JP2007081305A - コイル封入型磁性部品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 磁性体部におけるクラックの発生を抑制し、直流重畳特性の低下を減少することのできるコイル封入型磁性部品及びその製造方法を提供することを課題とするものである。
【解決手段】 空芯コイル1と、前記コイルを内包する磁性体粉末と樹脂の混合物からなる磁性体部7を備えたコイル封入型磁性部品10において、前記磁性体部7は、前記コイルが内包された領域と、前記コイルが内包されていない領域とを有しており、前記磁性体部のコイルが内包された領域の平均密度をD1とし、前記磁性体部のコイルが内包されていない領域の平均密度をD2としたときに、D1>D2の関係となるようにコイル封入型磁性部品10を構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空芯コイルとそのコイルを内包する磁性体部とから構成されたコイル封入型の磁性部品に係り、特に電源系回路に実装される大電流対応型のコイル封入型磁性部品及びその製造方法に関する。
近年、電子機器の高性能および小型化に伴い、小型で高性能な磁性部品が要求されている。また、DC/DCコンバータ等の回路における磁性部品には、大電流対応の要求が強くなっているとともに、磁性部品の安全性、即ち高信頼性もまた要求されている。
従来、上記の要求を達成し得るコイル封入型磁性部品として、空芯巻回されたコイルを内包するように金属磁性粉末と樹脂との混合物で加圧成型したチップ型インダクタおよびその成形方法が知られている(特許文献1参照)。これによれば、予め下金型内に全体量の70%程度の金属磁性粉末を充填した後に、コイルとリードフレームからなるワークを上金型および中金型にて挟み込むように設置し、次いで、上方より残りの粉末を充填した後に加圧成型を行うことでチップ型インダクタを得るというものである。
また、コイル封入型磁性部品の磁性体部の圧粉密度を全体的に略均一化させた構成を有し、磁性部品の電気的特性を向上させるとともに、内部的な応力を除去したコイル封入型磁性部品およびその製造方法が知られている(特許文献2参照)。これによれば、コイル封入型圧粉磁芯を製造するにあたり、圧密化工程において用いる金型の円筒状分割体(管状部材)が可動することによって、磁性体部内のコイルおよびリードフレームに亘って対応する箇所と、それ以外の箇所との間の磁性粉末の密度差を解消するよう、適宜可動調整しつつ、コイル封入型圧粉磁芯の成型を行うというものである。
さらに、コイル封入型磁性部品の低背化を達成させるために、コイル部品外装部の上面部および下面部の磁性体部の磁性粉末の密度が、中間部の磁性粉末の密度よりも大きくなるように成型されたコイル封入型磁性部品が知られている(特許文献3参照)。これによれば、磁性体部の寸法的に薄くなりがちな部分の透磁率を向上させ、磁性体部の中間部と同等の特性を確保することができるというものである。
特開2003−290992号公報 特開2003−282346号公報 特許第3654251号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたコイル封入型磁性部品においては、部品を加圧成型する場合に、磁性体部のうちコイルが内包された領域に、コイルが有する弾性により物質を圧縮した際に発生する、物質が元に戻ろうとするスプリングバック現象が生じ、磁性体部に亀裂や割れが発生するという問題が生じる。
また、特許文献2に記載されたコイル封入型磁性部品においては、磁芯内で発生する磁束が透過する部分の断面積が、コイルが内包された領域で小さくなるので、その部分で局部的に磁気飽和が発生しやすくなる。そのため、コイル封入圧粉磁心の直流重畳特性が低下するという問題が生じる。
さらに、特許文献3に記載されたコイル封入型磁性部品においては、上下別に仮成型された圧粉体を作成するための成型工程が必要となり、また、コイル封入型磁性部品の外装面の上下面全体にわたって、磁性粉体の密度を高める必要がある。そのため、コイル封入型磁性部品において、磁性体の密度を高めるべき領域が大きくなるので、一般的な高圧成型を要するコイル封入型磁性部品の製造技術を用いると、加圧プレス装置の大型化や加圧処理時間の増加等によるコストの増大等という問題が生じる。
本発明は、上述の問題点を考慮し、クラックの発生を抑制し、直流重畳特性を向上させることのできるコイル封入型磁性部品及びその製造方法を提供することを課題とするものである。
上記の課題を解決し、本発明の目的を達成するために、本発明に係るコイル封入型磁性部品は、空芯コイルと、前記コイルを内包する磁性体粉末と樹脂の混合物からなる磁性体部を備えたコイル封入型磁性部品であって、前記磁性体部は、前記コイルが内包された領域と、前記コイルが内包されていない領域とを有しており、前記磁性体部のコイルが内包された領域に位置する圧粉体の平均密度をD1とし、前記磁性体部のコイルが内包されていない領域に位置する圧粉体の平均密度をD2としたときに、D1>D2の関係である構成とする。
好ましくは、前記磁性体部は、前記コイルが内包された領域と前記コイルが内包されていない領域との境界部に段差を有していることが適当である。
