JPH08209122A - 有機材料の保護のための酸化防止剤 - Google Patents

有機材料の保護のための酸化防止剤

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JPH08209122A
JPH08209122A JP7298190A JP29819095A JPH08209122A JP H08209122 A JPH08209122 A JP H08209122A JP 7298190 A JP7298190 A JP 7298190A JP 29819095 A JP29819095 A JP 29819095A JP H08209122 A JPH08209122 A JP H08209122A
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    • C08K5/37Thiols
    • C08K5/375Thiols containing six-membered aromatic rings

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低含有水準で被酸化性有機材料に卓越した耐
酸化性を与える自動相乗作用性の酸化防止剤を提供す
る。 【解決手段】 アルキル化フェノール1モル、C6-14
一メルカプタン0.5〜1.5モル、水性ホルムアルデ
ヒド0.5〜2.25モル、アルキル化フェノールに対
して0.1〜10重量%のトルエンスルホン酸、メタン
スルホン酸、キシレンスルホン酸等の酸、および適量の
共沸溶剤とを混合し、反応水を除去しながら150℃ま
での温度に加熱、反応させ、最後に酸を中和した後反応
生成物を分離すると、天然および合成ゴム等の有機材料
に有用な自動相乗作用性の酸化防止剤が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェノール類、ホ
ルムアルデヒドおよびメルカプタンを特定の比率できわ
めて特異的な反応条件下に酸触媒により同時反応させる
ことによって、室温で普通は液体であり、または低融点
の固体であり、優れた劣化防止性を示し、自動相乗作用
を示し、(autosynergistic)、かつ被
酸化性有機材料に容易に含有させうる組成物が得られる
という知見に関する。
【0002】
【従来の技術】有機材料、特にポリマーは酸素およびオ
ゾンの有害な作用に対して安定化するのが困難な材料で
あることが証明されており、特に不飽和ポリマーは天然
および合成ともにそうである。多数の物質が被酸化性有
機材料における安定剤として示唆され、また使用されて
いるが、これらの材料をそれらが受ける多種多様な条件
下で十分に保護する、きわめて満足すべき物質は見出さ
れていない。
【0003】フェノール系化合物はポリマー用安定剤と
して広範に受入れられている比較的一般に使用される化
合物に含まれる。しかし多くのフェノール系酸化防止剤
は妥当な程度に有効な有機材料用安定剤ではあるが、そ
れらは安定化すべき材料を変色および着色する傾向があ
り、さらにそれらは極度の酸化性または劣化性条件下に
置かれる組成物中に用いられた場合に示す有用性が限ら
れている。
【0004】さらに従来知られているある種のフェノー
ル系酸化防止剤は特定の材料中における溶解性に限度が
ある。この不溶性のためこれらの酸化防止剤を含有させ
るのが困難であり、また酸化防止剤が保護すべき材料か
ら移行する結果となる。
【0005】フェノール系化合物が有機材料の酸化劣化
を防止する能力を高める手段として、相乗剤がここ数年
にわたって用いられ、開発されてきた。相乗剤は一般
に、酸化防止剤が酸化劣化から材料を保護する能力を高
めるイオウ含有化合物である。
【0006】現在業界では、被酸化性有機材料に優れた
保護をもたらし、なおかつ容易に入手できる安価な原料
から容易に製造できる低価格の物質が求められている。
本発明は、低価格であり、容易に製造され、かつそれを
含有させた材料に優れた安定性を与える物質を提供す
る。
【0007】米国特許第2,417,118号明細書に
は単環フェノール系のモーター燃料用添加物を製造する
ためのマンニツヒ塩基触媒法が示されており、これは少
なくとも1個の水酸基を含む芳香族化合物をホルムアル
デヒドおよびアルキルメルカプタンと反応させることよ
りなる。しかし米国特許第2,417,118号明細書
には酸触媒を用いることも共沸溶剤を用いることも示唆
されていない。さらに上記明細書には本出願において開
示され、特許請求されているモル比の反応体は示唆され
ておらず、また本発明の反応生成物がゴムの安定化に卓
越した特性を示すという事実も示唆されていない。
【0008】米国特許第3,260,758号明細書に
は2,6または2,4−ジアルキル−4または6−アル
キルチオメチルフェノールの塩基触媒による製法が示さ
れている。この明細書には、米国特許第2,417,1
18号明細書に示される方法が長い反応時間、着色体
(color body)および副生物のメチレンビス
フェノールの生成によって妨害されると述べられてい
る。米国特許第3,260,758号方法は2,4また
