JP4494286B2 - 新規高活性改変型s−ヒドロキシニトリルリアーゼ - Google Patents

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Description

本発明は、新規な高活性改変型S-ヒドロキシニトリルリアーゼ(SHNL)に関する。より詳細には、特定部位のアミノ酸配列を改変して得られる天然型SHNLよりも活性が向上したSHNLに関する。
S-ヒドロキシニトリルリアーゼ(SHNL)は、青酸とアルデヒド、あるいはケトンとの反応を触媒し、光学活性を有するシアノヒドリン類を生成させる。光学活性シアノヒドリン類は医薬合成の中間体として重要であり、したがってSHNLは工業上で重要な酵素といえる。
SHNLとしては、例えば、キャッサバ(Manihot esculenta)由来のSHNL、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)由来のSHNL、又はイネ科植物であるモロコシ(Sorghum bicolor)由来のSHNLなどが知られている。しかしながら、酵素を生物より分離するコストが高額であるため、工業的には、天然の酵素に加えて組換え型SHNLが好適に用いられると期待される。
組換え型SHNLは、大腸菌や酵母等を宿主として製造することが出来るが、工業的にはさらにコストパフォーマンスを向上させるため、高活性化した改変型SHNLが望ましい。
一方、酵素の活性を高めるために、SHNLのアミノ酸配列の128番目のトリプトファンをアラニンに置換した改変型SHNLも開発されている(特許文献1、非特許文献1)。しかしながら、高活性化を目的としたSHNLの改変については、アミノ酸配列の128番目以外には未だ具体的な報告はない。
特開2000-125886号公報 Lauble et al. protein science. 2002 11:p65-71
本発明の課題は、天然のSHNLに比較して顕著に活性が向上した新規なSHNLを提供することにある。
発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討し、SHNLのアミノ酸を遺伝子工学的に置換することで、改変前の酵素に比較して著しく活性の向上した酵素が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、キャッサバ由来の天然型SHNLのアミノ酸配列(配列番号2)において、14番目、44番目、66番目、94番目、103番目、118番目、122番目、125番目、127番目、129番目、147番目、148番目、152番目、212番目及び216番目から選ばれるアミノ酸のうち、少なくとも1つを他のアミノ酸に置換して得られる、改変型SHNL、あるいはパラゴムノキ由来の天然型SHNLのアミノ酸配列(配列番号4)において、14番目、44番目、66番目、94番目、103番目、118番目、122番目、125番目、127番目、129番目、146番目、147番目、151番目、211番目及び215番目から選ばれるアミノ酸のうち、少なくとも1つを他のアミノ酸に置換して得られる、改変型SHNL、あるいは
キャッサバ又はパラゴムノキ由来の天然型SHNLのアミノ酸配列において128番目と129番目のアミノ酸の間に少なくとも1つのアミノ酸を挿入して得られる、改変型SHNLを提供する。
具体的には、キャッサバ(Manihot esculenta)由来の天然型SHNLのアミノ酸配列において、
a)14番目のヒスチジンのグルタミンへの置換、
b)44番目のアスパラギン酸のアスパラギンへの置換、
c)66番目のグルタミン酸のアスパラギン酸又はリジンへの置換
d)94番目のバリンのアラニン、システイン、ヒスチジン、リジン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン又はチロシンへの置換、
e)103番目のヒスチジンのグルタミンへの置換、
f)118番目のバリンのロイシンへの置換、
g)122番目のロイシンのイソロイシン、バリン、グリシン又はセリンへの置換、
h)125番目のフェニルアラニンのアスパラギン、システイン、ヒスチジン、グルタミン、アルギニン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン又はプロリンへの置換、
i)127番目のアスパラギン酸のグルタミン酸、アスパラギン、グリシンへの置換、
j)129番目のアルギニンのヒスチジンへの置換、
k)147番目のメチオニンのトレオニン、セリン、チロシン又はシステインへの置換、
l)148番目のリジンのアスパラギンへの置換、
m)152番目のバリンのアラニン又はグリシンへの置換、
n)212番目のロイシンのプロリンへの置換、及び
o)216番目のグルタミンのヒスチジンへの置換
から選ばれる少なくとも1つ以上のアミノ酸配列の改変を有する改変型SHNL、あるいは
キャッサバ又はパラゴムノキ由来の天然型SHNLのアミノ酸配列において128番目と129番目のアミノ酸の間にグリシンあるいはリジンを挿入して得られる改変型SHNLを提供する。
前記改変型SHNLは、さらに165番目のグリシンのグルタミン酸への置換、及び173番目のバリンのロイシンへの置換を含んでいてもよい。
例えば、キャッサバ由来の天然型SHNLのアミノ酸配列において、165番目のグリシンのグルタミン酸への置換、及び173番目のバリンのロイシンへの置換に加えて、さらに
d)94番目のバリンのアラニン、システイン、ヒスチジン、リジン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン又はチロシンへの置換、
g)122番目のロイシンのイソロイシン、バリン、グリシン又はセリンへの置換、
h)125番目のフェニルアラニンのアスパラギン、システイン、ヒスチジン、グルタミン、アルギニン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン又はプロリンへの置換、及び
o)216番目のグルタミンのヒスチジンへの置換、から選ばれる少なくとも1つ以上のアミノ酸配列の改変を複合して有する改変型SHNLは高い酵素活性を有する。
特に、キャッサバ由来の天然型SHNLのアミノ酸配列において、125番目のフェニルアラニンのアスパラギンへの置換、122番目のロイシンのセリンへの置換を有する改変型SHNL、又は前記2つの置換に加えてさらに216番目のグルタミンのヒスチジンへの置換を有する改変型SHNLは極めて高い酵素活性を有する。
本発明は、上記した改変型SHNLのアミノ酸配列をコードするDNAも提供する。
本発明の改変型SHNLは、前記DNAを適当な宿主に導入して培養し、得られる培養物からSHNL活性を有するタンパク質を回収することで、容易に製造することができる。
得られた改変型SHNLは、天然型SHNLに比較して高い酵素活性を有し、カルボニル化合物及びシアン化合物から高純度の光学活性シアノヒドリンを製造できる。本発明は、そのような改変型SHNLの製造方法とこれを利用した光学活性シアノヒドリンの製造方法も提供する。
本発明の高活性改変型SHNLは、従来の酵素に比較して酵素活性が著しく向上している。よって、光学活性シアノヒドリンの工業的生産の向上が可能になる。
