JP2007067064A - 磁気ランダムアクセスメモリ - Google Patents

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Abstract

【課題】スイッチング磁場の低減と誤書き込みの防止を図る。
【解決手段】本発明の例に関わる磁気ランダムアクセスメモリは、互いに交差する第1及び第2書き込み線WLi,BLjと、第1及び第2書き込み線WLi,BLjの交差部に配置される磁気抵抗効果素子MTJと、磁気抵抗効果素子MTJの第1象限と第3象限を用いてデータ書き込みを実行するためのドライバ/シンカー1,2,3,4とを備え、磁気抵抗効果素子MTJは、第1象限と第3象限が第2象限と第4象限よりも窪んだ非対称のアストロイド特性を有する。
【選択図】図13

Description

本発明は、書き込みマージンが広く、かつ、熱安定性に優れる磁気ランダムアクセスメモリに関する。
固体磁気メモリは、従来より様々のタイプのものが提案されている。近年、巨大磁気抵抗効果を示す磁気抵抗効果素子(magneto resistive element)を用いた磁気ランダムアクセスメモリの提案が行われ、磁気抵抗効果素子としては、強磁性トンネル接合を利用したものが主流になっている。
強磁性トンネル接合は、例えば、強磁性層/絶縁層(トンネルバリア層)/強磁性層の積層構造から構成される。ここで、絶縁層に電圧をかけると、その絶縁層にトンネル電流が流れる。この場合、強磁性トンネル接合の接合抵抗値(絶縁層のトンネルコンダクタンス)は、2つの強磁性層の磁化の相対的角度の余弦に応じて変化する。
つまり、2つの強磁性層の磁化が同じ向き(平行状態)のとき、接合抵抗値は最小になり、反対向き(反平行状態)のとき、接合抵抗値は最大になる。
このような現象は、トンネル磁気抵抗(TMR: tunneling magneto resistive)効果と呼ばれている。例えば、最近では、TMR効果によるMTJ(magnetic tunnel junction)素子の抵抗値の変化率(MR比)は、常温において200%以上になることが報告されている。
強磁性トンネル接合を持つ磁気抵抗効果素子においては、2つの強磁性層のうちの一方を、磁化状態が固定された基準層(ピン層)とし、他方を、データに応じて磁化状態が変化する記憶層(フリー層)とする。そして、例えば、基準層と記憶層の磁化が平行状態にあるときを“0”とし、反平行状態にあるときを“1”とする。
データの書き込みは、例えば、書き込み線に流す書き込み電流により発生する磁場を磁気抵抗効果素子に与え、その磁気抵抗効果素子の記憶層の磁化の向きを反転させることにより行う。また、データの読み出しは、例えば、磁気抵抗効果素子の強磁性トンネル接合に読み出し電流を流し、TMR効果による強磁性トンネル接合の抵抗変化を検出することにより行う。
このような磁気抵抗効果素子をメモリセルとしてアレイ状に配置することによりメモリセルアレイが構成される。メモリセルアレイの構造には様々のタイプのものが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
例えば、高速ランダムアクセスが可能となるように、1つの磁気抵抗効果素子に1つのスイッチングトランジスタを接続させる1トランジスタ−1MTJタイプなどが知られている。
また、ワードラインとビットラインとが交差する領域においてダイオードと強磁性トンネル接合とを直列接続する構造も提案されている。
しかし、磁気ランダムアクセスメモリを実用化するに当たって解決しなければならない課題は多い。
例えば、データ書き込みに関しては、メモリセルアレイを構成する磁気抵抗効果素子のスイッチング磁場のばらつきに起因するディスターブ問題を解決しなければならない。また、アストロイド曲線を窪ませ、磁気抵抗効果素子に書き込み選択性を持たせる工夫も必要である。
また、磁気抵抗効果素子の微細化と書き込み電流の低減との両立を図らなければならない。現状では、磁気抵抗効果素子のサイズを小さくすると、その保磁力が大きくなり、磁化反転に必要なスイッチング磁場も大きくなる。この場合、磁場を発生させる書き込み電流の低減が難しく、消費電力が増加する。
また、データを長時間安定に記憶するには、熱安定性を向上させなければならない。熱安定性は、熱揺らぎ定数と呼ばれるパラメータにより判断し、その値が大きいほど良い。しかし、熱揺らぎ定数は、強磁性層の体積と保磁力に比例するため、磁気抵抗効果素子の微細化が進むと、熱安定性が悪化する。
特開平11−273337号公報 米国特許第6,005,800号
本発明の例では、磁気抵抗効果素子の微細化、スイッチング磁場の低減及び誤書き込みの防止が可能であり、熱安定性に優れた磁気ランダムアクセスメモリを提案する。
本発明の例に関わる磁気ランダムアクセスメモリは、互いに交差部に対応して配置される第1及び第2書き込み線と、前記第1及び第2書き込み線の交差部に配置される磁気抵抗効果素子と、前記第1及び第2書き込み線に流れる電流をそれぞれx軸及びy軸に取った平面上で前記磁気抵抗効果素子の磁化反転閾値曲線を描いた場合に前記磁化反転閾値曲線の第1及び第3象限を用いてデータ書き込みを実行するためのドライバ/シンカーとを備え、前記磁化反転閾値曲線は、前記第1及び第3象限が第2及び第4象限よりも窪んでいる。
本発明の例に関わる磁気ランダムアクセスメモリは、互いに交差部に対応して配置される第1及び第2書き込み線と、前記第1及び第2書き込み線の交差部に配置される磁気抵抗効果素子と、前記第1及び第2書き込み線に流れる電流をそれぞれx軸及びy軸に取った平面上で前記磁気抵抗効果素子の磁化反転閾値曲線を描いた場合に前記磁化反転閾値曲線の第2及び第4象限を用いてデータ書き込みを実行するためのドライバ/シンカーとを備え、前記磁化反転閾値曲線は、前記第2及び第4象限が第1及び第3象限よりも窪んでいる。
本発明の例に関わるデータ書き込み方法は、互いに交差部に対応して配置される第1及び第2書き込み線の交差部に配置され、前記第1及び第2書き込み線に流れる電流をそれぞれx軸及びy軸に取った平面上で磁化反転閾値曲線を描いた場合に前記磁化反転閾値曲線の第1及び第3象限が第2及び第4象限よりも窪んでいる磁気抵抗効果素子に対して、第1データを書き込むときは、前記第1書き込み線に第1方向に向かう第1書き込み電流を流し、前記第2書き込み線に第2方向に向かう第2書き込み電流を流し、前記第1データとは異なる第2データを書き込むときは、前記第1書き込み線に前記第1方向とは逆の第3方向に向かう第3書き込み電流を流し、前記第2書き込み線に前記第2方向とは逆の第4方向に向かう第4書き込み電流を流す、というものである。
本発明の例に関わるデータ書き込み方法は、互いに交差部に対応して配置される第1及び第2書き込み線の交差部に配置され、前記第1及び第2書き込み線に流れる電流をそれぞれx軸及びy軸に取った平面上で磁化反転閾値曲線を描いた場合に前記磁化反転閾値曲線の第2及び第4象限が第1及び第3象限よりも窪んでいる磁気抵抗効果素子に対して、第1データを書き込むときは、前記第1書き込み線に第1方向に向かう第1書き込み電流を流し、前記第2書き込み線に第2方向に向かう第2書き込み電流を流し、前記第1データとは異なる第2データを書き込むときは、前記第1書き込み線に前記第1方向とは逆の第3方向に向かう第3書き込み電流を流し、前記第2書き込み線に前記第2方向とは逆の第4方向に向かう第4書き込み電流を流す、というものである。
本発明の例に関わる磁気抵抗効果素子の製造方法は、磁化容易軸方向に長い延在部と前記延在部の長辺から磁化困難軸方向に突出する突出部とを形成する工程と、前記延在部の短辺を斜めに切り落とし、前記延在部を前記磁化容易軸方向に長い平行四辺形とする工程と、前記延在部及び前記突出部をハードマスクとして磁気抵抗効果素子のパターニングを行う工程とを備える。
本発明の例に関わる磁気抵抗効果素子の製造方法は、磁化容易軸方向に長い延在部を形成する工程と、前記延在部の側壁に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層をパターニングし、前記延在部の長辺から磁化困難軸方向に突出する突出部を形成する工程と、前記延在部及び前記突出部をハードマスクとして磁気抵抗効果素子のパターニングを行う工程とを備える。
