JP2522512B2 - 自動相乗作用性のフェノ―ル系酸化防止用反応生成物 - Google Patents

自動相乗作用性のフェノ―ル系酸化防止用反応生成物

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JP2522512B2 JP63055944A JP5594488A JP2522512B2 JP 2522512 B2 JP2522512 B2 JP 2522512B2 JP 63055944 A JP63055944 A JP 63055944A JP 5594488 A JP5594488 A JP 5594488A JP 2522512 B2 JP2522512 B2 JP 2522512B2
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    • C08K5/36Sulfur-, selenium-, or tellurium-containing compounds
    • C08K5/37Thiols
    • C08K5/375Thiols containing six-membered aromatic rings

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、フエノール類、ホルムアルデヒドおよびメ
ルカプタンを特定の比率できわめて特異的な反応条件下
に酸触媒により同時反応させることによつて、室温で普
通は液体であり、または低融点の固体であり、優れた劣
化防止性を示し、自動相乗作用を示し(autosynergisti
c)、かつ被酸化性有機材料に容易に含有させうる組成
物が得られるという知見に関する。
有機材料、特にポリマーは酸素およびオゾンの有害な
作用に対して安定化するのが困難な材料であることが証
明されており、殊に不飽和ポリマーは天然および合成と
もにそうである。多数の物質が被酸化性有機材料におけ
る安定剤として示唆され、また使用されているが、これ
らの材料をそれらが受ける多種多様な条件下で十分に保
護する、きわめて満足すべき物質は見出されていない。
フエノール系化合物はポリマー用安定剤として広範に
受入れられている比較的一般に使用される化合物に含ま
れる。しかし多くのフエノール系酸化防止剤は妥当な程
度に有効な有機材料用安定剤ではあるが、それらが安定
化すべき材料を変色および着色する傾向があり、さらに
それらは極度の酸化性または劣化性条件下に置かれる組
成物中に用いられた場合に示す有用性が限られている。
さらに従来知られているある種のフエノール系酸化防
止剤は特定の材料中における溶解性に限度がある。この
不溶性のためこれらの酸化防止剤を含有させるのが困難
であり、また酸化防止剤が保護すべき材料から移行する
結果となる。
フエノール系化合物が有機材料の酸化劣化を防止する
能力を高める手段として、相乗剤がここ数年にわたつて
用いられ、開発されてきた。相乗剤は一般に、酸化防止
剤が酸化劣化から材料を保護する能力を高めるイオウ含
有化合物である。
現在業界では、被酸化性有機材料に優れた保護をもた
らし、なおかつ容易に入手できる安価な原料から容易に
製造できる低価格の物質が求められている。本発明は、
低価格であり、容易に製造され、かつそれらを含有させ
た材料に優れた安定性を与える物質を提供する。
米国特許第2,417,118号明細書には単環フエノール系
のモーター燃料用添加物を製造するためのマンニツヒ塩
基触媒法が示されており、これは少なくとも1個の水酸
基を含む芳香族化合物をホルムアルデヒドおよびアルキ
ルメルカプタンと反応させることよりなる。しかし米国
特許第2,417,118号明細書には酸触媒を用いることも共
沸溶剤を用いることも示唆されていない。さらに上記明
細書には本出願において開示され、特許請求されている
モル比の反応体は示唆されておらず、また本発明の反応
生成物がゴムの安定化に卓越した特性を示すという事実
も示唆されていない。
米国特許第3,260,758号明細書には2,6または2,4−ジ
アルキル−4または6−アルキルチオメチルフエノール
の塩基触媒による製法が示されている。この明細書に
は、米国特許第2,417,118号明細書に示される方法が長
い反応時間、着色体(color body)および副生物メチレ
ンビスフエノールの生成によつて妨害されると述べられ
ている。米国特許第3,260,758号方法は2,4または2,6−
ジ置換アルキルフエノール系出発物質を用いることによ
つて単一の単環フエノール系生成物を得ている。またこ
の方法は反応触媒として強塩基のみを使用しており、反
応体のモル比を限定しておらず、トルエンを共沸溶剤と
して使用すべきであることも示唆していない。
