JP2007089513A - 新規耐酸性改変型s−ヒドロキシニトリルリアーゼ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定のアミノ酸配列で示される天然型S-ヒドロキシニトリルリアーゼの配列において、36番目、140番目、及び209番目から選ばれるアミノ酸のうち、少なくとも1つを他のアミノ酸に置換して得られる、改変型S-ヒドロキシニトリルリアーゼ。
【選択図】なし
Description
a) 36番目のロイシンのメチオニンへの置換、
b) 140番目のトレオニンのイソロイシンへの置換、
c) 209番目リジンのアスパラギンへの置換
から選ばれる少なくとも1つのアミノ酸置換を有する改変型SHNLを挙げることができる。
a) 21番目のリジンのアスパラギン酸、グルタミン酸、又はアスパラギンへの置換、
b) 165番目のグリシンのアスパラギン酸又はグルタミン酸への置換、
c) 173番目のバリンのロイシンへの置換、
d) 174番目のメチオニンのロイシンへの置換、及び
e) 163番目のトレオニンのアスパラギン酸、グルタミン酸、又はセリンへの置換
から選ばれる少なくとも1つのアミノ酸置換を有していてもよい。
また本発明は、前記DNAを導入した宿主を培養し、得られる培養物からSHNL活性を有するタンパク質を回収することを特徴とする、改変型SSHNLの製造方法も提供する。
さらに本発明は、本発明の改変型SHNLをカルボニル化合物及びシアン化合物と接触させることを特徴とする光学活性シアノヒドリンの製造方法も提供する。
本発明において、「天然型S-ヒドロキシニトリルリアーゼ(以下SHNLと略記する)」とは、植物から単離・精製されたSHNL、あるいは当該SHNLと同じアミノ酸配列を有するSHNLを意味する。前記天然型SHNLの由来は特に限定されず、例えば、モロコシ(Sorghum bicolor)などのイネ科植物由来のSHNL、キャッサバ(Manihot esculenta)やパラゴムノキ(Hevea brasiliensis)などのトウダイグサ科植物由来のSHNL、キシメニア(Ximenia america)などのボロボロノキ植物由来のSHNL等を挙げることができる。これらSHNLのアミノ酸配列や遺伝子の塩基配列は既に公知であり、GenBank等の公共データベースを通じて容易に入手することができる。例えば、パラゴムノキ由来SHNL遺伝子はAccession No.U40402(配列番号3はU40402のCDSに該当)、キャッサバ由来のSHNL遺伝子はAccession No. Z29091、モロコシ由来SHNL遺伝子はAccession No.AJ421152として、それぞれGenBankに登録されている。
本発明は、キャッサバあるいはパラゴムノキ由来の天然型SHNLのアミノ酸配列において、特定部位のアミノ酸配列を改変(置換あるいは挿入)して得られる、耐酸性改変型SHNLに関する。具体的には:
キャッサバ由来の天然型SHNLのアミノ酸配列(配列番号2)において、36番目、140番目、及び209番目から選ばれるアミノ酸のうち、少なくとも1つを他のアミノ酸に置換して得られる改変型SHNL;
パラゴムノキ由来の天然型SHNLのアミノ酸配列(配列番号4)において、36番目、139番目、及び208番目から選ばれるアミノ酸のうち、少なくとも1つを他のアミノ酸に置換して得られる改変型SHNLに関する。
a) 36番目のロイシンのメチオニンへの変異、
b) 140番目のトレオニンのイソロイシンへの変異、
c) 209番目リジンのアスパラギンへの変異
から選ばれる少なくとも1つ以上のアミノ酸配列の改変を有する改変型SHNLを挙げることができる。
a) 21番目のリジンのアスパラギン酸、グルタミン酸、又はアスパラギンへの置換、
b) 165番目のグリシンのアスパラギン酸又はグルタミン酸への置換、
c) 173番目のバリンのロイシンへの置換、
d) 174番目のメチオニンのロイシンへの置換、
e) 163番目のトレオニンのアスパラギン酸、グルタミン酸、又はセリンへの置換、から選ばれる1以上のアミノ酸置換を複合させることにより、高い耐酸性と耐熱性を併せ持つようになる。
3.1 耐酸性改変型SHNLをコードするDNA
本発明にかかる改変型SHNLタンパク質をコードするDNAは、公知の天然型SHNL遺伝子に、部位特異的変異を導入して得られる。すなわち、置換部位のコドンを目的とするアミノ酸をコードするコドンに改変しうるプライマーを設計し、該プライマーを用いて天然型SHNLをコードするDNAを鋳型として伸長反応を行えばよい。部位特的変異導入は、市販のキット(例えば、QuikChange XL Site-Directed Mutagenesis kit(STRATAGENE)、TransformerTM Site-Directed Mutagenesis Kit(CLONTECH)等)を用いて容易に行うことができる。
次いで、前記耐酸性改変型SHNLをコードするDNAをプラスミド等の公知のベクターに連結(挿入)して組換えベクターを作製する。前記ベクターは宿主中で複製可能なものであれば特に限定されず、例えばプラスミドDNA、ファージDNA等が挙げられる。
次いで、前記組換えベクターを目的遺伝子が発現しうるように宿主中に導入し、改変型SHNL発現系を作製する。ここで宿主としては、本発明のDNAを発現できるものであれば特に限定されず、例えば、エッシェリヒア・コリ(Escherichia coli)等のエッシェリヒア属、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)等のバチルス属、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)等のシュードモナス属、リゾビウム・メリロテイ(Rhizobium meliloti)等のリゾビウム属に属する細菌、またサッカロミセス・セルビシエ(Saccharomyces cervisiae)、チゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces. pombe)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)等の酵母、その他COS細胞、CHO細胞等の動物細胞、あるいはSf19、Sf21等の昆虫細胞を挙げることができる。
