JP2007064153A - 可変圧縮比内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮比の変更制御の頻度を最適化することにより、燃費向上の度合いをより高めることができる技術を提供する。
【解決手段】圧縮比をより低圧縮比側に変更する際には直ちに変更制御を実行し(S106)、圧縮比をより高圧縮比側に変更する際には所定の遅れ時間(ts)を伴って変更制御を実行する(S104、S105)。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の気筒内における燃焼室の容積および/またはピストンのストロークを変更することによって前記内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関に関する。
近年、内燃機関の燃費性能や出力性能などを向上させることを目的とした、内燃機関の圧縮比を可変にする技術が提案されている。この種の技術としては、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動可能に連結するとともにその連結部分にカム軸を設け、前記カム軸を回動させてシリンダブロックとクランクケースとを、気筒の軸線方向に相対移動させることで燃焼室の容積を変更し、以て内燃機関の圧縮比を変更する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
また、コンロッドを2分割し、クランクシャフトに連結された方のコンロッドに所定の揺動中心を中心に揺動可能な揺動部材を連結し、前記揺動中心がカム軸を回転させることによって移動することで燃焼室の容積及びピストンのストロークを変更し、以って内燃機関の圧縮比を変更する技術も提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。
上記の技術においては、運転状態に応じてノッキングの抑制などのために圧縮比を低圧縮比側に変更する制御と、燃費向上のために圧縮比を高圧縮比側に変更する制御とが適宜実行される。しかし、運転の仕方によっては圧縮比の変更が頻繁に必要となり、圧縮比の変更動作に伴うエネルギーの損失によって燃費向上の度合いが目減りする場合があった。
特開2003−206771号公報 特開2001−317383号公報 特開昭64−15438号公報 特開2000−110669号公報 特開2004−183644号公報 実開昭63−138443号公報 特開2004−218551号公報 特開2003−328794号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、圧縮比の変更制御の頻度を最適化することにより、燃費向上の度合いをより高めることができる技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明は、圧縮比をより低圧縮比側に変更する際には直ちに変更制御を実行し、圧縮比をより高圧縮比側に変更する際には所定の遅れ時間を伴って変更制御を実行することを最大の特徴とする。
より詳しくは、内燃機関の気筒内における燃焼室の容積および/またはピストンのストロークを変更することによって前記内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、
前記可変圧縮比機構に対して前記内燃機関の圧縮比を高圧縮比側または低圧縮比側の目標圧縮比に変更すべき制御信号を供給する制御手段と、
前記制御手段から前記可変圧縮比機構に対して、前記内燃機関の圧縮比を高圧縮比側の
目標圧縮比に変更すべき制御信号が出された場合に、前記可変圧縮比機構が前記内燃機関の圧縮比を変更する前に所定の遅れ時間を付与する遅れ時間付与手段と、
を備えることを特徴とする。
ここで、上述の可変圧縮比内燃機関においては、ノッキングなどを抑制し、さらに燃費を向上させるために、運転状態に応じて圧縮比を随時変更している。しかし、圧縮比を変更するためには、何らかの動力が必要でありエネルギーの損失が伴うため、あまり頻繁に圧縮比の変更制御が行われた場合には、圧縮比を高めることによる燃費向上の度合いを目減りさせてしまう。
そこで、本発明においては、ノッキングの抑制などの緊急対応時以外の圧縮比の変更制御、具体的には圧縮比を高圧縮比側に変更する制御については、所定時間の遅れ時間を設けることにした。そうすれば、少なくとも圧縮比を高圧縮比側に変更する制御についての応答性を低くすることができ、過度に頻繁な圧縮比変更を抑制できる。その結果、圧縮比変更による燃費向上の度合いが目減りすることを抑制できる。
また、本発明においては、前記遅れ時間の経過中に、前記制御手段から、前記内燃機関の圧縮比を高圧縮比側の目標圧縮比に変更すべき制御信号が供給された場合には、該制御信号を無視するようにしてもよい。
そうすれば、例えば一度高圧縮比側に圧縮比を変更した後、すぐに高圧縮比側に圧縮比を変更すべき要求があった場合には、所定時間に亘りこれを無視するので、過度に頻繁な圧縮比変更をより確実に抑制できる。その結果、圧縮比変更による燃費向上の度合いが目減りすることをより確実に抑制できる。