本発明の例に関わる磁気抵抗効果素子の製造方法は、磁化容易軸方向に長い直線部を形成する工程と、前記直線部の側壁に絶縁層を形成する工程と、前記直線部及び前記絶縁層をパターニングし、前記磁化容易軸方向に長く、前記磁化容易軸方向に配置される複数の延在部を形成する工程と、前記絶縁層をパターニングし、前記複数の延在部の各々の長辺から磁化困難軸方向に突出する複数の突出部を形成する工程と、前記複数の延在部及び前記複数の突出部をハードマスクとして前記磁化容易軸方向に配置される複数の磁気抵抗効果素子のパターニングを行う工程とを備える。
本発明の例によれば、磁気抵抗効果素子の微細化、スイッチング磁場の低減及び誤書き込みの防止が可能であり、熱安定性に優れた磁気ランダムアクセスメモリを実現できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の例を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
1. 概要
本発明の例に関わる磁気ランダムアクセスメモリでは、磁気抵抗効果素子のアストロイド曲線(磁化反転閾値曲線)の第1象限と第3象限(又は第2象限と第4象限)を用いてデータ書き込みを行う。
磁気抵抗効果素子の記憶層の平面形状を特定の形にすると、アストロイド曲線の第1象限と第3象限(又は第2象限と第4象限)が大きく窪むため、そのようなデータ書き込みを行うことにより大きな書き込みマージンを実現できる。
通常のアストロイド曲線は、図1に示すように、第1、第2、第3及び第4象限の全てが同じような曲線から構成される。
この場合、第1及び第2象限を用いて書き込みが行われる。なぜなら、2本の書き込み線のうちの1つに流れる書き込み電流の向きを固定し、他の1つに流れる書き込み電流の向きに応じて書き込みデータの値を決定できるため、ドライバ/シンカーの面積を小さくできるからである。
しかし、第1象限と第2象限の曲線を大きく窪ませ、磁気抵抗効果素子に書き込み選択性を持たせることが難しい。また、図2に示すように、アストロイド曲線の形にばらつきが発生すると、データ書き込み時に、選択セルの磁化が反転しない、半選択セルの磁化が反転するなどの誤書き込みの問題が発生する。
これに対し、本発明の例によれば、磁気抵抗効果素子の記憶層の平面形状を特定の形とすることにより、アストロイド曲線の第1象限と第3象限を大きく窪ませることができる。つまり、第1象限と第3象限を用いて書き込みを行うことにより、書き込みマージンを広くし、スイッチング磁場の低減と誤書き込みの防止を実現できる。
尚、図1及び図2において、H1,H2(白丸)は、それぞれ磁化反転させるためのHx,Hy方向の磁場の大きさを示し、黒丸は、書き込みポイントとしてのスイッチング磁場(反転磁場)の大きさを示している。
3. 磁気抵抗効果素子の記憶層の平面形状
本発明の例では、磁気抵抗効果素子の記憶層の平面形状として、2回回転対称性(two times-rotation symmetry)を有し、かつ、磁化容易軸方向に延びる中心線及び磁化困難軸方向に延びる中心線に対して鏡映対象でない形状を採用する。
このような平面形状によれば、スイッチング磁場の低減(書き込み電流の低減)、誤書き込みの防止及び熱安定性の向上(熱擾乱耐性の向上)を同時に実現できるからである。
ここで、2回回転対称であるとは、磁気抵抗効果素子の中心点Oを中心に右回り又は左回りに360°/2だけ回転したときに初めの形状と合同になることである。つまり、2回回転対称性とは、磁気抵抗効果素子の中心点Oに対する点対称性(point symmetry)のことである。
上記要件を満たす形状の例としては、図3に示すような平行四辺形がある。この平行四辺形の長辺は、磁化容易軸方向に平行である。尚、全ての角部には丸みが付される。
このような平面形状によれば、データ書き込み後の初期状態としての残留磁化が安定し、書き込み特性のばらつきが低減するため、書き込み選択性の向上を実現できる。
また、図4に示すように、アストロイド曲線の第1及び第3象限の窪みが第2及び第4象限のそれよりも大きくなり、第1象限と第2象限(第3象限と第4象限)の曲線形状が対象でなくなる。従って、第1及び第3象限を書き込みに使用することで、書き込みマージンの向上を図れる。
上記要件を満たす形状の他の例としては、図5及び図6に示すようなS十字形がある。S十字形は、磁化容易軸方向に延在する延在部と、延在部から磁化困難軸方向へ突出する突出部とから構成される。
このようなS十字形によれば、残留磁化がS型磁区で安定し、かつ、データ書き込み中の半選択セルの磁化が2つのC型磁区から構成されるため、書き込み選択性の向上がさらに期待できる。
また、図7に示すように、アストロイド曲線の第1及び第3象限の窪みが平行四辺形に比べてさらに大きくなり、第1象限と第2象限(第3象限と第4象限)の曲線形状の非対称性が顕著になる。従って、第1及び第3象限を書き込みに使用することで、さらなる書き込みマージンの向上を図れる。
このように、2回回転対称性を有し、かつ、磁化容易軸方向に延びる中心線及び磁化困難軸方向に延びる中心線に対して鏡映対象でない形状の記憶層を用いると、全ての象限が均等に窪まず、特定象限、例えば、第1象限と第3象限が大きく窪む。
従って、このような形状の記憶層を持つ磁気抵抗効果素子に対して、第1象限と第2象限を用いる一般的な書き込み方法を適用するのは好ましくなく、本発明の例のように、第1象限と第3象限を用いてデータ書き込みを実行するのが妥当である。
例えば、本発明の例では、“1”−書き込み時にはアストロイド曲線の第1象限を用い、“0”−書き込み時にはアストロイド曲線の第3象限を用いる。この場合、“1”−書き込み時にワードライン及びビットラインに流れる書き込み電流の向きと、“0”−書き込み時にワードライン及びビットラインに流れる書き込み電流の向きとは、逆になる。
尚、磁気抵抗効果素子の記憶層の平面形状によっては、第2象限と第4象限が第1象限と第3象限に比べて大きく窪む場合がある。このような場合には、第2象限と第4象限とを用いてデータ書き込みを実行する。
次に、記憶層の平面形状と書き込みに使用する磁場HWL,HBLとの関係について説明する。
HWLは、ワードラインに流れる書き込み電流によって磁気抵抗効果素子の記憶層に印加される磁場であり、HBLは、ビットラインに流れる書き込み電流によって磁気抵抗効果素子の記憶層に印加される磁場である。
磁気ランダムアクセスメモリの熱安定性を確保する上で最も重要なことは、HWL及びHBLのうちのいずれか一方のみが印加される書き込み対象とならない半選択セルの熱擾乱耐性を向上させる点にある。
熱擾乱耐性は、(1-HWL/Hk)2 又は(1-HBL/Hc)2 に概ね比例する。
x軸にHBLを取り、y軸にHWLを取った磁場平面上でのアストロイド曲線において、Hkは、磁場平面上でアストロイド曲線がy軸と交わる点のy方向の磁場強度であり、Hcは、磁場平面上でアステロイド曲線がx軸と交わる点のx方向の磁場強度である。
従って、熱擾乱耐性を向上させるには、WPWL(ワードライン方向のWriting Point) = HWL/Hk と、WPBL(ビットライン方向のWriting Point) = HBL/Hc とをそれぞれ小さな値とすることが重要であり、そのためには、アストロイド曲線を窪ませることが有効である。
しかし、単純に、アストロイド曲線の第1、第2、第3及び第4象限の窪みを大きくすると、Hx(HBL)-Hy(HWL)平面内で、BL半選択状態(Bit Line Half Selection, 略してBLHS) 又はWL半選択状態(Word Line Half Selection, 略してWLHS)とアストロイド曲線とが非常に接近する。このため、熱擾乱耐性が劣化する。
特に、WL半選択状態での熱擾乱耐性の劣化が問題である。同時に、アストロイド曲線が少しばらついただけで、WLHS 又は BLHSがアストロイド曲線の外に出てしまい、誤書き込みが発生し易くなる。
