JP7136180B2 - ニトリル共重合体ゴム組成物、架橋性ゴム組成物、ゴム架橋物、及びホース - Google Patents

ニトリル共重合体ゴム組成物、架橋性ゴム組成物、ゴム架橋物、及びホース Download PDF

Info

Publication number
JP7136180B2
JP7136180B2 JP2020501639A JP2020501639A JP7136180B2 JP 7136180 B2 JP7136180 B2 JP 7136180B2 JP 2020501639 A JP2020501639 A JP 2020501639A JP 2020501639 A JP2020501639 A JP 2020501639A JP 7136180 B2 JP7136180 B2 JP 7136180B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copolymer rubber
nitrile copolymer
weight
rubber
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020501639A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019163482A1 (ja
Inventor
弘康 永森
学 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Zeon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Zeon Corp filed Critical Zeon Corp
Publication of JPWO2019163482A1 publication Critical patent/JPWO2019163482A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7136180B2 publication Critical patent/JP7136180B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L27/00Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L27/02Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
    • C08L27/04Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment containing chlorine atoms
    • C08L27/06Homopolymers or copolymers of vinyl chloride
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L9/00Compositions of homopolymers or copolymers of conjugated diene hydrocarbons
    • C08L9/02Copolymers with acrylonitrile
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L11/00Hoses, i.e. flexible pipes
    • F16L11/04Hoses, i.e. flexible pipes made of rubber or flexible plastics

Description

本発明は、ニトリル共重合体ゴム組成物、架橋性ゴム組成物、ゴム架橋物、及びホースに関する。
従来から、α、β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位、および、共役ジエン単量体単位を含有するゴム(ニトリル共重合体ゴム)は、耐油性に優れるゴムとして燃料用ホース等のゴム製品に用いられている。また、このようなゴム製品には、耐油性に加え、成形時の加工性、ゴム製品としての強度特性、耐オゾン性などの各性能の高度化が求められている。
例えば、特許文献1には、2種類の不飽和ニトリル・共役ジエンゴムを含有するゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いた燃料ホースが開示されている。
特開2003-306580号公報
しかしながら、従来のニトリル共重合体ゴム組成物では、成形時の形状を維持できないおそれがあり、その状態で架橋されてしまうと目的の形状のゴム架橋物が得られない等の問題がある(例えば、円筒状のゴム未架橋物が成形時や放置時に塑性変形し、円筒形状が潰れる等)。従来のニトリル共重合体ゴム組成物は、このようにゴム未架橋物(または架橋性ゴム組成物)の成形加工性が十分でなく、また強度特性、耐油性、耐オゾン性が十分なゴム架橋物が得られない。
本発明の課題は、ゴム未架橋物の成形加工性に優れ、ゴム架橋物の強度特性、耐油性、および耐オゾン性に優れるニトリル共重合体ゴム組成物を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40重量%未満含有するニトリル共重合体ゴム(A)と、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40重量%以上含有するニトリル共重合体ゴム(B)と、平均重合度が800以上の塩化ビニル樹脂(C)とを含有し、前記ニトリル共重合体ゴム(A)と前記ニトリル共重合体ゴム(B)の合計100重量部に対する、前記塩化ビニル樹脂(C)の含有割合が35重量部以上であるニトリル共重合体ゴム組成物であり、前記ニトリル共重合体ゴム(A)のメチルエチルケトン(MEK)不溶解分量が60%以上である。