また、本発明においては、前記遅れ時間の経過中に、前記制御手段から、前記内燃機関の圧縮比を低圧縮比側の目標圧縮比に変更すべき制御信号が供給された場合には、前記可変圧縮比機構は直ちに圧縮比を該目標圧縮比に変更するようにしてもよい。
ここで、内燃機関の運転状態によっては、圧縮比が過度に高い場合に、ノッキングが発生したり内燃機関自体に悪影響を及ぼしたりする深刻な不具合が発生するおそれがあった。これに対し、圧縮比を低圧縮比側に変更すべきときには直ちに変更制御を実行することにより、ノッキングの発生や内燃機関自体への悪影響などの深刻な不具合を抑制しつつ、燃費向上の度合いの目減りを抑制することができる。
また、本発明においては、前記遅れ時間付与手段が付与する遅れ時間を、前記制御手段による制御信号の所定期間あたりの供給回数が多い程長くするようにしてもよい。
ここで、短期間に圧縮比の変更制御が頻繁に実行されるほど、圧縮比の変更に伴うエネルギーの損失が増加し、燃費向上の度合いをより大きく目減りさせる場合がある。従って、前記遅れ時間付与手段が付与する遅れ時間は、前記制御手段による制御信号の所定期間あたりの供給回数が多い程長くなるようにすれば、運転者が燃費向上の度合いを目減りさせるような運転を行っている期間中は、高圧縮比側への圧縮比の変更の応答性をより低くすることができる。その結果、より効率的に燃費向上の度合いの目減りを抑制することができる。
また、この場合、前記遅れ時間の経過中に、前記制御手段から、前記内燃機関の圧縮比を目標圧縮比に変更すべき制御信号が供給されなかった場合には、前記遅れ時間を短くするようにしてもよい。
そうすれば、前記制御手段による制御信号の供給回数に応じて前記時間遅れの期間を最適に維持することができる。例えば、前記遅れ時間が基準時間と、前記制御手段による制御信号の供給回数が多いことにより増加された増加時間とからなる場合には、前記遅れ時間の経過中に、前記制御手段から、前記内燃機関の圧縮比を高圧縮比側の目標圧縮比に変更すべき制御信号が供給されなかった場合には、前記遅れ時間を前記基準時間に戻してもよい。そうすれば、前記遅れ時間の最小値である基準時間を確保した上で、前記制御手段による制御信号の供給回数に応じて前記遅れ時間を最適に維持することができる。
また、本発明においては、前記内燃機関の圧縮比が、所定の境界高圧縮比以上である状態で、前記制御手段から、前記内燃機関の圧縮比を高圧縮比側の目標圧縮比に変更すべき制御信号が供給された場合には、該制御信号を無視するようにしてもよい。
ここで、前記内燃機関の圧縮比が既にある程度高圧縮比である場合に、それ以上圧縮比を高くしたとしても、長時間に亘ってその状態が続かない限り燃費の向上への寄与は期待できない場合がある。従って、本発明においてはその閾値としての圧縮比を境界高圧縮比とし、前記内燃機関の圧縮比が、所定の境界高圧縮比以上である状態で、前記制御信号からより高圧縮比側の圧縮比に変更すべき制御信号が供給された場合には、前記制御手段からの制御信号を無視するようにした。そうすれば、実質的に燃費の向上への寄与がある場合にのみ圧縮比の変更を実施することができ、圧縮比の変更に伴うエネルギーの損失を低減することができる。
また、本発明においては、前記内燃機関からの排気を浄化する排気浄化触媒をさらに備え、
前記内燃機関の走行開始後において、前記排気浄化触媒の床温が所定の暖機完了床温未満の場合には、前記遅れ時間を所定の暖機促進遅れ時間にするようにしてもよい。
ここで、前記内燃機関の走行開始後における圧縮比を低くすれば、前記内燃機関における燃焼効率が低下し、排気の温度が上昇することが判っている。そして、本発明において暖機完了床温とは、排気浄化触媒が活性化し排気浄化が充分可能となる床温を示す。また、暖気促進遅れ時間とは、前記遅れ時間をこの時間に設定すれば、平均的な圧縮比を低圧縮比側に移行させることができ、排気浄化触媒の温度を充分に早く暖機可能な程度に排気の温度を上昇させることができる遅れ時間であり、予め実験的に求められる。
本発明において、前記内燃機関の走行開始後に前記排気浄化触媒の床温が所定の暖機完了床温未満である場合には、前記遅れ時間を前記暖機促進遅れ時間にする。そうすれば、前記内燃機関からの排気の温度を上昇させることができ、前記排気浄化触媒の暖機を可及的に促進することができる。
この場合、前記排気浄化触媒の床温が前記暖機完了床温以上となったときには、前記遅れ時間を前記暖機促進遅れ時間より短くするようにしてもよい。そうすれば、触媒の暖機後は前記内燃機関の平均的な圧縮比をより高圧縮比側に維持することができ、燃費の向上の度合いを可及的に高めることができる。
また、本発明においては、前記内燃機関の走行開始後において、前記内燃機関の冷却水温がノッキングが発生しづらいと判断される所定のノック回避温度範囲に属する場合には、前記遅れ時間を前記冷却水温に応じた所定のノック回避限界遅れ時間にするようにしてもよい。