以下、本発明について詳細に説明する。
1.天然型S-ヒドロキシニトリルリアーゼ
本発明において、「天然型S-ヒドロキシニトリルリアーゼ(以下SHNLと略記する)」とは、植物から単離・精製されたSHNL、あるいは当該SHNLと同じアミノ酸配列を有するSHNLを意味する。前記天然型SHNLの由来は特に限定されず、例えば、モロコシ(Sorghum bicolor)などのイネ科植物由来のSHNL、キャッサバ(Manihot esculenta)やパラゴムノキ(Hevea brasiliensis)などのトウダイグサ科植物由来のSHNL、キシメニア(Ximenia america)などのボロボロノキ植物由来のSHNL等を挙げることができる。これらSHNLのアミノ酸配列や遺伝子の塩基配列は既に公知であり、GenBank等の公共データベースを通じて容易に入手することができる。例えば、パラゴムノキ由来SHNL遺伝子はAccession No.U40402(配列番号3はU40402のCDSに該当)、キャッサバ由来のSHNL遺伝子はAccession No. Z29091、モロコシ由来SHNL遺伝子はAccession No.AJ421152として、それぞれGenBankに登録されている。
図1は、キャッサバ(Manihot esculenta)及びパラゴムノキ(Hevea brasiliensis)由来のSHNLのアミノ酸配列をアラインメントしたものである。両SHNLのアミノ酸の相同性は74%であり、個々のアミノ酸は必ずしも完全に同一ではない。例えば、パラゴムノキ由来のSHNLでは、キャッサバ由来のSHNLの139番に該当するアミノ酸が欠失しているため、ヘリックスD3’領域のアミノ酸番号が1つずれている。すなわち、キャッサバ由来のSHNLのアミノ酸配列(配列番号2)において14番目、44番目、66番目、94番目、103番目、118番目、122番目、125番目、127番目、128番目、129番目、147番目、148番目、152番目、212番目及び216番目のアミノ酸は、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)由来のSHNLのアミノ酸配列(配列番号4)において、それぞれ14番目、44番目、66番目、94番目、103番目、118番目、122番目、125番目、127番目、128番目、129番目、146番目、147番目、151番目、211番目及び215番目のアミノ酸に該当する。しかしながら、キャッサバ由来のSHNLとパラゴムノキ由来のSHNLは、いずれもα/βヒドロラーゼスーパーファミリーに属し、その立体構造は酷似している。従って、キャッサバ由来のSHNLによるアミノ酸配列の改変効果から、パラゴムノキ由来のSHNLについても該当部位のアミノ酸配列の改変により同様の効果を期待することができる。
2.改変型S-ヒドロキシニトリルリアーゼ
本発明は、キャッサバあるいはパラゴムノキ由来の天然型SHNLのアミノ酸配列において、特定部位のアミノ酸配列を改変(置換あるいは挿入)して得られる、高活性改変型SHNLに関する。具体的には:
キャッサバ由来の天然型SHNLのアミノ酸配列(配列番号2)において、14番目、44番目、66番目、94番目、103番目、118番目、122番目、125番目、127番目、129番目、147番目、148番目、152番目、212番目及び216番目から選ばれるアミノ酸のうち、少なくとも1つを他のアミノ酸に置換して得られる改変型SHNL;
パラゴムノキ由来の天然型SHNLのアミノ酸配列(配列番号4)において、14番目、44番目、66番目、94番目、103番目、118番目、122番目、125番目、127番目、129番目、146番目、147番目、151番目、211番目及び215番目から選ばれるアミノ酸のうち、少なくとも1つを他のアミノ酸に置換して得られる改変型SHNL;及び
キャッサバあるいはパラゴムノキ由来の天然型SHNLのアミノ酸配列(配列番号2又は4)において128番目と129番目のアミノ酸の間に少なくとも1つのアミノ酸を挿入して得られる、改変型SHNLに関する。
より具体的には、配列番号2に示されるアミノ酸配列において、
a)14番目のヒスチジンのグルタミンへの置換、
b)44番目のアスパラギン酸のアスパラギンへの置換、
c)66番目のグルタミン酸のアスパラギン酸、リジン又はアルギニンへの置換
d)94番目のバリンのアラニン、システイン、ヒスチジン、リジン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン又はチロシンへの置換、
e)103番目のヒスチジンのグルタミンへの置換、
f)118番目のヒスチジンのグルタミンへの置換、
g)122番目のロイシンのイソロイシン、バリン、グリシン又はセリンへの置換、
h)125番目のフェニルアラニンのアスパラギン、システイン、ヒスチジン、グルタミン、アルギニン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン又はプロリンへの置換、
i)127番目のアスパラギン酸のグルタミン酸、アスパラギン、グリシンへの置換、
j)129番目のアルギニンのヒスチジンへの置換、
k)147番目のメチオニンのトレオニン、セリン、チロシン又はシステインへの置換、
l)148番目のリジンのアスパラギンへの置換、
m)152番目のバリンのアラニン又はグリシンへの置換、
n)212番目のロイシンのプロリンへの置換
o)216番目のグルタミンのヒスチジンへの置換
から選ばれる少なくとも1つ以上のアミノ酸配列の改変を有する改変型SHNL、若しくは、キャッサバ又はパラゴムノキ由来の天然型SHNLのアミノ酸配列(配列番号2又は4)において128番目と129番目のアミノ酸の間にグリシンあるいはリジンを挿入して得られる改変型SHNLを挙げることができる。
さらに、上記改変部位を複合させたSHNLはより高い活性を有する。例えば、キャッサバ由来の天然型SHNLのアミノ酸配列(配列番号2)において、前記94番目、122番目、125番目、216番目のアミノ酸置換を複合させた改変型SHNLは高い酵素活性を有する。なかでも、125番目のフェニルアラニンのアスパラギンへの置換、122番目のロイシンのセリンへの置換を有する改変型SHNL、又はさらに216番目のグルタミンのヒスチジンへの置換を有する改変型SHNLは極めて高い酵素活性を有する。
こうしたアミノ酸の置換及び挿入は、周知の方法に従い、当該アミノ酸配列をコードする遺伝子に部位特異的変異を導入すればよい。そのような部位特異的変異は、市販のキット(例えば、QuikChange XL Site-Directed Mutagenesis kit(STRATAGENE)、TransformerTMSite-Directed Mutagenesis Kit(CLONTECH)等)を用いて容易に行うことができる。本発明の改変型SHNLは、天然型SHNLと比較して酵素活性が高く、光学活性シアノヒドリンの工業的生産工程において非常に有用な酵素といえる。
3.高活性改変型S-ヒドロキシニトリルリアーゼの製造
3.1 高活性改変型SHNLをコードするDNA
