JP2016223554A - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents

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Yasuto Watanabe
康人 渡邊
弘典 牧野
Hironori Makino
弘典 牧野
朋久 魚住
Tomohisa Uozumi
朋久 魚住
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Abstract

【課題】 横力による曲げモーメントが加わっても、平行軸歯車減速機を構成する歯車の噛み合いを良好な状態に維持する。【解決手段】 モータ部Aと、複数の歯車30〜33からなる平行軸歯車減速機39で構成された減速機部Bと、車輪用軸受部Cと、モータ部Aおよび減速機部Bを収容したケーシング22とを備え、平行軸歯車減速機39の各歯車30〜33をケーシング22に対して転がり軸受40,42〜46により回転自在に支持したインホイールモータ駆動装置21であって、平行軸歯車減速機39は、車輪用軸受部Cに駆動力を伝達する第4歯車33と、第4歯車33と噛合する第3歯車32とを備え、第4歯車33およびその転がり軸受45,46と第3歯32およびその転がり軸受43,44とを、一対のカセット部材59,60が突き合わされたカセット61に収容してアッセンブリ化し、カセット61をケーシング22に取り付ける。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、電動モータの出力軸と車輪用軸受とを減速機を介して連結したインホイールモータ駆動装置に関する。
従来のインホイールモータ駆動装置は、例えば、特許文献1に開示された構造のものがある。この特許文献1のインホイールモータ駆動装置は、駆動力を発生させる電動モータと、その電動モータの回転を減速して出力する平行軸歯車減速機と、その平行軸歯車減速機からの出力を車輪に伝達する車輪ハブとで構成されている。
このインホイールモータ駆動装置は、電動モータと平行軸歯車減速機との間に中間プレートを設け、その中間プレートのインボード側に、電動モータを収容するモータハウジングを設けると共に、中間プレートのアウトボード側に、平行軸歯車減速機を収容するギヤハウジングを設けた構造を具備する。
電動モータは、モータハウジングに固定されたステータと、そのステータの内側でモータハウジングに回転自在に支持されたロータ軸とで構成されている。また、平行軸歯車減速機は、電動モータのロータ軸に同軸的に連結されたモータ入力歯車と、中間プレートおよびギヤハウジングに回転自在に支持されてモータ入力歯車と噛合する第1カウンタ歯車と、第1カウンタ歯車と同軸的に支持された第2カウンタ歯車と、車輪ハブの車軸に設けられて第2カウンタ歯車と噛合する出力歯車とで構成されている。
このインホイールモータ駆動装置の平行軸歯車減速機を構成する歯車、例えば、第1カウンタ歯車および第2カウンタ歯車は、中間プレートおよびギヤハウジングに対して転がり軸受により回転自在に支持されている。この平行軸歯車減速機の構造によっては、第1カウンタ歯車および第2カウンタ歯車以外のモータ入力歯車や出力歯車についても、中間プレートおよびギヤハウジングに対して転がり軸受により回転自在に支持された構造のものがある。
特開2014−46742号公報
ところで、特許文献1で開示されたインホイールモータ駆動装置は、前述したように、モータ入力歯車、第1カウンタ歯車、第2カウンタ歯車および出力歯車からなる複数の歯車で構成された平行軸歯車減速機を具備する。この平行軸歯車減速機の出力歯車は、第2カウンタ歯車と噛合し、車輪ハブの車軸に駆動力を伝達する。
このような平行軸歯車減速機を備えたインホイールモータ駆動装置では、車両走行での旋回時、車輪前後方向だけでなく、横力による曲げモーメントが車輪ハブの車軸およびその車軸に連結された平行軸歯車減速機の出力歯車に加わることになる。このような横力による曲げモーメントが加わると、平行軸歯車減速機の出力歯車にこじり力が作用し、その出力歯車が第2カウンタ歯車に対して傾くことになる。