ここで、前記内燃機関の走行開始後において、冷却水の温度が低い状態ではノッキングが生じづらいことが分かっている。このような冷却水の温度の範囲を、本発明においては
ノック回避温度範囲とした。また、冷却水温がノック回避温度範囲に入っていた場合でも、ノッキングの生じづらさは冷却水温によってさらに異なる。そこで、本発明においては、前記冷却水温に応じて、前記内燃機関の平均的な圧縮比が、ノッキングを生じないと考えられる最高の圧縮比となるような遅れ時間をノック回避限界遅れ時間として選択することにした。
このように、前記内燃機関の冷却水温が前記ノック回避温度範囲に属する場合には、前記遅れ時間を前記ノック回避限界遅れ時間にすれば、前記内燃機関の平均的な圧縮比を、ノッキングが生じないと考えられる範囲で最高の圧縮比とすることができる。そうすれば、ノッキングの発生を抑制できるとともに燃費向上の度合いを可及的に高めることができる。ここでノック回避温度範囲における圧縮比は一定のものとは限らず、水温や水温の上昇率を用いて導出するようにしてもよい。
なお、上記した本発明の課題を解決する手段については、可能なかぎり組み合わせて用いることができる。
本発明にあっては、圧縮比の変更制御の頻度を最適化することにより、燃費向上の度合いをより高めることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。
以下に説明する内燃機関1は、可変圧縮比内燃機関であり、シリンダ2を有するシリンダブロック3を、ピストンが連結されたクランクケース4に対してシリンダ2の中心軸方向に移動させることによって圧縮比を変更するものである。
先ず、図1を用いて、本実施例に係る可変圧縮比機構の構成について説明する。図1に
示されるように、シリンダブロック3の両側下部に複数の隆起部が形成されており、この各隆起部に軸受収納孔5が形成されている。軸受収納孔5は、円形をしており、シリンダ2の軸方向に対して直角に、かつ複数のシリンダ2の配列方向に平行になるようにそれぞれ形成されている。軸受収納孔5はすべて同一軸線上に位置している。そして、シリンダブロック3の両側の軸受収納孔5の一対の軸線は平行である。
クランクケース4には、上述した軸受収納孔5が形成された複数の隆起部の間に位置するように、立壁部が形成されている。各立壁部のクランクケース4外側に向けられた表面には、半円形の凹部が形成されている。また、各立壁部には、ボルト6によって取り付けられるキャップ7が用意されており、キャップ7も半円形の凹部を有している。また、各立壁部にキャップ7を取り付けると、円形のカム収納孔8が形成される。カム収納孔8の形状は、上述した軸受収納孔5と同一である。
複数のカム収納孔8は、軸受収納孔5と同様に、シリンダブロック3をクランクケース4に取り付けたときにシリンダ2の軸方向に対して直角に、且つ、複数のシリンダ2の配列方向に平行になるようにそれぞれ形成されている。これらの複数のカム収納孔8も、シリンダブロック3の両側に形成されることとなり、片側の複数のカム収納孔8はすべて同一軸線上に位置している。そして、シリンダブロック3の両側のカム収納孔8の一対の軸線は平行である。また、両側の軸受収納孔5の間の距離と、両側のカム収納孔8との間の距離は同一である。
交互に配置される二列の軸受収納孔5とカム収納孔8には、それぞれカム軸9が挿通される。カム軸9は、図1に示されるように、軸部9aと、軸部9aの中心軸に対して偏心
された状態で軸部9aに固定された正円形のカムプロフィールを有するカム部9bと、カム部9bと同一外形を有し軸部9aに対して回転可能に取り付けられた可動軸受部9cとが交互に配置されている。一対のカム軸9は鏡像の関係を有している。また、カム軸9の端部には、後述するギア10の取り付け部9dが形成されている。軸部9aの中心軸と取り付け部9dの中心とは偏心しており、カム部9bの中心と取り付け部9dの中心とは一致している。
可動軸受部9cも、軸部9aに対して偏心されておりその偏心量はカム部9bと同一である。また、各カム軸9において、複数のカム部9bの偏心方向は同一である。また、可動軸受部9cの外形は、カム部9bと同一直径の正円であるので、可動軸受部9cを回転させることで、複数のカム部9bの外表面と複数の可動軸受部9cの外側面とを一致させることができる。
各カム軸9の一端にはギア10が取り付けられている。一対のカム軸9の端部に固定された一対のギア10には、それぞれウォームギア11a、11bがかみ合っている。ウォームギア11a、11bは単一のモータ12の一本の出力軸にとりつけられている。ウォームギア11a、11bは、互いに逆方向に回転する螺旋溝を有している。このため、モータ12を回転させると、一対のカム軸9は、ギア10を介して互いに逆方向に回転する。モータ12は、シリンダブロック3に固定されており、シリンダブロック3と一体的に移動する。
