JP2007070491A - 帯電防止性粘着剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリオレフィン(a)のブロックと、体積固有抵抗値が1×105〜1×1011Ω・cmの親水性ポリマー(b)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合及びイミド結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマー(A)からなる帯電防止剤と熱可塑性樹脂(B)からなる帯電防止性粘着剤である。
【選択図】なし
Description
本発明の目的は、永久帯電防止性、低汚染性及び耐熱性に優れた帯電防止性粘着剤を提供することにある。
即ち、本発明は、ポリオレフィン(a)のブロックと、体積固有抵抗値が1×105〜1×1011Ω・cmの親水性ポリマー(b)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合及びイミド結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマー(A)からなる帯電防止剤と熱可塑性樹脂(B)からなる帯電防止性粘着剤;該粘着剤を基材フィルム上にシート状に成形してなる帯電防止性粘着フィルムである。
(1)永久帯電防止性に優れる。
(2)糊残りが極めて少なく被着体に対して低汚染性である。
(3)室温(25℃)から高温(100℃)まで良好な粘着力を示す。
(a)のブロックとしては、カルボニル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1)、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2)、アミノ基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a3)が使用でき、さらに、カルボニル基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a4)、水酸基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a5)及びアミノ基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a6)が使用できる。これらのうち、変性のし易さからカルボニル基を有するポリオレフィン(a1)及び(a4)が好ましい。
(a0)は、通常、両末端が変性可能なポリオレフィン、片末端が変性可能なポリオレフィン及び変性可能な末端基を持たないポリオレフィンの混合物であるが、両末端が変性可能なポリオレフィンが主成分であるものが好ましい。
α−オレフィンとしては、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン及び1−ドデセンなどが挙げられ、ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、シクロペンタジエン及び1,11−ドデカジエンなどが挙げられる。
これらのうち好ましいのは、C2〜12(エチレン、プロピレン、C4〜12のα−オレフィン、ブタジエン及び/又はイソプレンなど)、さらに好ましいのはC2〜10(エチレン、プロピレン、C4〜10のα−オレフィン及び/又はブタジエンなど)、とくに好ましいのはエチレン、プロピレン及び/又はブタジエンである。
重合法によって得られるポリオレフィンは公知の方法で製造でき、例えば、ラジカル触媒、金属酸化物触媒、チーグラー触媒及びチーグラー−ナッタ触媒等の存在下で上記オレフィンを(共)重合させる方法等により容易に得ることができる。
ラジカル触媒としては、公知のもの、例えばジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルベンゾエート、デカノールパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、パーオキシ−ジ−カーボネートエステル、アゾ化合物等、及びγ−アルミナ担体に酸化モリブデンを付着させたもの等が挙げられる。
金属酸化物触媒としては、シリカ−アルミナ担体に酸化クロムを付着させたもの等が挙げられる。
チーグラー触媒及びチーグラー−ナッタ触媒としては、(C2H5)3Al−TiCl4等が挙げられる。
変性基であるカルボニル基の導入のしやすさ、及び入手のしやすさの点で、熱減成法による低分子量ポリオレフィンが好ましい。
(a0)中の二重結合の量は、帯電防止性の観点から好ましくは、C1,000当たり1〜40個、さらに好ましくは2〜30個、とくに好ましくは4〜20個である。
1分子当たりの二重結合の平均数は、繰り返し構造の形成性の観点及び帯電防止性の観点から好ましくは、1.1〜5、さらに好ましくは1.3〜3、とくに好ましくは1.5〜2.5、最も好ましくは1.8〜2.2である。
熱減成法においては、Mnが800〜6,000の範囲で、一分子当たりの平均末端二重結合数が1.5〜2個の低分子量ポリオレフィンが容易に得られる〔例えば、村田勝英、牧野忠彦、日本化学会誌、192頁(1975)参照〕。
装置 :高温ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
溶媒 :オルトジクロロベンゼン
基準物質 :ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel MIXED−B
カラム温度 :135℃
