JP4523358B2 - 固形石鹸用泡立てネット及びその製造方法 - Google Patents

Description

本発明は、固形石鹸の泡で顔や体を洗う際に、固形石鹸を泡立てネットにより泡立てることができるとともに、使用後に泡立てネットに固形石鹸を保持することができる固形石鹸用泡立てネット及びその製造方法に関する。

固形石鹸を用いて泡立て、得られた泡で身体を洗うと、泡が毛穴に入って汚れがよく落ちることが知られている。泡立て具として、洗顔用には、一体成型プラスチックネットからなる洗顔用泡立てネットが知られている。例えば、特許文献１に記載されている洗顔用泡立てネットは、数ミリ程度の網目を有するポリエチレンのような合成樹脂を原料とした筒状の一体成形プラスチックネットの両端を纏めて固定して内側に折り返し、一端に指挿通用リングをしたものであり、濡らしたネットを固形石鹸に擦り付け、両手の中でもんだり拡げたりして細かい泡を作ってネットをしごいて泡を手のひらに取り、泡を顔に付けて洗顔するものである。
特開平１０−２７６９２８号公報

従来の固形石鹸を用いて洗顔用泡立てネットで泡立てようとする場合、ネットで固形石鹸の表面を擦ったりして固形石鹸を付けた後にネットを揉んで泡立てた後、使用後の固形石鹸は石鹸箱の中に収めている。

しかしながら、最近の固形石鹸は乾きにくく、石鹸箱の中で特に下側表面は水分を多く含んだ状態のままであるため型くずれし、次の使用時に表面がどろどろした状態となっているため感触が悪く、また非衛生的な感じとなっていた。

また、前記の洗顔用泡立てネットは、ネットで固形石鹸の表面を擦ってネットに固形石鹸を付ける必要があるが、固形石鹸が小さくなると、ネットで固形石鹸の表面を擦りにくくなって泡立ちが悪くなるという欠点があった。

そこで、本発明は、使用後の固形石鹸を泡立てネット内に保管することができる固形石鹸用泡立てネット及びこのネットの簡単な製造方法を提供するものである。

本発明の固形石鹸用泡立てネットは、連続押し出しネットから製造した、筒状に一体に成形された伸縮性を有する筒状ネットが長手方向のそれぞれの端部を揃えるように中央から長手方向に折り曲げられて外側ネットと内側ネットが重なった積層ネットに形成されており、揃えられた前記端部が纏められて折り曲げられた積層ネットの両側が石鹸の出し入れ可能に開いた状態に形成されており、前記纏められた端部には積層ネットを吊り下げるネット吊り下げ部材が設けられ、前記ネット吊り下げ部材は絞りリングでリング状にした紐からなり、該紐の端を前記端部の対向する前記内側ネットの間にはさんで端部が纏められ、縛りリングで縛られて固定され、積層ネットの裏返しによりリング状にした紐及び縛りリングが表に出されていることを特徴とする。

また、本発明の固形石鹸用泡立てネットの製造方法は、連続押し出しネットから製造した、筒状に一体に成形された伸縮性を有する筒状ネットを、長手方向のそれぞれの端部を揃えるように中央から長手方向に折り曲げて外側ネットと内側ネットが重なった積層ネットを形成し、絞りリングでリング状にした紐からなるネット吊り下げ部材の前記紐の端を前記端部の対向する前記内側ネットの間にはさんで端部を纏めて縛りリングで縛って固定し、積層ネットを裏返してリング状にした紐及び縛りリングを表に出すとともに、折り曲げられた積層ネットの両側が石鹸の出し入れ可能に開いた状態に形成することを特徴とする。

本発明の固形石鹸用泡立てネット（以下「泡立てネット」という。）は、使用後に固形石鹸を石鹸箱に入れることなく泡立てネット内に納めておくことができるので、乾燥し易くなり、表面がどろどろした状態とならずに型くずれしにくく、衛生的に保管することができる。

また、ネットが積層されているので泡立ちがよく、きめの細かいクリーミィな泡を形成することができる。また、固形石鹸が小さくなっても泡立てネット内に入れて泡立てることができる。

また、本発明の泡立てネットの製造方法は、積層ネットを折り曲げて端部を纏めて固着し、裏返すだけの簡単な工程で製造することができる。

本発明の実施例を図を参照して説明する。

図１は本発明の泡立てネットに固形石鹸を保持した状態を示す斜視図である。

図１において、泡立てネット１は、伸縮性を有するネット、例えば伸縮性を有するポリエチレンのネットよりなる。伸縮性ネットを使用することにより、泡立てネット１はもみやすく泡立てネット１内への固形石鹸２の出し入れが容易になる。

