JP2007071306A - デファレンシャルハウジング - Google Patents
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Abstract
【課題】デファレンシャルギヤ及びデファレンシャルハウジングを備えるデファレンシャル装置を極力軽量なものとしつつ、その騒音・振動の発生を抑制するとともに耐久性を向上させることのできるデファレンシャルハウジングを提供する。
【解決手段】デファレンシャルギヤを収容かつ支持するデファレンシャルハウジング11を、線膨張係数の異なる複数の構造体12,13で構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】デファレンシャルギヤを収容かつ支持するデファレンシャルハウジング11を、線膨張係数の異なる複数の構造体12,13で構成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、デファレンシャルギヤを収容かつ支持するデファレンシャルハウジングに関する。
従来、こうしたデファレンシャルギヤ及びデファレンシャルハウジングを備えるものとして、例えば特許文献1に示すような、自動車の左右駆動輪の差動を許容する装置が知られている。このデファレンシャルギヤはエンジン側に連結されるピニオンギヤと、同ギヤと噛合し左右駆動輪側と連結されるリングギヤとを備えている。
また、例えば特許文献2にも見られるように、近年ではこうした装置の軽量化を目的として、デファレンシャルハウジングの材料を従来の鋳鉄からアルミニウム系あるいはマグネシウム系などの比較的軽量なものに転換するといったことが進められている。
特開2004−218749号公報
特開平7−280069号公報
しかしながら、こうしたアルミニウム系材料やマグネシウム系材料をはじめとする軽量非鉄金属材は一般に線膨張係数が高く、温度変化に対する寸法変化が大きい。
したがって、こうした材料を用いた場合には、温度変化に伴う寸法変化すなわち熱膨張収縮によってデファレンシャルギヤのピニオンギヤとリングギヤとの位置関係が変化しやすくなり、これらギヤのバックラッシの大きさに変化が生じやすくなる。そしてその結果、デファレンシャルギヤにおいて騒音や振動が発生しやすくなったり、ピニオンギヤとリングギヤとの間の動力伝達状態に変動が生じやすくなったりする。
したがって、こうした材料を用いた場合には、温度変化に伴う寸法変化すなわち熱膨張収縮によってデファレンシャルギヤのピニオンギヤとリングギヤとの位置関係が変化しやすくなり、これらギヤのバックラッシの大きさに変化が生じやすくなる。そしてその結果、デファレンシャルギヤにおいて騒音や振動が発生しやすくなったり、ピニオンギヤとリングギヤとの間の動力伝達状態に変動が生じやすくなったりする。
また、上記熱膨張収縮によって、特にリングギヤの両端側を支持する軸受同士の距離が変化しやすくなり、該軸受の予荷重に変化が生じやすくなる。この場合、例えば上記軸受同士の距離が大きくなると予荷重が低下して当該軸受において騒音や振動が発生しやすくなる。また逆に上記距離が小さくなると予荷重が増大してギヤの焼き付きなどが生じやすくなる。すなわち、その結果、デファレンシャルギヤや軸受の耐久性が低下しやすくなる。
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、デファレンシャルギヤ及びデファレンシャルハウジングを備えるデファレンシャル装置を極力軽量なものとしつつ、その騒音・振動の発生を抑制するとともに耐久性を向上させることのできるデファレンシャルハウジングを提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
先ず、請求項1に係る発明は、デファレンシャルギヤを収容かつ支持するデファレンシャルハウジングであって、線膨張係数の異なる複数の構造体からなることをその要旨とする。
先ず、請求項1に係る発明は、デファレンシャルギヤを収容かつ支持するデファレンシャルハウジングであって、線膨張係数の異なる複数の構造体からなることをその要旨とする。
同構成によれば、例えば、デファレンシャルハウジングの構造体を全て線膨張係数の高いものとした場合と比較して、これより線膨張係数の低い構造体によってデファレンシャルハウジングの熱膨張収縮が抑制されるようになる。したがって、デファレンシャルギヤを構成するリングギヤ及びこれに噛合するピニオンギヤのバックラッシの増減が抑えられ、騒音・振動の発生やデファレンシャルギヤの回転抵抗の増大が抑制されるようになり、同ギヤの耐久性の低下が抑えられるようになる。また、ピニオンギヤやリングギヤを支持する軸受の予荷重の増減が抑制され、該軸受の耐久性の低下が抑えられるようにもなる。
また、同構成によれば、例えば、デファレンシャルハウジングの構造体を全て線膨張係数の低いものとした場合と比較して、デファレンシャルハウジングの軽量化を図ることができるようになる。
なお、ここで言う「構造体」は、デファレンシャルハウジングにおいてデファレンシャルギヤの収容空間を区画する壁等の区画部材を指しており、これらを固定するために用いられるボルト等の接続部材やシール部材等を含まない。
