JP2007068501A - 液体麹を用いたみその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 みその製造に必要な酵素活性を十分に有する液体麹を開発し、当該液体麹を使用して効率的なみその製造方法を確立することを目的とする。
【解決手段】 液体麹を用いたみその製造方法であって、培養原料として、表面の全部又は一部が少なくとも穀皮で覆われた穀類を含む液体培地と、表面が外皮で覆われた豆類及び/又は芋類を含む液体培地と、細砕や粉砕などの前処理をしないアマランサス及び/又はキヌアを含む液体培地と、から選ばれた少なくとも1種の液体培地で麹菌を培養して得た液体麹を使用することを特徴とするみその製造方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、みその製造方法に関し、詳しくは液体麹を用いたみその製造方法に関する。
みそは、大豆と食塩と麹を主原料とするものである。みその製造において用いられる麹は、従来、穀類や豆類の表面上に麹菌を生育させた固体麹が用いられてきた(例えば、非特許文献1参照)。
固体麹は、伝統的な製造方法で得られるものであるが、固体培養という特殊な培養形態であるため、大規模製造に不向きである。
一方、液体培地で麹菌を培養することにより得られる液体麹は、培養制御が容易であることから、効率的な生産に適した培養形態であると言える。
しかし、この液体麹は、みその製造に必要な酵素活性が十分に得られないことが当業者に知られているため、これまで実製造に使用された例はない。
醸造・発酵食品の事典、第438〜439頁、株式会社朝倉書店2002年1月15日発行
本発明の目的は、みその製造に必要な酵素活性を十分に有する液体麹を開発し、当該液体麹を使用して効率的なみその製造方法を確立することである。
みその製造に使用する麹には、プロテアーゼ等の蛋白質分解酵素の活性が高いことが要求されるが、さらに糖質分解関連酵素であるグルコアミラーゼや耐酸性α−アミラーゼの活性が高いことも必要である。しかし、かかる酵素活性の高い液体麹を、液体培地で麹菌を培養して得るという技術は未だ開示されていない。すなわち、この耐酸性α−アミラーゼは、液体培養では生成されない酵素であると一般的に言われており、これまでに耐酸性α−アミラーゼの活性が高い液体麹は開発されていない。
従って、本発明の目的は、上記したように、グルコアミラーゼや耐酸性α−アミラーゼの活性が高い液体麹を開発して、当該液体麹を用いるみその製造方法を確立することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、培養原料として、表面の全部又は一部が少なくとも穀皮で覆われた穀類を含む液体培地と、表面が外皮で覆われた豆類及び/又は芋類を含む液体培地と、細砕や粉砕などの前処理をしないアマランサス及び/又はキヌアを含む液体培地と、から選ばれた少なくとも1種の液体培地で麹菌を培養して得た液体麹を使用することで、効率よくみそを製造できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、請求項1に係る本発明は、液体麹を用いたみその製造方法であって、培養原料として、表面の全部又は一部が少なくとも穀皮で覆われた穀類を含む液体培地と、表面が外皮で覆われた豆類及び/又は芋類を含む液体培地と、細砕や粉砕などの前処理をしないアマランサス及び/又はキヌアを含む液体培地と、から選ばれた少なくとも1種の液体培地で麹菌を培養して得た液体麹を使用することを特徴とするみその製造方法を提供するものである。
次に、請求項2に係る本発明は、麹菌が、白麹菌及び/又は黒麹菌である請求項1記載のみその製造方法を提供するものである。
本発明によれば、液体麹を用いたみその製造方法が提供される。
この方法によれば、従来の固体麹を用いたみその製造法により得られるみそと同程度の品質を有し、官能的にも遜色のないみそを製造することができる。