本発明の改変型SHNLは、本発明の形質転換体を適当な培地で培養し、その培養物から該酵素活性を有するタンパク質を採取することによって得ることができる。本発明の形質転換体を培養する方法は、宿主に応じて、適宜決定される。例えば、大腸菌や酵母等の微生物を宿主とする形質転換体の場合は、微生物が資化しうる炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体を効率的に培養しうる培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いても良い。
本発明の改変型SHNLは、天然型SHNLよりも高い生産効率で光学純度の高い光学活性シアノヒドリンを合成できる。本発明の耐酸性改変型SHNLを用いた光学活性シアノヒドリンの合成は、天然型SHNLと全く同様の方法で実施できる。
[材料及び方法]
1)ランダム変異SHNLライブラリー
本発明で用いたSHNL遺伝子は、キャッサバ(Manihot esculenta)よりクローニングされたSHNLの遺伝子配列を大腸菌型のコドンに変換した配列(配列番号1:特願2002-365675(以下、このSHNLを「Wild-SHNL」と記載する))を用いた。このSHNL-Wild遺伝子がベクターpET21a(Novagen社製)に組み込まれたベクタープラスミドSHNL-Wild/pET21aを鋳型として、GeneMorphTMPCR Mutagenesis Kit (STRATAGENE社製)により無作為に変異を導入し、ランダム変異SHNLライブラリーを作製した。作製したランダム変異SHNLライブラリーは、ベクタープラスミドpKK223-3(アマシャム・バイオサイエンス社製)のマルチクローニングサイトに挿入し、大腸菌Escherichia coli DH5αに組み込んだ状態で凍結保存した。
前記ランダム変異SHNLライブラリークローンを表1に示されるNS-2培地が分注されたディープウェルプレートに接種し、20℃、1100rpmの条件で振盪培養を行った。
選抜した耐酸性酵素株、及び比較としてSHNL-Wild/pKK223-3/DH5αを試験管で培養し、培養終了後培養液の破砕により粗酵素液を調製した。得られた粗酵素液にpH5.5 クエン酸Naバッファー及び大腸菌由来非活性タンパク質を添加し、酵素液の活性値を2U/mL、タンパク質濃度を1mg/mLに調製した。
選抜された耐酸性変異SHNL株の変異箇所を表2に示した。選抜された耐酸性変異株Lot002H6及びLot034B10は配列番号1に示されるSHNL遺伝子配列の106番目のシトシンがアデニンに変異しており、その結果、配列番号2に示されるSHNLアミノ酸配列36番目ロイシンがメチオニンへ変異していた。同じくLot023F12は配列番号1に示されるSHNL遺伝子配列の419番目のシトシンがチミンに変異しており、その結果、配列番号2に示されるSHNLアミノ酸配列140番目トレオニンがイソロイシンへ変異していた。またLot016G12は配列番号1に示されるSHNL遺伝子配列の627番目のアデニンがチミンに変異しており、その結果、配列番号2に示されるSHNLアミノ酸配列209番目リジンがアスパラギンへ変異していた。
ランダム変異SHNLライブラリーより選抜された耐酸性酵素株はそれぞれ1つのアミノ酸変異部位を有していた。そこで、これらの変異部位を1つの遺伝子上に複合することで、耐酸性を更に向上させることを試みた。
変異部位の複合は、QuikChange XL Site-Directed Mutagenesis Kit (STRATAGENE社製)を用い、SHNLアミノ酸配列にL36M、T140I、K209Nの3つの変異を様々な組み合わせで部位特異的変異導入を行った。鋳型としてはSHNL-Wild遺伝子が組み込まれたベクタープラスミドSHNL-Wild/pKK223-3 10ngを用いた。
配列番号6:GCCACTGGCTGCCATGTCCATTGCAGTAACTTTGTGGCC
配列番号7:CACGTTCACCAACATCATCGGCGAAACCATCACTACCATG
配列番号8:CATGGTAGTGATGGTTTCGCCGATGATGTTGGTGAACGTG
配列番号9:ATTTGGACCGATCAAGACAACATATTCCTGCCGGACTTCCAACGC
配列番号10:GCGTTGGAAGTCCGGCAGGAATATGTTGTCTTGATCGGTCCAAAT
それぞれ単独の変異部位を有する耐酸性酵素L36M-SHNL及びT140I-SHNLは酸処理後それぞれ70%程度の残存活性であったが、2つの変異を複合したL36M,T140I-SHNL株及び3つの変異を複合したL36M,T140I,K209D-SHNL株はこれらと比較してさらに耐酸性が向上し、両者ともpH4.15、2hの酸処理の後、活性が80%以上残存した(図3)。これらの結果より、個々の変異部位を1つの遺伝子上に複合することで、耐酸性を更に向上させられることが明らかとなった。
[材料及び方法]
DH5α/pKK223-3/SHNL-K209Dを実施例1の3)と同様の方法で培養し、酵素液を得た。得られた酵素液にバッファー及び牛血清アルブミンを添加し、酵素液の活性値、タンパク質濃度を一定値に揃えた後、エタノール及び酢酸エチルを用いて酵素液を処理し、残存活性を測定した。
エタノールを用いて酵素液を処理した結果、K209D-SHNLは同処理時間において50%の活性が残存した(図4)。酢酸エチルについてもK209D-SHNLは高い耐性を有し、48時間の処理後も50%以上活性が残存した。これらの結果から、耐酸性変異酵素は有機溶媒耐性をも有していることが示された。
[材料及び方法]
実施例2で作成した耐酸性酵素液及びWild-SHNLを用いて、酵素液温が60℃となるよう加熱し、30min後に残存活性を測定した。
耐酸性酵素の熱処理後の残存活性について図5に示した。耐酸性酵素は耐酸性のみならず、耐熱性も向上していることが示された。
[材料及び方法]
改変部位の複合にはQuikChange XL Site-Directed Mutagenesis Kit (STRATAGENE社製)を用いた。鋳型としてSHNL-G165E,V173L / pET21a プラスミドを用い、3つの変異部位アミノ酸をそれぞれSHNL-G165E,V173L遺伝子上に複合した。構築した複合変異株及び比較としてBL21(DE3)/pET21a/SHNL-Wild 、SHNL-G165E,V173Lを用いて酵素液を作成し、酵素液の活性は43U/mL、タンパク質濃度は19.25mg/mLとなるよう、pH5.5 クエン酸Naバッファー及び大腸菌由来非活性タンパク質を適宜添加した。次に酵素液温が45〜70℃となるよう加熱し、30min後に残存活性を測定した。
耐熱性複合変異酵素遺伝子にL36M又はT140Iを新たに複合した複合変異酵素は更に耐熱性が向上し、70℃において100%、72.5℃においても90%以上の活性が残存した(図6)。