米国特許第3,462,392号明細書はジノニルフエノール
とメチレンビス−ジノニルフエノールの特定の組合わせ
を安定剤として用いてポリオレフインを安定化すること
に関する。この明細書はホルムアルデヒドと2,4−ジ置
換フエノールの酸触媒反応により上記ビス化合物を製造
することを示唆している。
米国特許第3,553,270号明細書には水酸基のオルト位
またはパラ位の少なくとも1か所が置換されていないフ
エノール類をホルムアルデヒドおよびモノまたはジメル
カプタンと反応させて、α−(ヒドロ−カルビルチオ)
クレゾールまたはα,α−アルキレンジチオビス化合物
を得ることが記載されている。この明細書には米国特許
第2,322,376号および第2,417,118号明細書について言及
されており、フエノール類、ホルムアルデヒドおよびメ
ルカプタンの直接反応は2,6−ジアルキルフエノールに
ついてアルカリ触媒を用いた場合にのみ操作可能であ
り、これは着色生成物を生じやすく、特に立体障害の少
ない2,6−ジアルキルフエノールほどメチレンビスフエ
ノールを生じる副反応によつて複雑になると述べられて
いる。α−(ヒドロ−カルビルチオ)クレゾールを製造
するための米国特許第3,553,270号方法は2,6または2,4
−ジ置換フエノールを出発物質として用いることにより
メチレンビスフエノール製造の問題点を避けている。こ
の明細書には、共沸条件下でホルムアルデヒドおよびメ
ルカプタンと酸触媒反応させる際にアルキル化フエノー
ルを用いると被酸化性有機材料用のきわめて有効な安定
剤が生成するという本発明の知見は示唆されておらず、
むしろこれに反する教示がなされている。
米国特許第4,358,616号明細書にはヒドロキシメチル
フエノールとメルカプタンを触媒の不在下で反応させる
ことにより樹脂の生成を避けるアルキルチオメチルフエ
ノールの製法が示されている。この明細書ではアルキル
化フエノール、ホルムアルデヒドおよび第一または第二
メルカプタンを酸触媒の存在下で同時反応させることに
よりきわめて有効な酸化防止用反応生成物が得られるこ
とは認識されていない。
米国特許第3,903,173号明細書にはジアルキルフエノ
ールのモノおよびジメチレンチオエーテルの製法が示さ
れており、その際ジアルキルフエノールとホルムアルデ
ヒドおよびメルカプタン化合物を不活性溶剤中でアルカ
リ化合物、たとえば水酸化ナトリウムまたはカリウムの
存在下に反応させている。同様に米国特許第4,304,904
号明細書においては、異性体、同族体および樹脂の生成
を避けるための触媒としてリチウム、マグネシウム、コ
バルト、ニツケル、銅、鉄、クロムおよびアルミニウム
の化合物少なくとも1種を用いている。これらの参考文
献においては、きわめて臨界的な反応条件下で、優れた
酸化防止性を備えたきわめて望ましい反応生成物が得ら
れることは認識されていない。
ソビエト連邦特許第1,150,257号明細書には、塩素化
パラフイン1〜3%、スルホン酸バリウム2〜4%、ド
デシル−チオメチル−ノニルフエノール2〜3%(重量
%)(イオウ含有添加物として)および鉱油を含有す
る、金属加工用の潤滑/冷却液が示されている。ドデシ
ル−チオメチル−ノニルフエノールはドデシルメルカプ
タンとホルムアルデヒドおよびアルキルフエノールをベ
ンゼン溶液状で触媒なしに反応させることにより得られ
る。この明細書にはその潤滑/冷却用組成物は改良され
た潤滑性、1.22倍高い金属加工効率、2.1倍の切削工具
耐摩耗性、および1.5倍低い処理面粗面性を与えること
が試験によつて示されたと述べられている。この明細書
には酸触媒反応生成物が被酸化性有機材料の劣化防止剤
として有用であることは示唆されていない。
より良好なポリマー用および有機材料用安定剤の探索
が依然として多くの当業者の関心を引いているが、この
主題に関する先行技術および文献には、フエノール類と
ホルムアルデヒドおよびメルカプタンの酸触媒反応によ
つて、自動相乗作用を示し、それを含有する材料に卓越
した耐酸化性を与える反応生成物が得られることは示さ
れておらず、示唆されてもいない。本発明のこの新規な
反応生成物およびその製法が本発明の基礎となる。ここ
に示される反応により得られる組成物または混合物は、
揮発性、安定剤の抽出性、および高水準を含有させる必
要性があることなど先行技術の問題点を幾つか克服する
優れた安定剤である。
本発明は、被酸化性材料および安定化量の自動相乗性
フエノール系酸化防止用反応生成物からなり、該自動相
乗性フエノール系酸化防止用反応生成物が 1)モノ−アルキル化フエノールもしくは2,4−ジアル
キル化フエノールまたはそれらの混合物(アルキル基は
直鎖または分枝鎖であり、炭素原子1〜20個のものであ
る)1モルを a)炭素原子3〜20個の第一メルカプタン0.5〜1.5モ