さらに、種々の原料や麹菌株を用いた麹菌培養物を組み合わせて製造した液体麹を使用することにより、みそのバラエティー化を図ることが極めて容易となる。
請求項1に係る本発明は、みその製造方法に関し、液体麹を用いたみその製造方法であって、培養原料として、表面の全部又は一部が少なくとも穀皮で覆われた穀類を含む液体培地と、表面が外皮で覆われた豆類及び/又は芋類を含む液体培地と、細砕や粉砕などの前処理をしないアマランサス及び/又はキヌアを含む液体培地と、から選ばれた少なくとも1種の液体培地で麹菌を培養して得た液体麹を使用することを特徴とするものである。
みその主原料は大豆と食塩と麹である。
みそは、このうち麹の原料の名称を冠して、麹の原料が米ならば米みそ、大麦または裸麦ならば麦みそ、大豆ならば豆みそと一般に呼ばれている。この他に、米みそ、麦みそ、豆みそのいずれにも属さない調合みそと呼ばれるみそがある。調合味噌とは、米みそ、麦みそ、豆みそを調合したみそと、米麹に麦麹または豆麹を混合したものを使用したみそと、前記3種のみそに使用される原料(米、大麦、裸麦、大豆)以外の原料(例えば、脱脂大豆、トウモロコシなど)を用いたみそと、を指す。
請求項1に係る本発明は、この麹として、固体麹ではなく、培養原料として、表面の全部又は一部が少なくとも穀皮で覆われた穀類を含む液体培地と、表面が外皮で覆われた豆類及び/又は芋類を含む液体培地と、細砕や粉砕などの前処理をしないアマランサス及び/又はキヌアを含む液体培地と、から選ばれた少なくとも1種の液体培地で麹菌を培養して得た液体麹を使用することを特徴とするものである。
大豆としては、丸大豆や脱脂大豆等を挙げることができ、これらは単独で、或いは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
請求項1に係る本発明においては、麹として液体麹を用いる。
本発明のみその製造に用いる液体麹は、本発明者らが提案した方法(特願2004−350661号明細書、同2004−352320号明細書、同2004−352324号明細書、同2004−378453号明細書)により得られる。
すなわち、この方法は、表面の全部又は一部が少なくとも穀皮で覆われた穀類、表面が外皮で覆われた豆類及び/又は芋類、細砕や粉砕などの前処理をしないアマランサス及び/又はキヌア等の原料を添加して調製された液体培地で麹菌の培養を行なうことにより、液体麹を製造する工程を包含する。具体的には、この方法では、前記した原料を使用して麹菌を培養するため、当該穀類中のでん粉の糖化に時間がかかり、培養系への糖の放出速度が抑制され、液体麹の酵素活性が増強される。しかも、プロテアーゼ、グルコアミラーゼと耐酸性α−アミラーゼが同時にバランスよく生成、蓄積される。
本発明においては、液体麹の培養原料として用いる穀類としては、大麦、裸麦、米、小麦、そば、ヒエ、アワ、キビ、コウリャン、トウモロコシ等を挙げることができる。これらの原料の形状としては、表面の全部又は一部が少なくとも穀皮で覆われていることが必要であって、未精白物、または少なくとも穀皮が穀粒の表面に残されている程度までに精白された精白歩合以上のもの等を用いることができ、玄米、玄麦なども使用できる。米の場合には、玄米は勿論のこと、籾殻が全部付いているものでもよいし、籾殻が一部付いているものでもよい。
例えば、穀類が大麦の場合、未精白の精白歩合100%のもの、或いは未精白の精白歩合を100%とし、この未精白の精白歩合(100%)から大麦の穀皮歩合(一般的には7〜8%)を差し引いた割合、すなわち92〜93%程度の精白歩合以上のものである。
ここで、精白歩合とは、穀類を精白して残った穀類の割合を言い、例えば精白歩合90%とは、穀類の表層部の穀皮等を10%削り取ることを意味する。また、本発明において、玄麦とは、未精白の麦から穀皮が穀粒の表面に残されている程度までに精白されたものであり、精白歩合90%以上のものを含む。また、穀皮とは、穀類の粒の表面を覆っている外側部位のことを言う。