このように、第2カウンタ歯車に対して出力歯車が傾くと、第2カウンタ歯車と出力歯車との噛み合いが悪化し、第2カウンタ歯車と出力歯車との間で歯面の片当たりが生じて異音や摩耗が発生する。このような歯面の片当たりによる異音や摩耗は、騒音や振動の原因になり、車室内で搭乗者にとって不快な騒音および振動現象となる。
このような問題を解決する対策として、平行軸歯車減速機の出力歯車と車輪ハブの車軸との間に磁力カップリングを設け、この磁力カップリングにより車輪ハブのこじりによる出力歯車の軸傾きを遮断する手段もある。しかしながら、このような磁力カップリングを設置することにより装置のコストアップを招くことになり、組み立て性が低下するおそれがある。また、磁力を利用することで異物の吸引などで汚染され、装置の寿命を低下するおそれもある。
そこで、本発明は前述の課題に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、横力による曲げモーメントが加わっても、平行軸歯車減速機を構成する歯車の噛み合いを良好な状態に維持し得るインホイールモータ駆動装置を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、モータ部と、複数の歯車からなる平行軸歯車減速機で構成された減速機部と、車輪用軸受部と、モータ部および減速機部を収容したケーシングとを備え、平行軸歯車減速機の各歯車をケーシングに対して軸受により回転自在に支持したインホイールモータ駆動装置であって、平行軸歯車減速機は、車輪用軸受部に駆動力を伝達する出力歯車と、出力歯車と噛合する中間歯車とを備え、出力歯車およびその軸受と中間歯車およびその軸受とを、一組のカセット部材が組み突合わされたカセットに収容してアッセンブリ化し、カセットをケーシングに取り付けたことを特徴とする。
本発明のインホイールモータ駆動装置では、出力歯車およびその軸受と、その出力歯車に噛合する中間歯車およびその軸受とを、一組のカセット部材が組み突合わされたカセットに収容してアッセンブリ化したことにより、出力歯車と中間歯車の軸間距離および軸傾きを常に一定に保つことができる。そのため、旋回走行時などに横力による曲げモーメントが車輪用軸受部から平行軸歯車減速機の出力歯車に加わって、横力による曲げモーメントに基づくこじり力が作用しても、出力歯車と中間歯車の軸間距離および軸傾きを常に一定に保つことで、出力歯車と中間歯車との噛み合いを良好な状態に維持できる。
本発明におけるカセットの各カセット部材は、孔が穿設された取付フランジを有し、取付フランジの孔にピン状部材を挿通し、ピン状部材をケーシングに固定してカセットをケーシングに対して位置決めすることが望ましい。このようにすれば、ケーシングに対するカセットの組み付け性が向上する点で有効である。
本発明におけるカセットは、出力歯車および中間歯車を収容する本体部と、本体部に一体的に設けられ、出力歯車の軸受を収容する大径筒状部と、本体部に一体的に設けられ、中間歯車の軸受を収容する小径筒状部とで構成されていることが望ましい。このようにすれば、出力歯車およびその軸受と中間歯車およびその軸受とのアッセンブリ化を容易に実現することができる。
本発明におけるカセットは、大径筒状部の外周面と小径筒状部の外周面とを繋ぐリブ部が本体部に一体的に形成されていることが望ましい。このようにすれば、カセットの剛性を向上させることができ、出力歯車およびその軸受と中間歯車およびその軸受との高剛性のアッセンブリ構造を容易に実現することができる。
本発明において、カセットのカセット部材と軸受の外輪との間に、軸受に予圧を付与するためのシムを介在させた構造が望ましい。このようにすれば、出力歯車の軸受および中間歯車の軸受にアンギュラ玉軸受構造を採用することができるので、軸受の支持剛性を上げることができ、異音および振動の発生を抑制することができる。