ル;および b)メルカプタン対フエノールのモル比が1.0以上であ
る場合には第一メルカプタンのモル数に対し0〜50モル
%過剰の水性ホルムアルデヒド、またはメルカプタン対
フエノール類のモル比が1.0よりも小さい場合は0〜100
%過剰の水性ホルムアルデヒド;および c)アルキル化フエノールの重量に対し0.04〜20重量%
の酸触媒;および d)適量の共沸溶剤 と混合し; 2)混合物を周囲温度から180℃にまで加熱し、その間
反応水の生成が終止するまで水を共沸除去し;そして 3)触媒を中和し、生成物を分離する ことよりなる方法により得られる、安定化された有機組
成物である。
また本発明は、上記の自動相乗作用性フエノール系酸
化防止用反応生成物の製法により得られる新規な組成物
である。
さらに本発明は、 1)p−クレゾール、m−クレゾール、o−クレゾー
ル、2,4−ジメチルフエノール、2−t−ブチル−p−
クレゾール、p−エチルフエノール、3−エチルフエノ
ール、p−モノノニルフエノール、p−イソプロピルフ
エノール、p−sec−ブチルフエノール、o−sec−ブチ
ルフエノール、p−t−ブチルフエノール、3−t−ブ
チルフエノール、p−t−オクチルフエノール、2,4−
ジノニルフエノールおよびドデシルフエノールよりなる
群から選ばれるアルキル化フエノール1モルを a)炭素原子6〜14個の第一メルカプタン0.5〜1.5モ
ル;ならびに b)水性ホルムアルデヒド0.5〜2.25モル; ならびに c)アルキル化フエノールの重量に対し0.1〜10重量%
の、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、キシレン
スルホン酸、硫酸、氷酢酸、三フッ化ホウ素およびアン
バーリスト15よりなる群から選ばれる酸;ならびに d)水と共沸する溶剤適量 と混合し; 2)混合物を周囲温度から150℃にまで加熱し、その間
反応水の生成が終止するまで水を共沸除去し; 3)酸を中和し、反応生成物混合物を分離することより
なる方法により得られる反応生成物の混合物である、有
機材料保護のための酸化防止剤である。
本発明の反応生成物を用いることにより改良される有
機材料の代表例には、酸化劣化を受けやすい材料が含ま
れる。この種の材料には油、脂肪、プラスチツクなどが
含まれる。より詳細には本発明は酸化劣化を受けやすい
高分子材料の安定化に関する。ここに記載する反応生成
物によつて好都合に保護されるポリマーまたはゴムは、
酸化劣化を受けやすい加硫および未加硫ポリマー、たと
えば天然ゴム、ならびに合成ポリマー、たとえば炭素−
炭素二重結合を含むもの、たとえばゴム状ジエンポリマ
ー(共役および非共役ともに)である。本発明の採用に
よつて改良される合成ポリマーの代表例はポリクロロプ
レン、ならびに共役1,3−ジエン(たとえばイソプレン
およびブタジエン)のホモポリマーである。共役1,3−
ジエン(たとえばイソプレンおよびブタジエン)と50重
量%までの少なくとも1種の共重合性モノマー(エチレ
ン性不飽和モノマー、たとえばスチレンおよびアクリロ
ニトリルを含む)とのコポリマーも含まれる。炭素−炭
素二重結合を含むブチルゴムおよびポリウレタンも本発
明によつて改良される。一般に、酸化劣化を受ける有機
材料はいずれも本発明の反応生成物を含有させることに
よつて改良されるであろう。
本発明の自動相乗作用性フエノール系酸化防止用反応
生成物は他の安定剤、加硫剤、相乗剤、促進剤その他の
配合成分と共に、またはこれらなしに用いることができ
る。有機材料を効果的に安定化するために、本発明によ
る反応生成物少量を、業界で慣用される様式で被酸化性
有機材料に添加する。反応生成物の量は保護すべき材料
の種類および要求条件、ならびにその材料に与えられる
条件に応じて若干異なるであろう。
自動相乗作用性のフエノール系酸化防止用反応生成物
の添加法は決定的ではない。これは常法により、たとえ
ばポリマーラテツクスに添加し、開放型ロール機で混練
することにより、または密閉混合により添加することが
できる。本発明の安定剤を用いてゴム、たとえばスチレ
ン/ブタジエンゴムまたはポリブタジエンを安定化する
ためには、ポリマーがラテツクス状またはセメント状で
ある間にこれに安定剤を添加することが好都合な方法で
ある。これはモノマーの重合が本質的に完了したのちに
行うことが好ましい。
普通はポリマーの重量に対し約0.001〜約5.0部の自動
相乗作用性フエノール系酸化防止用反応生成物を用いる
ことができる。しかし反応生成物の正確な使用量はポリ
マーまたは被酸化性有機材料の性質、およびその材料が
暴露される劣化条件の程度に依存するであろう。ポリマ
ー中における本発明の反応生成物の有効酸化防止剤量は
一般にポリマー100重量部に対し約0.05〜約5.0重量部以
