JP2007084959A - コーティング布帛及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐久性に優れた意匠性を有するコーティング布帛とその製造方法とを提供することを課題とする。
【解決手段】 繊維布帛の片面上に、ポリウレタン樹脂を主体とする多孔質である第一の樹脂層が非全面状にコーティングされ、その上から、ポリウレタン樹脂を主体とする第二の樹脂層が全面状にコーティングされてなるコーティング布帛、並びに繊維布帛の片面上にポリウレタン樹脂と発泡剤とを含む重合体溶液を非全面状に乾式コーティングする第一工程と、熱処理により前記発泡剤を発泡させる第二工程と、ポリウレタン樹脂を含む重合体溶液を用いて全面状に乾式コーティング又は湿式コーティングする第三工程とを含んでなるコーティング布帛の製造方法。
【選択図】 図8

Description

本発明は、コーティング布帛及びその製造方法に関するものである。
透湿性と防水性とを併せ持つコーティング布帛は、身体からの発汗による水蒸気を衣服外へ放出する機能(透湿性)と、雨が衣服内に進入するのを防ぐ機能(防水性)とを有している。製法として、ポリウレタン系樹脂を繊維布帛の表面に塗布し、乾式法又は湿式法により樹脂層を形成させる方法が知られている。コーティング布帛は、主としてスポーツ衣料や防寒衣料などに使用される。中でも運動に伴う発汗量の比較的多いスポーツもしくはアウトドア衣料分野などに好適に使用でき、特にスキー、アスレチック、登山などの分野において多用されている。一般的な用い方としては、樹脂層を裏側にして、さらに裏地を貼り付けて用いる。
近年、素材の軽量化、コストダウンなどの要望から、裏地を使用せずにコーティング布帛を一枚物として使用する要望が強くある。一枚物として使用するに当っては、樹脂層に意匠性などを付加することが好ましい。その方法として、コーティング布帛を作製した後、グラビアコーティング又はスクリーンプリントなどにより、樹脂層上に模様や柄などを付与する方法が広く採用されている。
しかしながら、上記の方法では着用中の摩耗又は洗濯などにより模様や柄が消滅しやすいという問題を残している。
かかる問題点の対応策として、特許文献1において、繊維布帛の片面上にポリウレタン樹脂を主体とする透湿防水膜を有し、該透湿防水膜が繊維布帛との接着界面に微少な空隙を有して特定の面積比で部分的に接着している透湿防水性コーティング布帛が開示されている。すなわち、模様を後から付与したものでなく、透湿防水膜の構造を模様として利用しようというものである。
特開2004−169233号公報
しかしながら、上記の透湿防水性コーティング布帛は、視覚効果を有するものの、立体感に乏しく意匠性の程度として十分もでないという問題がある。また、構造上、剥離強力にやや劣るという問題がある。
本発明は、このような現状に鑑みて行われたもので、耐久性に優れた意匠性を有するコーティング布帛とその製造方法とを提供することを課題とするものである。
本発明は、上記課題を解決するものであり、その要旨は下記の通りである。
(1)繊維布帛の片面上に、ポリウレタン樹脂を主体とする多孔質である第一の樹脂層が非全面状にコーティングされ、その上から、ポリウレタン樹脂を主体とする第二の樹脂層が全面状にコーティングされてなることを特徴とするコーティング布帛。
(2)第二の樹脂層が無孔質であることを特徴とする上記(1)記載のコーティング布帛。
(3)第二の樹脂層が微多孔質であることを特徴とする上記(1)記載のコーティング布帛。
(4)第二の樹脂層がハニカムスキンコア層であることを特徴とする上記(1)記載のコーティング布帛。
(5)第一の樹脂層がコーティングされた面積の比率が5〜70%であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のコーティング布帛。
(6)繊維布帛の片面上にポリウレタン樹脂と発泡剤とを含む重合体溶液を非全面状に乾式コーティングする第一工程と、熱処理により前記発泡剤を発泡させる第二工程と、ポリウレタン樹脂を含む重合体溶液を用いて全面状に乾式コーティング又は湿式コーティングする第三工程とを含んでなることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のコーティング布帛の製造方法。
(7)繊維布帛の片面上にポリウレタン樹脂と発泡剤とを含む重合体溶液を非全面状に乾式コーティングする第一工程と、ポリウレタン樹脂を含む重合体溶液を用いて全面状に乾式コーティング又は湿式コーティングする第二工程と、熱処理により前記発泡剤を発泡させる第三工程とを含んでなることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のコーティング布帛の製造方法。
本発明のコーティング布帛は、繊維布帛上に多孔質である第一の樹脂層が非全面状にコーティングされ、その上からさらに第二の樹脂層が全面状にコーティングされた構造を有するため、立体感に優れた意匠性に富むものとなり、また耐久性にも優れる。さらに、本発明のコーティング布帛は、引裂強度や風合いなどにも優れており、スポーツ衣料や防寒衣料などに好適である。