本発明に係るコイル封入型磁性部品の製造方法は、 空芯コイルと、前記コイルを内包する磁性体粉末と樹脂の混合物からなる磁性体部を備えたコイル封入型磁性部品を製造する方法であって、前記コイルを覆うように前記磁性体粉末を充填する工程(a)と、前記コイルを覆う磁性体粉末を前記コイルの軸方向に圧密化する工程(b)と、を備え、前記工程(a)は、前記コイルが内包された領域に充填される前記磁性体粉末の量が、前記コイルが内包されていない領域に充填される前記磁性体粉末の量よりも多くなるように、前記磁性体粉末を充填し、前記磁性体部の前記コイルが内包された領域に位置する圧粉体の平均密度をD1とし、前記磁性体部の前記コイルが内包されていない領域に位置する圧粉体の平均密度をD2としたときに、D1>D2の関係となるようにするものである。
本発明に係るコイル封入型磁性部品では、コイルが内包された領域に充填される磁性体粉末の量が、コイルが内包されていない領域に充填される磁性体粉末の量よりも多くなるようにし、即ち、磁性体部の空芯コイルが内包されている領域における圧縮された混合磁性粉末(圧粉体)の平均密度を高くし、当該部分における磁性体部の強度を上げることができる。
また、本発明に係るコイル封入型磁性部品の製造方法では、コイルが内包された領域に充填される磁性体粉末の量が、コイルが内包されていない領域に充填される磁性体粉末の量よりも多くなるように充填することにより、即ち、磁性体部の空芯コイルが内包されている領域における圧縮された混合磁性粉末(圧粉体)の平均密度が高くなるように、磁性体粉末を充填することにより、磁性体部の強度を上げることができる。
本発明に係るコイル封入型磁性部品によれば、磁性体部のコイルが内包された領域において、コイルが有するバネ性により、応力が影響する磁性体部の強度を確保することにより、コイルを圧縮保持することを可能として、磁性体部の空芯コイルが内包されている領域に発生するクラックを抑制することができる。
また、内部に形成された磁路が通過する磁性体の断面積が小さくなる部分の圧粉体の平均密度を大きくすることで、当該部分の磁性体部の最大飽和磁束密度Bmを向上させ、コイル封入型磁性部品の直流重畳特性を向上させることができる。
また、本発明に係るコイル封入型磁性部品によれば、コイルが内包された領域と、コイルが内包されていない領域との間に段差を設けているので、コイルが内包された領域と、コイルが内包されていない領域との間で、圧粉体の平均密度の差を大きくすることができる。また、このような段差を設けることで、所望の平均密度の差を得るためのコイル封入型磁性部品の成型条件を簡素化することができる。
本発明に係るコイル封入型磁性部品の製造方法によれば、コイルが内包された領域において、コイルが有するバネ性による応力が影響する磁性体部の強度を確保することにより、コイルが内包されている領域に発生するクラックを抑制できるコイル封入型磁性部品を製作することができる。
また、内部に形成された磁路が通過する磁性体の断面積が小さくなる部分の圧粉体の平均密度を大きくすることで、当該部分の磁性体の最大飽和磁束密度Bmを向上させ、直流重畳特性の低下を防ぐことができるコイル封入型磁性部品を製作することができる。
以下、本発明に係るコイル封入型磁性部品及びその部品を製造する方法を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明するが、本発明は以下の形態に限定されるものではない。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係るコイル封入型磁性部品の斜視図である。また、図1(b)は、本発明の一実施形態に係るコイル封入型磁性部品の内部の様子を示した斜視図である。
図1(a)に示すように、本実施の形態のコイル封入型磁性部品10は、上面と下面が略正方形の上面と下面を有する立体の磁性体部7と、磁性体部7の側面部から露出する一対の端子電極4,5とからなる。また、図1(b)に示すように、コイル封入型磁性部品10の磁性体部7の内部には、端子電極4,5と接続するコイル1が内包されている。このコイル1は、扁平状の導体2が巻回されて積層されている巻回部3と、その巻回部3の終端に設けられた端部3a,3bとからなる中空部を有する空芯コイルである。このコイル端部3a、3bには、それぞれ端子電極4,5が接続されている。
図2(a)は、図1(a)中に示したA−A線で切断した際のコイル封入型磁性部品の断面図である。図2(b)は、図1(a)中に示したB−B線で切断した際のコイル封入型磁性部品の断面図である。
ここで、図2(a)に示すように、磁性体部7におけるコイル1が内包された領域、すなわちコイル1の巻回部3に対応する領域R1とは、コイル1の軸方向(厚さ方向)を基準として、磁性体部7中の巻回部3の上面および下面に対応する部分をいう。また、磁性体部7におけるコイル1が内包されていない領域、すなわちコイル1の巻回部3に対応しない領域R2とは、コイル1の軸方向を基準として、磁性体部7中のコイル1の中空部分を上面および下面まで延長した部分をいう。