上であることが認められた。ポリマー100重量部に対し
約0.25〜約2.0重量部を用いることが一般に好ましい。
これらの範囲は単なる指針であつて、当業者には材料に
安定化効果を与えるのに必要な反応生成物の適量は自明
であろう。
本発明の反応生成物の製造に用いられるフエノール系
出発物質の代表例は、モノブチル化フエノール、2,4−
ジブチル化フエノール、ノニルフエノール、2,4−ジノ
ニルフエノール、ドデシルフエノール、モノおよび2,4
−ジメチルフエノールなどの化合物である。他のフエノ
ール系化合物、たとえばスチレン化フエノールおよびα
−メチルスチレン化フエノールもここでは考慮される。
出発フエノール化合物はモノまたは2,4−ジアルキル化
およびモノまたは2,4−ジスチレン化されていてもよい
ことを認識すべきである。さらにアルキル系置換基は炭
素原子1〜30個であり、一方アリールアルキル系置換基
は炭素原子8〜9個であつてもよいことは認識すべきで
ある。好ましくはアルキル系置換基は1〜12個の炭素原
子を含むであろう。
反応は共沸溶剤、たとえばトルエン、キシレンまたは
ベンゼンを用いて行わなければならない。さもなければ
反応によつて本発明の生成物は得られないであろう。
本発明の反応生成物の製造に用いられるホルムアルデ
ヒドはホルムアルデヒド水溶液であり、これは水溶液の
10〜50重量%のホルムアルデヒドを含有しうる。パラホ
ルムアルデヒドの使用は有用でないことが認められた。
この物質は昇華し、従つてシステム内で固化しやすいか
らである。好ましくは本方法に用いられるホルムアルデ
ヒドはホルムアルデヒド約35〜45重量%を含有するホル
ムアルデヒド溶液である。
本発明に用いられるノルマルメルカプタンには炭素原
子3〜20個の第一メルカプタンが含まれる。さらに炭素
原子3〜20個のメルカプタンの粗製混合物も有効に使用
できる。第二および第三メルカプタンの使用はここでは
考慮されない。それらは目的とする反応生成物を与えな
いからである。本発明の反応生成物の製造に用いられる
第一メルカプタンの代表例にはドデシルメルカプタン、
オクチルメルカプタン、ブチルメルカプタン、ヘキシル
メルカプタンなどが含まれる。
本発明の反応生成物の製造に用いられる代表的な酸触
媒にはベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシ
レンスルホン酸、メタンスルホン酸、メタンジスルホン
酸、より長鎖のアルキルスルホン酸、三フッ化ホウ素、
スルホン酸基を含む固体樹脂またはポリマー、たとえば
アンバーリスト15、硫酸などが含まれる。反応を触媒す
るために反応混合物に添加される酸の量はフエノール系
化合物の重量に対し0.04〜20重量%であろう。
本発明の反応生成物を製造するために採用される温度
は室温から約180℃までである。好ましくは反応体(フ
エノール類、ホルムアルデヒド、メルカプタンおよび
酸)を混和したのち混合物を攪拌すると、緩和な発熱が
起こる。発熱終了後に反応混合物を徐々に180℃までの
温度に高め、その間、反応水および溶液の水(ホルムア
ルデヒド水溶液からの)を除去する。
本発明の重要な観点は用いる反応体のモル比に関す
る。のちに証明するように、特許請求の範囲に記載した
もの以外の比率は劣つた生成物を与えるであろう。
水の生成が終止したのち(反応の完結を示す)、反応
混合物を中和するために用いられる苛性アルカリ物質の
代表例には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウムなどが含まれる。化学技
術関係者には反応混合物を苛性アルカリで中和する前に
100℃以下に冷却すべきであることは自明であろう。苛
性アルカリの添加量は少なくとも酸触媒を中和するのに
十分でなければならない。
反応が完了し、生成者を分離したのち、この自動相乗
作用性のフエノール系酸化防止用反応生成物をそのまま
使用できる。
用いる反応体に応じて反応生成物は室温で液体である
か、または低融点の固体であろう。
本発明の一観点は反応体のモル比の臨界性に関する。
アルキル化フエノールのモル当たり、メルカプタン0.5
〜1.5モルが適切であることが見出された。より好まし
いのはフエノール化合物のモル当たり、メルカプタン0.
75〜1.25モルの比である。きわめて好ましいモル比は1
対1である。上記範囲外のモル比を用いると、反応生成
物の劣化防止性が低下し、または反応生成物自体が高粘
度となり、取扱いが困難になる。
ホルムアルデヒドの使用量は一般にメルカプタンのモ
ル数と等しいか、または過剰である。メルカプタン対フ
エノールのモル比が1.0以上である場合にはメルカプタ
ンのモル数に対し0〜50モル%過剰のホルムアルデヒド
が有用であり、メルカプタン対フエノールのモル比が1.
