JP2007082971A - 網袋を礎材とした束子及びその製造方法 - Google Patents

網袋を礎材とした束子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 1つの束子で軟らかく洗ったり、強く洗ったりの二通りの使い方ができる網袋を礎材とした束子及びその製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】 網袋を複数回折り畳むことにより、その一端を花びら状に形成した円錐状の個別束子を形成し、これらの個別束子の複数個を同一方向に並べて、円錐状の突起部分を固着することにより集合束子を形成した。
この集合束子の前記突出部が内側となるように、前記花びらのそれぞれを反転させて、反転した中間部を結束した。この結束によってその一端には、球体状の第1の束子と他端には花びらの集合体である第2の束子を有する網袋を礎材とした束子とした。
このような束子によれば、球体状の第1の束子で頑固な汚れを花びら状の第2の束子で、広い面積を軟らかく洗えるものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水切りや洗剤の泡立ちが良くて、1つの束子で二通りの異なる使用例ができるように改善したものであり、網袋を礎材とした束子及びその製造方法に関する。
網を使って二通りの洗い方ができる従来例の束子としては、網体1をドーム状に形成し、この周囲にメッシュ等の生地よりなる芯布材3を、透ける布材4で包み込んで三層の袋体5を形成すると共に、前記ドーム1の開口縁に取付けたものがある。(例えば特許文献1参照)
また、細長い袋状のネット部材11の中に、縫い紐12を通して両者を共縫いし、縫い紐12が縮小するように両端部を結合すると、ループ状に形成されて洗浄用具となるものがある。(特許文献2参照)
特開2002−85319号公報(第2頁 図1) 特開平10−175号公報(第3頁 図1)
特許文献1に示すたわしは、二通りの使用ができるものの、ドーム型に形成した網体1の他に、芯布材3と透ける布材4とで、三層に形成した複雑な構造の袋体5を必要としたり、その袋体5にギャザーを寄せて、ドーム型の開口縁に固着したりしなければならないなど、材料の種類が多いことと、製造が困難であるなどの不具合があって、高価になる欠点があった。
また、特許文献2に示す洗浄用具は、網袋をループ状に結束しただけであり、構造は比較的に単純であるが、たわしとしては全体が軟らかくて、ごしごしと強く洗う場合には適さないという欠点があった。
本発明は、このような欠点を解消するためになされたものであり、1つの束子で軟らかく洗ったり、強く洗ったりすることができるもので、網袋を礎材とした束子及びその製造方法の提供を目的とする。
発明を解決するための手段
上記不具合を解決するために、本発明は次のような構成といている。
請求項1に記載した網袋を礎材とした束子は、網袋を複数回折り畳むことにより、その一端を花びら状に形成した円錐状の個別束子の複数個を、同一方向に配設すると共に、円錐状の突出部を固着して集合束子を形成した。
この集合束子の前記突出部が内側となるように、前記花びらのそれぞれを反転させて、反転した中間部を結束した。この結束によりその一端には、球体状の第1の束子を、他端には前記花びらの集合体である第2の束子を設けることで、網袋を礎材とした束子とした。
このような束子は、球体状の第1の束子で、ごしごしと強く洗えるし、花びらの集合体よりなる第2の束子で軟らかく、洗剤を泡立てて洗うことができる。
請求項2に記載した網袋を礎材とした束子は、請求項1に記載した集合束子の円錐側から、花心となる色違いの細長い網体を突出させると共に、この花心にそって花びらを反転させ、その中間部を請求項1と同様に結束することで、網袋を礎材とした束子とした。
このような束子によれば、色違いの花心を設けたことによって、花としてのイメージが更に向上されるものである。
請求項3に記載した網袋を礎材とした束子の製造方法は、折り畳まれた網袋を裏返して、その開口部を内側に折り返して芯を作ると共に、その芯となる開口部を互いに離間する方向に開いて、方形の中空体を形成する中空体形成工程とした。
この中空体形成工程で形成した中空体の中空部を中心として、前記芯が重なるように折り返すことで、芯を中心線とした略二等辺三角形よりなる三角体を形成すると共に、この三角体の中心線により区分されたそれぞれの底辺を、三角体の中心線と重なるように複数回の折り返しにより、その先端部を花びら状にした円錐体状の個別束子を形成する個別束子形成工程とした。
