JP2007084591A - ゴム組成物およびゴム架橋物 - Google Patents

ゴム組成物およびゴム架橋物 Download PDF

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Tsutomu Yoshimura
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Abstract

【課題】 耐熱老化性に優れたゴム架橋物を与える、経時安定性の高いゴム組成物を提供すること。
【解決手段】ゴム質重合体100重量部に対して、(a)硫黄原子含有有機化合物0.01〜5重量部及び(b)特定の化学構造を有する化合物0.01〜10重量部を含有してなるゴム組成物。該ゴム組成物は、好ましくはさらに(c)アルコキシカルボニル基を有するフェノール系化合物0.01〜5重量部を含有してなり、また、ゴム架橋物を形成させるために、通常、架橋剤を含有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐熱老化性に優れた架橋物を与える、経時安定性の高いゴム組成物に関する。
ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体などの共役ジエン重合体ゴムは、自動車タイヤ、チューブ材、ホース類、シール材、マット材、防振材、ベルト材など種々の用途で有用なゴム部材として使用されている。共役ジエン重合体ゴムは、その分子鎖に共役ジエン単量体単位に由来する炭素−炭素二重結合があって熱老化しやすいため、一般に、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、硫黄系老化防止剤などの老化防止剤や、フェノール系老化防止剤とトリス(ノニルフェニル)ホスファイトなどリン系化合物を併せて配合することが行われている。また、特定の2種以上のフェノール化合物(特許文献1)、ジ−t−アミルフェノール化合物及びリン系化合物(特許文献2)、特定のフェノール系老化防止剤及びその他のフェノール系化合物又はリン系化合物(特許文献3)などの組み合わせ系安定剤を配合することも提案されている。しかしながら、これらによっても共役ジエン共重合体ゴム架橋物の耐熱老化性の改善は不十分で、また、架橋前のゴム組成物の段階においても経時中に二重結合で架橋が起き、安定性に劣る。
一方、特許文献4は2−位及び4−位を硫黄原子含有基で置換したフェノール化合物の添加を提唱し、特許文献5は少なくとも1種の硫黄原子含有酸化防止剤、硫黄原子不含の少なくとも1種のヒンダードフェノール系酸化防止剤及び少なくとも1種のエポキシ基含有化合物を共役ジエン重合体に配合してなる組成物を開示している。しかし、これら含硫黄化合物を利用する方法によると、ゴム組成物の経時安定性は小さく、耐熱老化後の伸び変化率が大きい。
特公平2−53459号公報 特開平2−279756号公報 特開平4−246454号公報 特公平8−25990号公報 特開2000−103906号公報
本発明の目的は、耐熱老化性に優れたゴム架橋物を与える、経時安定性の高いゴム組成物を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究した結果、ゴム質重合体に、硫黄原子含有有機化合物及び特定化学構造含有化合物を配合したゴム組成物により上記の目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに到った。
かくして本発明によれば、ゴム質重合体100重量部に対して、(a)硫黄原子含有有機化合物0.01〜5重量部及び(b)下記一般式(1)で表わされる化合物0.01〜10重量部を含有してなるゴム組成物が提供される。
Figure 2007084591
(ここで、R及びRは独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基もしくはアラルキル基を、r〜r10は独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、ニトロ基;又は;炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニルアリール基、ハロアルキル基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、ハロアルコキシル基、アリールオキシル基、アラルキルオキシル基、アシル基、アシルオキシル基、アシルオキシアルコキシル基、アリールメルカプト基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基もしくはリン酸アルカノールエステル基を表わす。nは2〜5の整数を示す。)
本発明のゴム組成物には、好ましくは、さらに(c)アルコキシカルボニル基を有するフェノール系化合物0.01〜5重量部が、また、架橋のための架橋剤が含有される。また、別の本発明によれば、上記本発明のゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物が提供される。
本発明により、耐熱老化性に優れたゴム架橋物を与える、経時安定性の高いゴム組成物が提供される。
本発明のゴム組成物は、ゴム質重合体100重量部に対して、(a)硫黄原子含有有機化合物0.01〜5重量部及び(b)前記一般式(1)で表わされる化合物0.01〜10重量部を含有してなるものである。
ゴム質重合体として限定はないが、共役ジエン重合体ゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、フッ素ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロロヒドリンゴム、シリコーンゴムなどが挙げられる。なかでも共役ジエン重合体ゴム及びアクリルゴムが好ましく、共役ジエン重合体ゴムがより好ましい。