従って耐熱性複合変異酵素遺伝子に耐酸性変異部位を新たに複合することで、更に耐熱性を向上することができる。
1.変異導入
キャッサバ(Manihot esculenta)由来のS-ヒドロキシニトリルリアーゼ(Wild-SHNL)遺伝子(配列番号1)への変異導入はGeneMorphTMPCR Mutagenesis Kit (STRATAGENE社製)を用いて行った。鋳型として、pKK223-3(アマシャム・バイオサイエンス社製)のマルチクローニングサイトにWild-SHNL遺伝子が組み込まれているpKK223-3/SHNL-Wildプラスミド600ng を用い、下記のオリゴDNAをプライマーとして、PCRを行った。
Forward primer: 5’-GGG GAA TTC ATG GTT ACT GCA CAC TTC GTT CTG ATT CAC-3’(配列番号11)
Reverse primer: 5’-GGG AAG CTT TTA AGC GTA TGC ATC AGC AAC TTC TTG CAG-3’(配列番号12)
得られたPCR産物(SHNL-Mutants)を制限酵素EcoRI、HindIII(TOYOBO社製)を用いて消化し、同じく制限酵素EcoRI、HindIIIによりマルチクローニングサイトが消化されているベクターpKK223-3とライゲーションを行った。ライゲーションにはLigaFastTMRapid DNA Ligation System(Promega社製)を用いた。ライゲーション反応液をコンピテントセルDH5α(TOYOBO社製)に形質転換し、複数のDH5α/pKK223-3/SHNL-Actmtを得た。
複数のDH5α/pKK223-3/SHNL-Actmtを試験管で培養し、培養液をそれぞれ1mLずつ取り、遠心分離を行って上清を除去し、細胞ペレットを得た。得られた細胞をクエン酸ナトリウムバッファー(pH5.5)200μLで再懸濁した後、超音波細胞破砕機で細胞を破砕した。細胞破砕物を15000rpm、5minの条件で遠心分離し、細胞破砕液を得た。この細胞破砕液を60℃、2hの条件で加熱し、加熱後にそれぞれの細胞破砕液のSHNL活性を測定した。SHNL活性は、反応温度20℃においてマンデロニトリルのSHNLによる分解によって生じるアルデヒドの単位時間あたりの生成量から算出した。なお、アルデヒドの単位時間あたりの生成量は、波長249.6nmにおける吸光度を測定すること(島津製作所製 分光光度計使用)によって算出される。
Reverse primer: 5’-GGG GGA TCC TTA AGC GTA TGC ATC AGC AAC TTC TTG CAG-3’(配列番号14)
1.実験方法
1)酵素液の調製
大腸菌BL21(DE3)/pET21a/SHNL-Wild、BL21(DE3)/pET21a/SHNL-Actmt001f2をLB培地5mLを用いて37℃で12h培養した。得られた培養液100μLを下記に示すNS-2培地5mLに接種し、IPTGを添加して20℃、60hで培養を行った。培養終了後培養液を遠心分離し、細胞を回収した。この細胞を0.2Mクエン酸Na buffer(pH5.5)に懸濁し、超音波により細胞を破砕した。この破砕液を遠心分離し、上清を回収しWild-SHNL、Actmt-001f2-SHNL酵素液を得た。酵素液はWild-SHNLが活性値74U/mL、タンパク質濃度6.29mg/mL、Actmt-001f2-SHNLが活性値69U/mL、タンパク質濃度5.96mg/mLであった。
Wild-SHNL、Actmt-001f2-SHNL酵素液200μLをエッペンドルフチューブに入れ、ヒートブロックにより酵素液温が45〜70℃となるよう加熱した。30min後に遠心分離し、サンプルを回収し、開始時の酵素活性に対する残存活性を測定した。酵素活性の測定は参考例1に記載したとおりである。
この結果、Wild-SHNLでは温度65℃において活性が半減したのに対し、Actmt-001f2-SHNLは90%以上の残存活性を示した(図7)。Actmt-001f2-SHNLについて活性の半減がみられたのは70℃付近で、Wild-SHNLと比較して約5℃の耐熱性向上が見られた。この結果より、キャッサバ由来のSHNLでは、165番目のアミノ酸がグリシンからアスパラギン酸へ置換されることにより、熱に対する安定性が向上することが明らかとなった。
加熱処理により、酵素活性を保持したまま大腸菌に由来するタンパク質を除去することが実際に可能であることを確認するため、次の実験を行った。
1)酵素液の調製
大腸菌BL21(DE3)/pET21a/SHNL-Wild、BL21(DE3)/pET21a/SHNL-Actmt001f2をLB培地5mLを用いて37℃で12h培養。得られた培養液100μLをNS-2培地5mLに接種し、IPTGを添加して20℃、60hで培養を行った。培養終了後培養液を遠心分離し、細胞を回収した。この細胞を0.2M クエン酸Na buffer(pH5.5)に懸濁し、超音波により細胞を破砕した。この破砕液を遠心分離し、上清を回収しWild-SHNL、Actmt-001f2-SHNL酵素液を得た。酵素液の濃度はWild-SHNLが活性値83U/mLタンパク質濃度7.01mg/mL、Actmt-001f2-SHNLが活性値81U/mLタンパク質濃度6.65mg/mLであった。
Wild-SHNL、Actmt-001f2-SHNL酵素液200μLをエッペンドルフチューブに入れ、ヒートブロックにより酵素液温が60℃となるよう加熱した。30min毎に遠心分離し、サンプルを10μLずつ回収し、残存活性、タンパク濃度を測定した。
1)残存活性
Wild-SHNLは加熱時間1.5hで活性が半減したのに対し、Actmt-001f2-SHNLは加熱時間1.5hでも75%の活性が残存していた(図14)。
得られたサンプルをSDS-PAGEにより解析した。SDS-PAGEの結果(図15)から、0h(加熱なし)の状態では大腸菌に由来するタンパク質が多く混合しているが、加熱後のサンプルでは、Wild-SHNLもActmt-001f2-SHNLも、大腸菌に由来するタンパク質がサンプル中から除去されていることが明らかとなった。
一般に、酵素の熱安定性と他の環境ストレス、例えば有機溶媒などに対する安定性には高い関連性がある。したがって、Actmt-001f2-SHNLは有機溶媒に対する安定性も向上している可能性がある。このためActmt-001f2-SHNLの有機溶媒耐性に関する検討を行った。
1)酵素液の調製