また、図2(a)に示すように、本実施の形態のコイル封入型磁性部品10は、コイル1に接続された端子電極4,5の実装端部側が、厚さ方向を基準として、磁性体部7の中央付近から延びている。すなわち、本実施の形態におけるコイル封入型磁性部品10は、磁性体部7から突出した端子電極4、5から磁性体部7の上面までの距離H1と、磁性体部7から突出した端子電極4、5から磁性体部7の下面までの距離H2とが等しくなっている。また、磁性体部7に内包されたコイル1の巻回部3の上面から磁性体部7の上面までの距離H3と、コイル1の巻回部3の下面から磁性体部7の下面までの距離H4とも等しくなっている。さらに、後述するように、本実施の形態におけるコイル封入型磁性部品10は、磁性体部7における圧縮された磁性体粉末の混合物(圧粉体)の平均密度をDと定義すると、コイル1の巻回部3に対応する領域R1の平均密度D1が、コイル1の中空部分に対応する領域R2の平均密度D2よりも高くなっている。
まず、コイル封入型磁性部品10の磁性体部7について説明する。磁性体部7は、磁性金属粉末に絶縁材を添加、混合し、しかる後所定の条件で加圧することにより作製される。また、絶縁材を添加した磁性金属粉末を作製した後、さらに潤滑剤を添加、混合してもよい。なお、潤滑剤は、例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸ストロンチウム等から適宜選択すればよい。
磁性体部7に用いる磁性金属粉末としては、単一の金属粉末、組成が異なる二種以上の金属粉末、もしくは金属合金粉末が挙げられる。金属粉末は、軟磁性を示す遷移金属元素のいずれか、あるいは遷移金属元素と他の金属元素とからなる合金により構成することができる。軟磁性金属の具体的な例としては、Fe、CoおよびNiの一種以上を主成分とする合金があり、例えば、パーマロイ(Fe−Ni合金、Fe−Ni−Mo合金)、センダスト(Fe−Si−Al合金)、Fe−Si合金、Fe−Co合金、Fe−P合金等が好適である。
本実施の形態では、磁性体粉末としてSi−Fe系の粉末を用いた。また、磁性体部7に用いる強磁体粉末の粒子の形状は特に制限はないが、球状の粉末もしくは楕円状の粉末を用いることが好ましい。なお、磁性体粉末は、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、回転ディスク法等によって得ることができる。
また、絶縁材との混合によって、磁性体粉末の粒子が絶縁コートされる。絶縁材は、必要とされる磁芯の特性に応じて適宜選択されるものであるが、例えば各種有機高分子樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、水ガラス等を絶縁材として用いることができ、さらにこれらの樹脂と無機物を組み合わせて使用してもよい。本実施の形態では、エポキシ樹脂を用いて磁性体粉末を絶縁コートする。
次に、図1(b)を用いて、本実施の形態で使用するコイル1の構造を説明する。図1(b)に示すように、コイル1は、絶縁性被膜を有する断面扁平状の帯状の導体2をエッジワイズ巻きで所望の電気特性より特定された巻数にて巻回したものである。ここで、扁平状の断面としては、例えば矩形、台形、楕円形の断面が挙げられるが、矩形状の断面を有する導体2としては、絶縁被覆銅線である平角線がある。また、導体2の絶縁被覆は、通常、エナメル被覆とすることができるが、被膜融着処理により空芯巻回したコイルの形状を保持することが可能な自己融着被膜を採用しても良く、この場合、高圧加圧成型を行ってもコイルの形状が崩れ難いという利点を有する。
扁平状の導体2を巻回してコイル1を形成した場合には、コイル1を構成する巻線の各層間を極めて密に接触させることができる。したがって、断面が円形の導体を用いる場合よりも低背化に有利であるのみならず、体積当たりの電流容量を向上させることができる。また、巻回数が同等で断面が円形状である導体を巻回してコイル1を形成した場合に比べて、電線占有率を大幅に向上させることができる。よって、扁平状の導体2を巻回して作製したコイル1は、大電流用のコイル封入型磁性部品を作製する上で好ましい。
次に、図3を用いて、本実施の形態に係るコイル封入型磁性部品10で使用する端子電極4,5の構造を説明する。
図3は、本実施の形態のコイル封入型磁性部品に使用する端子電極の斜視図である。
図3に示すように、端子電極4,5の一方の端部には、溶接等により、コイル1の端部3a,3bへ接続するための一対の二股接続端部4a、5aが形成されている。また、端子電極4,5の他方の端部には、半田等により、基板等へ接続するための実装端部4c、5cが形成されている。なお、端子電極4,5は、0mm<厚み寸法≦0.5mmの金属板のリードフレームを打ち抜いて、曲げ加工等することにより作成する。
前述したエッジワイズ巻きコイル1の端部3a,3bのうち、厚さ方向を基準として下方に位置する端部3aと接続する端子電極4には、接続端部4aと実装端部4cとの間に2段階の折曲部4bが形成されている。そして、接続端部4a側の折曲部4bによって、接続端部4aが、対になる端子電極5の接続端部5aよりも低い位置になるように形成されている。すなわち、端子電極4,5が磁性体部7に内包された場合には、端子電極4の接続端部4aと端子電極5の接続端部5aとの高さが互いに異なるように配置されることになる。そして、端子電極4の一方の接続端部4aの上面とコイル1の端部3aの下面とを溶接や導電性の接着剤等で接続する。また、端子電極5の一方の接続端部5aの下面と、コイル1の端部3bの上面とを溶接や導電性の接着剤等で接続する。
