JP2007072315A - 重唱曲における模範歌唱の再生制御に特徴を有するカラオケ装置 - Google Patents

重唱曲における模範歌唱の再生制御に特徴を有するカラオケ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 重唱曲において歌唱者がどの声部を歌っているかを判定し、その声部に対応する模範ボーカルの音量を制御することで、歌唱者の歌声を他の声部の模範ボーカルと程よく混合することができるカラオケ装置を提供する。
【解決手段】 記憶手段と、カラオケ再生手段と、制御手段を備えたカラオケ装置である。記憶手段は、複数声部の模範歌唱データを含む重唱曲のカラオケ楽曲データを記憶し、カラオケ再生手段は、模範歌唱データを再生する歌唱再生手段を含み、歌唱再生手段は、制御手段からの指示に従い、模範歌唱データの声部ごとに再生音量を制御し、制御手段は、カラオケ再生手段に重唱曲のカラオケ楽曲データを再生させる際、歌声信号が複数の声部のどの声部に近似しているかを判定する声部判定処理と、判定した声部の再生音量を小さくさせるように歌唱再生手段に指示する音量制御処理を行う。
【選択図】 図1

Description

この発明は、重唱曲を歌唱する際、模範歌唱の再生音量を自動制御するカラオケ装置に関し、特に、歌唱者が歌っているパートを自動的に弁別して音量制御する技術に関する。
カラオケ装置の付帯機能として、模範歌唱者(プロあるいはセミプロのボーカリスト)が歌唱した模範ボーカルの録音音声を再生出力するガイドボーカル機能が知られている。この機能は、歌唱者が伴奏音楽について行けなくて歌唱が途絶えないように模範ボーカルを音声出力するもので、歌唱者が自然と歌についていけるようにアシストしたり、歌唱者が無言になったときの違和感を同伴者に与えないようにしたりすることを目的としたものである。模範歌唱者による歌唱音声の録音データ(例えば、ADPCM形式やMP3形式など)をカラオケ楽曲に対応付けして用意しておく。そして、カラオケ楽曲の演奏と同期してその録音データを再生処理し、マイクロホンからの歌唱音声とカラオケ伴奏音楽と模範ボーカルとを混合して音響出力するものである。
この模範ボーカルの音量制御に関しては数々の特許出願がなされている。例えば、歌い出しのタイミングが遅れた場合は余計な模範ボーカル音声が出力されないようにする技術(特許文献1)や、歌唱者の歌唱レベルに応じて模範ボーカルの音響出力をする技術(特願2004−55218号)などである。
特開2005−148627号公報
ポリフォニックな重唱曲をカラオケで歌唱する際、歌唱者が好みのパートを歌い、残りのパートが模範歌唱として再生されれば、歌う人だけでなく聞く人にとっても心地良い。 この発明の目的は、重唱曲において歌唱者がどの声部を歌っているかを判定し、その声部に対応する模範ボーカルの音量を制御することで、歌唱者の歌声を他の声部の模範ボーカルと程よく混合することができるカラオケ装置を提供することにある。
第1の発明に係るカラオケ装置は、次の事項(1)〜(7)により特定されるものである。
(1)記憶手段と、カラオケ再生手段と、制御手段を備えたカラオケ装置であること
(2)記憶手段は、複数声部の模範歌唱データを含む重唱曲のカラオケ楽曲データを記憶すること、
(3)カラオケ再生手段は、模範歌唱データを再生する歌唱再生手段を含むこと、
(4)歌唱再生手段は、制御手段からの指示に従い、模範歌唱データの声部ごとに再生音量を制御すること、
(5)制御手段は、カラオケ再生手段に重唱曲のカラオケ楽曲データを再生させる際、声部判定処理と、音量制御処理を行うこと、
(6)声部判定処理は、マイクロホンからの歌声信号をサンプリングするとともにカラオケ楽曲データと対比し、歌声信号が複数の声部のどの声部に近似しているか判定すること、
(7)音声制御処理は、複数の声部の模範歌唱データのうち、声部判定処理にて近似していると判定した声部の再生音量を小さくさせるように歌唱再生手段に指示すること
第2の発明に係るカラオケ装置において、声部判定処理は、一番近似していると判定した声部が所定の相似度に達していない場合は、近似している声部がないと判定する構成を採用できる。
第1または2の発明において望ましくは、音声制御処理は、所定の期間は以前の声部の再生音量を小さくさせるように歌唱再生手段に指示する構成を採用できる。
お客さんが重唱曲をカラオケで歌う際、自分の好みのパートを歌うだけで、重唱曲の他の各パートの歌声と程よく調和し、ハーモニー効果を得ることが可能となる。
===楽曲データの構成===
図1に示すように、楽曲データは、MIDI形式の伴奏音楽データと、MP3形式の模範歌唱データと、模範歌唱データに対応したMIDI形式の歌唱旋律データと、歌詞字幕データとを含んでおり、これらのデータは楽曲の演奏時間軸に従って同期する時系列データとして構成されている。
この発明の対象となる重唱曲においては、模範歌唱データと歌唱旋律データは、複数の声部のデータの集合である。各声部の模範歌唱データは、それぞれ独立したチャネルで録音されたもので、後述するように、各声部の模範歌唱の再生音量を独立して加減することができるデータ構成となっている。
===楽曲の演奏処理===
カラオケ装置のメインコンピュータ(図示省略)において、リクエスト曲の楽曲データがハードディスク装置1からRAM2に読み出され、シーケンサ3(メインコンピュータのソフトウエア機能)が主体となってRAM2上の楽曲データを下記(a)〜(d)のように演奏処理する。
(a)MIDI形式の伴奏音楽データを、演奏時間軸に従って順次シンセサイザー4に供給する。これによってシンセサイザー4から伴奏音楽の音声信号が出力され、ミキシングアンプ5を経てスピーカー6から放音される。ミキシングアンプ5には、マイクロホン7からの歌声信号も入力され、伴奏音楽とともにスピーカー6から放音される。
(b)各声部のMP3形式の模範歌唱データを、演奏時間軸に従って順次MP3デコーダ8に供給する。これによってMP3デコーダ8の各チャネルから各声部の模範歌唱の音声信号が出力され、多チャンネルアンプ9およびミキシングアンプ5を経てスピーカー6から放音される。
(c)演奏時間軸に従って歌詞字幕データを処理し、色変わりする歌詞字幕映像をディスプレイに表示させる(図示省略)。
(d)各声部のMIDI形式の歌唱旋律データを、演奏時間軸に従って順次模範歌唱コントローラ10に供給する。コントローラ10には、マイクロホン7からの歌声信号も入力される。コントローラ10は、歌唱旋律データと歌声信号とを後述のように比較し、その比較結果に基づいて多チャンネルアンプ9の各チャンネルゲインを個別に制御する。
===模範歌唱コントローラ10===
図2に示すのは、模範歌唱コントローラ10の機能的ブロック構成である。コントローラ10は、カラオケ装置のメインコンピュータのソフトウエア機能として具現化することもできるし、専用のDSP(デジタル信号プロセッサ)を用いて実現することもできる。コントローラ10が行うべき情報処理は、つぎの通りである。
(e)ピッチ検出部11は、マイクロホン7からの歌声信号のピッチを逐次検出し、MIDI形式の歌唱旋律データと比較するのに便利な形式のデジタルデータ(歌声ピッチ)を生成し、ピッチ比較部12に入力する。
(f)ピッチ比較部12は、シーケンサ3から順次供給される各声部の歌唱旋律データと歌声ピッチとを各声部ごとに比較し、歌唱旋律データのピッチ推移と歌声ピッチのピッチ推移の時間的相似性に相関したピッチ相似度データを各声部ごとに逐次生成し、これらデータを声部判定部13に入力する。
(g)声部判定部13は、ピッチ比較部12から入力される各声部ごとのピッチ相似度データを相互比較するとともに、それらの推移を監視比較し、歌声ピッチの推移と一番相似性の高い声部を判定する。
(h)声部判定部13は、判定声部を記憶しておき、一時的に判定不能になっても、それまでの判定声部を引き継ぐ。また一時的に判定不能になった後、それまでの判定声部と異なる声部について一番相似性が高いという判定結果がでても、すぐには判定声部を変更せず、適宜な時間はそれまでの判定声部を引き継ぐ。このようにして、歌唱者がどの声部を歌っているのかの判定を短時間でバタバタと代えることがないアルゴリズムを採用している。
(i)声部判定部13は、歌唱者がどの声部を歌っているのかの判定をしたならば、多チャンネルアンプ9における判定声部の増幅を受け持っている1つのチャンネルのゲインを所定値まで下げる。
===判定処理の補足===
(j)声部判定部13において、一番相似性の高い声部が所定の相似度(例えば、60%くらい)を満たさない場合は、該当声部がないと判定する。さらに、比較対象の声部が一つしかない場合、すなわち重唱曲中の独唱楽区においては、歌声ピッチの入力があれば、歌唱者がその独唱声部を歌っていると判定する。但し、その歌声ピッチ推移の相似性が所定の相似度(例えば、50%くらい)を満たさない場合は、該当声部がないものとする。
(k)一番始めの歌い出しの部分に関しては、即座に判定処理し、該当する声部のチャンネルのゲインを下げる構成を採用する。若しくは、予めよく歌われる声部の音量を下げておくようにプリセットしておくような構成を採用してもよい。さらに、歌唱者が既に決めている好みの声部を歌いたい場合は、楽曲選択後に、カラオケ装置に対して通知することでその声部の音量を下げるようにプリセットする構成を採用してもよい。
本発明の一実施例におけるシステム構成例を示した図である。 本発明の一実施例における模範歌唱コントローラのブロック構成図である。
符号の説明
1 ハードディスク装置
7 マイクロホン
9 多チャンネルアンプ
10 模範歌唱コントローラ