これに対し、S十字形によれば、例えば、アストロイド曲線の第1象限と第3象限を大きく窪ませ、第2象限と第4象限については、第1象限と第3象限よりも窪まない形を実現できるため、BL半選択状態BLHS又はWL半選択状態WLHSでの熱擾乱耐性の劣化を防止できる。同時に、アストロイド曲線のばらつきに対してBL半選択状態BLHS又はWL半選択状態WLHSがアストロイド曲線の外に出てしまうことを防止できる。
ところで、アストロイド曲線の特定象限のみを窪ませることができる理由は、データ書き込み中における磁気抵抗効果素子の磁化過程にある。
即ち、S十字形によれば、選択セルの磁化状態は、図8乃至図10に示すように、磁化反転が生じ易いS型磁区(残留磁化)から反転を開始し、Hxがかかった半選択セルの磁化状態は、図11に示すように、S型磁区から磁化反転が生じ難い2つのC型磁区に変化する。
S型磁区では、磁気抵抗効果素子内に蓄えられるエネルギーが小さいため、小さい磁場、即ち、低い書き込み電流で磁化反転を行えることになり、C型磁区では、磁気抵抗効果素子内に蓄えられるエネルギーが大きく、磁化反転に必要な磁場が大きくなるため、Hx方向にアストロイド曲線が張り出す。結果として、アストロイド曲線の特定象限のみを窪ませることができる。
このように、データ書き込み中に、選択セルと半選択セルの磁化状態(磁化パターン)を異ならせることで、半選択セルの磁化反転を禁止し、書き込み選択性の向上を図ることができる。
また、アストロイド曲線の窪みが大きいということは、選択セルのスイッチング磁場(反転磁場)を小さくできることを意味するため、書き込み電流の低減による低消費電力化を実現できる。
一方、半選択セルについては、スイッチング磁場が大きいため、熱安定性の向上と共に、誤書き込みの防止に貢献でき、磁気ランダムアクセスメモリとしての特性が向上する。
図12は、従来形とS十字形とを比較して示している。
従来形としては、ここでは、十字形(従来形1)、楕円形(従来形2)、ビーンズ形(従来形3)の3つを掲げている。
十字形及び楕円形は、2回回転対称性を有するが、磁化容易軸方向に延びる中心線及び磁化困難軸方向に延びる中心線に対して鏡映対称である。また、ビーンズ形は、2回回転対称性を有しないし、磁化困難軸方向に延びる中心線に対しては鏡映対称である。
これに対し、S十字形は、2回回転対称性を有すると共に、磁化容易軸方向に延びる中心線及び磁化困難軸方向に延びる中心線に対して鏡映対称でない。
3. 実施の形態
次に、最良と思われる実施の形態について説明する。
(1) メモリセルアレイ構造
図13は、磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルアレイを示している。
メモリセルは、磁気抵抗効果素子MTJから構成される。磁気抵抗効果素子MTJは、アレイ状に配置される。磁気抵抗効果素子MTJの形状は、2回回転対称性を有し、かつ、磁化容易軸方向に延びる中心線及び磁化困難軸方向に延びる中心線に対して鏡映対象でない形状である。
磁気抵抗効果素子MTJの下部には、x方向に延びるワードラインWLi−1,WLi,WLi+1が配置される。ワードラインWLi−1,WLi,WLi+1の一端には、ワードラインドライバ/シンカー1が接続され、他端には、ワードラインドライバ/シンカー2が接続される。
ワードラインWLi−1,WLi,WLi+1には、書き込みデータの値に応じて異なる向きの書き込み電流IWLが流れる。
例えば、“1”−書き込み時には、ワードラインドライバ/シンカー2からワードラインドライバ/シンカー1に左向きの書き込み電流が流れ、“0”−書き込み時には、ワードラインドライバ/シンカー1からワードラインドライバ/シンカー2に右向きの書き込み電流が流れる。
磁気抵抗効果素子MTJの上部には、y方向に延びるビットラインBLj−1,BLj,BLj+1が配置される。ビットラインBLj−1,BLj,BLj+1の一端には、ビットラインドライバ/シンカー3が接続され、他端には、ビットラインドライバ/シンカー4が接続される。
ビットラインBLj−1,BLj,BLj+1には、書き込みデータの値に応じて異なる向きの書き込み電流IBLが流れる。
例えば、“1”−書き込み時には、ビットラインドライバ/シンカー4からビットラインドライバ/シンカー3に下向きの書き込み電流が流れ、“0”−書き込み時には、ビットラインドライバ/シンカー3からビットラインドライバ/シンカー4に上向きの書き込み電流が流れる。
読み出し回路については、図13では省略しているが、データ読み出しは、メモリセルアレイのタイプに適した読み出し回路を用いて実行する。
例えば、図14に示すように、ダイオードと組み合わせたクロスポイントタイプでは、ワードラインWLiには、選択トランジスタSTwを経由してセンスアンプSAが接続され、ビットラインBLjには、選択トランジスタSTBを経由して電源が接続される。
磁気抵抗効果素子CとワードラインWLiとの間には、ダイオードDが配置される。ダイオードDは、クロスポイントタイプに特有の読み出し/書き込み時における回り込み電流(sneak current)を防止する機能を有する。
回り込み電流は、非選択のワードラインWLiと非選択のビットラインBLjにバイアス電位を与えることにより回避する。
また、図15に示すように、はしごタイプでは、読み出しビット線RBLjには、選択トランジスタSTを経由して抵抗素子Rが接続される。センスアンプSAは、抵抗素子Rの両端に発生する電圧を検出することにより読み出しデータをセンスする。ビットラインBLjの一端には、電源が接続され、他端には、例えば、選択トランジスタSTを経由して接地点が接続される。
さらに、図16及び図17に示すように、1トランジスタ−1MTJタイプでは、磁気抵抗効果素子Cの一端には、選択トランジスタST2を経由してセンスアンプSAが接続される。ビットラインBLjには、選択トランジスタST1を経由して電源が接続される。
尚、図17の構造では、磁気抵抗効果素子Cの一端は、引き出し線としての下部電極Lに接続される。このため、磁気抵抗効果素子Cの直下に選択トランジスタST2が配置されても、ワードラインWLiを磁気抵抗効果素子Cの近傍に配置できる。
(2) 磁気抵抗効果素子の構造例
次に、磁気抵抗効果素子の構造例について説明する。
A. 構造例1
構造例1は、平面形状が平行四辺形である磁気抵抗効果素子に関し、図3の平面形状に相当する。図3の平行四辺形の角部は全て丸くなっているが、尖っていても良い。
磁気抵抗効果素子の幅(磁化困難軸方向の幅)は、例えば、約0.50μmに設定される。また、他の例として、約0.20μmに設定してもよい。
磁気抵抗効果素子の幅については、この例に限定されることはないが、その最大値については、磁気抵抗効果素子の高集積化を考慮すると、1μm以下であることが好ましい。
磁気抵抗効果素子の長さ(磁化容易軸方向の最大の長さ)は、例えば、約0.8μmに設定される。磁気抵抗効果素子の厚さは、例えば、約5nmに設定される。
平行四辺形の長辺の長さについては、例えば、平行四辺形の幅の最大値の1.1倍から10倍までの範囲内の値に設定することが好ましい。また、平行四辺形の長辺の長さをその幅の最大値の1.1倍から2.5倍までの範囲内の値に設定すると、アステロイド曲線の窪みが顕著になるため、さらに好ましい。
磁気抵抗効果素子の厚さについては、例えば、3nmから50nmまでの範囲内の値に設定することが好ましい。特に、磁気抵抗効果素子については、高集積化のため、できるだけ小さなサイズにすることが要求される。
但し、磁気抵抗効果素子の幅、長さ及び厚さについては、これらの例に限定されることはない。
B. 構造例2
構造例2は、平面形状がS十字形である磁気抵抗効果素子に関し、図5又は図6の平面形状に相当する。
S十字形は、延在部と突出部とからなり、例えば、図5の形状の場合、延在部は、磁化容易軸方向に長い平行四辺形を有し、突出部は、平行四辺形の長辺から磁化困難軸方向に突出する。