本実施の形態のコイル封入型磁性部品10では、このように磁性体部7に配置された場合に、接続端部の高さが互いに異なるように形成された一対の端子電極4,5を使用する。従って、コイル1のコイル端部3a,3bの位置の高さが異なるエッジワイズ巻きコイル1を使用する場合であっても、磁性体部7内のコイル1と端子電極との接続を確実に行うことができる。また、このように構成された端子電極4,5を用いることで、後述するコイル封入型磁性部品10の成型工程において、厚さ方向を基準として、磁性体部7の中央から、端子電極4,5の実装端部側を水平方向に引き出して保持することができる。このため、磁性体粉末の加圧成型時において、コイル封入型磁心の上下方向より圧密化を行う際のバランスに優れ、磁性体部の側周部を小さく、薄くしてもクラック等の不具合が発生し難いという利点を有する。
また、図2(a)に示すように、本実施の形態におけるコイル封入型磁性部品10は、コイル1の巻軸方向を基準として、コイル1の巻回部3に対応しない領域R2の高さH6が、コイル1の巻回部3に対応する領域R1の高さH5よりも高くなるように形成されている。すなわち、コイル1の巻回部3に対応しない領域R2と、コイル1の巻回部3に対応する領域R1との間には、段差hが形成されている。また、この段差hは、端子電極4,5が屈曲加工されて実装端部4c、5cが配置される側、すなわちコイル封入型磁性部品10の実装面側に形成されている。
本実施の形態では、巻回部3に対応しない領域R2の軸方向の高さH6が、コイル1の巻回部3に対応しない領域R2の高さH5よりも、約0.1mm程度高くなるように形成されている。すなわち、段差hの高さが0mm<h≦0.4mmとなるように設定され、端子電極4,5は、0.1mm≦軸方向の高さ≦0.5mmとなるように設定されている。なお、使用する端子電極4,5の高さ方向の寸法を上記の寸法とすることで、実装端子部を形成する際の屈曲加工に対する強度を確保することができる。また、厚さ方向の端子電極4,5の断面積を所定の大きさにすることで、磁性部品に大きな電流を流すために必要な電圧を端子電極に印加することができる。
また、軸方向を基準として、端子電極4,5の下面が位置する高さを、巻回部3に対応しない領域R2の下面が位置する高さよりも、低くなるように設定することで、クリーム半田等によって、端子電極の4,5を基板に実装する際に、誤ってクリーム半田等が、巻回部3に対応しない領域R2に過度に付着することを防止することができる。すなわち、基板に対するコイル封入型磁性部品10の取り付け精度を高くすることができる。
さらに、段差hの高さを端子電極4,5の高さ方向の寸法よりも小さい値に設定することで、コイル封入型磁性部品10を基板に実装した際に、基板とコイル磁性部品との間にできる隙間を小さくすることができ、基板に対するコイル封入型磁性部品の実装性を向上させることができる。
このように、本実施の形態のコイル封入型磁性部品10によれば、コイルが内包された領域R1と、コイルが内包されていない領域R2との間に段差hを設けているので、両領域における圧粉体の平均密度の差を大きくすることができるとともに、基板に磁性部品を装着する際の作業の効率をよくすることができる。
また、図2(b)に示すように、本実施の形態のコイル封入磁性部品10の内部には、矢印で示した方向に磁束Φが通る磁路lが形成されている。
ここで、磁性体部7の巻回部3に対応する領域R1における磁束Φが貫く部分の断面積をS1とし、巻回部3に対応しない領域R2における磁束Φが貫く部分の断面積をS2とすると、通常のコイル封入磁性部品では、S1≦S2の関係となるため、先にS1部分で磁気飽和が生じてしまう。このため、コイル封入磁性部品の直流重畳特性が低下するという問題が生じてしまう。
本実施の形態のコイル封入磁性部品10では、巻回部3に対応する領域R1における磁性体粉末の充填量を増やすことにより、磁束Φが貫く断面積S1が形成される部分の磁性体部の平均密度Dが高くなるように形成している。これにより、R1における磁性体の最大飽和磁束密度Bmが高くなるので、コイル封入型磁性部品の直流重畳特性を向上させる、 あるいは、領域R1における寸法が小さい(軸方向の高さが小さい)状態であっても、領域R2の寸法・密度条件により得られる直流重畳特性を保つことが可能となるとともに、領域R1における磁性体部の強度が向上するために、空芯コイルのバネ性によって生じた応力が影響して、コイル側周部に発生し得るクラックを抑制することが可能となる。
図4は、本実施の形態に係るコイル封入型磁性部品の底面図である。また、図5(a)〜図5(d)は、その他の実施の形態に係るコイル封入型磁性部品の底面図である。
図4に示すように、コイル封入型磁性部品の実装面側の磁性体部7には、端子電極4,5の実装端部4c、5cを屈曲させる部位が形成されており、この部位には、段差hに連接するように段差h’が形成されている。すなわち、磁性体部7の底部には、実装端部4c、5cに沿うように凹部が形成されている。このような凹部を設けることにより、コイル封入型磁性部品の高さ方向の寸法を増加させることなく、コイル封入型磁性部品10を低背化することが可能である。