なお、こうした構造体の配置態様としては、例えば請求項2記載の発明によるように、前記デファレンシャルヤを構成するリングギヤを支持するリングギヤ支持部と、前記リングギヤと噛合するピニオンギヤを支持するピニオンギヤ支持部との間の部分を、前記構造体のうち線膨張係数の低いもので構成する、といったものを採用することができる。この場合、例えば、リングギヤ支持部とピニオンギヤ支持部との間の部分の全てを線膨張係数の高い構造体で構成した場合と比較して、当該部分の熱膨張収縮が抑制されることからリングギヤ及びピニオンギヤのバックラッシの増減が好適に抑制されるようになる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記リングギヤの軸線方向に見た状態で、前記線膨張係数の低い構造体を前記リングギヤ支持部から前記ピニオンギヤ支持部に亘って配置することをその要旨とする。
同構成によれば、リングギヤ支持部とピニオンギヤ支持部との間の部分が連続して線膨張係数の低い構造体となることから、例えば、線膨張係数の低い構造体をリングギヤ支持部とピニオンギヤ支持部との間において断続的に配置した場合と比較して、リングギヤ支持部とピニオンギヤ支持部との間の部分の熱膨張収縮がより好適に抑制される。したがって、リングギヤ及びピニオンギヤのバックラッシの増減が更に好適に抑制されるようになる。
また、上記構造体の配置態様としては、例えば請求項4記載の発明によるように、前記デファレンシャルギヤを構成するリングギヤを支持するリングギヤ支持部同士の間の部分を、前記構造体のうち線膨張係数の低いもので構成する、といったものを採用することができる。この場合、例えば、リングギヤ支持部同士の間の部分の全てを線膨張係数の高い構造体で構成した場合と比較して、当該部分の熱膨張収縮が抑制されることからリングギヤを支持する軸受の予荷重の増減が好適に抑制されるようになる。
請求項5記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項に記載の発明において、前記リングギヤ支持部を前記線膨張係数の低い構造体で構成することをその要旨とする。
同構成によれば、リングギヤ支持部とピニオンギヤ支持部との間の部分、及びリングギヤ支持部同士の間の部分の双方をともに線膨張係数の低い構造体で構成することができるようになる。したがって、例えばこれらの各部分に線膨張係数の低い構造体を別個に配置した場合と比較して部品点数を低減することができる。
同構成によれば、リングギヤ支持部とピニオンギヤ支持部との間の部分、及びリングギヤ支持部同士の間の部分の双方をともに線膨張係数の低い構造体で構成することができるようになる。したがって、例えばこれらの各部分に線膨張係数の低い構造体を別個に配置した場合と比較して部品点数を低減することができる。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、前記デファレンシャルギヤは、軸線が左右方向に沿って延在するリングギヤと、同リングギヤと噛合し軸線が前後方向に沿って延在するピニオンギヤとを有してなることをその要旨とする。
ここで、例えば、リングギヤの軸線とピニオンギヤの軸線とが平行な態様では、デファレンシャルハウジングの熱膨張収縮によってリングギヤとピニオンギヤとが上記軸線の方向に相対変位したとしても、これによって両ギヤのバックラッシが増減することはほとんどない。これに対し、本請求項6記載の構成のように両ギヤの軸線方向が異なる態様では、これらギヤがいずれの方向に相対変位した場合であってもこれに伴いバックラッシは増減しやすくなる。したがって、本請求項6記載の構成にあっては、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明により得られる作用効果が特に有用に働くこととなる。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記リングギヤの軸線と前記ピニオンギヤの軸線とが上下方向にオフセットされていることをその要旨とする。
こうした態様においては、例えば上記のようにオフセットされていない態様と比較して、デファレンシャルハウジングの熱膨張収縮によってリングギヤとピニオンギヤとが上下方向に相対変位しやすくなる。したがって、本請求項7記載の構成にあっては、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明により得られる作用効果が更に有用に働くこととなる。
こうした態様においては、例えば上記のようにオフセットされていない態様と比較して、デファレンシャルハウジングの熱膨張収縮によってリングギヤとピニオンギヤとが上下方向に相対変位しやすくなる。したがって、本請求項7記載の構成にあっては、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明により得られる作用効果が更に有用に働くこととなる。
請求項8記載の発明は、請求項6又は7記載の発明において、当該デファレンシャルハウジングは左右方向に分割された二つの構造体からなることをその要旨とする。
同構成によれば、特に前後方向及び上下方向について好適にデファレンシャルハウジングの熱膨張収縮を抑制することができる。