また、本発明のコーティング布帛の製造方法によれば、そのようなコーティング布帛を低コストで容易に得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる繊維布帛としては、ナイロン6やナイロン66で代表されるポリアミド系合成繊維、ポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエステル系合成繊維、ポリアクリルニトリル系合成繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維、トリアセテートなどの半合成繊維、あるいは、ナイロン6/綿、ポリエチレンテレフタレート/綿などの複合紡績糸から構成される織物、編物、不織布などがあげられる。
本発明のコーティング布帛は、上記の繊維布帛の片面上に、ポリウレタン樹脂を主体とする多孔質である第一の樹脂層が非全面状にコーティングされている。「非全面状にコーティングされて」とは、繊維布帛表面において、第一の樹脂層がコーティングされている部分とされていない部分とが交互に繰り返される態様をいう。したがって、繊維布帛表面の特定部分だけに集中して樹脂層をコーティングし残りはコーティングしないというような態様ではない。
非全面状にコーティングするパターンとしては、例えば、ドット状、格子状、線状、斜線状、ピラミッド状、亀甲状などの均一パターン、又はそれらに近似するパターンなどがあげられる。図1はドット状のパターンの平面図を、図2は亀甲状のパターンの平面図を模式的に示したものである。
本発明においては、上記のパターンを適宜使い分けることにより所望の意匠性を得ることができる。
ポリウレタン樹脂としては、例えば、イソシアネートとポリオールとを反応させて得られる共重合体があげられる。イソシアネートとしては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが単独で又は混合して用いられる。具体的には、トリレン2,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネートなどがあげられ、必要に応じて3官能以上のイソシアネートを使用してもよい。一方、ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどが用いられる。ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどがあげられる。ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのジオールと、アジピン酸、セバチン酸などの2塩基酸との反応生成物やカプロラクトンなどの開環重合物などがあげられる。
第一の樹脂層においては、上記のポリウレタン樹脂以外の重合体が含まれていてもよいが、ポリウレタン樹脂が50質量%以上含有されていることが好ましい。ポリウレタン樹脂以外の重合体としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリアミノ酸、ポリカーボネートなどの重合体やこれらの共重合体、あるいは、フッ素やシリコンなどで変成された前記重合体及び前記共重合体などがあげられる。
本発明において第一の樹脂層は多孔質である。すなわち、孔を樹脂層内部もしくは内部及び表面に多数有している状態をいう。第一の樹脂層に多数存在する孔の孔径としては、5μmを超えるものであり、さらには、10〜80μmが好ましい。ここで、円形以外の孔の孔径としては、当該孔と同面積の円の直径をもって孔径とする。なお、孔径の測定方法としては、断面写真を用いて測定することができる。例えば、走査電子顕微鏡(例えば(株)日立製作所製S−4000形電界放射形走査電子顕微鏡)を用いて、倍率10000倍で樹脂層の断面写真を撮影し、この写真に基づいて孔径を算出する。
孔の形態としては、特に限定されず、閉孔、隣接する孔同士が一部つながったもの、あるいは、樹脂層の内部から表面まで連通したものであってもよい。図3〜5に第一の樹脂層1の一例を示す。具体的に、図3は、閉孔のみを有する場合の断面図を模式的に示したものである。図4は、隣接する孔同士が一部つながっている場合の断面図を模式的に示したものである。図5は、孔の一部が樹脂層の内部から表面まで連通している場合の断面図を模式的に示したものである。
第一の樹脂層としては、図3に示すような個々に独立した閉孔が好ましい。このような孔3の形態は、熱膨張性マイクロカプセル6を用いて得られ、これにより比較的形状の揃った所望の孔を安定して得ることができるので、明瞭な模様を表現できる点で有利である。
熱膨張性マイクロカプセル6としては、例えば、イソブタン、イソペンタン、n−ペンタンなどの低沸点炭化水素4を塩化ビニリデン、アクリロニトリルなどの熱可塑性樹脂の殻壁5で内包したものなどがあげられる。