さらに、本実施の形態では、磁性体部7に設けられた段差hは、コイルが内包されている領域R1と、コイルが内包されていない領域R2との境界に沿うように形成されているが、段差hの形状はこれに限られることはなく、コイルと端子電極の接続手段や、応力の発生状態等により、例えば、図5(a)〜図5(d)に示されるような段差hに適宜変更しても良い。また、その際は後述の成形工程に用いられる金型における下パンチと可動パンチの形状を変更することで、段差hの形状を特定することが可能である。
次に、本発明に係るコイル封入型磁性部品の製造方法の実施の形態について、図6〜図10を用いて説明する。なお、本発明に係るコイル封入型磁性部品の製造方法は、以下の実施の形態に限られるものではない。
図6は、コイル封入型磁性部品10の磁性体部7に内包されるコイル1及び端子電極となるリードフレームの製造工程を示すフローチャートである。図6に示すように、コイル及び端子電極を作製するにあたっては、巻き線工程(ステップS101),コイル端部の被膜剥離工程(ステップS102),リードフレームの作成工程(ステップS103),コイルとリードフレームとの接続工程(ステップS104)とを含んでいる。
まず、ステップS101では、図1(b)に示すように扁平状の導体2を巻回してコイル1の巻回部3を形成する。導体2の巻回数は、必要とされるインダクタンス値に応じて適宜設定される。次に、ステップS102では、上述により得られたコイル端部の被膜を剥離する。次に、ステップS103では、金属板を打ち抜いて、コイルとの接続をとるための接続部を有したリードフレームを作成する。さらに、ステップS104では、ステップS103で被膜を剥離したコイル端部とリードフレームの接続部との接続を、溶接等の手段により行う。
図7は、本実施の形態のコイル封入型磁性部品の製造工程を示すフローチャートである。なお、端子電極4,5が接続された扁平状の導体2を巻回したコイル1は、予め作製しておくものとする。まず、必要な磁気特性に応じて磁性金属粉末および絶縁材を選択し、これらをそれぞれ秤量する(ステップS201)。秤量後、磁性金属粉末に絶縁材をコーティングすると同時に造粒する(ステップS202)。
必要に応じて潤滑剤を添加した後、成形工程に進む(ステップS203)。以下、図8〜図10を用いて、ステップS203における成形工程を説明する。図8は、成形工程の各ステップを示すフローチャートである。また、図9〜図10は、金型を用いた成形工程の様子を示している。
まず、図9(a)を用いて本実施の形態における成形工程に用いられる金型について説明する。図9(a)に示すように、金型は、上側部金型15aと下側部金型15b、上パンチ16と下パンチ17とで構成される。上側部金型15aと下側部金型15b、上パンチ16と下パンチ17とはそれぞれ対向する位置に設けられており、上側部金型15aと当該上側部金型15a内を昇降する上パンチ16とで上金型が構成され、また下側部金型15bと当該下側部金型15b内を昇降する下パンチ17とで下金型が構成される。また、下パンチ17は、下パンチ17aと、コイル1の平面形状と略同一形状の頂部を有する下パンチ(可動パンチ)17bとに分割されており、下パンチ17aと可動パンチ17bは、下側部金型15b内を昇降自在に移動する。また、下パンチ17aは、コイル1の巻回部3に対応しない領域R2と、コイル封入型磁性部品10の側周部にあたる領域を圧密化するように連動して移動する構造となっている。従って、コイル1の巻回部3に対応しない領域R2と、コイル封入型磁性部品10の側周部のうち主として端子電極4の接続端部4a,5aが埋設される領域以外の部位については、その平均密度(D2)は略等しい状態である。
このように、下パンチ17に可動パンチ17bを備えている理由は、磁性体部7におけるコイル1の巻回部3に対応する領域R1と、コイル1の巻回部3に対応しない領域R2との間の平均密度Dを異ならせるためである。つまり、コイル1の巻回部3に対応する領域R1には、コイル1の巻回部3に対応しない領域R2よりも多くの磁性粉末を充填するための工夫である。
成形工程(ステップS203)を開始する前は、金型は図9(a)に示す状態にある。以下に説明するように、上側部金型15a、上パンチ16、下パンチ17a及び可動パンチ17bは、成形工程(ステップS203)の各ステップにおいて図9(a)に示す状態からその位置を変更するが、下側部金型15bはいずれのステップにおいても所定の基準面から移動しない。
以下、下側部金型15bの上面を基準面(以下、「基準面」という)として、成形工程(ステップS203)における上側部金型15a、下側部金型15b、上パンチ16、下パンチ17a及び可動パンチ17bの相対的な動きを説明する。ここで、図9〜図10では、図1(b)におけるB−B線で切断した断面を用いた説明を行うこととする。また、本発明においては、使用する粉末材料の物性により、加圧成型された磁性体部の密度にバラつきを生じることがあることから、平均密度として扱うこととした。
(ステップS301 一次充填)基準面から、下パンチ17a及び可動パンチ17bをそれぞれ所定の位置まで同時に下降させて、下側部金型15b内にキャビティを形成する(図9(a))。ここで、図に示すように、下パンチ17aの移動距離よりも、可動パンチ17bの移動距離の方が大きいため、下パンチ17aと可動パンチ17bは、可動パンチ17bを下方に位置するようにして、互いに段違いの配置になる。