共役ジエン重合体ゴムは、共役ジエン単独重合体でも、他の単量体との共重合体でもよいが本発明の効果がより一層顕著に現れることから、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムが特に好ましい。共役ジエン重合体ゴムは、分子中に重合単量体単位として共役ジエン由来の単量体単位(以下、「共役ジエン単位」と記す。)を10重量%以上、好ましくは25〜85重量%、より好ましくは35〜80重量%、特に好ましくは45〜75重量%有するゴムである。共役ジエン単位の含有量が少なすぎると、ゴム架橋物のゴム弾性が低下するおそれがあり、多すぎると耐熱性や耐化学的安定性が損なわれる可能性がある。また、共役ジエン重合体ゴムとしてアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムを用いる場合の結合アクリロニトリル量は、好ましくは15〜75重量%、より好ましくは20〜65重量%、特に好ましくは25〜55重量%である。上記範囲にすることで、本発明の効果がより一層顕著になる。
共役ジエン重合体ゴムが共重合体の場合に用いられる他の単量体としては、芳香族ビニル、(メタ)アクリル酸誘導体(アクリル酸誘導体及びメタクリル酸誘導体の略記。)、α,β−エチレン性不飽和ニトリル、オレフィンなどの、共役ジエンと共重合可能な単量体が挙げられる。
共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエンなどが挙げられる。
芳香族ビニルとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレンなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸誘導体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和ニトリルとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなどが挙げられる。
共役ジエン重合体ゴムは、共役ジエン及びこれと共重合可能な単量体を、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法などの公知の方法によって重合することにより製造することができるが、重合反応の制御の容易性等から乳化重合法によるのが好ましい。
上記の単量体を重合して得られる共役ジエン重合体ゴムの具体例としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体などが挙げられる。また、これらのゴムの共役ジエン単位にある不飽和結合の部分を水素化した、ヨウ素価が好ましくは500以下のゴムも挙げられる。
共役ジエン重合体ゴムのムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは15〜150、より好ましくは20〜120、特に好ましくは30〜90である。ムーニー粘度が小さすぎるとゴム組成物の成形加工性やゴム架橋物の機械的特性が劣るおそれがあり、大きすぎると成形加工性が劣る可能性がある。
アクリルゴムは、分子中に重合単量体単位として(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を60重量%以上、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上含有する重合体である。
(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体などが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、炭素数1〜8のアルカノールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどが挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸エチル及び(メタ)アクリル酸n−ブチルが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体としては、炭素数2〜8のアルコキシアルカノールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましく、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチルなどが挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル及び(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルが好ましい。
また、アクリルゴムは、架橋点を有する単量体に基づく単量体単位を含有する共重合体であることが好ましい。かかる共重合体をアクリルゴムとして用いたゴム組成物は、成形時に効果的に架橋を行うことができるので弾性のある架橋物を得ることができる。架橋点を有する単量体としては、カルボキシル基、ハロゲン原子、エポキシ基または水酸基を有する単量体;ジエン単量体;などが挙げられる。