また、図4に示すような孔3aは、例えば、熱分解性発泡剤を用いて得ることができる。熱分解性発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p,p′−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジドなどの有機系発泡剤、あるいは、炭酸塩系又は有機酸系の無機系発泡剤などがあげられる。このように本発明においては、発泡剤として、熱膨張性マイクロカプセル、熱分解性発泡剤のいずれでも使用可能であり、その内、意匠性、加工安定性の点から熱膨張性マイクロカプセルが好ましく用いられる。
また、図5に例示した樹脂層は、孔3bが樹脂層の内部から表面まで連通している。このものは、図3、4の場合と比べ、引裂強度及び風合いをより向上させることができる。このような連通した孔は、例えば、水溶性高分子を用いて一旦樹脂層を形成し、しかる後に該水溶性高分子を溶出することにより得ることができる。水溶性高分子としては、例えば、澱粉、デキストリン、アルギン酸ソーダなどの多糖類、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロースなどのセルロースエステル類、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロースエーテル類、ゼラチン、アルブミン、グロブリンなどの水溶性蛋白質高分子化合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドなどの合成水溶性高分子化合物、又はそれらの誘導体などをあげることができ、これらの化合物は単独で又は混合して用いることができる。
第一の樹脂層の厚みAとしては、20〜200μmが好ましく、30〜100μmがより好ましい。第一の樹脂層の厚みとは、図3に示すように最も厚い部分を指し、測定方法としては、走査電子顕微鏡(例えば(株)日立製作所製S−4000形電界放射形走査電子顕微鏡)を用いて、倍率1000倍で樹脂層の断面写真を撮影し、この写真に基づいて厚みを求める。
また、第一の樹脂層において、コーティングされた面積の比率としては、特に限定されるものでないが、5〜70%の範囲であることが好ましい。この比率は、繊維布帛片面の面積をS1とし、その内、第一の樹脂層がコーティングされた面積をS2としたとき、下記式(1)により算出されるものである。
上記のコーティングされた面積の比率が5%未満になると、意匠性と共に、引裂強度、風合いが低下する傾向にあり好ましくない。一方、70%を超えると、防水性が低下する上、第二の樹脂層が繊維布帛に直接コーティングされる部分が少なくなるため、第二の樹脂層が剥がれやすくなる傾向にあり好ましくない。
なお、上記のコーティング面積の比率を大きく設定する場合は、第一の樹脂層は透湿性のものであることが好ましい。
また、本発明のコーティング布帛は、第一の樹脂層の上から、ポリウレタン樹脂を主体とする第二の樹脂層が全面状にコーティングされている。第二の樹脂層の形態としては、特に限定されるものではなく、例えば、多孔質な層であってもよい。ただし、第一の樹脂層と第二の樹脂層とが同質のものとなると、第一の樹脂層のコーティングされたパターンが視認し難くなる。したがってこの場合、第一の樹脂層とは孔の大きさに差を付けてパターンが明瞭に視認されるようにすることが好ましい。このような理由から、本発明においては、第二の樹脂層の形態として、第一の樹脂層と異なる形態を採用することがより好ましく、透湿性、防水性及び意匠性の点から、無孔質、微多孔質又はハニカムスキンコア層のいずれかであることが特に好ましい。
図6は、第二の樹脂層7として、無孔質の樹脂層を採用した場合のコーティング布帛の断面図を模式的に示したものである。無孔質とは、樹脂層中に全く孔を有していない場合は勿論、孔を有しているもののその孔径が0.01μm未満と非常に微細な場合も含める。
図7は、第二の樹脂層7として、微多孔質の樹脂層を採用した場合のコーティング布帛の断面図を模式的に示したものである。微多孔質における孔の孔径としては、孔径0.01〜5μmであり、かつ多孔質における孔の孔径の1/100〜1/5のものが多数あることが好ましい。
さらに、図8は、第二の樹脂層7として、ハニカムスキンコア層の樹脂層を採用した場合のコーティング布帛の断面図を模式的に示したものである。ハニカムスキンコア層とは、全体として微多孔質であるが、当該樹脂層内部に孔径5〜50μmの孔が互いに連通して形成された空洞状の孔を有している。ハニカムスキンコア層は、全体として透湿防水性を有している。
本発明のコーティング布帛は、第一の樹脂層1がコーティングされている面から該コーティング布帛を見たとき、第一の樹脂層1のパターンを視認でき、立体感に優れた意匠性を発現する。また、本発明においては、第一の樹脂層1は非全面状にコーティングされているので、第二の樹脂層7が繊維布帛2に直接コーティングされている部分が存在し、剥離強度が大きく低下することがない。したがって、耐久性にも優れている。その結果、模様などを後で付与したものと異なり、模様が消えにくい。