参考例2と同様の方法で酵素液を調製した。ストレスに対する酵素の耐性を測定する場合、サンプル中の共雑タンパク質が保護剤として働き、見かけ上耐性が向上する場合がある。したがって上記のサンプルをそれぞれ牛血清アルブミン及びバッファーで希釈し、全てのサンプルを活性値44.19U/mL、比活性値6.50U/mgで揃え、共雑タンパク質の影響を実験系から排除した。
有機溶媒としてエタノール及び酢酸エチルを用い、これを酵素液に添加した。エタノールの終濃度は30%、酢酸エチルは40%とした。その後サンプルを攪拌しながら50時間保持した。数時間毎に遠心分離を行い、上清(水相)をサンプルとして10μL取り、活性測定を行った。
Actmt-001f2-SHNLはWild-SHNLと比較して、エタノール(図12A)、及び酢酸エチル(図12B)に対して耐性を有することが明らかとなった。
SHNLはアルデヒド及びケトンと青酸の反応を触媒し、光学活性なシアノヒドリンを合成する酵素である。Actmt-001f2-SHNLの上記反応に対する触媒能を、Wild-SHNLとの比較により検討した。
1)酵素液調製
BL21(DE3)/pET21a/SHNL-Wild及びBL21(DE3)/pET21a/SHNL-Actmt001f2を培養し、培養液を遠心分離して上清を除去し、細胞ペレットを得た。この細胞ペレット0.33gにクエン酸ナトリウムバッファー(pH5.5)0.66gを加えて再懸濁した後、超音波細胞破砕機で細胞を破砕した。細胞破砕物を15000rpm、5minの条件で遠心分離し、細胞破砕液を得た。この細胞破砕液を50℃、3hの条件で加熱し、加熱後に細胞破砕液を遠心分離した。この上清を0.45μmフィルターでろ過した後、限外ろ過濃縮した。これらの濃縮酵素液にクエン酸ナトリウムバッファー(pH5.5)を加え、両者の活性を下表のように揃えた。調製した酵素液0.3mLをシリカゲル300mgと混合し、固定化酵素を得た。
1.61MのHCNを溶解したt-ブチルメチルエーテル4.492mLに0.2Mクエン酸バッファー(pH5.5)0.337mLを加え、30分間攪拌した後、静置し水相を除去した。この溶液を上記で調製した固定化酵素300mgを入れた9mLのスクリューバイアルへ添加した。ここにベンズアルデヒド0.508mLを添加し、ボトルローラーで攪拌することにより酵素反応を実施した。反応開始1時間後に反応液4mLを回収した。引き続き同じ処理を行ったHCN/t-ブチルメチルエーテル溶液を同量添加し、ベンズアルデヒドを同量添加して、酵素反応を行った。反応開始1時間後に反応液5mLを回収した。この反応操作を繰り返し行い、計11回の酵素反応を行った。11回目では、酵素反応経過を測定するため、反応時間を延長し、経過分析を行った。
耐熱性酵素 Actmt-001f2-SHNLは、Wild-SHNLと同じ反応速度でS-マンデロニトリルを生成した。この結果から、Actmt-001f2-SHNLは光学活性シアノヒドリン合成においてWild-SHNLと同等の能力を有していることが明らかとなった。反応を繰り返すことにより、両者ともに反応速度が徐々に低下してきたが、反応速度の減少度合いはActmt-001f2-SHNLの方が緩やかであった。(図16A)。
Actmt-001f2-SHNLはWild-SHNLと同じ生産性、光学純度で光学活性シアノヒドリンを合成できることが明らかとなった。更に繰り返し反応においては、10%程度の寿命延長が認められた。
耐熱性酵素Actmt001f2-SHNLはそのアミノ酸配列の165番目が酸性アミノ酸のアスパラギン酸に置き換えられていた。そこで、165番目のアミノ酸を、同じ酸性アミノ酸であるグルタミン酸で置換したSHNLの発現系BL21(DE3)/pET21a/SHNL-G165Eを作製した。
参考例1と同様、165番目のアミノ酸の改変には、QuikChange XL Site-Directed Mutagenesis Kit (STRATAGENE社製)を用いた。鋳型としてpET21a/SHNL-Wildプラスミド10 ng を用い、下記のオリゴDNAをプライマーとして、伸長反応を行った。次に得られた反応産物をキット付属の制限酵素DpnIで消化した。
Reverse primer: 5’-CAT TTT TGC CAG TTC ATA TTC TTC ATC AGT GCA TTT GGT GAA CAG GTT TTC ACG-3’(配列番号16)
得られた制限酵素処理済反応産物をキット付属のコンピテントセルXL10-Goldに形質転換し、得られた株をコロニーPCRした。このPCR産物を鋳型としてシーケンス反応を行い、反応物を解析することで塩基配列494-495番目のGCがAAに改変されている株を選抜した。この株よりプラスミドpET21a/SHNL-G165Eを調製し、コンピテントセルBL21(DE3)(Novagen社製)に形質転換を行い、165番目のアミノ酸がGluに置換されたSHNLの発現系BL21(DE3)/pET21a/SHNL-G165Eを作製した。
SHNLのアミノ酸配列165番目を様々な極性のアミノ酸に置換し、それがSHNLの耐熱性にどのように影響するのかを確認した。
参考例1及び参考例6にしたがい、QuikChange XL Site-Directed Mutagenesis kit(STRATAGENE)を用いて165Glyへの変異導入を行い、以下の変異株を作製した。
i)DH5α/pKK223-3/ Actmt001f2-Glu (165アミノ酸がグルタミン酸に置換)
ii)DH5α/pKK223-3/ Actmt001f2-Lys (165アミノ酸がリジンに置換)
iii)DH5α/pKK223-3/ Actmt001f2-Arg (165アミノ酸がアルギニンに置換)
iv)DH5α/pKK223-3/ Actmt001f2-Ala (165アミノ酸がアラニンに置換)
参考例2にしたがって加熱試験を行った結果、改変SHNLは導入されたアミノ酸残基の性質の違いにより、大きく3つの耐熱性パターンを示した(図15)。
30minで活性がほぼ完全に消滅した。Wild-SHNLと比較して明らかに耐熱性が低下した。
2)中性アミノ酸(Ala)への置換:
Wild-SHNL(165Gly、中性)と同程度の耐熱性であった。
3)酸性アミノ酸(Glu)への置換:
Actmt-001f2-SHNL(165Asp、酸性)とほぼ同じパターンで活性が変化した。3種のアミノ酸グループの中で、最も高い耐熱性を示した。
ヘリックスD3’(163-174)の165-173までのアミノ酸と、ヘリックスAの17-21までのアミノ酸とは交差するように配置され、近接している。これらの区間のアミノ酸を置換することで、耐熱性が変化する可能性がある。そこで、SHNLのアミノ酸配列173番目のアミノ酸をValからLeuに置換し、それがSHNLの耐熱性にどのように影響するのかを確認した。