この個別束子形成工程で形成した個別束子の複数個を集合し、これらを結合することで集合束子を形成する集合束子形成工程とした。
この集合束子形成工程で形成した集合束子の前記結合部が内側となるように、前記花びら側を反転させると共に、反転したその中間部を結束して、球体状の第1の束子と、花びらの集合体よりなる第2束子とを形成する束子完成工程とで、網袋を礎材とした束子の製造方法とした。
これらの各工程を経て形成した束子の製造方法によれば、平らな網袋を立体的に形成すると共に、二通りの使い方ができる束子を得ることができた。
発明の効果
本発明によれば、礎材となる網袋を複数回折り返すことによって、束子を形成したことにより以下の効果を得ることができた。
すなわち、網による水切りや洗剤の泡立ちが良くなるだけでなく、網袋を裏返して網袋の切断面を袋の内側に配置したことによって、洗浄中における水の跳返りが少ない。
花びら側を反転させて形成した球体状の第1の束子は、結束位置を変えることによって、大きくしたり小さくしたりすることができるので使用目的に応じて対応しやすい。また、この球体部分は花びらの集合体である第2の束子として使用する場合に、取手や把り部分として使えるので、束子の支持が容易になり確実な洗浄ができる。
第2の束子である花びら側を広げると、広い面積を洗うことができるし、第1の束子側を用いると硬目の球体で、頑固な汚れを強く洗うことができる。
複数の個別束子を集合させた花びら側は、互いに分離できるから、コップや茶碗などの表裏面を、同時に洗うことができるなどの多くの効果を得ることができた。
本発明について、図面を参照して説明する。図1は本発明の網袋を礎材とした束子を示す斜視図、図2は図1で示す第2の束子を開いた状態で示す斜視図、図3は一部を破断して示す図1の分解斜視図である。
図1で示すように、本発明の網袋を礎材とした束子10は、その一端側に設けた球体状の第1の束子12と、この第1の束子の他端側に設けられて、その中央部に花心16を設けた花びら形の第2の束子14とからなる。
また、この網袋を礎材とした束子10には、吊紐18が設けられて、不使用時の保管や水切りを行うことができる。更に、図2で示すように、花心16を中心にして、複数個の個別束子20を配設することで集合束子30を形成している。
個別束子20の一端側は、花びら形に形成されており、この個別束子の複数個を集合させることで、花びらの集合体が形成されて第2の束子14を形成している。
この第2の束子14は、洗浄物の大きさによって、花びらの部分をまとめたり広げたりした状態を、選択して使用することができる。
花心16は花びらを形成する個別束子20の色と異なる色彩を用いており、花のイメージを向上させて第2の束子14を形成している。
第1の束子12は集合束子30の花びら側を反転させて形成しており、集合束子の一部で硬目の球体を設けたものである。この第1の束子12についての詳細は後述する。
このような集合束子30は、図3で示すように複数の個別束子20を集合して、市販品の結束バンド17などにより結束したものである。個別束子20は一端側が花びら型で、その全体は円錐体に形成されて、図3で示すように円錐体の突出部側を結束するものである。
また、複数の個別束子20には、花心16が花びらとは逆方向に延出した状態で結束している。この花心16は細長い網袋の途中を複数個所折り返して、例えば三層に形成することで棒状の花心としている。
このような個別束子20と花心16は、図示しない千枚通しなどを用いて、孔を明けてから結束バンド17を通して結束する。この結束バンド17は、一端側に結束部が設けられ、他端側の紐または帯部分を結束部に差し込んで結束する市販品である。
上述した個別束子20の作り方について説明する。図4は個別束子の作成を示し、網袋を用いて方形の中空体を形成する説明図、図5は図4の中空体から三角体を形成する説明図、図6は図5の三角体を個別束子に形成する説明図である。
個別束子20の礎材は、図示しないが連続した筒状の網体を切断し、その一端を開放した状態の開口に、他端は接合して底となした袋体よりなる平坦な網袋を用いている。
このような網袋を裏返すと共に、開口部をそれぞれ袋の内側に折り返して、その中央部を互いに離間する方向に引張り、図4で示す方形の中空体42を形成する。すなわち網袋の底を接合した底接合部44と、開口とが直交するように配設されて、方形の中空体42を形成する。
束子の礎材となる網袋を裏返したり、開口辺を袋の内側に折り返したりした理由で、全体が中空となってふっくらしたものである。網袋の開口辺を折り返したことで、両方の開口辺部を重ねると、網は4層に重なって芯43を形成した方形の中空体42となる。