本発明によれば、出力歯車と中間歯車の軸間距離および軸傾きを常に一定に保つことができるため、旋回走行時などに横力による曲げモーメントが車輪用軸受部から平行軸歯車の出力歯車に加わって、横力による曲げモーメントに基づくこじり力が作用しても、出力歯車と中間歯車の軸間距離および軸傾きを常に一定に保つことで、出力歯車と中間歯車との噛み合いを良好な状態に維持できる。
その結果、歯面の片当たりに基づく異音や摩耗を未然に防止でき、平行軸歯車減速機の組み付け性の向上が図れ、信頼性の高い長寿命のインホイールモータ駆動装置を容易に実現することができる。
本発明の実施形態で、インホイールモータ駆動装置の全体構成を示す断面図である。 図1の平行軸歯車減速機を構成する歯車のみをアウトボード側から見た概要図である。 図1のカセットによるアッセンブリ体を示す組立分解斜視図である。 図1のカセットによるアッセンブリ体を示す組立完了斜視図である。 図4の左側面図である。 図4の上面図である 図6のP−P線に沿う断面図である。 図1のX部を示す部分拡大断面図である。 一対のカセット部材からなるカセットの変形例を示す斜視図である。 インホイールモータ駆動装置を搭載した電気自動車の概略構成を示す平面図である。 図10の電気自動車を示す後方断面図である。
本発明に係るインホイールモータ駆動装置の実施形態を図面に基づいて詳述する。図10は、インホイールモータ駆動装置21を搭載した電気自動車11の概略平面図、図11は、電気自動車11を後方から見た概略断面図である。
電気自動車11は、図10に示すように、シャシー12と、操舵輪としての前輪13と、駆動輪としての後輪14と、後輪14に駆動力を伝達するインホイールモータ駆動装置21とを装備する。後輪14は、図11に示すように、シャシー12のホイールハウジング15の内部に収容され、懸架装置(サスペンション)16を介してシャシー12の下部に固定されている。
懸架装置16は、左右に延びるサスペンションアームにより後輪14を支持すると共に、コイルスプリングとショックアブソーバとを含むストラットにより、後輪14が地面から受ける振動を吸収してシャシー12の振動を抑制する。左右のサスペンションアームの連結部分には、旋回時などの車体の傾きを抑制するスタビライザが設けられている。懸架装置16は、路面の凹凸に対する追従性を向上させ、後輪14の駆動力を効率よく路面に伝達するために、左右の車輪を独立して上下させる独立懸架式としている。
電気自動車11は、ホイールハウジング15の内部に、左右それぞれの後輪14を駆動するインホイールモータ駆動装置21を設けることによって、シャシー12上にモータ、ドライブシャフトおよびデファレンシャルギヤ機構などを設ける必要がなくなるので、客室スペースを広く確保でき、かつ、左右の後輪14の回転をそれぞれ制御することができるという利点を有する。
電気自動車11の走行安定性およびNVH特性を向上させるためにばね下重量を抑える必要があり、さらに、広い客室スペースを確保するためにインホイールモータ駆動装置21の小型化が求められる。
そこで、図1に示す実施形態のインホイールモータ駆動装置21は、以下の構造を具備する。これにより、コンパクトなインホイールモータ駆動装置21を実現し、ばね下重量を抑えることで、走行安定性およびNVH特性に優れた電気自動車11を得ることができる。
この実施形態の特徴的な構成を説明する前にインホイールモータ駆動装置21の全体構成を説明する。以下の説明では、インホイールモータ駆動装置21を車両に搭載した状態で、車両の外側寄りとなる側をアウトボード側(図面左側)と称し、中央寄りとなる側をインボード側(図面右側)と称する。
インホイールモータ駆動装置21は、図1に示すように、駆動力を発生させるモータ部Aと、モータ部Aの回転を減速して出力する減速機部Bと、減速機部Bからの出力を駆動輪としての後輪14(図10および図11参照)に伝達する車輪用軸受部Cとを備えている。モータ部Aと減速機部Bはケーシング22に収容されて、電気自動車11のホイールハウジング15(図11参照)内に取り付けられる。ケーシング22は、例えばアルミニウムなどの軽量素材からなり、モータ部Aのモータハウジングと減速機部Bのギヤハウジングとからなる分割可能な構造でボルトにより締結一体化されている。