カルボキシル基を有する単量体としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸などの炭素数3〜12のα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などの炭素数4〜12のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸;フマル酸モノエチル、フマル酸モノシクロペンチル、マレイン酸モノブチル、イタコン酸モノブチルなどの炭素数3〜11のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸と炭素数1〜8のアルカノールとのモノエステル;などが挙げられる。尚、上記単量体のうち、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸は、アクリルゴム重合体中で、ジカルボン酸無水物の形の単量体単位として使われてもよい。架橋の際に加水分解してカルボキシル基を生成すればよいからである。
ハロゲン原子を有する単量体としては特に限定されないが、例えば、フルオロ酢酸ビニル、2−クロロプロピオン酸ビニルなどの炭素数3〜12の飽和ハロカルボン酸と炭素数2〜6の不飽和アルカノールとのエステル;(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸2−クロロプロピルなどの炭素数4〜12の(メタ)アクリル酸ハロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸2−(クロロアセトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−(ヒドロキシクロロアセトキシ)プロピルなどの炭素数6〜12の(メタ)アクリル酸ハロアシロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸2−(クロロアセチルカルバモイルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−(クロロアセチルカルバモイルオキシ)プロピルなどの炭素数7〜12の(メタ)アクリル酸(ハロアセチルカルバモイルオキシ)アルキルエステル;クロロメチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテルなどの炭素数3〜12の不飽和ハロアルキルエーテル;2−クロロエチルビニルケトン、3−クロロプロピルビニルケトンなどの炭素数4〜12の不飽和ハロアルキルケトン;p−クロロメチルスチレン、p−ビス(クロロメチル)スチレンなどの炭素数7〜12のハロアルキル基含有芳香族ビニル;N−クロロメチル(メタ)アクリルアミドなどの炭素数4〜12の不飽和ハロアルキル基含有アミド;3−(ヒドロキシクロロアセトキシ)プロピルアリルエーテルなどの炭素数4〜12のハロアセチル基含有不飽和単量体;などが挙げられる。
エポキシ基を有する単量体としては特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジルなどの炭素数6〜12のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル;メタリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどの炭素数6〜12のエポキシ基含有(メタ)アリルエーテル;など挙げることができる。
水酸基を有する単量体としては特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチルなどの炭素数4〜12の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミドなどの炭素数4〜12の水酸基含有(メタ)アクリル酸アミド;ビニルアルコール等を挙げることができる。
ジエン単量体としては、共役ジエン重合体ゴムの原料単量体として前記した炭素数4〜16の共役ジエン単量体;及び;エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、(メタ)アクリル酸2−ジシクロペンタジエニルエチルなどの炭素数4〜16の非共役ジエン単量体がある。
これらの架橋点を有する単量体の中ではカルボキシル基、ハロゲン原子又はエポキシ基を有する単量体が好ましい。架橋点を有する単量体は、1種単独でまたは2種以上を併せて使用することができる。
架橋点を有する単量体単位の含有量はアクリルゴム中の、好ましくは0〜25重量%、より好ましくは0.1〜20重量%、特に好ましくは0.5〜5重量%である。該単量体単位が多すぎるとゴム架橋物の伸びが低下したり圧縮永久歪みが増大したりする可能性がある。
また、アクリルゴムは、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位と上記の架橋点を有する単量体単位とに加えて、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて、(メタ)アクリル酸エステル単量体や架橋点を有する単量体と共重合可能な単量体の単位を含んでいてもよい。かかる共重合可能な単量体としては、芳香族ビニル、α,β−エチレン性不飽和ニトリル、オレフィン、(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有する単量体(多官能アクリル単量体)などが挙げられる。
多官能アクリル単量体としては、エチレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル、プロピレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステルなどが挙げられる。
これらの共重合可能な単量体の中でも、α,β−エチレン性不飽和ニトリル、とりわけ、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが好ましい。アクリルゴム中のかかる単量体単位の量は、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは0〜20重量%である。