次に、上述した構成の内燃機関1において圧縮比を制御する方法について詳しく説明する。図2(a)から図2(c)にシリンダブロック3と、クランクケース4と、これら両者の間に構築されたカム軸9との関係を示した断面図を示す。図2(a)から図2(c)において、軸部9aの中心軸をa、カム部9bの中心をb、可動軸受部9cの中心をcとして示す。図2(a)は、軸部9aの延長線上から見て全てのカム部9b及び可動軸受部9cの外周が一致した状態である。このとき、ここでは一対の軸部9aは、軸受収納孔5及びカム収納孔8の中で外側に位置している。
図2(a)の状態から、モータ12を駆動して軸部9aを矢印方向に回転させると、図2(b)の状態となる。このとき、軸部9aに対して、カム部9bと可動軸受部9cの偏心方向にずれが生じるので、クランクケース4に対してシリンダブロック3を上死点側にスライドさせることができる。そして、そのスライド量は図2(c)のような状態となるまでカム軸9を回転させたときが最大となり、カム部9bや可動軸受部9cの偏心量の2倍となる。カム部9b及び可動軸受部9cは、それぞれカム収納孔8及び軸受収納孔5の内部で回転し、それぞれカム収納孔8及び軸受収納孔5の内部で軸部9aの位置が移動するのを許容している。
上述したような機構を用いることによって、シリンダブロック3をクランクケース4に対して、シリンダ2の軸線方向に相対移動させることが可能となり、圧縮比を可変制御することができる。
なお、上記の内燃機関1における運転に関わる制御の他、圧縮比を変更する制御は図示しないECU(Electronic Control Unit)からの指令によって実行される。従ってEC
Uは本実施例において制御手段に相当する。
ここで、本実施例の内燃機関1において圧縮比を変更する際には、前述のようにモータ
12に電力が供給される。また、モータ12に供給された電力の一部は、カム軸9の回転に伴う摩擦熱などとして消費される。従って圧縮比を過度に頻繁に変更すると、エネルギーの損失が増加し、最終的には圧縮比可変とすることによる燃費向上の度合いを目減りさせるおそれがある。
一方、圧縮比を、高圧縮比である状態から低圧縮比側に変更する場合は、ノッキングの発生や内燃機関1自体への悪影響を抑制する必要がある場合であることが多い。従って、高圧縮比から低圧縮比への変更制御を止めたり頻度を低下させたりすることは避けるべきである。
そこで、本実施例においては、圧縮比を高圧縮比側に変更する場合についてのみ、ECUから圧縮比の変更要求が出されてから実際に変更制御が行われるまでの間に遅れ時間を設けることとした。
図3には本実施例における圧縮比変更ルーチンについてのフローチャートを示す。本ルーチンは、内燃機関1の稼動中はECUによって所定時間毎に実行されるルーチンである。
本ルーチンが実行されると、まずS101においてECUから圧縮比変更要求が出されたかどうかが判定される。ここで、圧縮比変更要求が出されていないと判定された場合にはそのまま本ルーチンを一旦終了する。一方、圧縮比変更要求が出されたと判定された場合にはS102に進む。
S102においては、タイマカウントが開始され、ECUより圧縮比変更要求が出されてからの時間の計測が開始される。S102の処理が終了するとS103に進む。
S103においては、ECUから出された圧縮比変更要求が、現状より低圧縮比側への変更要求かどうかが判定される。ここでECUから出された圧縮比変更要求が、現状より高圧縮比側への変更要求と判定された場合には、遅れ時間を作り出すためS104に進む。一方、ECUから出された圧縮比変更要求が、現状より低圧縮比側への変更要求と判定された場合には、直ちに圧縮比変更処理を実行するためS106に進む。
S104においては、ECUによって圧縮比変更要求が出されてからの時間tがディレイ時間ts以上かどうかが判定される。ここで時間tがディレイ時間ts未満であると判定された場合には、圧縮比変更処理を行わずに待機することが必要と判断されるのでS105に進む。一方、時間tがディレイ時間ts以上であると判定された場合には、遅れ時間の経過が終了したと判断されるのでS106に進む。ここにおいて、ディレイ時間tsは、予め実験によって求められた不変の値であり、遅れ時間をtsとすることで、高圧縮比側への圧縮比変更の頻度を低下させることができ、燃費向上が最大となる遅れ時間である。
S105においては、入力待ちの状態を継続する。そしてS104処理の前に戻り、S104の処理を再度実行する。
S106においては、圧縮比変更処理を実行する。具体的には、モータ12に電力を供給することにより、カム軸9を回転させ、圧縮比を目標圧縮比まで変更させる。S106の処理が終了するとS107に進む。
S107においては、タイマのカウントを終了し、t=0にリセットする。S107の処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。
以上、説明したように、本実施例においては、圧縮比を高圧縮比側に変更すべき要求があった場合にのみ、遅れ時間を伴って圧縮比が変更されるようにしたので、過度に頻繁な圧縮比の変更を抑制することができる。
