JP2007086128A - 電子写真用トナー及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表面側に画像形成した後、引き続き裏面側に画像形成を行うと、裏面側に白スジなどの画像不良が発生し、表面と比べて画質が低下する。
【解決手段】 両面印刷機能を有する電子写真方式の画像形成装置に用いられ、且つ、ワックスを含有した電子写真用トナーであって、トナーの表面抵抗率をρt、ワックスの表面抵抗率をρwとしたとき、ρt/ρw≧1を満たすことを特徴とする電子写真用トナー。
【選択図】 図3

Description

本発明は、両面印刷機能を有する画像形成装置に用いられる電子写真用トナー及び画像形成方法に関する。
記録紙にモノクロやカラー画像の形成を可能とする電子写真方式の画像形成装置が実用化されている。例えば、カラーの画像形成装置の1つとして、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色に対応した電子写真感光体(以後、単に感光体とも云う)にトナー像を形成し、これらのトナー像を中間転写体上で重ね合わせてカラートナー像を形成し、このカラートナー像を中間転写体から記録紙に一括転写し、カラートナー像を定着ローラによって圧着・加熱して定着させることで、記録紙にカラー画像を形成する画像形成装置が知られている。こういった画像形成装置においては、記録紙の片面(記録紙表面ともいう)にカラートナー像を転写・定着させてカラー画像を形成し、搬送経路中においてこの記録紙の表裏を反転した後、再度転写工程に送り出し、記録紙のもう一方の面(記録紙裏面という)にカラートナー像を転写・定着させて、記録紙両面にカラー画像を形成する、いわゆる両面印刷ができるものが主流になってきている(特許文献1参照。)。
近年、こういった画像形成装置は、単なるオリジナル原稿を複写するための事務処理用複写機にとどまらず、コンピュータ出力用としてのプリンター或いは個人向けのパーソナルコピー、印刷物の色校正用としてのプルーファーという分野にも使われ始め、種々の用途に対応できる装置の需要が急増してきており、より小型化、軽量化及び高速、高画質、高信頼性が追求される様になってきている。
一方、電子写真方式の画像形成装置においては、加熱により溶融されたトナーが定着手段としての定着ローラに付着するオフセット現象の発生を防止する必要がある。特に、カラーの画像形成装置の場合、記録紙上に、マゼンタトナー、シアントナー、イエロートナー及びブラックトナーと複数層のトナー層が形成される為、トナー層厚の増大から更にオフセットが発生しやすい傾向にある。
このオフセット現象の発生を防止する方法のうち代表的なものとして、上記画像形成装置の定着ローラに離型剤(ワックスともいう)としてシリコーンオイルを塗布する方法(特許文献2参照。)や、離型剤としてのワックスを含有したトナーを用いる方法(特許文献3参照。)が提供されている。
特開2005−141047号公報 特開2002−258657号公報 特開平3−185459号公報
ところで、記録紙の両面に印刷を行うにあたり、表面側に画像形成した後、引き続き裏面側に画像形成を行うと、裏面側に白スジなどの画像不良が発生し、表面と比べて画質が低下するという問題が見られた。
本発明は、上記した課題を鑑みてなされたものであって、記録紙に両面印刷を行う場合、記録紙裏面側に白スジなどの転写不良を生じることなく、確実にトナー画像を形成することができる画像形成装置に用いられる電子写真用トナー及び画像形成方法の提供を目的とする。
本発明は、以下の手段により達成される。
(1)両面印刷機能を有する電子写真方式の画像形成装置に用いられ、且つ、ワックスを含有した電子写真用トナーであって、トナーの表面抵抗率をρt、ワックスの表面抵抗率をρwとしたとき、ρt/ρw≧1を満たすことを特徴とする電子写真用トナー。
(2)前記トナーまたはワックスの表面抵抗率は、トナーあるいはワックスに圧力を加えて作製した試料に電圧を印可して測定されることを特徴とする(1)に記載の電子写真用トナー。
(3)前記電子写真用トナーは、カラーの電子写真方式の画像形成装置に用いられることを特徴とする(1)または(2)に記載の電子写真用トナー。
(4)記録紙上にトナー層を形成するステップと、前記トナー層の上にワックス層を形成するステップとを備えた画像形成方法であって、前記トナー層を形成するトナーの表面抵抗率をρt、前記ワックス層を形成するワックスの表面抵抗率をρwとしたとき、ρt/ρw≧1を満たすことを特徴とする画像形成方法。
(5)前記トナーまたはワックスの表面抵抗率は、トナーあるいはワックスに圧力を加えて作製した試料に電圧を印可して測定されることを特徴とする(4)に記載の画像形成方法。
本発明によると、記録紙に両面印刷を行う場合、白スジなどの転写不良を生じることなく、確実に記録紙裏面側にトナー画像を形成することができる。すなわち、本発明においては、トナーの表面抵抗率がワックスの表面抵抗率と同じか、あるいは、それ以上であるため、記録紙表面側に形成されたワックス層が搬送経路中で掻き取られたとしても、この掻き取られた部分に対応する記録紙裏面側へのトナーの転写率が下がらない。したがって、ワックスが掻き取られた部分に対応する記録紙裏面側にも確実にトナー画像を形成することができる。