0よりも小さい場合は0〜100%過剰のホルムアルデヒド
を用いると優れた生成物が得られることが見出された。
反応体の添加順序は重要である。フエノール化合物、
メルカプタン、共沸溶剤および触媒を反応容器に添加
し、水性ホルムアルデヒドの添加前に攪拌し始めるのが
有利であることが認められた。化学関係者には、得られ
る反応生成物は同定できる単一の化学物質でなくむしろ
化合物の混合物であることが認識されるであろう。限定
するものではないが、p−ノニルフエノール1モル、ド
デシルメルカプタン1モルおよびホルムアルデヒド1モ
ルの、酸触媒による共沸下での反応により得られる反応
生成物は下記の各構造式の化合物を含むと考えられる。
および CH3CH2 11S−CH2−SCH2 11CH3 (III) および および および および これらの式中、Rはノニル基であり、R1は基−CH2−S
CH2 11CH3である。
反応生成物は化合物I〜VIIIおよびより高級な同族体
若干、ならびにフエノール系物質を基礎とする同様な縮
合生成物副量、ならびに残存する出発物質若干を含有す
ると考えられる。先行技術の方法と異なり、適切な反応
条件および反応体比を用いいると、単一の化学物質では
なくむしろ優れた安定化特性をもつ混合物である生成物
が得られることが認められた。本発明はいずれか1種の
特定の化学物質ではなく、むしろここに示す方法により
得られる生成物である。適切なモル比の反応体、触媒濃
度および共沸条件の採用により、優れた酸化防止活性を
示す反応生成物が得られることが認められた。
ここに示す自動相乗作用性のフエノール系酸化防止剤
反応生成物は、攪拌機、デイーン・スターク・トラップ
付きクラシエン(Clasien)アダプター、温度計、水凝
縮器および滴下ろうとを備えた1の三口反応フラスコ
中で製造された。反応フラスコへの熱は加熱マントルに
より与えられた。ホルムアルデヒド水溶液からの水およ
び反応水はデイーン・スターク・トラップ中に共沸混合
物として採取された。この反応のための共沸溶剤、たと
えばトルエンは水から分離したのち反応フラスコへ戻さ
れた。反応はすべて反応水の生成が終止するまで行われ
た。次いで反応生成物を100℃以下に冷却し、苛性アル
カリ水溶液(たとえばNaOH)をわずかに過剰に添加し
た。中和が完了するまで混合物を攪拌した。水を相分離
により分離し、次いでポツト温度125〜190℃で10〜25mm
Hgの圧力下に反応生成物をストリツピングした。次いで
得られた生成物を過して中和塩を除去した。得られた
生成物は液体、または放置すると徐々に結晶化する物
質、またはきわめて低い融点の固体であつた。前記のよ
うに反応生成物は種々の分子量をもつ化合物の混合物で
ある。
以下の本発明の実施例および比較例において得られた
生成物を多数のポリマー中において100℃での酸素吸収
により評価した。そのデータを各表に示す。試験法はイ
ンダストリアル・アンド・エンジニアリング・ケミスト
リー43、456頁(1951)およびインダストリアル・アン
ド・エンジニアリング・ケミストリー45、392頁(195
3)により詳細にまとめられている。
実施例1〜12 メルカプタンの水準 攪拌機、デイーン・スターク・トラップ付きクラシア
ンアダプター、温度計、水凝縮器および滴下ろうとを備
えた1の三口反応器に95%p−モノノニルフエノール
1.0モル(220g)、トルエンスルホン酸8.9g、表に示し
た量の98%n−ドデシルメルカプタン、およびトルエン
125gを装入した。混合物を室温で攪拌したのち、表に示
した量の37%ホルムアルデヒド水溶液を速やかに添加し
た。攪拌を2時間続け、その間に混合物は発熱した。次
いで混合物を135〜142℃に加熱し、その間H2O/トルエ
ンを共沸除去した。共沸混合物をデイーン・スターク・
トラップ内で分離し、トルエンを反応に戻した。反応水
の生成が終止するまで加熱を続けた。これは約2〜2 1/
2時間であつた。反応物を95℃に冷却し、水75g中の炭酸
ナトリウム9gで中和した。混合物を80〜90℃で1/2時間
攪拌したのち、水層を除去した。反応生成物を共沸乾燥
させ、中和塩を過し、生成物(液)を10〜20mmHgの
圧力で165〜170℃のポツト温度においてストリツピング
した。装入した材料に対する生成物の収率(反応水はほ
とんどない)は通常100%であつた。
生成物はストリツピング後にそのまま用いられ、GPC
分析にかけられた。生成物1gを含むトルエン100mlの溶
液を調製した。酸素吸収試験において試験すべきポリマ
ーのトルエン溶液を調製し、反応生成物の溶液と混和し
て、キヤストフイルム中に1重量%の反応生成物が存在
する状態にした。次いで乾燥フイルムを酸素吸収装置内
に置き、100℃で酸素に暴露した。
表Iにドデシルメルカプタンの使用量、ホルムアルデ
ヒドの量、および各試料につき1重量%のO2を吸収する
時間数を示す。
比較として、市販の酸化防止剤ウイングステイ(Wing