本発明の一態様によれば、ゴム未架橋物の成形加工性に優れ、ゴム架橋物の強度特性、耐油性、および耐オゾン性に優れるニトリル共重合体ゴム組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
<ニトリル共重合体ゴム組成物>
本発明の実施形態に係るニトリル共重合体ゴム組成物は、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40重量%未満含有するニトリル共重合体ゴム(A)と、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40重量%以上含有するニトリル共重合体ゴム(B)と、平均重合度が800以上の塩化ビニル樹脂(C)とを含有し、ニトリル共重合体ゴム(A)とニトリル共重合体ゴム(B)の合計100重量部に対する、塩化ビニル樹脂(C)の含有割合が35重量部以上である。
<ニトリル共重合体ゴム(A)>
本実施形態で用いるニトリル共重合体ゴム(A)は、少なくともα,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40重量%未満の割合で含有するゴムである。本明細書において、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体は、ニトリル基を有し、該ニトリル基に対してα位の炭素とβ位の炭素との二重結合を有する化合物である。
ニトリル共重合体ゴム(A)におけるα,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合は、全単量体単位に対して、40重量%未満であり、好ましくは37重量%未満、より好ましくは35重量%未満である。該α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合が高すぎると、得られるゴム未架橋物の成形加工性、ゴム架橋物の強度特性が低下する可能性がある。なお、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合の下限は、特に限定されないが、得られるゴム架橋物の耐油性の観点から、好ましくは15重量%以上であり、より好ましくは25重量%以上である。
なお、本発明の実施形態において、ニトリル共重合体ゴム(A)として、1種のゴムを用いてもよいが、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40重量%未満含有するニトリル共重合体ゴム(A)を複数種混合して使用してもよい。なお、ニトリル共重合体ゴム(A)を複数種混合する場合は、単量体組成の異なるゴムの混合物全体における、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合を上記範囲とすればよい。例えば、ニトリル共重合体ゴム(A)として、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合が25重量%であるゴム(α)と、35重量%であるゴム(β)とを50:50(重量比)にて混合して用いる場合には、ニトリル共重合体ゴム(A)全体のα,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合は、ゴム(α)、ゴム(β)のいずれも30重量%となる。以下、ジエン単量体単位またはα-オレフィン単量体単位などにおいても、同様とする。
α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を形成するα,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、特に限定されないが、例えば、アクリロニトリル;α-クロロアクリロニトリル、α-ブロモアクリロニトリルなどのα-ハロゲノアクリロニトリル;メタクリロニトリルなどのα-アルキルアクリロニトリル;などが挙げられる。これらの中でも、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが好ましく、アクリロニトリルがより好ましい。これらは一種単独でまたは複数種併せて用いることができる。
本実施形態において、ニトリル共重合体ゴム(A)は、メチルエチルケトン不溶解分量(以下、MEK不溶分という場合がある)が60%以上であることが好ましく、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上である。なお、複数のゴムを混合して使用した場合のメチルエチルケトン不溶解分量は、各ゴムのメチルエチルケトン不溶解分量と混合重量比により算出される。
メチルエチルケトン不溶解分量(MEK不溶分)は、ニトリル共重合体ゴム(A)をメチルエチルケトン溶剤に溶解したときに、溶解しないニトリル共重合体ゴム(A)の量である。なお、ニトリル共重合体ゴム(A)が部分的に架橋されている場合、MEK不溶分は多くなる。
メチルエチルケトン不溶解分量が少なすぎると、ゴム未架橋物の成形加工性およびゴム架橋物の強度特性が十分に得られない可能性がある。一方、メチルエチルケトン不溶解分量の上限はないが、好ましくは90%以下である。なお、一般にメチルエチルケトン不溶解分量が多すぎると、他の成分との混合が困難となり、ニトリル共重合体ゴム(A)を他の成分と配合できず、ゴム組成物とすることができなくなる可能性がある。
また、本実施形態で用いるニトリル共重合体ゴム(A)は、得られるゴム架橋物がゴム弾性を有するものとするために、ジエン単量体単位またはα-オレフィン単量体単位をも含有することが好ましい。
ジエン単量体としては、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエンなどの、好ましくは炭素数が4以上の共役ジエン;および、1,4-ペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどの、好ましくは炭素数が5~12の非共役ジエン;が挙げられる。これらの中では共役ジエンが好ましく、1,3-ブタジエンがより好ましい。
α-オレフィン単量体としては、好ましくは炭素数が2~12のものであり、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどが例示される。
ニトリル共重合体ゴム(A)におけるジエン単量体単位またはα-オレフィン単量体単位の含有割合は、全単量体単位に対して、好ましくは59重量%以上、より好ましくは61重量%以上、さらに好ましくは64重量%以上であり、また、好ましくは78重量%以下、より好ましくは74重量%以下、さらに好ましくは70重量%以下である。ジエン単量体単位またはα-オレフィン単量体単位の含有割合を上記範囲とすることにより、得られるゴム未架橋物の成形加工性に優れ、得られるゴム架橋物の強度特性、耐油性、耐オゾン性に優れたものとしながら、ゴム弾性を適切に向上させることができる。
また、本実施形態で用いるニトリル共重合体ゴム(A)は、上記α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位、およびジエン単量体単位またはα-オレフィン単量体単位以外に、これらの単量体単位を形成する単量体と共重合可能な他の単量体の単位を含有していてもよい。このような他の単量体単位の含有割合は、全単量体単位に対して、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
このような共重合可能な他の単量体としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o-トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどのフッ素含有ビニル化合物;エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどのα-オレフィン化合物;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、無水フマル酸などのα,β-エチレン性不飽和カルボン酸およびその無水物;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルなどのα,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸アルキルエステル;マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸モノn-ブチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸モノエチル、フマル酸ジエチル、フマル酸モノn-ブチル、フマル酸ジブチル、フマル酸モノシクロヘキシル、フマル酸ジシクロヘキシル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸モノn-ブチル、イタコン酸ジブチルなどのα,β-エチレン性不飽和多価カルボン酸のモノエステルおよびジエステル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチルなどのα,β-エチレン性不飽和カルボン酸のアルコキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピルなどのα,β-エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル;ジビニルベンゼンなどのジビニル化合物;エチレンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリル酸エステル類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどのトリメタクリル酸エステル類;などの多官能エチレン性不飽和単量体のほか、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N′-ジメチロール(メタ)アクリルアミドなどの自己架橋性化合物;などが挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸」、「メタクリル酸」の両方を意味する。したがって、例えば、(メタ)アクリル酸メチルは、アクリル酸メチル及び/またはメタクリル酸メチルを示す。
これらのうち、少なくとも2個の重合性不飽和基を有する単量体を共重合することが好ましく、中でもジビニル化合物;ジ(メタ)アクリル酸エステル類;トリメタクリル酸エステル類;などの多官能エチレン性不飽和単量体を共重合することが好ましく、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートを共重合することが特に好ましい。これらの単量体単位の含有割合は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.3重量%以上であり、また、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。なお、メチルエチルケトン不溶解分量は、これらの共重合により調整が可能である。
ニトリル共重合体ゴム(A)のムーニー粘度(ポリマームーニー)(ML1+4、100℃)は、通常3以上で、好ましくは15以上、より好ましくは30以上、特に好ましくは50以上であり、また、通常250以下で、好ましくは180以下、より好ましくは150以下、特に好ましくは100以下である。ニトリル共重合体ゴム(A)のポリマームーニー粘度が低すぎると、得られるゴム架橋物の強度特性が低下する可能性がある。一方、ポリマームーニー粘度が高すぎると、成形加工性が低下する可能性がある。なお、ニトリル共重合体ゴム(A)のムーニー粘度は、例えば、JIS K6300に準拠して測定することができる。
本実施形態で用いるニトリル共重合体ゴム(A)の製造方法は、特に限定されないが、上述した単量体を共重合し、必要に応じて、得られる共重合体中の炭素-炭素二重結合を水素化することによって製造することができる。重合方法は、特に限定されず公知の乳化重合法や溶液重合法によればよいが、工業的生産性の観点から乳化重合法が好ましい。乳化重合に際しては、乳化剤、重合開始剤、分子量調整剤に加えて、通常用いられる重合副資材を使用することができる。
乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等の非イオン性乳化剤;ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸およびリノレン酸等の脂肪酸の塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性乳化剤;α,β-不飽和カルボン酸のスルホエステル、α,β-不飽和カルボン酸のサルフェートエステル、スルホアルキルアリールエーテル等の共重合性乳化剤;などが挙げられる。乳化剤の添加量は、重合に用いる単量体100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上であり、また、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。
重合開始剤としては、ラジカル開始剤であれば特に限定されないが、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素等の無機過酸化物;t-ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p-メンタンハイドロパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物;等を挙げることができる。これらの重合開始剤は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤としては、無機または有機の過酸化物が好ましい。重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄等の還元剤と組み合わせて、レドックス系重合開始剤として使用することもできる。