参考例1及び参考例6にしたがい、QuikChange XL Site-Directed Mutagenesis kit(STRATAGENE)を用いて173番目のアミノ酸をLeuに置換したSHNLを調製した。
鋳型としてpET21a/SHNL-Wildプラスミド10 ng を用い、下記のオリゴDNAをプライマーとして、伸長反応を行った。次に得られた反応産物をキット付属の制限酵素DpnIで消化した。
Reverse primer:5’-CAG AGA GCC CTT GCG CAT NNN CAT TTT TGC CAG TTC ATA TTC GCC-3’(配列番号18)
得られた制限酵素処理済反応産物を同じくキット付属のコンピテントセルXL10-Goldに形質転換し、LB(Amp)プレート上に得られたコロニーを全てLB(Amp)液体培地に懸濁した。この懸濁液よりプラスミドpET21a/SHNL-SD173-1NNNMutantsを調製し、コンピテントセルBL21(DE3)(Novagen社製)に形質転換を行いBL21(DE3)/pET21a/SHNL-SD173-1NNNMutants株を作成した。
V173-SHNLの耐熱性をWild-SHNL及びActmt001-f2-SHNLと比較した。
1.実験方法
1)酵素液の調製
大腸菌BL21(DE3)/pET21a/SHNL-Wild、BL21(DE3)/pET21a/SHNL-Actmt001-f2、BL21(DE3)/pET21a/SHNL-V173Lをそれぞれ参考例2と同様の方法で培養し、酵素液を得た。上記のサンプルをそれぞれ牛血清アルブミン及びバッファーで希釈し、全てのサンプルを活性値17.6 U/mL、比活性値4.5U/mg、タンパク濃度3.9 mg/mLで揃え、共雑タンパク質の影響を実験系から排除した。
Wild-SHNL、Actmt001-f2-SHNL及びV173L-SHNL酵素液200μLをエッペンドルフチューブに入れ、ヒートブロックにより酵素液温が45〜70℃となるよう加熱した。30min後に遠心分離し、サンプルを回収し、残存活性を測定した(図17)。
参考例4において示されたように、熱安定性を有する改変酵素Actmt001-f2-SHNLはWild-SHNLと比較して、エタノール、酢酸エチルに対して耐性を有していた。
1)酵素液の調製
大腸菌BL21(DE3)/pET21a/SHNL-Wild、BL21(DE3)/pET21a/SHNL-Actmt001-f2、BL21(DE3)/pET21a/SHNL-V173Lを参考例2と同様の方法で培養し、酵素液を調製した。さらにこれらの調製された酵素液をそれぞれ牛血製アルブミン及び0.2Mクエン酸Naバッファーで希釈し、全てのサンプルを活性値45U/mL、比活性値6.5U/mgで揃え、共雑タンパク質の影響を実験系から排除した。
2)有機溶媒処理
エタノール及び酢酸エチルを用いて、参考例4と同様の方法で酵素液を処理し、残存活性を測定した。
V173L-SHNLはWild-SHNLと比較して、エタノール(図18A)及び酢酸エチル(図18B)に対して耐性を有することが明らかとなった。更にV173L-SHNLはエタノールに対してActmt001-f2-SHNL以上の耐性を示し、添加後16時間の時点でActmt001-f2-SHNLの残存活性が23%であったのに対し、V173L-SHNLは34%活性が残存していた。酢酸エチルに対しては2つの改変酵素の耐性はほぼ同等であった。
1.変異導入
参考例1と同様、GeneMorphTM PCR Mutagenesis Kitを用いてWild-SHNL 遺伝子へ変異導入を行った。鋳型、プライマーとも参考例1と同じものを用いた。
参考例1と同様、得られたPCR産物をベクターpKK223-3にライゲーション後、コンピテントセルDH5αへ形質転換し、複数のDH5α/pKK223-3/SHNL-Actmt020を得た。
参考例1と同様の選抜法により、加熱後も活性を有していたDH5α/pKK223-3/SHNL-Actmt020-b8を選抜した。配列番号11及び配列番号12のプライマーを用いて選抜された株を鋳型にコロニーPCRを行い、更に得られたPCR産物を鋳型に同じプライマーを用いてシーケンス反応を行った。反応物の解析結果より、SHNL-Actmt020-b8は配列番号1に示される塩基配列の520番目のアデニンがチミンに改変された塩基配列を有していることが確認された。従って、SHNL-Actmt020-b8はWild-SHNLのアミノ酸配列の174番目のメチオニンがロイシンへ置き換えられたアミノ酸配列を有する改変型SHNLであることが確認された。以下、この改変型SHNLをActmt020-b8-SHNLと呼ぶ。
1.実験方法
1)酵素液の調製
参考例11において構築された大腸菌株DH5α/pKK223-3/SHNL-Actmt020-b8、及び比較としてDH5α/pKK223-3/SHNL-Wildを参考例2と同様の方法で培養し、酵素液を調製した。更にこれらの調製された酵素液をそれぞれ牛血製アルブミン及び0.2Mクエン酸Naバッファーで希釈し、全てのサンプルを活性値3.15U/mL、タンパク質濃度1.38mg/mLで揃え、共雑タンパク質の影響を実験系から排除した。
参考例3と同様の方法で、酵素液温が60℃となるよう加熱を行った。加熱開始後30min毎に酵素液を遠心分離し、上清を用いて加熱前の酵素活性に対する残存活性を測定した。
Actmt020-b08-SHNLはWild-SHNLと比較して大きく熱安定性が向上していた(図19)。従ってヘリックスD3’を構成する174番目アミノ酸であるメチオニンをロイシンへ置換することでSHNLの熱安定性を向上できることが明らかとなった。
1.変異導入
参考例1と同様、GeneMorphTM PCR Mutagenesis Kitを用いてWild-SHNL遺伝子へ変異導入を行った。鋳型、プライマーとも参考例1と同じものを用いた。
参考例1と同様、得られたPCR産物をベクターpKK223-3ライゲーション後、コンピテントセルDH5αへ形質転換し、複数のDH5α/pKK223-3/SHNL-Actmt022を得た。
参考例1と同様の選抜法により、加熱後も活性を有していたDH5α/pKK223-3/SHNL-Actmt022-g12を選抜した。配列番号11及び配列番号12のプライマーを用いて選抜された株を鋳型にコロニーPCRを行い、更に得られたPCR産物を鋳型に同じプライマーを用いてシーケンス反応を行った。反応物の解析結果より、SHNL-Actmt022-g12は配列番号1に示される塩基配列の63番目のアデニンがチミンに改変された塩基配列を有していることが確認された。従って、Actmt022-g12-SHNLはWild-SHNLのアミノ酸配列の21番目のリジンがアスパラギンへ置き換えられたアミノ酸配列を有する改変型SHNLであることが確認された。アミノ酸配列21番目のリジンは、ダイマー形成部位であるヘリックスAを構成するアミノ酸の一つである。