本発明にかかる改変型SHNLタンパク質をコードするDNAは、公知の天然型SHNL遺伝子に、部位特異的変異を導入して得られる。すなわち、置換部位のコドンを目的とするアミノ酸をコードするコドンに改変しうるプライマーを設計し、該プライマーを用いて天然型SHNLをコードするDNAを鋳型として伸長反応を行えばよい。部位特的変異導入は、市販のキット(例えば、QuikChange XL Site-Directed Mutagenesis kit(STRATAGENE)、TransformerTM Site-Directed Mutagenesis Kit(CLONTECH)等)を用いて容易に行うことができる。
3.2 組換えベクター
次いで、前記高活性改変型SHNLをコードするDNAをプラスミド等の公知のベクターに連結(挿入)して組換えベクターを作製する。前記ベクターは宿主中で複製可能なものであれば特に限定されず、例えばプラスミドDNA、ファージDNA等が挙げられる。
前記プラスミドDNAとしては、大腸菌由来のプラスミド(例えば pBR322, pBR325, pUC18, pUC119, pHCE IIB, pTrcHis, pBlueBacHis 等、特に強力なT7プロモーターを有するpET21ベクターが好ましい)、枯草菌由来のプラスミド(例えば pUB110, pTP5 等)、酵母由来のプラスミド(例えば YEp13, YEp24, YCp50, pYE52 等)などが、ファージ DNAとしてはλファージ等が挙げられる。
前記ベクターへの本発明の遺伝子の挿入は、まず、精製されたDNAを適当な制限酵素で切断し、ベクターDNAの適当な制限酵素部位又はマルチクローニングサイトに挿入してベクターに連結する方法が採用される。
宿主内で外来遺伝子を発現させるためには、構造遺伝子の前に、適当なプロモーターを配置させる必要がある。前記プロモーターは特に限定されず、宿主内で機能することが知られている任意のものを用いることができる。なおプロモーターについては、後述する形質転換体において、宿主ごとに詳述する。また、必要であればエンハンサー等のシスエレメント、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、リボソーム結合配列(SD配列)、ターミネーター配列等を配置させてもよい。
3.3 改変型SHNL発現系(形質転換体)
次いで、前記組換えベクターを目的遺伝子が発現しうるように宿主中に導入し、改変型SHNL発現系を作製する。ここで宿主としては、本発明のDNAを発現できるものであれば特に限定されず、例えば、エッシェリヒア・コリ(Escherichia coli)等のエッシェリヒア属、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)等のバチルス属、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)等のシュードモナス属、リゾビウム・メリロテイ(Rhizobium meliloti)等のリゾビウム属に属する細菌、またサッカロミセス・セルビシエ(Saccharomyces cervisiae)、チゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces. pombe)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)等の酵母、その他COS細胞、CHO細胞等の動物細胞、あるいはSf19、Sf21等の昆虫細胞を挙げることができる。
大腸菌等の細菌を宿主とする場合は、本発明の組換えベクターが該細菌中で自律複製可能であると同時に、プロモーター、リボゾーム結合配列、本発明の遺伝子、転写終結配列により構成されていることが好ましい。また、プロモーターを制御する遺伝子が含まれていてもよい。大腸菌としては、例えば、エッシェリヒア・コリ(Escherichia coli)HMS174(DE3)、K12、DH1、B株等が挙げられ、枯草菌としては、例えば、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)MI 114、207-21等が挙げられる。プロモーターとしては、大腸菌等の上記宿主中で発現できるものであれば特に限定されず、例えば、trpプロモーター、lacプロモーター、PLプロモーター、PRプロモーター等の、大腸菌やファージに由来するプロモーターが挙げられる。また、tacプロモーター等のように、人為的に設計改変されたプロモーターを用いてもよい。細菌への組換えベクターの導入方法は、特に限定されず、例えば、カルシウムイオンを用いる方法[Cohen, S.N. et al.:Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 69:2110-2114 (1972)]や、エレクトロポレーション法等を挙げることができる。
酵母を宿主とする場合は、例えば、サッカロミセス・セレビシエ、シゾサッカロミセス・ポンベ、ピキア・パストリス等が用いられる。プロモーターとしては、酵母中で発現できるものであれば特に限定されず、例えば、gal1プロモーター、gal10プロモーター、ヒートショックタンパク質プロモーター、MFα1プロモーター、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター、AOX1プロモーター等を挙げることができる。酵母へのベクターの導入方法は、特に限定されず、例えば、エレクトロポレーション法[Becker, D.M. et al.:Methods. Enzymol., 194: 182-187 (1990)]、スフェロプラスト法[Hinnen, A.et al.:Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 75: 1929-1933 (1978)]、酢酸リチウム法[Itoh, H.:J. Bacteriol., 153:163-168 (1983)]等を挙げることができる。
3.4 形質転換体の培養
本発明の改変型SHNLは、本発明の形質転換体を適当な培地で培養し、その培養物から該酵素活性を有するタンパク質を採取することによって得ることができる。本発明の形質転換体を培養する方法は、宿主に応じて、適宜決定される。例えば、大腸菌や酵母等の微生物を宿主とする形質転換体の場合は、微生物が資化しうる炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体を効率的に培養しうる培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いても良い。
培養中は必要に応じてアンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加しても良い。プロモーターとして誘導性のものを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養する場合は、必要に応じてインデューサーを培地に添加しても良い。例えば、lacプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養する場合は、イソプロピル-β-チオガラクトピラノシド(IPTG)等を、trpプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養する場合は、インドールアクリル酸(IAA)等を培地に添加しても良い。