重合開始剤の添加量は、重合に用いる単量体100重量部に対して、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上、さらに好ましくは0.1重量部以上であり、また、好ましくは2重量部以下、より好ましくは1.5重量部以下、さらに好ましくは1.0重量部以下である。
乳化重合の媒体には、通常、水が使用される。水の量は、重合に用いる単量体100重量部に対して、好ましくは80~500重量部、より好ましくは80~300重量部である。
乳化重合に際しては、さらに、必要に応じて安定剤、分散剤、pH調整剤、脱酸素剤、粒子径調整剤等の重合副資材を用いることができる。これらを用いる場合においては、その種類、使用量とも特に限定されない。
また、本実施形態で用いるニトリル共重合体ゴム(A)は、上記のように共重合して得られた共重合体のジエン単量体単位における不飽和結合部分のうち少なくとも一部を水素化(水素添加反応)した水素化ニトリル共重合体ゴムであってもよい。水素化の方法は特に限定されず、公知の方法を採用すればよい。ニトリル共重合体ゴム(A)を、水素化ニトリル共重合体ゴムとする場合には、そのヨウ素価は、好ましくは0以上の範囲、より好ましくは4以上の範囲であり、また、好ましくは70以下の範囲、より好ましくは60以下の範囲である。
なお、本実施形態のニトリル共重合体ゴム組成物を用いて、後述する架橋性ゴム組成物を得る場合には、架橋性ゴム組成物を得る際に用いる配合剤などに応じて、本実施形態のニトリル共重合体ゴム組成物に含有させるニトリル共重合体ゴム(A)に加えて、後述する架橋性ゴム組成物を得る際に、架橋剤などと共に、ニトリル共重合体ゴム(A)を追加添加するような態様としてもよい。
<ニトリル共重合体ゴム(B)>
また、本実施形態のニトリル共重合体ゴム組成物は、上述したニトリル共重合体ゴム(A)に加えてニトリル共重合体ゴム(B)を含有する。本実施形態で用いるニトリル共重合体ゴム(B)は、少なくともα,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40重量%以上の割合で含有するゴムである。
ニトリル共重合体ゴム(B)におけるα,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合は、全単量体単位に対して、40重量%以上であり、好ましくは45重量%以上、より好ましくは47重量%以上である。該α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合が低すぎると、得られるゴム未架橋物の成形加工性、ゴム架橋物の強度特性、耐油性が低下する傾向がある。一方、ニトリル共重合体ゴム(B)のニトリル共重合体ゴム(B)におけるα,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合の上限は、特に限定されないが、ゴム未架橋物の成形加工性の観点から、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下、特に好ましくは55重量%以下である。また、ニトリル共重合体ゴム(B)の含有割合は、ニトリル共重合体ゴム(A)100重量部に対して好ましくは1900重量部以下、より好ましくは900重量部以下である。
なお、本実施形態において、ニトリル共重合体ゴム(B)として、1種のゴムを用いてもよいが、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40重量%以上含有するニトリル共重合体ゴム(B)を複数種混合して使用してもよい。なお、ニトリル共重合体ゴム(B)を複数種混合する場合は、単量体組成の異なるゴムの混合物全体における、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合を上記範囲とすればよい。例えば、ニトリル共重合体ゴム(B)として、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合が55重量%であるゴム(α)と、45重量%であるゴム(β)とを50:50(重量比)にて混合して用いる場合には、ニトリル共重合体ゴム(A)全体のα,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合は、ゴム(α)、ゴム(β)のいずれも50重量%となる。以下、ジエン単量体単位またはα-オレフィン単量体単位などにおいても、同様とする。
α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を形成するα,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、上述したニトリル共重合体ゴム(A)と同様のものを用いることができ、アクリロニトリルが好ましい。
また、本実施形態で用いるニトリル共重合体ゴム(B)は、得られるゴム架橋物がゴム弾性を有するものとするために、ジエン単量体単位またはα-オレフィン単量体単位をも含有することが好ましい。ジエン単量体単位またはα-オレフィン単量体単位としては、上述したニトリル共重合体ゴム(A)と同様のものを用いることができ、1,3-ブタジエンが好ましい。
ニトリル共重合体ゴム(B)におけるジエン単量体単位またはα-オレフィン単量体単位の含有割合は、全単量体単位に対して、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上、特に好ましくは45重量%以上であり、また、好ましくは60重量%以下、より好ましくは55重量%以下、さらに好ましくは53重量%以下である。ジエン単量体単位またはα-オレフィン単量体単位の含有割合を上記範囲とすることにより、得られるゴム未架橋物の成形加工性に優れ、得られるゴム架橋物の強度特性、耐油性、耐オゾン性に優れたものとしながら、ゴム弾性を適切に向上させることができる。
本実施形態で用いるニトリル共重合体ゴム(B)は、ニトリル共重合体ゴム(A)と同様に、上記α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位、およびジエン単量体単位またはα-オレフィン単量体単位以外に、これらの単量体単位を形成する単量体と共重合可能な他の単量体の単位を含有していてもよい。また、このようなニトリル共重合体ゴム(B)に含まれる他の単量体単位の含有割合は、上述したニトリル共重合体ゴム(A)と同様に、全単量体単位に対して、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
このようなニトリル共重合体ゴム(B)に含まれる共重合可能な他の単量体としては、ニトリル共重合体ゴム(A)と同様に、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o-トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどのフッ素含有ビニル化合物;エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどのα-オレフィン化合物;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、無水フマル酸などのα,β-エチレン性不飽和カルボン酸およびその無水物;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルなどのα,β-エチレン性不飽和モノカルボン酸アルキルエステル;マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸モノn-ブチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸モノエチル、フマル酸ジエチル、フマル酸モノn-ブチル、フマル酸ジブチル、フマル酸モノシクロヘキシル、フマル酸ジシクロヘキシル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸モノn-ブチル、イタコン酸ジブチルなどのα,β-エチレン性不飽和多価カルボン酸のモノエステルおよびジエステル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチルなどのα,β-エチレン性不飽和カルボン酸のアルコキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピルなどのα,β-エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル;ジビニルベンゼンなどのジビニル化合物;エチレンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリル酸エステル類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどのトリメタクリル酸エステル類;などの多官能エチレン性不飽和単量体のほか、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N′-ジメチロール(メタ)アクリルアミドなどの自己架橋性化合物;などが挙げられる。
ニトリル共重合体ゴム(B)のムーニー粘度(ポリマームーニー)(ML1+4、100℃)は、通常3以上で、好ましくは15以上、より好ましくは20以上、特に好ましくは30以上であり、また、通常250以下、好ましくは180以下、より好ましくは150以下、特に好ましくは120以下である。ニトリル共重合体ゴム(B)のポリマームーニー粘度が低すぎると、得られるゴム架橋物の強度特性が低下する可能性がある。一方、ポリマームーニー粘度が高すぎると、成形加工性が低下する可能性がある。なお、ニトリル共重合体ゴム(B)のムーニー粘度は、例えば、JIS K6300に準拠して測定することができる。
本実施形態で用いるニトリル共重合体ゴム(B)の製造方法は、特に限定されないが、上述したニトリル共重合体ゴム(A)と同様の製造方法を用いることができる。この場合も、必要に応じて、得られる共重合体中の炭素-炭素二重結合を水素化することによって製造することができる。また、重合方法は、特に限定されず、上述したニトリル共重合体ゴム(A)と同様に、公知の乳化重合法や溶液重合法によればよいが、工業的生産性の観点から乳化重合法が好ましい。乳化重合に際しては、上述したニトリル共重合体ゴム(A)と同様の乳化剤、重合開始剤、分子量調整剤に加えて、通常用いられる重合副資材を使用することができる。
なお、本実施形態のニトリル共重合体ゴム組成物を用いて、後述する架橋性ゴム組成物を得る場合には、架橋性ゴム組成物を得る際に用いる配合剤などに応じて、本実施形態のニトリル共重合体ゴム組成物に含有させるニトリル共重合体ゴム(B)に加えて、後述する架橋性ゴム組成物を得る際に、架橋剤などと共に、ニトリル共重合体ゴム(B)を追加添加するような態様としてもよい。
また、ニトリル共重合体ゴム(A)とニトリル共重合体ゴム(B)の合計でα,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を35重量%以上含有するのが好ましく、より好ましくは38重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上である。ここで、ニトリル共重合体ゴム(A)とニトリル共重合体ゴム(B)の合計でα,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を35重量%以上含有するとは、ニトリル共重合体ゴム(A)とニトリル共重合体ゴム(B)の合計に対してα,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を35重量%以上含有することを意味する。
ニトリル共重合体ゴム(A)とニトリル共重合体ゴム(B)の合計において、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合が低すぎると、得られるゴム未架橋物の成形加工性、ゴム架橋物の強度特性が低下する傾向がある。一方、含有割合の上限はないが、他の成分との混合性およびゴム架橋物の耐寒性の観点から、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合は、好ましくは70重量%以下、より好ましくは60重量%以下、さらに好ましくは55重量%以下、特に好ましくは50重量%以下である。
<塩化ビニル樹脂(C)>
本実施形態のニトリル共重合体ゴム組成物は、上述したニトリル共重合体ゴム(A)及びニトリル共重合体ゴム(B)に加えて、平均重合度が800以上の塩化ビニル樹脂(C)を含有する。
塩化ビニル樹脂(C)としては、主構成単量体が塩化ビニルであり、その平均重合度が800以上の範囲である樹脂であれば特に限定されないが、主構成単量体の単位の含有量が好ましくは50~100重量%、より好ましくは60~100重量%、さらに好ましくは70~100重量%である。
また、塩化ビニル樹脂(C)の平均重合度は、800以上であり、好ましくは900以上、より好ましくは1300以上、特に好ましくは1500以上である。平均重合度が低すぎると、得られるゴム架橋物の耐オゾン性が低下する。一方、平均重合度の上限はないが、ニトリル共重合体ゴム(A)および/またはニトリル共重合体ゴム(B)との混合性の観点から、好ましくは2000以下である。なお、塩化ビニル樹脂(C)の平均重合度は、例えば、JIS K6721に規定の溶液粘度法により測定することができる。塩化ビニル樹脂(C)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは50~180℃である。
また、本実施形態で用いる塩化ビニル樹脂(C)は、主構成単量体である塩化ビニルに加えて、塩化ビニルと共重合可能な他の単量体を共重合したものであってもよい。このような他の単量体としては、アルキル基の炭素数が1~20の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどのシアン化ビニル化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル化合物;エチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテルなどのビニルエーテル化合物;(メタ)アクリル酸α-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチルなどの水酸基またはアルコキシ基含有不飽和カルボン酸エステル化合物などが挙げられる。