また、圧縮比を低圧縮比側に変更すべき要求があった場合には、直ちに圧縮比を変更するので、ノッキングの発生や、内燃機関1自体に悪影響が及ぶことなど、深刻な不具合を抑制することができる。
さらに、ディレイ時間tsを、燃費の向上の度合いを最大限高められる不変の値として実験的に求めているので、簡単な制御で燃費の向上の度合いの目減りを可及的に低減することができる。なお、上記の圧縮比変更ルーチンを実行するECUは、本実施例において遅れ時間付与手段に相当する。
なお、本実施例における内燃機関1では、圧縮比が最低の状態においては、図2(c)に示したように、カム軸9の軸部9aの中心と、カム部9bの中心と、可動軸受部9cの中心とが垂直に並び、燃焼圧の作用が圧縮比を変化させるようには働かない。また、図2(a)に示す圧縮比が最高の状態から図2(c)に示す圧縮比が最低の状態に移行するにつれて、燃焼圧のうち、圧縮比を変化させるように働く成分は小さくなる。
従って、本実施例においては、低圧縮比側の圧縮比において遅れ時間を設け、遅れ時間の経過中にクランクケース4とシリンダブロック3との相対位置を保持したとしても、燃焼圧が殆ど作用しない。従って、遅れ時間の経過中にクランクケース4とシリンダブロック3との相対位置を保持するために必要なエネルギーは少ない。このように、本実施例の内燃機関1における圧縮比の変更制御に遅れ時間を設けることによって、エネルギー損失の低減効果をより顕著にすることができる。
図4には、本実施例における圧縮比変更制御による圧縮比の変化の例を示す。図4に示すように、本実施例においては圧縮比の要求に対してディレイ時間tsの時間遅れを伴って変化するため、実質的な変更の回数または変更距離が減少し、エネルギーの損失を低減することができる。
なお、本実施例においては、ディレイ時間tsは、不変の値として設定されたが、実際には、燃費の向上の目減りを最大限減少させるディレイ時間は図5に示すように運転状態によって異なる。従って、ディレイ時間tsの設定方法に関する第2の態様として、運転状態と、燃費の向上の目減りを最大限減少させるディレイ時間との関係を予め実験的に求めてマップ化しておき、S104においては、その時点での運転状態に対応したtsを該マップから読み出すようにしてもよい。この場合、具体的には、高機関負荷、高機関回転数の領域においてはディレイ時間tsを長くするようにしてもよい。
次に、本実施例におけるディレイ時間tsの設定方法についての第3の態様について説明する。第3の態様では、圧縮比変更要求があった時点より前の一定時間における、圧縮比変更要求の回数によって、ディレイ時間tsを変化させる。
この態様においては、圧縮比変更要求があった時点の前の一定時間における、圧縮比変更要求の回数をECUが記憶し、その回数が多い程ディレイ時間tsを長くするようにする。この場合の、一定時間における圧縮比変更要求回数とディレイ時間tsとの関係を図6に示す。
また、図7には、この場合の圧縮比変更制御による、圧縮比の変化の例を示す。図7に
おいては、一定時間における圧縮比変更要求の回数が時間とともに増加する場合について示している。その場合、ディレイ時間tsは、図6のカーブに従いts1からts5へと順次長くなる。これにより、圧縮比の変更制御が頻繁な場合にはより効果的に圧縮比の変更制御の回数または変更距離を低減することができ、エネルギーの損失をより効果的に低減することができる。
なお、上記における一定時間は、圧縮比の変更制御の頻度が明確に区別できる程度の時間とすることが望ましい。そして、上記においてディレイ時間tsは、前記一定時間における圧縮比変更要求の回数の増加に伴って、基準時間ts1に対し増加時間が逐次加えられてts2〜ts5まで長くされたと考えることができる。
また、この態様においては、前記一定時間に圧縮比変更要求がなかった場合には、ディレイ時間tsが長くなった状態から基準時間であるts1に戻すことにより短くしてもよい。そうすれば、遅れ時間の最小値であるts1を確保した上で、前記一定時間における圧縮比変更要求の回数に応じて遅れ時間を最適に維持することができる。
以下に、本実施例におけるディレイ時間tsの設定方法に関するさらに他の態様について列挙する。
まず、図8に示すように、圧縮比変更要求が出された時点における圧縮比が高いほどディレイ時間tsを長くしてもよい。すなわち、もともと圧縮比が高い状態からさらに高圧縮比側に圧縮比を変更する場合には、圧縮比の変更による燃費向上効果が低くなる傾向がある。従って、圧縮比変更要求が出された時点における圧縮比が高いほどディレイ時間tsを長くすれば、より燃費向上効果が高い場合に重点的に圧縮比を変更することができ、全体としてのエネルギーの使用効率を向上させることができる。
また、図9に示すように、内燃機関1の冷却水温が高い程ディレイ時間tsを長くしてもよい。ここで、内燃機関1の冷却水温が高い状態においては、燃費を向上させる必要性自体が低くなる傾向がある。また、内燃機関1の冷却水温が高い状態では、ノッキングなどが生じやすくなる。従って、内燃機関1の冷却水温が高い程ディレイ時間tsを長くすれば、より確実にノッキングの発生や内燃機関1自体への悪影響を抑制できるとともに、燃費向上の度合いも充分に高くすることができる。