stay、登録商標)〔ブチル化ジ(ジメチルベンジル)フ
エノール〕はゴム100部当たり1.0部の水準において275
時間の保護をSBRに与えたにすぎない。
アルキル化フエノールのモル当たり0.5〜1.5モルの水
準のメルカプタンが最良の酸化防止性を与えたというこ
とはきわめて興味深い知見である。メルカプタンに関し
0.5〜1.5水準以外のモル比はこれよりも劣り、0.5〜1.5
の水準以外のモル比の場合、ゴムの自動酸化を促進する
生成物が得られ、従つて望ましくないと考えられる。
実施例14〜30 アルキル化フエノールと反応生成物の酸化防止性の関係 前記の装置および方法を用いて下記の実験を行つた。
ただし表に示したフエノール類1.0モルとドデシルメル
カプタン1.0モルおよびホルムアルデヒド1.25モルを、
触媒としてのキシレンスルホン酸を使用して反応させ
た。例15、20および25においてはフエノール類とホルム
アルデヒドの縮重合を防止すべく触媒水準を調整した。
表IIには用いたアルキル化フエノール(本発明の範囲
内および範囲外)および前記SBRに1重量%のO2が吸収
されるまでの時間数を示す。
比較として、保護されていないSBRは1%のO2を約4
時間以内に吸収し、一方市販の酸化防止剤であるウイン
グステイS(ザ・グツドイヤー・タイヤ・アンド・ラバ
ー・カンパニーから入手されるスチレン化フエノール)
は1.0部の水準で125時間の保護を与え、0.5部の水準で1
20時間の保護を与えた。
本発明の範囲外の3.5および2.6−ジアルキル化フエノ
ールが、試験された他のアルキル化フエノールよりも大
幅に劣る点に注目すると興味深い。
実施例31〜33 種々の酸触媒の使用 以下の実験は例1の装置および方法を用いて行われ
た。ただしホルムアルデヒド1.1モル、n−ドデシルメ
ルカプタン1.0モル、および95%p−モノノニルフエノ
ール1.0モルを種々の酸触媒により反応させた。表IIIに
は使用した触媒、ならびに前記SBRにつき1重量%のO2
を吸収する時間数を示す。
本発明の反応生成物を製造するために用いた他の触媒
にはH2SO4、BF4エーテレート、氷酢酸およびアンバーリ
スト15が含まれる。本方法には多種多様な酸が有用であ
ると思われる。
実施例31〜33により得た反応生成物のGPC分析によつ
て下記の分子量分布が明らかになつた。
メタンスルホン酸を用いた例32ではより高い分子量の
成分を含む生成物が生成したが、メルカプタンの実質的
部分が反応しなかつたと思われる。トルエンスルホン酸
およびキシレンスルホン酸は反応を触媒するに当たり本
質的に同等であると思われる。
実施例34および35 酸触媒反応と塩基触媒反応の比較 幾つかの特許明細書にフエノール、ホルムアルデヒド
およびメルカプタンの反応を触媒するのに塩基を用いる
ことが示されている。たとえば米国特許第4,304,940号
明細書には置換フエノール、ホルムアルデヒドおよびメ
ルカプタンの反応を90〜220℃で酢酸亜鉛、KOH、LiOH、
ZnOなどの化合物の存在下に行うことが記載されてい
る。米国特許第3,346,648号明細書には、1,2−ジメルカ
プトエタン、ホルムアルデヒドおよび2,5−ジ−t−ブ
チルフエノールを水酸化マグネシウムの存在下で反応さ
せることによるビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジルチオ)エタンなどの化合物の製法が示さ
れている。米国特許第3,553,270号明細書には塩基触媒
の存在下での2,6または2,4−ジアルキルフエノールとホ
ルムアルデヒドおよびメルカプタンの反応が示されてい
る。これらの参考文献その他が認識しなかつたことは、
モル比および共沸溶剤の使用のほかに、生成した割合に
おいて優れた酸化防止性を備えた、化合物の混合物であ
る反応生成物を酸触媒が与えるという点である。
塩基触媒反応では異なる反応生成物が生成することを
証明するために、例1の装置および方法を用い、ただし
ホルムアルデヒド1.25モルおよびn−ドデシルメルカプ
タン1.0モルをトルエンスルホン酸(TSA)8.0gの存在下
でp−モノノニルフエノールと反応させた。例35ではこ
れを同一の反応体を用いたが、TSAの代わりにNaOHおよ
び二工程縮合反応法を採用した。こに塩基触媒反応では
まずアルキルフエノールをNaOHと反応させてフエノラー
トを生成させた。このフエノラートを次いで25〜45℃で
2〜5時間攪拌することによりホルムアルデヒドと結合
させた。次いでこの反応混合物を約45℃において50%H2
SO41モルで処理して遊離フエノール類および中和生成
物を得た。分離後に共沸溶剤としてのトルエン、TSAお
よびメルカプタンを添加し、前記に従つて反応および仕
上げ処理を行つた。
反応生成物のGRC分析により下記の分子量分布が明ら
かになつた。
GPCデータから明らかなように酸触媒経路により得ら