本実施形態で用いる塩化ビニル樹脂(C)を製造するための重合方法として特に制限はなく、例えば、乳化重合、播種乳化重合、微細懸濁重合、懸濁重合などが挙げられる。
本実施形態のニトリル共重合体ゴム組成物中における、塩化ビニル樹脂(C)の含有量は、ニトリル共重合体ゴム(A)及びニトリル共重合体ゴム(B)の合計100重量部に対して、35重量部以上であり、好ましくは38重量部以上、より好ましくは40重量部以上である。塩化ビニル樹脂(C)の含有量が少なすぎると、得られるゴム未架橋物の成形加工性およびゴム架橋物の強度特性が低下する。一方、塩化ビニル樹脂(C)の含有量の上限は、特に限定されないが、ニトリル共重合体ゴム(A)および/またはニトリル共重合体ゴム(B)との混合性の観点から、233重量部以下、好ましくは150重量部以下、より好ましくは100重量部以下、さらに好ましくは80重量部以下、特に好ましくは70重量部以下である。
また、本実施形態のニトリル共重合体ゴム組成物は、上述したニトリル共重合体ゴム(A)、ニトリル共重合体ゴム(B)および塩化ビニル樹脂(C)に加えて、その他の配合剤を含有していてもよい。このようなその他の配合剤としては、例えば、可塑剤、老化防止剤安定剤などが挙げられる。
これら他の配合剤の配合量は、本実施形態の目的や効果を阻害しない範囲であれば特に限定されず、配合目的に応じた量を配合することができる。
可塑剤の具体例としては、例えば、アジピン酸ジ(ブトキシエチル)、アジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)などのアジピン酸とエーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;アゼライン酸ジブトキシエチル、アゼライン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)などのアゼライン酸とエーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;セバシン酸ジブトキシエチル、セバシン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)などのセバシン酸とエーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;フタル酸ジブトキシエチル、フタル酸ジ(ブトキシエトキシエチル)などのフタル酸とエーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;イソフタル酸ジブトキシエチル、イソフタル酸ジ(ブトキシエトキシエチル)などのイソフタル酸とエーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;アジピン酸ジ-(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジブチルなどのアジピン酸ジアルキルエステル類;アゼライン酸ジ-(2-エチルヘキシル)、アゼライン酸ジイソオクチル、アゼライン酸ジ-n-ヘキシルなどのアゼライン酸ジアルキルエステル類;セバシン酸ジ-n-ブチル、セバシン酸ジ-(2-エチルヘキシル)などのセバシン酸ジアルキルエステル類;フタル酸ジブチル、フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)、フタル酸ジ-n-オクチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジイソノニルなどのフタル酸ジアルキルエステル類;フタル酸ジシクロヘキシルなどのフタル酸ジシクロアルキルエステル類;フタル酸ジフェニル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸アリールエステル類;イソフタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)、イソフタル酸ジイソオクチルなどのイソフタル酸ジアルキルエステル類;テトラヒドロフタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)、テトラヒドロフタル酸ジ-n-オクチル、テトラヒドロフタル酸ジイソデシルなどのテトラヒドロフタル酸ジアルキルエステル類;トリメリット酸トリ-(2-エチルヘキシル)、トリメリット酸トリ-n-オクチル、トリメリット酸トリイソデシル、トリメリット酸トリイソオクチル、トリメリット酸トリ-n-ヘキシル、トリメリット酸トリイソノニル、トリメリット酸トリイソデシルなどのトリメリット酸誘導体;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などのエポキシ系可塑剤;トリクレジルホスフェートなどのリン酸エステル系可塑剤;などが挙げられる。これらは一種単独でまたは複数種併せて用いることができる。
これらの中でも、得られるゴム架橋物の耐油性をより良好なものとすることができるという観点より、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびフタル酸などの二塩基酸と、エーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;が好ましく、アジピン酸とエーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;がより好ましく、アジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)が特に好ましい。
本実施形態のニトリル共重合体ゴム組成物中における、可塑剤の含有量は、ニトリル共重合体ゴム(A)及びニトリル共重合体ゴム(B)の合計100重量部に対して、好ましくは1重量部以上、より好ましくは2重量部以上、さらに好ましくは3重量部以上、特に好ましくは4重量部以上であり、また、好ましくは100重量部以下、より好ましくは80重量部以下、さらに好ましくは60重量部以下、特に好ましくは50重量部以下である。
可塑剤の含有量を上記範囲とすることにより、その添加効果をより高めることできる。
本実施形態のニトリル共重合体ゴム組成物は、ニトリル共重合体ゴム(A)、ニトリル共重合体ゴム(B)、および塩化ビニル樹脂(C)を含む各成分を好ましくは非水系で混合することにより調製される。混合は、例えば、バンバリーミキサー、インターナルミキサー、ニーダーなどの混合機を用いて行うことができる。
なお、ニトリル共重合体ゴム(A)、ニトリル共重合体ゴム(B)、および塩化ビニル樹脂(C)を含む各成分を混合する際の混合温度は、特に限定されないが、好ましくは塩化ビニル樹脂(C)の融点以上の温度であり、より好ましくは塩化ビニル樹脂(C)の軟化点よりも5℃以上高い温度で混合を行うことがより好ましく、塩化ビニル樹脂(C)の軟化点よりも10℃以上高い温度である。具体的には、160℃以上で混合を行うことが好ましく、165℃以上で混合を行うことがより好ましく、170℃以上で混合を行うことがさらに好ましい。このような温度で混合を行うことにより、ニトリル共重合体ゴム組成物中における、塩化ビニル樹脂(C)の分散性をより高めることでき、これにより、得られるゴム架橋物を耐オゾン性により優れたものとすることができる。
あるいは、本実施形態のニトリル共重合体ゴム組成物は、ニトリル共重合体ゴム(A)および塩化ビニル樹脂(C)を含む各成分を水系で混合することも可能であり、この場合には、乳化重合により得られたニトリル共重合体ゴム(A)およびニトリル共重合体ゴム(B)のラテックスに、従来から公知の乳化重合法や懸濁重合法により製造したラテックス状態の塩化ビニル樹脂(C)や、他の成分を混合することにより調製することができる(ラテックスブレンド)。
<架橋性ゴム組成物>
実施形態に係る架橋性ゴム組成物は、上述した本実施形態のニトリル共重合体ゴム組成物に、架橋剤を配合してなるものである。架橋剤としては、硫黄系架橋剤、有機過酸化物架橋剤等が挙げられる。これらは一種単独でまたは複数種併せて用いることができるが、硫黄系架橋剤を用いることが好ましい。
硫黄系架橋剤としては、粉末硫黄、硫黄華、沈降性硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄などの硫黄;塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、ジベンゾチアジルジスルフィド、カプロラクタムジスルフィド、含リンポリスルフィド、高分子多硫化物などの含硫黄化合物;テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、2-(4’-モルホリノジチオ)ベンゾチアゾールなどの硫黄供与性化合物;などが挙げられる。これらは一種単独でまたは複数種併せて用いることができる。
有機過酸化物架橋剤としては、ジクミルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t-ブチルクミルペルオキシド、p-メンタンヒドロペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシド、1,3-ビス(t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,4-ビス(t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ジ-t-ブチルペルオキシ-3,3-トリメチルシクロヘキサン、4,4-ビス-(t-ブチル-ペルオキシ)-n-ブチルバレレート、2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチルペルオキシヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチルペルオキシヘキシン-3、1,1-ジ-t-ブチルペルオキシ-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、p-クロロベンゾイルペルオキシド、t-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t-ブチルペルオキシベンゾエート等が挙げられる。これらは一種単独でまたは複数種併せて用いることができる。
本実施形態の架橋性ゴム組成物中における、架橋剤の含有量は、良好なゴム架橋物を得るという観点より、ニトリル共重合体ゴム(A)及びニトリル共重合体ゴム(B)の合計100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上、さらに好ましくは0.3重量部以上であり、また、好ましくは10重量部以下、より好ましくは8重量部以下、さらに好ましくは6重量部以下である。
硫黄系架橋剤を用いる場合には、活性亜鉛華、亜鉛華、ステアリン酸などの架橋助剤;グアニジン系、アルデヒド-アミン系、アルデヒド-アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系などの架橋促進剤;を併用することができる。これらの架橋助剤および架橋促進剤の使用量は、ニトリル共重合体ゴム(A)及びニトリル共重合体ゴム(B)の合計100重量部に対して、好ましくは0.1~20重量部の範囲である。
有機過酸化物架橋剤を用いる場合には、架橋助剤として、トリメチロールプロパントリ(メタ)クリレート、ジビニルベンゼン、エチレンジメタクリレート、イソシアヌル酸トリアリルなどの多官能性単量体などを併用することができる。これらの架橋助剤の使用量は、ニトリル共重合体ゴム(A)及びニトリル共重合体ゴム(B)の合計100重量部に対して、好ましくは0.5~20重量部の範囲である。
また、本実施形態の架橋性ゴム組成物は、炭化水素系ワックスをさらに含有していても良い。炭化水素系ワックスをさらに含有させることにより、得られるゴム架橋物を、耐オゾン性により優れたものとすることができる。
炭化水素系ワックスとしては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス;フィッシャートロプシュワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス等が挙げられ、これらの中でも、フィッシャートロプシュワックス、石油系ワックスが好ましく、石油系ワックスがより好ましい。
また、本実施形態の架橋性ゴム組成物は、可塑剤を含有していることが好ましく、可塑剤としては、上述したニトリル共重合体ゴム組成物と同様のものを用いることができる。本実施形態の架橋性ゴム組成物中における、可塑剤の含有量は、ニトリル共重合体ゴム(A)及びニトリル共重合体ゴム(B)の合計100重量部に対して、好ましくは3重量部以上であり、より好ましくは5重量部以上、さらに好ましくは10重量部以上であり、また、好ましくは300重量部以下であり、より好ましくは200重量部以下、さらに好ましくは150重量部以下である。可塑剤の含有量を上記範囲とすることにより、その添加効果をより高めることできる。なお、本実施形態の架橋性ゴム組成物における可塑剤の含有量は、上述した本実施形態のニトリル共重合体ゴム組成物に含まれる可塑剤との合計の含有量が上記範囲となるように調整すればよい。
また、本実施形態の架橋性ゴム組成物には、その他必要に応じて一般的なゴムに使用される配合剤、例えば、架橋遅延剤、補強剤、充填剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、加工助剤、難燃剤、防黴剤、帯電防止剤、着色剤、カップリング剤などの添加剤を配合してもよい。
充填剤としては、特に限定されず、カーボンブラック、黒鉛(グラファイト)等の炭素系材料を用いることができる。中でもカーボンブラックを用いるのが好ましい。カーボンブラックの具体例は、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。これらの中でも、ファーネスブラックを用いることが好ましく、その具体例としては、SAF(N110)、ISAF(N220)、ISAF-HS(N234)、ISAF-LS、IISAF-HS、HAF(N330)、HAF-HS(N339)、HAF-LS(N326)、MAF、FEF(N550)、SRF(N762、N774)等が挙げられる。サーマルブラックの具体例としては、FT、MT(N990)等が挙げられる。黒鉛の具体例は、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛等の天然黒鉛、人造黒鉛が挙げられる。