α,β−不飽和カルボン酸(無水物)としては、C3〜12のカルボン酸、例えばモノカルボン酸[(メタ)アクリル酸など]、ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸など)、これらのアルキル(C1〜4)エステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、イタコン酸ジエチルなど]及びこれらの無水物が挙げられる。
これらのうち(a0)との反応性の観点から好ましいのは、ジカルボン酸、これらのアルキルエステル及びこれらの無水物、さらに好ましいのはマレイン酸(無水物)及びフマル酸、とくに好ましいのはマレイン酸(無水物)である。
α,β−不飽和カルボン酸(無水物)によるポリオレフィン(a0)の変性は公知の方法、例えば、(a0)の末端二重結合に、溶液法又は溶融法のいずれかの方法で、α,β−不飽和カルボン酸(無水物)を熱的に付加(エン反応)させることにより行うことができる。
溶液法としては、キシレン、トルエン等の炭化水素系溶媒の存在下、(a0)にα,β−不飽和カルボン酸(無水物)を加え、窒素等の不活性ガス雰囲気中170〜230℃で反応させる方法などが挙げられる。
溶融法としては、(a0)を加熱溶融した後に、α,β−不飽和カルボン酸(無水物)を加え、窒素等の不活性ガス雰囲気中170〜230℃で反応させる方法が挙げられる。これらの方法のうち、反応の均一性の観点から好ましいのは溶液法である。
ラクタムとしては、C6〜12(好ましくは6〜8、さらに好ましくは6)のラクタム、例えば、カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム及びウンデカノラクタムが挙げられる。
アミノカルボン酸としては、C2〜12(好ましくは4〜12、さらに好ましくは6〜12)のアミノカルボン酸、例えば、アミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニンなど)、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸が挙げられる。
これらのうち、二次変性の反応性の観点から好ましいのは、カプロラクタム、ラウロラクタム、グリシン、ロイシン、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸、さらに好ましいのはカプロラクタム、ラウロラクタム、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、特に好ましいのはカプロラクタム及び12−アミノドデカン酸である。
ラクタム又はアミノカルボン酸の使用量は、帯電防止性の観点から好ましくは、α,β−不飽和カルボン酸からカルボキシル基を除いた残基1個当たり、ラクタム又はアミノカルボン酸0.1〜20個、さらに好ましくは0.3〜15個、特に好ましくは0.5〜10個である。
酸化によるカルボニル基の導入は、公知の方法、例えば、米国特許第3,692,877号明細書記載の方法で行うことができる。ヒドロホルミル化によるカルボニル基の導入は、公知の方法、例えば、Macromolecules、Vol.31、5943頁記載の方法で行うことができる。
ラクタム及びアミノカルボン酸としては、(a12)で例示したものが挙げられその使用量も同様である。
また、(a1)の酸価は、(b)との反応性の観点から好ましくは、4〜280(mgKOH/g、以下、数値のみを記載する。)、さらに好ましくは4〜100、特に好ましくは5〜50である。
式中、E1は、(b01)又は(b02)から水酸基を除いた残基を表し、A1は、ハロゲン原子を含んでいてもよいC2〜12(好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜4)のアルキレン基;m及びm’は1〜300、好ましくは2〜250、とくに好ましくは10〜100の整数を表し、mとm’とは同一でも異なっていてもよい。また、m個の(OA1)とm’個の(A1O)とは同一でも異なっていてもよく、また、これらが2種以上のオキシアルキレン基で構成される場合の結合形式はブロック、ランダム又はこれらの組合せのいずれでもよい。
脂肪族2価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,12−ドデカンジオールなどが挙げられる。
脂環式2価アルコールとしては、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロオクタンジオール及び1,3−シクロペンタンジオールなどが挙げられる。
芳香脂肪族2価アルコールとしては、キシリレンジオール、1−フェニル−1,2−エタンジオール及び1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼンなどが挙げられる。
モノアミンのビスヒドロキシアルキル化物は、公知の方法、例えば、モノアミンとC2〜4のAO[エチレンオキシド(以下、EOと略記)プロピレンオキシド(以下、POと略記)、ブチレンオキシドなど]とを反応させるか、モノアミンとC1〜12のハロゲン化ヒドロキシアルキル(2−ブロモエチルアルコール、3−クロロプロピルアルコールなど)とを反応させることにより容易に得ることができる。
脂環式1級モノアミンとしては、シクロプロピルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミンなどが挙げられる。
芳香(脂肪)族1級モノアミンとしては、アニリン及びベンジルアミンなどが挙げられる。
その他のAO及び置換AOとしては、C5〜12のα−オレフィンのエポキシ化物、スチレンオキシド及びエピハロヒドリン(エピクロルヒドリン及びエピブロモヒドリン等)等が挙げられる。他のAO及び置換AOのそれぞれの使用量は、全AOの重量に基づいて帯電防止性の観点から好ましくは、30重量%以下、さらに好ましくは0又は25重量%以下、とくに好ましくは0又は20重量%以下である。