れる生成物の分布は塩基触媒の場合と実質的に異なつて
いる。さらに酸触媒により得られた生成物は塩基触媒に
よる生成物よりも色が薄かつた。塩基触媒経路は幾つか
の欠点をもつ。たとえば1)塩基(NaOHまたはKOH)は
アルキルフエノールと等モル量で使用しなければならな
い;2)NaまたはKフエノラートを中和するために、等モ
ル量よりもわずかに多量の酸(H2SO4)が必要である;
3)廃水流は中和後に無機塩を含む;および4)塩基触
媒反応は少なくとも二工程法である。これに対し酸触媒
経路は触媒量の酸を使用するにすぎず、一工程法であ
り、2回目の中和は必要なく、廃水中に認められる塩の
量は著しく少なく、反応時間の短縮が実現され、かつ実
質的に100%の収率が一貫して得られる。
実施例36〜39 塩基触媒反応により得られる酸化防止剤が劣ることを
さらに証明するために、塩基触媒反応を採用した点を除
いて例2〜5を反復した。表IVには反応体のモル比およ
びSBR中に1%O2を吸収する時間数を示す。
文献から当業者は塩基触媒反応と酸触媒反応の生成物
はほぼ等しいと考えたであろうから、表IVに示す結果は
予想外であつた。このデータは塩基触媒反応生成物が有
機材料の安定化に際し酸触媒反応生成物よりも劣るとい
う立場を支持している。さらに塩基触媒法の反応生成物
の色はより濃かつた。
実施例40〜42 メルカプタンの影響 例1の方法および装置を採用し、ただし95%p−モノ
ノニルフエノール1.0モルとホルムアルデヒド1.25モ
ル、および表に示すメルカプタン1.0モルをキシレンス
ルホン酸8gの存在下で反応させた。表Vには使用したメ
ルカプタンおよび1重量%のO2を吸収する時間数を示
す。
メルカプタンの種類は、メルカプタンの他の各反応体
とのモル比ほどには酸化防止性に影響を与えないと思わ
れる。
一般に本発明方法により得られる複雑な混合物の特有
な物理的特性には、分子量範囲約650から1250以上、分
子量平均約850が含まれる。生成物の比重は約0.94、ガ
ードナーカラーは約4である。本発明の生成物の粘度は
25℃において500〜600センチポイズであり、約154℃の
引火点をもつ。
表VIは例5で得た酸化防止剤の効力を市販の酸化防止
剤のものとSBR中において比較したものである。
本発明の反応生成物がもつ他の特性を、一般に受入れ
られているゴム用化学薬品と比較した。油展SBR(結合
スチレン23.5%、ナフテン系石油37.5部および安定剤1.
25PHRを含む)の加速老化(70℃)に際し、例5の生成
物を用いた場合ポリマーのムーニー粘度は35日後も変化
なかつたが、通常の酸化防止剤(ウイングステイC)を
含むポリマーはわずか7日後に38単位のムーニー粘度低
下を示した。同一ポリマーの試験に際し、例5の生成物
を用いた場合2.5%のゲル増加が認められ、一方ウイン
グステイCを用いた場合は37%のゲル増加が生じた。
アクリロニトリル/ブタジエンゴム(33%ACN、低温
重合NBR、安定剤1.5PHRを含む)の場合、例5の生成物
は加速老化(70℃)35日後に5単位のムーニー粘度上昇
を示した。通常の系は同一期間内に40単位(アルキル化
モノフエノール)〜53単位(置換ジフエニルアミン)の
粘度上昇を示した。
油展SBR(結合スチレン23.5%、ナフテン系石油37.5
部を含む)につき試験を行い、例5の反応生成物0.2PHR
が通常の安定剤ウイングステイC1.25PHRよりも高い安定
性を与えると判定された。例5の反応生成物を用いた場
合、粘度低下は14日間でわずか15単位であつた。一方、
通常の安定剤は31単位のムーニー粘度低下を示した。
ここで行われた酸素吸収試験の結果は、本発明の反応
生成物が被酸化性有機材料の安定化にきわめて望ましい
ことを十分に証明している。本発明は、低価格であり、
公害問題を伴わずに容易に製造され、予想外に優れた劣
化防止性を与える反応生成物を提供する。本発明の自動
相乗作用性フエノール系酸化防止用反応生成物は低価格
であり、揮発性が低く、ムーニー粘度を安定させ、遊離
水素供与体であり、過酸化物分解剤として作用し、アル
キルラジカル捕捉剤であり、過酷な条件下でもポリマー
中に存続するので、工業的利用性を備えている。
本発明を説明するために特定の代表的形態および詳細
を示したが、当業者には本発明の範囲から逸脱すること
なく種々の変更および修正をなしうることが明らかであ
ろう。

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被酸化性材料および安定化量の自動相乗性
    フェノール系酸化防止用反応生成物からなり、該自動相
    乗性フェノール系酸化防止用反応生成物が、 1)モノ−アルキル化フェノールもしくは2,4−ジアル
    キル化フェノールまたはそれらの混合物(アルキル基は
    直鎖または分枝鎖であり、炭素原子1〜20個のものであ