第二の樹脂層の厚みBとしては、樹脂層が無孔質である場合、1〜20μmが好ましく、3〜15μmがより好ましい。この場合の厚みが1μm未満であると、高密度の繊維布帛を使用したとしても防水性を発現し難い傾向にあり好ましくない。一方、20μmを超えると、透湿性が低下する傾向にあり好ましくない。また、無孔質以外の場合は、5〜80μmが好ましく、10〜60μmがより好ましい。この場合の厚みが5μm未満であると、高密度の繊維布帛を使用したとしても防水性を発現し難い傾向にあり好ましくない。一方、80μmを超えると、風合いが硬化するだけでなく、透湿性も低下する傾向にあり好ましくない。なお、第二の樹脂層の厚みとは、図6に示すように第二の樹脂層7が繊維布帛2に直接コーティングされている部分であって、最も薄い部分の厚みを指す。測定方法としては、第一の樹脂層の場合と同じく断面写真から求める。
また、本発明のコーティング布帛においては、第一の樹脂層又は第二の樹脂層の一方に着色剤が含有されている、あるいはそれぞれに色調の異なる着色剤が含有されていることが好ましい。これにより、第一の樹脂層のパターンをより鮮明に視認できるので、コーティング布帛の意匠性をより高めることができる。
着色剤としては、樹脂層を斑なく発色させうるものであれば、特に限定されるものでないが、耐久性の点から顔料が好適である。
顔料としては、有機顔料、無機顔料のいずれでも使用可能である。
有機顔料としては、例えば、フタロシアニン系、ジオキサジン系、アントラキノン系などの有機顔料があげられる。
一方、無機顔料としては、例えば、チタン白、亜鉛華などの白色無機顔料、コバルトグリーン、セルリアンブルー、コバルトブルー、コバルトバイオレットなどのコバルト化合物無機顔料、酸化鉄を主体にした黄、赤褐色、紺青色などの鉄化合物無機顔料、雲母層と酸化チタン層とからなるパール顔料、蛍光顔料などがあげられる。顔料の使用に当っては、所望の色彩、光沢などにより、上記顔料を単独で又は混合して用いることができる。
また、樹脂層には、樹脂層の光沢を増大させる目的で、無機物が含有されていてもよい。無機物としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、二酸化珪素又は酸化アルミニウムなどがあげられる。これらの無機物と上記着色剤とを併用すれば、樹脂層の色調及び光沢をより優れたものにすることができる。
次に、本発明のコーティング布帛の製造方法について説明する。
本発明の製造方法に用いる繊維布帛としては、撥水加工されたものを用いることが好ましい。撥水加工は、重合体溶液の繊維布帛内部への浸透を防ぐための一手段である。つまり、撥水加工することにより、重合体溶液が繊維布帛内部に浸透して、樹脂もれを生じたり、コーティングパターンの形状が崩れたりするというようなトラブルを防止することができる。撥水加工に用いる撥水剤としては、例えば、パラフィン系撥水剤、ポリシロキサン系撥水剤又はフッ素系撥水剤などが使用でき、加工方法としては、通常のパディング法又はスプレー法などの方法が採用できる。特に優れた撥水性を付与したい場合には、例えば、繊維布帛へフッ素系撥水剤エマルジョン(旭硝子(株)製、「GS−10(商品名)」)の5%水分散液をパディング法(絞り率25%)にて付与した後、150〜180℃で30〜120秒間熱処理すればよい。
また、上記の撥水加工に加え、繊維布帛がカレンダー加工されていると、重合体溶液の繊維布帛内部への浸透をより防ぐことができるため好ましい。加工方法としては、例えば、鏡面ロールを備えたカレンダー加工機を用いて温度140〜170℃、圧力250〜320kPa、速度25〜35m/分で実施すればよい。
本発明の製造方法においては、大別して二つの方法がある。すなわち、第二の樹脂層を形成する前に発泡剤を発泡させる方法(以下、「前者の方法」と記す)と、第二の樹脂層を形成した後に発泡剤を発泡させる方法(以下、「後者の方法」と記す)とがある。
まず、前者の方法について説明する。
この方法によれば、第一及び第二工程により第一の樹脂層が形成され、第三工程により第二の樹脂層が形成される。
第一工程としては、繊維布帛の片面上にポリウレタン樹脂と発泡剤とを含む重合体溶液を非全面状に乾式コーティングする。乾式コーティングとは、重合体溶液を繊維布帛に塗布した後、乾燥して溶媒を気化させ樹脂層を形成させる方法である。
第一工程においては、ポリウレタン樹脂と発泡剤とを含む重合体溶液を用いる。重合体溶液には、ポリウレタン樹脂以外の樹脂が含まれていてもよいが、ポリウレタン樹脂が50質量%以上含有されていることが好ましい。ポリウレタン樹脂とそれ以外の樹脂成分からなる樹脂成分と、発泡剤との含有割合としては、特に限定されるものではないが、固形分比で樹脂成分/発泡剤=200/1〜2/1の範囲が好ましく、100/1〜10/1の範囲がより好ましい。樹脂成分及び発泡剤の含有割合がこの範囲にあることにより、第一の樹脂層に十分な強度を保持させることができ、かつ意匠性をより高めることができる。固形分比が200/1を上回って樹脂成分が多くなると、発泡度合いが低下する傾向にあり好ましくない。一方、2/1を下回って発泡剤が多くなると、多孔質な樹脂層を形成し難くなることに加え、繊維布帛との密着性並びに防水性が低下する傾向にあり好ましくない。