このように形成した中空体42は、図中のAで示す中央部を中心にして、芯43同士が重なるように折り曲げることで、図5で示す三角体46を形成する。
この三角体46は、略二等辺三角形であり、芯43を中心にして芯と片方の底辺とが重なるようにして、2回折り曲げたものが図5で示す形状である。更にもう一方の三角部も、同様にして1点鎖線と2点鎖線の位置で2回折り曲げてから、両者を重ねると図6で示す個別束子20となる。
この個別束子は全体が円錐体となり、図中の上部が花びら47を形成し、下端の突出部に図示しない千枚通しなどを突き刺して、穴をあけ結束バンド17を取付ける。すなわち、網袋を円錐体状に形成することで、その一端に花びら形を形成してやわらかな束子を、他端を円錐の突出部とすることで、網袋を密集体にして硬い束子が得られるようにしたものである。
このような個別束子の複数個を集合させることで、上記の作用をそこなうことなく全体を大型化している。この個別束子20は、図3で示したように、複数個の個別束子と前述した花心16とを、結束バンド17で結束することにより、集合束子30を形成した。
このように形成した集合束子30を、図1で示した束子10に形成する例として図面を参照して説明する。図7は網袋を礎材とした束子10の製造を示す説明図である。
図3で結束した個別束子と花心16は、図7で示すように形成されて集合束子30となるが、図7では不使用時の束子を吊下げて保管できるように、輪型の紐18を個別束子20の1つに取付けている。
このような集合束子30は、集合束子の花びら側とは反対方向に突出させた花心16側に、個別束子20の花びら側を図中の矢印方向に反転させると共に、反転させた部分が元の位置に戻らないように、その中間部を図1で示すように紐19で結束する。この紐19の結束によって、図1で示した球体状の第1の束子12と、花びら状の第2の束子14とを形成することができる。
この第1の束子12は、個別束子20の密集体である円錐突出部分が、球体の内側になるように花びら側を反転して結束することにより、硬い球体が得られるようにして、強く擦って洗える硬目の束子とした。また、折り返した花びら47側は、個別束子20で形成した軟らかなままの状態であり、集合させたことで軟らかな面を増大させて、広い面積をやさしく洗うのに適した第2の束子14とした。
この網袋を礎材とした束子10の製造方法について説明する。図8は図1の製造工程を示す説明図である。
二通りの使い方ができる網袋を礎材とした束子10の製造方法50は、まず網袋を用いて方形の中空体42を作る中空体形成工程52とした。
この中空体形成工程で作った方形の中空体42を三角形となるように三角体46を形成し、これを更に複数回の折り曲げにより、一端を花びら状とした円錐状の個別束子20を形成する個別束子形成工程54とした。
この個別束子形成工程で作った個別束子20は、その複数個を集めて結合することで集合束子形成工程56とした。
集合束子形成工程56で作った集合束子30の円錐突出部が、その内側となるようにそれぞれの個別束子20に形成した花びら側を反転させると共に、反転部が元に戻らないように結束して、球体よりなる第1の束子12と、花びらを集合させた第2の束子14とを設けた束子の束子完成工程58とした。このような工程を得ることで本発明の束子製造工程50とした。
このような各工程を更に詳細に説明する。
中空体形成工程52は、方形の網袋を裏返して、その開口辺を袋の内側に折り返すと共に、折り返した開口部同士を重ねて、方形の中空体42を、図4で示したように形成する工程である。
個別束子形成工程54は、中空体形成工程52で作った中空体42を、その中央部で折り曲げて、図5で示した三角体46を作る。この三角体は、中空体形成工程52で折り返した開口辺同士が互いに重なる方向に折曲したものである。
このような三角体46は、三角体の頂部側に花びら47が形成されるように、複数回の折曲により略円錐体形に形成する。この円錐体がほどけないように、結束バンド17を突き刺すことで、図6で示したように、その一端に花びら47を有する個別束子20を形成する工程である。
集合束子形成工程56は、個別束子形成工程54で作った個別束子20の複数個を集めて、図7で示したように、円錐状個別束子の突出部側を紐などにより、全体を結束して、図7で示すような、集合束子30を作る工程である。