モータ部Aは、ケーシング22に固定されたステータ23と、ステータ23の径方向内側に隙間をもって対向するように配置されたロータ24と、ロータ24の径方向内側に配置されてロータ24と一体回転するモータ回転軸25とを備えたラジアルギャップ型の電動モータ26で構成されている。モータ回転軸25は、毎分一万数千回転程度で高速回転可能である。ステータ23は磁性体コアの外周にコイルを巻回することによって構成され、ロータ24は永久磁石または磁性体が内部に配置されている。
モータ回転軸25は、径方向外側へ一体的に延びるホルダ部27によりロータ24が保持されている。ホルダ部27は、ロータ24が嵌め込み固定された凹溝を環状に形成した構成としている。モータ回転軸25は、その軸方向一方側端部(図1の右側)が転がり軸受28に、軸方向他方側端部(図1の左側)が転がり軸受29によって、ケーシング22に対して回転自在に支持されている。
減速機部Bは、入力歯車である第1歯車30と、中間歯車である第2歯車31および第3歯車32と、出力歯車である第4歯車33とを有する。第1歯車30は、インボード側に延びる軸部34をモータ回転軸25にスプライン嵌合(セレーション嵌合を含む。以下、同じ)によって連結することにより、モータ回転軸25に同軸的に取り付け固定されている。第2歯車31は、中間軸35に取り付け固定されている。第3歯車32は、前述の中間軸35に一体的に形成されている。第4歯車33は、その軸部36を減速機出力軸37のインボード側軸部38にスプライン嵌合によって連結することにより、減速機出力軸37に同軸的に取り付け固定されている。
この減速機部Bは、第1歯車30と第2歯車31とが噛合し、第3歯車32と第4歯車33とが噛合することにより、モータ回転軸25の回転運動を2段に減速する平行軸歯車減速機39で構成されている。
第1歯車30の軸部34は、転がり軸受40によりケーシング22に対して回転自在に支持されている。第2歯車31の軸部41は、転がり軸受42によりケーシング22に対して回転自在に支持されている。第2歯車31が取り付け固定され、第3歯車32が一体的に形成された中間軸35は、転がり軸受43,44により後述のカセット61のカセット部材59,60を介してケーシング22に対して回転自在に支持されている。減速機出力軸37が取り付け固定された第4歯車33は、転がり軸受45,46によりカセット61のカセット部材59,60を介してケーシング22に対して回転自在に支持されている。減速機出力軸37のアウトボード側軸部47は、後述の車輪用軸受部Cのハブ輪49にスプライン嵌合によって連結され、減速機部Bの出力を後輪14(図10および図11参照)に伝達する。
第1歯車30〜第4歯車33および各歯車の回転軸を図2に基づいて説明する。図2は、図1の平行軸歯車減速機39を構成する第1歯車30〜第4歯車33のみをアウトボード側から見た概要図である。
第1歯車30は、モータ回転軸25(図1参照)に取り付け固定され、その軸心C1を中心にして回転する。第2歯車31は、中間軸35(図1参照)に取り付け固定され、第3歯車32は、中間軸35に一体的に形成され、その軸心C2を中心にして回転する。第4歯車33は、減速機出力軸37(図1参照)に取り付け固定され、その軸心C3を中心にして回転する。なお、モータ回転軸25と減速機出力軸37は同軸上に配置されていることから、それぞれの軸心C1と軸心C3は一致している。
この実施形態では、モータ回転軸25、中間軸35および減速機出力軸37の各軸心C1,C2,C3が直線E−E上に配置され、減速機部Bの径方向のコンパクト化を図っている。ただし、各軸心C1,C2,C3の配置は、この実施形態のような配置に限らず、各歯車30〜33の噛合いを維持した状態で、ケーシング22のスペースなどを考慮して適宜ずらしてもよい。
ここで、平行軸歯車減速機39を構成する第1歯車30〜第4歯車33には、はすば歯車を用いている。はすば歯車は、同時に噛合う歯数が増え、歯当たりが分散されるので音が静かで、トルク変動が少ない点で有効である。歯車のかみあい率や限界の回転数などを考慮して、モジュールは1〜3程度が好ましい。
