ガルバノスキャナ
50 (波長変換ユニットを含む)全固体レーザ発振器
51 SHG
52 THG
53 マスク
54 ダイクロイックミラー
55a、b 反射ミラー
56a、b シャッタ
57a、b ガルバノスキャナ
58a、b fθレンズ
59 ステージ
60 多層基板
61 (波長変換ユニットを含む)全固体レーザ発振器
62 SHG
63 ダイクロイックミラー
64 反射ミラー
65a、b シャッタ
66a、b ホログラム板
67 ステージ
68 多層基板

Claims (6)

  1. (a)表層部が銅で形成された下地部材の表面上に、エポキシ樹脂で形成された被覆層が形成された加工対象物を準備する工程と、
    (b)前記被覆層を透過し、該被覆層と前記下地部材との界面で反射し、反射位置の該被覆層を該下地部材から剥離させる性質を有する第1のレーザビームを、該被覆層の表面から前記加工対象物に入射させて、該被覆層の一部を該下地部材から剥離させ、剥離部分を形成する工程と、
    (c)該剥離部分の底面に、前記第1のレーザビームとは波長の異なる第2のレーザビームを入射させ、該剥離部分の底面に前記被覆層の一部が残っている場合には、残っている該被覆層を除去する工程と
    を有するレーザ加工方法。
  2. 前記第1のレーザビームが、1本の第1の原レーザビームを分岐させて得られた複数本のレーザビームを含み、前記第2のレーザビームが、1本の第2の原レーザビームを分岐させて得られた複数本のレーザビームを含み、前記工程(b)において、前記第1のレーザビームを構成する複数本のレーザビームを前記加工対象物に同時に入射させ、前記工程(c)において、前記第2のレーザビームを構成する複数本のレーザビームを前記剥離部分の底面に同時に入射させる請求項1に記載のレーザ加工方法。
  3. 前記第2のレーザビームが、パルス幅が1ps以上1μs未満の紫外線の波長領域のパルスレーザビーム、またはパルス幅が1ps以上1ns未満の緑色の波長領域のパルスレーザビームである請求項1または2に記載のレーザ加工方法。
  4. (d)表層部が銅で形成された下地部材の表面上に、エポキシ樹脂で形成された被覆層が形成された加工対象物を準備する工程と、
    (e)前記被覆層を透過し、該被覆層と前記下地部材との界面で反射し、反射位置の該被覆層を該下地部材から剥離させる性質を有する第1のレーザビームを、該被覆層の表面から前記加工対象物に入射させて、該被覆層の一部を該下地部材から剥離させ、第1の剥離部分を形成する工程と、
    (f)前記被覆層を透過し、該被覆層と前記下地部材との界面で反射し、反射位置の該被覆層を該下地部材から剥離させる性質を有する第2のレーザビームを、該被覆層の表面から前記加工対象物に入射させて、該被覆層の一部を該下地部材から剥離させ、前記第1の剥離部分と連続した第2の剥離部分を形成する工程と、
    (g)前記第1及び第2の剥離部分の底面に、前記第1及び第2のレーザビームとは波長の異なる第3のレーザビームを入射させ、前記第1及び第2の剥離部分の底面に前記被覆層の一部が残っている場合には、残っている該被覆層を除去する工程と
    を有するレーザ加工方法。
  5. 前記第1のレーザビームが、1本の第1の原レーザビームを分岐させて得られた複数本のレーザビームを含み、前記第2のレーザビームが、1本の第2の原レーザビームを、前記第1の原レーザビームを分岐させて得られた複数本のレーザビームの各々と1対1に対応するように、分岐させて得られた複数本のレーザビームを含み、前記第3のレーザビームが、1本の第3の原レーザビームを、前記第1の原レーザビームを分岐させて得られた複数本のレーザビームの各々と1対1に対応するように、分岐させて得られた複数本のレーザビームを含み、前記工程(e)において、前記第1のレーザビームを構成する複数本のレーザビームを前記加工対象物に同時に入射させ、離散的に分布する複数の第1の単位剥離部分を含む前記第1の剥離部分を形成し、前記工程(f)において、前記第2のレーザビームを構成する複数本のレーザビームを前記加工対象物に同時に入射させ、該第2のレーザビームを構成する複数本のレーザビームが、各々対応する前記第1のレーザビームを構成する複数本のレーザビームの形成した複数の前記第1の単位剥離部分の各々と連続する、複数の第2の単位剥離部分を含む前記第2の剥離部分を形成する請求項4に記載のレーザ加工方法。
  6. 前記第3のレーザビームが、パルス幅が1ps以上1μs未満の紫外線の波長領域のパルスレーザビーム、またはパルス幅が1ps以上1ns未満の緑色の波長領域のパルスレーザビームである請求項4または5に記載のレーザ加工方法。
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