また、図6の形状の場合、延在部は、磁化容易軸方向に長い長方形を有し、突出部は、長方形の長辺から磁化困難軸方向に突出し、長方形の2つの対角線の少なくとも1つ上に存在する角が切り落とされる。
図5及び図6のS十字形の角部は全て丸くなっている。これらは尖っていても良い。丸くなっている方がアストロイドのバラツキが低減できる場合がある。一方、尖らせると、特定の象限を大きく窪ませることができると同時にアストロイドの第1象限と第2象限の対称性が悪くなる場合がある。従って従来の書込み方式では使いにくかったが、本発明の書込み方式では使える。
磁気抵抗効果素子の幅(磁化困難軸方向の幅)は、例えば、中央部で約0.50μm、磁化容易軸方向の端部で約0.35μmに設定される。また、他の例として、中央部で約0.20μm、磁化容易軸方向の端部で約0.13μmに設定してもよい。
磁気抵抗効果素子の幅については、この例に限定されることはないが、その最大値については、磁気抵抗効果素子の高集積化を考慮すると、1μm以下であることが好ましい。
磁気抵抗効果素子の突出部の長さ(磁化困難軸方向の長さ)は、磁気抵抗効果素子の延在部の幅(磁化困難軸方向の幅)の1/7以上、1/4以下の範囲内の値に設定するのが好ましい。
磁気抵抗効果素子の長さ(磁化容易軸方向の最大の長さ)は、例えば、約0.8μmに設定される。磁気抵抗効果素子の厚さは、例えば、約5nmに設定される。
S十字形の長辺の長さについては、例えば、S十字形の幅の最大値の1.1倍から10倍までの範囲内の値に設定することが好ましい。また、S十字形の長辺の長さをその幅の最大値の1.1倍から2.5倍までの範囲内の値に設定すると、アステロイド曲線の窪みが顕著になるため、さらに好ましい。
磁気抵抗効果素子の厚さについては、例えば、3nmから50nmまでの範囲内の値に設定することが好ましい。特に、磁気抵抗効果素子については、高集積化のため、できるだけ小さなサイズにすることが要求される。
但し、磁気抵抗効果素子の幅、長さ及び厚さについては、これらの例に限定されることはない。
C. 構造例3
構造例3は、磁気抵抗効果素子の層構造に関する。
図18は、磁気抵抗効果素子の層構造の例を示している。
磁気抵抗効果素子MTJは、ワードラインWLiとビットラインBLjの交差部に配置される。磁気抵抗効果素子MTJは、例えば、反強磁性層/強磁性層(ピン層)/絶縁層(トンネルバリア層)/強磁性層(フリー層)の積層構造から構成され、かつ、上部電極と下部電極によって挟み込まれている。
この例では、ピン層がフリー層の下に配置されるボトムピンタイプであるが、ピン層がフリー層の上に配置されるトップピンタイプであってもよい。
D. その他
磁気抵抗効果素子の構造例1〜3においては、強磁性層(フリー層、ピン層)は、それぞれ単層から構成されていてもよいし、また、それぞれ複数の層、例えば、2つの強磁性層と、これらの間に配置される非磁性金属層とから構成されていてもよい。
後者の場合には、例えば、SAF(synthetic anti-ferroelectric)構造を採用することにより、熱安定性を維持しつつ、保磁力の低減とスイッチング磁場の低減とを実現できる。
(3) 磁気抵抗効果素子の材料例
磁気抵抗効果素子の記憶層に用いる材料としては、本例では、NiFe を想定しているが、これに限られることはなく、例えば、Co90 Fe10, Fe, Co, Niなどの金属、これら金属を積層したもの、又は、これら金属を含む合金 (CoFeB, CoFeNi, NiFeZrなど)を使用することができる。また、磁気抵抗効果素子は、Cu, Au, Ru, Al などの非磁性金属材料からなる層を含んでいてもよい。
(4) 磁気抵抗効果素子の傾きとアスペクト比
図19は、アステロイド特性の実験結果を示している。
この実験では、図5の磁気抵抗効果素子をサンプルとし、ワードラインに対する磁気抵抗効果素子の傾きθの程度に応じてアステロイド曲線がどのように変化するかを調べる。
ここで、傾きθについては、磁気抵抗効果素子を反時計回りに回転したときの角度とする。具体的には、磁気抵抗効果素子は、平行四辺形の短辺側の鋭角から鈍角へ向かう方向、又は、平行四辺形の短辺側の曲率半径が小さい角から大きな角へ向かう方向に回転させる。
また、磁気抵抗効果素子の幅と長さの関係(アスペクト比:長さ/幅)は、約1.4に設定する。
サンプル1は、図20に示すように、磁気抵抗効果素子MTJの磁化容易軸方向の中心線xをワードラインWLiに対してθ=10°傾けた場合である。ビットラインBLjは、ワードラインWLiに直交するものとする。
サンプル2は、図21に示すように、磁気抵抗効果素子MTJの磁化容易軸方向の中心線xをワードラインWLiに対してθ=5°傾けた場合である。ビットラインBLjは、ワードラインWLiに直交するものとする。
サンプル3は、図22に示すように、磁気抵抗効果素子MTJの磁化容易軸方向の中心線xとワードラインWLiの延びる方向とが一致する場合(θ=0°)である。ビットラインBLjは、ワードラインWLiに直交するものとする。
いずれの場合も、アステロイド曲線の第1象限と第3象限は、第2象限と第4象限よりも窪んでいる。この場合、第1象限と第3象限を使ってデータ書き込みを行えば、大きな書き込みマージンが得られることになる。また、書き込みポイントWPでの磁場は、磁化容易軸方向の保磁力Hcよりも十分に小さいため、半選択セルの熱擾乱耐性を向上できる。
ところで、図5の磁気抵抗効果素子のように、2回回転対称性を有し、かつ、磁化容易軸方向に延びる中心線及び磁化困難軸方向に延びる中心線に対して鏡映対象でない形状の磁気抵抗効果素子では、アステロイド曲線がHy軸に対して非対称である。
この場合、アステロイド曲線の磁化困難軸方向の頂点(“1”−書き込み側と“0”−書き込み側の2ヶ所)、即ち、磁化困難軸方向の磁場Hyの絶対値を大きくし、磁化容易軸方向の磁場Hxの絶対値を小さくしていったときにアステロイド曲線が閉じる点が、Hy軸上から外れる場合がある。
このような状態になると、ワードラインWLiを流れる書き込み電流により発生する磁化困難軸方向の磁場Hyのみが印加される半選択セルに対して誤書き込みが発生し易くなる(ワードラインディスターブ)。
例えば、サンプル3、即ち、磁気抵抗効果素子MTJの磁化容易軸方向の中心線xとワードラインWLiの延びる方向とが一致する場合(θ=0°)、アステロイド曲線の磁化困難軸方向の頂点は、Hy軸上から第1象限側に外れている。
そこで、サンプル1,2のように、磁気抵抗効果素子MTJの磁化容易軸方向の中心線xをワードラインWLiに対して少し傾ける(θ=5°,θ=10°)。この角度θが大きくなるに従い、アステロイド曲線の磁化困難軸方向の頂点は、Hy軸に近づく。
このように、磁気抵抗効果素子MTJの磁化容易軸方向の中心線xをワードラインWLiに対して少し傾けることにより、ワードラインディスターブを受け難くし、書き込みマージンを広げることができる。
但し、図19から明らかなように、角度θの絶対値が大きくなると、アステロイド曲線の磁化容易軸方向の頂点(“1”−書き込み側と“0”−書き込み側の2ヶ所)、即ち、磁化容易軸方向の磁場Hxの絶対値を大きくし、磁化困難軸方向の磁場Hyの絶対値を小さくしていったときにアステロイド曲線が閉じる点が、Hx軸上から外れると共に、保磁力Hcの値が小さくなる。
このような状態になると、ビットラインBLjを流れる書き込み電流により発生する磁化容易軸方向の磁場Hxのみが印加される半選択セルに対して誤書き込みが発生し易くなる(ビットラインディスターブ)。
以上を考慮すると、磁気抵抗効果素子MTJの磁化容易軸方向の中心線xのワードラインWLiに対する角度θは、0°≦θ≦10°の範囲内の値に設定することが好ましい、という結論が得られる。
尚、磁気抵抗効果素子の幅と長さの関係(アスペクト比:長さ/幅)は、本例では、約1.4に設定される。
このアスペクト比が小さくなると、アステロイド曲線の非対称性、即ち、第1象限と第2象限(又は第3象限と第4象限)の非対称性が大きくなる。つまり、従来の第1象限と第2象限を用いるデータ書き込み方法では、アスペクト比を小さくすることができず、磁気抵抗効果素子の微細化には限界があった。