培養後、本発明の酵素タンパク質が菌体内又は細胞内に生産される場合は、菌体又は細胞を破砕する。一方、本発明のタンパク質が菌体外又は細胞外に分泌される場合は、培養液をそのまま用いるか、遠心分離等によって回収する。
タンパク質の単離・精製には、例えば硫安沈澱、SDS−PAGE、ゲルろ過、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を単独であるいは適宜組み合わせて用いればよい。
本発明の改変型SHNLの酵素活性は、基質となりうる適当なシアン化合物とアルデヒド、あるいはケトンを含む反応液に該酵素を添加し、生成する光学活性シアノヒドリンを検出することにより確認することができる。光学活性シアノヒドリンの確認は、例えば、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等を用いることができる。あるいは、本発明の改変型SHNLに特異的に結合する抗体を作製し、該抗体を用いたウェスタンブロッティングによって発現を確認することもできる。例えば、SHNLの酵素活性は、マンデロニトリルのSHNLによる分解によって生じるアルデヒドの単位時間あたりの生成量(波長249.6nmにおける吸光度から算出)を測定することによって確認できる。
本発明の改変型SHNLの製造法としては、例えば、特開平10-373246号、特開平10-373248号、特開平11-367251号を参考にすることができる。
4.高活性改変型SHNLによる光学活性シアノヒドリンの合成
本発明の改変型SHNLは、天然型SHNLよりも高い生産効率で光学純度の高い光学活性シアノヒドリンを合成できる。本発明の高活性改変型SHNLを用いた光学活性シアノヒドリンの合成は、天然型SHNLと全く同様の方法で実施できる。
すなわち、反応溶媒中に、本発明の改変型SHNL及び反応基質を加え、反応温度10〜50℃において、20分間〜24時間反応させることによって、光学活性シアノヒドリンを合成することができる。反応時間は、基質の転換速度に応じて適宜調整する。反応基質としては、カルボニル化合物及びシアン化合物を使用することができる。カルボニル化合物は、COR1R2で示されるアルデヒド又はケトンであり、R1とR2は水素原子、置換又は非置換の炭素数1〜18の線状又は分枝鎖状の飽和アルキル基、あるいは置換又は非置換の環員が5〜22の芳香族基である(ただし、R1とR2は同時に水素原子を表すことはない)。シアン化合物は、シアン化物イオン(CN-)を生じる物質であれば特に限定されず、例えば、シアン化ナトリウムやシアン化カリウムなどのシアン化水素塩、アセトンシアンヒドリンなどのシアノヒドリン類を用いることができる。
反応溶媒としては、反応系内に水が大量に存在すると、酵素反応によって生成した光学活性シアノヒドリンのラセミ化が起こりやすくなったり、水に対する溶解度の小さいアルデヒド又はケトンを原料として用いる場合には生産効率が低下するなどの点から、水に難溶又は不溶である有機溶媒を主成分とする反応溶媒を用いることが好ましい。このような有機溶媒としては、酵素反応による光学活性シアノヒドリンの合成反応に影響を与えないものであれば特に制限はなく、合成反応に用いる原料のアルデヒド又はケトンの物性、生成物であるシアノヒドリンの物性に応じて適宜選択することができる。具体的には、ハロゲン化されていてもよい脂肪族又は芳香族の直鎖状又は分枝状又は環状の飽和又は不飽和炭化水素系溶媒、例えば、ペンタン、ヘキサン、トルエン、キシレン、塩化メチレンなど;ハロゲン化されていてもよい脂肪族又は芳香族の直鎖状又は分枝状又は環状の飽和又は不飽和アルコール系溶媒、例えば、イソプルピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、n−アミルアルコールなど;ハロゲン化されていてもよい脂肪族又は芳香族の直鎖状又は分枝状又は環状の飽和又は不飽和エーテル系溶媒、例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソピルエーテル、ジブチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテルなど;ハロゲン化されていてもよい脂肪族又は芳香族の直鎖状又は分枝状又は環状の飽和又は不飽和エステル系溶媒、例えば、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチルなどが挙げられ、これらを単独で用いても、また複数を混合して用いてもよい。また、上記溶媒は水又は水系の緩衝液を含有又は飽和させたものを用いることもできる。
工業的生産工程において、改変型SHNLは適当な無機担体に固定化させた固定化酵素として用いてもよい(例えば、特開2002-176974号参照)。本発明の改変型SHNLを用いたシアノヒドリンの好適な合成方法としては、例えば、特開2002-355085号、特開2002-176974号、特開2001-363840号、特開2001-346596号、特開2001-190275号、特開2000-245286、特開2001-120289号、特開2000-217590号等に記載された方法を挙げることができる。
以下、実施例を用いて本発明についてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1:ランダム変異SHNLライブラリーからの高活性変異SHNLのスクリーニング
[材料及び方法]
1)ランダム変異SHNLライブラリー
本発明で用いたSHNL遺伝子は、キャッサバ(Manihot esculenta)よりクローニングされたSHNLの遺伝子配列を大腸菌型のコドンに変換した配列(配列番号1:特願2002-365675(以下、このSHNL遺伝子を「SHNL-Wild」と記載する))を用いた。この遺伝子を鋳型に、GeneMorphTMPCR Mutagenesis Kit (STRATAGENE社製)を用いたError prone PCRにより無作為な変異の導入を行った。PCRには下記の配列を有するプライマーを用いた。
Forward primer:5’-GGG GGG GAA TTC ATG GTT ACT GCA CAC TTC GTT CTG ATT CAC-3’(配列番号5)
Reverse primer:5’-GGG GGG AAG CTT TTA AGC GTA TGC ATC AGC AAC TTC TTG CAG-3’(配列番号6)
得られたランダム変異SHNL遺伝子をベクタープラスミドpKK223-3(アマシャム・バイオサイエンス社製)のマルチクローニングサイトに挿入し、更に大腸菌Escherichia coliDH5αに形質転換することでランダム変異SHNLライブラリーを作製した。作製したランダム変異SHNLライブラリーはグリセロールストック法により凍結保存された。
2)高活性変異酵素のスクリーニング