束子完成工程58は、集合束子形成工程56で作った集合束子30を、完成品に仕上げる工程である。集合束子30を図7の状態から、図中の矢印の方向に花びらを折り返すことで、円錐体の突出部が内側になるように、結束して球体を作ることで、その球体部分を第1の束子12に、また、花びら部分を第2の束子14とした網袋を礎材とした束子10を形成することで、束子完成工程58としたものである。
このような上述した各工程を経て、網袋を礎材とした束子の製造方法とした。
このような網袋を礎材とした束子によれば、硬目の球体である第1の束子12で、家庭内のこびり付いた頑固な汚れを落すことができるし、花びら部分のやわらかな第2の束子14部分で、通常の汚れを落すことができる。
他の使用例としては、食器用の束子として用いると、花びらよりなる第2の束子14は、その先端側が分割できるために、コップや茶碗の内側と外側にそれぞれ配置させて、器の両面を同時に洗うことができるから、効率的な洗浄ができる。
網袋を礎材とした束子は、洗剤の使用量が少なくて済むばかりでなく、使用後の水切りが良い。又、使用中の水跳ねも少なくて、束子の礎材として網袋を用いた効果は高い。
この網袋を礎材とした束子が、使用によって汚れると、本発明の束子同士でこすることにより、束子から汚れが簡単に落ちて、きれいになる等の作用を持っている。
また、デザイン的にも見方によっては、花として又は、てるてる坊主としても見える束子である。
本発明の網袋を礎材とした束子を示す斜視図である。 図1の第2の束子を開いた状態で示す斜視図である。 一部を破断して示す図1の分解斜視図である。 個別束子の作成を示し、網袋を用いて方形の中空体を形成する説明図である。 図4の中空体から三角体を形成する説明図である。 図5の三角体を個別束子に形成する説明図である。 図1の製造途中を示す説明図である。 図1を作るための製造工程を示す説明図である。
符号の説明
10 網袋を礎材とした束子
12 第1の束子
14 第2の束子
16 花心
20 個別束子
30 集合束子
42 立方体
46 三角体
47 花びら
50 束子の製造方法
52 中空体形成工程
54 個別束子形成工程
56 集合束子形成工程
58 束子完成工程

Claims (3)

  1. 網袋の中央部を中心とした複数回の折り畳みにより、その一端を花びら状に形成した円錐状の個別束子と、
    この個別束子の複数個を同一方向に配設して、前記円錐状の突出部を固定して形成した集合束子と、
    この集合束子の前記突出部側が内側になるように、前記個別束子の花びら側のそれぞれを反転すると共に、この反転部と反転した前記花びら側との中間部を結束することにより形成した球体状の第1の束子と、
    この第1の束子の他端側に配設され、前記花びらの集合体よりなる第2の束子とからなる網袋を礎材とした束子。
  2. 網袋の中央部を中心とした複数回の折り畳みにより、その一端を花びら状に形成した円錐状の個別束子と、
    この個別束子の複数個を同一方向に配設して、前記円錐状の突出部側を固定して形成した集合束子と、
    この集合束子の前記突出部側から延出して設けられ、前記集合束子の色彩とは異なる色彩で形成すると共に、前記集合束子と一体化して形成した花心と、
    この花心を中心として前記集合束子の花びら側をそれぞれ反転して、その中間部を結束することにより形成した球体状の第1の束子と、
    この第1の束子の他端側に配設され、前記花びらの集合体よりなる第2の束子とからなる網袋を礎材とした束子。
  3. 折り畳まれた網袋を裏返して、その開口部を内側に折り返して芯を形成すると共に、その芯となる開口中央部を互いに離間する方向に開いて、方形の中空体を形成する中空体形成工程と、
    この中空体形成工程で形成した方形の中空体の中央部を中心として、前記芯が重なるように折り返すことで、芯を中心線とした略二等辺三角形よりなる三角体を形成すると共に、この三角体の中心線により区分されたそれぞれの底辺を、三角体の中心線と重なるようにした複数回の折り返しにより、その先端部を花びら状にした円錐体状の個別束子を形成する個別束子形成工程と、
    この個別束子形成工程で形成した個別束子の複数個を集合させて結合した集合束子を形成する集合束子形成工程と、
    この集合束子形成工程で形成した集合束子の前記結合部が内側となるように、前記花びら側を反転させると共に、反転したその中間部を結束して、球体状の第1の束子と花びらの集合体よりなる第2の束子とを形成する束子完成工程とからなる網袋を礎材とした束子の製造方法。
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