は2,6−ジ置換アルキルフェノール系出発物質を用い
ることによって単一の単環フェノール系生成物を得てい
る。またこの方法は反応触媒として強塩基のみを使用し
ており、反応体のモル比を限定しておらず、トルエンを
共沸溶剤として使用すべきであることも示唆していな
い。
【0009】米国特許第3,462,392号明細書は
ジノニルフェノールとメチレンビス−ジノニルフェノー
ルの特定の組合せを安定剤として用いてポリオレフィン
を安定化することに関する。この明細書はホルムアルデ
ヒドと2,4−ジ置換フェノールの酸触媒反応により上
記ビス化合物を製造することを示唆している。
【0010】米国特許第3,553,270号明細書に
は水酸基のオルト位またはパラ位の少なくとも1か所が
置換されていないフェノール類をホルムアルデヒドおよ
びモノまたはジメルカプタンと反応させて、α−(ヒド
ロ−カルビルチオ)クレゾールまたはα,α−アルキレ
ンジチオビス化合物を得ることが記載されている。この
明細書には米国特許第2,322,376号および第
2,417,118号明細書について言及されており、
フェノール類、ホルムアルデヒドおよびメルカプタンの
直接反応は2,6−ジアルキルフェノールについてアル
カリ触媒を用いた場合にのみ操作可能であり、これは着
色生成物を生じやすく、特に立体障害の少ない2,6−
ジアルキルフェノールほどメチレンビスフェノールを生
じる副反応によって複雑になると述べられている。α−
(ヒドロ−カルビルチオ)クレゾールを製造するための
米国特許第3,553,270号の方法は2,6または
2,4−ジ置換フェノールを出発物質として用いること
によりメチレンビスフェノール製造の問題点を避けてい
る。この明細書には、共沸条件下でホルムアルデヒドお
よびメルカプタンと酸触媒反応させる際にアルキル化フ
ェノールを用いると被酸化性有機材料用のきわめて有効
な安定剤が生成するという本発明の知見は示唆されてお
らず、むしろこれに反する教示がなされている。
【0011】米国特許第4,358,616号明細書に
はヒドロキシメチルフェノールとメルカプタンを触媒の
不在下で反応させることにより樹脂の生成を避けるアル
キルチオメチルフェノールの製法が示されている。この
明細書ではアルキル化フェノール、ホルムアルデヒドお
よび第一または第二メルカプタンを酸触媒の存在下で同
時反応させることによりきわめて有効な酸化防止用反応
生成物が得られることは認識されていない。
【0012】米国特許第3,903,173号明細書に
はジアルキルフェノールのモノおよびジメチレンチオエ
ーテルの製法が示されており、その際ジアルキルフェノ
ールとホルムアルデヒドおよびメルカプタン化合物を不
活性溶剤中でアルキル化合物、たとえば水酸化ナトリウ
ムまたはカリウムの存在下に反応させている。同様に米
国特許第4,304,904号明細書においては、異性
体、同族体および樹脂の生成を避けるための触媒として
リチウム、マグネシウム、コバルト、ニッケル、銅、
鉄、クロムおよびアルミニウムの化合物少なくとも1種
を用いている。これらの参考文献においては、きわめて
臨界的な反応条件下で、優れた酸化防止性を備えたきわ
めて望ましい反応生成物が得られることは認識されてい
ない。
【0013】ソビエト連邦特許第1,150,257号
明細書には、塩素化パラフィン1〜3%、スルホン酸バ
リウム2〜4%、ドデシル−チオメチル−ノニルフェノ
ール2〜3%(重量%)(イオウ含有添加物として)お
よび鉱油を含有する、金属加工用の潤滑/冷却液が示さ
れている。ドデシル−チオメチル−ノニルフェノールは
ドデシルメルカプタンとホルムアルデヒドおよびアルキ
ルフェノールをベンゼン溶液状で触媒なしに反応させる
ことにより得られる。この明細書にはその潤滑/冷却用
組成物は改良された潤滑性、1.22倍高い金属加工効
率、2.1倍の切削工具耐摩耗性、および1.5倍低い
処理面粗面性を与えることが試験によって示されたと述
べられている。この明細書には酸触媒反応生成物が被酸
化性有機材料の劣化防止剤として有用であることは示唆
されていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】より良好なポリマー用
および有機材料用安定剤の探索が依然として多くの当業
者の関心を引いているが、この主題に関する先行技術お
よび文献には、フェノール類とホルムアルデヒドおよび
メルカプタンの酸触媒反応によって、自動相乗作用を示
し、それを含有する材料に卓越した耐酸化性を与える反
応生成物が得られることは示されておらず、示唆されて
もいない。本発明はこのような反応生成物およびその製
法を提供することを目的とする。本明細書に示される反
応により得られる組成物または混合物は、揮発性、安定
剤の抽出性、および高水準を含有させる必要性があるこ
となど先行技術の問題点を幾つか克服する優れた安定剤
である。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、被酸化性材料
および安定化量の自動相乗性フェノール系酸化防止用反
応生成物からなり、該自動相乗性フェノール系酸化防止
用反応生成物が 1)モノ−アルキル化フェノールもしくは2,4−ジア