本発明において、液体麹の培養原料として用いる豆類や芋類としては、大豆、小豆、サツマイモ等を挙げることができる。これらの培養原料は、外皮の汚れを洗い落とすのみで、裁断、粉砕処理などの加工は全く行なわないものである。
本発明において、液体麹の培養原料として用いるアマランサスは、ヒユ科ヒユ属植物の総称で、穀類のなかでは蛋白質含量が高く、アミノ酸の一つであるリジンの含量は大豆に匹敵する。また、精白米に比べても、カルシウム、鉄分、繊維質を多く含む高栄養価穀物であり、原産国は、中南米諸国、インド、ヒマラヤ、ネパールの特定地域である。一方、キヌアは、アガサ科の一年草であり、主にペルー南部やボリビア西部のアンデス山脈などの高地で栽培されており、ミネラル、ビタミン、蛋白質、食物繊維を豊富に含んでいる。
培養原料のアマランサスとキヌアは、単独で用いてもよく、或いは組み合わせて用いてもよい。これらは、細砕や粉砕などの前処理をすることなく、液体培地の調製に用いる。
上記の培養原料は、単独で、或いは2種以上を組み合わせて、以下の液体培地の調製に用いる。
すなわち、上記の培養原料は、水と混合して液体培地を調製する。原料の配合割合は、麹菌の培養中にプロテアーゼ、グルコアミラーゼ及び耐酸性α−アミラーゼが選択的に生成、蓄積される程度のものに調整される。
例えば、大麦または裸麦を培養原料とした場合には、水に対して大麦または裸麦を1〜20%(w/vol)添加した液体培地に調製される。また、無精白の大麦または裸麦を用いた場合には、さらに好ましくは8〜10%(w/vol)添加した液体培地に調製され、95%精白した大麦または裸麦を原料とした場合には、さらに好ましくは1〜4%(w/vol)添加した液体培地に調製される。
次に、籾殻を除いた玄米を培養原料とした場合には、水に対して玄米を1%(w/vol)から20%(w/vol)、好ましくは5%(w/vol)から13%(w/vol)、より好ましくは8%(w/vol)から10%(w/vol)を添加した液体培地に調製される。
豆類を培養原料とした場合には、水に対して豆類を1〜10%(w/vol)、好ましくは大豆であれば8〜10%(w/vol)、小豆であれば1〜2%(w/vol)添加した液体培地に調製される。また、芋類を培養原料とした場合には、水に対して芋類を1〜10%(w/vol)添加した液体培地に調製される。
また、例えば、アマランサスを培養原料とした場合は、水に対して1.5%(w/vol)から15%(w/vol)、好ましくは2%(w/vol)から10%(w/vol)、より好ましくは2%(w/vol)から8%(w/vol)を添加した液体培地に調製される。一方、キヌアの場合は、水に対して1.5%(w/vol)から7%(w/vol)、好ましくは2%(w/vol)から6%(w/vol)、より好ましくは2%(w/vol)から4%(w/vol)を添加した液体培地に調製される。
このように、使用する培養原料の精白度、使用する麹菌株、培養原料の種類等によって、最適な配合使用量は異なるので、適宜選択すればよい。
適量の上記原料を添加した液体培地で麹菌を培養すると、プロテアーゼ、グルコアミラーゼ、及び耐酸性α−アミラーゼの酵素がバランスよく高生産され、みそ製造に使用するのに十分な酵素活性を有する液体麹が得られる。
なお、培養原料の使用量が上限値を超えると、培養液の粘性が高くなり、麹菌を好気培養するために必要な酸素や空気の供給が不十分となり、培養物中の酸素濃度が低下して、培養が進み難くなるので好ましくない。一方、培養原料の使用量が下限値に満たないと、目的とする酵素が高生産されない。
上記原料に含まれるでん粉は、培養前に予め糊化しておいてもよい。でん粉の糊化方法については特に限定はなく、蒸きょう法、焙炒法等、常法に従って行なえばよい。後述する液体培地の殺菌工程において、高温高圧滅菌等により、でん粉の糊化温度以上に加熱する場合は、この処理によりでん粉の糊化も同時に行なわれる。
液体培地には、前述の原料の他に、栄養源として有機物、無機塩等を適宜添加するのが好ましい。