前記ランダム変異SHNLライブラリークローンを表1に示されるNS-1培地が分注されたディープウェルプレートに接種し、37℃、900rpmの条件で振盪培養を行った。ランダム変異SHNLライブラリークローンの培養に当たっては、比較として同一プレート上にSHNL-Wild遺伝子組み換え大腸菌株をコントロールとして複数接種した。
Figure 0004494286
菌体が十分増殖した後、スクリーニングロボットシステム(Beckman coulter社製)を用いて培養液を一部サンプリングし、適宜蒸留水で希釈した後、波長660nmにおける吸光度を測定し、細胞密度を算出した。同様にスクリーニングロボットシステムを用いて基質溶液を300μLずつ分注したディープウェルプレートに、培養液10μLを添加し、振盪により酵素反応を行った。10min後にリン酸を30μL添加し、反応を停止させ、遠心により反応液と細胞を分離した。分離した反応液をUVプレートに移し、プレートリーダー(GENios:TECAN社製)により波長250nmにおける吸光度を測定し、SHNL活性値とした。この活性値を基に、単位細胞密度あたりの活性値を算出し、SHNL-Wild遺伝子組み換え大腸菌株と比較して単位細胞密度あたりの活性値が増加しているクローンの選抜を行った。
本スクリーニングで選抜されたクローンは、プラスミド抽出を行い、これを鋳型とした配列解析により変異部位の特定をした。
[結果]
スクリーニングロボットシステムを用いて選抜されたランダム変異SHNLライブラリークローンの評価結果を表2に示した。この結果より、SHNLのアミノ酸配列(配列番号2)の14番目、44番目、66番目、94番目、103番目、118番目、125番目、127番目、129番目、147番目、148番目、152番目、212番目及び216番目から選ばれるアミノ酸のうち、少なくとも1箇所を他のアミノ酸に置換することで、SHNLの活性が1.2から6.7倍まで向上することが明らかとなった。
Figure 0004494286
実施例2:SHNLのアミノ酸配列の125番目のアミノ酸の置換
実施例1で行った検討から、Wild-SHNLのアミノ酸配列(配列番号2)の125番目のアミノ酸フェニルアラニンがチロシンに置換された高活性変異株を得た。そこでSHNLのアミノ酸配列の125番目に部位特異的変異を導入し、125番目のアミノ酸を様々なアミノ酸で置換することで、更なる高活性変異SHNLの獲得を図った。
[材料及び方法]
部位特異的変異導入にはQuikChange XL Site-Directed Mutagenesis Kit (STRATAGENE社製)を用い、SHNLの125番目のアミノ酸を様々なアミノ酸と置換した。鋳型としてはSHNL-G165E,V173L遺伝子(Wild-SHNLのアミノ酸配列において165番目のGlyがGluに、173番目のValがLeuに置換されるように改変されたSHNL遺伝子:配列番号25 以下この遺伝子をVer.0と呼ぶ)が組み込まれたベクタープラスミドSHNL-G165E,V173L/pKK223-3(以下このプラスミドをVer.0/pKKと呼ぶ)10ngを用いた(参考例参照)。プライマーは下記のものを用いた。
Forward primer:5’-GTT GAA AAG CTG CTG GAA TCG NNN CCG GAC TGG CGT GAC ACA G-3’(配列番号7)
Reverse primer:5’-CTG TGT CAC GCC AGT CCG GNN NCG ATT CCA GCA GCT TTT CAA C-3’(配列番号8)
得られた伸張反応産物を制限酵素DpnIで処理した後、コンピテントセルDH5αに形質転換し、変異株遺伝子を含む大腸菌株を作製した。これら変異株遺伝子を含む大腸菌株をそれぞれ培養した後、細胞を破砕し、破砕液上清を用いて、SHNL活性、タンパク質濃度を測定した。酵素活性測定はDL-マンデロニトリルを基質として、マンデロニトリルが酵素により分解されて精製するベンズアルデヒドの生成速度を249.6nmの吸光度変化の測定から算出し、SHNL活性とした。タンパク質濃度はBCA protein assay kit (Pierce社製)を用い、BSAを標準品として測定した。これらの結果より比活性を算出し、変異導入前のベクタープラスミドVer.0/pKK223-3を含む大腸菌株Ver.0 /pKK223-3/DH5αの培養により得られる比活性値と比較した。比較の結果、比活性の向上が見られた株について配列解析を行い、改変されたアミノ酸を特定した。
[結果]
配列解析の結果、125番目のアミノ酸がアスパラギン、システイン、ヒスチジン、グルタミン、アルギニン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、プロリンに置換されたSHNLは、変異導入前のSHNL(125番目のアミノ酸:フェニルアラニン)に比べて大幅な比活性の向上が確認された(表3)。
Figure 0004494286
実施例3:SHNLのアミノ酸配列の216番目のアミノ酸の置換
実施例1の検討結果から、SHNLのアミノ酸配列の216番目のグルタミンをイソロイシンに置換することにより高活性変異SHNLが得られることがわかった。そこでSHNLのアミノ酸配列の216番目に部位特異的変異を導入して、様々なアミノ酸に置換することにより、更なる活性向上の可能性について検討した。
[材料及び方法]
実施例2と同様の方法により、SHNLの216番目のアミノ酸を様々なアミノ酸に置換した。鋳型も同様にVer.0 /pKK223-3を使用した。プライマーは下記のものを用いた。
Forward primer:5’-CAA AAT ATT CCT GCC GGA CTT CNN NCG CTG GCA AAT TGC AAA CTA CA-3’(配列番号9)
Reverse primer:5’-TGT AGT TTG CAA TTT GCC AGC GNN NGA AGT CCG GCA GGA ATA TTT TG-3’(配列番号10)
得られたDpnI処理済伸張反応産物をコンピテントセルDH5αに形質転換し、変異株遺伝子を含む大腸菌株を作成した。作製した変異株遺伝子を含む大腸菌株をそれぞれ培養し、変異導入前の遺伝子を含む大腸菌株Ver.0 /pKK223-3/DH5αと比活性を比較した。比較の結果、比活性の向上が見られた株について配列解析を行い、改変されたアミノ酸を特定した。
[結果]
高活性変異株として選抜されたクローンは全て216番目のアミノ酸がヒスチジンに置換されたSHNLであり、天然型配列であるグルタミンに比べ大幅な比活性の向上が見られた。
実施例4:SHNLのアミノ酸配列の94番目のアミノ酸の置換
実施例1の検討結果から、SHNLのアミノ酸配列の94番目のバリンをアラニンに置換することにより高活性変異SHNLが得られることがわかった。そこでSHNLのアミノ酸配列の94番目に部位特異的変異を導入して、様々なアミノ酸に置換することにより、更なる高活性変異SHNLの獲得を図った。
[材料及び方法]
実施例2と同様の方法により、SHNLの94番目のアミノ酸を様々なアミノ酸に置換した。鋳型も同様にVer.0 /pKK223-3を使用した。プライマーは下記のものを用いた。
Forward primer:5’-TGC TAT TGC TGC TGA TCG TTA CNN NGA CAA AAT TGC AGC TGG CGT TT-3’(配列番号11)