ルキル化フェノールまたはそれらの混合物(アルキル基
は直鎖または分枝鎖であり、炭素原子1〜20個のもの
である)1モルを a)炭素原子3〜20個の第一メルカプタン0.5〜
1.5モル;および b)メルカプタン対フェノールのモル比が1.0以上で
ある場合には第一メルカプタンのモル数に対し0〜50
モル%過剰の水性ホルムアルデヒド、またはメルカプタ
ン対フェノール類のモル比が1.0よりも小さい場合は
0〜100%過剰の水性ホルムアルデヒド;および c)アルキル化フェノールの重量に対し0.04〜20
重量%の酸触媒;および d)適量の共沸溶剤 と混合し; 2)混合物を周囲温度から180℃にまで加熱し、その
間反応水の生成が終止するまで水を共沸除去し;そして 3)触媒を中和し、生成物を分離することよりなる方法
により得られる、安定化された有機組成物である。
【0016】また本発明は、上記の自動相乗作用性フェ
ノール系酸化防止用反応生成物の製法により得られる新
規な組成物である。
【0017】さらに本発明は、 1)p−クレゾール、m−クレゾール、o−クレゾー
ル、2,4−ジメチルフェノール、2−t−ブチルーp
−クレゾール、p−エチルフェノール、3−エチルフェ
ノール、p−モノノニルフェノール、p−イソプロピル
フェノール、p−sec−ブチルフェノール、o−se
c−ブチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、3
−t−ブチルフェノール、p−t−オクチルフェノー
ル、2,4−ジノニルフェノールおよびドデシルフェノ
ールよりなる群から選ばれるアルキル化フェノール1モ
ルを a)炭素原子6〜14個の第一メルカプタン0.5〜
1.5モル;ならびに b)水性ホルムアルデヒド0.5〜2.25モル;なら
びに c)アルキル化フェノールの重量に対し0.1〜10重
量%の、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、キシ
レンスルホン酸、硫酸、氷酢酸、三フツ化ホウ素および
アンバーリスト15よりなる群から選ばれる酸;ならび
に d)水と共沸する溶剤適量と混合し; 2)混合物を周囲温度から150℃にまで加熱し、その
間反応水の生成が終止するまで水を共沸除去し; 3)酸を中和し、反応生成物の混合物を分離することよ
りなる方法により得られる反応生成物の混合物である、
有機材料の保護のための酸化防止剤である。
【0018】本発明の反応生成物を用いることにより改
良される有機材料の代表例には、酸化劣化を受けやすい
材料が含まれる。この種の材料には油、脂肪、プラスチ
ックなどが含まれる。より詳細には本発明は酸化劣化を
受けやすい高分子材料の安定化に関する。ここに記載す
る反応生成物によって好都合に保護されるポリマーまた
はゴムは、酸化劣化を受けやすい加硫および未加硫ポリ
マー、たとえば天然ゴム、ならびに合成ポリマー、たと
えば炭素−炭素二重結合を含むもの、たとえばゴム状ジ
エンポリマー(共役および非共役ともに)である。本発
明の採用によって改良される合成ポリマーの代表例はポ
リクロロプレン、ならびに共役1,3−ジエン(たとえ
ばイソプレンおよびブタジエン)のホモポリマーであ
る。共役1,3−ジエン(たとえばイソプレンおよびブ
タジエン)と50重量%までの少なくとも1種の共重合
性モノマー(エチレン性不飽和モノマー、たとえばスチ
レンおよびアクリロニトリルを含む)とのコポリマーも
含まれる。炭素−炭素二重結合を含むブチルゴムおよび
ポリウレタンも本発明によって改良される。一般に、酸
化劣化を受ける有機材料はいずれも本発明の反応生成物
を含有させることによって改良されるであろう。
【0019】本発明の自動相乗作用性フェノール系酸化
防止用反応生成物は他の安定剤、加硫剤、相乗剤、促進
剤その他の配合成分と共に、またはこれらなしに用いる
ことができる。有機材料を効果的に安定化するために、
本発明による反応生成物少量を、業界で慣用される様式
で被酸化性有機材料に添加する。反応生成物の量は保護
すべき材料の種類および要求条件、ならびにその材料に
与えられる条件に応じて若干異なるであろう。
【0020】自動相乗作用性のフェノール系酸化防止用
反応生成物の添加法は決定的ではない。これは常法によ
り、たとえばポリマーラテックスに添加し、開放型ロー
ル機で混練することにより、または密閉混合により添加
することができる。本発明の安定剤を用いてゴム、たと
えばスチレン/ブタジエンゴムまたはポリブタジエンを
安定化するためには、ポリマーがラテックス状またはセ
メント状である間にこれに安定剤を添加することが好都
合な方法である。これはモノマーの重合が本質的に完了
したのちに行うことが好ましい。
【0021】普通はポリマーの重量に対し約0.001
〜約5.0部の自動相乗作用性フェノール系酸化防止用
反応生成物を用いることができる。しかし反応生成物の
正確な使用量はポリマーまたは被酸化性有機材料の性
質、およびその材料が暴露される劣化条件の程度に依存
するであろう。ポリマー中における本発明の反応生成物
の有効酸化防止剤量は一般にポリマー100重量部に対
し約0.05〜約5.0重量部以上であることが認めら
れた。ポリマー100重量部に対し約0.25〜約2.