これらの添加物は、麹菌の培養に一般に使用されているものであれば特に限定はないが、有機物としては米糠、小麦麩、コーンスティープリカー、大豆粕、脱脂大豆等を、無機塩としてはアンモニウム塩、硝酸塩、カリウム塩、酸性リン酸塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の水溶性の化合物を挙げることができ、2種類以上の有機物及び/又は無機塩を同時に使用してもよい。これらの添加量は、麹菌の増殖を促進する程度であれば特に限定はないが、有機物としては0.1〜5%(w/vol)程度、無機塩としては0.1〜1%(w/vol)程度添加するのが好ましい。
このようにして得られる麹菌の液体培地は、必要に応じて滅菌処理を行なってもよく、処理方法には特に限定はない。例としては、高温高圧滅菌法を挙げることができ、121℃で15分間行なえばよい。
滅菌した液体培地を培養温度まで冷却後、麹菌を液体培地に接種する。
本発明で用いる麹菌は、蛋白質分解酵素生産能および糖質分解酵素生産能を有する麹菌、好ましくはプロテアーゼ生産能、グルコアミラーゼ生産能、耐酸性α−アミラーゼ生産能を有する麹菌であり、例えば、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)等に代表される白麹菌、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)やアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)等に代表される黒麹菌等が挙げられる。これら白麹菌と黒麹菌は、請求項2に記載したように、それぞれ単独で用いてもよいし、或いは両者を併用してもよい。また、培地に接種する麹菌の形態は任意であり、胞子又は菌糸を用いることができる。
これらの麹菌は、一種類の菌株による培養、又は同種若しくは異種の二種類以上の菌株による混合培養のどちらでも用いることができる。これらは、胞子又は前培養により得られる菌糸のどちらの形態のものを用いても問題はないが、菌糸を用いる方が対数増殖期に要する時間が短くなるので好ましい。麹菌の液体培地への接種量には特に制限はないが、液体培地1ml当り、胞子であれば1×10〜1×10個程度、菌糸であれば前培養液を0.1〜10%程度接種することが好ましい。
麹菌の培養温度は、生育に影響を及ぼさない限りであれば特に限定はないが、好ましくは25〜45℃、より好ましくは30〜40℃で行なうのがよい。培養温度が低いと麹菌の増殖が遅くなるため雑菌による汚染が起きやすくなる。培養時間は24〜72時間で培養するのが好ましい。
培養装置は液体培養を行なうことができるものであればよいが、麹菌は好気培養を行なう必要があるので、酸素や空気を培地中に供給できる好気的条件下で行なう必要がある。
また、培養中は培地中の原料、酸素、及び麹菌が装置内に均一に分布するように撹拌をするのが好ましい。撹拌条件や通気量については、培養環境を好気的に保つことができる条件であればいかなる条件でもよく、培養装置、培地の粘度等により適宜選択すればよい。
上記の培養法で培養することにより、プロテアーゼ、グルコアミラーゼ、及び耐酸性α−アミラーゼの酵素が同時にバランスよく生成され、みそ製造に使用できる酵素活性を有する液体麹となる。尚、本発明において液体麹とは、培養したそのものの他に、培養物を遠心分離等することにより得られる培養液、それらの濃縮物又はそれらの乾燥物等も包含するものとする。
上記の製造方法で得られた液体麹等は、本発明に係るみその製造に用いられる。みその製造にあたり、固体麹の代わりに当該液体麹等を用いること以外は、既知の製造方法に従ってみそを製造することができる。
みその製造法の一例を以下に示す。
主原料として用いられる大豆としては丸大豆や脱脂大豆等があるが、これらは選別、洗浄した後、水中に浸漬して吸水させ、次いで蒸煮して蒸煮大豆とする。