AOのうち帯電防止性の観点から好ましいのは、EO単独、及びEOとEO以外のAOとの併用(ブロック及び/又はランダム付加)、さらに好ましいのはEO単独及びEOとPOの併用、とくに好ましいのはEO単独である。
AOの付加モル数は、親水性ポリマー(b)の体積固有抵抗値の観点から好ましくは、(b01)又は(b02)の水酸基1個当り1〜300モル、さらに好ましくは2〜250モル、とくに好ましくは10〜100モルである。
ポリエーテルジオール(b1)中のオキシアルキレン単位の含量は、(b1)の重量に基づいて親水性ポリマー(b)の体積固有抵抗値の観点から好ましくは、5〜99.8重量%、さらに好ましくは8〜99.6重量%、とくに好ましくは10〜98重量%である。また、ポリオキシアルキレン鎖中のオキシエチレン単位の含量は、ポリオキシアルキレン鎖の重量に基づいて(b)の体積固有抵抗値の観点から好ましくは、5〜100重量%、さらに好ましくは10〜100重量%、とくに好ましくは50〜100重量%、最も好ましくは60〜100重量%である。
式中の記号E1は、(b01)又は(b02)から水酸基を除いた残基を表し、A1は、ハロゲン原子を含んでいてもよいC2〜12(好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜4)のアルキレン基;m及びm’は1〜300、好ましくは2〜250、とくに好ましくは10〜100の整数を表し、mとm’とは同一でも異なっていてもよい。A2はハロゲン原子を含んでいてもよいC2〜12(好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜4)のアルキレン基を表し、A1とA2とは同じでも異なってもよい。RはH又はC1〜4(好ましくは1又は2)のアルキル基を表す。
(b2)は、(b1)の両末端水酸基を公知の方法によりアミノ基に変えることにより、容易に得ることができる。
水酸基をアミノ基に変える方法としては、公知の方法、例えば、(b1)の水酸基をシアノアルキル化して得られる末端シアノアルキル基を還元してアミノ基とする方法[例えば、(b1)とアクリロニトリルとを反応させ、得られるシアノエチル化物に水素添加する方法]、(b1)とアミノカルボン酸又はラクタムとを反応させる方法、及び(b1)とハロゲン化アミンをアルカリ条件下で反応させる方法等が挙げられる。
(b)として上述したものは、2種以上を任意に併用してもよい。
(b)のMnは、耐熱性及びポリオレフィン(a)との反応性の観点から好ましくは、150〜20,000、さらに好ましくは300〜18,000、とくに好ましくは1,000〜15,000、最も好ましくは1,200〜8,000である。
(A1)には(a11)と(b1)とを組み合わせた(A11)、(a12)と(b1)とを組み合わせた(A12)、及び(A11)と(A12)の混合物が含まれる。また、同様に(A2)には(a11)と(b2)とを組み合わせた(A21)、(a12)と(b2)とを組み合わせた(A22)、及び(A21)と(A22)の混合物が含まれる。
上記の重合反応では、公知の触媒、例えばアンチモン触媒(三酸化アンチモン等);スズ触媒(モノブチルスズオキシド等);チタン触媒(テトラブチルチタネート等);ジルコニウム触媒(テトラブチルジルコネート等);有機酸金属塩触媒[ジルコニウム有機酸塩(酢酸ジルコニル等)、酢酸亜鉛等];及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、ジルコニウム触媒及びジルコニウム有機酸塩、さらに好ましいのは酢酸ジルコニルである。
触媒の使用量は、(a11)及び/又は(a12)と(b1)の合計重量に対して、通常0.001〜5%、好ましくは0.01〜3%である。
また、(A2)のうち、(A22)は(b2)を前記ラクタムもしくはアミノカルボン酸で二次変性した後に、これと(a11)とを反応させて製造してもよい。
(A3)には(a13)と(b1)とを組み合わせた(A31)、(a14)と(b1)とを組み合わせた(A32)、及び(A31)と(A32)の混合物が含まれる。また、同様に(A4)には(a13)と(b2)とを組み合わせた(A41)、(a14)と(b2)とを組み合わせた(A42)、及び(A41)と(A42)の混合物が含まれる。
(A3)及び(A4)は(A1)や(A2)と同様の方法で製造することができる。
Nnは、(A)のMn及び1H−NMR分析によって求めることができる。
例えば、(a11)のブロックと(b1)のブロックとが繰り返し交互に結合した構造を有する(A1)の場合は、1H−NMR分析において、4.0〜4.1ppmのエステル結合{−C(C=O)−OCH2−}のプロトンに帰属されるシグナル、及び3.2〜3.7ppmのポリエチレングリコールのプロトンに帰属されるシグナルが観測できることから、これらのプロトン積分値の比を求めて、この比とMnとからNnを求めることができる。
)、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂等}等]、ポリアクリル樹脂(B2)[例えば(メタ)アクリル酸(共)重合樹脂、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(共)重合樹脂等]、ポリスチレン樹脂(B3)[例えば、ビニル基含有芳香族炭化水素と不飽和脂肪族モノマーの共重合樹脂及びその水素化体]、ポリウレタン樹脂(B4)[例えばポリオール{ポリアルキレンエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、重合体ポリオール、ポリオレフィンポリオール、ひまし油系ポリオール、アクリルポリオール及びこれらの2種以上の混合物}とポリイソシアネート{芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートの変性物及びこれらの2種類以上の混合物等}からなるポリウレタン樹脂等];及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸の誘導体としては、例えばアルキル(C1〜20)(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等]、ヒドロキシアルキル(C2〜20)(メタ)アクリレート[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等]、モノ−及びジ−アルキル(C1〜4)アミノアルキル(C2〜4)(メタ)アクリレート[メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]、シアノ基含有モノマー[(メタ)アクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル等]、不飽和カルボン酸アミド[(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等]及びエポキシ基含有モノマー[(メタ)クリル酸グリシジル等]が挙げられる。
不飽和アルコールのアルキルエーテルとしては、上記不飽和アルコールのアルキル(C1〜20)エーテル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等)が挙げられる。
ハロゲン含有ビニルモノマーとしては、C2〜12、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン 及びクロロプレンが挙げられる。
これらのうち好ましいのは、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン及び/又はエチレンとC4〜12のα−オレフィンの1種以上との共重合体[共重合比(重量比)=90/10〜10/90、ランダム及び/又はブロック付加]である。
(B2)の結晶化度は、帯電防止性の観点から好ましくは0〜98%、より好ましくは0〜80%、特に好ましくは0〜70%である。
結晶化度は、X線回折、赤外線吸収スペクトル等の方法によって測定される〔「高分子の固体構造−高分子実験学講座2」(南篠初五郎)、42頁、共立出版1958年刊参照〕。
ビニル基含有芳香族炭化水素としては、C8〜30の、スチレン及びその誘導体 、例えばo−、m−及びp−アルキル(C1〜10)スチレン(ビニルトルエン等)、α−アルキル(C1〜10)スチレン(α−メチルスチレン等)及びハロゲン化スチレン(クロロスチレン等)が挙げられ、不飽和脂肪族モノマーとしては炭素数2〜18のオレフィン(エチレン、プロピレン、イソブテン等)、ジエン(ブタジエン、イソプレン等)が挙げられる。
(B3)の具体例としては、例えばスチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−(エチレン−プロピレン)ブロック共重合体(SEPS、SEP)、スチレン−(エチレン−ブテン)ブロック共重合体(SEBS、SEB)、スチレン−(エチレン-エチレン-プロピレン)ブロック共重合体(SEEPS)、スチレン-(ブタジエン−ブテン)ブロック共重合体(SBBS)]、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS、SIB)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)及びその水素化体が挙げられる。
(B)に含有させる(A)の量は、要求される性能に応じて種々変えることができるが、十分な帯電防止性及び機械的強度を付与する観点から、(A)と(B)の合計重量に基づいて好ましくは2〜40%、さらに好ましくは5〜30%である。
(A)を(B)に含有させて粘着剤を形成させるに際しては、予め(A)を高濃度[例えば(A)と(B)の合計重量に基づいて10〜80%]に含有するマスターバッチ組成物を形成させておいてもよい。
粘着性付与樹脂(C)の使用量は、粘着剤を構成するポリマー(A+B)の重量に基づいて、通常100%以下、粘着剤の粘着力とタックの観点から好ましくは0.1〜50%である。 とくに好ましくは1〜30%である。
(D)の具体例としては、酢酸リチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化マグネシウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、硫酸カリウム、燐酸カリウム、チオシアン酸カリウム等が挙げられる。(D)のうち帯電防止性の観点から好ましいのは、ハライド(さらに好ましいのは塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム)、酢酸塩(さらに好ましいのは酢酸カリウム)及び過塩素酸塩(さらに好ましいのは過塩素酸カリウム)である。
(D)の使用量は(A)と(B)の合計の重量に基づいて、通常5%以下、樹脂表面に析出せず良好な外観の樹脂を与えるとの観点から、好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜3%、とくに好ましくは0.1〜2.5%、最も好ましくは0.15〜1.5%である。
(D)を含有させる方法としては、好ましくは(A)中に予め分散させておく方法、さらに好ましくは(A)の製造時に(D)を含有させ分散、溶解させておく方法である。(D)を(A)の製造時に含有させるタイミングとしては特に限定はなく、ポリオレフィンのブロックと親水性ポリマーのブロックとの重合前、重合中及び重合後のいずれでもよい。