0重量部を用いることが一般に好ましい。これらの範囲
は単なる指針であって、当業者には材料に安定化効果を
与えるのに必要な反応生成物の適量は自明であろう。
【0022】本発明の反応生成物の製造に用いられるフ
ェノール系出発物質の代表例は、モノブチル化フェノー
ル、2,4−ジブチル化フェノール、ノニルフェノー
ル、2,4−ジノニルフェノール、ドデシルフェノー
ル、モノおよび2,4−ジメチルフェノールなどの化合
物である。他のフェノール系化合物、たとえばスチレン
化フェノールおよびα−メチルスチレン化フェノールも
ここでは考慮される。出発フェノール化合物はモノまた
は2,4−ジアルキル化およびモノまたは2,4−ジス
チレン化されていてもよいことを認識すべきである。さ
らにアルキル系置換基は炭素原子1〜30個であり、一
方アリールアルキル系置換基は炭素原子8〜9個であっ
てもよいことを認識すべきである。好ましくはアルキル
系置換基は1〜12個の炭素原子を含むであろう。
【0023】反応は共沸溶剤、たとえばトルエン、キシ
レンまたはベンゼンを用いて行わなければならない。さ
もなければ反応によって本発明の生成物は得られないで
あろう。
【0024】本発明の反応生成物の製造に用いられるホ
ルムアルデヒドはホルムアルデヒド水溶液であり、これ
は水溶液の10〜50重量%のホルムアルデヒドを含有
しうる。パラホルムアルデヒドの使用は有用でないこと
が認められた。この物質は昇華し、従ってシステム内で
固化しやすいからである。好ましくは本方法に用いられ
るホルムアルデヒドはホルムアルデヒド約35〜45重
量%を含有するホルムアルデヒド溶液である。
【0025】本発明に用いられるノルマルメルカプタン
には炭素原子3〜20個の第一メルカプタンが含まれ
る。さらに炭素原子3〜20個のメルカプタンの粗製混
合物も有効に使用できる。第二および第三メルカプタン
の使用はここでは考慮されない。それらは目的とする反
応生成物を与えないからである。本発明の反応生成物の
製造に用いられる第一メルカプタンの代表例にはドデシ
ルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ブチルメルカ
プタン、ヘキシルメルカプタンなどが含まれる。
【0026】本発明の反応生成物の製造に用いられる代
表的な酸触媒にはベンゼンスルホン酸、トルエンスルホ
ン酸、キシレンスルホン酸、メタンスルホン酸、メタン
ジスルホン酸、より長鎖のアルキルスルホン酸、三フッ
化ホウ素、スルホン酸基を含む固体樹脂またはポリマ
ー、たとえばアンバーリスト15、硫酸などが含まれ
る。反応を触媒するために反応混合物に添加される酸の
量はフェノール系化合物の重量に対し0.04〜20重
量%であろう。
【0027】本発明の反応生成物を製造するために採用
される温度は室温から約180℃までである。好ましく
は反応体(フェノール類、ホルムアルデヒド、メルカプ
タンおよび酸)を混和したのち混合物を撹拌すると、緩
和な発熱が起こる。発熱終了後に反応混合物を徐々に1
80℃までの温度に高め、その間、反応水および溶液の
水(ホルムアルデヒド水溶液からの)を除去する。
【0028】本発明の重要な観点は用いる反応体のモル
比に関する。のちに証明されるように、特許請求の範囲
に記載したもの以外の比率は劣った生成物を与えるであ
ろう。
【0029】水の生成が終止したのち(反応の完結を示
す)、反応混合物を中和するために用いられる苛性アル
カリ物質の代表例には水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが含まれ
る。化学技術関係者には反応混合物を苛性アルカリで中
和する前に100℃以下に冷却すべきであることは自明
であろう。苛性アルカリの添加量は少なくとも酸触媒を
中和するのに十分でなければならない。
【0030】反応が完了し、生成物を分離したのち、こ
の自動相乗作用性のフェノール系酸化防止用反応生成物
はそのまま使用できる。
【0031】用いる反応体に応じて反応生成物は室温で
液体であるか、または低融点の固体であろう。
【0032】本発明の一観点は反応体のモル比の臨界性