同構成によれば、特に前後方向及び上下方向について好適にデファレンシャルハウジングの熱膨張収縮を抑制することができる。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記二つの構造体は体積が異なっており、これら構造体は体積の小さいものが線膨張係数の低い材料で形成されることをその要旨とする。
同構成によれば、線膨張係数の低い材料が用いられることによる重量の増大を極力抑えつつ、デファレンシャルハウジングの熱膨張収縮を好適に抑制することができるようになる。
以下、本発明の一実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。これら図1及び図2は、本発明のデファレンシャルハウジング11を有する自動車用リヤデファレンシャル装置(終減速装置)10を示すものであり、図1はこれを上方より見た状態の断面図、図2はこれを左方から見た側面図である。なお以下では図1の上側を上記自動車及びリヤデファレンシャル装置10の前方とし、同じく下側を後方として説明する。また、図2の左側を上記前方とし、同じく右側を後方として説明する。
本実施形態においては、リヤデファレンシャル装置10のハウジングすなわちデファレンシャルハウジング11が左右方向に分割された二つの構造体12,13からなるものとして構成されている。これらのうち右側に配置される第一構造体12はデファレンシャルギヤのほぼ全体を収容する内部空間を有するいわばデファレンシャルハウジング11の本体部分をなすものである。第一構造体12の左側面にはデファレンシャルギヤを同構造体12内に挿入するための開口14が形成されている。
もう一方の第二構造体13は第一構造体12の開口14を塞ぐべく同構造体12に取着固定される略円板状の蓋に相当し、その体積(構成材料の体積)は第一構造体12と比較して小さいものとなっている。第二構造体13は第一構造体12の左側面に設定された取付面15に対して環状の周縁部16が複数のボルト17によって固定されてなる。
なお第一構造体12の取付面15は開口14の全周に亘り同一の平面となるように形成されており、これと接合される第二構造体13の周縁部16の面もその全周に亘り同様に同一平面となるように形成されている。第二構造体13は周縁部16よりも中心側の部分が該周縁部16よりも左方に膨出した形状となっている。
第一構造体12の前部は略円筒状を呈しており、その外周側には本装置10を自動車のシャシー側に固定するための連結部18,19が設けられている。また、第一構造体12の後部にも同様にこうした連結部20,21が設けられている。
第一構造体12における上述の前部には、エンジン側からの回転動力が伝達される入力シャフト24が回転可能に支持されている。入力シャフト24は上記動力の入力側となる前端がデファレンシャルハウジング11外に突出するように配設されており、当該前端にはエンジン側から延びる図示しないプロペラシャフトと連結されるカップリング部材25が固定されている。カップリング部材25の外周側は環状のシール部材32によって封止されている。また、第一構造体12内に位置する入力シャフト24の後端にはデファレンシャルギヤを構成するピニオンギヤ26が設けられている。
入力シャフト24は一対の円錐ころ軸受27,28を介して支持されている。すなわち、第一構造体12においてこれら円錐ころ軸受27,28の嵌合される軸受取付部29,30は、デファレンシャルハウジング11においてピニオンギヤ26を支持するピニオンギヤ支持部を構成する。入力シャフト24の軸線すなわちピニオンギヤ26の軸線Lpは本装置10の前後方向に沿って延在する。
両円錐ころ軸受27,28のうち前側の円錐ころ軸受27はそのインナレースの前端面がカップリング部材25の後端面と当接している。また、後側の円錐ころ軸受28はそのインナレースの後端面がピニオンギヤ26の基端部分の前端面と当接している。本実施形態では、入力シャフト24の前端に形成された雄ねじに螺合されたナット33の締め付け度合を調節することによりカップリング部材25とピニオンギヤ26との距離すなわち両軸受27,28のインナレース同士の距離が調節されるようになっている。これにより、両軸受27,28の予荷重の調節がなされるようになっている。
なお、第二構造体13は、前後方向に関して第一構造体12の後側軸受取付部30から後端の連結部20までに亘って延在するように設けられており、上下方向に関しては第一構造体12の上端から下端までのほぼ全体に亘って延在するように設けられている。
第一構造体12の後半部にはピニオンギヤ26に噛合されて同ギヤ26により回転駆動されるリングギヤ35が収容されている。リングギヤ35はピニオンギヤ26とともにデファレンシャルギヤを構成するものである。
リングギヤ35は、デファレンシャルハウジング11において回転可能に支持されるデフケース36の外周部にボルト固定されている。リングギヤ35は軸線Lrが左右方向に延在するように(本実施形態では上下方向に見た状態でピニオンギヤ26の軸線Lpとなす角度が直角となるように)配置されている。
なお、本実施形態においてはピニオンギヤ26及びリングギヤ35がハイポイドギヤとされており、ピニオンギヤ26はその軸線Lpがリングギヤ35の軸線Lrよりも下方に位置するようにオフセットされている。