アクリルゴムは、(メタ)アクリル酸エステル単量体、並びに、必要に応じて用いられる架橋点を有する単量体及びこれらと共重合可能な単量体などの単量体を、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法などの公知の方法によって重合することにより製造することができるが、重合反応の制御の容易性等から、常圧下での乳化重合法によるのが好ましい。
アクリルゴムのムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは10〜90、より好ましくは20〜80、特に好ましくは30〜70である。ムーニー粘度が小さすぎるとゴム組成物の成形加工性やゴム架橋物の機械的特性が劣るおそれがあり、大きすぎると成形加工性が劣る可能性がある。
本発明組成物の(a)成分として用いられる硫黄原子含有有機化合物は、分子中に硫黄原子を少なくとも1つ含有する、ポリスルフィド以外の有機化合物である。硫黄原子含有有機化合物としては、酸化防止剤として従来公知のものを好適に用いることができる。硫黄原子含有有機化合物の具体例としては、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕などの含硫黄フェノール系化合物;ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネートなどの含硫黄カルボン酸エステル系化合物;ドデカンチオールとアルキルフェノールのメチレン基を介した付加物で平均分子量が850程度のもの(グッドイヤー社からWingstay−Kとして入手できる)などが挙げられる。これらの中でも含硫黄フェノール系化合物が好ましく、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールが特に好ましい。
上記(a)成分は、分子量200〜600のものが好ましく、300〜500のものがより好ましい。分子量が小さすぎると揮発しやすくなるおそれがあり、大きすぎると分散性が低下する可能性がある。
本発明のゴム組成物において上記(a)成分は、ゴム質重合体100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部、より好ましくは0.07〜2重量部用いられる。ゴム組成物における(a)成分の含有量が少なすぎると経時安定性が低下し、また、ゴム架橋物の耐熱老化性が低下するおそれがあり、逆に、多すぎるとスコーチが速くなり、また、ゴム架橋物の耐熱性改善効果が向上しない可能性がある。
本発明組成物の(b)成分として用いられる前記一般式(1)で表わされる化合物としては、下記式(2)で表されるフェノールとスチレンの反応物(スチレン化フェノール)であって、フェノール1分子に対してスチレンが2分子以上反応して結合したものが好ましく、下記式(2)におけるmが2又は3であるものが特に好ましい。スチレン化フェノールの具体例としては、モノ−ジ・スチレン化フェノール混合物〔商品名:SP、三光(株)製〕、ジ−トリ・スチレン化フェノール混合物〔商品名:SP−23、三光(株)製〕、及びトリ−スチレン化フェノール〔商品名:TSP、三光(株)製〕等が挙げられる。
Figure 2007084591
(式中、mは2〜5の整数を表す。)
上記(b)成分は、分子中のフェノール系水酸基の数が1〜5のものが好ましく、1〜3のものがより好ましく、1のものが特に好ましい。
本発明のゴム組成物において上記(b)成分は、ゴム質重合体100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.2〜3重量部用いられる。ゴム組成物における(b)成分の含有量が少なすぎると経時安定性が低下し、また、ゴム架橋物の耐熱老化性が不十分になるおそれがあり、逆に、多すぎるとゴム架橋物の耐熱性改善効果が向上しないおそれがある。
本発明のゴム組成物は、さらに(c)成分としてアルコキシカルボニル基を有するフェノール系化合物を含有することが好ましい。かかる(c)成分は、下記一般式(3)で示されるものが好ましい。
Figure 2007084591
〔ここで、Xはフェノール構造を含有する炭素数5〜60、好ましくは7〜50の原子団を表わす。Rは炭素数1〜10、好ましくは3〜6のアルキル基を表わし、プロピル基が特に好ましい。〕
上記(c)成分の例としては、2−エチルヘキシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、エチレンビス(オキシエチレン)ビス{3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート}などが挙げられるが、本発明の効果がより一層顕著に現れることからオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが特に好ましい。
上記(c)成分は、分子量が300〜1,000のものが好ましく、400〜800のものがより好ましい。また、分子中のフェノール系水酸基の数が1〜3のものが好ましく、1のものがより好ましい。また、分子中のエステル構造の数が1〜3のものが好ましく、1のものがより好ましい。
本発明のゴム組成物において上記(c)成分は、ゴム質重合体100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.05〜3重量部、特に好ましくは0.07〜2重量部用いられる。ゴム組成物における(c)成分の含有量が少なすぎると、ゴム架橋物の耐熱老化性が不十分になるおそれがある。