SHNLのアミノ酸配列21番目を様々なアミノ酸で置換し、SHNLの耐熱性に対する影響を確認した。
1)変異導入
参考例8と同様、QuikChange XL Site-Directed Mutagenesis Kit (STRATAGENE社製)を用いた。鋳型としてpET21a/SHNL-Wild 10ngを用い、配列番号19及び配列番号20で示されるプライマーを用いて、伸長反応を行った。次に得られた反応産物をキット付属の制限酵素DpnIで消化した。
ttccagggcc ggtttcagnn ngtgccaaat ccatgcgcc(配列番号20)
得られた制限酵素処理済反応産物を同じくキット付属のコンピテントセルXL10-Goldに形質転換し、LB(Amp)プレート上で培養した。この結果プレート上に得られたコロニーをLB(Amp)液体培地で再懸濁し、プラスミドpET21a/SHNL-SDLys21NNNを調製した。このプラスミドをコンピテントセルBL21(DE3)(Novagen社製)に形質転換を行い、BL21(DE3)/pET21a/SHNL-SDLys21NNN株を複数作成した。
作成した大腸菌株BL21(DE3)/pET21a/SHNL-SDLys21NNN株を参考例2と同様の方法により培養した。これら培養液を用いて、参考例1と同様の選抜法により耐熱性が向上した改変株を選抜した結果、BL21(DE3)/pET21a/SHNL-SDLys21-RAM1、BL21(DE3)/pET21a/SHNL-SDLys21-RAM6、BL21(DE3)/pET21a/SHNL-SDLys21-RAM8の3つの改変株が加熱後も活性を有していた。次に、配列番号11及び配列番号12のプライマーを用いてこれら選抜された株を鋳型としてコロニーPCRを行い、更に得られたPCR産物を鋳型に同じプライマーを用いてシーケンス反応を行った。反応物を解析した結果、SHNL-SDLys21-RAM1は配列番号1に示される塩基配列の61番目のアデニンがグアニンに改変された塩基配列を有していることが確認された。従って、SDLys21‐RAM1-SHNLはWild-SHNLのアミノ酸配列の21番目のリジンがグルタミン酸へ置き換えられたアミノ酸配列を有する改変型SHNLであることが確認された。同様にSHNL-SDLys21-RAM6は配列番号1に示される塩基配列の61-63番のAAAがGACに改変された塩基配列を有しており、従って、SDLys21‐RAM6-SHNLはWild-SHNLのアミノ酸配列の21番目のリジンがアスパラギン酸へ置き換えられたアミノ酸配列を有する改変型SHNLであり、更にSHNL-SDLys21-RAM8は配列番号1に示される塩基配列の63番目のアデニンがシトシンに改変された塩基配列を有しているため、SDLys21‐RAM8 SHNLはWild-SHNLのアミノ酸配列の21番目のリジンがアスパラギンへ置き換えられたアミノ酸配列を有する改変型SHNLであることが確認された。以下、SDLys21-RAM1 SHNLをK21E-SHNLと呼ぶこととし、同様にRAM6をK21D-SHNL、RAM8をK21N-SHNLと呼ぶ。
1.実験方法
1)酵素液の調製
参考例14において構築された大腸菌株BL21(DE3)/pET21a/SHNL-K21E、BL21(DE3)/pET21a /SHNL-K21D及びBL21(DE3)/pET21a/SHNL-K21N、更に比較としてBL21(DE3)/pET21a/SHNL-Wildを参考例2と同様の方法で培養し、酵素液を調製した。更にこれらの調製された酵素液をそれぞれ牛血製アルブミン及び0.2Mクエン酸Naバッファーで希釈し、全てのサンプルを活性値11U/mL、タンパク質濃度6.8(mg/mL)で揃え、共雑タンパク質の影響を実験系から排除した。
参考例2と同様の方法で、酵素液温が45-65℃となるよう加熱を行った。加熱開始後30minの時点で酵素液を遠心分離し、上清を用いて加熱前の酵素活性に対する残存活性を測定した。
K21E-SHNL、K21D-SHNL、及びK21N-SHNLはWild-SHNLと比較して大きく熱安定性が向上していた(図20)。従ってヘリックスAを構成する21番目のアミノ酸リジンをグルタミン酸、アスパラギン酸及びアスパラギンで置換することでSHNLの熱安定性を向上できることが明らかとなった。
改変SHNL: Actmt001-f2-SHNL、V173L-SHNL及び Actmt020-b8-SHNLはそれぞれ1つのアミノ酸改変部位を有し、Wild-SHNLと比較して優れた耐熱性、耐溶媒性を有していた。これら個々の改変部位を1つの遺伝子上に複合することで、耐熱性、耐溶媒性を更に向上させることを試みた。
1)変異導入
参考例8と同様、QuikChange XL Site-Directed Mutagenesis Kit (STRATAGENE社製)を用いた。鋳型としてpET21a/SHNL-SD173-1e9 プラスミド10ng を用い、配列番号15及び配列番号16で示されるプライマーを用いて、伸長反応を行った。次に得られた反応産物をキット付属の制限酵素DpnIで消化した。
得られた制限酵素処理済反応産物を同じくキット付属のコンピテントセルXL10-Goldに形質転換し、LB(Amp)プレート上に得られたコロニーを取り、LB(Amp)液体培地で37℃、12hの培養を行った。この培養液よりプラスミドを調製し、このプラスミドを鋳型として配列番号11及び配列番号12のプライマーを用いて伸長反応を行い、更に得られた反応産物を鋳型に同じプライマーを用いてシーケンス反応を行った。反応物を解析し、Gly165GluとVal173Leuの2つのアミノ酸変異を持つSHNL遺伝子を保有するプラスミドpET21a/SHNL-G165E,V173Lを選抜した。このプラスミドをコンピテントセルBL21(DE3)(Novagen社製)に形質転換し、BL21(DE3)/pET21a/SHNL-G165E,V173L株を作成した。
1)変異導入
参考例8と同様、QuikChange XL Site-Directed Mutagenesis Kit (STRATAGENE社製)を用いた。鋳型として上記で構築されたpET21a/SHNL-G165E,V173Lプラスミド10ng を用い、配列番号21及び配列番号22で示されるプライマーを用いて、伸長反応を行った。次に得られた反応産物をキット付属の制限酵素DpnIで消化した。