デフケース36はその左端が左側円錐ころ軸受37を介して第二構造体13に支持され、右端が右側円錐ころ軸受38を介して第一構造体12に支持されている。
左側円錐ころ軸受37は第二構造体13の中心部分の挿通孔39に設定される左側軸受取付部40に嵌合されており、そのアウタレースは環状のシム45を介して第二構造体13の内面(右面)と当接されている。また、右側円錐ころ軸受38は第一構造体12の右側部分に形成された挿通孔41に設定される右側軸受取付部42に嵌合されており、そのアウタレースは上記同様に環状のシム46を介して第一構造体12の内面(左面)と当接されている。
左側円錐ころ軸受37は第二構造体13の中心部分の挿通孔39に設定される左側軸受取付部40に嵌合されており、そのアウタレースは環状のシム45を介して第二構造体13の内面(右面)と当接されている。また、右側円錐ころ軸受38は第一構造体12の右側部分に形成された挿通孔41に設定される右側軸受取付部42に嵌合されており、そのアウタレースは上記同様に環状のシム46を介して第一構造体12の内面(左面)と当接されている。
これら両円錐ころ軸受37,38においては、両アウタレース同士の距離が本装置10の組立時におけるシム45,46の厚さ選択に基づき調節される。すなわち、厚さの異なる複数のシム45,46のなかから適切な厚さのものを選択し、これをデファレンシャルハウジング11への各軸受37,38の組付け作業時に採用することで上記の調節が行われる。
そしてこの両アウタレース同士の距離の調節に基づいて両軸受37,38の予荷重が調節される。
また、この距離の調節に基づいてリングギヤ35の左右位置の調節が併せ行われる。このリングギヤ35の左右位置の調節によって、ピニオンギヤ26とリングギヤ35との歯当たり具合、すなわちバックラッシの大きさが調節されることとなる。
また、この距離の調節に基づいてリングギヤ35の左右位置の調節が併せ行われる。このリングギヤ35の左右位置の調節によって、ピニオンギヤ26とリングギヤ35との歯当たり具合、すなわちバックラッシの大きさが調節されることとなる。
両軸受37,38におけるアウタレース同士の距離が短めに設定されるほど予荷重は大きくなり、逆に該距離が長めに設定されるほど予荷重は小さくなる。また、リングギヤ35の左右位置が左方に設定されるほど両ギヤ26,35のバックラッシは大きくなり、逆に該左右位置が右方に設定されるほどバックラッシは小さくなる。
なお、第二構造体13において左側円錐ころ軸受37の嵌合される左側軸受取付部40、及び第一構造体12において右側円錐ころ軸受38の嵌合される右側軸受取付部42は、デファレンシャルハウジング11においてリングギヤ35を支持するリングギヤ支持部を構成する。
デフケース36には、その左右部分に突設された円筒状部36a,36bを介して、軸線Lrを中心に回転可能なドライブシャフト51,52が挿入されている。各ドライブシャフト51,52は各円筒状部36a,36b内周面を滑り軸受面として支持されている。各ドライブシャフト51,52の外周側は環状シール部材53,54によって封止されている。
デフケース36内部において各ドライブシャフト51,52の先端にはドリブンギヤ55,56が固定されている。デフケース36には両ドリブンギヤ55,56間の空間において軸線Lrと直交する方向に延在するように支軸57が固定されており、この支軸57に回転可能に支持された二つのピニオンギヤ58が両ドリブンギヤ55,56の双方に噛合されている。
こうした構成によりリヤデファレンシャル装置10においては、入力シャフト24にエンジンからの回転動力が伝達されると、ピニオンギヤ26の回転に伴ってリングギヤ35すなわちデフケース36が回転駆動される。そしてこの回転が支軸57を介して各ギヤ55,56,58に伝達されることで各ドライブシャフト51,52、ひいては自動車の駆動輪が回転駆動されるようになる。また、各ピニオンギヤ58の支軸57周りの回転に基づき両ドリブンギヤ55,56、すなわち両ドライブシャフト51,52の差動が許容されるようになる。
本実施形態においては、機械的強度の確保等を目的として、入力シャフト24やリングギヤ35、デフケース36等、デファレンシャルギヤの構成部材を鉄系材料にて形成している。また、各軸受27,28,37,38についてもこれを鉄系材料にて形成している。
一方、デファレンシャルハウジング11を構成する第一構造体12については、軽量化等を目的として、これをアルミニウム系あるいはマグネシウム系の材料にて形成している。
ところで、こうしたアルミニウム系材料やマグネシウム系材料をはじめとする軽量非鉄金属材料は一般に鉄系材料等と比較して線膨張係数が高く、温度変化に対する寸法変化が大きい。
したがって、こうした線膨張係数の高い材料を用いた場合には、温度変化に伴う寸法変化すなわち熱膨張収縮によってデファレンシャルギヤのピニオンギヤ26とリングギヤ35との位置関係が変化しやすくなり、これらギヤ26,35のバックラッシの大きさに変化が生じやすくなる。そしてその結果、デファレンシャルギヤにおいて騒音や振動が発生しやすくなったり、ピニオンギヤ26とリングギヤ35との間の動力伝達状態に変動が生じやすくなったりする。