本発明のゴム組成物を架橋してゴム架橋物を得るために使用される架橋剤は、ゴム質重合体の持つ不飽和結合、カルボキシル基、ハロゲン原子、エポキシ基などを架橋点として利用する公知のものが使用される。即ち、不飽和結合を利用する架橋剤としては硫黄系架橋剤及び有機過酸化物が、カルボキシル基を利用する架橋剤としては多価アミン化合物、多価ヒドラジド化合物、多価エポキシ化合物、多価イソシアナート化合物、アジリジン化合物、塩基性金属酸化物、有機金属ハロゲン化物などが、ハロゲン原子を利用する架橋剤としては硫黄、硫黄供与体、ジアジンチオール化合物、トリアジンチオール化合物、チオウレア系化合物、ポリオール系化合物、メルカプトキノキサリン系化合物、有機過酸化物などが、エポキシ基を利用する架橋剤としては多価アミン化合物、アジリジン化合物、多価カルボン酸及び酸無水物などが使用される。
硫黄系架橋剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄などの硫黄;4,4’−ジチオモルホリン、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、高分子多硫化物などの硫黄供与体;などが例示される。これらは1種使用しても、2種以上併用してもよい。
有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンなどのジアルキルパーオキサイド類;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどのパーオキシエステル類;などが挙げられ、これらは1種使用しても、2種以上併用してもよい。
多価アミン化合物としては、ヘキサメチレンジアミンカルバメ−ト、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、4,4’−メチレンジアニリン、m−フェニレンジアミン、2,2’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、m−キシリレンジアミンなどが例示される。
多価ヒドラジド化合物としては、フタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジヒドラジド、ナフタル酸ジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジドなどが例示される。これらは1種使用しても、2種以上併用してもよい。
多価エポキシ化合物としては、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、クレゾール型エポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物などが例示される。これらは1種使用しても、2種以上併用してもよい。
アジリジン化合物としては、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、トリス[1−(2−メチル)アジリジニル]ホスフィノキシド、ヘキサ[1−(2−メチル)アジリジニル]トリホスファトリアジンなどが挙げられる。これらは1種使用しても、2種以上併用してもよい。
ジアジンチオール化合物としては、1,2−ジアジン−3,6−ジチオール、1,3−ジアジン−2,5−ジチオール、1,4−ジアジン−2,3−ジチオール、6−メチルアミノ−1,4−ジアジン−2,3−ジチオール、S,S−6−メチルキノキサリン−2,3−ジイルジチオカーボネートなどが挙げられる。
トリアジンチオール化合物としては、1,3,5−トリアジンジチオール及びその誘導体が例示され、該誘導体としては、1,3,5−トリアジントリチオール、6−アニリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−メチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオールなどが挙げられる。
チオウレア系化合物としては、ジフェニルチオウレア(チオカーバニリド)、ジ(o−トリル)チオウレア、トリメチルチオウレア、ジラウリルチオウレア、エチレンチオウレアなどが挙げられる。これらは1種使用しても、2種以上併用してもよい。
ポリオール系化合物としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコ−ル)、ジエチレングリコール、1,5−ペンタメチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオールなどのグリコール類;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリエタノールアミンなどのトリ又はテトラオール;などが挙げられる。これらは1種使用しても、2種以上併用してもよい。
メルカプトキノキサリン系化合物としては、2,3−ジメルカプトキノキサリン、キノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−イソプロピルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、5,8−ジメチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネートなどが挙げられる。これらは1種使用しても、2種以上併用してもよい。
多価カルボン酸としては、フマル酸及びフマル酸誘導体;フタル酸及びフタル酸誘導体;コハク酸及びコハク酸誘導体などが挙げられる。これらは1種使用しても、2種以上併用してもよい。
酸無水物としては、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸などが挙げられる。これらは1種使用しても、2種以上併用してもよい。