本発明者は、上記の従来技術の問題点を解決すべく誠意検討の結果、記録紙表面側に形成されたトナー層とワックス層の表面抵抗率が、記録紙裏面側へのトナーの転写性に影響を与えることを見いだした。すなわち、両面印刷するにあたり、記録紙表面側に形成されたワックス層が搬送経路中で掻き取られ、これが記録紙裏面側への転写性に影響することが分かった。この本発明のメカニズムについては後述する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明を実施するための形態の説明において用いる用語や断定的な記載により、本発明の技術的範囲が限定されることはない。また、以下は、ワックスを含有した重合トナーを用いた(いわゆるオイルレス定着)場合について説明するが、例えば、定着ローラにワックス(シリコーンオイル)を塗布する画像形成装置であっても、本発明を実施することができることは当然である。
まず、本発明に用いられる電子写真方式の画像形成装置について、図1の断面図を用いて説明する。
画像形成装置GSは、その上部に自動原稿送り装置ADFを備えている。
自動原稿送り装置ADFの原稿載置台101に載置された原稿Dは、一枚ずつに分離され原稿搬送路に送り出され、搬送ドラム102により搬送される。搬送されている原稿Dの原稿画像は原稿画像読み取り位置RPにて原稿読み取り手段1により、読み取りがなされる。読み取りが終了した原稿Dは第1搬送ガイドG1、および原稿排出ローラ105により原稿排紙台107に排出される。
原稿Dの裏面の原稿画像も読み取る場合には、表面(第1面)の読み取りを終えた原稿Dを第1搬送ガイドG1により原稿反転ローラ106に導き、原稿Dの後端を挟持した状態から反転する前記原稿反転ローラ106によって、第1搬送ガイドG1、第2搬送ガイドG2を経由して、再度、原稿搬送路に送り出す。反転して送り出された原稿Dの裏面(第2面)は、表面(第1面)と同様に読み取りがなされた後、原稿排紙台107に排出される。
画像形成装置GSは、原稿読取り手段1、露光手段2Y、2M、2C、2K、帯電手段32Y、32M、32C、32K、現像手段33Y、33M、33C、33K、転写手段4、定着手段5、反転排紙手段6、再給紙手段7、給紙手段8、制御手段C1等から構成される。
原稿読取り位置RPにて原稿画像はランプLにて照射され、その反射光は第1ミラーユニット11、第2ミラーユニット12、レンズ13によって導かれ、撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCDにより光電変換された画像信号は、画像読み取り制御部14にてA/D変換、シェーディング補正、圧縮等の処理がなされ、制御手段C1のメモリM1に原稿画像データとしてストアされる。
メモリM1にストアされた前記原稿画像データには、ユーザの指定により、もしくは設定されている条件により適宜な画像処理がなされて、出力画像データが作成される。
前記出力画像データを基に、レーザ光源、ポリゴンミラー、複数のレンズからなる露光手段2Y、2M、2C、2Kのレーザビームによる、感光体31Y、31M、31C、31Kの表面への走査がなされて、感光体31Y、31M、31C、31Kには潜像が形成される。
感光体31Yの周辺には、帯電手段32Y、現像手段33Y、第1転写ローラ34Y、クリーニング手段35Yが配置されている。感光体31M、31C、31Kについても同様である。これらの構成は、電子写真方式のカラー画像形成装置に採用されている公知の技術からなる。
感光体31Y、31M、31C、31K上の潜像は、対応する現像手段33Y、33M、33C、33Kにより現像されて、各感光体上にはトナー像が形成される。感光体31Y、31M、31C、31K上に形成された前記トナー像は転写手段4の第1転写ローラ35Y、35M、35C、35Kにより、転写ベルト41上の所定位置に逐次転写される。
転写手段4の転写ベルト41上に転写された前記トナー像は、給紙手段8から給紙され、給紙ローラ81によって給紙のタイミングが取られて給送されてきた記録紙Pに、第2転写ローラ42によって転写される。
トナー像の記録紙Pへの転写を終えた転写ベルト41はクリーニング手段43により、表面が清掃され、次の画像転写に供される。
一方、トナー像を担持した記録紙Pは、定着手段5に送られ、加圧加熱されることによって、トナー像が記録紙Pへ定着される。この際、記録紙Pに転写されたトナーが暖められることにより、トナーに含有されたワックスがトナー層表面に染み出し、ワックスがトナー層と定着手段の間に介在する。
定着手段5による定着処理を終えた記録紙Pの表面には、トナー層とワックス層が形成され(図2(a)参照)、排紙反転手段6により搬送されて排紙台61に排紙される。
記録紙Pの裏面に画像形成を行う場合には、表面へのトナー画像の定着を終えた記録紙Pを排紙ガイド62により下方にある再給紙手段7に搬送し、再給紙反転ローラ71により後端を挟持させた後、逆送することによって記録紙Pを反転させて、再給紙搬送路72に送り出し、記録紙裏面へのトナー画像の形成に供する。記録紙裏面へのトナー画像の形成が終了すると、記録紙は排紙反転手段6により搬送されて排紙台61に排紙される。
このように、記録紙裏面にもトナー画像を形成する場合、再搬送手段7、再搬送ローラ71により記録紙Pを再給紙搬路に送り出す必要があるが、この経路中において何らかの突起により記録紙表面に形成されたワックス層の一部が掻き取られてしまうことがある。搬送経路中において、記録紙表面のワックス層の一部が掻き取られると、図2(b)に示すように、ワックス層が掻き取られた部分のトナー層が剥き出しになる。この場合、記録紙表面にはワックスが掻き取られた部分と掻き取られなかった部分が生じることになるが、この掻き取られた部分に対応する記録紙裏面側に転写不良が発生する。このメカニズムを、図3を参照しながら説明する。