に関する。アルキル化フェノールのモル当たり、メルカ
プタン0.5〜1.5モルが適切であることが見出され
た。より好ましいのはフェノール化合物のモル当たり、
メルカプタン0.75〜1.25モルの比である。きわ
めて好ましいモル比は1対1である。上記範囲外のモル
比を用いると、反応生成物の劣化防止性が低下し、また
は反応生成物自体が高粘度となり、取扱いが困難にな
る。
【0033】ホルムアルデヒドの使用量は一般にメルカ
プタンのモル数と等しいか、または過剰である。メルカ
プタン対フェノールのモル比が1.0以上である場合に
はメルカプタンのモル数に対し0〜50モル%過剰のホ
ルムアルデヒドが有用であり、メルカプタン対フェノー
ルのモル比が1.0よりも小さい場合は0〜100%過
剰のホルムアルデヒドを用いると優れた生成物が得られ
ることが見出された。
【0034】反応体の添加順序は重要である。フェノー
ル化合物、メルカプタン、共沸溶剤および触媒を反応容
器に添加し、水性ホルムアルデヒドの添加前に撹拌し始
めるのが有利であることが認められた。化学関係者に
は、得られる反応生成物は同定できる単一の化学物質で
なくむしろ化合物の混合物であることが認識されるであ
ろう。限定するものではないが、p−ノニルフェノール
1モル、ドデシルメルカプタン1モルおよびホルムアル
デヒド1モルの、酸触媒による共沸下での反応により得
られる反応生成物は下記の各構造式の化合物を含むと考
えられる。
【0035】
【化1】
【化2】 これらの式中、Rはノニル基であり、R1は基 -CH2-
S-(CH2)11-CH3 である。
【0036】反応生成物は化合物I〜VIIIおよびより高
級な同族体若干、ならびにフェノール系物質を基礎とす
る同様な縮合生成物副量、ならびに残存する出発物質若
干を含有すると考えられる。先行技術の方法と異なり、
適切な反応条件および反応体比を用いると、単一の化学
物質ではなくむしろ優れた安定化特性をもつ混合物であ
る生成物が得られることが認められた。本発明はいずれ
か1種の特定の化学物質ではなく、むしろここに示す方
法により得られる生成物である。適切なモル比の反応
体、触媒濃度および共沸条件の採用により、優れた酸化
防止活性を示す反応生成物が得られることが認められ
た。
【0037】ここに示す自動相乗作用性のフェノール系
酸化防止剤反応生成物は、撹拌機、デイーン・スターク
・トラップ付きクラシエン(Clasien)アダプタ
ー、温度計、水凝縮機および滴下ろうとを備えた1リッ
トルの三口反応フラスコ中で製造された。反応フラスコ
への熱は加熱マントルにより与えられた。ホルムアルデ
ヒド水溶液からの水および反応水はデイーン・スターク
・トラップ中に共沸混合物として採取された。この反応
のための共沸溶剤、たとえばトルエンは水から分離した
のち反応フラスコへ戻された。反応はすべて反応水の生
成が終止するまで行われた。次いで反応生成物を100
℃以下に冷却し、苛性アルカリ水溶液(たとえばNaO
H)をわずかに過剰に添加した。中和が完了するまで混
合物を撹拌した。水を相分離により分離し、次いでポッ
ト温度125〜190℃で10〜25mmHgの圧力下
に反応生成物をストリッピングした。次いで得られた生
成物を濾過して中和塩を除去した。得られた生成物は液
体、または放置すると徐々に結晶化する物質、またはき
わめて低い融点の固体であった。前記のように反応生成
物は種々の分子量をもつ化合物の混合物である。
【0038】
【実施例】以下の本発明の実施例および比較例において
得られた生成物を多数のポリマー中において100℃で
の酸素吸収により評価した。そのデータを各表に示す。
試験法はインダストリアル・アンド・エンジニアリング
・ケミストリー、43、456頁(1951)およびイ
ンダストリアル・アンド・エンジニアリング・ケミスト
リー、45、392頁(1953)により詳細にまとめ
られている。
【0039】実施例1〜12 メルカプタンの水準 撹拌機、デイーン・スターク・トラップ付きクラシアン
アダプター、温度計、水凝縮器および滴下漏斗を備えた
1リットルの三口反応器に95%p−モノノニルフェノ
ール1.0モル(220g)、トルエンスルホン酸8.