また、重合体溶液に水溶性高分子を含有させると意匠性をより高めると共に引裂強度及び風合いを向上させることができる。樹脂成分と水溶性高分子との含有割合としては、特に限定されるものではないが、固形分比で樹脂成分/水溶性高分子=100/1〜1/1の範囲が好ましく、50/1〜2/1の範囲がより好ましい。固形分比が100/1を上回って樹脂成分が多くなると、引裂強度などがあまり向上しない傾向にあり好ましくない。一方、1/1を下回って水溶性高分子が多くなると、発泡効果が減少するだけでなく、パターンの形状が崩れ、その結果、意匠性が低下する傾向にあり好ましくない。
重合体溶液の溶媒としては、特に限定されるものではなく、水又は有機溶剤のいずれであってもよい。有機溶剤としては、イソプロピルアルコール、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどがあげられる。
また、重合体溶液の種類としては、特に限定されるものではなく、水性分散型、W/Oエマルジョン型、O/Wエマルジョン型、水溶性型又は溶剤型のいずれであってもよい。
重合体溶液の塗布方法としては、例えば、フラットスクリーンやロータリースクリーンなどのプリント機、又はグラビア加工機などを用いて所望のパターンに塗布すればよい。
また、塗布面積の比率、すなわち、繊維布帛片面の総面積に対し重合体溶液が塗布される面積の総和の比率としては、特に限定されるものでないが、5〜70%の範囲であることが好ましい。塗布面積の比率が5%未満になると、意匠性と共に、引裂強度、風合いが低下する傾向にあり好ましくない。一方、70%を超えると、防水性が低下する上、第二の樹脂層が繊維布帛に直接コーティングされる部分が少なくなるため、第二の樹脂層が剥がれやすくなる傾向にあり好ましくない。
乾式コーティングにおける乾燥条件としては、例えば、乾燥炉を備えたピンテンターなどを用いて拡布状としつつ、50〜150℃の温度で0.5〜5分間乾燥すればよい。
乾燥後の樹脂層(発泡剤を発泡させる前の樹脂層)の厚みとしては、最終的に目標にする厚みとするために、3〜100μmが好ましく、3〜50μmがより好ましく、5〜30μmが特に好ましい。厚みが3μm未満であると、意匠性が乏しくなる傾向にあり好ましくない。一方、100μmを超えると、透湿性及び防水性が低下する傾向にあり好ましくない。
第一工程の次に熱処理により発泡剤を発泡させる第二工程を行う。熱処理方法としては、例えば、乾燥炉を備えたピンテンターなどを用いて拡布状で行えばよい。熱処理条件としては、熱分解性発泡剤を用いる場合、100〜190℃の温度で0.5〜5分間熱処理すればよい。ただし、ポリウレタン樹脂がホットメルトタイプである場合は、150〜190℃が好ましい。一方、熱膨張性マイクロカプセルを用いる場合は、100〜180℃の温度で0.1〜5分間熱処理すればよい。
熱処理が終了した時点で、非全面状に第一の樹脂層が形成されるため、その後は、直ちに下記の第三工程へ移行してもよいが、第三工程へ移行する前に水洗してもよい。第一工程において上記水溶性高分子を含む重合体溶液を用いた場合は、この水洗により、上記水溶性高分子を除去することができる。水洗方法としては、単に水浴中に浸漬するだけでもよく、オープンソーパーなどの精練機、ジッガー染色機、ビーム染色機、液流染色機などの染色機を用いて行ってもよい。水洗条件としては、5〜80℃の水浴中で0.5〜15分間水洗すればよい。水洗後は、必要に応じて、乾燥を行ってもよい。
なお、既述したように、第一の樹脂層の厚みとしては、20〜200μmが好ましく、30〜100μmがより好ましい。
次に、第三工程として、第一の樹脂層の上からポリウレタン樹脂を含む重合体溶液を用いて全面状に乾式コーティング又は湿式コーティングする。なお、湿式コーティングとは、重合体溶液を塗布した後、多量の水に浸漬することにより樹脂層を形成する方法である。
第三工程は、第二の樹脂層を形成するための工程であり、第二の樹脂層の形態としては、既述したように無孔質、微多孔質又はハニカムスキンコア層のいずれかが好ましい。第二の樹脂層の形態を所望のものとすることは、コーティング方法並びに重合体溶液の種類を適宜選択することにより可能である。例えば、水性分散型、水溶性型又は溶剤型の重合体溶液を用いて乾式コーティングすれば無孔質の樹脂層を形成することができ、W/Oエマルジョン又はO/Wエマルジョン型の重合体溶液を用いて乾式コーティングすれば微多孔質の樹脂層を形成することができる。さらに、溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどの極性有機溶剤を使用した溶剤型の重合体溶液を用いて湿式コーティングすれば、ハニカムスキンコア層の樹脂層を形成することができる。