炭素系材料以外の充填剤としては、例えば、アルミニウム粉末等の金属粉;ハードクレー、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の無機粉末;デンプンやポリスチレン粉末等の有機粉末等の粉体;ガラス繊維(ミルドファイバー)、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウムウィスカー等の短繊維(上記短繊維);シリカ、マイカ;等が挙げられる。中でもシリカを用いるのが好ましい。
シリカとしては、石英粉末、珪石粉末等の天然シリカ;無水珪酸(シリカゲル、アエロジル等)、含水珪酸等の合成シリカ;等が挙げられ、これらの中でも、合成シリカが好ましい。またこれらシリカはシランカップリング剤等で表面処理されたものであってもよい。
これらの充填剤は、1種または2種以上を組み合わせて用いられる。また、充填剤の配合量は、特に限定されないが、引張応力を向上させる観点から、ニトリル基含有共重合体ゴム100重量部に対して、好ましくは5重量部以上、より好ましくは10重量部以上、さらに好ましくは15重量部以上であり、また、好ましくは200重量部以下、より好ましくは150重量部以下、さらに好ましくは100重量部以下である。
さらに、本実施形態の架橋性ゴム組成物には、本実施形態の効果が阻害されない範囲で上記ニトリル共重合体ゴム(A)およびニトリル共重合体ゴム(B)以外のゴムを配合してもよい。ニトリル共重合体ゴム(A)およびニトリル共重合体ゴム(B)以外のゴムとしては、アクリルゴム、エチレン-アクリル酸共重合体ゴム、フッ素ゴム、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、エチレン-プロピレン共重合体ゴム、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体ゴム、エピクロロヒドリンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、天然ゴムおよびポリイソプレンゴムなどを挙げることができる。ニトリル共重合体ゴム(A)及びニトリル共重合体ゴム(B)以外のゴムを配合する場合における配合量は、ニトリル共重合体ゴム(A)及びニトリル共重合体ゴム(B)の合計100重量部に対して、30重量部以下が好ましく、20重量部以下がより好ましく、10重量部以下が特に好ましい。
本実施形態の架橋性ゴム組成物の調製方法としては、特に限定されないが、上述した方法で得られたニトリル共重合体ゴム組成物に、架橋剤、およびその他の配合剤を添加し、ロールやバンバリーミキサー、ニーダー等の混練機で混練すればよい。
なお、この場合における、配合順序は特に限定されないが、熱で反応や分解しにくい成分を充分に混合した後、熱で分解しやすい成分(架橋剤、架橋促進剤など)を、分解が起こらない温度以下で短時間混合すればよい。
このようにして得られる本実施形態のゴム未架橋物は、成形加工性に優れるものであり、このゴム未架橋物から得られたゴム架橋物は、強度特性、耐油性、および耐オゾン性に優れるものである。
<ゴム架橋物>
本実施形態に係るゴム架橋物は、上述した本実施形態の架橋性ゴム組成物を架橋してなるものである。
架橋性ゴム組成物を架橋する際には、製造する成形品(ゴム架橋物)の形状に対応した成形機、例えば、押出機、射出成形機、圧縮機、ロールなどにより成形を行い、次いで架橋反応させることにより架橋物の形状を固定化する。架橋を行う際には、予め成形した後に架橋してもよいし、成形と同時に架橋を行ってもよい。成形温度は、通常10℃以上で、好ましくは25℃以上であり、また、通常200℃以下で、好ましくは120℃以下である。架橋温度は、通常100℃以上で、好ましくは130℃以上であり、また、通常200℃以下で、好ましくは190℃以下である。架橋時間は、通常1分以上で、好ましくは2分以上であり、また、通常24時間以下で、好ましくは1時間以下である。
ゴム架橋物は、その形状、大きさなどによっては、表面が架橋していても内部まで十分に架橋していない場合があるので、さらに加熱して二次架橋を行ってもよい。
このようにして得られる本実施形態のゴム架橋物は、ゴム未架橋物として成形加工性に優れるものであり、上述した本実施形態のニトリルゴム組成物および架橋性ゴム組成物を用いて得られるものであるため強度特性、耐油性、および耐オゾン性に優れたものである。
そのため、本実施形態のゴム架橋物は、パッキン、ガスケット、O-リング、オイルシール等のシール部材;オイルホース、燃料ホース、インレットホース、ガスホース、ブレーキホース、冷媒ホース等のホース;ダイアフラム類;アキュムレータプラダ;ブーツ類;などに好適であり、燃料ホースとしてより好適に用いられる。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。なお、特に説明がない限り、「部」は重量基準である。物性および特性の試験または評価方法は、以下のとおりである。
[メチルエチルケトン不溶解分量(MEK不溶分)]
ニトリル共重合体ゴム(ニトリル基含有ポリマー)0.2gを80メッシュ金網の中に入れ、これを50mlのメチルエチルケトン(以下MEKという)に、室温で24時間浸漬した後金網を取り出し、室温で10分間乾燥させた。その後、80メッシュ金網に残留したポリマーの重量を量ることにより、その重量からMEK不溶分を測定した。MEK不溶分(%)は、下記式により算出した。
MEK不溶分(%)=(C-A)/(B-A)×100
A:金網の重量
B:(MEK浸漬前の試料+金網)の重量
C:(MEK浸漬ならびに乾燥後の試料+金網)の重量
[ムーニー粘度(ポリマー・ムーニー)]
ニトリル共重合体ゴムのムーニー粘度(ポリマー・ムーニー)は、JIS K6300に従って測定した(単位は〔ML1+4、100℃〕)。
[最低ムーニー粘度(125℃)]
架橋性ゴム組成物について、JIS K6300-1のムーニー粘度試験に従い、125℃のムーニー粘度-時間曲線を測定し、最低ムーニー粘度(125℃)を測定した。最低ムーニー粘度(125℃)の結果を架橋性ゴム組成物の変形性の指標とした。なお、最低ムーニー粘度(125℃)が33以上では、成形加工時の形状維持性が良好であり、33未満では成形加工時の形状維持性が劣るものと評価した。
[強度特性(未架橋物及び架橋物の100%引張応力)]
架橋性ゴム組成物を縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、加圧しながら100℃で2分間、その後室温の冷却水を循環させながら30分間プレス成形し、シート状のゴム未架橋物を得た。また、架橋性ゴム組成物を縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、加圧しながら160℃で20分間プレス成形し、ゴム架橋物を得た。得られたシート状のゴム未架橋物及びゴム架橋物を用いてJIS K6251に従い、ダンベル状3号形で打ち抜いた試験片を用いて、常態物性としてゴム未架橋物及びゴム架橋物の100%引張応力(MPa)を測定した。なお、ゴム未架橋物の100%引張応力では、2.0MPa以上で強度特性が優れるものと評価し、2.0MPa未満で強度特性が劣るものと評価した。また、ゴム架橋物の100%引張応力では、4.6MPa以上で強度特性が優れるものと評価し、4.6MPa未満で強度特性が劣るものと評価した。
[耐燃料油浸漬試験(トルエン/イソオクタン=50/50)]
上記常態物性の評価に用いた架橋性ゴム組成物と同様のものを架橋して得られたゴム架橋物を30mm×20mm×2mmの大きさに打ち抜いた試験片を、トルエン/イソオクタン=50/50(体積比)の燃料油(Fuel-C)中に40℃で48時間浸漬することにより、耐燃料油浸漬試験を行った。なお、耐燃料油試験においては、浸漬後の体積膨潤度ΔV(単位:%)を下記式に従って算出した。
浸漬後の体積膨潤度ΔV(単位:%)=([油浸漬後の体積-油浸漬前の体積]/油浸漬前の体積)×100
浸漬後の体積膨潤度ΔVが0%に近いほど、耐油性に優れるものと評価し、ΔVが25%以上の場合は耐油性が劣るものと評価した。
[静的オゾン劣化試験(耐オゾン性)]
上記耐燃料油浸漬試験の評価に用いたシート状のゴム架橋物と同様のものを用い、JIS K6259に従い、40℃、オゾン濃度50pphm、30%伸長の条件で、120時間後の状態を評価した。亀裂の評価方法はJIS K6259-1に記載の亀裂の状態の評価方法に従い、10倍の拡大鏡で亀裂が観察できないものはNCで表した。なお、静的オゾン劣化試験の結果がNCの場合は、耐オゾン性に優れるものと評価し、それ以外の場合は耐オゾン性に劣るものと評価した。
[製造例1](ニトリル共重合体ゴム(A-1)の製造)
反応容器に、水240部、アクリロニトリル33部、トリメチロールプロパントリメタクリレート1部、およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(乳化剤)2.5部を仕込み、温度を5℃に調整した。次いで、気相を減圧して十分に脱気してから、1,3-ブタジエン66部、重合開始剤であるp-メンタンヒドロペルオキシド0.04部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.02部、硫酸第一鉄(7水塩)0.006部、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.06部、および連鎖移動剤であるt-ドデシルメルカプタン1部を添加して乳化重合の1段目の反応を開始した。その後、仕込み全単量体に対する重合転化率が90重量%に達した時点でヒドロキシルアミン硫酸塩0.3部、および水酸化カリウム0.2部を添加して重合反応を停止させた。反応停止後、反応容器の内容物を70℃に加温し、減圧下に水蒸気蒸留により未反応の単量体を回収してニトリル共重合体ゴム(A-1)のラテックス(固形分26重量%)を得た。次いで、得られたラテックスに2倍容量のメタノールを加えて凝固した後、60℃で12時間真空乾燥することにより、ニトリル共重合体ゴム(A-1)を得た。H-NMRにより、得られたニトリル共重合体ゴム(A-1)の各単量体単位の組成を測定した結果、アクリロニトリル単位(AN量)33.5重量%、1,3-ブタジエン単位65.5重量%、トリメチロールプロパントリメタクリレート1重量%であった。また、メチルエチルケトン不溶解分量(MEK不溶分)は81%であり、ポリマームーニー粘度〔ML1+4、100℃〕は78であった。
[製造例2](ニトリル共重合体ゴム(A-2)の製造)
乳化重合の1段目の反応において、仕込みでトリメチロールプロパントリメタクリレートを用いず、1,3-ブタジエンの添加量を67部に変更した以外は製造例1と同様にして、ニトリル共重合体ゴム(A-2)のラテックス(固形分26重量%)及びニトリル共重合体ゴム(A-2)を得た。次いで、得られたラテックスから、製造例1と同様にして、ニトリル共重合体ゴム(A-2)を得た。得られたニトリル共重合体ゴム(A-2)について、製造例1と同様に、各単量体単位の組成を測定した結果、アクリロニトリル単位(AN量)33.5重量%、1,3-ブタジエン単位66.5重量%であった。また、メチルエチルケトン不溶解分量(MEK不溶分)は0%であり、ポリマームーニー粘度〔ML1+4、100℃〕は46であった。
[製造例3](ニトリル共重合体ゴム(B-1)の製造)
反応容器に、水240部、アクリロニトリル75.7部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(乳化剤)2.5部を仕込み、温度を5℃に調整した。次いで、気相を減圧して十分に脱気してから、1,3-ブタジエン22部、重合開始剤であるp-メンタンヒドロペルオキシド0.06部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.02部、硫酸第一鉄(7水塩)0.006部、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.06部、および連鎖移動剤であるt-ドデシルメルカプタン1部を添加して乳化重合の1段目の反応を開始した。反応開始後、仕込み単量体に対する重合転化率が、それぞれ42重量%、および60重量%に達した時点で、反応容器に1,3-ブタジエンをそれぞれ12部、および12部を追加して2段目、および3段目の重合反応を行った。その後、仕込み全単量体に対する重合転化率が75重量%に達した時点でヒドロキシルアミン硫酸塩0.3部、および水酸化カリウム0.2部を添加して重合反応を停止させた。反応停止後、反応容器の内容物を70℃に加温し、減圧下に水蒸気蒸留により未反応の単量体を回収してニトリル共重合体ゴム(B-1)のラテックス(固形分24重量%)を得た。次いで、得られたラテックスの一部をサンプリングし、多量のメタノールで凝固させた後、ろ過、乾燥することによりニトリル共重合体ゴム(B-1)を得た。得られたニトリル共重合体ゴム(B-1)について、製造例1と同様に、各単量体単位の組成を測定した結果、アクリロニトリル単位(AN量)50重量%、1,3-ブタジエン単位50重量%、メチルエチルケトン不溶解分量(MEK不溶分)は0%であり、ポリマームーニー粘度〔ML1+4、100℃〕は75であった。
[製造例4](ニトリル共重合体ゴム(B-2)の製造)
乳化重合の1段目の反応において、仕込みでアクリロニトリルの仕込み量を44部とし、トリメチロールプロパントリメタクリレートを用いず、1,3-ブタジエンの添加量を56部とし、仕込み全単量体に対する重合転化率が92重量%に達した時点で重合を停止させた以外は製造例1と同様にしてニトリル共重合体ゴム(B-2)を得た。次いで、製造例1と同様に、得られたニトリル共重合体ゴム(B-2)の各単量体単位の組成を測定した結果、アクリロニトリル単位(AN量)40.5重量%、1,3-ブタジエン単位59.5重量%であった。また、メチルエチルケトン不溶解分量(MEK不溶分)は0%であり、ポリマームーニー粘度〔ML1+4、100℃〕は80であった。