0g、表に示した量の98%n−ドデシルメルカプタ
ン、およびトルエン125gを装入した。混合物を室温
で撹拌したのち、表に示した量の37%ホルムアルデヒ
ド水溶液を速やかに添加した。撹拌を2時間続け、その
間に混合物は発熱した。次いで混合物を135〜142
℃に加熱し、その間H2O/トルエンを共沸除去した。
共沸混合物をデイーン・スターク・トラップ内で分離
し、トルエンを反応に戻した。反応水の生成が終止する
まで加熱を続けた。これは約2〜21/2時間であった。
反応物を95℃に冷却し、水75g中の炭酸ナトリウム
9gで中和した。混合物を80〜95℃で1/2時間撹拌
したのち、水層を除去した。反応生成物を共沸乾燥さ
せ、中和塩を濾過し、生成物(濾液)を10〜20mm
Hgの圧力で165〜170℃のポット温度においてス
トリッピングした。装入した材料に対する生成物の収率
(反応水はほとんどない)は通常100%であった。
【0040】生成物はストリッピング後にそのまま用い
られ、GPC分析にかけられた。生成物1gを含むトル
エン100mlの溶液を調製した。酸素吸収試験におい
て試験すべきポリマーのトルエン溶液を調製し、反応生
成物と溶液と混和して、キャストフィルム中に1重量%
の反応生成物が存在する状態にした。次いで乾燥フィル
ムを酸素吸収装置内に置き、100℃で酸素に暴露し
た。
【0041】表1にドデシルメルカプタンの使用量、ホ
ルムアルデヒドの量、および各試料につき1重量%のO
2を吸収する時間数を示す。
【0042】
【表1】 * ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カン
パニーによりプリロフレックス(Plioflex、登
録商標)として市販されるスチレン/ブタジエンゴム
(結合スチレン231/2重量%を含む)。ゴム100部
当たり(PHR)酸化防止剤水準1.0部(重量)。
【0043】** 1.0モル以上のメルカプタンの水
準に関しては、メルカプタンの消費を保証するためにメ
ルカプタンに対し25モル%過剰のホルムアルデヒドを
用いた。
【0044】+ 本発明の範囲外。
【0045】比較として、市販の酸化防止剤ウイングス
テイ(Wingstay、登録商標)〔プチル化ジ(ジ
メチルベンジル)フェノール〕はゴム100部当たり
1.0部の水準において275時間の保護をSBRに与
えたにすぎない。
【0046】アルキル化フェノールのモル当たり0.5
〜1.5モルの水準のメルカプタンが最良の酸化防止性
を与えたということはきわめて興味深い知見である。メ
ルカプタンに関し0.5〜1.5の水準以外のモル比は
これよりも劣り、0.5〜1.5の水準以外のモル比の
場合、ゴムの自動酸化を促進する生成物が得られ、従っ
て望ましくないと考えられる。
【0047】実施例14〜30 アルキル化フェノールと反応生成物の酸化防止性の関係 前記の装置および方法を用いて下記の実験を行った。た
だし表に示したフェノール類1.0モルとドデシルメル
カプタン1.0モルおよびホルムアルデヒド1.25モ
ルを、触媒としてのキシレンスルホン酸を使用して反応
させた。例15,20および25においてはフェノール
類とホルムアルデヒドの縮重合を防止すべく触媒水準を
調整した。
【0048】表2には用いたアルキル化フェノール(本
発明の範囲内および範囲外)および前記SBRに1重量
%のO2が吸収されるまでの時間数を示す。
【0049】
【表2】 * SBR100部当たり1部の反応生成物 + 本発明の範囲外のアルキル化フェノール−これらの
フェノール類を用いて得た反応生成物は酸化後に著しく
着色したもろいゴムを与えた。
【0050】比較として、保護されていないSBRは1
%のO2を約4時間以内に吸収し、一方市販の酸化防止
剤であるウイングスティS(ザ・グッドイヤー・タイヤ
・アンド・ラバー・カンパニーから入手されるスチレン
化フェノール)は1.0部の水準で125時間の保護を
与え、0.5部の水準で120時間の保護を与えた。
【0051】本発明の範囲外の3.5−および2.6−
ジアルキル化フェノールが、試験された他のアルキル化
フェノールよりも大幅に劣る点に注目すると興味深い。
【0052】実施例31〜33 種々の酸触媒の使用 以下の実験は例1の装置および方法を用いて行われた。
ただしホルムアルデヒド1.1モル、n−ドデシルメル
カプタン1.0モル、および95%p−モノノニルフェ
ノール1.0モルを種々の酸触媒により反応させた。表
3には使用した触媒、ならびに前記SBRにつき1重量
%のO2を吸収する時間数を示す。
【0053】
【表3】 本発明の反応生成物を製造するために用いた他の触媒に
はH2SO4、BF4エーテレート、氷酢酸およびアンバ
ーリスト15が含まれる。本方法には多種多様な酸が有
用であると思われる。
【0054】実施例31〜33により得た反応生成物の
GPC分析によって下記の分子量分布が明らかになっ
た。
【0055】
【表4】 * THF中のp−モノノニルフェノールの見掛けの分
子量 ** THF中のn−ドデシルメルカプタンの見掛けの
分子量 + 分子量 2500〜1200。
【0056】メタンスルホン酸を用いた例32ではより
高い分子量の成分を含む生成物が生成したが、メルカプ
タンの実質的部分が反応しなかったと思われる。トルエ
ンスルホン酸およびキシレンスルホン酸は反応を触媒す
るに当たり本質的に同等であると思われる。
【0057】実施例34及び35 酸触媒反応と塩基触媒反応の比較 幾つかの特許明細書にフェノール、ホルムアルデヒドお
よびメルカプタンの反応を触媒するのに塩基を用いるこ