また、バッテリが弱った状態においてはディレイ時間tsを長くして、圧縮比変更の頻度を低くするようにしてもよい。この場合、バッテリが弱っているかどうかについては、スタータモータ使用時の電圧降下によって判断できるので、具体的には、図10に示すように、スタータモータ使用時におけるバッテリの電圧降下が大きいほど、ディレイ時間tsを長くしてもよい。
また、図11に示すように、エンジンオイルの油温が所定範囲においてはディレイ時間tsを短くし、それ以外の範囲では長くするようにしてもよい。ここで、油温が過度に低い範囲では、エンジンオイルの粘度が高いため一回の圧縮比変更によるエネルギーの損失が大きくなる。また、油温が過度に高い範囲では、エンジンオイルの粘度が過度に低いため、カム軸9の駆動時に油膜切れが生じるおそれがある。従って、一回の圧縮比制御によるエネルギーの損失が大きい範囲及び、カム軸9の駆動時に油膜切れが生じるおそれがある範囲においてディレイ時間tsを長くすることにより、それらの範囲における圧縮比の変更制御の実行を抑制することができる。
なお、その他、ディレイ時間tsは、スロットル開度、空燃比、触媒の温度、排気温度、燃料の種類、点火時期などの組合せを考慮して適宜変更するようにしてもかまわない。
次に、本発明における実施例2について説明する。本実施例においては、特に遅れ時間の経過中に、低圧縮比側への圧縮比変更要求があった場合には直ちに圧縮比変更制御を実行し、高圧縮比側への圧縮比変更要求があった場合には無視する制御について説明する。
図12には、本実施例における圧縮比変更ルーチンを示す。本ルーチンと、図3に示したルーチンとの相違点は、S201及びS202の処理が加えられた点である。その他の点は図3に示したものと同等であるので説明は省略する。
本ルーチンにおけるS104において、時間tがディレイ時間ts未満であると判定された場合には、S201に進む。S201においては、遅れ時間の経過中にさらに圧縮比変更要求がECUから出されたかどうかが判定される。ここで、圧縮比変更要求が出されていないと判定された場合にはS105に進む。一方、圧縮比変更要求が出されたと判定された場合にはS202に進む。
S202においては、S201において出されたと判定された圧縮比変更要求が、低圧縮比側への変更要求かどうかが判定される。ここで、低圧縮比側への変更要求であると判定された場合にはS106に進み、直ちに圧縮比変更処理が実行される。一方、高圧縮比側への変更要求であると判定された場合にはS105に進み、この変更要求を無視する。
以上、説明したように、本実施例における圧縮比変更ルーチンでは、遅れ時間の経過中に、低圧縮比側への圧縮比変更要求があった場合には直ちに圧縮比変更制御を実行し、高圧縮比側への圧縮比変更要求があった場合には無視するので、より確実に、過度に頻繁な圧縮比の変更を抑制できるとともに、ノッキングの発生や、内燃機関1自体に悪影響が及ぶことなど、深刻な不具合を抑制することができる。
ここで、本実施例においては、ECUによって圧縮比変更要求が出された時点における圧縮比の値が所定の境界高圧縮比以上である場合には、圧縮比変更要求を無視するようにしてもよい。ここで、圧縮比が既に高圧縮比である状態から、さらに高圧縮比側に圧縮比を制御しても燃費の観点から得られるメリットは少なく、実際の制御においても、このような制御を実施した後、すぐに再び圧縮比を低くする要求が出されることが多い。従って、ECUによって圧縮比変更要求が出された時点における圧縮比の値が境界高圧縮比以上であり且つ、圧縮比の変更要求が高圧縮比側へのものであった場合には、圧縮比変更要求を無視すれば、次に低圧縮比側への圧縮比の変更要求があるまで圧縮比を維持しつづけることができる。その結果、燃費の低減効果が大きい場合に限って圧縮比の変更制御を行うことができ、より確実にエネルギーの使用効率を向上させることができる。
次に、本発明における実施例3について説明する。本実施例においては、特に冷間始動時における内燃機関1の圧縮比の変更制御について説明する。なお、本実施例における内燃機関1は、その排気系に排気浄化触媒を備えることを前提としている。また、本実施例における圧縮比変更制御では、ディレイ時間tsは、予め実験により求められた、燃費の向上の度合いを最大限高められる基準ディレイ時間ts0として設定されている。そして、冷間始動時においては、ディレイ時間tsを基準ディレイ時間ts0から適宜変更することにより、燃費の向上及び排気浄化触媒の暖機の両立を図っている。
図13には、本実施例における圧縮比の変更制御を実行した場合の、内燃機関1の冷間始動時における各パラメータの変化を示す。図13において、クランキング開始時においては、圧縮比は高圧縮比側に固定されている。これにより内燃機関1自体の暖機を促進す
る。
そして、時点t1において内燃機関1が自立運転開始した後は、圧縮比を低圧縮比側に固定する。これにより排気の温度を上昇させて排気浄化触媒の暖機を促進する。従ってこの時点までは、ディレイ時間tsは設定されていない。