下パンチ17aおよび可動パンチ17bの位置決めが完了すると、所定量の混合磁性粉末20(絶縁処理した磁性粉末、例えば、Si−Fe系の合金粉末にエポキシ樹脂をコーティングすると同時に造粒したものであり、流動性が良好なものが好ましい)を下側部金型15bのキャビティ内に充填する(図9(b))。なお、擦り切り充填を行うため、一次充填量と下側部金型15bのキャビティの容積はほぼ一致することとなる。また、最終的に得たいコイル封入磁性部品の厚さおよびコイル1の巻回数に基づき、下パンチ17a及び可動パンチ17bの位置を予め正確に制御しておく必要がある。
(ステップS302 コイル1挿入)次いで、図9(c)に示すように、下パンチ17a及び可動パンチ17bを、コイル高さ寸法の1/2の分だけ基準面から下方に下降させる。このことにより、充填した磁性粉末の上面もまたコイル高さ寸法の1/2の分だけ基準面から下方に下降することとなる。その後、予め端子電極となるリードフレーム(図示せず)が接続されたコイル1を下側部金型15b内に挿入する。なお、コイル1は上述した手順により予め作製された中空部を有する空芯コイルである。なお、下側部金型15bの上面には、図示しないリードフレームの形状に合わせて彫り込み(溝)が形成されている。ステップS302では、この彫り込みにリードフレームを挿入するようにして、下側部金型15b内にコイル1を配置する。リードフレームは同一平面上となるようにコイル1に接続されているため、例えば下側部金型15bの彫り込みに嵌め合わせて挿入すると、コイル1は斜めになることなく下側部金型15b内に水平に位置するとともに、下パンチ17a及び可動パンチ17bを、コイル高さ寸法の1/2の分だけ基準面から下方に下降させているために、コイル1の下底面は充填された磁性粉末の上面にて互いに接触圧力を発生させない状態にて接触するよう配置される。つまり、上述の制御によって、水平方向を基準として、コイル1を最終的に磁性体部7の中央かつ水平に位置させることができる。
(ステップS303 コイル1の固定およびキャビティ形成)ステップS303においてコイル1を下側部金型15b内に挿入した後、図9(d)に示すように、上側部金型15aを下側部金型15bまで降下させる。この上側部金型15aの降下により、コイル1に接続されたリードフレームは、上側部金型15aおよび下側部金型15bに挟まれて固定される。これにより、コイル1の縦横方向の動きが制御される。また、図9(d)に示したように、上側部金型15aの降下に伴い、コイル1の上面側には、上側部金型15aによる新たなキャビティが形成される。
(ステップS304 二次充填)図9(e)に示すように、ステップS303において新たに形成されたキャビティ内に、所定量の混合磁性粉末20がコイル1の上面を覆うように充填される。二次充填される混合磁性粉末20の充填量は、キャビティ内に既に充填された混合粉末の可動パンチ17bの上面からコイル1の下面までの距離H7と、コイル1の上面から二次充填された混合磁性粉末20の上面までの距離H8が略等しくなるように制御される。このとき、流動性が良好な混合磁性粉末20を使用することによって、容易に上述の充填を達成することが可能となる。このように混合粉末の二次充填量を設定することで、後述するようにコイル封入磁性部品が生成された際に、厚さ方向を基準として、磁性体部7に内在するコイル1を、磁性体部7の中央に正確に配置させることができる。
(ステップS305 上パンチ16降下)ステップS304において充填を終えると、それと略同時に、図10(a)に示すように、上パンチ16が降下する。なお、上パンチ16による加圧が始まる前のキャビティ内に充填された混合磁性粉末20の充填密度は、すべての部位で略等しい状態となっている。
(ステップS306 一次加圧)ステップS305において上パンチ16が降下して混合磁性粉末20におけるR1の部位に圧力を加えると同時に、下パンチ17aが降下する。この際には、上パンチ16の降下する距離と、下パンチ17aの降下する距離が等しくなるように制御される。また、これと略同時に、可動パンチ17bが上昇を開始して、混合磁性粉末20におけるR1の部位に圧力を加える。これにより、上パンチ16および可動パンチ17bに挟まれた混合磁性粉末20の巻回部3に対応する領域R1は、上下方向から等しく加圧され、コイル1の下面と可動パンチ17bの上面との距離と、コイル1の上面と混合磁性粉末の上面との距離が等しくなるように、コイル1の軸方向(厚さ方向)に圧密化される(図10(b))。
図10(a)及び10(b)に示すように、本実施の形態では、上パンチ16の先端と下パンチ17aの上面との距離H9が、等間隔を保つように制御されている。従って、上パンチ16及び下パンチ17aに挟まれた巻回部3に対応しない領域R2の混合磁性粉末20の平均密度Dは変化しない。すなわち、領域R2の磁性粉末20は、コイル1の軸方向に密圧化されることはない。