一般に、転写工程では、転写電流を流して記録紙を帯電させ、転写ベルト41上のトナーと記録紙との間で電界を発生させて、トナーを記録紙上に転写させる方法がとられている。この転写電流は、予め、トナー転写率が最適となる値、すわなち、記録紙上のワックス層に対して最適となる値に設定されている(図3の実線参照。)。
一方、記録紙表面に形成されたワックス層が掻き取られた部分については、表面抵抗率が低くなり、転写率カーブが図3の波線に示すように、低電流側(図3において左側)にシフトする。この結果、ワックス層があることを前提として設定している転写電流値は、掻き取られなかった部分については正常値となるが、掻き取られた部分については電流過剰となる。このことから、ワックス層が掻き取られた部分に対応する記録紙裏面側については、電流過剰のため転写率が下がってしまい、白スジなどの転写不良が生じてしまう。
本発明は、この課題に着目した発明であって、トナーの表面抵抗率を、ワックスの表面抵抗率と同じか、あるいはそれ以上にすることにより、ワックス層が掻き取られた部分の転写率カーブが低電流側にシフトするので、転写電流の過剰供給を防止し、記録紙裏面側にも確実にトナー画像を形成することができる。
(トナー層、ワックス層、掻き取られた層の検出方法)
トナー層やワックス層、剥離された層の厚みは、たとえば、透過型電子顕微鏡(TEM)により測定することが可能である。透過型電子顕微鏡を用いてこれらの厚みを測定する場合は、トナー画像を転写シートごと常温硬化性のエポキシ樹脂中に包埋し硬化させた後、得られたブロックをミクロトームを用いて薄片状のサンプルに切り出し、透過型電子顕微鏡に装填して転写シート上におけるトナー画像の断面形態を写真撮影する。また、試料作製時、必要に応じて四三酸化ルテニウムや四三酸化オスミウムを併用して染色処理を行うことも可能である。
また、転写シート上に付着するトナー量から算出することも可能であり、たとえば、転写シート上にトナーが15g/m2付着した場合の定着後のトナー層の厚みは20μmとなり、トナーの付着量が10g/m2のときはトナー層の厚みは15μmとなる。トナーの付着量から定着後のトナー層を算出する方法は公知の方法により求められる。
(ワックス、トナーの体積抵抗率の測定方法)
本発明に使用されるトナー及びワックスの体積抵抗率は、以下の手順に示すように、トナーあるいはワックスを加圧して測定試料を作成し、熱をかけずに圧力のみで成形した測定試料により測定される。
(1)トナーまたはワックスを加圧成形機に投入し、圧力を加えて直径80mm、厚さ2mmの円板状の測定試料を作製する。
(2)対向電極上に作製した試料を載置し、さらに、試料上にJIS−K6911に準拠するHRプローブ(直径50mm)を載置する。
(3)対向電極、プローブを微小電流計(デジタル超高抵抗/微小電流計「R8340A」(アドバンテスト社製)を使用)に接続し、500Vの電圧を対向電極とプローブの間に印加する。なお、測定環境は、温度23℃、湿度45%とする。
加圧成形機はトナーやワックスなどの粉末試料を円板状に加圧成形する装置で、高密度の測定試料を作製するものである。
図4に、加圧成形機により作製された測定試料の外形(a)と測定装置(b)を示す。
なお、トナーの体積抵抗率は、外添剤の添加量により調整することが可能である。
次に、本発明に用いられるトナーを、以下に詳細に説明する。なお、本発明では、小粒径の重合トナー(小粒径トナー)とキャリアとを含んでなる2成分現像剤について説明するが、非磁性1成分現像材であっても良いことは当然である。
(トナーの構造)
図5に本発明に使用されるトナーの構造を示す。図5に示すトナーは、樹脂の連続相(海)中にワックスの相が孤立した相(島)として存在するいわゆる海島構造を有するものである。図5(a)と(b)は、樹脂の連続相中にワックス相が存在する海島構造のトナーの模式図である。
本発明に使用されるトナーの構造は、透過型電子顕微鏡で撮影された断面写真により確認される。すなわち、透過型電子顕微鏡(TEM)により、樹脂の連続相中(樹脂相)に輝度の異なる着色剤相や前述したワックス相が島状に存在することが確認される。
トナーの構造を観察する透過型電子顕微鏡装置としては、例えば「LEM−2000型(トプコン社製)」等が挙げられる。
透過型電子顕微鏡によるトナーの撮影は、たとえば、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナーを十分分散させた後、包埋し硬化させて、粒径100nm程度のスチレン微粉末に分散させた後加圧成形する。この時、必要により得られたブロックを四三酸化ルテニウムや四三酸化オスミウムを併用して染色処理を施すことも可能である。加圧成形後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用いて薄片状のサンプルを切り出し透過型電子顕微鏡(TEM)に装填してトナーの断層形態を写真撮影する。
(ワックスの説明)
本発明に使用されるトナーは、オイルレストナーと呼ばれるワックスを内蔵するトナーである。ワックスは表面抵抗率の関係式を満足するものであれば、特に限定されるものではなく、公知のワックスを使用することが可能である。
具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリブチレンワックスなどのポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
ワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定したトナー画像形成が行える。また、トナー中のワックス含有量は、10質量%〜30質量%が好ましい。
本発明において用いられる重合トナーは、(1)形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であり、形状係数の変動係数が16%以下である重合トナー粒子により構成されるもの、(2)形状係数の変動係数が16%以下であり、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であるトナー粒子から構成されるもの、(3)角がない重合トナー粒子の割合が50個数%以上であるトナー粒子から構成されるもの、あるいはこれらが組み合わされたものであることが好ましい。
本発明において、重合トナーの形状係数は、下記式により示されるものであり、重合トナー粒子の丸さの度合いを示す。
形状係数=((最大径/2)2×π)/投影面積
ここに、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。また、投影面積とは、トナー粒子の平面上への投影像の面積をいう。
本発明では、この形状係数は、走査型電子顕微鏡により2000倍にトナー粒子を拡大した写真を撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。この際、100個のトナー粒子を使用して本発明の形状係数を上記算出式にて測定したものである。
本発明において用いられる重合トナーにおいては、この形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上とすることが好ましく、より好ましくは70個数%以上である。
この形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であることにより、キャリア粒子などとの摩擦帯電性がより均一なものとなり、過度に帯電したトナーの蓄積を低減することができ、キャリア粒子によるトナーの搬送がより円滑に行われるようになるため、現像ゴースト等の問題も発生しにくくなる。さらに、トナー粒子が破砕しにくくなって帯電付与部材(帯電器)の汚染が減少し、トナーの帯電性を安定させることができる。
この形状係数を制御する方法は特に限定されるものではない。例えばトナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはトナーを溶解しない溶媒中に添加し旋回流を付与する方法等により、形状係数を1.2〜1.6にしたトナーを調製し、これを通常のトナー中へ本発明の範囲内になるように添加して調整する方法がある。また、いわゆる重合法トナーを調整する段階で全体の形状を制御し、形状係数を1.2〜1.6に調整したトナーを同様に通常のトナーへ添加して調製する方法がある。
本発明において好ましく用いられる重合トナーの形状係数の変動係数は下記式から算出される。
変動係数=(S/K)×100(%)
なお、式中Sは100個のトナー粒子の形状係数の標準偏差を示し、Kは形状係数の平均値を示す。
本発明において用いられる重合トナーにおいては、この形状係数の変動係数は16%以下とすることが好ましく、より好ましくは14%以下である。形状係数の変動係数が16%以下であることにより、転写されたトナー層の空隙が減少して定着性が向上し、オフセットが発生しにくくなる。また、帯電量分布がシャープとなり、画質が向上する。
このトナーの形状係数および形状係数の変動係数を、極めてロットのバラツキなく均一に制御するために、樹脂粒子(重合体粒子)を重合、融着、形状制御させる工程において、形成されつつあるトナー粒子(着色粒子)の特性をモニタリングしながら適正な工程終了時期を決めてもよい。
モニタリングするとは、インラインに測定装置を組み込みその測定結果に基づいて、工程条件を制御するという意味である。すなわち、形状などの測定をインラインに組み込んで、例えば樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させることで形成する重合法トナーでは、融着などの工程で逐次サンプリングを実施しながら形状や粒径を測定し、所望の形状になった時点で反応を停止する。
モニタリング方法としては、特に限定されるものではないが、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子社製)を使用することができる。本装置は試料液を通過させつつリアルタイムで画像処理を行うことで形状をモニタリングできるため好適である。すなわち、反応場よりポンプなどを使用し、常時モニターし、形状などを測定することを行い、所望の形状などになった時点で反応を停止するものである。
本発明において用いられる重合トナーの個数粒度分布および個数変動係数はコールターカウンターTA−IIあるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)で測定されるものである。本発明においてはコールターマルチサイザーを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。前記コールターマルチサイザーにおいて使用するアパーチャーとしては100μmのものを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して粒度分布および質量平均粒径を算出した。個数粒度分布とは、粒子径に対するトナー粒子の相対度数を表すものであり、質量平均粒径とは、個数粒度分布におけるメジアン径を表すものである。トナーの個数粒度分布における個数変動係数は下記式から算出される。
個数変動係数=(S/Dn)×100(%)
なお、式中Sは個数粒度分布における標準偏差を示し、Dnは質量平均粒径(μm)を示す。
本発明において用いられる重合トナーにおいては、この個数変動係数は27%以下とすることが好ましく、より好ましくは25%以下である。個数変動係数が27%以下であることにより、転写されたトナー層の空隙が減少して定着性が向上し、オフセットが発生しにくくなる。また、帯電量分布がシャープとなり、転写効率が高くなって画質が向上する。
この個数変動係数を制御する方法は特に限定されるものではない。例えば、トナー粒子を風力により分級する方法も使用できるが、個数変動係数をより小さくするためには液中での分級が効果的である。この液中で分級する方法としては、遠心分離機を用い、回転数を制御してトナー粒子径の違いにより生じる沈降速度差に応じてトナー粒子を分別回収し調製する方法がある。
特に懸濁重合法によりトナーを製造する場合、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下とするためには分級操作が必須である。懸濁重合法では、重合前に重合性単量体を水系媒体中にトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させることが必要である。すなわち、重合性単量体の大きな油滴に対して、ホモミキサーやホモジナイザーなどによる機械的な剪断を繰り返して、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくすることとなるが、このような機械的な剪断による方法では、得られる油滴の個数粒度分布は広いものとなり、従って、これを重合してなるトナーの粒度分布も広いものとなる。このために分級操作が必須となる。
本発明において用いられる重合トナーにおいて、角がない重合トナー粒子とは、電荷の集中するような突部またはストレスにより摩耗しやすいような突部を実質的に有しないトナー粒子をいい、すなわち、トナー粒子Tの長径をLとするときに、半径(L/10)の円Cで、トナー粒子Tの周囲線に対し1点で内側に接しつつ内側をころがした場合に、当該円CがトナーTの外側に実質的にはみださない場合を「角がない重合トナー粒子」という。「実質的にはみ出さない場合」とは、はみ出す円が存在する突起が1箇所以下である場合をいう。また、「重合トナー粒子の長径」とは、当該重合トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。
角がない重合トナーの測定は次のようにして行った。先ず、走査型電子顕微鏡により重合トナー粒子を拡大した写真を撮影し、さらに拡大して15,000倍の写真像を得る。次いでこの写真像について前記の角の有無を測定する。この測定を100個の重合トナー粒子について行った。
本発明において用いられる重合トナーにおいては、角がない重合トナー粒子の割合は50個数%以上とすることが好ましく、より好ましくは70個数%以上である。角がない重合トナー粒子の割合が50個数%以上であることにより、キャリア粒子などとのストレスにより微細な粒子の発生などがおこりにくくなり、キャリア粒子の表面に対する付着性が過度に大きい重合トナーの存在を防止することができると共に、キャリア粒子に対する汚染を抑制することができる。また、摩耗、破断しやすい重合トナー粒子および電荷の集中する部分を有する重合トナー粒子が減少することとなり、帯電量分布がシャープとなって、帯電性も安定し、高い画質の画像を長期にわたって安定的に形成することができる。
角がない重合トナーを得る方法は特に限定されるものではない。例えば、形状係数を制御する方法として前述したように、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはトナーを溶解しない溶媒中に添加し、旋回流を付与することによって得ることができる。
また、樹脂粒子を会合あるいは融着させることにより形成される重合法トナーにおいては、融着停止段階では融着粒子表面には多くの凹凸があり、表面は平滑でないが、形状制御工程での温度、攪拌翼の回転数および攪拌時間等の条件を適当なものとすることによって、角がないトナー粒子が得られる。これらの条件は、樹脂粒子の物性により変わるものであるが、例えば、樹脂粒子のガラス転移点温度以上で、より高回転数とすることにより、表面は滑らかとなり、角がないトナー粒子を形成することができる。
本発明の画像形成装置において用いられる重合トナーにおいては、その質量平均粒径が3〜7μmであるものであることが好ましい。重合トナーの粒径は、重合法によりトナー粒子を形成させる場合には、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加重、または離着時間、さらには重合体自体の組成によって制御することができる。
重合トナーの質量平均粒径が3〜7μmであることにより、定着工程において、キャリアに対する付着性が過度に大きいトナーや付着力の低いトナー等の存在を少なくすることができ、優れた現像性を長期にわたって安定的に得ることができるとともに、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。重合トナーの質量平均粒径が3μmよりも小では、かぶり等による画質の低下が生じやすくなり、また、7μmよりも大では、高画質の特徴が薄くなる。