Claims (3)

  1. 記憶手段と、カラオケ再生手段と、制御手段を備えたカラオケ装置であって、
    記憶手段は、複数声部の模範歌唱データを含む重唱曲のカラオケ楽曲データを記憶し、
    カラオケ再生手段は、模範歌唱データを再生する歌唱再生手段を含み、
    歌唱再生手段は、制御手段からの指示に従い、模範歌唱データの声部ごとに再生音量を制御し、
    制御手段は、カラオケ再生手段に重唱曲のカラオケ楽曲データを再生させる際、声部判定処理と、音量制御処理を行い、
    声部判定処理は、マイクロホンからの歌声信号をサンプリングするとともにカラオケ楽曲データと対比し、歌声信号が複数の声部のどの声部に近似しているか判定し、
    音声制御処理は、複数の声部の模範歌唱データのうち、声部判定処理にて近似していると判定した声部の再生音量を小さくさせるように歌唱再生手段に指示する
    カラオケ装置。
  2. 声部判定処理は、一番近似していると判定した声部が所定の相似度に達していない場合は、近似している声部がないと判定する
    請求項1に記載のカラオケ装置。
  3. 音声制御処理は、所定の期間は以前の声部の再生音量を小さくさせるように歌唱再生手段に指示する
    請求項1または2に記載のカラオケ装置。
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