これに対し、本発明の例では、アステロイド曲線の非対称性を積極的に利用するため、アステロイド曲線の非対称性が大きくなることは、かえって好都合であり、アスペクト比を小さくして磁気抵抗効果素子の微細化を実現できる。
(5) 磁気抵抗効果素子の磁化容易軸方向の端部形状
図23は、アステロイド特性の実験結果を示している。
この実験では、図5の磁気抵抗効果素子をサンプルとし、磁化容易軸方向の中心線xに対する磁化容易軸方向の端部の傾きθの程度に応じてアステロイド曲線がどのように変化するかを調べる。
具体的には、S十字形の延在部の形状を長方形又は平行四辺形とし、その長方形又は平行四辺形の内角のうち小さいほうの角度を、磁気抵抗効果素子の磁化容易軸方向の端部の傾きθとして表す。磁気抵抗効果素子の幅と長さの関係(アスペクト比:長さ/幅)は、約2.0に設定する。
サンプル1は、図24に示すように、S十字形の延在部が長方形から構成される場合で、磁化容易軸方向の中心線xに対する磁化容易軸方向の端部の傾きは、θ=90°となる。
この場合、磁気抵抗効果素子は、磁化容易軸方向の中心線x及び磁化困難軸方向の中心線yに対して鏡映対称となるため、正確に言うと、この磁気抵抗効果素子は、S十字形ではなく、単なる十字形の部類に入る。
尚、ワードラインWLiは、磁化容易軸方向に延び、ビットラインBLjは、磁化困難軸方向に延び、両者は直交するものとする。
サンプル2〜5は、図25乃至図28に示すように、S十字形の延在部が平行四辺形から構成される場合で、磁化容易軸方向の中心線xに対する磁化容易軸方向の端部の傾きは、それぞれ、θ=80°,75°,60°,45°となる。
尚、ワードラインWLiは、磁化容易軸方向に延び、ビットラインBLjは、磁化困難軸方向に延び、両者は直交するものとする。
サンプル1に示されるように、磁化容易軸方向の中心線xに対する磁化容易軸方向の端部の傾きθが90°の場合には、アステロイド曲線の磁化容易軸方向の頂点(保磁力)Hcの値のばらつきが大きくなる。
そこで、本発明の例では、サンプル2〜5に示されるように、磁化容易軸方向の中心線xに対する磁化容易軸方向の端部の傾きθが90°未満の場合、即ち、磁気抵抗効果素子の形状が、2回回転対称性を有し、かつ、磁化容易軸方向の中心線x及び磁化困難軸方向の中心線yに対して鏡映対称でない形状、例えば、S十字形状を対象とする。
実験結果から明らかなように、磁化容易軸方向の中心線xに対する磁化容易軸方向の端部の傾きθが90°未満で小さくなるに従い、アステロイド曲線の窪みの程度が小さくなる。実験では、本発明の例に関わる第1象限と第3象限(又は第2象限と第4象限)を利用するデータ書き込みを行う場合、傾きθは、45°≦θ<90°の範囲内の値に設定することが好ましい。
また、サンプル4,5に示されるように、傾きθが60°以下になると、アステロイド曲線の第1象限と第2象限の窪みの非対称性が大きくなる。
この場合、第1象限と第2象限を使ったデータ書き込み方式には適さない反面、本発明の例に関わる第1象限と第3象限(又は第2象限と第4象限)を使ったデータ書き込み方式に有効となる。
従って、本発明の例に関わるデータ書き込みを実行する場合には、磁化容易軸方向の中心線xに対する磁化容易軸方向の端部の傾きθは、60°<θ<90°の範囲内の値に設定することがさらに好ましい。
尚、この傾きθを形成するには、例えば、長方形を形成するステップと長方形の端部を斜めに切り落とすステップの2ステップ・プロセスを採用できるため、磁気抵抗効果素子の微細化にも有利である。
(6) ワードラインの傾き
既に述べたように、アステロイド曲線の窪み方が過度になると、Hx-Hy平面内で、半選択状態がそれぞれアステロイド曲線に非常に接近し、熱擾乱耐性に影響を与える。
ここでは、ワードライン方向の書き込みポイントとビットライン方向の書き込みポイントがそれぞれアステロイド曲線から十分に離れ、少しくらいのアステロイド曲線のずれでは誤書き込みが生じない構造について提案する。
図29は、ワードライン、ビットライン及び磁気抵抗効果素子の相互の位置関係を示している。図30は、図29の磁気抵抗効果素子のアステロイド特性を示している。
この実験では、図5の磁気抵抗効果素子をサンプルとし、磁気抵抗効果素子MTJの磁化容易軸方向の中心線xに対するワードラインの傾きθの程度に応じてアステロイド曲線がどのように変化するかを調べる。
ここで、傾きθについては、ワードラインを反時計回りに回転したときの角度とする。具体的には、ワードラインは、磁気抵抗効果素子の平行四辺形の短辺側の鋭角から鈍角へ向かう方向、又は、磁気抵抗効果素子の平行四辺形の短辺側の曲率半径が小さい角から大きな角へ向かう方向に回転させる。
尚、磁気抵抗効果素子の幅と長さの関係(アスペクト比:長さ/幅)は、約1.4に設定する。また、ビットラインBLjは、磁化困難軸方向(y軸方向)に延び、ワードラインWLiとビットラインBLjとは、90°以外の角度で互いに交差する。
ワードラインの傾きθが大きくなると、ワードラインに流れる書き込み電流により磁気抵抗効果素子MTJに印加される磁場は、Hy軸上のWLHS1から第2象限側又は第4象限側のポイントWLHS2に移動する。
その結果、選択されたワードライン上の半選択状態がアステロイド曲線から遠ざかり、これら半選択セルの熱擾乱耐性が向上する。特に問題であった、WL半選択での熱擾乱耐性劣化が解決できる。
一方、ワードラインの傾きθが大きくなり過ぎると、ビットライン半選択状態(BLHS)でビットラインに流れる書き込み電流により磁気抵抗効果素子MTJに印加される磁場は、Hx軸上のBLHS1から磁場が大きい方に移動させる必要がある。その結果、ビットライン半選択状態の熱擾乱耐性が劣化する。
従って、このような事情を考慮すると、ワードラインの傾きθは、0°<θ≦45°の範囲内の値、さらに好ましくは、0°<θ≦10°の範囲内の値に設定することが好ましい。
図31は、ワードラインとビットラインとが直交しない場合のメモリセルアレイの構造例を示している。
ワードラインWL1,WL2,・・・WLnの傾きθを0°<θ≦45°の範囲内の値に設定することを考えると、ワードラインWL1,WL2,・・・WLnは、x方向に蛇行させながら延在させることが好ましい。
この場合、磁気抵抗効果素子MTJの向きに関しては、奇数番目のビットラインBL1,・・・にオーバーラップする磁気抵抗効果素子MTJと、偶数番目のビットラインBL2,・・・にオーバーラップする磁気抵抗効果素子MTJとを、左右逆にする。
このようなレイアウトにすることで、ランダムアクセスに関し、複雑なデコード動作が必要なくなるため、ワードラインドライバ/シンカー1,2の面積を小さくできる。
尚、ワードラインWL1,WL2,・・・WLnを直線とし、ワードラインWL1,WL2,・・・WLnとビットラインBL1,BL2,・・・BLmとが90°以外の角度で交差するようなレイアウトを採用しても構わない。
(7) ドライバ/シンカーの回路例
本発明の例では、アステロイド曲線の第1象限と第3象限(又は第2象限と第4象限)を用いてデータ書き込みを実行する。
この場合、ワードラインとビットラインの双方に関し、書き込みデータに応じて異なる向きの書き込み電流が流れるようにしなければならない。
図32は、ワードラインドライバ/シンカーの回路例を示している。
ワードラインドライバ/シンカー1,2は、例えば、図13及び図31におけるワードラインドライバ/シンカー1,2に対応する。
ワードラインドライバ/シンカー1は、ドライバとしてのPチャネルMOSトランジスタP1と、シンカーとしてのNチャネルMOSトランジスタN1と、デコーダとしてのNANDゲート回路ND1及びアンドゲート回路AD1とから構成される。
ワードラインドライバ/シンカー2は、ドライバとしてのPチャネルMOSトランジスタP2と、シンカーとしてのNチャネルMOSトランジスタN2と、デコーダとしてのNANDゲート回路ND2及びアンドゲート回路AD2とから構成される。
図33は、ビットラインドライバ/シンカーの回路例を示している。
