JP2007084467A - α−グルコシダーゼ阻害剤、医薬品、飲食品及び飼料 - Google Patents

α−グルコシダーゼ阻害剤、医薬品、飲食品及び飼料 Download PDF

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Yuko Akasaka
悠子 赤坂
Takashi Ichihara
敬司 市原
Isao Matsuda
功 松田
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Abstract

【課題】 安全性が高く、安定性に優れたα−グルコシダーゼ阻害剤、該α−グルコシダーゼ阻害剤を含有する医薬品、飲食品、飼料を提供すること。
【解決手段】 パノースを有効成分とするα−グルコシダーゼ阻害剤、該α−グルコシダーゼ阻害剤を含有する医薬品、飲食品、飼料。

Description

本発明は、パノースを有効成分とする、α−グルコシダーゼ阻害剤、及びこれを含有する医薬品、飲食品及び飼料に関する。
α−グルコシダーゼ阻害剤は、食後の急激な血糖上昇を抑制する作用があることから、高血糖に起因する糖尿病、肥満症等の生活習慣病の予防、治療に有用であるとして注目されている。その作用機序は、経口摂取された飲食品中のシュクロース、マルトース、イソマルトース等の二糖類を単糖に分解するα−グルコシダーゼ活性を阻害し、二糖類の単糖への分解を抑制して単糖の腸管からの吸収を遅延させることにある。
α−グルコシダーゼ阻害剤として、これまでにボグリボース(Voglibose)、アカルボース(Acarbose)等が知られている。これらの化合物は動物試験や臨床試験において食後の血糖値上昇抑制効果が確認されており、抗糖尿病作用、抗肥満作用も確認され(例えば非特許文献1)、糖尿病治療薬として使用されている。
しかしながら、これらの化合物は、α−グルコシダーゼ阻害活性は非常に強いものの、本来生体に対して異物であり、その安全性については懸念が残されており、使用上の厳密な制限がある。
医薬品として投与されるα−グルコシダーゼ阻害剤に対して、阻害作用は緩慢であるが、副作用がほとんど無く、主として食品用に使用される天然物由来の糖質関連物質として、例えばL−アラビノースやD−キシロース等の糖類や、糖アルコール類、ヌクレオチド及びその構成成分等が知られている(特許文献1〜3)。また、天然物由来ではないが、糖誘導体としてのα−メチル−D−キシロシドを有効成分とするα−グルコシダーゼ阻害剤も知られている(特許文献4)。
L−アラビノースやD−キシロースは還元性の単糖であるが、甘味料として使用する場合は着色しやすいという問題がある。糖アルコールは阻害活性が弱く、多量に使用すると下痢などの症状を伴うことがある。ヌクレオチド類も活性が弱く、味質の面でも問題がある。また、α−メチル−D−キシロシドは非天然物であり、安全性についての検証が必要である。
一方、特許文献1では、α−グルコシダーゼ阻害活性を有するオリゴ糖について検索しているが、適度なα−グルコシダーゼ阻害活性を示すオリゴ糖は見出されていない。
パノースは、マルトースの非還元末端グルコースの6位に、グルコースがα−1,6結合で結合した三糖類であり、主として澱粉をα−アミラーゼ消化し、次いでβ−アミラーゼと枝切り酵素を併用して生成するマルトースに、糖転移活性を有するトランスグルコシダーゼを作用させて製造されている(非特許文献2)。パノース高含有シロップは保湿性が高く、又、抗う蝕性であることから、各種の加工食品に使用されている(非特許文献2)。しかしながら、抗う蝕性以外の機能については知られていない。
特開平6−65080号公報 特開平8−23973号公報 特開平8−289783号公報 特開平11−286449号公報 日本農芸化学会誌、第63巻、第217ページ、1989年 澱粉科学の事典、第522ページ、2003年、不破英次、他3名(編)、朝倉書店
本発明の目的は、安全性が高く、医薬品、飲食品への使用が可能な、安定性に優れたα−グルコシダーゼ阻害剤を提供することである。
本発明の他の目的は、該α−グルコシダーゼ阻害剤を含有する医薬品、飲食品、及び飼料を提供することである。
本発明者らは、澱粉由来の各種オリゴ糖について、α−グルコシダーゼ阻害活性を調べたところ、パノースがα−グルコシダーゼ阻害活性を有することを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、パノースを有効成分とするα−グルコシダーゼ阻害剤を提供するものである。本発明はまた、α−グルコシダーゼ阻害剤を含有する医薬品、飲食品、飼料を提供するものである。
本発明のα−グルコシダーゼ阻害剤は、澱粉由来の安全性の高い素材であり、食後血糖値の急激な上昇を抑制し、過血糖を主体とする糖尿病の予防や治療、肥満の予防や肥満症の治療を意図した、医薬品、飲食品、飼料(ペットフードを含む)等への広範な利用が可能となる。
本発明に使用するパノースは、マルトースの非還元末端グルコースの6位に、グルコースがα−1,6結合で結合した三糖類であり、例えば、澱粉をα−アミラーゼ消化し、次いでβ−アミラーゼと枝切り酵素を併用して生成するマルトースに、糖転移活性を有するトランスグルコシダーゼ(α−グルコシダーゼの一種)を作用させて製造することができる(非特許文献2)。市販のパノース製品はパノース以外に各種糖類を含む混合物(パノースオリゴ糖)であり、標準的なパノース含量は30w/w%程度である。
本発明に使用するパノースは、このような各種糖類を含むパノースオリゴ糖であってもよいが、好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上の純度のパノースを使用する。なお、90質量%以上の純度を有するパノースは、研究用試薬(例えば、林原生物化学研究所製)として入手するか、あるいはプルランを基質にして好熱細菌(バシラス・ステアロサーモフィラス)の生産するネオプルラナーゼを作用させて、パノースを特異的に生成させることにより製造することができる(J.Bacteriol., 170, 1554-1569 (1988))。