インホイールモータ駆動装置21は、ホイールハウジング15(図11参照)の内部に収められ、ばね下荷重となるため、小型軽量化が必須である。平行軸歯車減速機39を電動モータ26と組み合わせることで電動モータ26の小型化を図ることができる。例えば、減速比11の平行軸歯車減速機39を用いた場合、毎分一万数千回転程度の高速回転の電動モータ26を使用することにより電動モータ26を小型化することができる。この場合、ケーシング22のスペースなどを考慮すると、第1歯車30と第2歯車31からなる第1段の減速比は2〜4程度とし、第3歯車32と第4歯車33からなる第2段の減速比は3〜5程度とすることが好ましい。
車輪用軸受部Cは、図1に示すように、以下のような構造の車輪用軸受48で構成されている。車輪用軸受48は、減速機出力軸37にトルク伝達可能に連結されたハブ輪49と、ハブ輪49の外周に嵌合された内輪50と、ハブ輪49および内輪50の外側に配置された外輪51と、ハブ輪49および内輪50と外輪51との間に配置された複数の玉52と、複数の玉52を保持する保持器53とを備えた複列アンギュラ玉軸受である。車輪用軸受48の軸方向両端部には、泥水などの侵入防止のためにシール部材54が設けられている。
この車輪用軸受48は、減速機出力軸37のアウトボード側軸部47の端部に形成された雄ねじ部55にナット56を螺合させることにより、平行軸歯車減速機39に締め付け固定されている。車輪用軸受48の外輪51は、ケーシング22に取り付け固定されている。車輪用軸受48の内輪50は、減速機出力軸37のフランジ部57に当接することにより抜け止めされている。車輪用軸受48のハブ輪49にハブボルト58で後輪14(図10および図11参照)が連結される。
この実施形態におけるインホイールモータ駆動装置21の全体構成は、前述のとおりであるが、その特徴的な構成を以下に詳述する。
このインホイールモータ駆動装置21は、図1に示すように、平行軸歯車減速機39における中間歯車である第3歯車32およびその転がり軸受43,44と、出力歯車である第4歯車33およびその転がり軸受45,46とを、一対のカセット部材59,60が突き合わされたカセット61に収容してアッセンブリ化し、そのカセット61をケーシング22に取り付けた構造を具備する。
図3は、第3歯車32および転がり軸受43,44と第4歯車33および転がり軸受45,46とをカセット61に収容してアッセンブリ化したアッセンブリ体の組立分解斜視図、図4は、図3のアッセンブリ体の組立完了斜視図、図5は、図4のアッセンブリ体の左側面図、図6は、図4のアッセンブリ体の上面図、図7は、図6のP−P線に沿う断面図である。
図3〜図7に示すように、アッセンブリ体において、第3歯車32および転がり軸受43,44と第4歯車33および転がり軸受45,46とを収容するカセット61は、一対のカセット部材59,60からなる半割構造を有する。各カセット部材59,60は、同一材質および同一形状の金属製材料からなる。これら一対のカセット部材59,60を突き合わせることにより、カセット61が形成される。
これら各カセット部材59,60は、例えばプレス加工により製作される。カセット部材59,60の素材としては、炭素鋼(S45C、S55C等)、一般構造用鋼(SS400等)、ステンレス鋼(SUS430、SUS304等)、プレス鋼板(SPCC材)およびSTKM鋼などの高剛性材料が有効である。
なお、第3歯車32の転がり軸受43,44および第4歯車33の転がり軸受45,46は、外周面に内側軌道面が形成された内輪62,63と、内周面に外側軌道面が形成された外輪64,65と、内輪62,63の内側軌道面と外輪64,65の外側軌道面との間に介在する複数の玉66,67と、各玉66,67を円周方向等間隔に保持する保持器(図示せず)とで構成された深溝玉軸受などの玉軸受である。