とが示されている。たとえば米国特許第4,304,9
40号明細書には置換フェノール、ホルムアルデヒドお
よびメルカプタンの反応を90〜220℃で酢酸亜鉛、
KOH、LiOH、ZnOなどの化合物の存在下に行う
ことが記載されている。米国特許第3,346,648
号明細書には、1,2−ジメルカプトエタン、ホルムア
ルデヒドおよび2,5−ジ−t−ブチルフェノールを水
酸化マグネシウムの存在下で反応させることによるビス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルチ
オ)エタンなどの化合物の製法が示されている。米国特
許第3,553,270号明細書には塩基触媒の存在下
での2,6または2,4−ジアルキルフェノールとホル
ムアルデヒドおよびメルカプタンの反応が示されてい
る。これらの参考文献その他が認識しなかったことは、
モル比および共沸溶剤の使用のほかに、生成した割合に
おいて優れた酸化防止性を備えた、化合物の混合物であ
る反応生成物を酸触媒が与えるという点である。
【0058】塩基触媒反応では異なる反応生成物が生成
することを証明するために、例1の装置および方法を用
い、ただしホルムアルデヒド1.25モルおよびn−ド
デシルメルカプタン1.0モルをトルエンスルホン酸
(TSA)8.0gの存在下でp−モノノニルフェノー
ルと反応させた。例35ではこれを同一の反応体を用い
たが、TSAの代わりにNaOHおよび二工程縮合反応
法を採用した。この塩基触媒反応ではまずアルキルフェ
ノールをNaOHと反応させてフェノラートを生成させ
た。このフェノラートを次いで25〜45℃で2〜5時
間撹拌することによりホルムアルデヒドと結合させた。
次いでこの反応混合物を約45℃において50%H2
41モルで処理して遊離フェノール類および中和生成
物を得た。分離後に共沸溶剤としてのトルエン、TSA
およびメルカプタンを添加し、前記に従って反応および
仕上げ処理を行った。反応生成物のGPC分析により下
記の分子量分布が明らかになった。
【0059】
【表5】 GPCデータから明らかなように酸触媒経路により得ら
れる生成物の分布は塩基触媒の場合と実質的に異なって
いる。さらに酸触媒により得られた生成物は塩基触媒に
よる生成物よりも色が薄かった。塩基触媒経路は幾つか
の欠点をもつ。たとえば 1)塩基(NaOHまたはKOH)はアルキルフェノー
ルと等モル量で使用しなければならない; 2)NaまたはKフェノラートを中和するために、等モ
ル量よりもわずかに多量の酸(H2SO4)が必要であ
る; 3)廃水流は中和後に無機塩を含む;および 4)塩基触媒反応は少なくとも二工程法である。
【0060】これに対し酸触媒経路は触媒量の酸を使用
するにすぎず、一工程法であり、2回目の中和は必要な
く、廃水中に認められる塩の量は著しく少なく、反応時
間の短縮が実現され、かつ実質的に100%の収率が一
貫して得られる。
【0061】実施例36〜39 塩基触媒反応により得られる酸化防止剤が劣ることをさ
らに証明するために、塩基触媒反応を採用した点を除い
て例2〜5を反復した。表6には反応体のモル比および
SBR中に1%O2を吸収する時間数を示す。
【0062】
【表6】 文献から当業者は塩基触媒反応と酸触媒反応の生成物は
ほぼ等しいと考えたであろうから、表6に示す結果は予
想外であった。このデータは塩基触媒反応生成物が有機
材料の安定化に際し酸触媒反応生成物よりも劣るという
立場を支持している。さらに塩基触媒法の反応生成物の
色はより濃かった。
【0063】実施例40〜42 メルカプタンの影響 例1の方法および装置を採用し、ただし95%p−モノ
ノニルフェノール1.0モルとホルムアルデヒド1.2
5モル、および表に示すメルカプタン1.0モルをキシ
レンスルモン酸8gの存在下で反応させた。表7には使
用したメルカプタンおよび1重量%のO2を吸収する時
間数を示す。
【0064】
【表7】 メルカプタンの種類は、メルカプタンと他の各反応体と
のモル比ほどには酸化防止性に影響を与えないと思われ
る。
【0065】一般に本発明方法により得られる複雑な混
合物の特有な物理的特性には、分子量範囲約650から
1250以上、分子量平均約850が含まれる。生成物
の比重は約0.94、ガードナーカラーは約4である。
本発明の生成物の粘度は25℃において500〜600
センチポイズであり、約154℃の引火点をもつ。
【0066】表8は例5で得た酸化防止剤の効力を市販
の酸化防止剤のものとSBR中において比較したもので
ある。
【0067】
【表8】 * 結合スチレン23.5%、低温重合SBR ** TNppはトリス−ノニルフェニルホスフィット
である + ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カン
パニーから得られる酸化防止剤。ウイングステイCはブ
チル化ジ(ジメチルベンジル)フェノール;ウイングス
テイSはスチレン化フェノール;ウイングステイTはブ
チル化オクチル化フェノール;ウイングステイ29はp
−配向スチレン化ジフェニルアミンである。
【0068】本発明の反応生成物がもつ他の特性を、一
般に受入れられているゴム用化学薬品と比較した。油展
SBR(結合スチレン23.5%、ナフテン系石油3
7.5部および安定剤1.25PHRを含む)の加速老
化(70℃)に際し、例5の生成物を用いた場合ポリマ
ーのムーニー粘度は35日後に変化なかったが、通常の
酸化防止剤(ウイングステイC)を含むポリマーはわず
か7日後に38単位のムーニー粘度低下を示した。同一
ポリマーの試験に際し、例5の生成物を用いた場合2.