本発明において、α−グルコシダーゼとは、シュクロースをグルコースと果糖に分解するシュクラーゼ(インベルターゼともいう)及びマルトースをグルコースに分解するマルターゼのことをいう。
シュクラーゼ阻害活性及びマルターゼ阻害活性は、例えば次のようにして測定することができる。
市販のラット小腸粘膜酵素のアセトンパウダーをマレイン酸バッファー中で均質化し、その遠心上清を酵素液とする。基質(シュクロース又はマルトース)及び試料とともにそれぞれ37℃で反応を行い、生成するグルコースを経時的に測定してその生成速度を求め、下記式により、各酵素に対する阻害活性を算出する。
阻害活性(%)=100x{A−(B−C)}/A
ただし、
A:試料を含まない反応系におけるグルコース生成速度
B:試料を含む反応系におけるグルコース生成速度
C:基質を含まない反応系におけるグルコース生成速度
本発明のパノースを含むα−グルコシダーゼ阻害剤は、各種消化酵素に耐性の、安定性及び安全性に優れた澱粉由来のα−グルコシダーゼ阻害剤として、単独あるいは他のα−グルコシダーゼ阻害剤、例えばL−アラビノースやD−キシロースと組合わせて、過血糖症の予防及び治療を目的とした医薬品(例えば、抗糖尿病薬及び抗肥満薬)、食後の血糖上昇抑制を目的とした各種飲食品、飼料、ペットフード等への用途が可能である。
本発明のパノースを含むα−グルコシダーゼ阻害剤を医薬品として使用する場合、投与形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤等による経口投与、又は注射剤等の非経口投与をあげることができる。これらの各種製剤は、常法に従って、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、溶解補助剤、コーティング剤等の既知の医薬製剤技術分野で通常使用可能な補助剤を用いて製剤化することができる。パノースの使用量は、症状、年齢、体重、投与方法及び剤形等によって異なるが、通常は成人に対して一日0.1g〜5gを一回又は数回に分けて投与することが好ましい。
動物に対しては2〜100mg/kg体重/日が適当であり、一回又は数回に分けて投与することが好ましい。
本発明のα−グルコシダーゼ阻害剤を飲食品、飼料として使用する場合は、飲食品、飼料中にパノースを0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上含有していれば、その形態にとくに制限されることは無く、飲料、固形状、半流動状、ゲル状等、あらゆる食品、飼料形態に加工することが可能である。その摂取量は、パノースとして成人一日0.1g〜5g程度が適当である。
動物に対してはパノースとして2〜100mg/kg体重/日が適当であり、一回又は数回に分けて投与することが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、実施例によって本発明が限定されるものではない。
実施例1
市販の各種糖類を試料にしてシュクラーゼ及びマルターゼ阻害活性を測定した。市販のラット小腸粘膜酵素のアセトンパウダー(シグマ社)を15g/100mlの濃度で0.1Mマレイン酸バッファー(pH6.0)に懸濁してホモジナイズした後、3000rpmで30分遠心分離した上清を粗酵素液とした。基質としてシュクロース又はマルトースを同バッファーに溶解し、それぞれ0.1M溶液を調製した。試料も同バッファーに溶解して最終濃度が表1に示す濃度となるように調整した。
反応液の構成はシュクラーゼ反応の場合、760μlの0.1Mマレイン酸バッファー(pH6.0)、240μlのシュクロース溶液、100μlの各試料及び100μlの粗酵素液であり、全量を1.2mlとした。マルターゼ反応の場合は、928μlの0.1Mマレイン酸バッファー、72μlのマルトース溶液、100μlの各試料及び100μlの10倍希釈粗酵素液であり、全量を1.2mlとした。
37℃で酵素を加えて反応を開始し、開始後1、5、10、15、及び20分に反応溶液150μlを採取して50μlの0.5M 過塩素酸と混合して反応を停止し、酵素反応で生成したグルコース量を、グルコースCIIテストワコー(和光純薬社製)を用いて測定した。各反応でのグルコース量の経時変化から1分当たりのグルコース生成速度を求め、下記の式により阻害活性を算出し、その結果を表1に示した。
阻害活性(%)=100x{A−(B−C)}/A
ただし、
A:試料を含まない反応系におけるグルコース生成速度
B:試料を含む反応系におけるグルコース生成速度
C:基質を含まない反応系におけるグルコース生成速度
表1に示すように、パノースはシュクラーゼおよびマルターゼの両酵素活性に対して阻害作用を示した。α−グルコシダーゼ阻害剤としてすでに知られているL−アラビノースおよびD−キシロースの阻害活性と比較すると、シュクラーゼに対する阻害活性は弱いものの、マルターゼに対しては同等または強い阻害活性を示した。同じオリゴ糖であるイソマルトース、イソマルトトリオース、セロビオースおよびゲンチオビオースの阻害活性は非常に弱く、パノースはα−グルコシダーゼに対する阻害活性が強いオリゴ糖であることが判明した。
Figure 2007084467
1:林原生物化学研究所
2:キシダ化学
3:東京化成工業
4:シグマ
5:ナカライテスク

Claims (4)

  1. パノースを有効成分とする、α−グルコシダーゼ阻害剤。
  2. 請求項1記載のα−グルコシダーゼ阻害剤を含有する医薬品。
  3. 請求項1記載のα−グルコシダーゼ阻害剤を含有する飲食品。
  4. 請求項1記載のα−グルコシダーゼ阻害剤を含有する飼料。
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