ビットラインドライバ/シンカー3,4は、例えば、図13及び図31におけるビットラインドライバ/シンカー3,4に対応する。
ビットラインドライバ/シンカー3は、ドライバとしてのPチャネルMOSトランジスタP3と、シンカーとしてのNチャネルMOSトランジスタN3と、デコーダとしてのNANDゲート回路ND3及びアンドゲート回路AD3とから構成される。
ビットラインドライバ/シンカー4は、ドライバとしてのPチャネルMOSトランジスタP4と、シンカーとしてのNチャネルMOSトランジスタN4と、デコーダとしてのNANDゲート回路ND4及びアンドゲート回路AD4とから構成される。
データ書き込み時には、書き込み信号WRITEが“H”になる。また、選択されたi番目のロウのロウアドレス信号iの全ビットが“H”になり、選択されたj番目のカラムのカラムアドレス信号jの全ビットが“H”になる。
書き込みデータが“1”である“1”−書き込み時には、DATA=“H”になるため、PチャネルMOSトランジスタP2,P4及びNチャネルMOSトランジスタN1,N3がオン、PチャネルMOSトランジスタP1,P3及びNチャネルMOSトランジスタN2,N4がオフになる。
その結果、ワードラインドライバ/シンカー2からワードラインドライバ/シンカー1に左向きの書き込み電流が流れ、かつ、ビットラインドライバ/シンカー4からビットラインドライバ/シンカー3に下向きの書き込み電流が流れ、第1象限を用いたデータ書き込みが実行される。
書き込みデータが“0”である“0”−書き込み時には、DATA=“L”になるため、PチャネルMOSトランジスタP1,P3及びNチャネルMOSトランジスタN2,N4がオン、PチャネルMOSトランジスタP2,P4及びNチャネルMOSトランジスタN1,N3がオフになる。
その結果、ワードラインドライバ/シンカー1からワードラインドライバ/シンカー2に右向きの書き込み電流が流れ、かつ、ビットラインドライバ/シンカー3からビットラインドライバ/シンカー4に上向きの書き込み電流が流れ、第3象限を用いたデータ書き込みが実行される。
(8) 製造方法
次に、本発明の例に関わる磁気抵抗効果素子の製造方法について説明する。
磁気抵抗効果素子は、一般的には、光、電子ビーム及びX線のいずれかを用いてレジストを露光し、かつ、現像によりレジストパターンを形成し、この後、このレジストパターンをマスクにして、イオンミリング又はエッチングにより磁性材料及び非磁性材料を加工することにより形成される。
大きなサイズ、例えば、ミクロンオーダーの磁気抵抗効果素子を形成する場合には、レジストパターンを転写したハードマスク(例えば、酸化シリコン、窒化シリコンなど)を形成し、このハードマスクをマスクにして、反応性イオンエッチング(RIE)やイオンミリングにより磁性材料及び非磁性材料を加工し、磁気抵抗効果素子を得る。
小さなサイズ、例えば、2〜3 μm から 0.1μmまでのサブミクロンサイズの磁気抵抗効果素子を形成する場合には、光リソグラフィを用いることができる。この場合は、光リソグラフィによりレジストパターンを形成し、このレジストパターンをハードマスクに転写する。このハードマスクをマスクにして、反応性イオンエッチング(RIE)やイオンミリングにより磁性材料及び非磁性材料を加工し、磁気抵抗効果素子を得る。
微細なサイズ、例えば、0.5μm以下のサイズを持つ磁気抵抗効果素子を形成する場合には、電子ビーム露光を用いることができる。この場合は、電子ビーム露光によりレジストパターンを形成し、このレジストパターンをハードマスクに転写する。このハードマスクをマスクにして、反応性イオンエッチング(RIE)により磁性材料及び非磁性材料を加工し、磁気抵抗効果素子を得る。
他に、本発明の例に関わる磁気抵抗効果素子の平面形状を得るに当たって有望な製造方法として、2ステップ・プロセスまたは3ステップ・プロセスと呼ばれる製造方法がある。
これらのプロセスは、磁気抵抗効果素子をパターニングするときのマスクとなるハードマスクの製造方法に関する。
尚、2ステップ/3ステップにおけるステップとは、PEP(photo engraving process)のことである。
図34は、2ステップ・プロセスの第1例を示している。
第1例は、図5のS十字形を作る場合の例である。
まず、同図(a)に示すように、1回目の光リソグラフィ及びエッチングステップを行い、フォトレジスト11のパターンをハードマスク(例えば、SiO)12に転写する。この時点では、ハードマスク12の延在部に相当する部分は長方形である(第1ステップ)。
次に、同図(b)及び(c)に示すように、2回目の光リソグラフィ及びエッチングステップを行い、フォトレジスト13のパターンをハードマスク12に転写する。即ち、ハードマスク12の延在部に相当する部分(長方形)の短辺を斜めに切り落とす(第2ステップ)。
この後、このハードマスク12を用いて磁気抵抗効果素子MTJのパターニングを行うと、磁気抵抗効果素子MTJは、平行四辺形の延在部とこの延在部から突出する突出部とを有するS十字形となる。
このような2ステップ・プロセスによれば、磁気抵抗効果素子MTJの延在部の形状を、短辺が直線的に切り落とされた平行四辺形にすることができる。この場合、アステロイド曲線の非対称性が顕著に現れるため、本発明の例に関わる第1象限と第3象限(又は第2象限と第4象限)を用いた書き込み方法が有効となる。
図35は、2ステップ・プロセスの第2例を示している。
第2例は、図6のS十字形を作る場合の例である。
まず、同図(a)に示すように、1回目の光リソグラフィ及びエッチングステップを行い、フォトレジスト14のパターンをハードマスク(例えば、SiO)15に転写する。ハードマスク15は、磁気抵抗効果素子MTJの延在部の形状を決定する(第1ステップ)。
次に、同図(b)に示すように、ハードマスク15の側壁(サイドウォール)に絶縁層(例えば、SiN)16を形成する。
そして、同図(c)及び(d)に示すように、2回目の光リソグラフィ及びエッチングステップを行い、フォトレジスト17のパターンをハードマスクとしての絶縁層16に転写する。ハードマスクとしての絶縁層16は、磁気抵抗効果素子MTJの突出部の形状を決定する(第2ステップ)。
この後、これらハードマスク15,16を用いて磁気抵抗効果素子MTJのパターニングを行うと、磁気抵抗効果素子MTJは、短辺の一部が切り落とされた長方形の延在部とこの延在部から突出する突出部とを有するS十字形となる。
このような2ステップ・プロセスによれば、突出部の形状を精密に制御できるため、アステロイド曲線のばらつきの低減に有効である。
2ステップ・プロセスを応用して3ステップ・プロセスでS十字形状を作ることもできる。
図36乃至図40は、3ステップ・プロセスの例を示している。
この方法では、延在部の形状と突出部の形状の両方を精度良く作れるため、アストロイド曲線の特性が良く、かつ、そのバラツキが小さい磁気抵抗効果素子のアレイを実現できる。
まず、図36に示すように、1回目の光リソグラフィ及びエッチングステップを行い、磁化容易軸方向に長い複数の直線部からなるハードマスク(例えば、SiO)15を形成する(第1ステップ)。
この後、ハードマスク15の側壁(サイドウォール)に絶縁層(例えば、SiN)16を形成する。
次に、図37及び図38に示すように、2回目の光リソグラフィ及びエッチングステップを行い、フォトレジスト17のパターンをハードマスク15と絶縁層16に転写する。この後、フォトレジスト17を除去する。これにより、磁気抵抗効果素子の延在部の形状が決定される(第2ステップ)。
ここで、本例では、フォトレジスト17のパターンを楕円形とし、かつ、楕円形の長軸A及び短軸Bが直線部の中心線Cに一致しないように形成される。
楕円形の長軸A及び短軸Bの長さや、楕円形の長軸Aと直線部の中心線Cとがなす角度θなどを調節することにより、例えば、長方形の一つの対角線上の2つの角部が他の一つの対角線上の2つの角部よりも大きく削り取られ、かつ、全体的に丸みを帯びた延在部を精度よく形成できる。