図3は、デファレンシャルハウジング11の温度と、ピニオンギヤ26及びリングギヤ35のバックラッシとの関係を実験的に求めたものを示している。ここでは、デファレンシャルハウジング11の全体が仮にアルミニウム系材料のみで構成されるものとした場合の特性と、同じくデファレンシャルハウジング11の全体が仮に鉄系材料のみで構成されるものとした場合の特性とを示している。
これら各特性線からもわかるように、いずれの材料を用いた場合であっても、温度上昇に伴って上記バックラッシが増大する傾向を示すことに変わりはない。しかし、同じ温度上昇量に対するバックラッシ増大量は、アルミニウム系材料を用いた場合の方が大きくなっている。すなわち、このように、アルミニウム系材料のように線膨張係数の比較的高い材料を用いた場合には、熱膨張収縮に起因する上記バックラッシの変化度合が大きくなる。
また、上記熱膨張収縮によって、特にリングギヤ35をその両端側で支持する円錐ころ軸受37,38同士の距離が変化しやすくなり、該軸受37,38の予荷重に変化が生じやすくなる。この場合、例えば上記軸受37,38同士の距離が大きくなると予荷重が低下して当該軸受37,38において騒音や振動が発生しやすくなる。また逆に上記距離が小さくなると予荷重が増大してギヤ26,35の焼き付きなどが生じやすくなる。すなわち、その結果、デファレンシャルギヤや軸受37,38の耐久性が低下しやすくなる。
そこで本実施形態では、デファレンシャルハウジング11を構成する第二構造体13を、第一構造体12とは異なり、鉄系材料にて形成するようにしている。上述のように鉄系材料は線膨張係数がアルミニウム系材料やマグネシウム系材料などの軽量非鉄金属材料より低いため、これにより、第一構造体12の熱膨張収縮が第二構造体13によって抑制されるようになる。例えば、温度の上昇に伴う開口14の拡大変形が第二構造体13によって抑えられ、その結果ピニオンギヤ支持部を構成する軸受取付部30とリングギヤ支持部を構成する左側軸受取付部40との距離の増大が抑制されてピニオンギヤ26及びリングギヤ35のバックラッシの拡大が抑えられるようになる。
なお、ここでは、例えば、線膨張係数が10〜14×(10のマイナス6乗)(単位は1/℃)の鉄系材料を「線膨張係数の低い材料」として用い、線膨張係数が22〜24×(10のマイナス6乗)(単位は1/℃)の上記軽量非鉄金属材料を「線膨張係数の高い材料」として用いている。
このように構成された本実施形態においては、以下のような効果を得ることができる。
(1)デファレンシャルハウジング11を線膨張係数の異なる複数(ここでは二つ)の構造体12,13からなるものとしている。
(1)デファレンシャルハウジング11を線膨張係数の異なる複数(ここでは二つ)の構造体12,13からなるものとしている。
こうした構成が採用されることで、例えば、デファレンシャルハウジング11の構造体を全てアルミニウム系材料やマグネシウム系材料など線膨張係数の高い材料で形成した場合と比較して、これより線膨張係数の低い構造体(ここでは鉄系材料からなる第二構造体13)によって該ハウジング11の熱膨張収縮が抑制されるようになる。したがって、ピニオンギヤ26及びリングギヤ35のバックラッシの増減が抑えられ、騒音・振動の発生やデファレンシャルギヤの回転抵抗の増大が抑制されるようになり、同ギヤの耐久性の低下が抑えられるようになる。また、リングギヤ35を支持する円錐ころ軸受37,38の予荷重の増減が抑制され、該軸受37,38の耐久性の低下が抑えられるようにもなる。
また、本実施形態によれば、例えば、デファレンシャルハウジング11の構造体を全て鉄系材料など線膨張係数の低いものとした場合と比較して、該ハウジング11の軽量化を図ることができるようになる。
(2)本実施形態では、第二構造体13にリングギヤ支持部である左側軸受取付部40を設定している。すなわち、リングギヤ支持部が線膨張係数の低い構造体によって構成されている。
これによれば、デファレンシャルハウジング11におけるピニオンギヤ支持部(軸受取付部29,30)とリングギヤ支持部(左側軸受取付部40)との間の部分、及びリングギヤ支持部(軸受取付部40,42)同士の間の部分の双方をともに線膨張係数の低い構造体(第二構造体13)で構成することができるようになる。
より具体的には、例えば、上述の「ピニオンギヤ支持部(軸受取付部29,30)とリングギヤ支持部(左側軸受取付部40)との間の部分」は、第二構造体13のほぼ上半部によって構成される。これによれば、例えば、上述のピニオンギヤ支持部とリングギヤ支持部との間の部分の全てをアルミニウム系材料やマグネシウム系材料など線膨張係数の高い構造体で構成した場合と比較して、当該部分の熱膨張収縮が抑制されることからピニオンギヤ26及びリングギヤ35のバックラッシの増減が好適に抑制されるようになる。
他方、上述の「リングギヤ支持部(軸受取付部40,42)同士の間の部分」については、デファレンシャルハウジング11の後端部におけるその左側部分が第二構造体13のほぼ下半部によって構成されている。これによれば、例えば、上述のリングギヤ支持部同士の間の部分の全てをアルミニウム系材料やマグネシウム系材料など線膨張係数の高い構造体で構成した場合と比較して、当該部分の熱膨張収縮が抑制されることからリングギヤ35を支持する円錐ころ軸受37,38の予荷重の増減が好適に抑制されるようになる。