[実施例1]
製造例1で得られたニトリル共重合体ゴム(A-1)10部、製造例3で得られたニトリル共重合体ゴム(B-1)42部、及び製造例4で得られたニトリル共重合体ゴム(B-2)18部に、塩化ビニル樹脂(平均重合度1700)(商品名「TK-1700E」、信越化学工業社製)30部、アジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)(商品名「アデカサイザーRS-107」、ADEKA社製、可塑剤、「アデカサイザー」は登録商標、以下同様)5部、を添加して、バンバリーミキサーにて、175℃で混練することにより、ニトリル共重合体ゴム組成物を得た。次いで、上記にて得られたニトリル共重合体ゴム組成物に、FEFカーボン(商品名「シーストSO」、東海カーボン社製、充填剤、「シースト」は登録商標)45部、酸化亜鉛5部、アジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)(可塑剤)25部を添加し、バンバリーミキサーにて、140℃で混練することにより、ゴム組成物を得た。次いで、得られたゴム組成物を50℃に加温したロールに巻き付け、325メッシュ硫黄(架橋剤)0.3部、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド(架橋促進剤)1.5部、およびテトラメチルチウラムジスルフィド(架橋促進剤)1.5部を添加して、ロールにて混練することにより、架橋性ゴム組成物を得た。そして、得られた架橋性ゴム組成物を用いて、最低ムーニー粘度(125℃)、常態物性(100%引張応力)、及び、上記の方法により得られたゴム架橋物を用いて、常態物性(100%引張応力)、耐燃料油浸漬試験、静的オゾン劣化試験の各試験・評価を行った。結果を表1に示す。なお、実施例1では、ニトリル共重合体ゴム(A-1)をニトリル共重合体ゴムAとし、ニトリル共重合体ゴム(B-1)およびニトリル共重合体ゴム(B-2)の組み合わせをニトリル共重合体ゴムBとした場合、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計に対してアクリロニトリルの含有量(AN量)は45.2重量%であった。また、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計100部に対する塩化ビニル樹脂の配合比率は43部であった。
[実施例2]
製造例1で得られたニトリル共重合体ゴム(A-1)の使用量を20部とし、製造例3で得られたニトリル共重合体ゴム(B-1)の使用量を50部とし、製造例4で得られたニトリル共重合体ゴム(B-2)を使用しなかった以外は、実施例1と同様に、ニトリル共重合体ゴム組成物および架橋性ゴム組成物を得て、同様に各試験・評価を行った。結果を表1に示す。なお、実施例2では、ニトリル共重合体ゴム(A-1)をニトリル共重合体ゴムAとし、ニトリル共重合体ゴム(B-1)をニトリル共重合体ゴムBとした場合、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計に対してアクリロニトリルの含有量(AN量)は45.3重量%であった。また、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計100部に対する塩化ビニル樹脂の配合比率は43部であった。
[実施例3]
ニトリル共重合体ゴム(A-1)の使用量を30部とし、製造例3で得られたニトリル共重合体ゴム(B-1)の使用量を40部とした以外は、実施例2と同様に、ニトリル共重合体ゴム組成物および架橋性ゴム組成物を得て、同様に各試験・評価を行った。結果を表1に示す。なお、実施例3では、実施例2と同様に、ニトリル共重合体ゴムA、ニトリル共重合体ゴムBとした場合、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計に対してアクリロニトリルの含有量(AN量)は42.9重量%であった。また、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計100部に対する塩化ビニル樹脂の配合比率は43部であった。
[実施例4]
塩化ビニル樹脂(平均重合度1700)の代わりに塩化ビニル樹脂(平均重合度1000)(商品名「TK-1000」、信越化学工業社製)30部を使用した以外は、実施例1と同様に、ニトリル共重合体ゴム組成物および架橋性ゴム組成物を得て、同様に各試験・評価を行った。結果を表1に示す。なお、実施例4では、実施例1と同様に、ニトリル共重合体ゴムA、ニトリル共重合体ゴムBとした場合、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計に対してアクリロニトリルの含有量(AN量)は45.2重量%であった。また、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計100部に対する塩化ビニル樹脂の配合比率は43部であった。
[実施例5]
製造例1で得られたニトリル共重合体ゴム(A-1)の使用量を8.6部とし、製造例3で得られたニトリル共重合体ゴム(B-1)の使用量を36部とし、製造例4で得られたニトリル共重合体ゴム(B-2)の使用量を15.4部とし、塩化ビニル樹脂(平均重合度1700)の使用量を40部とした以外は、実施例1と同様に、ニトリル共重合体ゴム組成物および架橋性ゴム組成物を得て、同様に各試験・評価を行った。結果を表1に示す。なお、実施例5では、実施例1と同様に、ニトリル共重合体ゴムA、ニトリル共重合体ゴムBとした場合、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計に対してアクリロニトリルの含有量(AN量)は45.2重量%であった。また、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計100部に対する塩化ビニル樹脂の配合比率は67部であった。
[実施例6]
製造例3で得られたニトリル共重合体ゴム(B-1)を使用せず、製造例4で得られたニトリル共重合体ゴム(B-2)の使用量を60部とした以外は、実施例1と同様に、ニトリル共重合体ゴム組成物および架橋性ゴム組成物を得て、同様に各試験・評価を行った。結果を表1に示す。なお、実施例6では、ニトリル共重合体ゴム(A-1)をニトリル共重合体ゴムAとし、ニトリル共重合体ゴム(B-2)をニトリル共重合体ゴムBとした場合、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計に対してアクリロニトリルの含有量(AN量)は39.5重量%であった。また、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計100部に対する塩化ビニル樹脂の配合比率は43部であった。
[実施例7]
ニトリル共重合体ゴム(A-1)の代わりに製造例2で得られたニトリル共重合体ゴム(A-2)20部を使用したとした以外は、実施例2と同様に、ニトリル共重合体ゴム組成物および架橋性ゴム組成物を得て、同様に各試験・評価を行った。結果を表1に示す。なお、実施例7では、ニトリル共重合体ゴム(A-2)をニトリル共重合体ゴムAとし、ニトリル共重合体ゴム(B-1)をニトリル共重合体ゴムBとした場合、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計に対してアクリロニトリルの含有量(AN量)は45.3重量%であった。また、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計100部に対する塩化ビニル樹脂の配合比率は43部であった。
[比較例1]
製造例1で得られたニトリル共重合体ゴム(A-1)の使用量を11.4部とし、製造例3で得られたニトリル共重合体ゴム(B-1)の使用量を48部とし、製造例4で得られたニトリル共重合体ゴム(B-2)の使用量を20.6部とし、塩化ビニル樹脂(平均重合度1700)の使用量を20部とした以外は、実施例1と同様に、ニトリル共重合体ゴム組成物および架橋性ゴム組成物を得て、同様に各試験・評価を行った。結果を表1に示す。なお、比較例1では、実施例1と同様に、ニトリル共重合体ゴムA、ニトリル共重合体ゴムBとした場合、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計に対してアクリロニトリルの含有量(AN量)は45.2重量%であった。また、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計100部に対する塩化ビニル樹脂の配合比率は25部であった。
[比較例2]
塩化ビニル樹脂(平均重合度1700)の代わりに塩化ビニル樹脂(平均重合度700)(商品名「TK-700」、信越化学工業社製)30部を使用した以外は、実施例4と同様に、ニトリル共重合体ゴム組成物および架橋性ゴム組成物を得て、同様に各試験・評価を行った。結果を表1に示す。なお、比較例2では、実施例1と同様に、ニトリル共重合体ゴムA、ニトリル共重合体ゴムBとした場合、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計に対してアクリロニトリルの含有量(AN量)は45.2重量%であった。また、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計100部に対する塩化ビニル樹脂の配合比率は43部であった。
[比較例3]
製造例4で得られたニトリル共重合体ゴム(B-2)の代わりに、製造例2で得られたニトリル共重合体ゴム(A-2)の使用量を60部とした以外は、実施例6と同様に、ニトリル共重合体ゴム組成物および架橋性ゴム組成物を得て、同様に各試験・評価を行った。結果を表1に示す。なお、比較例3では、ニトリル共重合体ゴム(A-1)およびニトリル共重合体ゴム(A-2)をニトリル共重合体ゴムAとし、ニトリル共重合体ゴムBを使用しなかった場合、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計に対してアクリロニトリルの含有量(AN量)は33.5重量%であった。また、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計100部に対する塩化ビニル樹脂の配合比率は43部であった。
[比較例4]
製造例1で得られたニトリル共重合体ゴム(A-1)を使用せず、製造例2で得られたニトリル共重合体ゴム(A-2)の使用量を70部とした以外は、比較例3と同様に、ニトリル共重合体ゴム組成物および架橋性ゴム組成物を得て、同様に各試験・評価を行った。結果を表1に示す。なお、比較例4では、ニトリル共重合体ゴム(A-2)をニトリル共重合体ゴムAとし、ニトリル共重合体ゴムBを使用しなかった場合、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計に対してアクリロニトリルの含有量(AN量)は33.5重量%であった。また、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計100部に対する塩化ビニル樹脂の配合比率は43部であった。
[比較例5]
製造例1で得られたニトリル共重合体ゴム(A-1)を使用せず、製造例3で得られたニトリル共重合体ゴム(B-1)の使用量を40部とし、製造例4で得られたニトリル共重合体ゴム(B-2)の使用量を30部とした以外は、実施例1と同様に、ニトリル共重合体ゴム組成物および架橋性ゴム組成物を得て、同様に各試験・評価を行った。結果を表1に示す。なお、比較例5では、ニトリル共重合体ゴムAを使用せず、ニトリル共重合体ゴム(B-1)およびニトリル共重合体ゴム(B-2)をニトリル共重合体ゴムBとした場合、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計に対してアクリロニトリルの含有量(AN量)は45.9重量%であった。また、ニトリル共重合体ゴムAとニトリル共重合体ゴムBの合計100部に対する塩化ビニル樹脂の配合比率は43部であった。
Figure 0007136180000001
表1より、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40重量%未満含有するニトリル共重合体ゴム(A)と、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40重量%以上含有するニトリル共重合体ゴム(B)と、平均重合度が800以上の塩化ビニル樹脂(C)とを含有し、ニトリル共重合体ゴム(A)とニトリル共重合体ゴム(B)の合計100重量部に対する、塩化ビニル樹脂(C)の含有割合が35重量部以上であるニトリル共重合体ゴム組成物により得られるゴム未架橋物の成形加工性に優れ、ゴム架橋物の強度特性、耐油性、および耐オゾン性に優れるものであった(実施例1~7)。
一方、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40重量%未満含有するニトリル共重合体ゴム(A)と、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40重量%以上含有するニトリル共重合体ゴム(B)と、平均重合度が800以上の塩化ビニル樹脂(C)とを含有し、ニトリル共重合体ゴム(A)とニトリル共重合体ゴム(B)の合計100重量部に対する、塩化ビニル樹脂(C)の含有割合が35重量部以上の条件を満たさないニトリル共重合体ゴム組成物は、得られるゴム未架橋物の成形加工性、ゴム架橋物の強度特性、耐油性、および耐オゾン性の少なくともいずれかにおいて劣るものであった(比較例1~5)。
以上、本発明の実施形態について実施例を挙げて説明したが、本発明は特定の実施形態、実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
本国際出願は、2018年2月26日に出願された日本国特許出願2018-032354号に基づく優先権を主張するものであり、その全内容をここに援用する。