重合体溶液の塗布方法としては、通常の塗布方法を採用することができる。例えば、ナイフコータ、コンマコータ又はリバースコータなどを用いて塗布することができる。
また、重合体溶液には、繊維布帛及び第一の樹脂層との接着性向上のため、繊維布帛及びポリウレタン樹脂に対する親和性に優れた化合物が含有されていることが好ましい。そのような化合物として、イソシアネート化合物が好適に使用できる。
イソシアネート化合物としては、例えば、第一工程で使用するポリウレタン樹脂の一成分であるイソシアネートが使用できる。
イソシアネート化合物の使用量としては、重合体溶液に対して0.1〜10質量%の範囲で使用することが好ましい。使用量が0.1質量%未満であると、繊維布帛に対する接着力があまり向上しない傾向にあり好ましくない。一方、10質量%を超えると、風合いが硬化する傾向にあり好ましくない。
乾式コーティングにおける乾燥条件としては、例えば、乾燥炉を備えたピンテンターなどを用いて拡布状としつつ、50〜150℃の温度で0.5〜5分間熱処理すればよい。
一方、湿式コーティングを行う際の水への浸漬としては、5〜40℃の水浴中に0.5〜2分間浸漬すればよい。浸漬することは、重合体溶液中の溶媒と水とを置換して樹脂成分を凝固させるためのものであるが、第一工程において水溶性高分子を含む重合体溶液を用いた場合は、この浸漬によっても水溶性高分子を溶出することができる。したがって、第一工程において水溶性高分子を含む重合体溶液を用い、第二工程において熱処理した後そのまま第三工程に移った場合は、同工程において湿式コーティングを採用することが好ましい。なお、浸漬した後は、必要に応じて、水洗、乾燥を行ってもよい。
なお、既述したように、第二の樹脂層の厚みとしては、無孔質の場合は1〜20μmが好ましく、無孔質以外の場合は5〜80μmが好ましい。
第三工程の後は、必要に応じて、撥水処理を行ってもよい。この撥水処理により、防水性を向上させることができる。撥水処理方法としては、既述の方法が採用できる。
次に、後者の方法、すなわち、第二の樹脂層を形成した後に発泡剤を発泡させる方法について説明する。
この方法によれば、第一及び第三工程により第一の樹脂層が形成され、第二工程により第二の樹脂層が形成される。
この方法における第一工程としては、繊維布帛の片面上にポリウレタン樹脂と発泡剤とを含む重合体溶液を非全面状に乾式コーティングする。重合体溶液には、前者の方法と同じく、水溶性高分子を含有させることが好ましい。乾式コーティング後は、直ちに下記の第二工程へ移行してもよいが、水洗した後に第二工程へ移行してもよい。前者の方法と同じく、第一工程において水溶性高分子を含む重合体溶液を用いた場合は、この水洗により、水溶性高分子を除去することができる。
第二工程としては、ポリウレタン樹脂を含む重合体溶液を用いて全面状に乾式コーティング又は湿式コーティングする。ただし、第一工程において水溶性高分子を含む重合体溶液を用いて乾式コーティングし、そのまま第二工程に移った場合は、同工程において湿式コーティングを採用することが好ましい。
続いて第三工程として、熱処理により発泡剤を発泡させる。
第三工程の後は、前者の方法と同じく必要に応じて撥水処理を行ってもよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、実施例、比較例及び参考例におけるコーティング布帛の性能の測定、評価は、下記の方法で行った。
(1)防水性
JIS L−1092 B法(高水圧法)に準じてコーティング布帛の耐水圧を測定した。
(2)透湿性
JIS L−1099 A−1法(塩化カルシウム法)に準じてコーティング布帛の透湿度を測定した。
(3)引裂強度
JIS L−1096 D法(ペンジュラム法)に準じてコーティング布帛の経緯方向の引裂強度を測定した。
(4)意匠性
コーティング布帛の意匠性を目視により評価し、下記3段階で相対評価した。
○:第一の樹脂層のコーティングパターンがはっきりと視認できる。
△:第一の樹脂層のコーティングパターンがぼんやりと視認できる。
×:第一の樹脂層のコーティングパターンをほとんど視認できない。
(5)コーティングの耐久性
JIS L−0217 103法に準じた洗濯を30回繰り返した後の外観変化を下記3段階で相対評価した。
○:ほとんど変化しない。
△:第二の樹脂層が部分的に剥がれ、第一の樹脂層が一部洗い流されている。
×:第二の樹脂層が著しく剥がれ、第一の樹脂層が多く洗い流されている。
(6)風合い
ハンドリングにより、コーティング布帛の風合いを下記4段階で相対評価した。
◎:非常に柔らかい ○:柔らかい △:やや硬い ×:硬い
(参考例1)
経緯糸共にナイロン6マルチフィラメント78dtex/48fを用いて、経糸密度110本/2.54cm、緯糸密度95本/2.54cmの平組織の織物を製織し、精練後、酸性染料(日本化薬(株)製、「Kyanol Blue NR(商品名)」)を1%omf用いて染色した。次に、フッ素系撥水剤エマルジョン(旭硝子(株)製、「アサヒガードGS−10(商品名)」)の5%水分散液をパディング法(絞り率25%)にて付与した後、乾燥し、170℃で40秒間の熱処理した。