(ステップS307 二次加圧)ステップS306において、可動パンチ17bが上昇して、巻回部3に対応しない領域R2に充填された混合磁性粉末20の平均密度D2よりも、巻回部3に対応する領域R1に充填された混合磁性粉末20の平均密度D1が高い状態になると、下パンチ17aが上昇を開始して、領域R2の混合磁性粉末20に圧力を加える(図10(c))。また、上パンチ16はさらに下降を続け、下パンチ17aはさらに上昇を続け、領域R1及び領域R2の混合磁性粉末20に圧力を加える。これにより、さらに上下方向から加圧され、上パンチ16および可動パンチ17bに挟まれた巻回部3に対応する領域R1の混合磁性粉末20は、コイル1の軸方向にさらに圧密化される。また、上パンチ16及び下パンチ17aに挟まれた巻回部3に対応しない領域R2の混合磁性粉末20にも、上下方向から圧力が加わり、領域R2の混合磁性粉末20もコイル1の巻軸方向に密圧化される。
また、混合磁性粉末20に圧力を加える際に、下パンチ17aの上面の位置が、可動パンチ17bの上面の位置よりも下方になるように、下パンチ17a及び可動パンチ17bを制御することにより、成型されるコイル封入型磁性部品10の実装面側の底面には、段差hが形成される。すなわち、コイルが内包された領域R1と、コイルが内包されていない領域R2との間に段差が形成される。このように、段差hが形成されることは、磁性体部におけるR1およびR2の各々の領域の平均密度を所望の値とする際に、密度調整の簡略性を実現する手段として有効となる。
一般に、コイル1の巻回部3に対応する領域R1に充填された混合磁性粉末20は、コイル1が存在するため、巻回部3に対応しない領域R2に充填された混合磁性粉末20よりも圧密化されやすいことが知られている。ここで、本実施の形態では、下パンチ17bをコイル1の平面形状と略同一形状とし、巻回部3に対応する領域R1に、巻回部3に対応しない領域R2よりも、より多くの混合磁性粉末20の充填を行っている。これにより、最終的に、巻回部3に対応しない領域R2、具体的にはコイル1の中空部分、さらには、コイル封入型磁性部品の側周部のうち主として端子電極4の接続端部4a,5aが埋設される領域以外の部位の平均密度Dよりも、コイル1の巻回部3に対応する領域R1の平均密度D1をより高くすることできる。
また、本実施の形態では、図10(b)に示すように、一旦巻回部3に対応する領域R1の混合磁性粉末20の平均密度D1が、巻回部3に対応しない領域R2の混合磁性粉末20の平均密度D2よりも高い状態を実現させた後に、図10(c)に示すように、領域R1及び領域R2の混合磁性粉末20全体に圧力を加えるようにしている。従って、確実に巻回部3に対応する領域R1における混合磁性粉末20の平均密度D1が、巻回部3に対応しない領域R2の平均密度D2よりも高い状態を実現することができる。
(ステップS308 抜き出し)ステップS307における加圧成形後、図10(d)に示すように、上側部金型15aおよび上パンチ16を上昇させるとともに、下側部金型15bおよび下パンチ17a及び可動パンチ17bを基準面まで上昇させる。そして、金型から成形体を抜き出し、これにより成形工程の1サイクルが終了する。また、ステップS308における抜き出しの際には、上側部金型15aおよび上パンチ16についても元の位置まで上昇させ、下パンチ17a及び可動パンチ17bを元の位置まで下降させることによって、金型は、図9(a)に示した状態に復帰する(図10(e))。
以上のステップS301〜ステップS308に示した工程を経ることにより小型の成形体を得ることができる。なお、下側部金型15bの上面を基準面として、金型の動作を説明したが、金型が相対的に同様の動きをするのであれば基準面は上述したものに限定されるものではない。
さて、図7に示したステップS203における成形工程の後、加熱硬化工程に進む(ステップS204)。加熱硬化工程では、成形工程(ステップS203)で得られた成形体を所定温度の下で所定時間保持する。これにより、成形体中の樹脂が硬化する。加熱硬化工程後、防錆処理工程に進む(ステップS205)。防錆処理は、例えば特定の原料からなる防錆処理液に成型体を含侵処理することによって行う。
次に、リードフレームを切断して端子電極4,5の実装端部4c,5cを形成するリードフレームの切断工程に進む(ステップS206)。さらに、ステップS207の端子電極の折り曲げ加工工程において、ステップS206のリードフレーム工程で形成された実装端部4c、5cを磁性体部7に沿うように折り曲げ加工する。最後に、外観・特性検査工程(ステップS208)において、ステップS207で形成されたコイル封入型磁性部品10の外観や特性のチェックを行い、コイル封入型磁性部品を完成させる。
なお、本発明に係るコイル封入型磁性部品は、上述の各形態に限定されるものではなく、その他材料、構成等において本発明の構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能であることはいうまでもない。
本実施の形態に係るコイル封入型磁性部品10の製造方法によれば、コイル1の巻回部3に対応する領域R1において、コイル1の巻回部3が有するバネ性による応力が影響する磁性体部7の強度を確保することができる。これにより、磁性体部7内でコイル1を圧縮保持することを可能とし、磁性体部7のコイルの巻回部3に対応する領域に発生するクラックを抑制できるコイル封入型磁性部品10を製造することができる。また、磁性体部7の内に形成される磁路lが通過する部分のうち、磁性体部7の断面積が小さくなる部位の磁性体粉の平均密度Dを、その他の部位よりも局部的に高密度にすることにより、コイル1の最大飽和磁束密度Bmを向上させ、直流重畳特性の低下を防ぐことができるコイル封入型磁性部品10を得ることができる。