Reverse primer:5’- AAA CGC CAG CTG CAA TTT TGT CNN NGT AAC GAT CAG CAG CAA TAG CA-3’(配列番号12)
得られた伸張反応産物を制限酵素DpnIで処理した後、コンピテントセルDH5αに形質転換し、変異株遺伝子を含む大腸菌株を作成した。作製した変異株遺伝子を含む大腸菌株をそれぞれ培養し、変異導入前の遺伝子を含む大腸菌株Ver.0/pKK223-3/DH5αと比活性を比較した。比較の結果、比活性の向上が見られた株について配列解析を行い、改変されたアミノ酸を特定した。
[結果]
配列解析の結果、94番目のアミノ酸がアラニン、システイン、ヒスチジン、リジン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンに置換されたSHNLは変異導入前のSHNL(94番目のアミノ酸:バリン)に比べて大幅な比活性の向上が確認された(表4)。
Figure 0004494286
実施例5:SHNLのアミノ酸配列の147番目のアミノ酸の置換
実施例1の検討結果から、SHNLのアミノ酸配列の147番目のメチオニンをバリン又はイソロイシンに置換することにより高活性変異SHNLが得られることがわかった。そこでSHNLのアミノ酸配列の147番目に部位特異的変異を導入して、様々なアミノ酸に置換することにより、更なる高活性変異SHNLの獲得を図った。
[材料及び方法]
実施例2と同様の方法により、SHNLの147番目のアミノ酸を様々なアミノ酸に置換した変異株遺伝子を含む大腸菌株を作製した。鋳型としては、SHNL-Wild遺伝子がベクターpET21a(Novagen社製)に組み込まれたベクタープラスミドSHNL-Wild/pET21a10ngを用い、下記のプライマーを用いて伸張反応を行った。
Forward primer:5’-GGC GAA ACC ATC ACT ACC NNN AAA CTG GGT TTC GTT CTG CTG -3’(配列番号13)
Reverse primer:5’-CAG CAG AAC GAA ACC CAG TTT NNN GGT AGT GAT GGT TTC GCC-3’(配列番号14)
変異導入後のベクタープラスミドは制限酵素DpnIで処理した後、BL21(DE3)に形質転換した。実施例2と同様に、変異導入前の遺伝子を含む大腸菌株SHNL-Wild/pET21a/BL21(DE3)と比活性を比較した。比較の結果、比活性の向上が見られた株について配列解析を行い、改変されたアミノ酸を特定した。
[結果]
配列解析の結果、147番目のアミノ酸がトレオニン、セリン、チロシン、システインに置換されたSHNLは変異導入前のSHNL(147番目のアミノ酸:メチオニン)に比べて大幅な比活性の向上が確認された(表5)。
Figure 0004494286
比較例1:SHNLのアミノ酸配列の128番目のアミノ酸の置換
酵素の基質受容性を改良した変異SHNL(特開2000-125886号)を作製し、酵素活性についてWild-SHNLと比較した。
[材料及び方法]
実施例2と同様の方法により、SHNLの128番目のトリプトファンをアラニンに置換した変異株遺伝子を含む大腸菌株を作製した。鋳型としては、SHNL-Wild遺伝子がベクターpET21a (Novagen社製)に組み込まれたベクタープラスミドSHNL-Wild/pET21a 10ngを用いた。変異導入用プライマーは下記の配列を有するものを使用した。変異導入後のベクタープラスミドは制限酵素DpnIで処理した後、BL21(DE3)へ形質転換した。実施例2と同様に、変異導入前の遺伝子を含む大腸菌株SHNL-Wild/pET21a/BL21(DE3)と比活性を比較した。
Forward primer:5’-CTG CTG GAA TCG TTC CCG GAC GCA CGT GAC ACA GAA TAT TTC ACG-3’(配列番号15)
Reverse primer:5’-CGT GAA ATA TTC TGT GTC ACG TGC GTC CGG GAA CGA TTC CAG CAG-3’(配列番号16)
[結果]
酵素の基質受容性を改良した酵素Trp128Ala-SHNLは活性値25.5U/mL-broth、比活性値は8.9U/mg-proteinであった。同条件で培養された酵素Wild-SHNLは比活性値9.8U/mg-proteinであった。すなわち、本検討で用いた測定条件下では、酵素Trp128Ala-SHNLの活性値は酵素Wild-SHNLと同程度であることが確認された。なお、実施例1で得られた128番目のトリプトファンがロイシン、システイン、又はセリンに置換された変異株(表2のstrain 005F6, 033D10, 046D9)の活性値も、酵素Wild-SHNLの1.1から2倍程度の活性向上に留まるものであった。本発明においては、実施例1から5で示されるように2倍から10倍以上活性が向上した変異酵素が得られている。従って、本発明の高活性変異SHNLはきわめて有用であることが示された。
実施例6:SHNLのアミノ酸配列の122番目のアミノ酸の置換
実施例1から5の検討結果から、SHNLの特定部位のアミノ酸を他のアミノ酸に置換することで高活性変異SHNLが得られることが明らかとなった。そこでPDB(プロテインデータバンク)に収録されているSHNLの3次元構造のデータを基に、既に得られた高活性変異SHNLの変異部位の近傍に位置する122番目のアミノ酸に部位特異的変異を導入し、様々なアミノ酸に置換することにより、更なる高活性変異SHNLの獲得を図った。
[材料及び方法]
実施例2と同様の方法を用いて、SHNLの122番目のアミノ酸を様々なアミノ酸と置換した変異株遺伝子組換え大腸菌株を作成した。鋳型としては、SHNL-Wild遺伝子がベクターpET21a(Novagen社製)に組み込まれた Ver.0/pET21aプラスミド10ngを用いた。プライマーは下記のものを用いた。
Forward primer:5’-GTC TTA CAC TGT TGA AAA GCT GNN NGA ATC GTT CCC GGA CTG GCG TG-3’(配列番号17)
Reverse primer:5’- CAC GCC AGT CCG GGA ACG ATT CNN NCA GCT TTT CAA CAG TGT AAG AC-3’(配列番号18)
変異導入後のプラスミドはBL21(DE3)へ形質転換された。実施例2と同様に、変異導入前株であるSHNL-Wild/pET21a/BL21(DE3)と比活性を比較した結果、比活性の向上が見られた株に関して配列解析を行い、改変されたアミノ酸を特定した。
[結果]
122番目のアミノ酸がイソロイシン、バリン、グリシン、又はセリンに置換されたSHNLは変異導入前の天然型SHNL(122番目のアミノ酸:ロイシン)に比べて比活性の向上が見られた(表6)。
Figure 0004494286
実施例7:SHNLのアミノ酸配列の128-129間へのアミノ酸の挿入
[材料及び方法]