そして、時点t2において内燃機関1が搭載された車両の走行が開始された場合、時点t2以降は、運転状態に応じて圧縮比を変更する走行時圧縮比変更制御が開始される。
そして、時点t2の後、排気浄化触媒の温度が充分活性化していると判断できる暖機完了床温T0未満である場合には、走行時圧縮比変更制御におけるディレイ時間tsを基準ディレイ時間ts0より長いts10とする。これにより、平均的に内燃機関1の圧縮比を低圧縮比側に維持させることができるので、平均的な排気温度を上昇させ、触媒の暖機を促進することができる。なお、ここでディレイ時間ts10は、本実施例において暖気促進遅れ時間に相当する。
そして、時点t3において、排気浄化触媒の温度が規定温度T0に達したとする。ここで、内燃機関1の冷却水温が、ノッキングが生じづらいと判断できるT1未満である場合には、基準ディレイ時間ts0より短いts11まで減少させる。そうすることにより、ノッキングの発生を抑制しつつ、平均的な圧縮比を高圧縮比側に移行させることができ、燃費の向上を図ることができる。
その後、冷却水温の上昇とともに徐々にディレイ時間tsを増加させ、冷却水温がT1に達した時点t4において、ディレイ時間tsを基準ディレイ時間ts0とする。なお、時点t3から時点t4までの間におけるディレイ時間tsは、その際の冷却水温に対してノッキングが生じないと判断される最短の値としている。なおここで、上記の冷却水温におけるT1未満の温度範囲は、本実施例におけるノック回避温度範囲に相当する。また、上記において、時点t3から時点t4までの間に選択されたディレイ時間tsの値は、本実施例におけるノック回避限界遅れ時間に相当する。
以上、説明したように本実施例における冷間始動時の圧縮比制御においては、車両の走行開始後、排気浄化触媒が活性化していない場合には、ディレイ時間tsを長くすることにより、平均的な圧縮比を低圧縮比側に移行させる。それにより、平均的な排気の温度を上昇させることができ、排気浄化触媒の暖機を促進することができる。
また、本実施例においては、排気浄化触媒が活性化した後には、ディレイ時間tsを短くしているので、平均的な圧縮比を高圧縮比側に移行させ、燃費の向上を図ることができる。
さらに、本実施例においては、排気浄化触媒が活性化した後に、冷却水温がノッキングが発生しづらい低温であると判断できる場合には、ディレイ時間tsを、冷却水温に応じた限界値まで短くしている。これにより、ノッキングを抑制しつつ、燃費の向上の度合いを可及的に高めることができる。
なお、本実施例において、時点t2と時点t3の間の期間については、走行時圧縮比変更制御を行わずに、圧縮比を最低圧縮比に固定してもよい。また、車両の走行開始前に排気浄化触媒の温度がT0に達し、暖機が完了した場合には、アイドリング中の圧縮比を高圧縮比に固定してもよい。そうすれば、圧縮比の変更を省略することによって、燃費の向上の度合いを高めることができる。
次に、本実施例における圧縮比制御の第2の態様について説明する。図14には、第2の態様における圧縮比の変更制御を実行した場合の、内燃機関1の冷間始動時における各パラメータの変化を示す。図14と図13の相違点は、スタータモータの作動開始時には、圧縮比を低圧縮比側に固定しておき、クランキング動作中に高圧縮比側に変化させることである。こうすることにより、起動の瞬間のスタータモータの負荷を低減することができ、消費電力を低減することができる。
次に、本実施例における圧縮比制御の第3の態様について説明する。図15には、第3の態様における圧縮比の変更制御を実行した場合の、内燃機関1の冷間始動時における各パラメータの変化を示す。図15においては、時点t1において圧縮比を低圧縮比に固定しない。本態様においては、排気浄化触媒の暖機を促進するために、図示しない吸気弁の開弁時期の遅角または点火時期の遅角などを組合せ、低圧縮比化と異なる方法によって筒内温度の上昇を図っている。
さらに、車両の走行が開始した後は、図13と同様、冷却水温との関係においてノッキングが発生しないと判断される範囲内で、ディレイ時間tsを最短に設定し、燃費の向上を図っている。
なお、上記の実施例においては、カム軸を回転させることによって、シリンダブロックをクランクケースに対して相対移動させる構成を例にとって説明した。しかし本発明を適用する構成は上記に限られるものではない。例えば、コンロッドを2分割し、クランクシャフトに連結された方のコンロッドに所定の揺動中心を中心に揺動可能な揺動部材を連結し、前記揺動中心がカム軸を回転させることによって移動することで燃焼室の容積及びピストンのストロークを変更する構成に対して適用してもよい。