本発明のゴム組成物には、ゴム質重合体、(a)硫黄原子含有有機化合物、(b)前記一般式(1)で表わされる化学構造を有する化合物、及び、好ましくは(c)アルコキシカルボニル基を有するフェノール系化合物以外に、上記の架橋剤に加えて、必要に応じてゴム加工分野において通常使用される架橋促進剤、架橋助剤、補強性充填材(カーボンブラック、シリカなど)、非補強性充填材(炭酸カルシウム、クレーなど)、光安定剤、スコーチ防止剤、可塑剤、加工助剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、難燃剤、防黴剤、帯電防止剤、着色剤などを適宜配合することができる。
また、本発明のゴム組成物には、当該ゴム質重合体以外のゴムを配合してもよい。当該ゴム質重合体以外のゴムには特に限定がない。しかし、着実に本発明の効果を実現するためには、その配合量はゴム全体の好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下になる量にすべきである。
ゴム質重合体に(a)成分、(b)成分、又は、さらに必要に応じて(c)成分を配合するには、乾燥したゴム質重合体に、それらを添加して混合機で混合してもよいが、重合反応終了後のゴム質重合体のラテックスに攪拌下で添加し、凝固、分離、乾燥してもよい。
本発明のゴム組成物を調製する方法に限定はないが、通常、ゴム質重合体に、架橋剤および熱に不安定な架橋助剤等の配合剤以外の成分を、バンバリーミキサ、インターミキサ、ニーダなどの混合機で一次混練した後、ロールなどに移して架橋剤等を加えて二次混練する。
本発明のゴム組成物は、経時安定性が高い特徴を有する。すなわち、ムーニー粘度、ゲル量の変化が小さく長期保存が可能になるとともに、例えば、押出成形によるシートの厚みやホースの口径は均一になる。
調製されたゴム組成物を架橋して本発明のゴム架橋物を得るには、所望の形状に対応した成形機、例えば押出機、射出成形機、圧縮機、ロールなどにより成形を行い、また、架橋反応により架橋物として形状を固定化する。予め成形してから架橋しても、成形と同時に架橋を行ってもよい。成形温度は、通常、10〜200℃、好ましくは25〜120℃である。架橋温度は、通常、100〜200℃、好ましくは130〜190℃であり、架橋時間は、通常、1分〜24時間、好ましくは2分〜1時間である。
また、ゴム架橋物の形状、大きさなどによっては、表面が架橋していても内部まで十分に架橋していない場合があるので、さらに加熱して二次架橋を行ってもよい。
本発明のゴム架橋物は、耐熱老化性に優れる特徴を有する。そのためロール、ホース、ベルトなどの工業部品材料、シール材、パッキン類、燃料ホースなどの自動車関連用途、防振材料など幅広い用途に使用することができる。
以下に製造例、実施例および比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。ただし本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。以下の配合において〔部〕は、特に断わりのない限り重量基準である。
試験、評価は下記によった。
(1)ムーニー粘度
ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、JIS K 6300に準じて測定した。
(2)ゴム組成物の経時促進試験
ゴム組成物を85℃のギア・オーブン内に置き、初期(0日)、3日及び7日後のムーニー粘度を100℃でLロータを用いて測定した。また、それらの測定後の試料各0.2gをメチルエチルケトン100mlに浸漬して溶解させ、24時間後に残渣(ゲル)をろ過、乾燥して重量を測定し、溶解前の試料に対するゲルの割合(重量%)を求めた。ムーニー粘度の変化が小さく、かつ、ゲルの割合が小さいほどゴム組成物の経時安定性が高い。
(3)常態物性(引張強さ、伸び、引張応力)
ゴム組成物を縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、加圧しながら、160℃で20分間プレス成形し、シート状ゴム架橋物を得た。得られたシート状ゴム架橋物を3号形ダンベルで打ち抜いて試験片を作製した。これらの試験片を用いて、JIS K 6251に従い、ゴム架橋物の引張強さ、伸び並びに100%、200%及び300%引張応力を測定した。
(4)常態物性(硬さ)
上記(3)と同様にして得たシート状ゴム架橋物につき、JIS K 6253に従い、デュロメータ硬さ試験機タイプAを用いてゴム架橋物の硬さを測定した。
(5)空気加熱老化試験(耐熱老化性)
上記(3)と同様にして得た試験片をJIS K 6257のノーマルオーブン法に従って120℃に70時間置いてから取り出して上記(3)と同様にして引張強さ、伸び及び100%引張応力を測定した。また、得られた引張強さにつき、上記(3)の常態物性の引張強さからの変化率(%)を求めた。また、硬さを上記(4)と同様にして測定し、得られた硬さにつき、上記(4)の常態物性の硬さからの変化(ポイント)を求めた。
(製造例1)アクリロニトリル−ブタジエン共重合体の調製
反応容器に、水250部、アクリロニトリル43部、1,3−ブタジエン57部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(乳化剤)2.5部、t−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.5部及び硫酸第一鉄(活性剤)0.015部を仕込み、十分に脱気した後、重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.03部を仕込み、10℃で乳化重合を開始した。重合転化率が80重量%に達するまで重合を継続した。その後、反応容器に0.1部のヒドロキシルアミン硫酸塩と0.1部の水酸化カリウムを添加して重合を停止させた。次いで、反応容器の内容物を60℃に加温し、減圧下で水蒸気蒸留により未反応の単量体を回収し、所定の老化防止剤を添加し、生成したラテックスを攪拌下の凝固剤(塩化カルシウム)水溶液に注ぎ共重合体ゴムを凝固させて得たクラムを分離、回収、水洗した後、50℃で減圧乾燥してアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムを得た。得られたアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムの結合アクリロニトリル量は41.0重量%であり、ムーニー粘度〔ML1+4、100℃〕は81であった。