米みそと麦みそについては、まず上記液体麹に食塩を添加し、酵母、さらにフードプロセッサー等により破砕(つぶし)処理された蒸煮大豆を加えて仕込みを行う。必要に応じて乳酸菌を用いることもできる。
仕込み後は、20〜30℃程度の温度で半年間程度発酵・熟成すればよい。
また、豆みそについては、上記蒸煮大豆をみそ玉作り機にかけてみそ玉を作った後、これに食塩、酵母、上記液体麹を添加して仕込みを行う。必要に応じて乳酸菌を用いることもできる。
仕込み後は、20〜30℃程度の温度で半年間程度熟成すればよい。
以上のようにして目的とするみそを製造することができる。
以下、本発明を実施例によってより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1(玄麦液体麹を用いたみその製造)
(I)玄麦液体麹の製造
1)前培養方法;丸麦(国産2条大麦、搗精歩合70%)8gと水100mlを500mlバッフル付三角フラスコに張り込み、121℃、15分間オートクレーブ滅菌した。この前培養培地に白麹菌アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)(NBRC 4308)を1×106個/mlになるように植菌し、37℃、24時間、100rpmで振とう培養した。
2)本培養方法;玄麦(国産2条大麦、搗精なし)2g、KNO3 0.2g、KH2PO4 0.3gと水100mlを500mlバッフル付三角フラスコに張り込み、121℃、15分間オートクレーブ滅菌した(2本準備した)。この本培養培地へ上記の前培養液を1mlずつ植菌し、37℃、72時間、100rpmで振とう培養して、玄麦液体麹を得た。
(II)仕込み・熟成
仕込み配合は表1の通りとした。丸大豆は、洗浄後、水に一晩浸漬し、60分間水切り後、4時間蒸煮し、フードプロセッサーにより破砕(つぶし)処理したものを使用した。酵母は、Zygosaccharomyces rouxii (NBRC0510)を10mlのYPD培地にて30℃、24時間培養した後、遠心分離により集菌し、得られた菌体を滅菌水で2回洗浄した。
上記(I)で得られた玄麦液体麹に、食塩、上記酵母、並びに上記の如く処理した丸大豆を添加した。発酵条件は、25℃一定とし、6ヶ月間発酵・熟成を行い、麦みそを得た。
Figure 2007068501
上記のようにして得られた玄麦液体麹仕込みの麦みそについて、成分分析を行った結果は以下の通りである。
Figure 2007068501
また、得られた麦みその官能評価を専門パネル6名で行ったところ、みそとして十分使用できる品質と判断された。
さらに、上記液体麹の原料として玄米を用いた液体麹を使用した場合にも、同様に品質的に全く問題のない米みそを製造することができた。
以上から、本発明によれば、液体麹を用いてみそを製造することが可能であることが明らかとなった。
本発明によれば、液体麹を用いたみその製造方法が提供される。
この方法によれば、従来の固体麹を用いたみその製造法により得られるみそと同程度の品質を有し、官能的にも遜色のないみそを製造することができる。
さらに、種々の原料や麹菌株を用いた麹菌培養物を組み合わせて製造した液体麹を使用することにより、みそのバラエティー化を図ることが極めて容易となる。
従って、本発明は、みそ製造の効率化だけでなく、需要者の多様な要望に応じた製品を提供することにより、みその市場拡大に貢献することが期待される。

Claims (2)

  1. 液体麹を用いたみその製造方法であって、培養原料として、表面の全部又は一部が少なくとも穀皮で覆われた穀類を含む液体培地と、表面が外皮で覆われた豆類及び/又は芋類を含む液体培地と、細砕や粉砕などの前処理をしないアマランサス及び/又はキヌアを含む液体培地と、から選ばれた少なくとも1種の液体培地で麹菌を培養して得た液体麹を使用することを特徴とするみその製造方法。
  2. 麹菌が、白麹菌及び/又は黒麹菌である請求項1記載のみその製造方法。
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