本発明の実施例に係る内燃機関の概略構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施例に係る内燃機関におけるシリンダブロックがクランクケースに対して相対移動する経過を示す断面図である。 本発明の実施例1に係る圧縮比変更ルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施例1に係る圧縮比変更ルーチンを実行した場合の圧縮比の変化の例を示すグラフである。 本発明の実施例に係る運転状態と、燃費向上の度合いを最も高められるディレイ時間との関係を示すグラフである。 本発明の実施例1に係る一定時間における圧縮比変更要求回数とディレイ時間との関係を示すグラフである。 本発明の実施例1に係る圧縮比変更ルーチンを実行した場合の圧縮比の変化の別の例を示すグラフである。 本発明の実施例1に係る圧縮比とディレイ時間との関係を示すグラフである。 本発明の実施例1に係る冷却水温とディレイ時間との関係を示すグラフである。 本発明の実施例1に係るスタータモータの使用時の電圧降下の値とディレイ時間との関係を示すグラフである。 本発明の実施例1に係るエンジンオイル油温とディレイ時間との関係を示すグラフである。 本発明の実施例2に係る圧縮比変更ルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施例3に係る圧縮比変更制御を実施した場合の内燃機関の冷間始動時における各パラメータの変化を示すグラフである。 本発明の実施例3に係る圧縮比変更制御を実施した場合の内燃機関の冷間始動時における各パラメータの変化を示すグラフの別の例である。 本発明の実施例3に係る圧縮比変更制御を実施した場合の内燃機関の冷間始動時における各パラメータの変化を示すグラフのさらに別の例である。
符号の説明
1・・・内燃機関
2・・・シリンダ
3・・・シリンダブロック
4・・・クランクケース
9・・・カム軸
10・・・ギア
11a、11b・・・ウォームギア
12・・・モータ

Claims (9)

  1. 内燃機関の気筒内における燃焼室の容積および/またはピストンのストロークを変更することによって前記内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、
    前記可変圧縮比機構に対して前記内燃機関の圧縮比を高圧縮比側または低圧縮比側の目標圧縮比に変更すべき制御信号を供給する制御手段と、
    前記制御手段から前記可変圧縮比機構に対して、前記内燃機関の圧縮比を高圧縮比側の目標圧縮比に変更すべき制御信号が出された場合に、前記可変圧縮比機構が前記内燃機関の圧縮比を変更する前に所定の遅れ時間を付与する遅れ時間付与手段と、
    を備えることを特徴とする可変圧縮比内燃機関。
  2. 前記遅れ時間の経過中に、前記制御手段から、前記内燃機関の圧縮比を高圧縮比側の目標圧縮比に変更すべき制御信号が供給された場合には、該制御信号を無視することを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
  3. 前記遅れ時間の経過中に、前記制御手段から、前記内燃機関の圧縮比を低圧縮比側の目標圧縮比に変更すべき制御信号が供給された場合には、前記可変圧縮比機構は直ちに圧縮比を該目標圧縮比に変更することを特徴とする請求項1または2に記載の可変圧縮比内燃機関。
  4. 前記遅れ時間付与手段が付与する遅れ時間を、前記制御手段による制御信号の所定期間あたりの供給回数が多い程長くすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の可変圧縮比内燃機関。
  5. 前記遅れ時間の経過中に、前記制御手段から、前記内燃機関の圧縮比を目標圧縮比に変更すべき制御信号が供給されなかった場合には、前記遅れ時間を短くすることを特徴とする請求項4に記載の可変圧縮比内燃機関。
  6. 前記内燃機関の圧縮比が、所定の境界高圧縮比以上である状態で、前記制御手段から、前記内燃機関の圧縮比を高圧縮比側の目標圧縮比に変更すべき制御信号が供給された場合には、該制御信号を無視することを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
  7. 前記内燃機関からの排気を浄化する排気浄化触媒をさらに備え、
    前記内燃機関の走行開始後において、前記排気浄化触媒の床温が所定の暖機完了床温未満の場合には、前記遅れ時間を所定の暖機促進遅れ時間にすることを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
  8. 前記排気浄化触媒の床温が前記暖機完了床温以上となった場合には、前記遅れ時間を前記暖機促進遅れ時間より短くすることを特徴とする請求項7に記載の可変圧縮比内燃機関。
  9. 前記内燃機関の走行開始後において、前記内燃機関の冷却水温がノッキングが発生しづらいと判断される所定のノック回避温度範囲に属する場合には、前記遅れ時間を前記冷却水温に応じた所定のノック回避限界遅れ時間にすることを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
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