5%のゲル増加が認められ、一方ウイングステイCを用
いた場合は37%のゲル増加が生じた。
【0069】アクリロニトリル/ブタジエンゴム(33
%ACN、低温重合NBR、安定剤1.5PHRを含
む)の場合、例5の生成物は加速老化(70℃)35日
後に5単位のムーニー粘度上昇を示した。通常の系は同
一期間内に40単位(アルキル化モノフェノール)〜5
3単位(置換ジフェニルアミン)の粘度上昇を示した。
【0070】油展SBR(結合スチレン23.5%、ナ
フテン系石油37.5部を含む)につき試験を行い、例
5の反応生成物0.2PHRが通常の安定剤ウイングス
テイC1.25PHRよりも高い安定性を与えると判定
された。例5の反応生成物を用いた場合、粘度低下は1
4日間でわずか15単位であった。一方、通常の安定剤
は31単位のムーニー粘度低下を示した。
【0071】ここで行われた酸素吸収試験の結果は、本
発明の反応生成物が被酸化性有機材料の安定化にきわめ
て望ましいことを十分に証明している。本発明は、低価
格であり、公害問題を伴わず容易に製造され、予想外に
優れた劣化防止性を与える反応生成物を提供する。本発
明の自動相乗作用性フェノール系酸化防止用反応生成物
は低価格であり、揮発性が低く、ムーニー粘度を安定さ
せ、遊離水素供与体であり、過酸化物分解剤として作用
し、アルキルラジカル捕捉剤であり、過酷な条件下でも
ポリマー中に存続するので、工業的利用性を備えてい
る。
【0072】本発明を説明するために特定の代表的形態
および詳細を示したが、当業者には本発明の範囲から逸
脱することなく種々の変更および修正をなしうることが
明らかであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 590002976 1144 East Market Stre et,Akron,Ohio 44316− 0001,U.S.A. (72)発明者 ジョセフ・アンドリュー・ククツコウスキ アメリカ合衆国オハイオ州44262,マンロ ー・フォールズ,マール・ブールバード 85

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1)p−クレゾール、m−クレゾール、
    o−クレゾール、2,4−ジメチルフェノール、2−t
    −ブチルーp−クレゾール、p−エチルフェノール、3
    −エチルフェノール、p−モノノニルフェノール、p−
    イソプロピルフェノール、p−sec−ブチルフェノー
    ル、o−sec−ブチルフェノール、p−t−ブチルフ
    ェノール、3−t−ブチルフェノール、p−t−オクチ
    ルフェノール、2,4−ジノニルフェノールおよびドデ
    シルフェノールよりなる群から選ばれるアルキル化フェ
    ノール1モルを a)炭素原子6〜14個の第一メルカプタン0.5〜
    1.5モル; b)水性ホルムアルデヒド0.5〜2.25モル; c)アルキル化フェノールの重量に対し0.1〜10重
    量%の、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、キシ
    レンスルホン酸、硫酸、氷酢酸、三フツ化ホウ素および
    アンバーリスト15よりなる群から選ばれる酸;および d)水と共沸する溶剤適量と混合し; 2)混合物を周囲温度から150℃にまで加熱し、その
    間反応水の生成が終止するまで水を共沸除去し; 3)酸を中和し、反応生成物の混合物を分離することよ
    りなる方法により得られる反応生成物の混合物である、
    有機材料の保護のための酸化防止剤。
  2. 【請求項2】 アルキル化フェノールがn−ドデシルフ
    ェノールであり;メルカプタンがn−ドデシルカプタン
    であり;酸触媒がトルエンスルホン酸またはキシレンス
    ルホン酸であり;溶剤がトルエンであり、フェノール類
    対ホルムアルデヒド対メルカプタンのモル比が1:1.
    25:1である、請求項1に記載の酸化防止剤。
  3. 【請求項3】 有機材料が天然ゴムおよび合成ゴムであ
    る、請求項1に記載の酸化防止剤。
  4. 【請求項4】 有機材料がSBR、ポリブタジエンまた
    はニトリルゴムである、請求項1に記載の酸化防止剤。
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