次に、鏡面ロールを有するカレンダー加工機を用いて、温度150℃、圧力300kPa、速度30m/分の条件でカレンダー加工し、本発明に用いうる繊維布帛を得た。
(実施例1)
参考例1で得られた繊維布帛を用いて、第一工程において、まず、繊維布帛のカレンダー面に、下記処方1に示す組成(固形分比:ポリウレタン樹脂/発泡剤=25/1)であって固形分26%、粘度5000mPa・s/25℃の重合体溶液を、塗布面積の比率が35%となるように非全面状に塗布した。重合体溶液の塗布に当っては、表面形状がドット状でドット幅0.7mm、ドット間隔0.4mm、23メッシュ、深度100μmのグラビアロールを有するグラビア加工機を用いた。コーティングのパターンは、図1のようなドット状であった。その後、100℃で2分間乾燥して厚みが20μmの樹脂層を形成した。続いて、第二工程として、130℃で1分間熱処理することにより発泡剤を発泡させ、厚みが50μmである第一の樹脂層を形成した。
〈処方1〉
水溶性ポリウレタン樹脂溶液(第一工業製薬(株)製、「スーパーフレックスE−2000(商品名)」固形分50%) 50質量部
発泡剤(大日精化工業(株)製、熱膨張性マイクロカプセル「マイクロスフェアーM430(商品名)」平均粒子径約15μm、発泡温度115〜140℃) 1質量部
溶媒(水) 50質量部
増粘剤(第一工業製薬(株)製、「M2005A(商品名)」) 3質量部
次に、第三工程として、第一の樹脂層を形成した面に、下記処方2に示す組成で固形分濃度20%、粘度9000mPa・s/25℃の重合体溶液を、コンマコータを用いて塗布量150g/mで全面状に塗布し、直ちに20℃の水浴中に1分間浸漬して第二の樹脂層を形成した。その後、60℃で10分間湯洗し、120℃で3分間乾燥して、本発明のコーティング布帛を得た。なお、第二の樹脂層はハニカムスキンコア層であり、厚みは55μmであった。
〈処方2〉
エステル型ポリウレタン樹脂溶液(大日精化工業(株)製、「レザミンCU4555(商品名)」固形分27%) 100質量部
イソシアネート化合物(大日精化工業(株)製、「レザミンX(商品名)」固形分100%) 1質量部
溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド) 40質量部
(実施例2)
参考例1で得られた繊維布帛を用いて、第一工程において、まず、繊維布帛のカレンダー面に、下記処方3に示す組成(固形分比:ポリウレタン樹脂/発泡剤/水溶性高分子=25/2/5)であって固形分31%、粘度6000mPa・s/25℃の重合体溶液を、塗布面積の比率が40%となるように非全面状に塗布した。重合体溶液の塗布に当っては、表面形状が亀甲状でドット幅0.7mm、ドット間隔0.4mm、23メッシュ、深度100μmのグラビアロールを有するグラビア加工機を用いた。コーティングのパターンは、図2のような亀甲状であった。その後、100℃で2分間乾燥して厚みが25μmの樹脂層を形成した。続いて、第二工程として、130℃で1分間熱処理することにより発泡剤を発泡させ、厚みが60μmである第一の樹脂層を形成した。
〈処方3〉
水溶性ポリウレタン樹脂溶液(第一工業製薬(株)製、「スーパーフレックスE−2000(商品名)」固形分50%) 50質量部
発泡剤(大日精化工業(株)製、熱膨張性マイクロカプセル「マイクロスフェアーM430(商品名)」平均粒子径約15μm、発泡温度115〜140℃) 2質量部
水溶性高分子(第一工業製薬(株)製、カルボキシメチルセルロース「DKSファインガムHE(商品名)」10%水溶液) 50質量部
第三工程以下は実施例1と同様に行ない、本発明のコーティング布帛を得た。
(比較例1)
第一及び第二工程を省く以外は実施例1と同様にして比較用のコーティング布帛を得た。
(参考例2)
表面形状がドット状であるグラビアロールを有するグラビア加工機に代えて表面形状が格子状で35線/2.54cm、深度が100μmのグラビアロールを有するグラビア加工機を用いること、コーティングのパターンをドット状ではなく格子状とすること、並びに塗布面積の比率を35%ではなく80%とすること以外は、実施例1と同様にして本発明のコーティング布帛を得た。
(参考例3)
表面形状が亀甲状であるグラビアロールを有するグラビア加工機に代えて表面形状が格子状で35線/2.54cm、深度が100μmのグラビアロールを有するグラビア加工機を用いること、コーティングのパターンを亀甲状ではなく格子状とすること、並びに塗布面積の比率を40%ではなく80%とすること以外は、実施例2と同様にして本発明のコーティング布帛を得た。
(実施例3)
第一工程として、実施例1における第一工程と同様に行った後、第二工程として、樹脂層の上から、下記処方4に示す組成であって固形分濃度19%、粘度8000mPa・s/25℃の重合体溶液を、コンマコータを用いて塗布量70g/mで全面状に塗布し、100℃で2分間乾燥して第二の樹脂層を形成した。その後、第三工程として、130℃で2分間熱処理することにより第一工程で用いた発泡剤を発泡させ、本発明のコーティング布帛を得た。なお、第二の樹脂層は無孔質であり、厚みは12μmであった。