本実施の形態に係るコイル封入型磁性部品10の製造方法によれば、下パンチ17bをコイル1の平面形状と略同一形状とし、巻回部3に対応する領域R1には、巻回部3に対応しない領域R2よりも多くの混合磁性粉末20を充填した上で加圧するので、磁性体部7の各領域における平均密度Dを確実に異ならせることができる。
また、本実施の形態に係るコイル封入型磁性部品10の製造方法によれば、巻回部3に対応する領域R1に充填される磁性粉末の量を正確に制御するので、封入されるコイル1を磁性体部7の中央に正確に位置させることができる。これにより、巻軸方向を基準として、コイル1が偏ることを防ぐことができ、磁性体部7内に局部的に磁気飽和が生じることを抑えることができる。従って、このような製造方法により成型されたコイル封入型磁性部品10によれば、大きなインダクタンス値を得ることができるとともに、インダクタンス値のばらつきを大幅に低減して所望のインダクタンス値を得ることができる。
さらに、本実施の形態に係るコイル封入型磁性部品10の製造方法によれば、巻回部3に対応する領域R1と、巻回部3に対応しない領域R2との間に段差hを設けるので、領域間で平均密度の差が大きいコイル封入型磁性部品を容易に得ることができる。さらには、基板に対する装着性に優れたコイル封入型磁性部品を得ることができる。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係るコイル封入型磁性部品の斜視図である。また、図1(b)は、本発明の一実施形態に係るコイル封入型磁性部品の内部の様子を示した斜視図である。 図2(a)は、図1(a)中に示したA−A線で切断した際のコイル封入型磁性部品の断面図である。また、図2(b)は、図1(a)中に示したB−B線で切断した際のコイル封入型磁性部品の断面図である。 図3は、本実施の形態に係るコイル封入型磁性部品に使用する端子電極の斜視図である。 図4は、本実施の形態に係るコイル封入型磁性部品の底面図である。 図5は、その他の実施の形態に係るコイル封入型磁性部品の底面図である。 図6は、本実施の形態におけるコイル・端子電極の製造工程を示すフローチャートである。 図7は、本実施の形態におけるコイル封入型磁性部品の製造工程を示すフローチャートである。 図8は、図7のステップS203における成型工程の各ステップを示すフローチャートである。 図9は、図7のステップS203における成型工程を説明するための図である。 図10は、図7のステップS203における成型工程を説明するための図である。
符号の説明
1・・コイル、2・・導体、3・・巻回部、4,5・・端子電極、4a、5a・・接続端部、4b、5b・・折曲部、4c,5c・・実装端部、7・・磁性体部、10・・コイル封入型磁性部品、15a・・上側部金型、15b・・下側部金型、16・・上パンチ、17・・下パンチ、17a・・可動パンチ、20・・混合磁性粉末、R1・・コイルが内包された領域、R2・・コイルが内包されていない領域h・・段差、H・・高さ、S・・断面積、D・・平均密度、Φ・・磁束、l・・磁路

Claims (3)

  1. 空芯コイルと、前記コイルを内包する磁性体粉末と樹脂の混合物からなる磁性体部を備えたコイル封入型磁性部品であって、
    前記磁性体部は、前記コイルが内包された領域と、前記コイルが内包されていない領域とを有しており、
    前記磁性体部のコイルが内包された領域に位置する圧粉体の平均密度をD1とし、
    前記磁性体部のコイルが内包されていない領域に位置する圧粉体の平均密度をD2としたときに
    D1>D2
    の関係であること
    を特徴とするコイル封入型磁性部品。
  2. 前記磁性体部は、前記コイルが内包された領域と前記コイルが内包されていない領域との境界部に段差を有していること
    を特徴とする請求項1に記載のコイル封入型磁性部品。
  3. 空芯コイルと、前記コイルを内包する磁性体粉末と樹脂の混合物からなる磁性体部を備えたコイル封入型磁性部品を製造する方法であって、
    前記コイルを覆うように前記磁性体粉末を充填する工程(a)と、
    前記コイルを覆う磁性体粉末を前記コイルの軸方向に圧密化する工程(b)と、を備え、
    前記工程(a)は、前記コイルが内包された領域に充填される前記磁性体粉末の量が、前記コイルが内包されていない領域に充填される前記磁性体粉末の量よりも多くなるように、前記磁性体粉末を充填し、
    前記磁性体部の前記コイルが内包された領域に位置する圧粉体の平均密度をD1とし、
    前記磁性体部の前記コイルが内包されていない領域に位置する圧粉体の平均密度をD2としたときに
    D1>D2
    の関係となるようにすること
    を特徴とするコイル封入型磁性部品の製造方法。
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