次に、図39に示すように、3回目の光リソグラフィ及びエッチングステップを行い、磁化困難軸方向に延びる複数の直線部からなるフォトレジスト18のパターンをハードマスクとしての絶縁層16に転写する。この後、フォトレジスト18を除去する(第3ステップ)。
尚、ハードマスクとしての絶縁層16は、磁気抵抗効果素子の突出部の形状を決定する。
そして、これらハードマスク15,16を用いて磁気抵抗効果素子のパターニングを行うと、延在部と突出部の形状の両方が所望の形に精度良く加工されたS十字形の磁気抵抗効果素子のアレイが完成する。
(9) その他
メモリセルアレイ構造に関し、図13の例では、磁気抵抗効果素子MTJは、全て同じ方向を向いていることを前提とする。
但し、本発明の例に関わる平面形状を有する磁気抵抗効果素子MTJを採用する場合、磁気抵抗効果素子MTJのサイズが比較的大きくなる(2F以上の値)。F(feature size)は、リソグラフィによる最小加工寸法である。
そこで、例えば、メモリセルアレイを構成する複数の磁気抵抗効果素子MTJの向きを変え、1つのメモリセル当たりの面積を小さくし、メモリセルアレイ全体のサイズを縮小する。
例えば、図41の例では、x方向に隣接する2つの磁気抵抗効果素子MTJが線対称にレイアウトされ、図42の例では、x方向に隣接する2つの磁気抵抗効果素子MTJが点対称にレイアウトされる。
また、図43の例では、y方向に隣接する2つの磁気抵抗効果素子MTJが線対称にレイアウトされ、図44の例では、y方向に隣接する2つの磁気抵抗効果素子MTJが点対称にレイアウトされる。
さらに、これらを組み合わせたレイアウトを採用してもよい。
これらの場合において、1トランジスタ−1MTJタイプのセルアレイ構造を採用する場合には、1つのトランジスタ(選択素子)を複数の磁気抵抗効果素子MTJで共有することができる。
4. 効果
本発明の例によれば、以下の効果を得ることができる。
a) アステロイド曲線の第1象限と第3象限(又は第2象限と第4象限)を選択的に窪ませ、かつ、第1象限と第3象限(又は第2象限と第4象限)を用いてデータ書き込みを実行することにより、書き込みマージンが増大し、誤書き込みが抑制される。
b) アステロイド曲線の第1象限と第3象限(又は第2象限と第4象限)を選択的に窪ませ、かつ、第1象限と第3象限(又は第2象限と第4象限)を用いてデータ書き込みを実行することにより、アステロイド特性における書き込みポイント(スイッチング磁場の値)を小さくすることができ、書き込み電流が低減され、低消費電力化に貢献できる。
c) スイッチング磁場の値が小さくなることにより、半選択セルの熱擾乱耐性が向上する。その結果、磁気抵抗効果素子の微細化(scalability)を進めることができ、チップサイズの縮小を実現できる。
d) アステロイド曲線の第1象限と第3象限(又は第2象限と第4象限)を利用してデータ書き込みを実行することにより、アステロイド曲線の非対称性を気にすることなく、第1象限と第3象限(又は第2象限と第4象限)のみを十分に窪ませ、上述の a), b), c)の効果をさらに引き出すことができる。
e) 2ステップ・プロセスまたは3ステップ・プロセスを採用すれば、S十字形のサイズを小さくできるため、磁気抵抗効果素子の微細化(scalability)に有利である。
f) アステロイド曲線の第1象限と第3象限(又は第2象限と第4象限)を利用してデータ書き込みを実行することにより、ワードライン及びビットラインの双方について二方向に書き込み電流を流すことができるドライバ/シンカーを配置しなければならない。しかし、全体としては、書き込み電流の低減と磁気抵抗効果素子の微細化によりチップサイズを縮小できる。
g) 以上のように、本発明の例によれば、磁気抵抗効果素子の微細化、スイッチング磁場の低減及び誤書き込みの防止が可能であり、かつ、熱安定性に優れた磁気ランダムアクセスメモリを提供できる。
h) 本発明の例は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、各構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を構成できる。例えば、上述の実施の形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施の形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
参考例としてのアストロイド曲線を示す図。 参考例としてのアストロイド曲線を示す図。 本発明の例に関わる磁気抵抗効果素子の平面形状を示す図。 図3の磁気抵抗効果素子のアストロイド特性を示す図。 本発明の例に関わる磁気抵抗効果素子の平面形状を示す図。 本発明の例に関わる磁気抵抗効果素子の平面形状を示す図。 図5及び図6の磁気抵抗効果素子のアストロイド特性を示す図。 本発明の例に関わるスイッチングメカニズムを示す図。 本発明の例に関わるスイッチングメカニズムを示す図。 本発明の例に関わるスイッチングメカニズムを示す図。 本発明の例に関わるスイッチングメカニズムを示す図。 S十字形状と従来形状とを比較して示す図。 磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルアレイの例を示す図。 読み出し回路の例を示す図。 読み出し回路の例を示す図。 読み出し回路の例を示す図。 読み出し回路の例を示す図。 磁気抵抗効果素子の構造例を示す図。 磁気抵抗効果素子の傾きとアストロイド曲線との関係を示す図。 サンプル1における傾きの程度を示す図。 サンプル2における傾きの程度を示す図。 サンプル3における傾きの程度を示す図。 磁気抵抗効果素子の端部形状とアストロイド曲線との関係を示す図。 サンプル1における端部形状を示す図。 サンプル2における端部形状を示す図。 サンプル3における端部形状を示す図。 サンプル4における端部形状を示す図。 サンプル5における端部形状を示す図。 ワードラインと磁気抵抗効果素子との位置関係を示す図。 図29の磁気抵抗効果素子のアストロイド特性を示す図。 磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルアレイの例を示す図。 ワードラインドライバ/シンカーの例を示す回路図。 ビットラインドライバ/シンカーの例を示す回路図。 2ステップ・プロセスの第1例を示す図。 2ステップ・プロセスの第2例を示す図。 3ステップ・プロセスの例を示す図。 3ステップ・プロセスの例を示す図。 3ステップ・プロセスの例を示す図。 3ステップ・プロセスの例を示す図。 3ステップ・プロセスの例を示す図。 磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルアレイの例を示す図。 磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルアレイの例を示す図。 磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルアレイの例を示す図。 磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルアレイの例を示す図。
符号の説明
1,2: ワードラインドライバ/シンカー、 3,4: ビットラインドライバ/シンカー、 11,13,14,17: フォトレジスト、 12,15,16: ハードマスク、 MTJ: 磁気抵抗効果素子、 WLi−1,WLi,WLi+1: ワードライン、 BLj−1,BLj,BLj+1: ビットライン。

Claims (21)

  1. 互いに交差部に対応して配置される第1及び第2書き込み線と、前記第1及び第2書き込み線の交差部に配置される磁気抵抗効果素子と、前記第1及び第2書き込み線に流れる電流をそれぞれx軸及びy軸に取った平面上で前記磁気抵抗効果素子の磁化反転閾値曲線を描いた場合に前記磁化反転閾値曲線の第1及び第3象限を用いてデータ書き込みを実行するためのドライバ/シンカーとを具備し、前記磁化反転閾値曲線は、前記第1及び第3象限が第2及び第4象限よりも窪んでいることを特徴とする磁気ランダムアクセスメモリ。