実施例2と同様の方法により、SHNLの128、129番目のアミノ酸の間に新たなアミノ酸を挿入した変異株遺伝子を含む大腸菌株を作製した。鋳型としては、SHNL-Wild遺伝子がベクターpET21aに組み込まれたベクタープラスミドSHNL-Wild/ pET21a 10ngを用いた。プライマーは下記のものを用いた。
Forward primer:5’-GAA TCG TTC CCG GAC TGG NNN CGT GAC ACA GAA TAT TTC-3’
(配列番号19)
Reverse primer:5’-GAA ATA TTC TGT GTC ACG NNN CCA GTC CGG GAA CGA TTC-3’
(配列番号20)
変異導入後のベクタープラスミドは制限酵素DpnIで処理した後、BL21(DE3)に形質転換した。実施例2と同様に、変異導入前の遺伝子を含む大腸菌株SHNL-Wild/pET21a/BL21(DE3)と比活性を比較した。その結果、比活性の向上が見られた株について配列解析を行い、挿入されたアミノ酸を特定した。
[結果]
配列解析の結果、128、129番目のアミノ酸の間にグリシン、又はリジンが挿入されたSHNLは天然型SHNLに比べて比活性の向上が見られた(表7)。
Figure 0004494286
実施例8:変異部位の複合による高活性変異SHNLの構築とジャーファーメンターによる培養
[材料及び方法]
実施例2と同様にして、QuikChange XL Site-Directed Mutagenesis Kitを用いて、Ver.0遺伝子に部位特異的変異導入を行い、SHNLの94番目、122番目、125番目、及び216番目のアミノ酸が様々なアミノ酸で置換されたSHNLをコードする変異部位複合高活性変異SHNL遺伝子を得た。この方法により得られた変異部位複合高活性変異SHNL遺伝子を保持するベクタープラスミドpET21aをコンピテントセルBL21(DE3)又はBL21(DE3)Ster(Novagen社製)に形質転換し、変異部位複合高活性変異SHNL遺伝子を含む大腸菌株を作製した。
作製した変異部位複合高活性変異SHNL遺伝子を含む大腸菌株をLB培地5mLに接種し、37℃で16hrの復元培養を行った。この復元培養液2mLを、表8に示されるNS-2培地 50mLに接種し、15℃で48hrシード培養を行った。
Figure 0004494286
得られたシード培養液24mLを1.2LのNS-2培地に接種し、2L容のジャーファーメンターを用いて通気攪拌培養を行った。培養は培養温度15℃、通気量1vvm(1.2L/min)、攪拌速度680rpmの条件で実施した。定常期に達した段階で培養を終了し、得られた培養液を6000xG、30minの条件で遠心分離し、菌体を回収した。回収した菌体を秤量し、菌体重量の2倍重量の0.2M Na-citrate buffer (pH5.5)を添加して細胞を懸濁させた後、加圧型ホモジェナイザーを用いて700−800barの条件で3回破砕処理を行った。この破砕液を50℃、2hrの条件で加熱処理し6000xG、30minの条件で遠心分離を行い、細胞破砕液上清を得た。この破砕液上清を用いて、SHNL活性及びタンパク質濃度を測定した。これらの結果より比活性を算出し、変異導入前の遺伝子を含む大腸菌株Ver.0 /pET21a/BL21(DE3)の培養により得られる比活性値と比較した。比較の結果、比活性の向上が見られた株について配列解析を行い、置換されたアミノ酸を特定した。また、比較のために、比較例1で構築されたSHNL-W128A/pET21a/BL21(DE3)を同様の方法で培養し、比活性を算出した。
[結果]
変異部位複合高活性変異SHNL遺伝子を含む大腸菌株は、変異導入前のベクタープラスミドを含む大腸菌株及び単一のアミノ酸置換を有する高活性SHNL遺伝子を含む大腸菌株と比較して、高い比活性を示した。最も高い比活性を示したのは、Ver.0/pET21aに、さらに3つの高活性変異(125番目のフェニルアラニンのアスパラギンへの置換、122番目のロイシンのセリンへの置換、216番目のグルタミンのヒスチジンへの置換)を複合させた変異SHNLプラスミドベクターを含む大腸菌株Ver.1+L122S+Q216H-2/pET21a/BL21(DE3)、及び、2つの高活性変異(125番目のフェニルアラニンのアスパラギンへの置換、122番目のロイシンのセリンへの置換)を複合させた変異SHNLプラスミドベクターを含む大腸菌株Ver.1+L122S-2/pET21a/BL21(DE3)であった(表9)。これらの比活性は、いずれも50U/mg-proteinを超えており、変異導入前のベクタープラスミドを含む大腸菌株であるSHNL-Gly165E,V173L/pET21a/BL21(DE3)の5倍以上であった。一方、比較例1で構築されたSHNL-W128A/pET21a/BL21(DE3)は変異導入前のベクタープラスミドを含む大腸菌株を下回る結果であった。
Figure 0004494286
実施例9:高活性変異複合酵素を用いた光学活性シアノヒドリンの製造
変異部位複合高活性変異SHNLが、通常のSHNLと同様に光学活性シアノヒドリンを製造することができるかどうかを確認した。
[材料及び方法]
1)固定化酵素の調製
実施例8で得られたVer.1+L122I-2/pET21a/BL21(DE3)の細胞破砕液上清に0.2M Na-citrate buffer (pH5.5)を加え、活性を500U/mlに調製した。これら酵素液0.3mlに対してシリカゲル300mgを加えて混合し、固定化酵素を得た。変異導入前のSHNL遺伝子を含む大腸菌株Ver.0/pET21a/BL21(DE3)の細胞破砕液上清についても同様の方法で、固定化酵素を調製した。
2)酵素反応
1.5MのHCNを溶解したt-ブチルメチルエーテル4.492mlに0.2Mクエン酸バッファー(pH5.5)0.337mlを加え、30分間攪拌した後、静置して水相を除去した。この溶液を上記で調製した固定化酵素300mgを入れた9mlのスクリューバイアルへ添加した。ここへ2‐クロルベンズアルデヒドを終濃度1.0Mとなるよう添加し、攪拌下酵素反応を実施した。反応が完結した後に反応液を回収し、基質の転換率及び光学純度を測定した。
[結果]
Ver.1+L122I-2/pET21a/BL21(DE3)の細胞破砕液上清は変異導入前株とほぼ同等の転換率及び光学純度を示した(表10)。従って高活性変異複合酵素Ver.1+L122I-2 SHNLは、発明者らが先に作製した変異SHNLと同様に光学活性シアノヒドリンの製造が行えることが確認された。
Figure 0004494286
参考例:Ver.0/pKK223-3の調製
1)173番目のValのLeuへの置換
QuikChange XL Site-Directed Mutagenesis kit(STRATAGENE)を用いて173番目のアミノ酸をLeuに置換したSHNLを調製した。
鋳型としてSHNL-Wild/pKK223-3プラスミド10ngを用い、下記のオリゴDNAをプライマーとして、伸長反応を行った。
Forward primer:5’-GGC GAA TAT GAA CTG GCA AAA ATG CTG ATG CGC AAG GGC TCT CTG-3’(配列番号21)
Reverse primer:5’-CAG AGA GCC CTT GCG CAT CAG CAT TTT TGC CAG TTC ATA TTC GCC-3’(配列番号22)