このように本実施形態では、上述の「ピニオンギヤ支持部(軸受取付部29,30)とリングギヤ支持部(左側軸受取付部40)との間の部分」及び「リングギヤ支持部(軸受取付部40,42)同士の間の部分」の双方において共通の第二構造体13が配置されることとなる。したがって、例えばこれらの各部分に線膨張係数の低い構造体を別個に配置した場合と比較して部品点数を低減することができる。
(3)デファレンシャルハウジング11を左方からすなわち軸線Lr方向に見た状態で、第二構造体13がピニオンギヤ支持部(軸受取付部30)からリングギヤ支持部(左側軸受取付部40)に亘って配置されている。
これによれば、ピニオンギヤ支持部(軸受取付部30)とリングギヤ支持部(左側軸受取付部40)との間の部分が連続して線膨張係数の低い構造体(第二構造体13)となる。そのため、例えば、線膨張係数の低い構造体をピニオンギヤ支持部とリングギヤ支持部との間において断続的に配置した場合と比較して、ピニオンギヤ支持部とリングギヤ支持部との間の部分の熱膨張収縮がより好適に抑制される。したがって、ピニオンギヤ26及びリングギヤ35のバックラッシの増減が更に好適に抑制されるようになる。
(4)本実施形態のデファレンシャルギヤは、前後方向に沿って延在する軸線Lp周りに回転するピニオンギヤ26と、左右方向に沿って延在する軸線Lr周りに回転するリングギヤ35とを有してなるものである。
ここで、例えば、ピニオンギヤの軸線とリングギヤの軸線とが平行な態様では、デファレンシャルハウジングの熱膨張収縮によってピニオンギヤとリングギヤとが上記軸線の方向に相対変位したとしても、これによって両ギヤのバックラッシが増減することはほとんどない。これに対し、本実施形態のように両ギヤ26,35の軸線方向が異なる態様では、これらギヤ26,35がいずれの方向に相対変位した場合であってもこれに伴いバックラッシは増減しやすくなる。したがって、本実施形態のように両ギヤ26,35の軸線方向が異なる態様にあっては、上述の(1)〜(3)の効果が特に有用に働くこととなる。
(5)本実施形態では、ピニオンギヤ26の軸線Lpとリングギヤ35の軸線Lrとが上下方向にオフセットされている。
こうした態様においては、例えば上記のようにオフセットされていない態様と比較して、デファレンシャルハウジング11の熱膨張収縮によってピニオンギヤ26とリングギヤ35とが上下方向に相対変位しやすくなる。したがって、本実施形態のように両ギヤ26,35の軸線Lp,Lrが上下方向にオフセットされる態様にあっては、上述の(1)〜(3)の効果が更に有用に働くこととなる。
こうした態様においては、例えば上記のようにオフセットされていない態様と比較して、デファレンシャルハウジング11の熱膨張収縮によってピニオンギヤ26とリングギヤ35とが上下方向に相対変位しやすくなる。したがって、本実施形態のように両ギヤ26,35の軸線Lp,Lrが上下方向にオフセットされる態様にあっては、上述の(1)〜(3)の効果が更に有用に働くこととなる。
(6)本実施形態のデファレンシャルハウジング11は左右方向に分割された二つの構造体(構造体12,13)からなるものである。
これによれば、特に前後方向及び上下方向について好適にデファレンシャルハウジング11の熱膨張収縮を抑制することができる。
これによれば、特に前後方向及び上下方向について好適にデファレンシャルハウジング11の熱膨張収縮を抑制することができる。
(7)本実施形態では、両構造体12,13のうち体積の小さい第二構造体13が線膨張係数の低い鉄系材料で形成されている。
これによれば、線膨張係数の低い鉄系材料が用いられることによる重量の増大を極力抑えつつ、デファレンシャルハウジング11の熱膨張収縮を好適に抑制することができるようになる。
これによれば、線膨張係数の低い鉄系材料が用いられることによる重量の増大を極力抑えつつ、デファレンシャルハウジング11の熱膨張収縮を好適に抑制することができるようになる。
なお、実施の形態は上記に限定されるものではなく、例えば、以下の様態としてもよい。
・上記実施形態では、デファレンシャルハウジング11を左方からすなわち軸線Lr方向に見た状態で、第二構造体13が後側のピニオンギヤ支持部である軸受取付部30からリングギヤ支持部(左側軸受取付部40)に亘って配置された。これに代えて、例えば図4及び図5に示されるように、第二構造体13が前側のピニオンギヤ支持部である軸受取付部29からリングギヤ支持部まで延在するように、該第二構造体13を前方に向けて延長してもよい。これによれば、上記実施形態と比較して、第二構造体13の前端がより前方に及ぶため、その分、デファレンシャルハウジング11の熱膨張収縮を好適に抑制することができるようになる。特に、前後方向の熱膨張収縮についてこれを好適に抑制することができる。
・上記実施形態では、デファレンシャルハウジング11を左方からすなわち軸線Lr方向に見た状態で、第二構造体13が後側のピニオンギヤ支持部である軸受取付部30からリングギヤ支持部(左側軸受取付部40)に亘って配置された。これに代えて、例えば図4及び図5に示されるように、第二構造体13が前側のピニオンギヤ支持部である軸受取付部29からリングギヤ支持部まで延在するように、該第二構造体13を前方に向けて延長してもよい。これによれば、上記実施形態と比較して、第二構造体13の前端がより前方に及ぶため、その分、デファレンシャルハウジング11の熱膨張収縮を好適に抑制することができるようになる。特に、前後方向の熱膨張収縮についてこれを好適に抑制することができる。