(実施例1)
前記製造例1において、所定の老化防止剤として4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール〔イルガノックス1520L、チバ・スペシャリティケミカルズ社製、(a)成分〕0.1部及びスチレン化フェノール〔スチレン2モルに対しフェノール1モルの結合比率、(b)成分〕1部を用いて得られたアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム100部をバンバリーミキサに入れ、これにSRFカーボンブラック(旭50、旭カーボン社製)60部、ジオクチルホスフェート(可塑剤)5部、ステアリン酸1部、酸化亜鉛(ステアリン酸と共に架橋促進作用する。)5部を添加して混合した。次いで、この混合物をロールに移して硫黄1.5部及びジ−2−メルカプトベンゾチアゾイルジスルフィド(ノクセラーDM、大内新興社製、架橋促進剤)を加えて50℃にて10分間混練してゴム組成物を得た。このゴム組成物について行った経時促進試験;並びに;該組成物を架橋して得たシート状ゴム架橋物について行った常態物性の測定、空気熱老化試験の試験、評価の結果を表1に記す。
(実施例2、比較例1、2)
実施例1において、所定の老化防止剤として表1の配合欄に記す化合物を同欄に示す部数用いた他は実施例1と同様に行ってそれぞれゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物について、実施例1と同様に試験、評価した結果を表1に記す。
なお、実施例2では(c)成分のオクタデシル−3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト(イルガノックス1076、チバ・スペシャリティケミカルズ社製)0.5部を加えた。また、比較例2では、従来技術の例として、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト1部、並びに、フェノール系老化防止剤である、ビスフェノールA、イソプレン及びスチレンの反応生成物(ウルトライトP、本州化学工業社製)0.5部を配合した。
Figure 2007084591
表1が示すように、ゴム成分にアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムを用いた本発明のゴム組成物は、経時促進試験でムーニー粘度の変化がなく、ゲルの生成が極めて少ない(表1中、「<1.0」は、1.0より少ないことを意味する。)ので経時安定性が高いことを表している。また、それらを架橋して得られる本発明のゴム架橋物は、空気加熱老化試験の結果、引張強さ、伸びとも十分に大きく、かつ、硬さの変化が小さくて、耐熱老化性に優れることを示している(実施例1.2)。また、(a)成分及び(b)成分に加えて(c)成分も配合すると、3成分の合計が少量ではあっても、空気加熱老化試験における引張強さ及び100%引張応力が大きく、耐熱老化性が一層向上した(実施例2を同1と対比)。
一方、老化防止剤として(a)成分のみ配合したゴム組成物は、経時促進試験でムーニー粘度が増大し、7日目にゲルが3%生成した。また、その架橋物は空気加熱老化試験で、伸びの低下、硬さの増大があり、大きな変化を示した(比較例1)。トリス(ノニルフェニル)ホスファイトとウルトライトPとの併用(従来技術)では、ゴム組成物の経時促進試験でムーニー粘度の増加やゲルの多量生成が見られたことから経時安定性が低いこと、また、その架橋物の空気加熱老化試験で伸びが著しく小さく、かつ、引張強さが顕著に低下することから耐熱老化性が不十分なことが示された(比較例2)。

Claims (4)

  1. ゴム質重合体100重量部に対して、(a)硫黄原子含有有機化合物0.01〜5重量部及び(b)下記一般式(1)で表わされる化学構造を有する化合物0.01〜10重量部を含有してなるゴム組成物。
    Figure 2007084591
    (ここで、R及びRは独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基もしくはアラルキル基を、r〜r10は独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、ニトロ基;又は;炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニルアリール基、ハロアルキル基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、ハロアルコキシル基、アリールオキシル基、アラルキルオキシル基、アシル基、アシルオキシル基、アシルオキシアルコキシル基、アリールメルカプト基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基もしくはリン酸アルカノールエステル基を表わす。nは2〜5の整数を示す。)
  2. さらに(c)アルコキシカルボニル基を有するフェノール系化合物0.01〜5重量部を含有してなる請求項1記載のゴム組成物。
  3. さらに架橋剤を含有してなる請求項1または2記載のゴム組成物。
  4. 請求項3記載のゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物。

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