非イオン性界面活性剤としては、ポリエチレングリコール型[高級アルコール(C8〜18、例えばステアリルアルコール、ラウリルアルコール及びミリスチルアルコール、以下同じ。)EO(2〜50モル)付加物、高級脂肪酸(C8〜24、例えばステアリン酸、ラウリン酸及びミリスチン酸、以下同じ。)EO(2〜50モル)付加物、高級アルキルアミン(C8〜24、例えばステアリルアミン、ラウリルアミン及びミリスチルアミン、以下同じ。)EO(2〜50モル)付加物、ポリプロピレングリコール(Mn800〜4,000)EO(2〜50モル)付加物等]、及び多価アルコール型[ポリオキシエチレン(Mn200〜3,000)、グリセリンの高級脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの高級脂肪酸エステル、ソルビットもしくはソルビタンの高級脂肪酸エステル、多価(2価〜5価又はそれ以上)アルコール(C3〜60、例えばグリセリン、ペンタエリスリット、ソルビット及びグルコース)のアルキル(C3〜60)エーテル、アルカノールアミン(C2〜24)の高級脂肪酸アミド等]等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩[アルキル(C8〜24)トリメチルアンモニウム塩等]等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸型(高級アルキルアミノプロピオン酸塩等)、ベタイン型[高級アルキル(C8〜24)ジメチルベタイン、高級アルキル(C8〜24)ジヒドロキシエチルベタイン等]等が挙げられる。
これらの界面活性剤は単独でも2種以上を併用してもいずれでもよい。これらのうち耐熱性及び帯電防止性の観点から好ましいのは、アニオン性界面活性剤、さらに好ましいのはスルホン酸塩、とくに好ましいのはアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩及びパラフィンスルホン酸塩である。
(E)を含有させる方法については特に限定はないが、シート状基材に効果的に分散させるためには、(A)中に予め分散させておくことが好ましい。(A)中へ(E)を予め分散させる場合、(A)の製造(重合)時に該(E)を予め含有させ分散させておくのが特に好ましい。(E)を(A)の製造時に含有させるタイミングは特に制限なく、ポリオレフィンのブロックと親水性ポリマーのブロックの重合前、重合中及び重合後のいずれでもよい。
これらのうち、初期電導度の観点から好ましいのはアミジニウムカチオン、さらに好ましいのはイミダゾリウムカチオン、特に好ましいのは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンである。
有機酸としては、例えばカルボン酸、硫酸エステル、高級アルキルエーテル硫酸エステル、スルホン酸及びリン酸エステルが挙げられる。
無機酸としては、例えば超強酸(例えばホウフッ素酸、四フッ化ホウ素酸、過塩素酸、六フッ化リン酸、六フッ化アンチモン酸及び六フッ化ヒ素酸)、リン酸及びホウ酸が挙げられる。
上記有機酸及び無機酸は1種単独でも2種以上の併用でもいずれでもよい。
上記有機酸及び無機酸のうち、(F)の初期電導度の観点から好ましいのは(F)を構成するアニオンのHamett酸度関数(−H0)が12〜100である、超強酸、超強酸の共役塩基以外のアニオンを形成する酸及びこれらの混合物である。
超強酸としてのプロトン酸としては、例えばビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド酸、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタン、過塩素酸、フルオロスルホン酸、アルカン(C1〜30)スルホン酸[例えばメタンスルホン酸、ドデカンスルホン酸など)、ポリ(n=1〜30)フルオロアルカン(C1〜30)スルホン酸(例えばトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸及びトリデカフルオロヘキサンスルホン酸)、ホウフッ素酸及び四フッ化ホウ素酸が挙げられる。
これらのうち合成の容易さの観点から好ましいのはホウフッ素酸、トリフルオロメタンスルホン酸及びビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸である。
これらのうち(F)の初期電導度の観点から好ましいのはフッ化水素である。
これらのうちで、(F)の初期電導度の観点から好ましいのは三フッ化ホウ素及び五フッ化リンである。
プロトン酸とルイス酸の組み合わせは任意であるが、これらの組み合わせからなる超強酸としては、例えばテトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、六フッ化タリウム酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化タリウムスルホン酸、四フッ化ホウ素酸、六フッ化リン酸、塩化三フッ化ホウ素酸、六フッ化ヒ素酸及びこれらの混合物が挙げられる。
(F)を添加する方法についても特に限定はないが、樹脂中への効果的な分散の観点から、(A)中に予め分散させておくことが好ましく、(A)の製造後に(F)を予め添加し分散させておくのがさらに好ましい。
(G)としては、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基及びポリオキシアルキレン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の極性基を有する変性ビニル重合体(特開平3−258850号公報に記載のもの等)、スルホニル基を有する変性ビニル重合体(例えば、特開平6−345927号公報に記載のもの等)及びポリオレフィン部分と芳香族ビニル重合体部分とを有するブロック重合体等が挙げられる。