また、キャリアとして用いる粒子は、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましく用いられる。前記3〜7μmの小粒径の重合トナーに対応して用いられるキャリア粒子は、その質量平均粒径としては20〜50μmの小粒径のものを用いることが好ましい。キャリア粒子の質量平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。キャリアは、上記磁性粒子をそのまま用いることもできるが、樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン/アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。キャリアの質量平均粒径が20μmよりも小では、キャリア付着が起こりやすくなり、また、50μmよりも大では、画像にハキメと称される濃度ムラが生ずる等の画質の低下が発生しやすくなる。
以下に、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、「部」は質量部を意味する。
《トナー粒子の製造》
〈樹脂微粒子分散液の調製〉
−樹脂微粒子分散液(1)の調製−
スチレン(和光純薬(株)製) 355部
アクリル酸ブチル(和光純薬(株)製) 45部
アクリル酸(和光純薬(株)製) 8部
ドデシルメルカプタン(和光純薬(株)製) 8部
前記の成分を混合して溶解した溶液を予め調製し、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール8.5)8部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンRK)9部をイオン交換水583部に溶解したものに、前記溶液を分散して乳化し、10分間ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム(和光純薬(株)製)4部を溶解したイオン交換水50部を投入し、窒素置換を行なった後、攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、6時間そのまま乳化重合を継続した。その後、この反応液を室温まで冷却し、樹脂微粒子分散液(1)を調製した。この樹脂微粒子分散液(1)の一部を80℃のオーブン上に放置して水分を除去して樹脂微粒子の特性を測定したところ、平均粒径は128nm、ガラス転移点が57℃、重量平均分子量が38,000、個数平均分子量が13000で、分子量分布(Mw/Mn)は2.92であった。
〈着色剤分散液の調製〉
−着色剤分散液(1)の調製−
フタロシアニン顔料 60部
(大日精化(株)製:PV FAST BLUE)
アニオン界面活性剤(和光純薬(株)製) 2部
イオン交換水 300部
上記成分を混合して溶解した後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)を用いて分散し、平均粒径が150nmである着色剤(フタロシアニン顔料)を分散してなる着色剤分散液(1)を調製した。
−着色剤分散液(2)の調製−
マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド122) 60部
アニオン界面活性剤(和光純薬(株)製) 2部
イオン交換水 300部
上記成分を混合して溶解した後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)を用いて分散し、平均粒径が150nmである着色剤(マゼンタ顔料)を分散してなる着色剤分散液(2)を調製した。
−着色剤分散液(3)の調製−
イエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74) 60部
アニオン界面活性剤(和光純薬(株)製) 2部
イオン交換水 300部
上記成分を混合して溶解した後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)を用いて分散し、平均粒径が150nmである着色剤(イエロー顔料)を分散してなる着色剤分散液(3)を調製した。
−着色剤分散液(4)の調製−
カーボンブラック(リーガル330(キャボット社製)) 60部
アニオン界面活性剤(和光純薬(株)製) 2部
イオン交換水 300部
上記成分を混合して溶解した後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)を用いて分散し、平均粒径が150nmである着色剤(カーボンブラック)を分散してなる着色剤分散液(4)を調製した。
〈離型剤粒子分散液の調製〉
−離型剤粒子分散液(1)の調製−
ポリプロピレン 100部
アニオン界面活性剤 3部
(ライオン(株)社製:リパール860K)
イオン交換水 500部
上記成分を混合して溶解した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックス)を用いて分散し、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理して、平均粒径が190nmである離型剤粒子(ポリプロピレン)を分散してなる離型剤粒子分散液(1)を調製した。
−離型剤粒子分散液(2)の調製−
ポリエチレン 100部