gaacagagag cccttgcgca gcagcatttt tgccagttca ta(配列番号22)
得られた制限酵素処理済反応産物を同じくキット付属のコンピテントセルXL10-Goldに形質転換し、LB(Amp)プレート上に得られたコロニーを取り、LB(Amp)液体培地で37℃、12hの培養を行った。この培養液よりプラスミドを調製し、このプラスミドを鋳型として配列番号11及び配列番号12のプライマーを用いて伸長反応を行い、更に得られた反応産物を鋳型に同じプライマーを用いてシーケンス反応を行った。反応物を解析し、Gly165Glu、V173L及びMet174Leuの3つのアミノ酸変異を持つSHNL遺伝子を保有するプラスミドpET21a/SHNL-G165E,V173L,M174Lを選抜した。このプラスミドをコンピテントセルBL21(DE3)(Novagen社製)に形質転換し、BL21(DE3)/pET21a/SHNL-G165E,V173L,M174L株を作成した。
1.実験方法
1)酵素液の調製
参考例16において構築された大腸菌株BL21(DE3)/pET21a/SHNL-G165E,V173L、BL21(DE3)/pET21a/SHNL-G165E,V173L,M174L及びBL21(DE3)/pET21a/SHNL-Wildを参考例2と同様の方法で培養し、酵素液を調製した。更にこれらの調製された酵素液をそれぞれ牛血製アルブミン及び0.2Mクエン酸Naバッファーで希釈し、全てのサンプルを活性値70U/mL、タンパク質濃度6mg/mLで揃え、共雑タンパク質の影響を実験系から排除した。
参考例2と同様の方法で、酵素液温が45-75℃となるよう加熱を行った。加熱開始後30minの時点で酵素液を遠心分離し、上清を用いて加熱前の酵素活性に対する残存活性を測定した。
G165E,V173L-SHNL及び G165E,V173L,M174L-SHNLはWild-SHNLと比較して大きく熱安定性が向上し、両者とも70℃において活性が90%近く残存した(図21)。G165E,V173L-SHNLでは75℃において急激な失活が観察され、残存した活性は2%であった。一方で3つの改変部位を複合したG165E,V173L,M174L-SHNLは75℃において13%の活性が残存した。これらの結果より、個々の改変部位を1つの遺伝子上に複合することで、耐熱性を更に向上させられることが明らかとなった。
1.実験方法
1)酵素液の調製
大腸菌BL21(DE3)/pET21a/SHNL-Wild、BL21(DE3)/pET21a/SHNL-G165E,V173L、BL21(DE3)/pET21a/SHNL-G165E,V173L,M174Lを参考例2と同様の方法で培養し、酵素液を調製した。更にこれらの調製された酵素液をそれぞれ牛血製アルブミン及び0.2Mクエン酸Naバッファーで希釈し、全てのサンプルを活性値45U/mL、比活性値6.5U/mgで揃え、共雑タンパク質の影響を実験系から排除した。
エタノール及び酢酸エチルを用いて、参考例4と同様の方法で酵素液を処理し、残存活性を測定した。
エタノールを用いて酵素液を処理した結果、Wild-SHNLは処理16時間目で活性がほぼ消滅したが、改変部位複合G165E,V173L-SHNLは73%もの活性が残存した(図22)。参考例4、11で示されたようにアミノ酸1つの変異を持つActmt001-f2、V173L-SHNLにおいて、エタノールに対して16時間の処理後に20-30%活性が残存することから、改変部位複合SHNLは複合によりエタノール耐性が大幅に向上していたことが明らかとなった。
変異部位複合酵素G165E,V173L-SHNLを用いた光学活性シアノヒドリンの繰り返し合成反応を行い、酵素反応系での安定性についての検討を行った。また、改変により基質特異性が変化したり、不斉合成能力が消滅したりしている恐れがある。従って通常のSHNLと同様に光学活性シアノヒドリンの製造が行えることも合わせて確認した。
1)酵素液調製
大腸菌株BL21(DE3)/pET21a/SHNL-Wild 及びBL21(DE3)/pET21a/SHNL-G165E,V173Lを参考例2と同様の方法で培養し、酵素液を調製した。更にこれらの調製された酵素液にクエン酸ナトリウムバッファー(pH5.5)を加え、両者の活性を500 U/mLに揃えた。G165E,V173L-SHNL酵素液にはBSAを添加し、総タンパク質濃度をWild-SHNLと一致させた。これら酵素液0.3mLに対しシリカゲルを300mgの比率で混合し、固定化酵素を得た。
参考例5に示した反応条件で酵素反応を行った。ただし反応基質としてベンズアルデヒドの代わりに、2-クロルベンズアルデヒド(2CBA)を終濃度1.0Mで用いた。1時間毎にサンプルを回収し、反応液の2CBA濃度及び(R/S)-2-クロルマンデロニトリルの濃度を測定した。反応の終了は2-クロルベンズアルデヒドの転換率が95%を超えた時点と定義し、反応終了後に反応液4mLを回収した。引き続き同じ処理を行ったHCN/t-ブチルメチルエーテル溶液を同じ量添加し、ベンズアルデヒドを同じ量添加して、2回目の酵素反応を行った。2回目以降は反応終了後に反応液5mLを回収した。この反応操作を繰り返し行い、計4回の酵素反応を行った。
1)光学純度
G165E,V173L-SHNLは、4回の繰り返し反応において、平均95%eeの光学純度で(S)-2-クロルマンデロニトリルを生産した。一方でWild-SHNLも同様に95%ee程度の光学純度であった。従って、G165E,V173L-SHNLは光学活性シアノヒドリンの製造に関して、光学純度の点からはWild-SHNLとほぼ同等の能力を有していることが明らかとなった。
G165E,V173L-SHNLは、反応1回目において、Wild-SHNLと同様の速度で(S)-2-クロルマンデロニトリルを生産した。従って、G165E,V173L-SHNLは光学活性シアノヒドリンの製造に関して、生産性の点からはWild-SHNLと同等の能力を有していることが明らかとなった。反応を繰り返すに従い、両者とも酵素活性が低下し、反応速度が減少していくが、G165E,V173L-SHNLはWild-SHNLと比較して明らかに減少度合いが緩やかであった(図24)。従ってG165E,V173L-SHNLは、耐熱性だけではなく、酵素反応系での安定性も向上していることが明らかとなった。
SHNLのアミノ酸配列163番目を様々なアミノ酸で置換し、SHNLの耐熱性に対する影響を確認した。
1)変異導入