これらの(G)は単独でも2種以上併用してもよい。
(G)の使用量は(A)と(B)の合計重量に基づいて、通常20重量%以下、相溶性の観点から好ましくは0.1〜15重量%、さらに好ましくは1〜10重量%、とくに好ましくは1.5〜8重量%である。
顔料としては、無機顔料[アルミナホワイト、グラファイト、酸化チタン(超微粒子酸化チタンなど)、亜鉛華、黒色酸化鉄、雲母状酸化鉄、鉛白、ホワイトカーボン、モリブデンホワイト、カーボンブラック、リサージ、リトポン、バライト、カドミウム赤、カドミウム水銀赤、モリブデン赤、ベンガラ、鉛丹、黄鉛、バリウム黄、カドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、オーレオリン、チタンブラック、酸化クロム緑、酸化コバルト、コバルト緑、コバルト・クロム緑、群青、紺青、コバルト青、セルリアン青、マンガン紫、コバルト紫等]、及び有機顔料(シェラック、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、フタロシアニンブルー、染色レーキ等)が挙げられる。
染料としては、アゾ、アンスラキノン、インジゴイド、硫化、トリフェニルメタ ン、ピラゾロン、スチルベン、ジフェニルメタン、キサンテン、アリザリン、アクリジン、キノンイミン、チアゾール、メチン、ニトロ、ニトロソ及びアニリン染料等が挙げられる。
繊維状充填剤としては、ガラス繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ−アルミナ繊維、ジルコニア繊維、アラミド繊維及び金属(ステンレス、アルミニウム、チタン、銅等)繊維等が挙げられる。これらのうち成形品の機械強度の観点から好ましいのはガラス繊維及びカーボン繊維である。
粉粒状充填剤としてはカーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、珪酸塩(珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、珪石粉、等)、金属酸化物(酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ等)、金属の炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等)、金属の(亜)硫酸塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、亜硫酸カルシウム等)、金属の硫化物(二硫化モリブデン等)、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素及び各種金属(マグネシウム、珪素、アルミ、チタン、銅、銀、金等)粉末等が挙げられる。
板状充填剤としてはマイカ、ガラスフレーク及び各種の金属(アルミ、銅、銀、金等)箔等が挙げられる。
これらの充填剤は1種単独又は2種以上の併用のいずれでもよい。
上記の充填剤のうち成形品の機械強度の観点から好ましいのは繊維状充填剤であり、より好ましいのはガラス繊維である。
ビス(4−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ビス(4−クミルフェニル)ホスフェート、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−メチレン−ビス(4−クミル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)ホスフェート、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−エチルフェニル)ホスフェート、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−エチリデン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−エチリデン−ビス(4−s−ブチル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−ブチリデン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)ホスフェート、2,2’−ブチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、2,2’−t−オクチルメチレン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)ホスフェート、2,2’−t−オクチルメチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、4,4’−ジメチル−6,6’−ジ−t−ブチル−2,2’−ビフェニル)ホスフェート等のアルカリ金属(例えばリチウム、ナトリウム、カリウム)の塩、モノ−及びビス−(4−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ジヒドロオキシ−(4−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ジヒドロオキシ−ビス(4−t−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(4−t−ブチルフェニル)ホスフェート等のアルミニウム、カルシウム及び亜鉛の塩が挙げられる。
離型剤(H6)としては、高級脂肪酸の低級アルコールエステル(ステアリン酸ブチルなど)、脂肪酸の多価アルコールエステル(硬化ヒマシ油など)、脂肪酸のグリコールエステル(エチレングリコールモノステアレートなど)、流動パラフィン及びこれらの中で水素添加可能な不飽和二重結合を有するものの水素添加物等が挙げられる。