また、本態様ではデファレンシャルハウジング11において、ピニオンギヤ26を支持する両円錐ころ軸受27,28同士の間の部分に第二構造体13が配置されることとなる。すなわち、デファレンシャルハウジング11における当該部分が線膨張係数の低い第二構造体13によって構成されることとなる。そのため、上記熱膨張収縮による両軸受27,28のアウタレース同士の距離の増減が抑制され、その結果、両軸受27,28の予荷重の増減が抑えられることとなる。
なお、本態様にあっては、デファレンシャルハウジング11を左方からすなわち軸線Lr方向に見た状態で第二構造体13がデファレンシャルハウジング11のほぼ全体に亘るように該第二構造体13が拡大されている。そしてこれに伴い、第一構造体12の取付面15に当接される第二構造体13の周縁部16も拡大されている。
・上記実施形態では、両構造体12,13のうち体積の小さいものが鉄系材料など線膨張係数の低い材料で形成されたが、これに限らず、例えば逆に体積の大きいものが線膨張係数の低い材料で形成されてもよい。
・上記実施形態では、線膨張係数の低い構造体である第二構造体13にリングギヤ支持部を設定した、換言すれば、リングギヤ支持部を線膨張係数の低い構造体である第二構造体13で構成した。これに代えて、例えばリングギヤ支持部を設定する位置に線膨張係数の低い構造体を設けないようにするなど、リングギヤ支持部を線膨張係数の高い構造体でのみ構成するようにしてもよい。
こうした場合、例えば、デファレンシャルハウジング11において、リングギヤ35を支持する左右のリングギヤ支持部同士の間の部分に線膨張係数の低い構造体を設けないようにするなど、当該部分を線膨張係数の高い構造体でのみ構成するようにしてもよい。あるいは、上記左右のリングギヤ支持部同士の間の部分の一部分にのみ線膨張係数の低い構造体を設けるようにしてもよい。なお該一部分にのみ線膨張係数の低い構造体を設ける場合には、一つあるいは二つ以上の該線膨張係数の低い構造体が、左右のリングギヤ支持部同士の間の部分において断続的に配置されることとなる。
また、例えば、デファレンシャルハウジング11において、これを軸線Lr方向に見た状態で、ピニオンギヤ支持部とリングギヤ支持部との間の部分の一部分にのみ線膨張係数の低い構造体を設けるようにしてもよく、あるいは、これらピニオンギヤ支持部とリングギヤ支持部との間の部分を線膨張係数の高い構造体でのみ構成してもよい。なお、上述の如くピニオンギヤ支持部とリングギヤ支持部との間の部分の一部分にのみ線膨張係数の低い構造体を設ける場合には、一つあるいは二つ以上の該線膨張係数の低い構造体が、これらピニオンギヤ支持部とリングギヤ支持部との間の部分において断続的に配置されることとなる。
・上記実施形態ではデファレンシャルハウジング11を第一構造体12と第二構造体13との二分割構造としたが、これに限らず、三分割以上の分割構造としてもよい。この場合、例えばデファレンシャルハウジング11の左右両サイドに鉄系材料などからなる線膨張係数の低い構造体を配設し、これら両構造体の間すなわち中央部分にアルミニウム系材料やマグネシウム系材料などからなる線膨張係数の高い構造体を配設するようにしてもよい。
・上記実施形態では、デファレンシャルハウジング11を左右方向に分割された複数の構造体からなるものとしたが、これに限らず、他の方向に分割された複数の構造体からなるものとしてもよい。
この場合、例えば、図6に示されるように、デファレンシャルハウジング11を前後方向に分割するようにしてもよい。この例では、軸線Lrを含み上下・左右方向に延在する仮想平面を境界としてデファレンシャルハウジング11が前後方向に二分割されている。前側に位置する第一構造体12がアルミニウム系材料やマグネシウム系材料などからなる線膨張係数の高い構造体とされ、後側に位置する第二構造体13が鉄系材料などからなる線膨張係数の低い構造体とされている。第一構造体12の取付面15は上記仮想平面上に位置し、これと当接する第二構造体13の周縁部16は同取付面15に沿って環状に延在する。この例では、デファレンシャルハウジング11の後部において、リングギヤ35を支持する左右のリングギヤ支持部の一方から他方にかけての部分が連続的に線膨張係数の低い構造体(第二構造体13)により構成されることとなる。そのため、例えば、線膨張係数の低い構造体が当該部分を断続的に構成する態様と比較して、熱膨張収縮に伴う両リングギヤ支持部間の距離の増減、ひいては両円錐ころ軸受37,38の予荷重の増減が効果的に抑制されることとなる。