一対のカセット部材59,60からなるカセット61は、第4歯車33および第3歯車32を収容する本体部68と、第4歯車33の転がり軸受45,46を収容する大径筒状部69と、第3歯車32の転がり軸受43,44を収容する小径筒状部70とで構成されている。このように、カセット61が本体部68、大径筒状部69および小径筒状部70からなる構造を有することにより、第4歯車33およびその転がり軸受45,46と第3歯車32およびその転がり軸受43,44とのアッセンブリ化を容易に実現することができる。
本体部68は、第4歯車33および第3歯車32への潤滑油供給が可能なように開口部71を有する。この開口部71から第4歯車33の一部が突出している。この本体部68の上部および下部には、孔72が穿設された取付フランジ73が一体的に設けられている。この取付フランジ73の孔72にピン状部材74を挿通し、そのピン状部材74をケーシング22に固定してカセット61をケーシング22に対して位置決めするようにしている(図1参照)。このように、カセット61をピン状部材74によりケーシング22に固定する構造を採用したことにより、ケーシング22に対するアッセンブリ体の組み付け性を向上させることが可能である。
また、大径筒状部69は、軸方向に突出するように本体部68の上部に一体的に設けられている。この大径筒状部69は、その外側端部から径方向内側へ一体的に延在するフランジ部75を有し、そのフランジ部75の内側が開口している。大径筒状部69に圧入された転がり軸受45,46の外輪65は、フランジ部75に当接することにより抜け止めされている。
さらに、小径筒状部70は、軸方向に突出するように本体部68の下部に一体的に設けられている。この小径筒状部70は、その外側端部から径方向内側へ一体的に延在するフランジ部76を有し、そのフランジ部76の内側が開口している。小径筒状部70に圧入された転がり軸受43,44の外輪64は、フランジ部76に当接することにより抜け止めされている。
以上で説明した一対のカセット部材59,60からなるカセット61を利用することにより、第4歯車33および転がり軸受45,46と第3歯車32および転がり軸受43,44とを以下のようにして組み付けることでアッセンブリ体が構成されている。
つまり、第4歯車33のインボード側およびアウトボード側の軸部36に転がり軸受45,46の内輪63を圧入すると共に、第3歯車32の中間軸35のインボード側およびアウトボード側に転がり軸受43,44の内輪62を圧入する。
そして、第4歯車33に組み付けられた転がり軸受45,46の外輪65をカセット部材59,60の大径筒状部69にすきま嵌めすると共に、第3歯車32に組み付けられた転がり軸受43,44の外輪64をカセット部材59,60の小径筒状部70にすきま嵌めする。
これら転がり軸受43〜46の外輪64,65をカセット部材59,60の大径筒状部69および小径筒状部70に挿入するに際して、転がり軸受45,46の外輪65と大径筒状部69のフランジ部75との間にリング状のシム77を介在させると共に(図8参照)、転がり軸受43,44の外輪64と小径筒状部70のフランジ部76との間にリング状のシム78を介在させている。
このようなシム77,78を組み付けることにより、転がり軸受43〜46に予圧を付与することができる。これにより、転がり軸受43〜46をアンギュラ玉軸受構造とすることができるので、転がり軸受43〜46の支持剛性を上げることができ、異音および振動の発生を抑制することができる。
以上のようにして、一方のカセット部材59と他方のカセット部材60とを突き合わせることにより、第3歯車32および転がり軸受43,44と第4歯車33および転がり軸受45,46をカセット61に収容することでアッセンブリ体を構成する。
つまり、第3歯車32と第4歯車33は、カセット部材59,60の本体部68に収容される。また、第3歯車32の転がり軸受43,44は、カセット部材59,60の小径筒状部70に収容される。さらに、第4歯車33の転がり軸受45,46は、カセット部材59,60の大径筒状部69に収容される。
この一対のカセット部材59,60の突き合わせに際しては、ろう付け、溶接あるいは加締めなどの永久的な締結手段を利用することにより、非分離構造のアッセンブリ体を構成することができる。なお、ボルトやねじなどの締結手段を使用すれば、分解可能なアッセンブリ体を構成することも可能である。