上記それぞれの(H)は1種用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記(H1)〜(H10)の間で添加剤が同一で重複する場合は、それぞれが添加効果を奏する量を他の効果に関わりなく使用するのではなく、使用目的に応じて使用量を調整するものとする。
G’が0.1以上であれば粘着剤の凝集力が十分であり、200MPa以下では良好な粘着力が得られるに十分な柔軟性を有する。また、25℃と100℃のG’の比率が10以下であれば室温から100℃までより良好な粘着力が得られる。
{25℃と100℃のG’の比率 = G’(25℃)/G’(100℃)}
G’測定条件;せん断、周波数10Hz
溶融混合する方法としては、通常の方法、例えばペレット状又は粉体状の成分を適切な混合機(ヘンシェルミキサー等)で混合した後、押出機で溶融混合してペレット化する方法が挙げられる。混合温度は通常150〜260℃であり、樹脂劣化を防ぐため窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。混合に際しての各成分の添加順序には特に限定はないが、例えば、(1)(A)と(B)、又はこれらに必要に応じて(C)、(D)、(E)、(F)、(G)及び/又は(H)を加えてブレンド・混練する方法、(2)(A)と、(B)の一部、又はこれらに必要に応じて(C)、(D)、(E)、(F)、(G)及び/又は(H)をブレンド・混練した後、残りの(B)をブレンド・混練する方法、(3)(A)と(D)と必要に応じて一部の(B)、さらに(C)、(E)、(F)、(G)及び/又は(H)をブレンド・混練した後、残りの(B)をブレンド・混練する方法等が挙げられる。
これらのうち(2)及び(3)の方法は、マスターバッチ法又はマスターペレット法と呼ばれ、少量の(D)、(E)、(F)、(G)及び/又は(H)を均一に樹脂に分散させる観点から好ましい方法である。
製造例1
熱減成法[23℃における密度0.90(単位はg/cm3、以下数値のみを示す。)MFR6.0g/10分のエチレン/プロピレンランダム共重合体(エチレン含量2%)を410±0.1℃で熱減成]で得られた低分子量エチレン/プロピレンランダム共重合体(Mn3,500、密度0.89、C1,000個当たりの二重結合量7.1個、1分子当たりの二重結合の平均数1.8、両末端変性可能なポリオレフィンの含有量90%)90部、無水マレイン酸10部及びキシレン30部を混合後、窒素ガス雰囲気下(密閉下)、200℃で溶融させ、200℃で20時間反応させた。
その後、過剰の無水マレイン酸とキシレンを減圧下、200℃、3時間で留去して、酸変性ポリプロピレン(a111)を得た。(a111)の酸価は27.2、Mnは3,700であった。
熱減成法[23℃における密度が0.90でMFRが10(g/10分)のポリプロピレンを410±0.1℃で熱減成] で得られた低分子量ポリプロピレン(Mn10,000、密度0.89、C1,000個当たりの二重結合量1.3個、1分子当たりの二重結合の平均数1.8、両末端変性可能なポリオレフィンの含有量90重量%)94部、無水マレイン酸6部及びキシレン30部を混合後、製造例1と同様にして、酸変性ポリプロピレン(a112)を得た。(a112)の酸価は5.0、Mnは10,000であった。
酸変性ポリプロピレン(a111)を66部と12−アミノドデカン酸34部を窒素ガス雰囲気下、200℃で溶融し、200℃、3時間、10mmHg以下の減圧下で反応させ、酸変性ポリプロピレン(a121)を得た。
(a121)の酸価は17.7、Mnは、5,700であった。
製造例2で用いた低分子量ポリプロピレン90部及び水酸化コバルト0.5部を耐圧反応容器に入れ、150℃で溶融し、水素と一酸化炭素1:1の混合気体を100気圧になるまで吹き込み、150℃で5時間反応させた。その後、圧力を常圧に戻し、Tollens試薬(硝酸銀−アンモニア水溶液)を加え、150℃で3時間反応させ、酸変性ポリプロピレン(a131)を得た。(a131)の酸価は41.6、Mnは2,600であった。
ステンレス製オートクレーブに、酸変性ポリプロピレン(a121)を60部、ポリエチレングリコール(b11)(Mn3,200、体積固有抵抗値3×108Ω・cm)33部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム7部、酸化防止剤[イルガノックス1010、チバスペシャリティケミカルズ(株)製、以下同じ。]0.3部及び酢酸亜鉛0.5部を加え、230℃、1mmHg以下の減圧下の条件で4時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。このポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによって、ブロックポリマー(A11)を得た。
(A11)のMnは、28,000であった。また、このMnと1H−NMR分析より求めた(A11)の平均繰り返し数Nnは3.4であった。
ステンレス製オートクレーブに、酸変性ポリプロピレン(a112)を71部、12−アミノドデカン酸2部、α、ω−ジアミノポリエチレングリコール(b21)(Mn8,000、体積固有抵抗値3×107Ω・cm)25部、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム0.5部、酸化防止剤0.3部及び酢酸ジルコニル0.5部を加え、230℃、1mmHg以下の減圧下の条件で5時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。以下、製造例7と同様にしてブロックポリマー(A21)を得た。