    る)1モルを a)炭素原子3〜20個の第一メルカプタン0.5〜1.5モ
    ル;および b)メルカプタン対フェノール類のモル比が1.0以上で
    ある場合には第一メルカプタンのモル数に対し0〜50モ
    ル%過剰の水性ホルムアルデヒド、またはメルカプタン
    対フェノール類のモル比が1.0よりも小さい場合は0〜1
    00%過剰の水性ホルムアルデヒド; c)アルキル化フェノールの重量に対し0.04〜20重量%
    の酸触媒;および d)適量の共沸溶剤 と混合し; 2)混合物を周囲温度から180℃まで加熱し、その間反
    応水の生成が終止するまで水を共沸除去し;そして 3)触媒を中和し、生成物を分離する ことよりなる方法により得られたものである、安定化さ
    れた有機組成物。
  2. 【請求項2】酸触媒がトルエンスルホン酸、キシレンス
    ルホン酸、メタンスルホン酸、ジメチルスルホン酸、三
    フッ化ホウ素、アンバーリスト15および硫酸よりなる群
    から選ばれる、特許請求の範囲第1項に記載の安定化さ
    れた有機組成物。
  3. 【請求項3】モノアルキル化フェノールがm−クレゾー
    ル、o−クレゾール、p−クレゾール、2−t−ブチル
    フェノール、p−イソプロピルフェノール、o−sec−
    ブチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、p−ド
    デシルフェノールおよびp−ノニルフェノールよりなる
    群から選ばれる、特許請求の範囲第1項に記載の安定化
    さされた有機組成物。
  4. 【請求項4】2,4−ジアルキル化フェノールが2,4−ジメ
    チルフェノールおよび2,4−ジノニルフェノールから選
    ばれる、特許請求の範囲第1項に記載の安定化さされた
    有機組成物。
  5. 【請求項5】第一メルカプタンがn−ドデシルメルカプ
    タン、n−オクチルメルカプタンおよびn−ブチルメル
    カプタンから選ばれる、特許請求の範囲第1項に記載の
    安定化された有機組成物。
  6. 【請求項6】フェノール類対ホルムアルデヒド対メルカ
    プタンのモル比が1:1.25:1である、特許請求の範囲第1
    項に記載の安定化された有機組成物。
  7. 【請求項7】共沸溶剤がトルエン、キシレンまたはベン
    ゼンから選ばれる、特許請求の範囲第1項に記載の安定
    化された有機組成物。
  8. 【請求項8】1)モノ−アルキル化フェノールもしくは
    2,4−ジアルキル化フェノールまたはそれらの混合物
    (アルキル基は直鎖または分枝鎖であり、炭素原子1〜
    20個のものである)1モルを a)炭素原子3〜20個の第一メルカプタン0.5〜1.5モ
    ル;および b)メルカプタン対フェノール類のモル比が1.0以上で
    ある場合には第一メルカプタンのモル数に対し0〜50モ
    ル%過剰の水性ホルムアルデヒド、またはメルカプタン
    対フェノール類のモル比が1.0よりも小さい場合は0〜1
    00%過剰の水性ホルムアルデヒド; c)アルキル化フェノールの重量に対し0.04〜20重量%
    の酸触媒;および d)適量の共沸溶剤 と混合し; 2)混合物を周囲温度から180℃まで加熱し、その間反
    応水の生成が終止するまで水を共沸除去し;そして 3)触媒を中和し、生成物を分離する ことよりなる方法により得られる、新規な組成物。
  9. 【請求項9】モノアルキル化フェノールがm−クレゾー
    ル、o−クレゾール、p−クレゾール、2−t−ブチル
    フェノール、p−イソプロピルフェノール、o−sec−
    ブチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、p−ド
    デシルフェノールおよびp−ノニルフェノールよりなる
    群から選ばれる、特許請求の範囲第8項に記載の組成
    物。
  10. 【請求項10】2,4−ジアルキル化フェノールが2,4−ジ
    メチルフェノールおよび2,4−ジノニルフェノールから
    選ばれる、特許請求の範囲第8項に記載の組成物。
  11. 【請求項11】第一メルカプタンがn−ドデシルメルカ
    プタン、n−オクチルメルカプタンおよびn−ブチルメ
    ルカプタンから選ばれる、特許請求の範囲第8項に記載
    の組成物。
  12. 【請求項12】フェノール類対ホルムアルデヒド対メル
    カプタンのモル比が1:1.25:1である、特許請求の範囲第
    8項に記載の組成物。
  13. 【請求項13】共沸溶剤がトルエン、キシレンまたはベ
    ンゼンから選ばれる、特許請求の範囲第8項に記載の組
    成物。
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