このようにして得られたアッセンブリ体は、図1に示すように、カセット61の上下部に設けられた取付フランジ73の孔72にピン状部材74を挿通し、そのピン状部材74をケーシング22の隔壁面79,80に形成された孔81,82に嵌合させて固定する。このようにして、カセット61をケーシング22に対して位置決めすることにより、アッセンブリ体がインホイールモータ駆動装置21の減速機部Bに組み込まれる。
このインホイールモータ駆動装置21では、第4歯車33および転がり軸受45,46と、その第4歯車33に噛合する第3歯車32および転がり軸受43,44とをカセット61によって一体化した高剛性のアッセンブリ体を具備することにより、第4歯車33と第3歯車32の相対的なミスアライメントを軽減することができ、第4歯車33と第3歯車32の軸間距離および軸傾きを常に一定に保つことができる。
そのため、旋回走行時などに横力による曲げモーメントが車輪用軸受部Cから平行軸歯車減速機39の第4歯車33に加わって、横力による曲げモーメントに基づくこじり力が作用しても、アッセンブリ体のカセット61により、第4歯車33と第3歯車32の軸間距離および軸傾きを常に一定に保つことで、第4歯車33と第3歯車32との噛み合いを良好な状態に維持できる。
その結果、アッセンブリ体において、第4歯車33の歯面と第3歯車32の歯面との片当たりに基づく異音や摩耗を未然に防止でき、騒音や振動を抑制して車室内で搭乗者にとって快適な環境を確保することができる。また、第4歯車33と第3歯車32の軸間距離をケーシング側で位置決めする必要がないので、第4歯車33と第3歯車32の組み付けが容易で組立コストの低減が図れる。
以上の実施形態では、図3に示すように、大径筒状部69の端部と小径筒状部70の端部とを本体部68の板状部分で繋ぐ構造を有するカセット部材59,60からなるカセット61について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、図9に示すカセット部材83,84からなるカセット85であってもよい。このカセット部材83,84は、大径筒状部69の外周面と小径筒状部70の外周面とを繋ぐリブ部86が本体部68に一体的に形成された構成をなしている。また、実施形態では、一対のカセット部材59,60の突き合わせたカセットを例示したが、これに限らず、3つのカセット部材や4つのカセット部材からなる一組のカセット部材を組み合わせてカセットにしてもよい。
このように、大径筒状部69の外周面と小径筒状部70の外周面とを繋ぐリブ部86を本体部68に一体的に形成したことにより、カセット部材83,84の剛性をより一層向上させることができ、第4歯車33および転がり軸受45,46と第3歯車32および転がり軸受43,44を収容するカセット85の高剛性化が容易となる。
最後に、この実施形態におけるインホイールモータ駆動装置21の全体的な作動原理を説明する。
図1に示すように、モータ部Aにおいて、例えば、ステータ23に交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けてロータ24が回転する。これにより、減速機部Bにおいて、モータ回転軸25の回転が、平行軸歯車減速機39を構成する第1歯車30、第2歯車31、第3歯車32および第4歯車33によって減速され、減速機出力軸37を介して車輪用軸受部Cに伝達される。この時、モータ回転軸25の回転が減速機部Bによって減速されて減速機出力軸37に伝達されるので、モータ部Aにおいて、低トルク、高速回転型の電動モータ26を採用した場合でも、後輪14(図10および図11参照)に必要なトルクを伝達することが可能となる。
減速機部Bの減速比は、第1歯車30と第2歯車31の第1段で1/2.5、第3歯車32と第4歯車33の第2段で1/4.5とすれば、減速比は約1/11と大きな減速比を得ることができる。このように、大きな減速比を得ることができる平行軸歯車減速機39を採用することにより、コンパクトで高減速比のインホイールモータ駆動装置21を得ることができる。また、平行軸歯車減速機39は、はすば歯車を用いているので、製造が容易で、コストの低減が図れ、性能面でも、静粛かつ効率のよいインホイールモータ駆動装置21を実現することができる。