Claims (6)

  1. α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40重量%未満含有するニトリル共重合体ゴム(A)と、
    α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を40重量%以上含有するニトリル共重合体ゴム(B)と、
    平均重合度が800以上の塩化ビニル樹脂(C)とを含有し、
    前記ニトリル共重合体ゴム(A)と前記ニトリル共重合体ゴム(B)の合計100重量部に対する、前記塩化ビニル樹脂(C)の含有割合が35重量部以上であり、
    前記ニトリル共重合体ゴム(A)のメチルエチルケトン(MEK)不溶解分量が60%以上であるニトリル共重合体ゴム組成物
  2. 前記ニトリル共重合体ゴム(A)と前記ニトリル共重合体ゴム(B)の合計でα,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を35重量%以上含有する請求項に記載のニトリル共重合体ゴム組成物。
  3. 前記塩化ビニル樹脂(C)の平均重合度が1300以上である、請求項1または2に記載のニトリル共重合体ゴム組成物。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のニトリル共重合体ゴム組成物に、架橋剤を配合してなる架橋性ゴム組成物。
  5. 請求項に記載の架橋性ゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物。
  6. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のニトリル共重合体ゴム組成物を用いてなるホース。
JP2020501639A 2018-02-26 2019-02-01 ニトリル共重合体ゴム組成物、架橋性ゴム組成物、ゴム架橋物、及びホース Active JP7136180B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018032354 2018-02-26
JP2018032354 2018-02-26
PCT/JP2019/003618 WO2019163482A1 (ja) 2018-02-26 2019-02-01 ニトリル共重合体ゴム組成物、架橋性ゴム組成物、ゴム架橋物、及びホース