また、例えば、図7に示されるように、デファレンシャルハウジング11を上下方向に分割するようにしてもよい。この例では、デファレンシャルハウジング11の後側の大部分の分割境界が、軸線Lrを含み前後・左右方向に延在する仮想平面上に設定され、前側部分の分割境界が、軸線Lpを含み前後・左右方向に延在する仮想平面上に設定されている。そして上側に位置する第一構造体12がアルミニウム系材料やマグネシウム系材料などからなる線膨張係数の高い構造体とされ、下側に位置する第二構造体13が鉄系材料などからなる線膨張係数の低い構造体とされている。第一構造体12の取付面15は上記各仮想平面上に位置し、これと当接する第二構造体13の周縁部16は同取付面15に沿って環状に延在する。この例では、上述同様、デファレンシャルハウジング11において、リングギヤ35を支持する左右のリングギヤ支持部の一方から他方にかけての部分が連続的に線膨張係数の低い構造体(第二構造体13)により構成されることとなる。そのため、例えば、線膨張係数の低い構造体が当該部分を断続的に構成する態様と比較して、熱膨張収縮に伴う両リングギヤ支持部間の距離の増減、ひいては両円錐ころ軸受37,38の予荷重の増減が効果的に抑制されることとなる。
・上記実施形態では、ピニオンギヤ26の軸線Lpがリングギヤ35の軸線Lrよりも下方に位置するようオフセットされたが、これに限らず、軸線Lpが軸線Lrよりも上方に位置するようオフセットされてもよい。また、こうしたオフセット配置を採用することなく、軸線Lpと軸線Lrとが交差するように両ギヤ26,35を配置してもよい。
・上方あるいは下方から見た状態において、ピニオンギヤ26の軸線Lpとリングギヤ35の軸線Lrとのなす角度は必ずしも直角でなくともよい。例えば、ピニオンギヤ及びリングギヤに平歯車やはすば歯車等を採用してこれらを噛合させることにより、これらギヤをその軸線が平行となるように配置してもよい。
・上記実施形態では、線膨張係数の高い構造体をアルミニウム系材料やマグネシウム系材料などからなるものとし、線膨張係数の低い構造体を鉄系材料などからなるものとしたが、これに限らず、線膨張係数に差異のある構造体を組み合わせてデファレンシャルハウジングを構成するのであれば、他の材料を採用してもよい。
・上記では本発明を自動車の後輪駆動にかかるリヤ側のデファレンシャル装置において適用したが、これに限らず、前輪駆動にかかるフロント側のデファレンシャル装置において適用するようにしてもよい。
10…自動車用リヤデファレンシャル装置、11…デファレンシャルハウジング、12…第一構造体、13…第二構造体、24…入力シャフト、25…カップリング部材、26…ピニオンギヤ、27,28…ピニオンギヤ支持用の円錐ころ軸受、29,30…軸受取付部、35…リングギヤ、36…デフケース、37,38…リングギヤ支持用の円錐ころ軸受、40…左側軸受取付部、42…右側軸受取付部、51,52…ドライブシャフト、55,56…ドリブンギヤ、57…支軸、58…ピニオンギヤ、Lp…ピニオンギヤの軸線、Lr…リングギヤの軸線。
Claims (9)
- デファレンシャルギヤを収容かつ支持するデファレンシャルハウジングであって、
線膨張係数の異なる複数の構造体からなる
ことを特徴とするデファレンシャルハウジング。 - 請求項1記載のデファレンシャルハウジングにおいて、
前記デファレンシャルギヤを構成するリングギヤを支持するリングギヤ支持部と、前記リングギヤと噛合するピニオンギヤを支持するピニオンギヤ支持部との間の部分を、前記構造体のうち線膨張係数の低いもので構成する
ことを特徴とするデファレンシャルハウジング。 - 請求項2記載のデファレンシャルハウジングにおいて、
前記リングギヤの軸線方向に見た状態で、前記線膨張係数の低い構造体を前記リングギヤ支持部から前記ピニオンギヤ支持部に亘って配置する
ことを特徴とするデファレンシャルハウジング。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のデファレンシャルハウジングにおいて、
前記デファレンシャルギヤを構成するリングギヤを支持するリングギヤ支持部同士の間の部分を、前記構造体のうち線膨張係数の低いもので構成する
ことを特徴とするデファレンシャルハウジング。 - 請求項2〜4のいずれか一項に記載のデファレンシャルハウジングにおいて、
前記リングギヤ支持部を前記線膨張係数の低い構造体で構成する
ことを特徴とするデファレンシャルハウジング。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のデファレンシャルハウジングにおいて、
前記デファレンシャルギヤは、軸線が左右方向に沿って延在するリングギヤと、同リングギヤと噛合し軸線が前後方向に沿って延在するピニオンギヤとを有してなる
ことを特徴とするデファレンシャルハウジング。 - 請求項6記載のデファレンシャルハウジングにおいて、
前記リングギヤの軸線と前記ピニオンギヤの軸線とが上下方向にオフセットされている
ことを特徴とするデファレンシャルハウジング。 - 請求項6又は7記載のデファレンシャルハウジングにおいて、
当該デファレンシャルハウジングは左右方向に分割された二つの構造体からなる
ことを特徴とするデファレンシャルハウジング。 - 請求項8記載のデファレンシャルハウジングにおいて、
前記二つの構造体は体積が異なっており、これら構造体は体積の小さいものが線膨張係数の低い材料で形成される
ことを特徴とするデファレンシャルハウジング。
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