(A21)のMnは、36,000であった。また、このMnと1H−NMR分析より求めた(A21)の平均繰り返し数Nnは2.0であった。
ステンレス製オートクレーブに、酸変性ポリプロピレン(a131)を31部、ポリエチレングリコール(b12)(Mn6,000、体積固有抵抗値2×105Ω・cm)69部、酢酸カリウム0.5部、酸化防止剤0.3部及び酢酸ジルコニル0.5部を加え、230℃、1mmHg以下の減圧下の条件で4時間重合し、粘稠なポリマーを得た。以下、製造例7と同様にしてブロックポリマー(A31)を得た。
(A31)のMnは、59,000であった。また、このMnと1H−NMR分析より求めた(A31)の平均繰り返し数Nnは6.6であった。
(比較例1、2)
同様の条件で表1に示す配合処方に従って溶融混連し、比較の粘着剤(比較例1、2)を得た。
(比較例3)
ウレタンアクリレート[商品名:UV−3000B、日本合成化学工業(株)製]20部と、メトキシポリエチレングリコールアクリレート[商品名:AM−90G、新中村化学工業(株)製]30部を混合し、20℃で1時間撹拌混合した。次に、ヒドロキシプロピルアクリレート35部、イソオクチルアクリレート15部、過塩素酸リチウム4部及び光重合開始剤[商品名:ダロキュア1173、チバスペシャリティケミカルズ(株)製]1部を添加し、20℃で2時間撹拌混合し比較例3の粘着剤とした。
(B1−1):ポリプロピレン[商品名:タフセレン3712、住友化学(株)製、MFR:3(230℃、2.16kg)]
(B3−1):スチレン−(エチレン−プロピレン)ブロック共重合体[商品名:セプトン2063、(株)クラレ製、MFR:7(230℃、2.16kg)]
(B3−2):スチレン−イソブチレンブロック共重合体[商品名:シブスター102T、(株)カネカ製、MFR:0.6(230℃、2.16kg)]
(H1):フェノール系酸化防止剤[商品名:イルガノックス1010、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]
を表2に示す。
基層(X)を基材フィルム(ポリプロピレン)とし、表層(Y)を比較例3の粘着剤としナイフコーターで、基材に乾燥後厚さ20μmとなるように基材の片側全面に塗布し、紫外線照射機[DNA−FIX DF−365型、アトー(株)製]にて、波長365nm、紫外線エネルギー800mJ/cm2の紫外線を5秒間照射し、粘着剤層を硬化させて、比較例3の粘着フィルムを作成した。
得られた粘着フィルムについて、帯電防止性(飽和帯電圧及び半減時間)、粘着特性及び糊残り性の試験を行った。
(1)帯電防止特性
i)帯電防止性
粘着フィルムから切り出したタテ50mm×ヨコ50mmの粘着フィルム試験片を用い、JIS L1094(1988年)に従ってスタティックオネストメーター[TYPE H0110、シシド静電気(株)製]を用い、印加電圧10,000Vの条件で粘着剤面の飽和帯電圧及び電荷半減時間を評価した。
ii)水洗後の帯電防止性
粘着シートから切り出したタテ50mm×ヨコ50mmの粘着シート試験片を、
20℃の超純水(比抵抗17.5MΩ・cm、以下同じ。)で、100ml/分の流速で、2分間水洗し、循風乾燥機内80℃で3時間乾燥した。該水洗・乾燥の操作を10回繰り返した試験片を用い、上記i)と同様に帯電防止性を評価した。
(2)粘着特性
i)23℃引き剥がし強度
粘着フィルムから切り出したタテ100mm×ヨコ25mmの粘着フィルム試験片を用いJIS Z0237−2000「粘着テープ、粘着シート試験方法」に基づき、粘着フィルムとステンレス板を23℃の雰囲気下、2kgローラーの1往復で貼り合わせ、30分後に23℃における180°引き剥がし強度を測定した。
(25mm幅、引張速度300mm/min)
ii)100℃引き剥がし強度
i)と同様にして23℃の雰囲気下で貼り合わせた後、測定環境温度を100℃とし、30分後に100℃における180°引き剥がし強度を測定した。
(3)糊残り性
100℃における180°引き剥がし強度測定の後、ステンレス板上に糊残りの跡
を目視で観察し糊残り性を確認した。
糊残りなし ○
僅かに糊残りあり △
糊残りあり ×
Claims (7)
- ポリオレフィン(a)のブロックと、体積固有抵抗値が1×105〜1×1011Ω・cmの親水性ポリマー(b)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合及びイミド結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマー(A)からなる帯電防止剤と熱可塑性樹脂(B)からなる帯電防止性粘着剤。
- 25℃における貯蔵弾性率G'が0.2〜200MPaであり、100℃におけるG'が0.1〜100MPaであり、25℃と100℃のG’の比率が10以下である請求項1記載の帯電防止性粘着剤
- (a)が、酸変性ポリオレフィン(a1)である請求項1又は2記載の帯電防止性粘着剤。
- (A)が、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するブロックポリマー(A1)である請求項1〜3のいずれか記載の帯電防止性粘着剤。
- (B)がポリオレフィン樹脂(B1)、ポリアクリル樹脂(B2)、ポリスチレン樹脂(B3)及びポリウレタン樹脂(B4)からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか記載の帯電防止性粘着剤。
- (A)と(B)の合計重量に基づく(A)の割合が2〜40%である請求項1〜5のいずれか記載の帯電防止性粘着剤。
- 請求項1〜6記載の帯電防止性粘着剤を基材フィルム上にシート状に成形してなる帯電防止性粘着フィルム。
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