アニオン界面活性剤 3部
(ライオン(株)社製:リパール860K)
イオン交換水 500部
上記成分を混合して溶解した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックス)を用いて分散し、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理して、平均粒径が190nmである離型剤粒子(ポリエチレン)を分散してなる離型剤粒子分散液(2)を調製した。
−離型剤粒子分散液(3)の調製−
ポリブチレン 100部
アニオン界面活性剤 3部
(ライオン(株)社製:リパール860K)
イオン交換水 500部
上記成分を混合して溶解した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックス)を用いて分散し、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理して、平均粒径が190nmである離型剤粒子(ポリブチレン)を分散してなる離型剤粒子分散液(3)を調製した。
〈吸収ピークシフト化物質分散液の調製〉
−吸収ピークシフト化物質分散液(1)の調製−
ステアリルステアレート 100部
(理研ビタミン社製、リケマールSL−800,融点55℃、正接損失の吸収ピークに対する温度69℃)
アニオン界面活性剤 4部
(第一工業製薬(株)社製:ネオゲンSC)
イオン交換水 500部
上記成分を混合して溶解した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックス)を用いて分散し、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理して、平均粒径が190nmである吸収ピークシフト物質の粒子を分散してなる分散液(1)を調製した。
〈トナー粒子の作製〉
−凝集粒子分散液の調製−
樹脂微粒子分散液(1) 300部
着色剤分散液(1) 15部
離型剤粒子分散液(1) 34部
吸収ピークシフト化物質分散液(1) 6部
硫酸アルミニウム(和光純薬社製) 3部
イオン交換水 500部
上記の成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散させた後、加熱用オイルバス中で55℃まで攪拌しながら加熱した。55℃で20分間保持した後、光学顕微鏡で観察したところ、平均粒径が2.7μmの凝集粒子が形成されていることが確認された。
−付着粒子分散液の調製−
前記凝集粒子分散液中に樹脂微粒子分散液(1)を緩やかに40部追加し、さらに55℃で15分加熱攪拌を保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が3.0μmの付着粒子が形成されていることが確認された。
−付着粒子の融合−
前記付着粒子分散液のpHは2.3であった。硫酸(和光純薬社製)を0.5質量%に希釈した水溶液を、前記分散液中に穏やかに添加し、pHを7.2に調整し添加した後、攪拌を継続しながら93℃まで加熱して6時間保持した。その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることによりシアントナー粒子10Cを得た。また、着色剤分散液(1)の代わりに着色剤分散液(2)〜(4)をそれぞれ用いた他は、上記と同じ手順によりマゼンタトナー10M、イエロートナー粒子10Y、黒色トナー粒子10Kを作製した。以下、これらをまとめてトナー粒子10と呼ぶ。
また、凝集粒子分散液を調製する際に、離型剤粒子分散液(1)に代わり離型剤粒子分散液(2)〜(3)をそれぞれ用い、これから得られたトナー粒子をトナー粒子20,トナー粒子30とする。
比較例1
トナー粒子10に、外添剤として疎水性シリカ0.8質量部、疎水性酸化チタン1.0質量部を添加し、10Lのヘンシェルミキサーの回転翼の周速を30m/sに設定し25分間混合した。これにより得られたトナー粒子をトナー粒子11とし、このトナー粒子の表面抵抗率を測定したところ、2×1017Ω/□であった。このトナー粒子11を用いて上記画像形成装置で記録紙両面に画像を形成し、裏面転写スジを評価した。この評価結果を表1に示す。
比較例2
トナー粒子10に、上記トナー粒子11に加えた外添剤の3/2倍を添加して得られたトナー粒子をトナー粒子12とする。このトナー粒子12の表面抵抗率を測定したところ、3×1017Ω/□であった。トナー粒子12を用いて上記画像形成装置で記録紙両面に画像を形成し、裏面転写スジを評価した。この評価結果を表1に示す。
実施例1
トナー粒子10に、上記トナー粒子11に加えた外添剤の2倍を添加して得られたトナー粒子をトナー粒子13とする。このトナー粒子の表面抵抗率を測定したところ、5×1017Ω/□であった。トナー粒子13を用いて上記画像形成装置で記録紙両面に画像を形成し、裏面転写スジを評価した。この評価結果を表1に示す。
比較例3
トナー粒子20に、外添剤として疎水性シリカ0.8質量部、疎水性酸化チタン1.0質量部を添加し、10Lのヘンシェルミキサーの回転翼の周速を30m/sに設定し25分間混合した。これにより得られたトナー粒子をトナー粒子21とし、このトナー粒子の表面抵抗率を測定したところ、2×1017Ω/□であった。このトナー粒子21を用いて上記画像形成装置で記録紙両面に画像を形成し、裏面転写スジを評価した。この評価結果を表1に示す。
実施例2