次に得られた反応産物をキット付属の制限酵素DpnIで消化し、得られた制限酵素処理済反応産物をコンピテントセルDH5αに形質転換し、SHNL-V173L/pKK223-3/DH5α株を作成した。
2)165番目のグリシンのグルタミンへの置換
作成したSHNL-V173L/pKK223-3/DH5α株よりプラスミドSHNL-V173L/pKK223-3を調製し、これを鋳型として再び部位特異的変異導入を行った。下記のプライマーを用いて伸長反応を行い、得られた反応産物を制限酵素DpnIで消化した。
Forward primer: 5’-CGT GAA AAC CTG TTC ACC AAA TGC ACT GAT GAA GAA TAT GAA CTG GCA AAA ATG-3’(配列番号23)
Reverse primer: 5’-CAT TTT TGC CAG TTC ATA TTC TTC ATC AGT GCA TTT GGT GAA CAG GTT TTC ACG-3’(配列番号24)
得られた制限酵素処理済反応産物をコンピテントセルDH5αに形質転換し、SHNL-V173L/pKK223-3/DH5α株を作成した。この培養液よりプラスミドを調製し、Gly165GluとVal173Leuの2つのアミノ酸変異を持つSHNL遺伝子を保有するプラスミドVer.0/pKK223-3を選抜した。
本発明の高活性変異SHNLは、天然型SHNLと比較して高い酵素活性を有し、高純度の光学活性シアノヒドリンを高効率で合成することができる。したがって、本発明の高活性変異SHNLは光学活性シアノヒドリンの工業的生産用酵素として極めて有用である。
図1は、キャッサバ(Manihot esculenta)及びパラゴムノキ(Hevea brasiliensis)由来SHNLのアミノ酸配列をアラインメントした図である。
配列番号5−人工配列の説明:プライマー
配列番号6−人工配列の説明:プライマー
配列番号7−人工配列の説明:プライマー
配列番号8−人工配列の説明:プライマー
配列番号9−人工配列の説明:プライマー
配列番号10−人工配列の説明:プライマー
配列番号11−人工配列の説明:プライマー
配列番号12−人工配列の説明:プライマー
配列番号13−人工配列の説明:プライマー
配列番号14−人工配列の説明:プライマー
配列番号15−人工配列の説明:プライマー
配列番号16−人工配列の説明:プライマー
配列番号17−人工配列の説明:プライマー
配列番号18−人工配列の説明:プライマー
配列番号19−人工配列の説明:プライマー
配列番号20−人工配列の説明:プライマー
配列番号21−人工配列の説明:プライマー
配列番号22−人工配列の説明:プライマー
配列番号23−人工配列の説明:プライマー
配列番号24−人工配列の説明:プライマー
配列番号25−165番のグリシンをグルタミンで、173番のバリンをロイシンで置換した改変型SHNLをコードするDNA

Claims (4)

  1. キャッサバ(Manihot esculenta)由来の天然型S-ヒドロキシニトリルリアーゼのアミノ酸配列(配列番号2)において、
    以下の1)〜14):
    1) 165番目のグリシンのグルタミン酸への置換、173番目のバリンのロイシンへの置換、及び125番目のフェニルアラニンのアスパラギンへの置換、
    2) 165番目のグリシンのグルタミン酸への置換、173番目のバリンのロイシンへの置換、及び125番目のフェニルアラニンのヒスチジンへの置換、
    3) 165番目のグリシンのグルタミン酸への置換、173番目のバリンのロイシンへの置換、及び125番目のフェニルアラニンのロイシンへの置換、
    4) 165番目のグリシンのグルタミン酸への置換、173番目のバリンのロイシンへの置換、及び125番目のフェニルアラニンのアルギニンへの置換、
    5) 165番目のグリシンのグルタミン酸への置換、173番目のバリンのロイシンへの置換、及び125番目のフェニルアラニンのグルタミンへの置換、
    6) 165番目のグリシンのグルタミン酸への置換、173番目のバリンのロイシンへの置換、及び125番目のフェニルアラニンのシステインへの置換、
    7) 165番目のグリシンのグルタミン酸への置換、173番目のバリンのロイシンへの置換、125番目のフェニルアラニンのアスパラギンへの置換、及び122番目のロイシンのイソロイシンへの置換、
    8) 165番目のグリシンのグルタミン酸への置換、173番目のバリンのロイシンへの置換、125番目のフェニルアラニンのアスパラギンへの置換、及び122番目のロイシンのセリンへの置換、
    9) 165番目のグリシンのグルタミン酸への置換、173番目のバリンのロイシンへの置換、125番目のフェニルアラニンのアスパラギンへの置換、122番目のロイシンのイソロイシンへの置換、及び216番目のグルタミンのヒスチジンへの置換
    10) 165番目のグリシンのグルタミン酸への置換、173番目のバリンのロイシンへの置換、125番目のフェニルアラニンのアスパラギンへの置換、122番目のロイシンのセリンへの置換、及び216番目のグルタミンのヒスチジンへの置換
    11) 165番目のグリシンのグルタミン酸への置換、173番目のバリンのロイシンへの置換、125番目のフェニルアラニンのアスパラギンへの置換、122番目のロイシンのセリンへの置換、216番目のグルタミンのヒスチジンへの置換、及び94番目のバリンのアラニンへの置換、
    12) 165番目のグリシンのグルタミン酸への置換、173番目のバリンのロイシンへの置換、125番目のフェニルアラニンのアスパラギンへの置換、122番目のロイシンのセリンへの置換、216番目のグルタミンのヒスチジンへの置換、及び94番目のバリンのプロリンへの置換、
    13) 165番目のグリシンのグルタミン酸への置換、173番目のバリンのロイシンへの置換、125番目のフェニルアラニンのアスパラギンへの置換、122番目のロイシンのセリンへの置換、216番目のグルタミンのヒスチジンへの置換、及び94番目のバリンのトレオニンへの置換、
    14) 165番目のグリシンのグルタミン酸への置換、173番目のバリンのロイシンへの置換、125番目のフェニルアラニンのアスパラギンへの置換、122番目のロイシンのセリンへの置換、216番目のグルタミンのヒスチジンへの置換、及び94番目のバリンのセリンへの置換、
    から選ばれるいずれかであるアミノ酸配列の改変を有する改変型S-ヒドロキシニトリルリアーゼ。
  2. 請求項に記載の改変型S-ヒドロキシニトリルリアーゼのアミノ酸配列をコードするDNA。
  3. 請求項記載のDNAを導入した宿主を培養し、得られる培養物からS-ヒドロキシニトリルリアーゼ活性を有するタンパク質を回収することを特徴とする、改変型S-ヒドロキシニトリルリアーゼの製造方法。
  4. 請求項に記載の改変型S-ヒドロキシニトリルリアーゼをカルボニル化合物及びシアン化合物と接触させることを特徴とする光学活性シアノヒドリンの製造方法。
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