この実施形態では、モータ部Aとしてラジアルギャップ型の電動モータ26を例示したが、任意の構成のモータを適用可能である。例えば、ケーシングに固定されたステータと、ステータの軸方向内側に隙間をもって対向するように配置されたロータとを備えるアキシャルギャップ型の電動モータであってもよい。
この実施形態における作動の説明は、各部材の回転に着目して行ったが、実際にはトルクを含む動力がモータ部Aから後輪14に伝達される。従って、前述のように減速された動力は高トルクに変換されたものとなっている。また、モータ部Aに電力を供給してモータ部を駆動させ、モータ部Aからの動力を後輪14に伝達させる場合を示したが、これとは逆に、車両が減速したり坂を下ったりするようなときは、後輪14側からの動力を減速機部Bで高回転低トルクの回転に変換してモータ部Aに伝達し、モータ部Aで発電してもよい。さらに、ここで発電した電力は、バッテリーに蓄電しておき、後でモータ部Aを駆動させることや、車両に備えられた他の電動機器などの作動に用いてもよい。
以上の実施形態では、図10および図11に示すように、後輪14を駆動輪とした電気自動車11を例示したが、前輪13を駆動輪としてもよく、4輪駆動車であってもよい。なお、本明細書中で「電気自動車」とは、電力から駆動力を得る全ての自動車を含む概念であり、例えば、ハイブリッドカー等も含むものである。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
21 インホイールモータ駆動装置
22 ケーシング
32 中間歯車(第3歯車)
33 出力歯車(第4歯車)
39 平行軸歯車減速機
43〜46 軸受(転がり軸受)
59,60 カセット部材
61 カセット
64,65 外輪
68 本体部
69 大径筒状部
70 小径筒状部
77,78 シム
83,84 カセット部材
85 カセット
86 リブ部
A モータ部
B 減速機部
C 車輪用軸受部

Claims (5)

  1. モータ部と、複数の歯車からなる平行軸歯車減速機で構成された減速機部と、車輪用軸受部と、前記モータ部および減速機部を収容したケーシングとを備え、前記平行軸歯車減速機の各歯車をケーシングに対して軸受により回転自在に支持したインホイールモータ駆動装置であって、
    前記平行軸歯車減速機は、前記車輪用軸受部に駆動力を伝達する出力歯車と、前記出力歯車と噛合する中間歯車とを備え、前記出力歯車およびその軸受と前記中間歯車およびその軸受とを、一組のカセット部材が組み突合わされたカセットに収容してアッセンブリ化し、前記カセットを前記ケーシングに取り付けたことを特徴とするインホイールモータ駆動装置。
  2. 前記カセットの各カセット部材は、孔が穿設された取付フランジを有し、前記取付フランジの孔にピン状部材を挿通し、前記ピン状部材をケーシングに固定してカセットをケーシングに対して位置決めした請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置。
  3. 前記カセットは、出力歯車および中間歯車を収容する本体部と、前記本体部に一体的に設けられ、前記出力歯車の軸受を収容する大径筒状部と、前記本体部に一体的に設けられ、前記中間歯車の軸受を収容する小径筒状部とで構成されている請求項1又は2に記載のインホイールモータ駆動装置。
  4. 前記カセットは、前記大径筒状部の外周面と前記小径筒状部の外周面とを繋ぐリブ部が前記本体部に一体的に形成されている請求項3に記載のインホイールモータ駆動装置。
  5. 前記カセットのカセット部材と軸受の外輪との間に、前記軸受に予圧を付与するためのシムを介在させた請求項1〜4のいずれか一項に記載のインホイールモータ駆動装置。
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