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2019163482A1 JPWO2019163482A1 (ja) 2021-02-25
JP7136180B2 true JP7136180B2 (ja) 2022-09-13

Family

ID=67687085

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020501639A Active JP7136180B2 (ja) 2018-02-26 2019-02-01 ニトリル共重合体ゴム組成物、架橋性ゴム組成物、ゴム架橋物、及びホース

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7136180B2 (ja)
WO (1) WO2019163482A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021241407A1 (ja) * 2020-05-27 2021-12-02 日本ゼオン株式会社 ディップ成形用ラテックス組成物およびディップ成形体

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017146046A1 (ja) 2016-02-23 2017-08-31 日本ゼオン株式会社 ニトリル共重合体ゴム組成物、架橋性ゴム組成物およびゴム架橋物

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4037996B2 (ja) * 1999-12-22 2008-01-23 日本ゼオン株式会社 ゴム組成物および燃料系ホース
JP4604310B2 (ja) * 2000-05-11 2011-01-05 東海ゴム工業株式会社 燃料輸送ホースの製法
JP5347770B2 (ja) * 2009-06-30 2013-11-20 日本ゼオン株式会社 ニトリルゴム組成物および架橋性ゴム組成物、並びにゴム架橋物
JP5742836B2 (ja) * 2010-03-17 2015-07-01 日本ゼオン株式会社 ホース用ニトリル共重合体ゴム組成物および架橋物

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017146046A1 (ja) 2016-02-23 2017-08-31 日本ゼオン株式会社 ニトリル共重合体ゴム組成物、架橋性ゴム組成物およびゴム架橋物

Also Published As

Publication number Publication date
WO2019163482A1 (ja) 2019-08-29
JPWO2019163482A1 (ja) 2021-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2018143101A1 (ja) アクリルゴム、アクリルゴム組成物、及びアクリルゴム架橋物
JP5617638B2 (ja) 燃料ホース用の架橋性ニトリル共重合体ゴム組成物の製造方法および燃料ホース用のゴム架橋物
JP5892171B2 (ja) ニトリル共重合体ゴム組成物及びゴム架橋物
JP6593321B2 (ja) 架橋性ニトリルゴム組成物およびゴム架橋物
JP5509597B2 (ja) 耐油耐候性ゴム用組成物及びゴム成形体
JP6191624B2 (ja) 油田またはガス井で使用されるシール材用の架橋性ゴム組成物およびシール材
JP2015017150A (ja) シール用高飽和ニトリルゴム組成物およびシール材
WO2015046559A1 (ja) ニトリル共重合体ゴムおよびその製造方法
JP5482385B2 (ja) ニトリル共重合体ゴム組成物
JP6852728B2 (ja) ニトリル共重合体ゴム組成物、架橋性ゴム組成物およびゴム架橋物
JPWO2013133358A1 (ja) ニトリル共重合体ゴム組成物の製造方法
JP7136180B2 (ja) ニトリル共重合体ゴム組成物、架橋性ゴム組成物、ゴム架橋物、及びホース
JPWO2019065400A1 (ja) ニトリル基含有共重合体ゴムの製造方法
JP2007224161A (ja) 加硫性ニトリル共重合体ゴム組成物およびその加硫物
JP5423251B2 (ja) 架橋性ニトリルゴム組成物およびその架橋物
JPWO2007026707A1 (ja) ニトリル共重合体ゴム架橋物、ニトリル共重合体ゴム組成物および該組成物の製造方法
JP2010070713A (ja) アクリルゴム
JP2015030760A (ja) ロール用高飽和ニトリルゴム組成物およびロール
JP4019808B2 (ja) 架橋性アクリルゴム組成物
JP2015030750A (ja) 油井用高飽和ニトリルゴム組成物および油井用ゴム架橋物
JP4573035B2 (ja) ニトリル基含有共重合ゴム組成物及びゴム加硫物
JP6443659B2 (ja) 熱可塑性エラストマー
JP2016044250A (ja) 熱可塑性エラストマー
JP2015017168A (ja) ホース用高飽和ニトリルゴム組成物およびホース
JP6443660B2 (ja) 熱可塑性エラストマー

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210927

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220524

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220713

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220815

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7136180

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150