  2. 互いに交差部に対応して配置される第1及び第2書き込み線と、前記第1及び第2書き込み線の交差部に配置される磁気抵抗効果素子と、前記第1及び第2書き込み線に流れる電流をそれぞれx軸及びy軸に取った平面上で前記磁気抵抗効果素子の磁化反転閾値曲線を描いた場合に前記磁化反転閾値曲線の第2及び第4象限を用いてデータ書き込みを実行するためのドライバ/シンカーとを具備し、前記磁化反転閾値曲線は、前記第2及び第4象限が第1及び第3象限よりも窪んでいることを特徴とする磁気ランダムアクセスメモリ。
  3. 前記第1及び第2書き込み線に流れる電流の向きは、第1データを書き込むときと前記第1データとは異なる第2データを書き込むときとで共に異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  4. 前記磁気抵抗効果素子の記憶層は、2回回転対称性を有し、かつ、磁化容易軸方向に延びる中心線及び磁化困難軸方向に延びる中心線に対して鏡映対称でない平面形状を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  5. 前記磁気抵抗効果素子の記憶層は、前記磁化容易軸方向に延在する延在部と、前記延在部の側面から前記磁化容易軸方向に対して垂直な磁化困難軸方向に突出する突出部とを有することを特徴とする請求項4に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  6. 前記延在部は、前記磁化容易軸方向に長い平行四辺形を有し、前記突出部は、前記平行四辺形の長辺から前記磁化困難軸方向に突出することを特徴とする請求項5に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  7. 前記延在部は、前記磁化容易軸方向に長い長方形を有し、前記突出部は、前記長方形の長辺から前記磁化困難軸方向に突出し、前記長方形の2つの対角線の少なくとも1つの上に存在する角が切り落とされていることを特徴とする請求項5に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  8. 前記突出部の前記磁化困難軸方向の長さは、前記延在部の前記磁化困難軸方向の幅の1/7倍以上、1/4倍以下の範囲内の値に設定されることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  9. 前記延在部及び前記突出部の角部は、全て丸くなっていることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  10. 前記磁気抵抗効果素子の前記磁化容易軸方向の長さは、前記磁化困難軸方向の幅の最大値の1.1倍から2.5倍までの範囲内の値に設定されることを特徴とする請求項4乃至9のいずれか1項に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  11. 前記磁気抵抗効果素子の前記磁化容易軸方向の中心線は、前記第1又は第2書き込み線に対して、0°より大きく、10°以下の角度で傾いていることを特徴とする請求項4乃至10のいずれか1項に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  12. 前記磁気抵抗効果素子の前記磁化容易軸方向の端部は、前記磁化容易軸方向の中心線に対して、45°以上、90°未満の角度で傾いていることを特徴とする請求項4乃至11のいずれか1項に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  13. 前記ドライバ/シンカーは、前記第1及び第2書き込み線の双方に対して異なる向きの電流を流す機能を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  14. 前記第1及び第2書き込み線は、直角以外の角度で互いに交差することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  15. 前記第1及び第2書き込み線のうちの1つは、蛇行しながら延びることを特徴とする請求項14に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  16. 互いに交差部に対応して配置される第1及び第2書き込み線の交差部に配置され、前記第1及び第2書き込み線に流れる電流をそれぞれx軸及びy軸に取った平面上で磁化反転閾値曲線を描いた場合に前記磁化反転閾値曲線の第1及び第3象限が第2及び第4象限よりも窪んでいる磁気抵抗効果素子に対して、第1データを書き込むときは、前記第1書き込み線に第1方向に向かう第1書き込み電流を流し、前記第2書き込み線に第2方向に向かう第2書き込み電流を流し、前記第1データとは異なる第2データを書き込むときは、前記第1書き込み線に前記第1方向とは逆の第3方向に向かう第3書き込み電流を流し、前記第2書き込み線に前記第2方向とは逆の第4方向に向かう第4書き込み電流を流すことを特徴とするデータ書き込み方法。
  17. 互いに交差部に対応して配置される第1及び第2書き込み線の交差部に配置され、前記第1及び第2書き込み線に流れる電流をそれぞれx軸及びy軸に取った平面上で磁化反転閾値曲線を描いた場合に前記磁化反転閾値曲線の第2及び第4象限が第1及び第3象限よりも窪んでいる磁気抵抗効果素子に対して、第1データを書き込むときは、前記第1書き込み線に第1方向に向かう第1書き込み電流を流し、前記第2書き込み線に第2方向に向かう第2書き込み電流を流し、前記第1データとは異なる第2データを書き込むときは、前記第1書き込み線に前記第1方向とは逆の第3方向に向かう第3書き込み電流を流し、前記第2書き込み線に前記第2方向とは逆の第4方向に向かう第4書き込み電流を流すことを特徴とするデータ書き込み方法。
  18. 磁化容易軸方向に長い延在部と前記延在部の長辺から磁化困難軸方向に突出する突出部とを形成する工程と、前記延在部の短辺を斜めに切り落とし、前記延在部を前記磁化容易軸方向に長い平行四辺形とする工程と、前記延在部及び前記突出部をハードマスクとして磁気抵抗効果素子のパターニングを行う工程とを具備することを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
  19. 磁化容易軸方向に長い延在部を形成する工程と、前記延在部の側壁に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層をパターニングし、前記延在部の長辺から磁化困難軸方向に突出する突出部を形成する工程と、前記延在部及び前記突出部をハードマスクとして磁気抵抗効果素子のパターニングを行う工程とを具備することを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
  20. 磁化容易軸方向に長い直線部を形成する工程と、前記直線部の側壁に絶縁層を形成する工程と、前記直線部及び前記絶縁層をパターニングし、前記磁化容易軸方向に長く、前記磁化容易軸方向に配置される複数の延在部を形成する工程と、前記絶縁層をパターニングし、前記複数の延在部の各々の長辺から磁化困難軸方向に突出する複数の突出部を形成する工程と、前記複数の延在部及び前記複数の突出部をハードマスクとして前記磁化容易軸方向に配置される複数の磁気抵抗効果素子のパターニングを行う工程とを具備することを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
  21. 前記複数の延在部は、長軸及び短軸が前記直線部の中心線と一致しない楕円形の複数のマスクを用いて前記直線部及び前記絶縁層をパターニングすることにより形成されることを特徴とする請求項20に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
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