〈処方4〉
エーテル型ポリウレタン樹脂溶液(セイコー化成(株)製、「ラックスキンU2524(商品名)」固形分25%) 50質量部
ポリウレタン系マット剤溶液(セイコー化成(株)製、「ラックスキンU2524M(商品名)」固形分20%) 50質量部
溶媒(イソプロピルアルコール) 10質量部
溶媒(トルエン) 10質量部
(実施例4)
第一工程として、まず、実施例2における第一工程と同様に行った後、60℃の水浴中に10分間浸漬して水溶性高分子を除去し、100℃で2分間乾燥した。
次に、第二工程として、塗布量を70g/mではなく60g/mとする以外は実施例3における第二工程と同様に行った後、第三工程以下は実施例3と同様に行ない、本発明のコーティング布帛を得た。なお、第二の樹脂層は無孔質であり、厚みは10μmであった。
(比較例2)
第一及び第三工程を省く以外は実施例3と同様にして比較用のコーティング布帛を得た。
以上の実施例、参考例及び比較例で得られたコーティング布帛の性能測定結果、評価結果を表1に示す。
表1より明らかなように、実施例1〜4で得られたコーティング布帛は、透湿性、防水性、引裂強度の他、意匠性、風合いにも優れるものであった。
これに対し、比較例1、2のコーティング布帛は、第一の樹脂層が形成されていないため意匠性と共に引裂強度、風合いに劣るものとなった。
また、参考例2のコーティング布帛は、第一の樹脂層がコーティングされた面積の比率が高いため、実施例1のコーティング布帛と比べ防水性に劣るものとなった。参考例3のコーティング布帛も同様の理由から、実施例2のコーティング布帛と比べ防水性に劣るものとなった。また、参考例2、3のコーティング布帛は、いずれも第一の樹脂層がコーティングされた面積の比率が高いため、第二の樹脂層の一部が剥離する結果となった。
ドット状のコーティングパターンの平面図を模式的に示したものである。 亀甲状のコーティングパターンの平面図を模式的に示したものである。 本発明における第一の樹脂層の一例であり、閉孔のみを有する場合の断面図を模式的に示したものである。 本発明における第一の樹脂層の一例であり、隣接する孔同士が一部つながっている場合の断面図を模式的に示したものである。 本発明における第一の樹脂層の一例であり、孔の一部が樹脂層の内部から表面まで連通している場合の断面図を模式的に示したものである。 本発明のコーティング布帛の一例であり、第二の樹脂層として、無孔質の樹脂層を採用した場合の断面図を模式的に示したものである。 本発明のコーティング布帛の一例であり、第二の樹脂層として、微多孔質の樹脂層を採用した場合の断面図を模式的に示したものである。 本発明のコーティング布帛の一例であり、第二の樹脂層として、ハニカムスキンコア層の樹脂層を採用した場合の断面図を模式的に示したものである。
符号の説明
1 第一の樹脂層
2 繊維布帛
3、3a、3b 孔
4 低沸点炭化水素
5 殻壁
6 熱膨張性マイクロカプセル
7 第二の樹脂層
A 第一の樹脂層の厚み
B 第二の樹脂層の厚み

Claims (7)

  1. 繊維布帛の片面上に、ポリウレタン樹脂を主体とする多孔質である第一の樹脂層が非全面状にコーティングされ、その上から、ポリウレタン樹脂を主体とする第二の樹脂層が全面状にコーティングされてなることを特徴とするコーティング布帛。
  2. 第二の樹脂層が無孔質であることを特徴とする請求項1記載のコーティング布帛。
  3. 第二の樹脂層が微多孔質であることを特徴とする請求項1記載のコーティング布帛。
  4. 第二の樹脂層がハニカムスキンコア層であることを特徴とする請求項1記載のコーティング布帛。
  5. 第一の樹脂層がコーティングされた面積の比率が5〜70%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のコーティング布帛。
  6. 繊維布帛の片面上にポリウレタン樹脂と発泡剤とを含む重合体溶液を非全面状に乾式コーティングする第一工程と、熱処理により前記発泡剤を発泡させる第二工程と、ポリウレタン樹脂を含む重合体溶液を用いて全面状に乾式コーティング又は湿式コーティングする第三工程とを含んでなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のコーティング布帛の製造方法。
  7. 繊維布帛の片面上にポリウレタン樹脂と発泡剤とを含む重合体溶液を非全面状に乾式コーティングする第一工程と、ポリウレタン樹脂を含む重合体溶液を用いて全面状に乾式コーティング又は湿式コーティングする第二工程と、熱処理により前記発泡剤を発泡させる第三工程とを含んでなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のコーティング布帛の製造方法。
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