トナー粒子20に、上記トナー粒子21に加えた外添剤の3/2倍を添加して得られたトナー粒子をトナー粒子22とする。このトナー粒子22の表面抵抗率を測定したところ、3×1017Ω/□であった。トナー粒子22を用いて上記画像形成装置で記録紙両面に画像を形成し、裏面転写スジを評価した。この評価結果を表1に示す。
実施例3
トナー粒子20に、上記トナー粒子21に加えた外添剤の2倍を添加して得られたトナー粒子をトナー粒子23とする。このトナー粒子の表面抵抗率を測定したところ、5×1017Ω/□であった。トナー粒子23を用いて上記画像形成装置で記録紙両面に画像を形成し、裏面転写スジを評価した。この評価結果を表1に示す。
実施例4
トナー粒子30に、外添剤として疎水性シリカ0.8質量部、疎水性酸化チタン1.0質量部を添加し、10Lのヘンシェルミキサーの回転翼の周速を30m/sに設定し25分間混合した。これにより得られたトナー粒子をトナー粒子31とし、このトナー粒子の表面抵抗率を測定したところ、2×1017Ω/□であった。このトナー粒子31を用いて上記画像形成装置で記録紙両面に画像を形成し、裏面転写スジを評価した。この評価結果を表1に示す。
実施例5
トナー粒子30に、上記トナー粒子31に加えた外添剤の3/2倍を添加して得られたトナー粒子をトナー粒子32とする。このトナー粒子32の表面抵抗率を測定したところ、3×1017Ω/□であった。トナー粒子32を用いて上記画像形成装置で記録紙両面に画像を形成し、裏面転写スジを評価した。この評価結果を表1に示す。
実施例6
トナー粒子30に、上記トナー粒子31に加えた外添剤の2倍を添加して得られたトナー粒子をトナー粒子33とする。このトナー粒子の表面抵抗率を測定したところ、5×1017Ω/□であった。トナー粒子33を用いて上記画像形成装置で記録紙両面に画像を形成し、裏面転写スジを評価した。この評価結果を表1に示す。
Figure 2007086128
白スジの評価は目視で行った。
○・・・白スジ発生なしあるいは発生したが実用上問題なし
×・・・白スジ発生し実用上問題あり
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜6は、比較例1〜3に対して裏面転写スジが発生しにくく、転写性に優れていることが分かる。
なお、上記トナー粒子の表面抵抗率の測定方法として、測定器はアドバンテスト製R8340Aデジタル超高抵抗/微少電流計、プローブはJIS−K6911準拠φ50mm電極のプローブ、印加電圧500V、試料はトナー及びワックス単品を圧力だけでφ80mm、厚さ1mmを使用した。
また、ワックス単体の表面抵抗率を測定したが、ポリプロピレン:表面抵抗率5×1017Ω/□、ポリエチレン:表面抵抗率3×1017Ω/□、ポリブチレン:表面抵抗率2×1017Ω/□であった。
また、評価に使用した画像形成装置の設定条件は、2色トナー付着量:15g/m(定着後のトナー層厚さ20μm)、画像形成条件:ノーマル、2次転写電流値:表面50μA、裏面40μA(最適値固定)、テストに使用した紙:PODグロスコート(王子製紙製)128g/m(A3サイズ)、定着温度:上ローラ狙い温度200℃、下ローラ狙い温度180℃とした。
本発明に用いられる画像形成装置の構成の一例を示す断面図である。 (a)記録紙上にトナー層、ワックス層が形成されたときの断面図である。(b)ワックス層が掻き取られたときの断面図である。 本発明のメカニズムを説明する概念図である。 (a)加圧成形機により作製された測定試料を示す模式図である。(b)表面抵抗率測定装置の構成を示す模式図である。 本発明に使用されるトナーの構造を示す一例である。
符号の説明
4 転写手段
5 定着手段
6 判定排紙手段
7 再給紙手段
8 給紙手段
2Y、2M、2C、2K 露光手段
31Y、31M、31C、31K 感光体
32Y、32M、32C、32K 耐電手段
33Y、33M、33C、33K 現像手段
P 記録紙
GS 画像形成装置

Claims (5)

  1. 両面印刷機能を有する電子写真方式の画像形成装置に用いられ、且つ、ワックスを含有した電子写真用トナーであって、
    トナーの表面抵抗率をρt、ワックスの表面抵抗率をρwとしたとき、
    ρt/ρw≧1
    を満たすことを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記トナーまたはワックスの表面抵抗率は、トナーあるいはワックスに圧力を加えて作製した試料に電圧を印可して測定されることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 前記電子写真用トナーは、カラーの電子写真方式の画像形成装置に用いられることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナー。
  4. 記録紙上にトナー層を形成するステップと、前記トナー層の上にワックス層を形成するステップとを備えた画像形成方法であって、
    前記トナー層を形成するトナーの表面抵抗率をρt、前記ワックス層を形成するワックスの表面抵抗率をρwとしたとき、
    ρt/ρw≧1
    を満たすことを特徴とする画像形成方法。
  5. 前記トナーまたはワックスの表面抵抗率は、トナーあるいはワックスに圧力を加えて作製した試料に電圧を印可して測定されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
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