参考例8と同様、QuikChange XL Site-Directed Mutagenesis Kit (STRATAGENE社製)を用いた。鋳型としてpET21a/SHNL-Wild 10ngを用い、配列番号23及び配列番号24で示されるプライマーを用いて、伸長反応を行った。次に得られた反応産物をキット付属の制限酵素DpnIで消化した。
gccagttcat attcgccatc nnngcatttg gtgaacaggt tttca(配列番号24)
得られた制限酵素処理済反応産物を同じくキット付属のコンピテントセルXL10-Goldに形質転換し、LB(Amp)プレート上で培養した。この結果プレート上に得られたコロニーをLB(Amp)液体培地で再懸濁し、プラスミドpET21a/SHNL-SDThr163NNNを調製した。このプラスミドをコンピテントセルBL21(DE3)(Novagen社製)に形質転換を行い、BL21(DE3)/pET21a/SHNL-SDThr163NNN株を複数作成した。
作成した大腸菌株BL21(DE3)/pET21a/SHNL-SDThrNNN株を参考例2と同様の方法により培養した。これら培養液を用いて、参考例1と同様の選抜法により耐熱性が向上した改変株を選抜した結果、BL21(DE3)/pET21a/SHNL-SD163-1b5、BL21(DE3)/pET21a/SHNL-SD163-1f5、BL21(DE3)/pET21a/SHNL-SD163-1f7の改変株が加熱後も活性を有していた。次に、以下に示すプライマーを用いてこれら選抜された株を鋳型としてコロニーPCRを行い、更に得られたPCR産物を鋳型に同じプライマーを用いてシーケンス反応を行った。
Reverse primer: 5’- GCCAGTTCATATTCGCCATCNNNGCATTTGGTGAACAGGTTTTCA-3’(配列番号26)
1.実験方法
1)酵素液の調製
参考例20において構築された大腸菌株BL21(DE3)/pET21a/SHNL-T163D、BL21(DE3)/pET21a /SHNL- T163E及びBL21(DE3)/pET21a/SHNL-T163Sを参考例2と同様の方法で培養し、酵素液を調製した。更にこれらの調製された酵素液をそれぞれ牛血製アルブミン及び0.2Mクエン酸Naバッファーで希釈し、BL21(DE3)/pET21a/SHNL-T163D、BL21(DE3)/pET21a /SHNL- T163Eについては活性値70U/mL、タンパク質濃度7mg/mLとし、BL21(DE3)/pET21a/SHNL-T163Sについては活性値70U/mL、タンパク質濃度14mg/mLに調製した。比較としてそれぞれ同濃度に調製されたBL21(DE3)/pET21a/SHNL-Wildを用いた。
参考例2と同様の方法で、酵素液温が50-70℃となるよう加熱を行った。加熱開始後30minの時点で酵素液を遠心分離し、上清を用いて加熱前の酵素活性に対する残存活性を測定した。
T163S-SHNLはWild-SHNLと比較して大きく熱安定性が向上していた(図16)。またT163D-SHNL、T163E-SHNLも60℃における熱安定性はWild-SHNLを上回っていた。従ってヘリックスD3’を構成する163番目のアミノ酸トレオニンをアスパラギン酸、グルタミン酸、又はセリンで置換することでSHNLの熱安定性を向上できることが明らかとなった。
配列番号6−人工配列の説明:プライマー
配列番号7−人工配列の説明:プライマー
配列番号8−人工配列の説明:プライマー
配列番号9−人工配列の説明:プライマー
配列番号10−人工配列の説明:プライマー
配列番号11−人工配列の説明:プライマー
配列番号12−人工配列の説明:プライマー
配列番号13−人工配列の説明:プライマー
配列番号14−人工配列の説明:プライマー
配列番号15−人工配列の説明:プライマー
配列番号16−人工配列の説明:プライマー
配列番号17−人工配列の説明:プライマー
配列番号18−人工配列の説明:プライマー
配列番号19−人工配列の説明:プライマー
配列番号20−人工配列の説明:プライマー
配列番号21−人工配列の説明:プライマー
配列番号22−人工配列の説明:プライマー
配列番号23−人工配列の説明:プライマー
配列番号24−人工配列の説明:プライマー
配列番号25−人工配列の説明:プライマー
配列番号26−人工配列の説明:プライマー
Claims (6)
- キャッサバ(Manihot esculenta)由来の天然型S-ヒドロキシニトリルリアーゼのアミノ酸配列(配列番号2)において、36番目、140番目、及び209番目から選ばれるアミノ酸のうち、少なくとも1つを他のアミノ酸に置換して得られる、改変型S-ヒドロキシニトリルリアーゼ、あるいはパラゴムノキ(Hevea brasiliensis)由来の天然型S-ヒドロキシニトリルリアーゼのアミノ酸配列(配列番号3)において36番目、139番目、及び208番目から選ばれるアミノ酸のうち少なくとも1つを他のアミノ酸に置換して得られる、改変型S-ヒドロキシニトリルリアーゼ。
- キャッサバ(Manihot esculenta)由来の天然型S-ヒドロキシニトリルリアーゼのアミノ酸配列(配列番号2)において、以下のアミノ酸置換:
a) 36番目のロイシンのメチオニンへの置換、
b) 140番目のトレオニンのイソロイシンへの置換、
c) 209番目リジンのアスパラギンへの置換
から選ばれる少なくとも1つのアミノ酸置換を有する改変型S-ヒドロキシニトリルリアーゼ。 - さらに、以下のアミノ酸置換:
a) 21番目のリジンのアスパラギン酸、グルタミン酸、又はアスパラギンへの置換、
b) 165番目のグリシンのアスパラギン酸又はグルタミン酸への置換、
c) 173番目のバリンのロイシンへの置換、
d) 174番目のメチオニンのロイシンへの置換、及び
e) 163番目のトレオニンのアスパラギン酸、グルタミン酸、又はセリンへの置換
から選ばれる少なくとも1つのアミノ酸置換を有する請求項2に記載の改変型S-ヒドロキシニトリルリアーゼ。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の改変型S-ヒドロキシニトリルリアーゼのアミノ酸配列をコードするDNA。
- 請求項4記載のDNAを導入した宿主を培養し、得られる培養物からS-ヒドロキシニトリルリアーゼ活性を有するタンパク質を回収することを特徴とする、改変型S-ヒドロキシニトリルリアーゼの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の改変型S-ヒドロキシニトリルリアーゼをカルボニル化合物及びシアン化合物と接触させることを特徴とする光学活性シアノヒドリンの製造方法。
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