泡立てネットは、複数枚のネットを積層した積層ネットで形成する。積層ネットの両側の縁は閉じられた状態にする。積層ネットが二重ネットの場合、それぞれ二重となった外側ネット１ａと内側ネット１ｂを重ねて構成する。二重ネットにすることにより、外側ネット１ａと内側ネット１ｂがすり合って空気と石鹸の混合が促進され泡立ちがよくなる。

二重ネットを折り曲げて端部を纏めることにより、泡立てネット１の両側を開いた状態に形成して固形石鹸を出し入れ可能にする固形石鹸出し入れ口３を形成すると共に、泡立てネット内の下部に固形石鹸を保持できる固形石鹸保持部４が形成される。

泡立てネット１端部には、壁に固定されたフック５などに引っ掛けて泡立てネット１を吊り下げるための紐などのネット吊り下げ部材６が設けられている。ネット吊り下げ部材６により泡立てネット１内に固形石鹸を保持したままで吊り下げが可能となる。

図２は本発明の泡立てネットの製造手順の一例を示す図、図３は本発明で使用する積層ネットの別実施例を示す斜視図である。

図２（ａ）に示すように、２重ネットの場合、連続押出ネットから製造した、筒状に一体に成形された伸縮性を有するポリエチレンの筒状ネット１ｃを用意する。筒状ネット１ｃは市販されているものを使用することができる。

次いで、図２（ｂ）に示すように、筒状ネット１ｃのそれぞれの端部７が揃うように中央から長手方向に折り曲げる。この折り曲げにより、外側ネット１ａと内側ネット１ｂが重なった二重ネットが形成される。

次いで、図２（ｃ）に示すように、二重ネットの端部７において対向する内側ネット１ｂの間に絞りリング８でネット吊り下げ部材となるリング状にした紐６の端を挟んだ後、端部を纏めて縛りリング９で縛って固定する。

次いで、図２（ｄ）に示すように、紐６を表に出し、二重ネットを裏返すことにより泡立てネットが完成する。

次に本発明の泡立てネットの使用方法について説明する。

泡立てネットを湯や水で濡らしたのち、泡立てネットを固形石鹸に擦り付け、両手で泡立てネットをもむ。泡立てネットは積層されているので、もむことにより石鹸と空気が混ざり合い、きめの細かいクリーミィな泡を作ることができる。泡ができると、泡立てネットをしごいて泡を手のひらに取り、洗う箇所に付ける。

なお、固形石鹸が小さくなって、泡立てネットで固形石鹸の表面を擦りにくい場合には、固形石鹸を泡立てネットの中に入れてもむことにより細かいクリーミな泡を作ることができる。

泡立てネットを使用した後は、泡立てネットを洗い、泡立てネットの中に使用済みの固形石鹸を入れ、壁に固定されたフックなどにネット吊り下げ部材を引っ掛けて泡立てネットを吊り下げる。固形石鹸を泡立てネット内に納めておくことにより、乾燥し易くなり石鹸箱に比べて衛生的に保管することができる。

本発明の固形石鹸用泡立てネットに固形石鹸を保持した状態を示す斜視図である。 本発明の泡立てネットの製造手順の一例を示す図である。

符号の説明

１：泡立てネット
１ａ：外側ネット
１ｂ：内側ネット
１ｃ：筒状ネット
２：固形石鹸
３：固形石鹸出し入れ口
４：固形石鹸保持部
５：フック
６：ネット吊り下げ部材（紐）
７：筒状ネットの端部
８：絞りリング

Claims (2)

1. 連続押し出しネットから製造した、筒状に一体に成形された伸縮性を有する筒状ネットが長手方向のそれぞれの端部を揃えるように中央から長手方向に折り曲げられて外側ネットと内側ネットが重なった積層ネットに形成されており、揃えられた前記端部が纏められて折り曲げられた積層ネットの両側が石鹸の出し入れ可能に開いた状態に形成されており、
   前記纏められた端部には積層ネットを吊り下げるネット吊り下げ部材が設けられ、
   前記ネット吊り下げ部材は絞りリングでリング状にした紐からなり、該紐の端を前記端部の対向する前記内側ネットの間にはさんで端部が纏められ、縛りリングで縛られて固定され、積層ネットの裏返しによりリング状にした紐及び縛りリングが表に出されていることを特徴とする固形石鹸用泡立てネット。
2. 連続押し出しネットから製造した、筒状に一体に成形された伸縮性を有する筒状ネットを、長手方向のそれぞれの端部を揃えるように中央から長手方向に折り曲げて外側ネットと内側ネットが重なった積層ネットを形成し、
   絞りリングでリング状にした紐からなるネット吊り下げ部材の前記紐の端を前記端部の対向する前記内側ネットの間にはさんで端部を纏めて縛りリングで縛って固定し、積層ネットを裏返してリング状にした紐及び縛りリングを表に出すとともに、折り曲げられた積層ネットの両側が石鹸の出し入れ可能に開いた状態に形成することを特徴とする固形石鹸用泡立てネットの製造方法。

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